JPH11260291A - 陰極線管およびその製造方法 - Google Patents
陰極線管およびその製造方法Info
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- JPH11260291A JPH11260291A JP10058699A JP5869998A JPH11260291A JP H11260291 A JPH11260291 A JP H11260291A JP 10058699 A JP10058699 A JP 10058699A JP 5869998 A JP5869998 A JP 5869998A JP H11260291 A JPH11260291 A JP H11260291A
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- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ＡＥＦ防止に有効な高輝度で表面抵抗の低い
反射防止膜を備え、かつ表面から導通をとる必要がなく
低価格な陰極線管、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の陰極線管においては、パネル外
表面のフラット部および外側面部に、反射防止膜を構成
する導電層と導通されたＩＴＯ等の導電膜が連接して設
けられており、この導電膜が、パネルの外側面部に装着
された防爆バンドと導通されている。このような陰極線
管は、封止工程後防爆処理の前に、パネル外表面にスピ
ンコート法等により導電膜を連接して形成した後、防爆
処理を行ない、しかる後反射防止膜形成工程で、導電膜
に導通するように反射防止膜を形成することにより製造
される。
反射防止膜を備え、かつ表面から導通をとる必要がなく
低価格な陰極線管、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の陰極線管においては、パネル外
表面のフラット部および外側面部に、反射防止膜を構成
する導電層と導通されたＩＴＯ等の導電膜が連接して設
けられており、この導電膜が、パネルの外側面部に装着
された防爆バンドと導通されている。このような陰極線
管は、封止工程後防爆処理の前に、パネル外表面にスピ
ンコート法等により導電膜を連接して形成した後、防爆
処理を行ない、しかる後反射防止膜形成工程で、導電膜
に導通するように反射防止膜を形成することにより製造
される。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェースプレート
の前面パネル（フェースパネル）の外表面に、ＡＥＦ
（Alternating electric field）を防止する導電層を有
する陰極線管、およびそのような陰極線管を製造する方
法に関する。
の前面パネル（フェースパネル）の外表面に、ＡＥＦ
（Alternating electric field）を防止する導電層を有
する陰極線管、およびそのような陰極線管を製造する方
法に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、ＴＶブラウン管やコンピューター
のＣＲＴのような陰極線管では、内部の電子銃と偏向ヨ
ーク付近から発生する電磁波が漏洩して、周辺の電子機
器や人体に悪影響を与えることが懸念されている。
のＣＲＴのような陰極線管では、内部の電子銃と偏向ヨ
ーク付近から発生する電磁波が漏洩して、周辺の電子機
器や人体に悪影響を与えることが懸念されている。
【０００３】そのため、このような電磁波（電場）の漏
洩を防止するために、陰極線管のフェースパネルの表面
抵抗値を下げることが必要とされている。すなわち、特
開昭61-118932号、特開昭 61-118946号、特開昭 63-160
140号公報などには、フェースパネルの帯電防止を行な
うための種々の表面処理方法が開示されており、これら
