JPH11258337A - Fm−cw方式レーダの信号処理装置 - Google Patents
Fm−cw方式レーダの信号処理装置Info
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- JPH11258337A JPH11258337A JP5715398A JP5715398A JPH11258337A JP H11258337 A JPH11258337 A JP H11258337A JP 5715398 A JP5715398 A JP 5715398A JP 5715398 A JP5715398 A JP 5715398A JP H11258337 A JPH11258337 A JP H11258337A
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- peak
- signal
- radar
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 つぶれたパワーピークからピーク周波数の決
定を決定する。 【解決手段】 3角状に周波数変調された連続波を送信
して移動する複数のターゲットからの反射波を受信して
受信信号の処理を行うFM−CW方式レーダの信号処理
装置に、ターゲットとの距離情報を含む受信信号と送信
信号とのビート信号を形成する時に3角状に変調される
周波数の上昇時及び下降時のそれぞれでドプラ効果の情
報を含むビート信号を形成するレーダ1と、上昇時及び
下降時でそれぞれビート信号の周波数分析を行いターゲ
ットに対してはパワーピークを得る周波数分析部4と、
周波数分析部によって得られる周波数分析でパワーピー
クを左右の2つの周波数の領域に分割し、左右に分割さ
れた面積が等しくなる周波数をピーク周波数に決定して
上昇時及び下降時のピーク周波数をペアリングしてター
ゲットとの距離、相対速度を求めるためのピーク周波数
決定部5とを備える。
定を決定する。 【解決手段】 3角状に周波数変調された連続波を送信
して移動する複数のターゲットからの反射波を受信して
受信信号の処理を行うFM−CW方式レーダの信号処理
装置に、ターゲットとの距離情報を含む受信信号と送信
信号とのビート信号を形成する時に3角状に変調される
周波数の上昇時及び下降時のそれぞれでドプラ効果の情
報を含むビート信号を形成するレーダ1と、上昇時及び
下降時でそれぞれビート信号の周波数分析を行いターゲ
ットに対してはパワーピークを得る周波数分析部4と、
周波数分析部によって得られる周波数分析でパワーピー
クを左右の2つの周波数の領域に分割し、左右に分割さ
れた面積が等しくなる周波数をピーク周波数に決定して
上昇時及び下降時のピーク周波数をペアリングしてター
ゲットとの距離、相対速度を求めるためのピーク周波数
決定部5とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は3角状のFM(周波
数変調)−CW(連続波)方式レーダの信号処理装置に
関し、特に、受信信号と送信信号とのビート信号が周波
数分析されターゲットに対して得られた上昇時、下降時
のピーク周波数の決定に関する。
数変調)−CW(連続波)方式レーダの信号処理装置に
関し、特に、受信信号と送信信号とのビート信号が周波
数分析されターゲットに対して得られた上昇時、下降時
のピーク周波数の決定に関する。
【0002】
【従来の技術】上記FM−CW方式レーダは、車両に搭
載され、三角波状の周波数変調された連続の送信波を出
力して複数の前方の車両(ターゲット)との距離を求め
ている。このレーダの信号処理装置では、レーダからの
送信波が前方の車両で反射された反射波の受信信号と送
信信号とのビート信号が形成され、高速フ−リエ変換に
より周波数分析される。ビート信号の周波数分析によ
り、ターゲット毎に、パワーピークが得られこのパワー
ピークに対するピーク周波数が決定される。
載され、三角波状の周波数変調された連続の送信波を出
力して複数の前方の車両(ターゲット)との距離を求め
ている。このレーダの信号処理装置では、レーダからの
送信波が前方の車両で反射された反射波の受信信号と送
信信号とのビート信号が形成され、高速フ−リエ変換に
