JPH1126192A - プラズマ発生電極装置およびプラズマ発生装置 - Google Patents
プラズマ発生電極装置およびプラズマ発生装置Info
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- JPH1126192A JPH1126192A JP10135328A JP13532898A JPH1126192A JP H1126192 A JPH1126192 A JP H1126192A JP 10135328 A JP10135328 A JP 10135328A JP 13532898 A JP13532898 A JP 13532898A JP H1126192 A JPH1126192 A JP H1126192A
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Abstract
え、プラズマシースを安定に生成させ、エッチング、C
VD、PVD等の各処理を、サセプターの全面にわたっ
て安定に実施できるようなプラズマ発生電極装置を提供
する。 【解決手段】緻密質セラミックスからなる基体1と、基
体1中に埋設された電極9とを備えており、電極9と基
体1のプラズマ発生側の表面1aとの間に存在する電磁
波透過層4の厚さの最小値が0.1mm以上である。好
ましくは、電磁波透過層4の厚さの平均値が0.5mm
以上であり、電磁波透過層4の厚さの平均値が5.0m
m以下であり、電極9が金属バルク体からなる面状の電
極であり、電極を包囲する基体1が、接合面のない一体
焼結品である。
Description
の中でプラズマを発生させるための装置に関するもので
ある。
体製造用装置では、デポジション用ガス、エッチング用
ガス、クリーニング用ガスとして、塩素系ガス、弗素系
ガス等のハロゲン系腐食性ガスが使用されている。この
ため、ウエハーをこれらの腐食性ガスに接触させた状態
で加熱するための加熱装置として、抵抗発熱体の表面を
ステンレススチール、インコネル等の金属により被覆し
た従来のヒーターを使用すると、これらのガスの曝露に
よって、塩化物、酸化物、弗化物等の粒径数μm の、好
ましくないパーティクルが発生する。
ャーやCVD装置では、図15に模式的に示すように、
デポジション用ガス等に曝露されるチャンバー12の外
側に石英窓34を介して赤外線ランプ35を設置し、チ
ャンバー12内にアーム11を介して、例えばアルミニ
ウムからなるサセプター33を設置し、赤外線ランプ3
5によってサセプター33を加熱し、さらにサセプター
33上に載置したウエハーWを間接的に加熱する構造を
とっていた。これと同時に、金属製のサセプター33を
プラズマ発生用の電極として使用し、サセプター33に
直接高周波電力を供給してチャンバー12内でプラズマ
を発生させ、ウエハーWに半導体膜を形成したり、クリ
ーニングを行ったりしていた。この際、アルミニウム製
のサセプター33では、サセプター33の表面にアルマ
イト処理によって厚さ10μm程度のアルミナ製絶縁膜
を設け、絶縁膜の上にウエハーWを載置することによ
り、ウエハーWに対して直接高周波電力が加わることを
防止していた。なお、高周波放電においては、電流放電
とは異なり、一方の電極への電荷の流れはないため、こ
の絶縁膜は、一定の電荷によってチャージされた状態
を、プラズマ中で保持している。
装置が知られている。これは、例えば円筒形状の絶縁体
の外側周面に、低抵抗材料製の線材からなるコイルを巻
き付け、このコイルに高周波電力を供給し、絶縁体の内
部にプラズマを発生させるものである。
た従来例では、サセプター33が金属製であるため、高
温プロセスにおいて金属よりの汚染が生ずる問題があっ
た。特に、アルミニウム製のサセプター33の場合に
は、Mgのコンタミネーションが問題となっていた。ま
た、物理的気相成長(PVD法)、化学的気相成長(C
VD法)、エッチング装置等において、プラズマを発生
させる際に、前記した絶縁膜は、一定の電荷によってチ
ャージされた状態を保持しているが、電離したイオン及
び電子がこのチャージされた絶縁膜に衝突するので、絶
縁膜がダメージを受ける。特にアルマイト製の絶縁膜
は、緻密ではないし、高々10μm程度の厚さしか有し
ていないので、寿命が短かった。特に、ハロゲン系腐食
性ガスを使用するCVD装置、エッチング装置等におい
ては、寿命が短いので、交換を頻繁に行う必要があっ
た。特に、アルミニウム等の金属材料は、こうしたハロ
ゲン系腐食性ガスのプラズマによってひどく腐食され、
サセプターとして使用できないほど変形している状況で
あった。
更に次の問題があることを発見した。即ち、上記のよう
にプラズマを使用しているプロセスにおいては、第一に
ガス分子を解離させ、反応性の高いイオンと電子とに分
離させてプラズマ領域を生成させる。このときに電離し
た電子は、質量が小さいので、イオンに比べると高速度
で移動し、高周波電極の近くに、電子の密度が少ない領
域が生成する。この電子密度が少ない領域をプラズマシ
ースと呼んでいる。プラズマ中のイオンを、プラズマシ
ースの電位によって加速し、加速されたイオンをウエハ
ーの表面に衝突させる。このイオンの種類を変更するこ
とによって、エッチング、CVD、PVDの各処理を行
っている。
たアルミニウム製サセプター等を使用した場合には、プ
ラズマシースが安定に生成せず、この結果プラズマ放電
が安定に行われないことがあった。この結果、エッチン
グ、CVD、PVDの各処理を、サセプターの全面にわ
たって安定に実施できないことがあった。
て十分な耐蝕性を備えたプラズマ発生電極装置を提供す
ることである。また、本発明の課題は、プラズマシース
を安定に生成させ、これによってプラズマ放電を安定さ
せ、エッチング、CVD、PVD等の各処理を、サセプ
ターの全面にわたって安定に実施できるようにすること
である。
生電極装置は、緻密質セラミックスからなる基体と、こ
の基体中に埋設された電極とを備えており、この電極と
基体のプラズマ発生側の表面との間に存在する電磁波透
過層の厚さの最小値が0.1mm以上であることを特徴
とする。
置に加えて、このプラズマ発生電極装置の電極と対向す