の方法で漏洩電場（ＡＥＦ）を防止することが考えられ
る。
洩を防止するために、陰極線管のフェースパネルの表面
抵抗値を下げることが必要とされている。すなわち、特
開昭61-118932号、特開昭 61-118946号、特開昭 63-160
140号公報などには、フェースパネルの帯電防止を行な
うための種々の表面処理方法が開示されており、これら
の方法で漏洩電場（ＡＥＦ）を防止することが考えられ
る。
【０００４】また、特開平1-242769号公報には、スパッ
タリング法により低抵抗の透明導電膜を形成する表面処
理方法が開示されている。
タリング法により低抵抗の透明導電膜を形成する表面処
理方法が開示されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
透明導電膜は高屈折率（屈折率 2以上）であるため、反
射防止膜の最上層として形成されることがなく、最下層
または中間層として形成され、透明導電膜の上にはシリ
カ層のような非導電性の低屈折率層が設けられる。その
ため、パネルの外表面から導通をとるには、特殊ハンダ
を付けて導通部分を形成したり、導通部のみ直上のシリ
カ層を形成しなかったり、あるいは上層のシリカ層を多
孔性にしたりする方法が採られており、なおかつこれら
の導通部を、金属製の防爆バンドとＡｌテープ等で導通
させて接地する必要があった。したがって、導通部の構
造が複雑で製造コストがかかるという問題があった。
透明導電膜は高屈折率（屈折率 2以上）であるため、反
射防止膜の最上層として形成されることがなく、最下層
または中間層として形成され、透明導電膜の上にはシリ
カ層のような非導電性の低屈折率層が設けられる。その
ため、パネルの外表面から導通をとるには、特殊ハンダ
を付けて導通部分を形成したり、導通部のみ直上のシリ
カ層を形成しなかったり、あるいは上層のシリカ層を多
孔性にしたりする方法が採られており、なおかつこれら
の導通部を、金属製の防爆バンドとＡｌテープ等で導通
させて接地する必要があった。したがって、導通部の構
造が複雑で製造コストがかかるという問題があった。
【０００６】また、透明導電性材料からなる高屈折率の
導電層と非導電性の低屈折率層であるシリカ層とを、そ
れぞれ塗布法（ウェット法）によりパネルでは、図２に
断面的に示すように、これらの層がパネル１の表示有効
部であるフラット部１ａにのみ形成され、パネルの外側
面部（スカート部）１ｂには形成されていないため、シ
リカ層２の一部を未塗布として形成せず、その部分を導
通部として、下層の導電層３をＡｌテープ４等により防
爆バンド５と導通させた構造としている。したがって、
このようなパネルにおいても、導通部の構造が複雑とな
り製造コストがかかるという問題があった。
導電層と非導電性の低屈折率層であるシリカ層とを、そ
れぞれ塗布法（ウェット法）によりパネルでは、図２に
断面的に示すように、これらの層がパネル１の表示有効
部であるフラット部１ａにのみ形成され、パネルの外側
面部（スカート部）１ｂには形成されていないため、シ
リカ層２の一部を未塗布として形成せず、その部分を導
通部として、下層の導電層３をＡｌテープ４等により防
爆バンド５と導通させた構造としている。したがって、
このようなパネルにおいても、導通部の構造が複雑とな
り製造コストがかかるという問題があった。
【０００７】さらに、特開平6-150854号公報には、パネ
ル外表面に帯電防止用の導電膜が特定のパターンで形成
された陰極線管パネルが記載されている。すなわち、パ
ネル外表面に形成される導電膜の形成範囲を、パネルの
４つのコーナー部分で、パネルのフラット部から防爆バ
ンドの装着予定位置を含む範囲まで長く形成し、他の部
分ではこれらのコーナー部分より短く形成した陰極線管
パネルが開示されている。
ル外表面に帯電防止用の導電膜が特定のパターンで形成
された陰極線管パネルが記載されている。すなわち、パ
ネル外表面に形成される導電膜の形成範囲を、パネルの
４つのコーナー部分で、パネルのフラット部から防爆バ