より周波数分析される。ビート信号の周波数分析によ
り、ターゲット毎に、パワーピークが得られこのパワー
ピークに対するピーク周波数が決定される。
【0003】なお、ターゲットが複数ある場合には、複
数の対の上昇時、下降時のピーク周波数が生じる。ピー
ク周波数は、前方の車両との距離に関する情報を有し、
さらに、前方車両との相対速度によるドプラ効果が上昇
時、下降時で相互に逆に作用する。この上昇時、下降時
の周波数ピークのペアリングを行ってドプラ効果を除去
したピーク周波数から前方の車両との距離が得られる。
数の対の上昇時、下降時のピーク周波数が生じる。ピー
ク周波数は、前方の車両との距離に関する情報を有し、
さらに、前方車両との相対速度によるドプラ効果が上昇
時、下降時で相互に逆に作用する。この上昇時、下降時
の周波数ピークのペアリングを行ってドプラ効果を除去
したピーク周波数から前方の車両との距離が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記FM−
CW方式レーダの信号処理装置の高速フ−リエ変換によ
るビート信号の周波数分析では、単一の周波数、すなわ
ち、単一の正弦波に対しては明確なパワーピークが出現
する。しかしながら、反射波が形成される前方の車両の
反射面に凹凸があると、反射波に時間遅れが起きるため
ビート信号の周波数が変動する。このため、高速フ−リ
エ変換の結果として、パワーピークがつぶれるため明確
なパワーピークが出現しないのでピークの決定が困難に
なる。無理に決定すると、ピーク周波数の精度が低下し
これに伴って前方の車両との距離の精度が低下するとい
う問題がある。
CW方式レーダの信号処理装置の高速フ−リエ変換によ
るビート信号の周波数分析では、単一の周波数、すなわ
ち、単一の正弦波に対しては明確なパワーピークが出現
する。しかしながら、反射波が形成される前方の車両の
反射面に凹凸があると、反射波に時間遅れが起きるため
ビート信号の周波数が変動する。このため、高速フ−リ
エ変換の結果として、パワーピークがつぶれるため明確
なパワーピークが出現しないのでピークの決定が困難に
なる。無理に決定すると、ピーク周波数の精度が低下し
これに伴って前方の車両との距離の精度が低下するとい
う問題がある。
【0005】さらに、送信波の三角波の周波数変調の線
形精度が低下すると、送信波の周波数が変動し、前方の
車両の反射面に凹凸が無く正常に反射されても反射波に
も周波数の変動が起きる。このように周波数変動がある
送信信号と受信信号とのビート信号の周波数も同様に変
動する。無理に決定すると、前述と同様に、ピーク周波
数の精度が低下しこれに伴って前方の車両との距離の精
度が低下するという問題がある。
形精度が低下すると、送信波の周波数が変動し、前方の
車両の反射面に凹凸が無く正常に反射されても反射波に
も周波数の変動が起きる。このように周波数変動がある
送信信号と受信信号とのビート信号の周波数も同様に変
動する。無理に決定すると、前述と同様に、ピーク周波
数の精度が低下しこれに伴って前方の車両との距離の精
度が低下するという問題がある。
【0006】したがって、本発明は、上記問題点に鑑
み、ビート信号の周波数に変動があっても、ピーク周波
数が正確に決定できるFM−CW方式レーダの信号処理
装置を提供することを目的とする。
み、ビート信号の周波数に変動があっても、ピーク周波
数が正確に決定できるFM−CW方式レーダの信号処理
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、3角状に周波数変調された連続波を送
信して移動する複数のターゲットからの反射波を受信し
て受信信号の処理を行うFM−CW方式レーダの信号処
理装置において、前記ターゲットとの距離情報を含む受
信信号と送信信号とのビート信号を形成する時に、前記
3角状に変調される周波数の上昇時及び下降時のそれぞ
れでドプラ効果の情報を含むビート信号を形成するレー
ダと、前記上昇時及び下降時でそれぞれ前記ビート信号
の周波数分析を行い前記ターゲットに対してはパワーピ
ークを得る周波数分析部と、前記周波数分析部によって
得られる周波数分析でパワーピークを左右の2つの周波
数の領域に分割し、左右に分割された面積が等しくなる
周波数をピーク周波数に決定して前記上昇時及び下降時