る位置に設けられた対向電極、およびプラズマ発生電極
装置の電極と対向電極とに対して電力を供給するための
高周波電源を備えていることを特徴とする、プラズマ発
生装置に係るものである。
導結合型のプラズマ発生装置用の電極装置として使用す
ることができる。
ルマイト電極の表面上でプラズマシースが安定して生成
しない原因について検討した。通常の常識に従えば、電
極の表面を絶縁物で被覆すると、絶縁物の表面はマイナ
ス電位になるので、プラズマシースの領域が大きくな
り、安定するはずである。しかし、前記のようなアルマ
イト等からなる薄膜の場合には、高温に加熱したときな
どに、表面電位を、十分な大きさの均一なマイナス電位
に保持することができず、均一で十分に安定したプラズ
マシースを生成させることができないことが判明した。
すると、プラズマ領域と電極との距離がその分大きくな
り、プラズマ中のイオンの加速が不十分になって、プラ
ズマの放電安定性が損なわれるとも考えられていた。
ックスの基体中に埋設するのと共に、電磁波透過層の厚
さの最小値を0.1mm以上と厚くすると、プラズマシ
ース領域が拡大し、均一で安定なプラズマを生成させる
ことができた。しかも、このように電磁波透過層を厚く
しても、この電磁波透過層がセラミックスからなってお
り、電磁波透過層の誘電率εは、真空の誘電率に比べて
数倍以上大きい。この結果、電極間の電界強度の低下も
なく、プラズマ中のイオンをプラズマシースにおいて十
分に加速することができ、プラズマ放電が安定すること
を確認した。
ラミックス中に埋設されており、電極と基体のプラズマ
発生側の表面との間に存在する電磁波透過層の厚さの最
小値が0.1mm以上であるので、プラズマのイオンボ
ンバードメントに対して安定である。
中に電極を埋設するためには、後述するようなセラミッ
クス製造工程を実施する必要がある。こうした製造工程
を通過した後には、電極の形状に不可避的に若干のうね
りが発生し、この結果、電極と基体の表面との間の電磁
波透過層の厚さが、電極の平面的埋設位置によって変化
する。この変化量は、製造上の精度の問題であるが、通
常の製造方法によれば、材料等によって変動するが、最
大0.7mm程度に及ぶ。このように電磁波透過層の厚
さが平面的位置によって変動するので、電磁波透過層の
厚さの最小値を少なくとも0.1mm以上とする必要が
ある。なお、本発明の装置における基体内の電極とほぼ
平行に、対向電極を設置し、この間に高周波電力を供給
することができる。この際、基体内の電極に対して高周
波電力を供給し、対向電極をアースすることもできる
し、対向電極に対して高周波電力を供給し、基体内の電
極をアースすることもできる。
のバラツキを考慮すると、その平均値を0.5mm以上
とすることが好ましい。
いが、電磁波透過層の厚さの平均値が大きくなりすぎる
と、電磁波透過層の誘電体損失による自己発熱量が大き
くなり、プラズマパワーの効率が低下してくる傾向があ
った。この観点から、電磁波透過層の厚さの平均値は、
特に5.0mm以下とすることが好ましい。
造装置内に設置し、このハロゲン系腐食性ガスに高周波
電力を印加してプラズマを発生させるために、本発明の
装置を使用する場合には、ハロゲン系腐食性ガスのイオ
ンのアタックによって電磁波透過層の表面に反応生成物
が生ずるが、この反応生成物層の厚さは数〜数十μmに
達するので、十分な絶縁性を維持するためにも、電磁波
透過層の厚さの最小値を0.1mm以上にすることが必
要であり、またその平均値を0.5mm以上にすること
が好ましい。
ムによって電磁波透過層を形成した場合には、反応生成
物層としてAlF3 からなるパッシベーション層が生成
し、この層が耐蝕作用を有しているので、この層の内部
へと腐食が進行するのを防止することができる。特に9
9%以上の相対密度を有した常圧焼結、ホットプレス焼
成又は熱CVDにより製造した緻密な窒化アルミニウム
が好ましい。
体の重金属による汚染を防止する必要があり、特に高密
度化の進展によって重金属の排除に対する要求が極めて
高度になってきている。この観点からは、窒化アルミニ
ウムにおけるアルミニウム以外の金属の含有量を1%以
下に抑制することが好ましい。
は、更に、電極がバルク状の電極であり、この電極を包
囲する基体が、接合面のない一体焼結品であることが好
ましい。バルク体は、面状であることが好ましく、この
面状の電極とは、例えば、線体あるいは板体をらせん
状、蛇行状に配置することなく、一体の面状として形成
したものをいう。この点に関して更に説明する。
ラミックスのグリーンシート上に印刷電極を形成した
後、別のグリーンシートを積層し、この積層体のプレス
成形、焼成を行う方法では、プレス成形段階や焼成段階
で、印刷電極の位置が変動している。従って、一体焼結
後に誘電体層の表面をいくら精密に平面加工しても、電
磁波透過層の厚さのバラツキが大きくなりやすい。ま
た、こうした常圧焼結方法では、特にプラズマ発生電極
装置が大型になってくると、誘電体層の緻密性を100
%確保することが困難であり、絶縁破壊を防止するとい
う観点から見た信頼性が低下してくる。この一方、半導
体ウエハーの大型化が進行している。更に、充分に高周
波を伝えるためには装置のリアクタンス成分を低減する
必要があり、好ましくは電極の抵抗値を1Ω以下とする
必要があり、このためには、電極の厚さを十分に大きく
することが必要である。更に好ましくは、13.56M
Hzの高周波中で電極の抵抗値を200mΩ以下とする
ことが必要である。しかし、印刷電極においては、これ
は困難である。
性材料のバルク体によって構成することにより、電極の
抵抗値を小さくすることが容易である。例えば、スクリ
ーン印刷電極は、厚さが高々数十μm程度なので、抵抗
値が必然的に大きくなる。例えば電極がタングステンで
あり、周波数が13.56MHzの場合、電極の厚さは
20μm以上が望ましい。しかし、この厚さの電極を、
スクリーン印刷法で形成することは困難である。
ーストは、一般に0.5μmから10μmの粒径を有す
る微粉末を使用しているので、焼成段階で微粉末が焼結
し、この粒径が大きくなってくる。この際、焼結後の粒
界には、ペースト中やセラミックス原料中に含有されて
