JPH11264410A - 流体軸受装置 - Google Patents

流体軸受装置

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Publication number
JPH11264410A
JPH11264410A JP588899A JP588899A JPH11264410A JP H11264410 A JPH11264410 A JP H11264410A JP 588899 A JP588899 A JP 588899A JP 588899 A JP588899 A JP 588899A JP H11264410 A JPH11264410 A JP H11264410A
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JP
Japan
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dynamic pressure
flange member
sleeve
fixed shaft
pressure groove
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Application number
JP588899A
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English (en)
Inventor
Takafumi Asada
隆文 浅田
Hiroaki Saito
浩昭 斎藤
Takao Yoshitsugu
孝雄 吉嗣
Yasuo Saeki
康雄 佐伯
Katsunori Sakuragi
克則 桜木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP588899A priority Critical patent/JPH11264410A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤の飛散を阻止できる信頼性が高い流体
軸受装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 一端が下ケースに固定された固定軸2に
回転自在に設けられたスリーブ10に、スラスト板7を
設けて、フランジ部材4の外周部は、スリーブ10の段
部10Aとスラスト板7とによって、フランジ部材4の
上面と下面および側面が取り囲み、スリーブ10が回転
して遠心力が作用しても、潤滑剤11は凹部4Aに集ま
って外部へ飛散しない。さらに、固定軸2には、通気穴
2E,2F,2H,2Gを形成してあるので、フランジ
部材4とラジアル動圧溝3Aの間に存在する空気が膨張
した場合であっても潤滑剤11が押し出されることがな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクを回
転させながら信号の記録再生を行なうディスク記録装置
や、高速回転するビデオテープレコーダ用回転ヘッド装
置などに用いられる動圧型流体軸受を用いた流体軸受装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスク等を用いた記録装置はそ
のメモリー容量が増大し、またデータの転送速度が高速
化しているため、この種の記録装置にもちいられるディ
スク回転装置は高速、高精度回転が必要となり、その回
転主軸部には、米国特許第5504637号公報に開示
されるような中心軸の両端を支持した構造の流体軸受装
置が用いられている。
【0003】従来の流体軸受装置を図7と図8を参照し
ながら説明する。
【0004】図7は流体軸受装置を使用した記録装置を
示す。
【0005】一端が下ケース21に固定された固定軸2
2には、ハブ29の中央のスリーブ30が回転自在に填
め合わされている。ハブ29には、記録媒体としてのデ
ィスク35A,35B,35C,35Dがスペーサ36
A,36B,36Cによって間隔を保って取り付けられ
ている。
【0006】固定軸22の他端には、スリーブ30の段
部30Aに収納されるようにフランジ部材24が上部軸
28によって取り付けられている。上部軸28は雄ねじ