のピーク周波数をペアリングしてターゲットとの距離、
相対速度を求めるためのピーク周波数決定部とを備える
ことを特徴とするFM−CW方式レーダの信号処理装置
を提供する。この手段により、パワーピークの形状がつ
ぶれてパワーピークが顕著に出現しなくてもピーク周波
数の決定が可能になる。
解決するために、3角状に周波数変調された連続波を送
信して移動する複数のターゲットからの反射波を受信し
て受信信号の処理を行うFM−CW方式レーダの信号処
理装置において、前記ターゲットとの距離情報を含む受
信信号と送信信号とのビート信号を形成する時に、前記
3角状に変調される周波数の上昇時及び下降時のそれぞ
れでドプラ効果の情報を含むビート信号を形成するレー
ダと、前記上昇時及び下降時でそれぞれ前記ビート信号
の周波数分析を行い前記ターゲットに対してはパワーピ
ークを得る周波数分析部と、前記周波数分析部によって
得られる周波数分析でパワーピークを左右の2つの周波
数の領域に分割し、左右に分割された面積が等しくなる
周波数をピーク周波数に決定して前記上昇時及び下降時
のピーク周波数をペアリングしてターゲットとの距離、
相対速度を求めるためのピーク周波数決定部とを備える
ことを特徴とするFM−CW方式レーダの信号処理装置
を提供する。この手段により、パワーピークの形状がつ
ぶれてパワーピークが顕著に出現しなくてもピーク周波
数の決定が可能になる。
【0008】前記ピーク周波数決定部は、閾値を有し、
閾値以上のパワーピークの周波数範囲が所定範囲以上の
場合には前記閾値を大きくする。この手段により、複数
のパワーピークを個々に識別てきるので個々にピーク周
波数の決定が可能になる。
閾値以上のパワーピークの周波数範囲が所定範囲以上の
場合には前記閾値を大きくする。この手段により、複数
のパワーピークを個々に識別てきるので個々にピーク周
波数の決定が可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るFM−C
M方式レーダの信号処理装置の概略を説明する図であ
る。本図(a)に示す如く、FM−CM方式レーダの信
号処理装置は、自動車に搭載され、前方の車両をスキャ
ンするレーダ1を具備する。レーダ1は3角状のFM
(周波数変調)−CW(連続波)レーダであり、本図
(b)に示す如く、前方の車両に電波(周波数f0)を送
信し且つ前方の車両の反射波(周波数f0+fd ,
fd :ドプラ周波数)を受信するアンテナ11と、3角
状に周波数変調された信号を連続的に且つ繰り返し出力
してアンテナ11に電波を送信させる送信機12と、ア
ンテナ11からの受信信号と送信機12からの出力信号
とのビート信号(周波数fb ) を取る混合器とを具備す
る。
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るFM−C
M方式レーダの信号処理装置の概略を説明する図であ
る。本図(a)に示す如く、FM−CM方式レーダの信
号処理装置は、自動車に搭載され、前方の車両をスキャ
ンするレーダ1を具備する。レーダ1は3角状のFM
(周波数変調)−CW(連続波)レーダであり、本図
(b)に示す如く、前方の車両に電波(周波数f0)を送
信し且つ前方の車両の反射波(周波数f0+fd ,
fd :ドプラ周波数)を受信するアンテナ11と、3角
状に周波数変調された信号を連続的に且つ繰り返し出力
してアンテナ11に電波を送信させる送信機12と、ア
ンテナ11からの受信信号と送信機12からの出力信号
とのビート信号(周波数fb ) を取る混合器とを具備す
る。
【0010】本図(a)に示す如く、低域通過フィルタ
(LPF)2は、レーダ1の混合器11に接続されて、
ビート信号に含まれる、サンプル周波数により決まるナ
イキスト周波数以上の信号を除去して折り返し歪みの発
生を防止する。アナログ/デジタル(A/D)変換器3
はサンプル周波数でサンプリングを行い、低域通過フィ
ルタ2のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
(LPF)2は、レーダ1の混合器11に接続されて、
ビート信号に含まれる、サンプル周波数により決まるナ
イキスト周波数以上の信号を除去して折り返し歪みの発
生を防止する。アナログ/デジタル(A/D)変換器3
