JPH11263327A - ダンボール箱の切断装置 - Google Patents

ダンボール箱の切断装置

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JPH11263327A
JPH11263327A JP8246098A JP8246098A JPH11263327A JP H11263327 A JPH11263327 A JP H11263327A JP 8246098 A JP8246098 A JP 8246098A JP 8246098 A JP8246098 A JP 8246098A JP H11263327 A JPH11263327 A JP H11263327A
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JP
Japan
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cutting
cardboard box
cutting blade
blade
cut
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Application number
JP8246098A
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English (en)
Inventor
Takeki Onaka
武基 尾仲
Takeo Shiga
威夫 志賀
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Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Original Assignee
Seibu Electric and Machinery Co Ltd
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Publication date
Application filed by Seibu Electric and Machinery Co Ltd filed Critical Seibu Electric and Machinery Co Ltd
Priority to JP8246098A priority Critical patent/JPH11263327A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は,二つの切断刃によって粉塵の発生
量を抑えつつ確実且つ高速でダンボール箱を切断する切
断装置を提供する。 【解決手段】 本発明の切断装置1において,揺動体9
の揺動アーム17には大長孔16が形成されており,大
長孔16に係合するクランクピン15が駆動軸芯Aを中
心に連続回転すると,揺動体9は支持軸芯Bを中心にし
て揺動する。揺動体9の揺動に連動してロッド21,2
2が交互に上下往復運動を繰り返す。ロッド21の下降
時にその先端に設けた切断刃12がダンボール箱に切込
みを形成し,次いで,ロッド22の下降時にその先端に
設けた切断刃13が切断刃12による切込みに添ってそ
の切込みよりも深い切込み量でダンボール箱を切り進む
ので,粉塵が大量に発生することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,ダンボール箱の
中に収納されている物品を取り出すピッキング作業のた
め,ダンボール箱の一部を切断する切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,工場等の生産現場で生産された
物品,特に商品は,小売店で陳列し販売される荷姿であ
る缶,瓶,ボトル,箱,又はカートン単位で数10ケ単
位がダンボール箱に箱詰めされて,生産者から,大卸
商,中小卸商と順次に流通する。流通段階におけるそれ
ぞれの部署が流通在庫をもつことで,物品の流れのバッ
ファとなっており,最終消費又は使用段階で品切れ無く
入手することができる。商品等の物品は,物流部門にお
ける物流センタあるいは配送センタ等を通じて,小売店
等に配送される。これらのセンタでは,ケース(ダンボ
ール箱)単位のまま小売店等に配送することはまれであ
り,通常は,センタにてダンボール箱を開梱し,箱詰め
された物品を個々の単位で分配,仕分けして小売店等に
配送される。このような物流センタあるいは配送センタ
における前記の物品のダンボール箱からの取出し作業
は,個別ピッキング作業とよばれている。
【0003】上記のような物流センタあるいは配送セン
タでは,小売店等の最終流通段階からの配送要求に対し
て,人手作業によってピッキング作業を行っていた。即
ち,作業者は,ナイフ等を用いてダンボール箱のフラッ
プを開梱し,箱詰めされていた商品を個別に取り出して
いた。具体的には,ダンボール箱をナイフを用いて開梱
するときには,ダンボール箱の上面に対してナイフの刃
面が斜めになるように突き立て,次ぎに定規に添ってナ
イフを手前側に引きつけることでダンボール箱を切断し
ていたが,ダンボール紙が薄い場合はよいとしても,厚
紙で作られたダンボール箱の場合は一気に切断するには
無理があり,手前側に引きつける作業を何回か繰り返す
必要がある。その時,最も注意せねばならぬことは手元
が滑り,定規を押さえ付けている指を怪我することであ
る。それに比べ,手前側に引きつける代わりに,突き立
てと引抜きとの工程を繰り返す動作を,その位置を変え
ながら実施すれば,労力は軽くて済むが,切断に要する
時間が長くなってしまうだけでなく,慎重に作業をしな
いと,ナイフをダンボール箱に突き立てた時に収容物を
破損してしまうおそれがある。また,定規を用いない場
合には,切断した形成線が乱れてしまうという問題もあ
る。その後,自動化されたピッキングシステムが開発さ
れるに至り,ダンボール箱の開梱作業は,コンベヤ上を
流れて来るダンボール箱を,回転するカッタによって自
動的に切断する切断装置を用いることによって行われる
ようになってきた。
【0004】回転するカッタによって自動的にダンボー