いた炭素、酸素等の不純物が進入し、酸化物層、炭化物
層が生成するので、抵抗値が上昇する。
する場合には、埋設の前の段階で既に十分に緻密な微構
造を有しているので、セラミックス粉末を焼成した後に
もバルク体の粒界中に高抵抗率の不純物層が生成しな
い。このため、印刷電極と比較して、基材中に埋設され
た電極の抵抗値が顕著に低いし、またこの抵抗値を正確
に制御し、そのバラツキないし変動を防止することがで
きる。こうしたバルク体としては、埋設前の密度が99
%以上であって、粉末冶金法によって製造されたバルク
体、または鍛造法、圧延引き抜き法によって製造された
バルク体が好ましい。
ない一体焼結品であるので、高真空等の放電し易い条件
下においても、接合面からの放電、絶縁破壊は生じ得な
い。従って、プラズマ発生電極装置の信頼性が飛躍的に
向上する。
性ガスを使用する半導体製造装置内に設置する場合に
は、ハロゲン系腐食性ガスによって、高周波電極が腐食
するおそれがある。更に、膜状電極は、金属を含んでい
るので、半導体に金属汚染が生じるおそれも考えられ
る。しかし、この場合において、電極を包囲する基体
を、接合面のない一体焼結品とすることによって、電極
の腐食及び半導体製造装置内の汚染を、防止することが
できる。
化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、サイアロン等
の窒化物系セラミックス、アルミナ−炭化珪素複合材料
が好ましい。本発明者の研究によれば、耐熱衝撃性の観
点からは、窒化珪素が特に好ましく、ハロゲン系腐食性
ガス等に対する耐蝕性の点では、窒化アルミニウムが好
ましい。
次の方法によって製造することができる。 方法(1) 予備成形体を製造し、この予備成形体の上
に電極を設置する。次いで、この予備成形体及び電極の
上にセラミックス粉末を充填し、一軸プレス成形する。
この成形体を、電極の厚さ方向に向かって加圧しながら
ホットプレス焼結させる。
状電極に対して交差する方向に圧力を加える必要がある
が、好ましくは面状電極に対して実質的に垂直な方向に
圧力を加える。これによって、電極上のセラミックスの
厚さや性質のバラツキを抑制することができる。更に、
後述するように、バルク体からなる面状の電極から見て
基材の表面側と背面側との間に連通している空間が電極
に設けられている場合には、この空間に対して垂直方向
にホットプレスの圧力を加えることが好ましい。これに
よって、セラミックスとバルク体の電極とをホットプレ
ス法によって一体焼結する際に、空間の中にセラミック
ス粉末が進入し、この空間中でセラミックス粉末が焼結
して構造体を形成する。この結果、前記空間中に進入し
たセラミックスが、電極の表面側と背面側とのセラミッ
クスと連続して構造体を形成することになるので、電極
の表面側と背面側との間での接合強度ないし構造強度が
向上し、電極の両側が剥離しにくくなる。
m2 以上とする必要があり、100kg/cm2 以上と
することが好ましい。また、実際上の装置の性能等を考
慮すると、通常は2トン/cm2 以下とすることができ
る。
プレス法によって、平板状の成形体を2つ製造し、2つ
の平板状成形体の間に電極を挟む。この状態で2つの成
形体及び電極を、電極の厚さ方向に向かって加圧しなが
らホットプレス焼結させる。
にまで温度が上昇する用途においては、高融点金属で形
成することが好ましい。こうした高融点金属としては、
タンタル,タングステン,モリブデン,白金,レニウ
ム、ハフニウム及びこれらの合金を例示できる。半導体
製造装置内に設置する用途においては、半導体汚染防止
の観点から、更に、タンタル、タングステン、モリブデ
ン、白金及びこれらの合金が好ましい。また、一般的に
は、高周波電極を構成する、金属以外の導電性材料とし
ては、カーボン、TiN、TiCを例示することができ
る。
面状の電極の他、基材の表面側と背面側との間に連通し
ている空間が設けられている電極を含んでいる。このよ
うな空間の形状は特に限定しないし、このような電極と
しては、(1)多数の小孔が設けられた板状体からなる
面状の電極や、(2)導電性材料の繊維または小片が互
いに分離しないように一体化された結合体からなる電極
がある。電極の一方の側と他方の側とに連通している空
間が設けられている電極を使用すると、一体焼結の際
に、セラミックス粉末がこの空間内に回り込み、進入
し、この空間内で緻密に焼結する。従って、電極から見
て表面側(プラズマ発生側)と背面側との間でセラミッ
クスの接合力が大きくなり、基体の強度が向上し、剥離
が生じにくくなる。
なる面状の電極としては、いわゆるパンチングメタルが
好ましい。ただし、電極が高融点金属からなる場合に
は、電極の硬度が高く、高融点金属からなる板に多数の
小孔をパンチによって開けることは困難であり、加工コ
ストも非常に高くなる。
たは小片が互いに分離しないように一体化された結合体
からなる電極としては、導電性繊維を編んで製造した網
状物、導電性繊維の不織布、フェルトの他に、多数の導
電性小片を接合剤によって接合し、一体化したものを使
用することができる。こうした繊維や小片の材質として
は、前述した高融点金属の他に、カーボンが好ましい。
り、高融点金属からなる繊維、線材は容易に入手できる
ので、この線材を編組すれば網状電極を製造できるし、
こうした材質からなるフェルトも容易に入手できる。
薄板である場合には、電極と基体との熱膨張係数の差に
よって、電極の周縁部分に特に大きな応力が加わり、こ
の応力のために基体が破損することがあった。しかし、
電極が、前述したようなセラミックスの進入のための空
間を有している場合には、前記応力が、空間内に進入し
たセラミックスによって分散される。更に、網状電極の
場合のように繊維ないし線材の編組体や不織布を使用し
た場合に、繊維ないし線材の断面を円形にすると、この
応力分散の効果が特に大きい。
は特に限定しない。しかし、この網ないしメッシュを構
成する金属線は、純金属からなっている方が、抵抗値を
低くすることができるので好ましい。更に好ましくは、
圧延引き抜き加工によって線材として成形された、純度
99%以上の純金属からなる金属線が好ましい。また、