はサンプル周波数でサンプリングを行い、低域通過フィ
ルタ2のアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0011】高速フ−リエ変換部(FFT)4は、A/
D変換部3の出力に接続されて、3角状の周波数変調の
上昇時、下降時のビート信号について周波数分析を行
う。ピーク周波数決定部5は高速フ−リエ変換部4から
得られた上昇時、下降時の周波数ピークを、後述するよ
うに、決定する。ターゲット認定部6はピーク周波数決
定部5により決定された上昇時、下降時のピーク周波数
のペアリングを行って、後述するように、ターゲットの
距離、速度を求め、ターゲットを認定する。
D変換部3の出力に接続されて、3角状の周波数変調の
上昇時、下降時のビート信号について周波数分析を行
う。ピーク周波数決定部5は高速フ−リエ変換部4から
得られた上昇時、下降時の周波数ピークを、後述するよ
うに、決定する。ターゲット認定部6はピーク周波数決
定部5により決定された上昇時、下降時のピーク周波数
のペアリングを行って、後述するように、ターゲットの
距離、速度を求め、ターゲットを認定する。
【0012】図2はスキャン時のある角度で前方の車両
を捕らえた例を示す図である。本図に示す如く、レーダ
1のスキャン時に、自車レーンの前方のバイク(ターゲ
ットa)、前方の車両(ターゲッb)、追越レーンの前
方の車両(ターゲットb)等を含めて複数、例えば、3
つのターゲットが捕らえられる。図3はレーダ1の送信
信号と受信信号との例を説明する図である。本図(a)
に示す如く、レーダ1からは、実線信号で示されよう
に、周期1/fm で、周波数偏移幅Δfの3角状の周波
数変調が行われて、送信波が送信される。さらに、レー
ダ1では、点線で示されるように、ターゲットで反射さ
れた反射波が受信される。本図(b)に示す如く、レー
ダ1では、3角状の上昇時、下降時で送信信号と反射信
号とからビート信号が得られる。上昇時と下降時とでビ
ート信号の周波数が異なるのは、前方の車両との相対速
度により生じするドプラ効果の影響である。なお、高速
フ−リエ変換部4においては、上昇時、下降時のビ−ト
信号について周波数分析が逐次行われ、その結果とし
て、ピーク周波数決定部5においてあるターゲットに対
して上昇時、下降時のピーク周波数が決定され、それぞ
れのピーク周波数は、 fb (u) =fr −fd …(1) fb (d) =fr +fd …(2) と表され、ここに、 であり、fd はドプラ周波数である。
を捕らえた例を示す図である。本図に示す如く、レーダ
1のスキャン時に、自車レーンの前方のバイク(ターゲ
ットa)、前方の車両(ターゲッb)、追越レーンの前
方の車両(ターゲットb)等を含めて複数、例えば、3
つのターゲットが捕らえられる。図3はレーダ1の送信
信号と受信信号との例を説明する図である。本図(a)
に示す如く、レーダ1からは、実線信号で示されよう
に、周期1/fm で、周波数偏移幅Δfの3角状の周波
数変調が行われて、送信波が送信される。さらに、レー
ダ1では、点線で示されるように、ターゲットで反射さ
れた反射波が受信される。本図(b)に示す如く、レー
ダ1では、3角状の上昇時、下降時で送信信号と反射信
号とからビート信号が得られる。上昇時と下降時とでビ
ート信号の周波数が異なるのは、前方の車両との相対速
度により生じするドプラ効果の影響である。なお、高速
フ−リエ変換部4においては、上昇時、下降時のビ−ト
信号について周波数分析が逐次行われ、その結果とし
て、ピーク周波数決定部5においてあるターゲットに対
して上昇時、下降時のピーク周波数が決定され、それぞ
れのピーク周波数は、 fb (u) =fr −fd …(1) fb (d) =fr +fd …(2) と表され、ここに、 であり、fd はドプラ周波数である。
【0013】ターゲット認定部6においては、(1)、
(2)式より、下記式が fr ={fb (u) +fb (d) }/2 …(4) 得られ、(3)式より、下記式が R=fr ・c/(4R・fm ・Δf) …(5) 得られる。ここに、Rは前方車両と自車との間の距離、
cは光速である。