ル箱を切断する切断装置としては,特許第255338
1号公報又は特許第2553382号公報に開示された
ものがある。上記各特許公報に開示されているダンボー
ル箱の切断装置は,箱体の上縁部を切断し箱体の天面を
開封するのに好適であり,箱体保持装置をダンボール箱
の側面に当接させ,ダンボール箱の天面の縁部に一対の
押さえローラを押し当てて,ダンボール箱を位置決め保
持し,一対の押さえローラ間においてカッタフレームを
昇降させてカッタフレームに設けた回転刃によってダン
ボール箱の縁部を切断するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記各特許公報に開示
されているようなダンボール箱の切断装置によれば,人
手によってナイフで開梱するのに比べ開梱時間も短く,
ダンボール箱を切断位置にセッティングした後は,無人
で且つ確実な切断作業を行うことができ,しかも収納さ
れている商品を傷つける事なく開梱作業を行えることが
できる等,大きな利点があるが,次のような課題が残さ
れている。
【0006】上記ダンボール箱の切断装置における回転
刃は,高速回転すると共に鋸刃状の刃先を有している。
そのため,切断装置の切断の確実性は高いものの,ダン
ボール箱を切断する時に発生する紙くずが粉塵となって
室内に飛散し,作業環境の悪化を招いている。更に,飛
散した粉塵が切断装置やピッキング装置の周辺に堆積
し,光学式センサの誤動作を招く虞があり,またメンテ
ナンス時には,堆積した粉塵の取除き作業をしなければ
ならないという煩わしさがある。上記の解決策の一つと
して,回転刃の刃先を鋭利に形成することが考えられ
る。しかし,この解決策では粉塵の発生を減少させるこ
とはできるものの,回転刃の刃先の鈍化が早く現れると
いう新たな問題点が生じる。従って,粉塵の発生量を抑
えつつ,ダンボール箱を確実に高速で切断することが課
題となっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決することであり,ダンボール箱に対して,
最初に第一の切断刃で切込みを付け,その切込みの跡に
続いて第二の切断刃によって大きく切断するという切断
作業を繰り返すことによって,ダンボール箱からの粉塵
の発生を抑制しつつ,確実に切断するダンボール箱の切
断装置を提供することである。
【0008】この発明は,上記目的を達成するため,次
のように構成されている。即ち,この発明は,フレーム
に揺動自在に支持された揺動体,前記揺動体を揺動させ
る駆動機構,及び前記揺動体に対して相対移動するダン
ボール箱を切断するために前記揺動体に連動する第一刃
具ホルダと第二刃具ホルダを具備し,前記第一刃具ホル
ダには前記ダンボール箱に切込みを形成する第一切断刃
を着脱自在に固定し,前記第一刃具ホルダから後部位置
に隔置して設けた前記第二刃具ホルダには前記第一切断
刃が形成した前記切込みに続けて前記第一切断刃による
切込み量よりも深い切込みを形成する第二切断刃を着脱
自在に固定したダンボール箱の切断装置に関する。
【0009】このダンボール箱の切断装置によれば,ダ
ンボール箱の一部を第一刃具ホルダに固定された第一切
断刃によって切込みを形成し,その後に,第一刃具ホル
ダから後部位置に隔置して成る第二刃具ホルダに固定さ
れた第二切断刃によって,第一切断刃によって形成した
切込みに続けてダンボール箱を切断する。第二切断刃は
第一切断刃による切込み量よりも深い切込み量になるよ
うに固定されているので,第一切断刃による切込みに続
けてダンボール箱を大きく切り進むことになる。ダンボ
ール箱と第一切断刃及び第二切断刃との相対移動中に,
第一切断刃と第二切断刃とによる交互の切断動作を繰り
返してダンボール箱を必要な長さに渡って切断し開梱す
る。
【0010】上記ダンボール箱の切断装置において,前
記第一刃具ホルダ及び前記第二刃具ホルダは,前記揺動
体の揺動運動に連動して上下に往復運動を繰り返すもの
が好ましい。この発明によるダンボール箱の切断装置
は,ナイフに相当する切断刃を二基設け,それぞれの切
断刃の刃面をダンボール面に対して斜めになるように対
向させ,突き立てと引抜きとの順次の一連の動作を繰り
返し実施し,先行する切断刃が形成した切断跡を後部に
配置した切断刃が更に切断するように二基の切断刃を交
互に高速で稼働させ,ダンボール箱と切断刃とを相対移
動させることでナイフを手前側に引きつける作業と同じ
結果となるようにして,ダンボール箱を切断するもので
ある。
【0011】前記切断装置は切断刃とダンボール箱とが
相対移動すればダンボール箱の切断を行うことができる
が,前記ダンボール箱を水平方向に搬送し,前記フレー
ムをダンボール箱の高さや切断深さ等に応じて昇降可能
とするのが,切断作業効率上好ましい。ダンボール箱の
切断刃に対する相対移動方向は,ダンボール面に対向す
る第一切断刃及び第二切断刃の刃面とでつくる角度の開
口側からで,ダンボール箱が第一切断刃側から第二切断
刃に接近する方向である。ダンボール箱は,第一切断刃
側から接近し,まず,ダンボール箱には第一切断刃で切
込みが形成され,その後,ダンボール箱は第二切断刃側
へ移動し,前記切込みの上からもう一度第二切断刃で大
きく切り進められることになる。
【0012】また,ダンボール箱の相対移動速度と第一
切断刃及び第二切断刃がダンボール箱に作用する作動速
度は,それぞれが単独に調整可能であり,しかも両者が
比例するように調整することも可能であり,任意に選択
できる。比例設定された場合,相対移動速度が速ければ
第一切断刃及び第二切断刃がダンボール箱を切込む速度
も速くなるし,単独設定の場合,例えばダンボール箱に
切断刃が始めて作用する切込みスタート時などは相対移
動速度のみ極端に遅くすることも可能である。また,相
対移動距離をセンサ等により測定し,前記信号に基づき
比例設定に自動的に変更することも可能である。
【0013】上記ダンボール箱の切断装置において,前
記揺動体を揺動運動させる場合,前記駆動機構は,連続
回転する駆動軸,駆動軸に一体的に設けられたクラン
ク,及びクランクに駆動軸の軸線から偏心して設けられ
たクランクピンを備え,揺動体には実質的に径方向に延