ンドの装着予定位置を含む範囲まで長く形成し、他の部
分ではこれらのコーナー部分より短く形成した陰極線管
パネルが開示されている。
【０００８】しかしこの陰極線管パネルでは、導電膜が
短く形成されたコーナー部以外の部分で、電磁波の漏洩
が生じ、ＡＥＦの防止効果が十分に得られないという問
題があった。
短く形成されたコーナー部以外の部分で、電磁波の漏洩
が生じ、ＡＥＦの防止効果が十分に得られないという問
題があった。
【０００９】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、高輝度でＡＥＦ防止に有効な表面抵抗
の低い反射防止膜を備え、かつ反射防止膜の表面から導
通をとる必要がなく低価格な陰極線管と、そのような陰
極線管を製造する方法を提供することを目的とする。
なされたもので、高輝度でＡＥＦ防止に有効な表面抵抗
の低い反射防止膜を備え、かつ反射防止膜の表面から導
通をとる必要がなく低価格な陰極線管と、そのような陰
極線管を製造する方法を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、フ
ェースプレートの前面パネルの外表面に、少なくとも１
層の導電層を含めた２層以上の積層による反射防止膜を
有し、かつ前記パネルの外側面部に防爆バンドが装着さ
れた陰極線管において、前記パネル外表面のフラット部
および前記外側面部に、前記導電層と電気的に導通され
た導電膜が連接して設けられ、かつこの導電膜が前記防
爆バンドと導通されていることを特徴とする。
ェースプレートの前面パネルの外表面に、少なくとも１
層の導電層を含めた２層以上の積層による反射防止膜を
有し、かつ前記パネルの外側面部に防爆バンドが装着さ
れた陰極線管において、前記パネル外表面のフラット部
および前記外側面部に、前記導電層と電気的に導通され
た導電膜が連接して設けられ、かつこの導電膜が前記防
爆バンドと導通されていることを特徴とする。
【００１１】また、本発明の陰極線管の製造方法は、フ
ェースプレートの前面パネルの開口端をファンネルの開
口端に接合し封止する封止工程と、前記封止された管体
の内部を排気する排気工程と、前記パネルの外側面部に
防爆バンドを装着する防爆処理工程と、前記パネルの外
表面に、少なくとも１層の導電層を含めた２層以上の積
層による反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程とを
備えた陰極線管の製造方法において、前記防爆処理工程
の前に、前記パネル外表面のフラット部および前記外側
面部に導電膜を連接して形成した後、前記反射防止膜形
成工程で、前記導電膜に導通するように、前記導電層を
形成することを特徴とする。
ェースプレートの前面パネルの開口端をファンネルの開
口端に接合し封止する封止工程と、前記封止された管体
の内部を排気する排気工程と、前記パネルの外側面部に
防爆バンドを装着する防爆処理工程と、前記パネルの外
表面に、少なくとも１層の導電層を含めた２層以上の積
層による反射防止膜を形成する反射防止膜形成工程とを
備えた陰極線管の製造方法において、前記防爆処理工程
の前に、前記パネル外表面のフラット部および前記外側
面部に導電膜を連接して形成した後、前記反射防止膜形
成工程で、前記導電膜に導通するように、前記導電層を
形成することを特徴とする。
【００１２】本発明において、パネルの外表面に設けら
れ反射防止膜の一部をなす導電層を構成する材料として
は、ＩＴＯ（酸化インジウム−スズ）、ＡＴＯ（酸化ア
ンチモン−スズ）、酸化スズ等の透明導電性材料が挙げ
られ、特にＩＴＯまたはＡＴＯの使用が好ましい。ま
た、このような導電層の形成方法としては、ＰＶＤ法、
ＣＶＤ法、スパッタリング法のような気相方法（ドライ
プロセス）も採ることができるが、前記した透明導電性
材料の微粒子を分散させた液を、スピンコート、スプレ
イコート等により塗布し、塗膜を乾燥硬化または焼成す
るウェット法を採ることが望ましい。さらに、本発明に