(2)式より、下記式が fr ={fb (u) +fb (d) }/2 …(4) 得られ、(3)式より、下記式が R=fr ・c/(4R・fm ・Δf) …(5) 得られる。ここに、Rは前方車両と自車との間の距離、
cは光速である。
【0014】また、上昇時と下降時とのピーク周波数の
ペアリングは周波数の大きさの順に、又はパワーピーク
の大きさの順に行われる。なお、ターゲットの相対速度
は得られた距離の時間変化により得られる。図4は高速
フ−リエ変化部4により得られた周波数分析結果に基づ
いてピーク周波数の決定例を説明する図である。本図
(a)に示すように、実線の上昇ビート信号、点線の下
降ビート信号の周波数分析の結果では、一例として、パ
ワーの閾値以上に上昇ビートには周波数a1、b1、c
1にピーク周波数があり、下降ビートには周波数a2、
b2、c2にピーク周波数があるとする。なお、閾値を
設けるのは、ノイズがピーク周波数として得られるのを
回避するためである。
ペアリングは周波数の大きさの順に、又はパワーピーク
の大きさの順に行われる。なお、ターゲットの相対速度
は得られた距離の時間変化により得られる。図4は高速
フ−リエ変化部4により得られた周波数分析結果に基づ
いてピーク周波数の決定例を説明する図である。本図
(a)に示すように、実線の上昇ビート信号、点線の下
降ビート信号の周波数分析の結果では、一例として、パ
ワーの閾値以上に上昇ビートには周波数a1、b1、c
1にピーク周波数があり、下降ビートには周波数a2、
b2、c2にピーク周波数があるとする。なお、閾値を
設けるのは、ノイズがピーク周波数として得られるのを
回避するためである。
【0015】この場合、上昇ビートと下降ビートでは、
ピーク周波数が同じ数、3つあるので、単に周波数の低
いものからピーク周波数のペアリングを行う。すなわ
ち、ターゲットa、b、cに対して、(a1、a2)、
(b1、b2)、(c1、c2)のようにピーク周波数
のペアリングが行われる。このように、パワーピークが
顕著に出現する場合には、ピークの発生する周波数の位
置をピーク周波数とすればよいが、次のようにパワーピ
ークがつぶれてパワーピークが明確でない場合にもピー
ク周波数の決定を行える例を、以下に、説明する。
ピーク周波数が同じ数、3つあるので、単に周波数の低
いものからピーク周波数のペアリングを行う。すなわ
ち、ターゲットa、b、cに対して、(a1、a2)、
(b1、b2)、(c1、c2)のようにピーク周波数
のペアリングが行われる。このように、パワーピークが
顕著に出現する場合には、ピークの発生する周波数の位
置をピーク周波数とすればよいが、次のようにパワーピ
ークがつぶれてパワーピークが明確でない場合にもピー
ク周波数の決定を行える例を、以下に、説明する。
【0016】図5は前方の車両の反射面の凹凸による周
波数の変動例を説明する図であり、図6は図5の場合の
周波数分析におけるパワーピークのつぶれを説明する図
である。ターゲットの1つである前方の車両の反射面に
凹凸があると、図5(a)、(b)に示すように、上昇
の1つの受信信号に周波数変動が起きる。図5(b)に
示すように、図5(a)に対応して、ビート信号の1つ
に周波数変動が起きる。
波数の変動例を説明する図であり、図6は図5の場合の
周波数分析におけるパワーピークのつぶれを説明する図
である。ターゲットの1つである前方の車両の反射面に
凹凸があると、図5(a)、(b)に示すように、上昇
の1つの受信信号に周波数変動が起きる。図5(b)に
示すように、図5(a)に対応して、ビート信号の1つ
に周波数変動が起きる。
【0017】図6に示すように、ターゲットの1つに、
上昇時、下降時にパワーピークのつぶれが起きる。図7
は三角波の周波数変調の線形の精度が低下したことによ
る別の周波数の変動例を説明する図であり、図8は図7
の場合の周波数分析におけるパワーピークのつぶれを説
明する図である。三角状の周波数変調の線形の精度が低
下すると、図7(a)に示す如く、送信信号に周波数変
動が起きるので、受信信号の全体に周波数変動が起き
る。図7(b)に示すように、図7(a)に対応して、
ビート信号の全体に周波数変動が起きる。
上昇時、下降時にパワーピークのつぶれが起きる。図7
は三角波の周波数変調の線形の精度が低下したことによ
る別の周波数の変動例を説明する図であり、図8は図7
の場合の周波数分析におけるパワーピークのつぶれを説