び且つクランクピンが嵌入する長孔が形成されており,
且つ駆動軸の回転に伴ってクランクピンが長孔内を往復
動することにより駆動軸の連続回転が揺動体の支持軸芯
を中心とした揺動運動に変換される。このような駆動機
構によれば,クランク機構を利用して,揺動運動を容易
に得ることができる。尚,前記長孔の内周面はクランク
運動によって前記クランクピンが転動接触するので表面
の硬化処理を施しておくとよい。
【0014】上記ダンボール箱の切断装置において,ダ
ンボール箱に切込みを形成する前記第一切断刃は鋸刃,
波打ち刃又はナイフエッジであり,前記第二切断刃はナ
イフエッジ,波打ち刃又は鋸刃で成している。前記第一
切断刃が鋸刃,又は波打ち刃であってもダンボール紙面
に対して略垂直に切込みを形成するので,ダンボール紙
の粉塵を大量に発生させることはない。前記第二切断刃
はナイフエッジが多く用いられるが,既に前記第一切断
刃がダンボール箱に切込みを形成した後であり,それに
続いてダンボール箱を大きく切り進むので,ダンボール
紙の粉塵を大量に発生させることはない。
【0015】一般的には,前記第一切断刃は鋸刃,前記
第二切断刃はナイフエッジの組合せが多く採用される
が,これに限るものではない,ダンボール箱を構成する
ダンボール紙材質によっては,それぞれの切断刃の形状
を変えた組合せであってもよい。また,前記第一切断刃
と前記第二切断刃とを同時に用いるのではなく,いずれ
か一方の切断刃を取り外し,一刃のみでダンボール箱を
切断してもよく,ダンボール箱の強度に対応した自由な
選択が可能である。
【0016】上記切断装置によって長時間にわたってダ
ンボール箱の切断を続けると,切断刃が摩耗して切れ味
が低下してくる。これに対処するため,第一切断刃と第
二切断刃とに,熱処理,チタンコーティング又は超硬溶
射等の硬化処理を施しておくと,切断刃としての寿命を
長期化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照しながら,この
発明によるダンボール箱の切断装置の実施例を説明す
る。図1はこの発明によるダンボール箱の切断装置の一
実施例を示す側面図であって切断装置の全体構造を示し
たものである。図2は図1のダンボール箱の切断装置の
正面図であって切断装置の一部分を示したものである。
【0018】図1に示す実施例では,ダンボール箱の切
断装置1は,図示しない固定フレームに対して上下位置
が調節可能な切断ユニットとして構成されている。切断
装置1は,全体として逆L字状の形状を有している可動
フレーム2に,後述する各種の機構を搭載している。可
動フレーム2の縦方向に延びる本体3の両側面には,固
定フレームとの間に直動ローラウェイ5が配設されてい
る。切断装置1は,直動ローラウェイ5によって,固定
フレームに設けられているレール(図示せず)に対して
縦方向に直線移動可能,即ち,昇降可能となるように摺
動案内されている。直動ローラウェイ5は可動フレーム
2の上下左右に合計4個設けられており,可動フレーム
2の昇降を安定させる働きがある。なお,可動フレーム
2を縦方向に移動させるため,固定フレームと可動フレ
ーム2との間にはアクチュエータが設けられているが,
図示を省略している。また,可動フレーム2には軽量化
する目的でぬすみ部89が形成されている。さらに,可
動フレーム2には,後述する揺動体9を揺動させるため
の駆動機構を構成する駆動モータ6が,可動フレーム2
の本体3から横方向に延びるモータ支持部4に取り付け
られている。
【0019】ダンボール箱の切断装置1は,図1及び図
2に示すように,可動フレーム2に揺動自在に支持され
た揺動体9,揺動体9を揺動させる駆動モータ6,及び
揺動体9に対して相対移動するダンボール箱を切断する
ために揺動体9に連動する刃具ホルダ10(第一刃具ホ
ルダ)と刃具ホルダ11(第二刃具ホルダ)を具備し,
刃具ホルダ10にはダンボール箱に切込みを形成する切
断刃12(第一切断刃)を着脱自在に固定し,刃具ホル
ダ10から後部位置に隔置して設けた刃具ホルダ11に
は,切断刃12が形成した切込みに続けて切断刃12に
よる切込み量よりも深い切込みを形成する切断刃13
(第二切断刃)を着脱自在に固定したものである。
【0020】また,駆動機構は,駆動モータ6に駆動さ
れて連続回転する駆動軸7,駆動軸7に一体的に設けら
れたクランク14,クランク14に駆動軸7の軸線Aか
ら偏心して設けられたクランクピン15などからなり,
揺動体9には実質的に径方向に延び且つクランクピン1
5が嵌入する大長孔16が形成されており,且つ駆動軸
7の回転に伴ってクランクピン15が大長孔16内を往
復動することにより駆動軸7の連続回転が揺動体9の支
持軸芯Bを中心とした揺動運動に変換される。そして,
刃具ホルダ10及刃具ホルダ11は,揺動体9の揺動運
動に連動して上下に往復運動を繰り返すものである。
【0021】ダンボール箱の切断装置1の全体的な構成
は,概ね以上のとおりであるが,以下に,切断装置1の
細部について詳しく説明することにする。まず最初に,
図2を参照しながら,揺動体9と切断刃12の関連部材
及び切断刃13の関連部材との関連構造について説明す
る。図2は図1に示したダンボール箱の切断装置1の正
面図であって,揺動体9と切断刃12の関連部材及び切
断刃13の関連部材との関連構造を示したものである。
揺動体9は,全体的に略T字状に一体成形されたもの
で,揺動アーム17,アーム18(第一アーム),アー
ム19(第二アーム)の三つの部分からなる。揺動体9
は,各アーム17,18,19の接続部分に挿通された
支持軸8によって可動フレーム2に対して揺動自在に取
り付けられ,支持軸8を中心に揺動運動をする。揺動ア
ーム17には比較的大きな大長孔16が形成され,大長
孔16内にクランクピン15が挿通され係合している。
アーム18には比較的小さな小長孔20が形成され,ロ
ッド21(第一ロッド)の上端部に取り付けられたロッ
ド駆動ピン23(第一ロッド駆動ピン)が小長孔20に
挿通され係合しており,アーム19(第二アーム)にも
同様の小長孔25が形成され,ロッド22(第二ロッ
ド)の上端部に取り付けられたロッド駆動ピン24(第