金属線を構成する金属の抵抗値は、100×10-8Ω・
m以下とすることが好ましく、40×10-8Ω・m以下
とすることが更に好ましい。
0.8mm以下であり、1インチ当たり8本以上の線交
差を有していることが好ましい。即ち、線幅が0.8m
mを越えると、対向電極で構成したプラズマ発生用空間
における電界強度分布が乱れるため、プラズマの分布が
悪化し易い。また、プラズマ発生電極装置を長時間使用
したときに,セラミックス中に異物として存在する線体
による応力場がセラミックスの強度を越えることによ
り、セラミックスの破損が生じやすい傾向があった。ま
た,1インチ当たりの線交差が8本未満であると、網状
電極全体に均一な電流が流れにくくなった。
当たりの線交差の数は100本以下とすることが好まし
い。
は、円形の他、楕円形、長方形等、種々の圧延形状であ
ってよい。
3mm以上のものが好ましく、0.02mm以上が更に
好ましい。
は、基体の中に、高融点金属からなる抵抗発熱体を埋設
し、この抵抗発熱体に電力を供給することによって、基
体のプラズマ発生側の表面を発熱させうるように構成す
ることができる。これによって、ウエハーをプラズマ発
生電極装置上に直接載置し、保持した状態で、直接にウ
エハーを加熱できるので、均熱性および加熱時のレスポ
ンスを向上させることができる。
いて、電極を高周波電源に対して接続するのと同時に、
直流電源または交流パルス電源に対して接続することが
でき、この電極に対して静電力を生じさせてウエハーを
電極に対して吸着させることができる。これによって、
プラズマ発生電極装置を静電チャックとして機能させる
ことができる。
は、基体のうち少なくとも電磁波透過層を、誘電体損失
tanδが10-2以下であり、かつ耐熱衝撃性ΔTcが
250°C以上である窒化アルミニウムによって形成す
ることができる。
ので、種々の外部パラメーターによってプラズマの特性
を制御することは、大変に困難である。そして、前記し
たように、プラズマの電磁波透過層へのイオンボンバー
ドメントにより、電磁波透過層の表面が高温に発熱す
る。このため,電磁波透過層の材質によっては、局部的
に溶融するものと考えられる。また、この一方で、電磁
波透過層がマイクロ波に曝されるため、誘電体損失によ
って熱を発生する。
による入熱と、電磁波による自己発熱という、二種類の
熱応力が加わる。こうした現象は、アルゴン、窒素、酸
素、オゾン、SiH4 、TEOS等の非腐食性の気体を
使用した場合にも見られる。更に、ClF3 、NF3 、
CF4 、CHF3 、SiH2 Cl2 、C2F6 等のハロ
ゲン系腐食性ガスを使用した場合には、上記した二種類
の熱応力に加えて、電磁波透過層の表面がハロゲンと反
応し、エッチングされることがある。例えば、窒化珪
素、炭化珪素等の耐蝕性の高い緻密質セラミックスによ
って電磁波透過層を形成した場合でも、こうした問題が
生じた。
ミニウムによって、電磁波透過層を形成してみた。この
結果、電磁波透過層が、上記した発熱による溶融又は破
損をほとんど受けず、しかも、ハロゲン系腐食性ガスに
よってもほとんどエッチングを受けないことを発見し
た。
ニウムは、耐熱衝撃性が大きいので、高周波が透過して
電磁波透過層の温度が局所的に上昇しても、破損しない
ことを確認した。
ーの直径は、大型化が進行しているため、プラズマ発生
電極装置の寸法、及び電磁波透過層の寸法を、大型化さ
せる必要がある。このとき、電磁波透過層の材質として
前記の窒化アルミニウムを採用することにより、電磁波
透過層の寸法を大きくしても、破損、溶融、腐食の可能
性を防止できるようになった。
のである。試験に際しては、3mm×4mm×40mm
の寸法のJIS試験片を使用する。この試験片を電気炉
内に入れ、任意の温度で10分間保持し、次いで試験片
を、容量10l、温度26°Cの水中へ投入し、急冷す
る。この後、試験片の4点曲げ強度を、室温で測定す
る。この結果、ある温度差を境として、4点曲げ強度が
低下する。この境界となる温度差(強度が低下しない範
囲での最高の温度差)を、ΔTcとする。
としては公知である。しかし、通常の耐蝕性セラミック
スというのは、酸、アルカリ溶液に対するイオン反応性
を指している。一方、本発明では、イオン反応性ではな
く、プラズマのイオンボンバードメントによる局部的発
熱を問題としており、更には、ハロゲン系腐食性ガスの
プラズマとの反応性を問題としている。
域は、300GHz以下である。このうち、前記した電
磁波透過層が特に有用であるのは、マイクロ波領域であ
る。マイクロ波の周波数領域は、300MHz〜300
GHzである。しかし、窒化アルミニウムの特性は、1
MHzの領域でも、10GHzの特性と比べてほとんど
変化しないため、1MHz〜300MHzの周波数領域
でも、上記の効果を奏することができる。ただし、周波
数が高くなればなるほど、誘電体損失tanδの小さな
材料が好ましい。
極の平面的寸法は、半導体ウエハー等の被処理物の寸法
と同じか、それ以上とすることが好ましい。これによっ
て、被処理物の表面上におけるプラズマを均一にするこ
とができる。
を説明する。図1は、プラズマ発生電極装置10をチャ
ンバー12内に設置した状態を模式的に示す部分断面図
である。図2は、図1のプラズマ発生電極装置のうち一
部を切り欠いて示す斜視図である。図3は、網状電極3
を示す斜視図である。図4(a)は、一軸プレス型にお
ける成形工程を説明するための模式的断面図であり、図
4(b)は、成形体21を示す断面図であり、図4
(c)は、プラズマ発生電極装置10の本体部分を概略
的に示す断面図である。図5は、コールドアイソスタテ
ィックプレス法による成形体を示す断面図である。
造するには、まず図4(a)に示すようなプレス成形機
を準備する。プレス成形機の下型20に、型枠17が嵌
め合わされている。セラミックス粉末18を型枠17の
内部空間16に充填し、下型20及び図示しない上型に
よって一軸プレス成形し、予備成形体19Aを製造す
る。予備成形体19Aの上に網状電極3を設置する。網
状電極3は、図3に示すように、全体として円形をなし
ており、線体3aを編組したものである。図3におい
て、3bは編み目である。