明する図である。三角状の周波数変調の線形の精度が低
下すると、図7(a)に示す如く、送信信号に周波数変
動が起きるので、受信信号の全体に周波数変動が起き
る。図7(b)に示すように、図7(a)に対応して、
ビート信号の全体に周波数変動が起きる。
【0018】図8に示すように、ターゲットの全体に、
上昇時、下降時にパワーピークのつぶれが起きる。この
ように、パワーピークのつぶれが起きた場合には、つぶ
れたパワーピークの形状の重心位置を、以下のようにし
て、ピーク周波数と決定する。図9はピーク周波数決定
部5によりつぶれたパワーピークからピーク周波数が決
定される例を説明する図である。本図に示す如く、パワ
ーの閾値P0 以上のパワーを有する周波数領域をパワー
ピークのつぶれた周波数領域とし、この周波数領域の左
(低)側端の周波数をfk 、この時のパワーをPk と
し、周波数領域の右(高)側端の周波数をfk+n 、この
時のパワーをPk+n とする。なお、周波数分析は周波数
間隔Δf(分解能)で行われるとする。
上昇時、下降時にパワーピークのつぶれが起きる。この
ように、パワーピークのつぶれが起きた場合には、つぶ
れたパワーピークの形状の重心位置を、以下のようにし
て、ピーク周波数と決定する。図9はピーク周波数決定
部5によりつぶれたパワーピークからピーク周波数が決
定される例を説明する図である。本図に示す如く、パワ
ーの閾値P0 以上のパワーを有する周波数領域をパワー
ピークのつぶれた周波数領域とし、この周波数領域の左
(低)側端の周波数をfk 、この時のパワーをPk と
し、周波数領域の右(高)側端の周波数をfk+n 、この
時のパワーをPk+n とする。なお、周波数分析は周波数
間隔Δf(分解能)で行われるとする。
【0019】パワーピークのつぶれた周波数領域の重心
fk,0 は、この領域を左右に分割し、左右の面積SL 、
SR がSL =SR となるように、下記の処理にしたがっ
て、決定される。図10はピーク周波数決定部5による
具体的な処理例を説明するフローチャートである。本図
に示す如く、ステップS1〜4において、各分析ライン
毎に、以下のようにして、周波数領域の左側端からの面
積を逐次求める。
fk,0 は、この領域を左右に分割し、左右の面積SL 、
SR がSL =SR となるように、下記の処理にしたがっ
て、決定される。図10はピーク周波数決定部5による
具体的な処理例を説明するフローチャートである。本図
に示す如く、ステップS1〜4において、各分析ライン
毎に、以下のようにして、周波数領域の左側端からの面
積を逐次求める。
【0020】 面積Sk,1 =Pk ×δf 面積Sk,2 =Sk,1 +Pk+1 ・δf 面積Sk,3 =Sk,2 +Pk+2 ・δf … 面積Sk,n =Sk,n-1 +Pk+n-1 ・δf ステップS5、6、7において、どの面積(Sk,i :i
=1〜n)が全面積(Sk,n )の1/2(SL =SR )
になるかを検索する。
=1〜n)が全面積(Sk,n )の1/2(SL =SR )
になるかを検索する。
【0021】ステップS8〜9において、全面積の1/
2に最も近い面積を持つ周波数領域の右側端の周波数を
ピーク周波数と決定する。図11は複数のターゲットに
対して、ピーク周波数決定部5による概略的な処理例を
説明するフローチャートである。本図に示す如く、ステ
ップS11、12において、上昇ビープ、下降ビープか
を識別する。
2に最も近い面積を持つ周波数領域の右側端の周波数を
ピーク周波数と決定する。図11は複数のターゲットに
対して、ピーク周波数決定部5による概略的な処理例を
説明するフローチャートである。本図に示す如く、ステ
ップS11、12において、上昇ビープ、下降ビープか
を識別する。
【0022】ステップS13、14、15において、高
速フ−リエ変換4で得られた周波数分析に基づいてパワ
ーPm が閾値P0 以上の周波数領域において、図10で
説明した面積による手段でピーク周波数を決定する。ス
テップS16、17では、パワーPm (m=1〜k0 ;
k0 は最大分析ライン数)が閾値P0 以上の他の周波数
領域において、ピーク周波数を決定する。
速フ−リエ変換4で得られた周波数分析に基づいてパワ
ーPm が閾値P0 以上の周波数領域において、図10で