を有しており、この雄ねじを固定軸22の他端に螺合さ
せてフランジ部材24を固定軸22の他端に押しつけて
固定している。
【0007】ハブ29の凹部29Aには、フランジ部材
24の上面と上部軸28の外周面とに対向するスラスト
板27が固定されている。
【0008】固定軸22の外周面またはスリーブ30の
内周面の少なくともいずれか一方には1組の、通常は2
組の、魚骨溝( herringbone grooves)23A,23B
が設けられている。スリーブ30の段部30Aの端面と
フランジ部材24の対向面のいずれか一方には螺旋状の
内側螺旋溝( inner spiral groobes )26が設けら
れ、またフランジ部材24と、スラスト板27の対向面
の少なくともいずれか一方には外側螺旋溝25が設けら
れ、それぞれの溝部23A,23B,25,26および
油溜まり30Bには潤滑剤31が注油されて充満してい
る。
【0009】ハブ29には、モータロータ33が、また
下ケース21にはモータステータ32が固定されてい
る。また上ケース34が上部軸28に取り付けられてい
る。
【0010】この従来の流体軸受装置は、モータステー
タ32に通電がされて回転磁界が発生すると、モータロ
ータ33はハブ29,スリーブ30,スラスト板27,
ディスク35、スペーサ36と共に回転を始める。
【0011】この時、魚骨溝23A,23Bは潤滑剤3
1を掻き集め、ポンピング作用により圧力を発生し、ま
た外側螺旋溝25と内側螺旋溝26もそれぞれ潤滑剤3
1を掻き集めこれらの発生圧力により、ハブ29は固定
軸22に対して完全な非接触状態で回転する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、次のような問題点がある。
【0013】図8に示すように、まず、スリーブ30の
軸受部の内径:D1よりもスラスト板27の内径:D2
がやや大きいため、高速回転では魚骨溝23A,23B
に充満している潤滑剤31に遠心力が働き、潤滑剤31
は段部30Aを通過し、スラスト板27の上方に潤滑剤
31Aとして示す様に飛散し、流出することがある。
【0014】さらに、回転中に大気中から気液境界面3
8A,38Bを通して溶け込んだ気泡が、油溜まり30
Bなどに凝集して、これが気泡37A,37B,37
C,37Dに成長すると、気液境界面38A,38Bは
図8のように膨らみ、潤滑剤31は図中の上方から31
A,31Bのように流出し、下方からも、図中の31C
のように流出してしまい、魚骨溝23A,23Bおよび
外側螺旋溝25,内側螺旋溝26ではやがて潤滑剤31
が不足するという問題がある。
【0015】本発明は、軸受部からの潤滑剤の流出が無
く、信頼性が高い、流体軸受装置の構成を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の流体軸受装置
は、固定軸の下端側とスリーブとの隙間を適切に形成
し、固定軸の上端側とスラスト板との隙間を適切に形成
するとともに、一端がラジアルグルーブとスラストグル
ーブの間において前記固定軸の外周面におけるスリーブ
との隙間で開口し、他端が前記固定軸の内部を通って外
気に連通する通気穴を形成したことを特徴とする。
【0017】この本発明によると、潤滑剤は固定軸の上
端側と下端側の2つの開放端からの流出が防止されると
ともに、回転によって固定軸とスリーブとの隙間に発生
した気泡は前記通気穴を経由して外部に排出されるの
で、軸受部からの潤滑剤の流出が無く、信頼性が高い、
流体軸受装置の構成を実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の流体軸受
装置は、一端が下ケースに固定され他端の側にフランジ
部材と上軸部を有する固定軸と、前記固定軸が挿通され
る軸受穴を有するスリーブと、前記スリーブの側に取り
付けられ前記フランジ部材の平面に対向する面と前記上
軸部の外周面に対向する内径部とを有するスラスト板と
を設け、前記固定軸の外周面と前記スリーブの内周面の
相互の対向面の少なくともいずれか一方にはラジアル動
圧溝を形成し、前記フランジ部材とスラスト板の相互の
対向面の少なくともいずれか一方には外側スラスト動圧
溝を形成し、前記スリーブの軸受穴の径よりも前記上軸