おける導電層としては、銀または銀化合物（例えば酸化
銀、硝酸銀、酢酸銀、塩化銀など）または銀合金（銀−
パラジウム、銀−白金）の超微粒子を分散させた液を塗
布し、塗膜を乾燥硬化または焼成させて得られた金属導
電性薄膜を用いることも可能である。
れ反射防止膜の一部をなす導電層を構成する材料として
は、ＩＴＯ（酸化インジウム−スズ）、ＡＴＯ（酸化ア
ンチモン−スズ）、酸化スズ等の透明導電性材料が挙げ
られ、特にＩＴＯまたはＡＴＯの使用が好ましい。ま
た、このような導電層の形成方法としては、ＰＶＤ法、
ＣＶＤ法、スパッタリング法のような気相方法（ドライ
プロセス）も採ることができるが、前記した透明導電性
材料の微粒子を分散させた液を、スピンコート、スプレ
イコート等により塗布し、塗膜を乾燥硬化または焼成す
るウェット法を採ることが望ましい。さらに、本発明に
おける導電層としては、銀または銀化合物（例えば酸化
銀、硝酸銀、酢酸銀、塩化銀など）または銀合金（銀−
パラジウム、銀−白金）の超微粒子を分散させた液を塗
布し、塗膜を乾燥硬化または焼成させて得られた金属導
電性薄膜を用いることも可能である。
【００１３】本発明において、このような導電層の上に
設けられ、該導電層との２層以上の積層により反射防止
膜を形成する低屈折率の層としては、ＳｉＯ2 を主成分
する層が挙げられる。
設けられ、該導電層との２層以上の積層により反射防止
膜を形成する低屈折率の層としては、ＳｉＯ2 を主成分
する層が挙げられる。
【００１４】また本発明においては、このような反射防
止膜を構成する導電層と導通するように導電膜が設けら
れ、かつこの導電膜が、パネルの外表面のフラット部と
外側面部（スカート部）に連接して形成される。導電膜
を構成する材料としては、ＩＴＯ、ＡＴＯ、酸化スズ等
の酸化物系の透明導電性材料および導電性金属材料等が
挙げられ、特にＩＴＯまたはＡＴＯの使用が好ましい。
また、パネルのフラット部と外側面部とでは、同一の導
電性材料から成る導電膜を設けても良いし、あるいは異
なる導電性材料から成る導電膜を設けても良いが、でき
るだけ高輝度のパネルを得るために、フラット部では透
明導電性材料から成る導電膜を設けることが望ましい。
さらに、このような導電膜を形成するには、前記した透
明導電性材料等の微粒子を分散させた液を、パネルのフ
ラット部においては、スピンコート、スプレイコート等
により塗布し、パネルの外側面部においては、ローラー
コート等により塗布した後、塗膜を乾燥硬化または焼成
する方法が採られる。
止膜を構成する導電層と導通するように導電膜が設けら
れ、かつこの導電膜が、パネルの外表面のフラット部と
外側面部（スカート部）に連接して形成される。導電膜
を構成する材料としては、ＩＴＯ、ＡＴＯ、酸化スズ等
の酸化物系の透明導電性材料および導電性金属材料等が
挙げられ、特にＩＴＯまたはＡＴＯの使用が好ましい。
また、パネルのフラット部と外側面部とでは、同一の導
電性材料から成る導電膜を設けても良いし、あるいは異
なる導電性材料から成る導電膜を設けても良いが、でき
るだけ高輝度のパネルを得るために、フラット部では透
明導電性材料から成る導電膜を設けることが望ましい。
さらに、このような導電膜を形成するには、前記した透
明導電性材料等の微粒子を分散させた液を、パネルのフ
ラット部においては、スピンコート、スプレイコート等
により塗布し、パネルの外側面部においては、ローラー
コート等により塗布した後、塗膜を乾燥硬化または焼成
する方法が採られる。
【００１５】さらに本発明においては、このような導電
膜の形成が、防爆処理工程の前に行なわれる。すなわ
ち、封止工程終了後の陰極線管のパネルの外表面（フラ
ット部および外側面部）に導電膜を形成した後、パネル
の外側面部に防爆バンドを装着し、しかる後、導電層を
含め２層以上の積層により反射防止膜を形成する。ここ
で、導電膜の形成においては、封止された陰極線管のパ
ネル外表面に導電性材料の微粒子を含む液を塗布した