説明した面積による手段でピーク周波数を決定する。ス
テップS16、17では、パワーPm (m=1〜k0 ;
k0 は最大分析ライン数)が閾値P0 以上の他の周波数
領域において、ピーク周波数を決定する。
【0023】このようにしてつぶれたパワーピークの重
心位置にピーク周波数が決定される。すなわち、つぶれ
ていない本来のパワーピークのピーク周波数がパワーピ
ークの重心にあるが、つぶれて喪失している部分はパワ
ーピークの先端部であり、先端部の面積が比較的小さい
ので、先端部のない残部であるつぶれたパワーピークの
重心はピーク周波数を近似的に示すとするためである。
心位置にピーク周波数が決定される。すなわち、つぶれ
ていない本来のパワーピークのピーク周波数がパワーピ
ークの重心にあるが、つぶれて喪失している部分はパワ
ーピークの先端部であり、先端部の面積が比較的小さい
ので、先端部のない残部であるつぶれたパワーピークの
重心はピーク周波数を近似的に示すとするためである。
【0024】以上は、パワーピークがつぶれた場合につ
いてのピーク周波数の決定について述べたが、パワーピ
ークがつぶれていない場合には、前述のように、重心の
周波数とピーク周波数とで一致するので、この手段を適
用しても適用前と同様にパワーピークに対するピーク周
波数が決定される。図12はターゲットが複数の場合に
対する図9の閾値の決定例を説明する図である。本図に
示す如く、パワーPがその閾値P0 以上の周波数領域Δ
Fが所定値以上の場合には2つのピークを1つにしてピ
ーク周波数を決定する場合がある。このため、パワーP
がその閾値P0 以上の周波数領域ΔFが所定値以上の場
合には閾値P0 をP0'(>P0 )に上げるようにしても
よい。
いてのピーク周波数の決定について述べたが、パワーピ
ークがつぶれていない場合には、前述のように、重心の
周波数とピーク周波数とで一致するので、この手段を適
用しても適用前と同様にパワーピークに対するピーク周
波数が決定される。図12はターゲットが複数の場合に
対する図9の閾値の決定例を説明する図である。本図に
示す如く、パワーPがその閾値P0 以上の周波数領域Δ
Fが所定値以上の場合には2つのピークを1つにしてピ
ーク周波数を決定する場合がある。このため、パワーP
がその閾値P0 以上の周波数領域ΔFが所定値以上の場
合には閾値P0 をP0'(>P0 )に上げるようにしても
よい。
【0025】
【発明の効果】以上の説明により本発明によれば、パワ
ーピークの形状がつぶれてパワーピークが顕著に出現し
なくてもピーク周波数の決定が可能になる。
ーピークの形状がつぶれてパワーピークが顕著に出現し
なくてもピーク周波数の決定が可能になる。
【図1】本発明に係るスキャン式レーダの信号処理装置
の概略を説明する図である。
の概略を説明する図である。
【図2】スキャン時のある角度で前方の車両を捕らえた
例を示す図である。
例を示す図である。
【図3】レーダ1の送信信号と受信信号との例を説明す
る図である。
る図である。
【図4】高速フ−リエ変化部4により得られた周波数分
析結果に基づいてピーク周波数の決定例を説明する図で
ある。
析結果に基づいてピーク周波数の決定例を説明する図で
ある。
【図5】前方の車両の反射面の凹凸による周波数の変動
例を説明する図である。
例を説明する図である。
【図6】図5の場合の周波数分析におけるパワーピーク
のつぶれを説明する図である。
のつぶれを説明する図である。
【図7】三角状の周波数変調の線形の精度が低下したこ
とによる周波数の変動例を説明する図である。
とによる周波数の変動例を説明する図である。
【図8】図7の場合の周波数分析におけるパワーピーク
のつぶれを説明する図である。
のつぶれを説明する図である。
【図9】ピーク周波数決定部5によりつぶれたパワーピ
ークからピーク周波数が決定される例を説明する図であ
る。
ークからピーク周波数が決定される例を説明する図であ
る。
【図10】ピーク周波数決定部5による具体的な処理例
を説明するフローチャートである。
を説明するフローチャートである。
【図11】複数のターゲットに対して、ピーク周波数決
定部5による概略的な処理例を説明するフローチャート
である。
定部5による概略的な処理例を説明するフローチャート
である。
【図12】ターゲットが複数の場合に対する図9の閾値