部の外径および前記スラスト板の内径部の径を小さく構
成するとともに、前記固定軸の上で、前記ラジアル動圧
溝とは前記フランジ部材の反対側に隣接し、前記フラン
ジ部材から遠ざかるに従って径が細くなるテーパー部を
形成し、前記ラジアル動圧溝と外側スラスト動圧溝は潤
滑剤で満たされ、一端が前記固定軸の外周面における前
記フランジ部材と前記ラジアル動圧溝のほぼ中間部で開
口し、他端が前記固定軸の内部を通って外気に連通する
通気穴を形成したことを特徴とする。
【0019】本発明の請求項2記載の流体軸受装置は、
請求項1において、前記スリーブの軸受穴の径よりも前
記上軸部の外径および前記スラスト板の内径部の径を小
さく構成するのに代わって、前記固定軸の上軸部におけ
る前記スラスト板の内径部との対向部に、前記フランジ
部材から遠ざかるに従って径が細くなるテーパー部を形
成したことを特徴とする。
【0020】本発明の請求項3記載の流体軸受装置は、
請求項1,請求項2において、フランジ部材の上面と外
周面および下面は、スラスト板とスリーブの段部に近接
し、この隙間より密封されて、この部分を潤滑剤で満た
すとともに、フランジ部材の外周面には円周に沿って凹
部を形成したことを特徴とする。
【0021】本発明の請求項4記載の流体軸受装置は、
請求項1,請求項2において、ラジアル動圧溝を2組設
けるとともに、前記2組のラジアル動圧溝の間は固定軸
とスリーブの軸受穴で密封され、前記固定軸には周溝状
の空気溜まりを有することを特徴とする。
【0022】本発明の請求項5記載の流体軸受装置は、
請求項1,請求項2において、スリーブの下ケース側の
端面の近傍には、軸受穴に連なる第2の径大部および径
小部を形成したことを特徴とする。
【0023】本発明の請求項6記載の流体軸受装置は、
請求項1,請求項2において、スラスト板の内径部の上
側の端面の近傍に径小部を形成したことを特徴とする。
【0024】本発明の請求項7記載の流体軸受装置は、
請求項1,請求項2において、スリーブの外周面には下
ケースに向かって径が太くなるテーパー部を形成したこ
とを特徴とする。
【0025】本発明の請求項8記載の流体軸受装置は、
請求項7において、スリーブの外周面に設けたテーパー
部の外周に撥油剤被膜を形成したことを特徴とする。
【0026】本発明の請求項9記載の流体軸受装置は、
請求項1,請求項2において、スラスト板の上端面の近
傍に撥油剤被膜を形成したことを特徴とする。
【0027】本発明の請求項10記載の流体軸受装置
は、請求項1,請求項2において、フランジ部材の下面
とスリーブとの対向面の少なくとも一方には内側スラス
ト動圧溝を形成したことを特徴とする。
【0028】以下、本発明の各実施の形態を図1〜図6
に基づいて説明する。
【0029】図1と図2は本発明の実施の形態における
流体軸受装置を示している。
【0030】固定軸2はその一端が下ケース1に固定さ
れている。この固定軸2は、他端側の近傍にフランジ部
材4と、そのフランジ部材4よりも上方に延びる上軸部
2Aを有している。フランジ部材4ならびに上軸部2A
は、固定軸2と一体に作成したり、固定軸2にこの固定
軸とは別に作成したフランジ部材4ならびに上軸部2A
を組み合わせて構成したり、固定軸2と上軸部2Aとが
一体に構成されたものに別に作成したフランジ部材4を
組み合わせて構成することができる。
【0031】この固定軸2の外周には、軸受穴10Fを
有するスリーブ10が回転自在に填め合わされている。
フランジ部材4はスリーブ10の段部10Aに収納され
ている。
【0032】フランジ部材4と上部軸2Aの外周面に対
向する略環状のスラスト板7がスリーブ10の凹部10
Bに固定されている。固定軸2の外周面またはスリーブ
10の内周面の少なくともいずれか一方には1組の、通
常は2組の、例えば魚骨状のラジアル動圧溝3A,3B
が設けられている。この実施の形態ではスリーブ10の
内周面だけにラジアル動圧溝3A,3Bが設けられてお
り、固定軸2で隠れているために破線で図示されてい
る。
【0033】スリーブ10の段部10Aの端面とフラン
ジ部材4の段部10Aとの対向面の少なくともいずれか
一方には必要に応じて螺旋状の内側スラスト動圧溝6が
設けられている。
【0034】フランジ部材4とスラスト板7の相互の対