末18を充填し、網状電極3を埋設する。図示しない上
型によって粉末18を一軸加圧成形し、図4(b)に示
す成形体21を作成する。成形体21においては、予備
成形体22Aと予備成形体22Bとの間に網状電極3が
埋設された状態となっている。次いで、この成形体21
をホットプレス焼結し、所定の研削加工を施し、図4
(c)に示すプラズマ発生電極装置本体を得る。
1の側周面1dにリング状のフランジ1cが設けられて
おり、基体1の内部に、網状電極3からなる高周波電極
9が埋設されている。半導体ウエハー等の被固定物の設
置面1a側には、電磁波透過層4が形成されている。支
持部分8側には端子2が埋設されており、端子2が高周
波電極9に接続されている。端子2の端面が、基体1の
裏面1bに露出している。
8をコールドアイソスタティックプレスによって成形
し、図5に示すような平板形状の成形体23Aと23B
とを製造する。次いで、成形体23Aと23Bとの間に
網状電極3を挟み、この状態で、成形体23A、23B
をホットプレス焼結させる。
プラズマ発生電極装置10が設置されている。この際、
電極9が上面側となるようにプラズマ発生電極装置を設
置し、設置面1aにウエハーWを載置する。電力供給用
のケーブル5Aの一端を端子2に接続し、ケーブル5A
の他端をチャンバー12外へと出し、高周波電源6に接
続する。電極9と対向する位置に、所定間隔を置いて平
行に対向電極13を設置する。電力供給用のケーブル5
Bの一端を対向電極13に接続し、ケーブル5Bの他端
をチャンバー12外へと出し、高周波電源6及びアース
7へと接続する。図1においてtは電磁波透過層4の厚
さである。
介して高周波電力を供給することにより、ウエハーWの
上のプラズマ発生領域15に、プラズマを発生させるこ
とができる。この際、プラズマ発生領域15と設置面1
aとの間に、プラズマシース14が発生する。
の各種の形態を例示する断面図である。図6(a)に示
す網状電極38Aにおいては、縦線37Aと横線36A
とが三次元的に交差するように編まれており、縦線37
Aも横線36Aも、それぞれ波うっている。図6(b)
の網状電極38Bにおいては、横線36Bは真っ直ぐで
あり、縦線37Bが折れ曲がっている。図6(c)の網
状電極38Cにおいては、縦線37Cと横線36Cとが
三次元的に交差するように編まれており、縦線37Cも
横線36Cも、それぞれ波うっている。そして、網状電
極38Cは圧延加工されており、このため縦線および横
線の外形が一点鎖線AとBとに沿った形状となってい
る。図6(a)に示す網状電極38Aでは、AlN中に
Moワイヤーからなるメッシュを入れて1800℃での
一体焼成後において断面を観察すると、横線36Aと縦
線37Aは交差接触している部分で横線36Aと縦線3
7Aの界面が無く一体になっていることが判った。これ
により電極38Aは全体として一体となっており、低抵
抗を実現することができた。
としていずれも好適に使用できる。しかし、特に、図6
(c)のように圧延された形状のものが、平坦度が最も
良好であり、かつ縦線と横線との接触が最も確実である
ので好ましい。
るパンチングメタル24を示す斜視図である。パンチン
グメタル24は円形をしており、円形の平板24a内に
多数の円形孔24bが、碁盤目形状に多数形成されてい
る。
の薄板25を示す斜視図である。図7(c)は、電極と
して使用できる薄板26を示す平面図である。薄板26
内には、細長い直線状の切り込み26b、26cが、互
いに平行に合計6列形成されている。このうち、3列の
切り込み26bは、図7(c)において下側に開口して
おり、残り3列の切り込み26cは、図7(c)におい
て上側に開口している。切り込み26bと26cとは、
交互に配置されている。こうした形状を採用した結果、
薄板によって細長い導電路が形成されている。従って、
この導電路の両端部分26aにそれぞれ端子を接続す
る。
態は、更に種々変更することができる。例えば、図7
(b)に示すような円形の薄板を、平面的に見てらせん
形状または渦巻き形状となるように切り込みを形成する
ことができる。こうした形状の電極は、後述する誘導結
合型プラズマを発生させるための電極としても使用でき
る。
極装置40を、図1の実施例と同様にしてチャンバー1
2内に設置した状態を模式的に示す部分断面図である。
図1に示した各構成要素と同じ構成要素には、同じ符号
を付け、その説明は省略することがある。
体1の支持部分8内に、即ち、高周波電極9と背面1b
との間に、高融点金属からなる抵抗発熱体30が埋設さ
れている。抵抗発熱体30の両端部分は、それぞれ端子
32に接続されており、各端子32は、それぞれ基体1
の背面1b側に露出するように、基体1内に埋設されて
いる。各端子32にそれぞれ電力供給用のケーブル31
の一端が接続されており、各ケーブル31の他端がチャ
ンバー12外へと引きだされており、図示しない電源に
接続されている。
板体をらせん状に巻回した巻回体によって構成されてお
り、この巻回体が、背面1b側又は設置面1a側から平
面的に見て、ほぼらせん形状又は渦巻き形状となるよう
に、埋設されている。ウエハーWを所定位置に設置した
後、プラズマを発生させながら、同時に抵抗発熱体30
に電力を供給してウエハーを加熱することができる。
電極装置に対して適用した実施形態について述べる。従
来のプラズマ発生装置においては、例えば図9に概略断
面図として示すように、装置41の絶縁体からなる基体
65が円筒形状をなしており、円筒形状の本体65bの
両側の開口端部に、真空状態を維持するためのシール用
のフランジ部65a、65cが形成されている。基体6
5は、石英ガラス等の絶縁体からなる。基体65の外側
面44に、銅等の低抵抗性材料からなるコイル45が巻
き付けられており、基体65の内側空間43にプラズマ
を発生させることができる。
基体の外側面に巻き付けられたコイル45と内側空間4
3との間に基体65が介在しており、この基体65の厚
さdは、内側空間43を安定して真空状態に維持するた
めに、10mm以上とする必要がある。このため、プラ
ズマの発生の効率を高くすることができなかった。ま
た、基体65の周囲に低抵抗金属線を巻き付け、所定位