の決定例を説明する図である。
の決定例を説明する図である。
1…レーダ 2…LPF 3…A/D 4…FFT 5…ピーク周波数決定部 6…ターゲット認定部
Claims (2)
- 【請求項1】 3角状に周波数変調された連続波を送信
して移動する複数のターゲットからの反射波を受信して
受信信号の処理を行うFM−CW方式レーダの信号処理
装置において、 前記ターゲットとの距離情報を含む受信信号と送信信号
とのビート信号を形成する時に、前記3角状に変調され
る周波数の上昇時及び下降時のそれぞれでドプラ効果の
情報を含むビート信号を形成するレーダと、 前記上昇時及び下降時でそれぞれ前記ビート信号の周波
数分析を行い前記ターゲットに対してはパワーピークを
得る周波数分析部と、 前記周波数分析部によって得られる周波数分析でパワー
ピークを左右の2つの周波数の領域に分割し、左右に分
割された面積が等しくなる周波数をピーク周波数に決定
して前記上昇時及び下降時のピーク周波数をペアリング
してターゲットとの距離、相対速度を求めるためのピー
ク周波数決定部とを備えることを特徴とするFM−CW
方式レーダの信号処理装置。 - 【請求項2】 前記ピーク周波数決定部は、閾値を有
し、閾値以上のパワーピークの周波数範囲が所定範囲以
上の場合には前記閾値を大きくすることを特徴とする、
請求項1に記載のFM−CW方式レーダの信号処理装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5715398A JPH11258337A (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | Fm−cw方式レーダの信号処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5715398A JPH11258337A (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | Fm−cw方式レーダの信号処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11258337A true JPH11258337A (ja) | 1999-09-24 |
Family
ID=13047632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5715398A Withdrawn JPH11258337A (ja) | 1998-03-09 | 1998-03-09 | Fm−cw方式レーダの信号処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11258337A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012026791A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Honda Elesys Co Ltd | レーダ装置、位置速度検出方法、及びプログラム |
US10534069B2 (en) | 2016-06-16 | 2020-01-14 | Fujitsu Ten Limited | Radar device and signal processing method |
-
1998
- 1998-03-09 JP JP5715398A patent/JPH11258337A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012026791A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Honda Elesys Co Ltd | レーダ装置、位置速度検出方法、及びプログラム |
US10534069B2 (en) | 2016-06-16 | 2020-01-14 | Fujitsu Ten Limited | Radar device and signal processing method |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050510 |