向面の少なくともいずれか一方には外側スラスト動圧溝
5が設けられ、ラジアル動圧溝3A,3B、及び外側ス
ラスト動圧溝5,内側スラスト動圧溝6には潤滑剤11
が注油されている。
【0035】スリーブ10に固定されたハブ9にはモー
ターロータ13が固定されている。また下ケース1には
モータステータ12が固定されている。
【0036】さらに、固定軸2には、フランジ部材4と
ラジアル動圧溝3A,3Bの間において、固定軸2の外
周面上で開口して固定軸2の内部を通って外気に連通す
る通気穴2E,2F,2H,2Gを有している。なお、
ここで言う外気とは、固定軸2の端部が密閉されたケー
シング内に位置する場合には、このケーシングの内部を
意味している。
【0037】スラスト板7の内径部7Aの径:D4は、
スリーブ10の内径:D3より小径である。固定軸2に
は、固定軸2の外周面上で、ラジアル動圧溝3A,3B
の外側にあってフランジ部材4から遠ざかるに従い径が
細くなるテーパー部2Iが形成されている。
【0038】14Aは撥油剤皮膜であり、下ケース1の
側のスリーブ10の外周部に設けられたテーパー部10
Dの外周に形成されている。
【0039】なお、ハブ9には、記録媒体としてのディ
スク15A,15B,15C,15Dがスペーサ16
A,16B,16Cによって間隔を保って取り付けられ
ている。
【0040】2Dは通気穴2Eの開口部に必要に応じて
設けられた凹部である。
【0041】上軸部2Aには、必要に応じてテーパー部
2Bとネジ部2Hが設けられている。固定軸2には必要
に応じて凹部2Cが設けられ、スリーブ10には第1の
径大部10Cが設けられ、この凹部2Cと第1の径大部
10Cとで形成されるスペースは空気と潤滑剤11の溜
まりとなっている。また、必要に応じフランジ部材4に
は空気溜まりとなる凹部4Aを有している。
【0042】このように構成したため、図1において、
モータステータ12に通電され、回転磁界が発生する
と、モータロータ13は、ハブ9,スリーブ10,スラ
スト板7,ディスク15A,15B,15C,15D,
スペーサ16A,16B,16Cと共に回転を始める。
【0043】この時、ラジアル動圧溝3A,3Bは潤滑
剤11を掻き集め、ポンピング作用により圧力を発生せ
しめ、また外側スラスト動圧溝5と内側スラスト動圧溝
6もそれぞれ潤滑剤11を掻き集め、これらの発生圧力
により回転体は完全非接触状態となる。
【0044】図2〜図6に従い、さらに詳細な動作につ
いて説明する。
【0045】図2において高速回転時においてもスラス
ト板7の内径部7Aの径:D4は、スリーブ10の内
径:D3より若干(例えば、0.1mm〜1.0mm程
度)小さく設けられているので、高速回転中にも潤滑剤
11が、スラスト板7の上方へ飛散したり流出したりし
ない。
【0046】フランジ部材4の外周部は、スリーブ10
の段部10Aとスラスト板7とによって、フランジ部材
4の上面と下面および側面が取り囲まれているため、ス
リーブ10が回転して遠心力が作用しても、潤滑剤11
は凹部4Aに集まって外部へ飛散しない。
【0047】次に、固定軸2には必要に応じ凹部2Dが
設けられるが、この部分、即ちフランジ部材4とラジア
ル動圧溝3A,3Bの間に存在する空気が膨張した場合
は、膨張した空気は通気穴2E,2F,2H,2Gを経
由して外部に排出されるので、潤滑剤11が押し出され
ることがない。
【0048】図3において、気泡が17B,17C,1
7D,17Eに示す様に凝集し、モータの回転などによ
り温度が上昇して気泡の体積が増えると、気液境界面1
8A,18Bは、一旦は若干の移動はするが、やがて気
泡は図中17Dに示す様に段部10Aとフランジ部材4
の下面の隙間を通って通気穴2E,2F,2H,2Gを
経由して外部に排出され、気液境界面18A,18B
は、やがて図2の様な安定状態に戻る。
【0049】また、図4において下方から流出しようと
した潤滑剤11Aは、固定軸2に設けられたテーパー部
2Iに沿って回転させられる時、図中F1に示す遠心力
の接線方向分力F2の力を受け、下方への流出が防止さ
れる。
【0050】次に、図5〜図6について詳細な動作を説
明する。
【0051】図5は、本発明の流体軸受装置が充分な時
間の安定回転後の状態を示している。ラジアル動圧溝3