二ロッド駆動ピン)が小長孔25に挿入され係合されて
いる。なお,ロッド21及びロッド22の上端部には,
外側から内側に向かって下がる傾斜面26が形成されて
いるが,これは,ロッド21,22が上昇した時にアー
ム18,19が接触するのを防ぐためのアーム逃げ26
である。
【0022】ロッド21は,ロッド握持部28(第一ロ
ッド握持部,構造については後で図6及び図7に基づい
て詳しく説明する)によって上下に摺動可能に支持され
ており,ロッド21の下端には刃具ホルダ10が取り付
けられ,刃具ホルダ10には鋸刃12である切断刃12
が取り付けられている(取付構造については後で図3に
基づいて詳しく説明する)。また,ロッド22は,ロッ
ド21と同様に,ロッド握持部29(第二ロッド握持
部)によって上下に摺動可能に支持されており,ロッド
22の下端には刃具ホルダ11が取り付けられ,刃具ホ
ルダ11にはナイフエッジ13である切断刃13が取り
付けられている。鋸刃12の刃先は,図2に示すよう
に,緩やかに傾斜しており,ダンボール箱への切込みの
形成を容易にしている。また,ナイフエッジ13の刃先
も,同様に緩やかに傾斜しており,ダンボール箱への切
込みの形成を容易にしている。また,切断刃12,13
の刃先は,耐摩耗性の向上のために,熱処理,チタンコ
ーティング又は超硬熔射等の硬化処理が施されている。
【0023】揺動アーム17に形成された大長孔16
は,長さLがクランクピン15の直径Dと回転直径D1
との総和よりも大きく設定され,幅Wはクランクピン1
5の直径Dよりも僅かに大きく設定されている。従っ
て,クランクピン15は大長孔16内に遊嵌されている
ことになり,クランクピン15は,大長孔16の中をそ
の長手方向には移動する自由が与えられるが,左右方
向,即ち,周方向には相対的な自由が殆ど拘束されてい
る。駆動軸7の回転に伴って,クランクピン15は大長
孔16内をその長手方向に滑らかに往復動することが許
容される。また,クランクピン15自体も,クランクピ
ン軸27に対して回転自在に支持されているので,クラ
ンクピン15は,大長孔16内を転がりながら,移動可
能である。
【0024】クランクピン15は,後で詳しく説明する
駆動軸7(構造については後で図8に基づいて詳しく説
明する)の回転に伴って,駆動軸7の軸芯Aを中心に
a,b,c,d,e,fの順に円を描くように逐次回転
移動する。駆動軸7の回転方向は時計方向でも反時計方
向でもどちらでもよいが,ここでは説明を統一するた
め,駆動軸7は時計方向に回転するものとして説明す
る。クランクピン15が上死点a及び下死点dに位置す
るときには,アーム18及びアーム19は水平状態にな
っている,即ち中間位置Yにある。図2の右側には,中
間位置Yにある切断刃12の関連部材(切断刃12,刃
具ホルダ10,ロッド21等)を実線で示し,上昇位置
Xにある切断刃12の関連部材を仮想線で示している。
また,図2の左側には,下降位置Zにある切断刃13の
関連部材(切断刃13,刃具ホルダ11,ロッド22
等)を実線で示している。
【0025】クランクピン15が上死点aからbに移動
すると,揺動体9が回転軸芯Bを中心として右に揺動回
転し,切断刃関連部材10,12,21は中間位置から
下降し,同時に切断刃関連部材11,13,22は中間
位置から上昇する。クランクピン15がcの位置に移動
した時,切断刃関連部材10,12,21は下降位置Z
に達し,その後は上昇に転じる。同時に,切断刃関連部
材11,13,22は上昇位置Xに達して下降に転じ
る。クランクピン15が下死点dに移動すると,切断刃
関連部材10,12,21及び切断刃関連部材11,1
3,22は共に再び中間位置Yに戻る。続いて,クラン
クピン15が下死点dからeに移動すると,今度は切断
刃関連部材10,12,21が中間位置Yから上昇し,
切断刃関連部材11,13,22は中間位置Yから下降
する。クランクピン15がeの位置に達した時,切断刃
関連部材10,12,21は上昇位置Xに達し,その後
は下降に転じる。同時に,切断刃関連部材11,13,
22は下降位置Zに達して上昇に転じる。そして,クラ
ンクピン15が再び上死点aの位置に戻ったときには,
切断刃関連部材10,12,21及び切断刃関連部材1
1,13,22は共に中間位置Yに戻る。このように,
クランクピン15が一周する間に,即ち上死点aから
b,c,d,e,fを経由して再び上死点aに戻るまで
の間に,揺動体9が揺動することによって,切断刃関連
部材10,12,21及び切断刃関連部材11,13,
22は,どちらも一回ずつ下降位置Zに達するので,揺
動体9の揺動を繰り返すことにより,ダンボール箱は切
断されていく。
【0026】なお,切断刃関連部材10,12,21は
クランクピン15が上死点aからcに至る間に中間位置
Yから下降位置Zまで移動するのに対して,切断刃関連
部材11,13,22はクランクピン15が下死点dか
らeに至る間に中間位置Yから下降位置Zまで移動す
る。言い換えれば,クランクピン15の移動角度は,
(aからc>dからe)の関係にある。つまり,クラン
クピン15は一定速度で回転しているので,切断関連部
材11,13,22は切断関連部材10,12,21に
比べてかなり高速で下降運動をすることがわかる。即
ち,切断刃12はダンボール箱を低速で切断し,切断刃
13は高速で切断することになる。
【0027】次に,図3,図4及び図5を参照して,切
断刃12の関連部材及び切断刃13の関連部材の構造を
説明する。図3,図4及び図5は,図2に示した切断装
置1を右側から見たときの側面図,図3はロッド21が
中間位置Yにある時の状態,図4はロッド21が上昇位
置Xにある時の状態,図5はロッド21が下降位置Zに
ある時の状態を示している。ここでは,切断刃13の関
連部材11,13,22も切断刃12の関連部材10,
12,21と同様の構成を備えているので,両者の相違
点について説明しない限り,両者は同一の構成を有す
る。
【0028】ロッド21の上端部には外側から内側に向
かって深くなる凹溝30が形成されている。凹溝30に
は揺動体9のアーム18と二枚の摺動ワッシャ31が遊
嵌されるので,凹溝30の幅は,アーム18の厚さと摺