後、排気工程で塗膜を焼成することができる。また、導
電性微粒子の塗膜の焼成を、反射防止膜形成工程で行な
うことも可能である。すなわち、封止された陰極線管の
内部を排気し、パネル外表面に導電性微粒子を含む液を
塗布した後、防爆処理を行なってから、反射防止膜の形
成工程で、反射防止膜を構成する導電層の焼成と同時
に、先に形成した導電性微粒子の塗膜を焼成することも
できる。
膜の形成が、防爆処理工程の前に行なわれる。すなわ
ち、封止工程終了後の陰極線管のパネルの外表面（フラ
ット部および外側面部）に導電膜を形成した後、パネル
の外側面部に防爆バンドを装着し、しかる後、導電層を
含め２層以上の積層により反射防止膜を形成する。ここ
で、導電膜の形成においては、封止された陰極線管のパ
ネル外表面に導電性材料の微粒子を含む液を塗布した
後、排気工程で塗膜を焼成することができる。また、導
電性微粒子の塗膜の焼成を、反射防止膜形成工程で行な
うことも可能である。すなわち、封止された陰極線管の
内部を排気し、パネル外表面に導電性微粒子を含む液を
塗布した後、防爆処理を行なってから、反射防止膜の形
成工程で、反射防止膜を構成する導電層の焼成と同時
に、先に形成した導電性微粒子の塗膜を焼成することも
できる。
【００１６】本発明の陰極線管においては、図１に示す
ように、パネル６の外表面に、反射防止膜の一部を構成
する導電層７と電気的に導通するように、導電膜８が形
成されており、かつこの導電膜８が、パネル６の表示有
効部であるフラット部６ａから防爆バンド９の装着位置
である外側面部６ｂまで延出して設けられ、防爆バンド
９と導通されている。このように、シリカ層１０との積
層により反射防止膜を構成する導電層７と、防爆バンド
９とが、導電膜８を介して導通されているので、別に導
通をとる必要がなく、帯電防止およびＡＥＦ防止が効果
的になされる。
ように、パネル６の外表面に、反射防止膜の一部を構成
する導電層７と電気的に導通するように、導電膜８が形
成されており、かつこの導電膜８が、パネル６の表示有
効部であるフラット部６ａから防爆バンド９の装着位置
である外側面部６ｂまで延出して設けられ、防爆バンド
９と導通されている。このように、シリカ層１０との積
層により反射防止膜を構成する導電層７と、防爆バンド
９とが、導電膜８を介して導通されているので、別に導
通をとる必要がなく、帯電防止およびＡＥＦ防止が効果
的になされる。
【００１７】また本発明において、防爆バンドをパネル
の外側面部に結着する接着層として、導電性材料からな
る導電性の接着層を使用した場合には、パネルの外側面
部に形成された導電膜と防爆バンドとの間の電気抵抗が
低下し、より良好な導通が得られる。
の外側面部に結着する接着層として、導電性材料からな
る導電性の接着層を使用した場合には、パネルの外側面
部に形成された導電膜と防爆バンドとの間の電気抵抗が
低下し、より良好な導通が得られる。
【００１８】
【発明の実施の形態】次に、具体的に実施例を挙げて本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。
発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。
【００１９】実施例１ まず、ＩＴＯの微粒子をエタノ一ルに分散させ、 2重量
％のＩＴＯ微粒子分散液を調製した。次に、封止終了後
の陰極線管フェースパネル（17インチパネル）の外表面
のフラット部に前記したＩＴＯ微粒子分散液をスピンコ
ート法により塗布した。また、同じＩＴＯ微粒子分散液
を、パネルの外周囲および外側面部にローラーコーター
を用いて塗布した。その後排気工程において、排気とと
もに 300℃の温度で 120分間加熱して焼成し、厚さ 0.1
μm のＩＴＯ膜を形成した。
％のＩＴＯ微粒子分散液を調製した。次に、封止終了後
の陰極線管フェースパネル（17インチパネル）の外表面
のフラット部に前記したＩＴＯ微粒子分散液をスピンコ
ート法により塗布した。また、同じＩＴＯ微粒子分散液