A,3Bはそれぞれ図中L1よりL2を長く、またL3
よりL4を約0.1mm〜0.5mmだけ長く設けてい
るが、安定回転時には、気液境界面18Cは、L1とL
5がほぼ等しくなる位置に、また、気液境界面18D
は、L3とL6がほぼ等しくなる位置に存在する。
【0052】この時は、スリーブ10の第1の径大部1
0Cに閉じ込められた凝集した気泡17Gの圧力は大気
圧とほぼ同じになっている。次にこの気泡17Gが温度
変化や、圧力の変化により膨張した場合は、気液境界面
18C,18Dは上下に移動し、凝集した気泡17Gは
少々圧縮された状態になるが、さらに高い圧力になった
場合は、凝集した気泡17Gは、回転中または停止中に
ラジアル動圧溝3Aまたは3Bに移動し、図中17H,
17Iに示すように、上方または下方へ排出されて安定
状態に戻る。
【0053】なお、2個のラジアル動圧溝3A,3Bの
間には通気穴を設けていないため、第1の径大部10C
に蓄えられた潤滑剤は絶対に流出しない。
【0054】以上のようにこの実施の形態によれば、高
速回転中、停止中、また、圧力や温度に変化があった場
合も潤滑剤11が外部に流出しないため、高い信頼性を
有する流体軸受装置の構成が得られる。
【0055】なお、図2において、上軸部2Aの外周面
のスラスト板7の内径部7Aに対向する部分には外側ス
ラスト動圧溝5から遠ざかるにしたがい径が細くなるテ
ーパー部2Bを設け、またスラスト板の内径部7Aに
は、外側スラスト動圧溝5から遠ざかる位置に内径部7
Aの径:D4より小さい内径寸法:D5を有する径小部
7Bを設けるが、このテーパー部2Bおよび径小部7B
の効果により、潤滑剤11が遠心力で流出することを確
実に防止する。
【0056】さらに、スラスト板7の上面部には、撥油
剤皮膜14Bが設けられ、潤滑剤11が滲み出す事を防
止する。なお、テーパー部2Bの角度は1〜10°の間
である。
【0057】さらに、フランジ部材4には凹部4Aが設
けられ、ここに凝集した気泡17A,17Bが溜まり易
くしている。そのため外側スラスト動圧溝5と、内側ス
ラスト動圧溝6が気泡で覆われる機会は極めて少なくな
る。
【0058】また、図4においてスリーブ10には、下
ケース1の側に径小部10Eと第2の径大部10Gが設
けられ潤滑油11の流出を防止している。さらに、下ケ
ース1の側のスリーブ10の外周にはテーパー部10D
が設けられ、万一、流出した潤滑剤11Bがあったとし
ても遠心力で下方へ引き戻される。また、テーパー部1
0D外周には撥油剤被膜14Aが設けられ流出しようと
する潤滑剤11Bをはじいて滲み出しを防止している。
【0059】また、図2と図3に示すように、スラスト
方向に2個の外側スラスト動圧溝5、および内側スラス
ト動圧溝6が設けられているので、どの方向に衝撃荷重
が加えられても軸受は非接触回転を維持することができ
る。
【0060】なお、図5において2組の魚骨形状のラジ
アル動圧溝3A,3Bは、フランジ部材4の側のラジア
ル動圧溝3Aの方が、他方のラジアル動圧溝3Bよりそ
の軸方向の長さが長く構成されている。すなわち、 ( L1 + L2 ) > ( L3 + L4 ) の関係により構成されている。
【0061】これは、ディスク15A,15B,15
C,15Dの回転により発生するアンバランス荷重はフ
ランジ部材4の側のラジアル動圧溝3Aに多くかかり、
他方のラジアル軸受溝部3Bにはあまりかからないた
め、2個のラジアル軸受溝部3A,3Bが充分に荷重を
受けつつ、かつ摩擦損失トルクを最少限にとどめるもの
である。
【0062】なお、潤滑剤11は、その成分の90パー
セント以上がエステル油を用い、残りの10パーセント
のうちの半分以下は、鉱油、オレフィン、炭化水素など
である。これは、ディスク回転装置の流体軸受は、軸受
部から決して油分がミスト状になって飛散流出してはな
らないが、エステル系潤滑油は、同等粘度の潤滑油と比
べた時に、ミストの発生が極小であるからである。実験
によれば、オイルミストの発生は、 エステル油 < オレフィン油 < フッソ油 < シ
リコーン油 の順に少なく、エステル油を成分の90パーセント以上
用いることにより、オイルミストが発生しないディスク
回転装置が得られる。なお、撥油剤皮膜14A,14B
としてはフッ素系樹脂を使用した。