置に保持し、固定する必要がある。しかし、プラズマ発
生時には基体の温度が上昇するし、このときに低抵抗金
属線を所定位置で動かないように保持することはきわめ
て困難である。
装置を誘導結合型のプラズマ発生装置に適用した場合に
は、基体の内部に高周波誘導コイルを埋設しているの
で、基体のプラズマ発生側の表面とコイルとの間隔を小
さくすることができ、これによってプラズマの発生効率
を顕著に向上させることが可能である。しかも、基体の
厚さを従来よりも大きくすることも可能であり、これは
プラズマ発生空間の真空度を保持するために、また基体
の機械的強度を一層向上させるために好適である。
低抵抗線ないし電極が一体に焼成され、埋設されている
ことから、プラズマ発生時などにこれらが移動するおそ
れはない。なお、こうしたプラズマ発生電極装置の形態
は、いわゆるヘリコン型やTCP型などを例示できる。
の間隔eは、10mm以下とすることが好ましく、5m
m以下とすることが更に好ましい。また、これは製造上
の観点からは0.5mm以上とすることが好ましい。
ラズマ発生電極装置の一例を示す断面図である。基体4
2の両端の開口を囲むようにフランジ部42a、42c
が形成されており、本体42bの内部に、細長い網状体
からなる電極46が埋設されている。この網状体は、図
10(b)に示すように、細長い一対の枠線46aと、
枠線46aの間に張りめぐらされた網46bとからな
り、網46bの間に編み目48が形成されている。網状
体の全体は細長いテープ状となっている。
は端子47Bが埋設されており、本体42bのフランジ
部42a側の末端には端子47Aが埋設されている。端
子47Aと端子47Bとの間が、網状体からなる電極4
6によって接続されているが、この電極46の埋設形状
はらせん状となっている。電極46と本体42bの内側
面との間隔eは種々変更することができ、本実施例では
10mm以下、更には5mm以下とすることができる。
生電極装置の別の実施形態を示す平面図であり、図11
(b)はその概略断面図である。装置49においては、
例えば円盤形状の基体50の内部に電極52が4本埋設
されている。また、基体50の中央部には、背面50b
側に露出する端子51Aが埋設されており、基体50の
周縁部側の4箇所には、それぞれ背面50b側に露出す
る端子51Bが埋設されている。中央の端子51Aと各
端子51Bとは、それぞれ電極52によって接続されて
いる。各電極52は、図10(b)に示したような形態
の網状体からなっており、かつそれぞれ一定方向に向か
って弧状に湾曲した形状をなしている。中央部の端子5
1Aは電線54Aを介して高周波電極53に接続されて
おり、周縁部の端子51Bは電線54Bを介してアース
されている。これによって各電極に高周波電力を供給
し、表面50a上にプラズマを発生させる。
生電極装置の別の実施形態を示す平面図であり、図12
(b)はそのXIIb−XIIb線断面図である。装置
55においては、例えば円盤形状の基体50の内部に電
極56が埋設されている。基体50の中央部には、背面
50b側に露出する端子51Aが埋設されており、基体
50の周縁部にも、背面50b側に露出する端子51B
が埋設されている。中央の端子51Aと各端子51Bと
が電極56によって接続されている。
形態の網状体からなっており、端子51Aと51Bとの
間で渦巻き形状をなしている。中央部の端子51Aは電
線54Aを介して高周波電極53に接続されており、周
縁部の端子51Bは電線54Bを介してアースされてい
る。これによって渦巻き形状の電極56に高周波電力を
供給し、表面50a上にプラズマを発生させる。
装置57の外観を概略的に示す正面図であり、図14
は、このプラズマ発生電極装置57の断面図である。こ
の装置57の基体58の本体58bは、いわゆるドーム
形状をしており、本体58bの下側の端部には、真空状
態を維持するためのフランジ部58aが形成されてい
る。このフランジ部58aは、平面的に見ると略円形を
している。本体58bの上側部には開口62が設けられ
ている。
いる。本体58のフランジ部58a側の端部には端子5
1Aが埋設されており、開口62側の端部には端子51
Bが埋設されている。各端子51A、51Bは、それぞ
れ本体58bの外側面60に露出している。端子51A
と51Bとが電極59によって電気的に接続されてい
る。端子51Aは電線54Aを介して高周波電極53に
接続されており、端子51Bは電線54Bを介してアー
スされている。
形態の網状体からなっている。そして、電極59は、フ
ランジ部58a側から本体58の内部を開口62の方へ
と向かって順次に上昇していくように、らせん状に巻回
されている。図13、図14において、59a、59
b、59c、59d、59e、59f、59gおよび5
9hは、いずれも電極59のうち本体58bを平面的に
見て一周している一周分の巻回体を示している。この電
極59に対して高周波電力を供給すると、これが誘導コ
イルとして働き、内側空間63にプラズマが発生する。
なお、61は基体58の内側面である。
る。 (実験1)図1〜図3に示すプラズマ発生電極装置を製
造した。まず、セラミックス粉末18として、アルミニ
ウム以外の金属不純物の含有量が0.1%である窒化ア
ルミニウム粉末を準備した。この粉末を、コールドアイ
ソスタティックプレスによって7トン/cm2 の圧力を
加えて成形し、図5に示すように、2枚の成形体23
A、23Bを製造した。各成形体の嵩密度は2.2g/
cm3 であった。
した。網状電極3を構成する線体の線径は、0.35m
mであり、♯24(1インチ当たり24本の交差本数)
であり、外形はφ200mmであった。この網状電極3
を、成形体23Aと23Bとの間に挟み、1900°
C、200kg/cm2 でホットプレス焼結した。これ
によって、相対密度99.4%の窒化アルミニウム焼結
体が得られた。
を5%含有する窒化アルミニウム粉末を使用した場合に
は、一軸プレス法及びホットプレス法によって、相対密
度99%以上の窒化アルミニウム焼結体が得られた。
置面1a)側を加工した。このとき、各平面的位置にお
いて、網状電極3から表面までの厚さないし距離を、渦