動ワッシャ31二枚分の厚さの合計厚さよりも若干大き
く形成されている。また,ロッド21の上端部には,凹
溝30と直交する孔32が穿孔されており,孔32にロ
ッド駆動ピン23が挿入され,上方から固定ねじ33で
固定されている。ロッド駆動ピン23は,摺動ワッシャ
31の内径及びアーム18の小長孔20に対して遊嵌状
態にある。摺動ワッシャ31を設ける目的は,凹溝30
にゆとりがあるとはいえ,鉄で作られたアーム18とロ
ッド21とが直接接触することは好ましいことではない
ので,直接接触を防止するために設けられたものであ
る。摺動ワッシャ31の材質は銅や真鍮などの非鉄金属
が望ましい。摺動ワッシャ31は摩耗しても取り替えが
比較的簡単である。
【0029】ロッド21は外周が4面で形成され,各面
は直角に交わり,平行度も平坦度も保たれた四角柱のも
のである。ロッド21の下端部には,正面側に刃具ホル
ダ10を取り付けるための欠落部34が形成され,刃具
ホルダ10との当接面にはセレーション35加工が施さ
れている。また,ロッド21の下端部には,ロッド21
に対する刃具ホルダ10の上下位置を調節可能にするた
めに,締付ねじ36が上下方向に移動できるような長孔
37が穿孔されており,長孔37に締付ねじ36が遊嵌
される。また,刃具ホルダ10にも締付ねじ36を挿通
するための孔38が穿孔され,刃具ホルダ10のロッド
21への当接面にはセレーション39加工が施されてい
る。また,刃具ホルダ10の先端部には,切断刃12の
厚さよりも広い幅の凹溝即ちセット溝40がアーム18
と平行方向に形成されている。セット溝40の底面は切
断刃12のための基準底41となっているので,切断刃
12をセット溝40に差し込み,切断刃12の端面を基
準底41に当接させた状態で複数個のセットねじ42で
クランプすることにより,切断刃12は刃具ホルダ10
に取り付けられる。図2に示すように,刃具ホルダ10
の基準底41は,刃具ホルダ11の基準底43よりも深
く形成されているので,切断刃13の方が切断刃12よ
りもダンボール箱に対して深い切り込みを与えることが
できる。
【0030】セレーション35,39加工を施す理由
は,お互いに山と谷とが噛み合うことで,刃具ホルダ1
0,11とロッド21,22との取付を強固なものに
し,ダンボール箱を切断するときの反力で刃具ホルダ1
0,11が上方へ逃げるのを防止するためである。ま
た,刃具ホルダ10,11はロッド21,22に対して
上下方向に調整代Cを有している。この調整代Cは,切
込み量を調整するために設けられたもので,切断刃1
2,13の研磨や交換の時に切込み量を調整したり,ダ
ンボール紙の厚さに応じて切込み量を調整したりすると
きに必要となるものである。ただし,調整量の単位はセ
レーションの1ピッチ単位になる。
【0031】この実施例では,ロッド21,22の形状
は四角柱としたが,これに限るものではなく,例えば円
柱などであってもよい。但し,円柱とした場合には,ロ
ッド握持部28,29も円形断面である必要があり,ま
た,後ほど述べるようなロッド21,22の垂直調整が
簡単にはできないし,切断刃12,13の方向を調整す
るのも簡単にはできなくなるという問題が出てくること
を勘案すれば,ロッド21,22の形状は角柱であるこ
とが好ましい。
【0032】また,ロッド駆動ピン23,24,ロッド
21,22の外周面,セレーション35,39は摩耗に
耐えるようにするために,表面に熱処理やチタンコーテ
ィングや硬質クロームメッキ等の硬化処理を施しておく
ことが好ましい。
【0033】次に,図6及び図7を参照しながら,ロッ
ド21の握持部28,29について詳細に説明する。図
6及び図7はロッド21の握持部28の詳細図であっ
て,図6は上方から見た平図面,図7は図1の右側から
見た側面図である。ただし,図6及び図7では,後に説
明する防塵カバー44の取付状態の図示を省略してい
る。また,ロッド22の握持部はロッド握持部28,2
9と同じ構造であるから,その説明は省略する。
【0034】図6に示すように,ロッド握持部28は,
可動フレーム2の一部をL字状に成型したL字状部分4
5と,L字状に成型したガイドホルダ46とから構成さ
れている。L字状部分45には,その内側にガイド部材
47を緩嵌する凹溝48が二ヶ所に形成され,更に,組
付ねじ49用の孔52と押付ねじ50用の孔53が螺刻
され,係止ねじ51用の孔54が穿設されている。ロッ
ド握持部28の4つの外面にはそれぞれ押付ねじ50が
上下に二カ所ずつ,係止ねじ51が中央部に一カ所ずつ
設けられている。L字状に成型したガイドホルダ46
は,可動フレーム2のL字状部分45に施した加工と同
じ方法で加工され,両者45,46を二ヶ所の当接面5
5,56で当接させ,組付ねじ49で固着することで十
字形状をした貫通する空間部57が形成される。
【0035】ロッド21外周面に摺接するガイド部材4
7は長方形の断面を成し,押付ねじ50先端が当接する
面の略中央部には係止ねじ51用の穴58が螺刻され
る。ガイド部材47のそれ以外の面は,少なくとも仕上
加工が施され平坦度を保っている。十字形状をした空間
部57に下方より挿通されたロッド21は,図2に示す
ように,ロッド駆動ピン23にてアーム18の小長孔2
0に吊設される。凹溝48に緩嵌されたガイド部材47
は,螺刻された係止ねじ51用の穴58と可動フレーム
2及びガイドホルダ46に穿孔された係止ねじ51用の
孔59とを係合させ,係止ねじ51で螺着される。更
に,押付ねじ50先端がガイド部材47に当接される。
係止ねじ51は,凹溝48に緩嵌されたガイド部材47
の落下を防止する働きと,ガイド部材47に水平方向に
自由度を与える働きがある。
【0036】ロッド21の垂直度調整方法について説明
する。凹溝48内に配置されたガイド部材47の背面側
には隙間90があるので,係止ねじ51を締めればガイ
ド部材47はロッド21外周面から離れる方向に微動す
る。逆に,係止ねじ51を緩めればガイド部材47はロ
ッド21外周面へ接近する方向に微動する。係止ねじ5
1は可動フレーム2及びガイドホルダ46に遊嵌してお
り,係止ねじ51を中心に上下,略同寸法に配置された