【0063】このように上記構成により、潤滑剤11の
流出を防止し、信頼性が高い流体軸受装置が得られる。
【0064】上記の本発明の実施の形態では、スリーブ
の軸受穴の径よりも前記上軸部の外径および前記スラス
ト板の内径部の径を小さく構成するとともに、前記固定
軸の上軸部における前記スラスト板の内径部との対向部
に前記フランジ部材から遠ざかるに従って径が細くなる
テーパー部を形成したが、この何れかを実施することに
よっても従来に比べて軸受部からの潤滑剤の流出を低減
した流体軸受装置を実現できる。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明は、一端が下ケース
に固定され他端の側にフランジ部材と上軸部を有する固
定軸と、前記固定軸が挿通される軸受穴を有するスリー
ブと、前記スリーブの側に取り付けられ前記フランジ部
材の平面に対向する面と前記上軸部の外周面に対向する
内径部とを有するスラスト板とを設け、前記固定軸の外
周面と前記スリーブの内周面の相互の対向面の少なくと
もいずれか一方にはラジアル動圧溝を形成し、前記フラ
ンジ部材とスラスト板の相互の対向面の少なくともいず
れか一方には外側スラスト動圧溝を形成し、前記スリー
ブの軸受穴の径(D3)よりも前記上軸部の外径および
前記スラスト板の内径部の径(D4)を小さく構成する
とともに、前記固定軸の上で、前記ラジアル動圧溝とは
前記フランジ部材の反対側に隣接し、前記フランジ部材
から遠ざかるに従って径が細くなるテーパー部を形成
し、前記ラジアル動圧溝と外側スラスト動圧溝は潤滑剤
で満たされ、一端が前記固定軸の外周面における前記フ
ランジ部材と前記ラジアル動圧溝のほぼ中間部で開口
し、他端が前記固定軸の内部を通って外気に連通する通
気穴を形成したため、潤滑剤の流出を完全に防止し、信
頼性が高い流体軸受装置の構成を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における流体軸受装置の断
面図
【図2】同実施の形態のフランジ部材部分の詳細図
【図3】同実施の形態のフランジ部材部分の詳細図
【図4】同実施の形態の固定軸のテーパ部の詳細図
【図5】同実施の形態のラジアル動圧溝部の詳細図
【図6】同実施の形態のラジアル動圧溝部の詳細図
【図7】従来の流体軸受装置の断面図
【図8】図7の部分詳細図
【符号の説明】
1 下ケース 2 固定軸 2A 上軸部 2B テーパ部 2C,2D 凹部 2E,2F,2G,2H 通気穴 2I テーパ部 3A,3B ラジアル動圧溝 4 フランジ部材 4A 凹部 5 外側スラスト動圧溝 6 内側スラスト動圧溝 7 スラスト板 7A 内径部 7B 径小部 10 スリーブ 10A 段部 10B 凹部 10C 径大部 10D テーパ部 10E 径小部 10F 軸受穴 11,11A,11B 潤滑剤 14A,14B 撥油剤被膜
フロントページの続き (72)発明者 佐伯 康雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 桜木 克則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が下ケースに固定され他端の側にフラ
    ンジ部材と上軸部を有する固定軸と、 前記固定軸が挿通される軸受穴を有するスリーブと、 前記スリーブの側に取り付けられ前記フランジ部材の平
    面に対向する面と前記上軸部の外周面に対向する内径部
    とを有するスラスト板とを設け、 前記固定軸の外周面と前記スリーブの内周面の相互の対
    向面の少なくともいずれか一方にはラジアル動圧溝を形
    成し、 前記フランジ部材とスラスト板の相互の対向面の少なく
    ともいずれか一方には外側スラスト動圧溝を形成し、 前記スリーブの軸受穴の径(D3)よりも前記上軸部の
    外径および前記スラスト板の内径部の径(D4)を小さ
    く構成するとともに、 前記固定軸の上で、前記ラジアル動圧溝とは前記フラン
    ジ部材の反対側に隣接し、前記フランジ部材から遠ざか
    るに従って径が細くなるテーパー部を形成し、前記ラジ
    アル動圧溝と外側スラスト動圧溝は潤滑剤で満たされ、 一端が前記固定軸の外周面における前記フランジ部材と