電流検出方式の膜厚計によって測定しながら加工するこ
とにより、網状電極3の傾斜に対して電磁波透過層の表
面の傾斜を合わせ、網状電極3の中心線が電磁波透過層
の表面に対して傾斜しないようにした。この後、背面1
b側より超音波加工によって基体に孔をあけ、端子2を
接合した。プラズマ発生電極装置の寸法は、厚さ12m
m、直径205mmである。電磁波透過層の平均厚さ、
厚さのバラツキ、最大厚さ、最小厚さを、表1に示すよ
うに変更した。
8インチウエハーを設置した。チャンバー12内にCF
4 ガスを導入し、400mmTorrで圧力をコントロ
ールできるように、ガス供給系及びガス排気系を制御し
た。高周波電源として、周波数13.56MHz、2k
Wのものを使用した。放電状態を安定にするため、電源
と高周波電極との間のケーブルにはマッチングボックス
を挿入した。放電状態を3段階で評価した。これらの結
果を表1に示す。
mmであるものの、網状電極3のうねりのために、最小
厚さが0.01mmとなり、プラズマ発生実験におい
て、厚さが最小の部分の周辺でプラズマシースの安定性
が悪くなった。これは、窒化アルミニウムの表面にチャ
ージされた電荷が、厚みの小さい部分で何らかの原因に
よって絶縁破壊を生じ、表面電位が一定に保たれなくな
り、シース領域が変動する結果になったものと考えられ
る。試験番号2においては、こうしたプラズマシースの
安定性には問題がなかった。
番号5においては、プラズマの輝度が低下し、かつプラ
ズマ発生電極装置の温度の上昇が激しく、300℃を越
えた。これは、窒化アルミニウムの誘電体損失によっ
て、表面の電界強度が低下し、更に窒化アルミニウム層
の自己発熱が生じてきたものと考えられる。この条件下
では、いかにプラズマが安定しても、プラズマパワーの
効率が低下すると共に、十分な温度コントロールを行う
ことができず、半導体ウエハーに熱によるダメージを与
える可能性もある。
生電極装置を作成した。ただし、網状電極3の線径と1
インチ当たりの本数(番号)を、表2に示すように変更
した。
太くなるほど1インチ当たりの本数が少なくなり、線径
が細くなるほど1インチ当たりの本数が多くなる。従っ
て、線径0.05mmで1インチ当たり5本のメッシュ
等は、製造できない。表2には、商業ベースで容易に製
造できるメッシュをほぼ網羅してある。これらの各プラ
ズマ発生電極装置について、実験1と同様にしてプラズ
マを発生させ、その安定性を試験したところ、試験番号
2、6〜13の各プラズマ発生電極装置によれば、いず
れも安定したプラズマを発生させることができたので、
表2の「プラズマの安定性」の項目に「○」と表示し
た。また、48時間保持した後も基体の破損は見られな
かったので、表2の「耐久性」の項目に「○」と表示し
た。
で1インチ当たり5本のメッシュを使用したが、プラズ
マの分布に偏りが見られたし、かつ3.5時間経過した
後に基体に破損が生じた。
はりプラズマの安定性が良好であり、かつ耐久性も優れ
ていた。試験番号20においては、網状電極を構成する
金属線の線径を0.013mmとしたが、プラズマの安
定性が若干低下した。試験番号21においては、金属線
の線径を0.01mmとしたが、これによってプラズマ
が不安定になることがわかった。
ッ素ラジカルを発生し、このフッ素ラジカルにより、種
々の材質をエッチング又はクリーニングするハロゲン系
腐食性ガスである。実験1において電磁波透過層を構成
する窒化アルミニウムの各性質を測定した。この結果、
誘電体損失tanδが0.6×10-3(1MHz)であ
り、耐熱衝撃性ΔTcが250°Cであった。そして、
実験1の試験番号2の試料について、電磁波透過層の表
面をEDAXチャート及び走査型電子顕微鏡写真によっ
て観測して見た。この結果、EDAXチャートにおい
て、実験の前後で変化は見られなかった。走査型電子顕
微鏡写真によると、実験後には、電磁波透過層の表面
に、アルミニウムのフッ化物が生成しているようであっ
た。従って、フッ素ラジカルによる腐食が、AlF3 の
パッシベーション膜により抑制されているため、電磁波
透過層の表面の腐食が防止されているものである。ま
た、このAlF3 のパッシベーション膜は、パーティク
ル等を生じないことも確認した。
いて、更に、半導体製造装置内に導入するガスを、Cl
F3 、NF3 、Cl2 、SiH2 Cl2 、CF3 ガスに
それぞれ変更し、実験3と同様の観察を行ったが、いず
れの場合も、実験3と同様の結果が得られた。従って、
本発明のプラズマ発生電極装置は、各種のハロゲン系腐
食性ガスに対して、汎用性があることを確認した。
ズマ発生電極装置57を製造した。この際、基体58を
構成する材質としては、実験1と同様の窒化アルミニウ
ムを使用した。電極59を構成する網状体としては、線
径0.12、1インチ当たりの交差本数が50本のモリ
ブデン製メッシュを使用し、このメッシュを窒化アルミ
ニウム成形体中に埋設する前に圧延加工した。このメッ
シュおよび各端子を窒化アルミニウム成形体中に埋設
し、これらを一体焼結させた。ここで、電極59と基体
の内側面61との間の間隔eを1mmとした。
z、2kWのものを使用した。放電状態を安定にするた
め、電源と高周波電極との間のケーブルにはマッチング
ボックスを挿入した。この状態で内側空間63内に安定
してプラズマが生成することを確認した。
生電極装置は、発生したプラズマに対して十分な耐蝕性
を備えており、プラズマシースを安定に生成させること
ができ、この結果、プラズマ放電を安定させることがで
き、エッチング、CVD、PVD等の各処理を、その全
面にわたって安定に実施できる。
0を半導体製造装置内に設置した状態を模式的に示す部
分断面図である。
欠いて示す斜視図である。
る。
明するための模式的断面図であり、(b)は、成形体2
1を示す断面図であり、(c)は、プラズマ発生電極装
置の本体を概略的に示す断面図である。
形体を示す断面図である。
波電極として好適な網状電極の各形態を例示するための
断面図である。
タル24を示す斜視図であり、(b)は、高周波電極と
して使用できる円形の薄板25を示す斜視図であり、
(c)は、高周波電極として使用できる薄板26を示す