押付ねじ50の一方を多く締め込めば,ガイド部材47
の垂直度は変化する。このように,各面に係止ねじ51
が1本,押付ねじ50が2本設けられ,それらのねじ5
0,51が4面に設けられているので,各ねじ50,5
1の操作でロッド21の垂直度は調整される。
【0037】ロッド21には,切断刃12がダンボール
箱を切り込むときに相対移動方向から水平方向の外力が
僅かに作用するのみで,他方向からの外力は無視しても
かまわない。従って,ガイド部材47は,一般の工作機
械が採用しているような,ガタの無いガイドである必要
はない。むしろ多少のガタを持たせる方がガイド部材4
7の摩耗を防ぐことになる。
【0038】ガイド部材47は摩耗も少ないので,ロッ
ド21の材質とは異なる材質,例えば鋳物や真鍮などの
軟らかな材質で作る方が良い。ガイド部材47の摺接面
には大量の潤滑油を給油する必要はない。なぜなら,潤
滑油が滴下してダンボールや内容物を汚しかねないから
である。しかし,少量の極圧グリスを塗布するとか,少
量の潤滑油を適時給油する程度のことは構わない。ま
た,図6には防塵カバー44について図示を省略した
が,実際にはロッド握持部28の上下面にはロッド断面
に相似する形状にくり抜かれたゴム板など可撓性物質で
作られた防塵カバー44が取り付けてあり,ロッド握持
部28の内部にゴミが侵入するのを防いでいる。なお,
潤滑のために,防塵カバー44を取り付ると同時に,潤
滑油を含ませたフエルト等を挟み込むとよい。
【0039】次に,図8を参照しながら,切断装置1の
駆動機構について説明する。可動フレーム2の本体3の
下方には,駆動軸7と支持軸8とが回転自在に支持され
ている。可動フレーム2の本体3の下方には,貫通孔6
0,61が上下方向に隔置して並行に形成されている。
上方の貫通孔60は,スペーサ62によって軸方向に隔
置して配置された一対の軸受63を介して駆動軸7を回
転自在に支持している。また,下方の貫通孔61は,ス
ペーサ64によって軸方向に隔置して配置された一対の
軸受65を介して支持軸8を回転自在に支持している。
従って,駆動軸7と支持軸8とは平行に配置されている
ことになる。
【0040】駆動軸7の前端部66には,クランク14
が駆動軸7と一体構造に形成されている。クランク14
の外側端面には,駆動軸7の軸線A−Aから偏心した位
置において,クランクピン15がクランク14に対して
回転自在に軸支されている。即ち,クランクピン軸27
の一端は,クランク14に没入状態にあって片持ち支持
されており,クランクピン15はクランク14から突出
したクランクピン軸27に対して回転自在に支持されて
いる。クランクピン15の回転部分はクランク14とは
接触しないよう,最小限の隙間が形成されている。な
お,駆動軸7の雄ねじ部67にナット68を螺合して,
軸受63,63(特に,その内輪)とスペーサ62を締
め付けることにより,駆動軸7の可動フレーム2に対す
る軸方向移動が規制される。また,駆動軸7の雄ねじ部
67とナット68の外周面に形成された歯69との間に
係合する弛み止め70によって,ナット68と駆動軸7
との間のねじの弛みが防止されている。
【0041】可動フレーム2のモータ支持部4に支持さ
れた駆動モータ6の出力軸には駆動プーリ71が固着さ
れており,駆動プーリ71と駆動軸7に固着された従動
プーリ72との間に伝動ベルト73が巻き掛けられてい
る。従って,駆動モータ6を運転すると,駆動プーリ7
1,伝動ベルト73,従動プーリ72を経て,駆動軸7
が回転し,駆動軸7の回転と一体にクランク14が回転
する。なお,駆動モータ6はモータ支持部4に天井吊の
状態に取り付けられているが,駆動モータ6の可動フレ
ーム2への取付状態はこれに限るものではない。駆動モ
ータ6を,モータ支持部4の上に載置した状態にするこ
とができる。このようにした場合には,可動フレーム2
の一部に形成した切欠部に伝動ベルト73を通して,伝
動ベルト73が可動フレーム2と接触しないように配置
される。
【0042】支持軸8は,軸受65に対して直接に支持
され且つ孔74を有する中空軸75と,中空孔74に挿
通されて,揺動体9を支持軸8に固定する取付ボルト7
6とから成っている。中空軸75は,中央部寄りに形成
されている肩部77と,他側の周面に形成された雄ねじ
部78に螺合されるナット79とで軸受65,65(特
に,その内輪)及びスペーサ64を挟み付けることによ
って,可動フレーム2に対して軸方向の位置を規制され
つつ回転自在(この実施例の場合,回転範囲は限られて
おり,回動できればよい)に支持されている。中空軸7
5の一側先端には,揺動体9が嵌合可能な段部80が形
成されている。なお,雄ねじ部78とナット79の外周
面に形成された歯81とに係合する弛み止め82は,中
空軸75とナット79とのねじ係合の弛みを防止してい
る。
【0043】中空軸75に挿通される取付ボルト76
は,ボルト頭部83と他側周面に形成した雄ねじ部84
を備えている。雄ねじ部84にナット85を螺合して締
め付けていくと,ナット85はワッシャ86を介して中
空軸75の他側端面に当接し,その反作用によって,ボ
ルト頭部83は押さえ板87を中空軸75の端面88に
押し付ける。揺動体9は,中空軸75の端面88と押さ
え板87との間で挟持されて,支持軸8と一体化され
る。
【0044】次に,この発明によるダンボール箱の切断
装置の実施例の作動を説明する。まず,開梱しようとす
るダンボール箱の高さや切断深さ等に応じて,可動フレ
ーム2を昇降させて切断刃12,13が適切な高さとな
るように調節する。切断装置1の可動フレーム2は,切
断されるダンボール箱の高さと使用されているダンボー
ル紙の厚さに対応した位置にまで下降してきて停止す
る。可動フレーム2の停止位置は予め設定しておく。切
断刃12,13を取り付けた刃具ホルダ10,11のロ
ッド21,22に対する高さ位置の調節は,ダンボール
箱の種類に応じて適切な切込み量となるように,締付ね
じ36で調節する。
【0045】ダンボール箱は切断装置1の下方をコンベ
ヤ装置(図示せず)によって水平方向に搬送される。ダ
ンボール箱は,図2において右から左へ移動する,即
ち,切断刃12側から切断刃13に向けて搬送されてく