を、パネルの外周囲および外側面部にローラーコーター
を用いて塗布した。その後排気工程において、排気とと
もに 300℃の温度で 120分間加熱して焼成し、厚さ 0.1
μm のＩＴＯ膜を形成した。
【００２０】次いで、パネルの外側面部のＩＴＯ膜上に
鉄製の防爆バンドを装着した後、以下に示すようにし
て、パネルの外表面のフラット部に２層反射防止膜を形
成した。すなわち、まずフラット部のＩＴＯ膜上に、Ｉ
ＴＯ微粒子をエタノ一ルに分散させた 2重量％のＩＴＯ
微粒子分散液を、スピンコート法により塗布し成膜し
た。（塗布条件は、パネル温度が30℃、回転速度が液注
入時60rpm-10sec 、液振りきり（成膜）時 150rpm- 100
sec ）次いでこの下層塗膜の上に、メチルシリケートの
エタノ一ル溶液（ 1.0重量％）を、液注入時60rpm-10se
c 、液振りきり時 150rpm- 100sec の条件でスピンコー
ト法により塗布し成膜した後、上下層の塗膜を 210℃の
温度で30分間焼成した。
鉄製の防爆バンドを装着した後、以下に示すようにし
て、パネルの外表面のフラット部に２層反射防止膜を形
成した。すなわち、まずフラット部のＩＴＯ膜上に、Ｉ
ＴＯ微粒子をエタノ一ルに分散させた 2重量％のＩＴＯ
微粒子分散液を、スピンコート法により塗布し成膜し
た。（塗布条件は、パネル温度が30℃、回転速度が液注
入時60rpm-10sec 、液振りきり（成膜）時 150rpm- 100
sec ）次いでこの下層塗膜の上に、メチルシリケートの
エタノ一ル溶液（ 1.0重量％）を、液注入時60rpm-10se
c 、液振りきり時 150rpm- 100sec の条件でスピンコー
ト法により塗布し成膜した後、上下層の塗膜を 210℃の
温度で30分間焼成した。
【００２１】実施例２ 封止終了後の陰極線管フェースパネルの外表面のフラッ
ト部に、ＩＴＯ微粒子のエタノ一ル分散液（ 2重量％）
を、スピンコート法により塗布し、同じＩＴＯ微粒子分
散液をパネルの外周囲および外側面部にローラーコータ
ーにより塗布した後、排気工程で、排気とともに 300℃
の温度で 120分間加熱して焼成し、厚さ0.1μm のＩＴ
Ｏ膜を形成した。
ト部に、ＩＴＯ微粒子のエタノ一ル分散液（ 2重量％）
を、スピンコート法により塗布し、同じＩＴＯ微粒子分
散液をパネルの外周囲および外側面部にローラーコータ
ーにより塗布した後、排気工程で、排気とともに 300℃
の温度で 120分間加熱して焼成し、厚さ0.1μm のＩＴ
Ｏ膜を形成した。
【００２２】次いで、パネルの外側面部のＩＴＯ膜上
に、鉄微粒子を含む導電性接着層を有する鉄製防爆バン
ドを装着した後、実施例１と同様にして２層反射防止膜
を形成した。
に、鉄微粒子を含む導電性接着層を有する鉄製防爆バン
ドを装着した後、実施例１と同様にして２層反射防止膜
を形成した。
【００２３】実施例３ ＩＴＯ微粒子のエタノ一ル分散液（ 2重量％）を、封止
工程および排気工程終了後の陰極線管フェースパネルの
外表面に、フラット部においてはスピンコート法によ
り、パネルの外周囲および外側面部においては、ローラ
ーコーターによりそれぞれ塗布し成膜した。
工程および排気工程終了後の陰極線管フェースパネルの
外表面に、フラット部においてはスピンコート法によ
り、パネルの外周囲および外側面部においては、ローラ
ーコーターによりそれぞれ塗布し成膜した。
【００２４】次いで、パネルの外側面部の塗膜上に、金
属製の防爆バンドを装着した後、パネル外表面のフラッ
ト部に、実施例１と同様にして、ＩＴＯ微粒子のエタノ
一ル分散液（ 2重量％）とメチルシリケートのエタノ一
ル溶液（ 1.0重量％）を順に塗布した。そして、 210℃
の温度で30分間加熱し、上下層の塗膜を焼成すると同時
に、先に成膜した塗膜を焼成しＩＴＯ膜を形成した。
属製の防爆バンドを装着した後、パネル外表面のフラッ
ト部に、実施例１と同様にして、ＩＴＯ微粒子のエタノ