平面図である。
置40を半導体製造装置内に設置した状態を模式的に示
す部分断面図である。
例を概略的に示す断面図である。
のプラズマ発生電極装置46を概略的に示す断面図であ
り、(b)はこの基体42中に埋設されている網状電極
46を示す平面図である。
合型のプラズマ発生電極装置49を概略的に示す平面図
であり、(b)は、(a)の装置のXIb−XIb線断
面図である。
導結合型のプラズマ発生電極装置55を概略的に示す平
面図であり、(b)は、(a)の装置のXIIb−XI
Ib線断面図である。
ラズマ発生電極装置に対して適用した装置57を概略的
に示す正面図である。
す断面図である。
に示す模式図である。
ッシュ) 4 電磁波透過層 6 高周波電源 10、40 プラ
ズマ発生電極装置 11 アーム 12 チャンバー
13 対向電極 14 プラズマシース 15プラズマ
発生領域 21 網状電極3が埋設された成形体 22
A、22B一軸プレスによる成形体 23A、23B
コールドアイソスタティックプレス法による成形体 2
4 パンチングメタル 25 薄板状の電極 26 切
り込みが形成された薄板 36A、36B、36C 横
線 37A、37B、37C縦線 38A、38B、3
8C 網状電極 42、50、58 基体 43、63
誘導結合型のプラズマが発生する内側空間 46、5
2、56、59 誘導結合型のプラズマ発生電極装置の
電極 47A、47B、51A、51B 誘導結合型の
プラズマ発生電極装置の端子
Claims (13)
- 【請求項1】緻密質セラミックスからなる基体と、この
基体中に埋設された電極とを備えているプラズマ発生電
極装置であって、この電極と前記基体のプラズマ発生側
の表面との間に存在する電磁波透過層の厚さの最小値が
0.1mm以上であることを特徴とする、プラズマ発生
電極装置。 - 【請求項2】前記電磁波透過層の厚さの平均値が0.5
mm以上であることを特徴とする、請求項1記載のプラ
ズマ発生電極装置。 - 【請求項3】前記電磁波透過層の厚さの平均値が5.0
mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2記載
のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項4】前記電極が導電性材料のバルク体からなる
電極であり、この電極を包囲する前記基体が、接合面の
ない一体焼結品であることを特徴とする、請求項1〜3
のいずれか一つの項に記載のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項5】前記電極が導電性材料のバルク体からなる
電極であり、この電極から見て前記基材の前記表面側と
背面側との間に連通している空間が前記電極に設けられ
ており、この空間に前記緻密質セラミックスが充填され
ていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つ
の項に記載のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項6】前記電極が誘導結合型のプラズマ発生用電
極であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一
つの請求項に記載のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項7】前記基体の中に、高融点金属からなる抵抗
発熱体が埋設されており、この抵抗発熱体に電力を供給
することによって、前記基体のプラズマ発生側の表面を
発熱させうるように構成されていることを特徴とする、
請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載のプラズマ
発生電極装置。 - 【請求項8】前記プラズマ発生電極装置が、ハロゲン系
腐食性ガスを使用する半導体製造装置内に設置し、この
ハロゲン系腐食性ガスに高周波電力を印加して前記腐食
性ハロゲンガスのプラズマを発生させるために使用され
るプラズマ発生電極装置である、請求項1〜7記載のい
ずれか一つの請求項に記載のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項9】前記基体が窒化物系セラミックスによって
形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいず
れか一つの項に記載のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項10】前記基体のうち少なくとも前記電磁波透
過層が窒化アルミニウムからなり、この窒化アルミニウ
ムの誘電体損失tanδが10-2以下であり、かつ耐熱
衝撃性ΔTcが250°C以上であることを特徴とす
る、請求項9記載のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項11】前記窒化アルミニウムにおけるアルミニ
ウム以外の金属元素の含有量が1%以下であり、相対密
度が99%以上であることを特徴とする、請求項10記
載のプラズマ発生電極装置。 - 【請求項12】請求項1記載のプラズマ発生電極装置、
このプラズマ発生電極装置の前記電極と対向する位置に
設けられた対向電極、および前記プラズマ発生電極装置
の電極と前記対向電極とに対して電力を供給するための
高周波電源を備えていることを特徴とする、プラズマ発
生装置。 - 【請求項13】請求項6記載のプラズマ発生電極装置お
よびこのプラズマ発生電極装置の前記電極に対して電力
を供給するための高周波電源とを備えていることを特徴
とする、プラズマ発生装置。
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JP13532898A JP3676569B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | プラズマ発生電極装置およびプラズマ発生装置 |
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