るものとする。切断装置1の駆動モータ6から伝動ベル
ト73を介して,駆動軸7に回転運動が与えられる。駆
動軸7の回転方向については説明を簡単にするため,図
2で右回転,即ち,時計方向に回転するものとする。
【0046】クランクピン15は,駆動軸7の中心軸線
A−Aから偏心した位置に配置され,クランク14上に
設けられたクランクピン軸27に回転自在に軸支されて
いる。クランク14とクランクピン15とは,連続回転
運動を揺動回転に変換するクランク機構を構成してい
る。クランクピン15は,揺動体9の揺動アーム17に
形成された大長孔16に遊嵌されている。
【0047】駆動軸7に時計方向の回転が与えられる
と,クランクピン15も時計方向に移動する。位置aの
上死点を0°とすれば,駆動軸7が180°回転したと
ころで,クランクピン15は上死点aから位置b,cを
経て下死点dに至る。大長孔16にはクランクピン15
が遊嵌されており,この間,クランク14の回転に伴っ
てクランクピン15が大長孔16内を回転中心Bに向か
って移動しながら大長孔16の右縁部を押し,揺動体9
を回転中心Bの回りに回転させる。クランクピン15が
cに位置しているときに,大長孔16とクランクピン1
5との幾何学的位置関係によって揺動体9は最も時計方
向に振れ,その後,クランクピン15がdに向けて移動
すると,大長孔16の左縁部を押し揺動体9を反時計方
向に回転させることになる。クランクピン15の移動に
対応して,揺動体9のアーム18も揺動回転して,当初
は時計方向に揺動回転し,途中から反転して反時計方向
に揺動回転する。これに伴って,アーム18に連動する
ロッド21は下降し,途中から反転して上昇する。その
際に,切断刃12に近づいてきたダンボール箱に対し
て,切断刃12である鋸刃12が切込みを形成する。
【0048】クランクピン15が下死点dから更に時計
方向に回転すると,クランクピン15は,大長孔16の
左縁部を押して揺動体9を引き続き反時計方向へ回転さ
せる。揺動体9は,位置eで,大長孔16とクランクピ
ン15との幾何学的位置関係によって最も反時計方向に
振れ,その後反転して時計方向に揺動回転する。これに
対応して,揺動体9のアーム19と連動するロッド22
は下降し,途中から反転して上昇する。その際に,切断
刃13に近づいてきたダンボール箱に対して,切断刃1
3であるナイフエッジ13は,切断刃12である鋸刃1
2が形成した切込みに続いてダンボール箱を大きく切断
する。即ち,切断刃13は切断刃12による切込み量よ
りも深い切込み量になるように固定されているので,第
一切断刃12による切込みに続けてダンボール箱を大き
く切り進ことになる。クランク14が1回転してクラン
クピン15が再び上死点aに戻ると,揺動体9を含む装
置全体が当初の状態,即ち中間位置Yに戻る。このよう
にして,ダンボール箱と切断刃12及び切断刃13との
相対移動中に,切断刃12と切断刃13の交互の切断動
作を繰り返してダンボール箱を必要な長さに渡って切断
し開梱する。
【0049】なお,切断刃12はクランクピン15が上
死点aからcに至る間に中間位置Yから下降位置Zまで
移動するのに対して,切断刃13はクランクピン15が
下死点dからeに至る間に中間位置Yから下降位置Zま
で移動する。クランクピン15は一定速度で回転してい
るので,切断刃13は切断刃12に比べてかなり高速で
下降運動をすることがわかる。即ち,切断刃12はダン
ボール箱を低速で切断し,切断刃13は高速で切断する
ことになる。このことは,切断刃12は切込み量が少な
く,切断刃13は切込み量が大きいことと対応してい
る。
【0050】このように,切断装置1においては,揺動
体9は駆動軸7の回転に伴い,回転軸線B−Bを基準に
して時計方向と反時計方向に交互に揺動して,揺動体9
に連動する二種類の切断刃12,13である鋸刃12と
ナイフエッジ13とがあたかもシーソー運動のように上
下運動を行ってダンボール箱を切断する。この動作は作
業者がナイフをもって突き立てと引く抜きとの動作を繰
り返していたのと同じ動作であり,これらの動作を繰り
返すことによって,切断装置1はダンボール箱を切断す
る。従って,切断装置1は,切断刃12である鋸刃12
がダンボール紙面に対して略垂直に切り込みを形成する
ので,ダンボール箱の粉塵を大量に発生させることはな
く,また,切断刃13であるナイフエッジ13は,切断
刃12が既にダンボール箱に切り込みを形成した後で,
それに続いてダンボール箱をダンボール紙面に略垂直に
大きく切り進むので,ダンボール紙の粉塵を大量に発生
させることはない。
【0051】このダンボール箱の切断装置は,例えば,
ダンボール箱を搬送するコンベヤ等の搬送手段に沿って
設置することができる。即ち,この切断装置1を一対対
向して配置した切断ステーション(図示せず)をダンボ
ール箱の搬送手段に沿って2個所設置し,2つの切断ス
テーションの間にはダンボール箱の搬送姿勢の変換ステ
ーション(図示せず)を設ける。各切断ステーションで
は,切断刃12,13の刃面をダンボール箱の搬送方向
に沿うように,即ち,駆動軸7を搬送方向と直交する面
内に置くように配置する。各切断刃12,13の間隔
は,ダンボール箱の幅に対応させて設定される。搬送手
段によって搬送されるダンボール箱は,最初の切断ステ
ーションにおいて,ダンボール箱の天板の搬送方向に沿
う2辺が切断される。その後,姿勢転換ステーションに
おいてダンボール箱の姿勢を垂直線回りに90°回転
し,更に同じ搬送方向に搬送する。後の切断ステーショ
ンにて,ダンボール箱の天板のまだ切断されていない対
向する2辺が切断される。このようにして,ダンボール
箱の天板が完全にダンボール箱の本体から切り離される
ので,開梱作業の効率が格段に向上する。
【0052】ダンボール箱の両端を同時に切断するに
は,切断装置1が二基必要である。即ち,図示した切断
装置1の勝手違いを用意する必要がある。図2にあって
は,先ずは刃具ホルダ10と刃具ホルダ11とをそれぞ
れ交換して,左側を刃具関連部材10,12,21と成
し右側を刃具関連部材11,13,22に置き換える。
次にそれぞれの切断刃12,13を裏返しにして目的の