一ル分散液（ 2重量％）とメチルシリケートのエタノ一
ル溶液（ 1.0重量％）を順に塗布した。そして、 210℃
の温度で30分間加熱し、上下層の塗膜を焼成すると同時
に、先に成膜した塗膜を焼成しＩＴＯ膜を形成した。
【００２５】実施例４ ＩＴＯ微粒子のエタノ一ル分散液（ 2重量％）を、封止
工程および排気工程終了後の陰極線管フェースパネルの
外表面に、フラット部においてはスピンコート法によ
り、パネルの外周囲および外側面部においては、ローラ
ーコーターにより、それぞれ塗布し成膜した。
工程および排気工程終了後の陰極線管フェースパネルの
外表面に、フラット部においてはスピンコート法によ
り、パネルの外周囲および外側面部においては、ローラ
ーコーターにより、それぞれ塗布し成膜した。
【００２６】次いで、パネルの外側面部の塗膜上に、鉄
微粒子を含む導電性接着層を有する鉄製防爆バンドを装
着した後、実施例１と同様にして、ＩＴＯ微粒子のエタ
ノ一ル分散液（ 2重量％）とメチルシリケートのエタノ
一ル溶液（ 1.0重量％）を順に塗布した。そして、 210
℃の温度で30分間加熱し、上下層の塗膜を焼成すると同
時に、先に成膜した塗膜を焼成しＩＴＯ膜を形成した。
微粒子を含む導電性接着層を有する鉄製防爆バンドを装
着した後、実施例１と同様にして、ＩＴＯ微粒子のエタ
ノ一ル分散液（ 2重量％）とメチルシリケートのエタノ
一ル溶液（ 1.0重量％）を順に塗布した。そして、 210
℃の温度で30分間加熱し、上下層の塗膜を焼成すると同
時に、先に成膜した塗膜を焼成しＩＴＯ膜を形成した。
【００２７】比較例 封止終了後の陰極線管フェースパネルの外側面部に、金
属製の防爆バンドを装着した後、実施例１と同様にして
２層反射防止膜を形成した（比較例１）。また、比較例
１の陰極線管フェースパネルにおいて、反射防止膜と防
爆バンドとの間を、Ａｌテープを用いて導通させた（比
較例２）。
属製の防爆バンドを装着した後、実施例１と同様にして
２層反射防止膜を形成した（比較例１）。また、比較例
１の陰極線管フェースパネルにおいて、反射防止膜と防
爆バンドとの間を、Ａｌテープを用いて導通させた（比
較例２）。
【００２８】次に、こうして実施例１〜４および比較例
１、２でそれぞれ得られた陰極線管フェースパネルにお
いて、反射防止膜と防爆バンドとの間の電気抵抗をそれ
ぞれ測定し、また抵抗安定性を調べた。これらの測定結
果を、表１に示す。
１、２でそれぞれ得られた陰極線管フェースパネルにお
いて、反射防止膜と防爆バンドとの間の電気抵抗をそれ
ぞれ測定し、また抵抗安定性を調べた。これらの測定結
果を、表１に示す。
【００２９】
【表１】 表１から明らかなように、実施例１〜４で得られたパネ
ルは、反射防止膜と防爆バンドとの間の電気抵抗値が、
これらの間をＡｌテープにより導通させた構造（比較例
２）と同等またはそれ以上に低くなっているうえに、抵
抗値が安定しており、表面がＡＥＦ防止に有効な帯電防
止性を有することがわかる。
ルは、反射防止膜と防爆バンドとの間の電気抵抗値が、
これらの間をＡｌテープにより導通させた構造（比較例
２）と同等またはそれ以上に低くなっているうえに、抵
抗値が安定しており、表面がＡＥＦ防止に有効な帯電防
止性を有することがわかる。
【００３０】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ＴＶブラウン管やコンピューターのＣＲＴの
ような陰極線管において、ＡＥＦ防止を有効に達成する
ことができるうえに、反射防止膜と防爆バンドとが電気
的に導通しており、反射防止膜の表面から導通をとる必
要がないので、構造が簡単で製造コストが安価で済む。
によれば、ＴＶブラウン管やコンピューターのＣＲＴの
ような陰極線管において、ＡＥＦ防止を有効に達成する
ことができるうえに、反射防止膜と防爆バンドとが電気
的に導通しており、反射防止膜の表面から導通をとる必
要がないので、構造が簡単で製造コストが安価で済む。
【図１】本発明の陰極線管フェースパネルの構造を概略