    前記ラジアル動圧溝のほぼ中間部で開口し、他端が前記
    固定軸の内部を通って外気に連通する通気穴を形成した
    流体軸受装置。
  2. 【請求項2】一端が下ケースに固定され他端の側にフラ
    ンジ部材と上軸部を有する固定軸と、 前記固定軸が挿通される軸受穴を有するスリーブと、 前記スリーブの側に取り付けられ前記フランジ部材の平
    面に対向する面と前記上軸部の外周面に対向する内径部
    とを有するスラスト板とを設け、 前記固定軸の外周面と前記スリーブの内周面の相互の対
    向面の少なくともいずれか一方にはラジアル動圧溝を形
    成し、 前記フランジ部材とスラスト板の相互の対向面の少なく
    ともいずれか一方には外側スラスト動圧溝を形成し、 前記固定軸の上軸部における前記スラスト板の内径部と
    の対向部に、前記フランジ部材から遠ざかるに従って径
    が細くなるテーパー部を形成し、 前記固定軸の上で、前記ラジアル動圧溝とは前記フラン
    ジ部材の反対側に隣接し、前記フランジ部材から遠ざか
    るに従って径が細くなるテーパー部を形成し、前記ラジ
    アル動圧溝と外側スラスト動圧溝は潤滑剤で満たされ、 一端が前記固定軸の外周面における前記フランジ部材と
    前記ラジアル動圧溝のほぼ中間部で開口し、他端が前記
    固定軸の内部を通って外気に連通する通気穴を形成した
    流体軸受装置。
  3. 【請求項3】フランジ部材の上面と外周面および下面
    は、スラスト板とスリーブの段部に近接し、この隙間を
    潤滑剤で満たすとともに、フランジ部材の外周面には円
    周に沿って凹部を形成した請求項1または請求項2記載
    の流体軸受装置。
  4. 【請求項4】ラジアル動圧溝を2組設けるとともに、前
    記2組のラジアル動圧溝の間は固定軸とスリーブの軸受
    穴で密封され、前記固定軸には周溝状の空気溜まりを有
    する請求項1または請求項2記載の流体軸受装置。
  5. 【請求項5】スリーブの下ケースの側の端面の近傍に
    は、軸受穴に連なる第2の径大部および径小部を形成し
    た請求項1または請求項2記載の流体軸受装置。
  6. 【請求項6】スラスト板の内径部の上側の端面の近傍に
    前記内径部の径(D4)より小さい内径寸法(D5)を
    有する径小部を形成した請求項1または請求項2記載の
    流体軸受装置。
  7. 【請求項7】スリーブの外周面には下ケースに向かって
    径が太くなるテーパー部を形成した請求項1または請求
    項2記載の流体軸受装置。
  8. 【請求項8】スリーブの外周面に設けたテーパー部の外
    周に撥油剤被膜を形成した請求項7記載の流体軸受装
    置。
  9. 【請求項9】スラスト板の上端面の近傍に撥油剤被膜を
    形成した請求項1または請求項2記載の流体軸受装置。
  10. 【請求項10】フランジ部材の下面とスリーブとの対向
    面の少なくとも一方には内側スラスト動圧溝を形成した
    請求項1または請求項2記載の流体軸受装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002349553A (ja) * 2001-05-31 2002-12-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置
JP2003065336A (ja) * 2001-08-24 2003-03-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 流体軸受装置
US6679632B2 (en) 2002-05-30 2004-01-20 International Business Machines Corporation Lubricant retention design for disk drive fluid dynamic bearing spindle motor
CN100356074C (zh) * 2004-07-29 2007-12-19 松下电器产业株式会社 流体轴承装置

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