刃具ホルダ10,11に取り付ければ良い。即ちダンボ
ール箱が図2の左側から移動してくるように切断刃1
2,13の刃先とダンボール面とでつくる角度の開口を
左とすれば良いことになる。
【0053】
【発明の効果】この発明によるダンボール箱の切断装置
は,上記のように構成されているので,次のような効果
を奏する。即ち,この発明によるダンボール箱の切断装
置は,揺動体の揺動運動に連動して上下に往復運動する
第一切断刃によってダンボール箱の一部に切込みを形成
し,第一切断刃から後部位置に隔置して設けた第二切断
刃によって,第一切断刃が形成した切込みに続けてダン
ボール箱を切断する。第二切断刃は,第一切断刃による
切込み量よりも深い切込み量を有するので,第一切断刃
が形成した切込みに続けてダンボール箱を大きく切り進
むことになる。このような,第一切断刃と第二切断刃と
による交互の切断動作を一回又は複数回実行して,必要
な範囲に亘ってダンボール箱を切断し,開梱する。従っ
て,従来のダンボール箱の切断装置ではダンボール紙の
粉塵が多量に発生していたが,この発明によるダンボー
ル箱の切断装置は,この粉塵の発生を抑えつつ,且つダ
ンボール箱を確実に高速で切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるダンボール箱の切断装置の一実
施例を示す概略側面図である。
【図2】図1のダンボール箱の切断装置の一部を示す正
面図であって,切断装置における揺動体と第一切断刃関
連部材及び第二切断刃関連部材との関連構造を示したも
のである。
【図3】図2に示した切断装置を右側から見たときの側
面図であって,第一ロッドが中間位置にある時の状態を
示したものである。
【図4】図2に示した切断装置を右側から見たときの側
面図であって,第一ロッドが上昇位置にある時の状態を
示したものである。
【図5】図2に示した切断装置を右側から見たときの側
面図であって,第一ロッドが下降位置にある時の状態を
示したものである。
【図6】第一ロッド握持部を示す平面図である。
【図7】第一ロッド握持部を示す側面図である。
【図8】図1に示した切断装置の駆動機構を示す部分断
面図である。
【符号の説明】
1 切断装置 2 可動フレーム 6 駆動モータ(駆動機構) 7 駆動軸(駆動機構) 8 支持軸 9 揺動体 10,11 刃具ホルダ 12,13 切断刃 14 クランク(駆動機構) 15 クランクピン(駆動機構) 16 大長孔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに揺動自在に支持された揺動
    体,前記揺動体を揺動させる駆動機構,及び前記揺動体
    に対して相対移動するダンボール箱を切断するために前
    記揺動体に連動する第一刃具ホルダと第二刃具ホルダを
    具備し,前記第一刃具ホルダには前記ダンボール箱に切
    込みを形成する第一切断刃を着脱自在に固定し,前記第
    一刃具ホルダから後部位置に隔置して設けた前記第二刃
    具ホルダには前記第一切断刃が形成した前記切込みに続
    けて前記第一切断刃による切込み量よりも深い切込みを
    形成する第二切断刃を着脱自在に固定したことから成る
    ダンボール箱の切断装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動機構は,連続回転する駆動軸,
    前記駆動軸に一体的に設けられたクランク,及び前記ク
    ランクに前記駆動軸の軸線から偏心して設けられたクラ
    ンクピンを備え,前記揺動体には実質的に径方向に延び
    且つ前記クランクピンが嵌入する長孔が形成されてお
    り,且つ前記駆動軸の回転に伴って前記クランクピンが
    前記長孔内を往復動することにより前記駆動軸の連続回
    転が前記揺動体の支持軸を基準とした揺動運動に変換さ
    れることから成る請求項1に記載のダンボール箱の切断
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第一刃具ホルダ及び前記第二刃具ホ
    ルダは,前記揺動体の揺動運動に連動して上下に往復運
    動を繰り返すことから成る請求項1又は2に記載のダン
    ボール箱の切断装置。
  4. 【請求項4】 前記ダンボール箱は水平方向に搬送さ
    れ,且つ前記フレームは昇降可能に設けられていること
    から成る請求項1〜3のいずれか1項に記載のダンボー
    ル箱の切断装置。
  5. 【請求項5】 前記第一切断刃及び前記第二切断刃に対
    する前記ダンボール箱の相対移動方向は,前記ダンボー
    ル箱が前記第一切断刃側から前記第二切断刃に接近する
    方向であることから成る請求項4に記載のダンボール箱
    の切断装置。
  6. 【請求項6】 前記第一切断刃は鋸刃,波打ち刃又はナ
    イフエッジであり,前記第二切断刃はナイフエッジであ
    ることから成る請求項1〜5のいずれか1項に記載のダ
    ンボール箱の切断装置。
  7. 【請求項7】 前記第一切断刃及び前記第二切断刃に
    は,熱処理,チタンコーティング又は超硬溶射等の硬化
    処理が施されていることから成る請求項1〜6のいずれ
    か1項に記載のダンボール箱の切断装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102016007083B4 (de) 2015-06-11 2021-10-28 Dieter Ronnenberg Verfahren und Vorrichtung zum Öffnen von Kartons

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DE102016007083B4 (de) 2015-06-11 2021-10-28 Dieter Ronnenberg Verfahren und Vorrichtung zum Öffnen von Kartons

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