的に示す断面図。
的に示す断面図。
【図２】従来の陰極線管フェースパネルにおいて、反射
防止膜と防爆バンドとの導通部の構造を概略的に示す断
面図。
防止膜と防爆バンドとの導通部の構造を概略的に示す断
面図。
６………パネル ７………反射防止膜の一部を成す導電層 ８………導電膜 ９………防爆バンド １０………シリカ層
Claims (6)
- 【請求項１】 フェースプレートの前面パネルの外表面
に、少なくとも１層の導電層を含めた２層以上の積層に
よる反射防止膜を有し、かつ前記パネルの外側面部に防
爆バンドが装着された陰極線管において、 前記パネル外表面のフラット部および前記外側面部に、
前記導電層と電気的に導通された導電膜が連接して設け
られ、かつこの導電膜が前記防爆バンドと導通されてい
ることを特徴とする陰極線管。 - 【請求項２】 前記防爆バンドが、導電性の接着層によ
り前記パネルの外側面部に結着されていることを特徴と
する請求項１記載の陰極線管。 - 【請求項３】 フェースプレートの前面パネルの開口端
をファンネルの開口端に接合し封止する封止工程と、前
記封止された管体の内部を排気する排気工程と、前記パ
ネルの外側面部に防爆バンドを装着する防爆処理工程
と、前記パネルの外表面に、少なくとも１層の導電層を
含めた２層以上の積層による反射防止膜を形成する反射
防止膜形成工程とを備えた陰極線管の製造方法におい
て、 前記防爆処理工程の前に、前記パネル外表面のフラット
部および前記外側面部に導電膜を連接して形成した後、
前記反射防止膜形成工程で、前記導電膜に導通するよう
に、前記導電層を形成することを特徴とする陰極線管の
製造方法。 - 【請求項４】 前記封止工程が終了した後、前記封止さ
れた管体のパネル外表面のフラット部および外側面部
に、それぞれ導電性微粒子を含む液を塗布し、次いでこ
の塗膜を、前記排気工程で焼成することを特徴とする請
求項３記載の陰極線管の製造方法。 - 【請求項５】 前記排気工程が終了した後、前記パネル
外表面のフラット部および外側面部に、それぞれ導電性
微粒子を含む液を塗布し、この塗膜を、前記防爆処理工
程後の反射防止膜形成工程で、前記導電層の焼成と同時
に焼成することを特徴とする請求項３記載の陰極線管の
製造方法。 - 【請求項６】 前記防爆処理工程で、前記防爆バンドを
導電性の接着層により結着することを特徴とする請求項
３乃至５のいずれか１項記載の陰極線管の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10058699A JPH11260291A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 陰極線管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10058699A JPH11260291A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 陰極線管およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11260291A true JPH11260291A (ja) | 1999-09-24 |
Family
ID=13091787
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10058699A Withdrawn JPH11260291A (ja) | 1998-03-10 | 1998-03-10 | 陰極線管およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11260291A (ja) |
-
1998
- 1998-03-10 JP JP10058699A patent/JPH11260291A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050510 |