JPH11258135A - 金属材料の加工特性評価試験方法および装置 - Google Patents

金属材料の加工特性評価試験方法および装置

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JPH11258135A
JPH11258135A JP10073587A JP7358798A JPH11258135A JP H11258135 A JPH11258135 A JP H11258135A JP 10073587 A JP10073587 A JP 10073587A JP 7358798 A JP7358798 A JP 7358798A JP H11258135 A JPH11258135 A JP H11258135A
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load
test
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temperature
torsion
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JP10073587A
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Tadatsugu Yoshida
忠継 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実機の負荷条件で多軸の負荷試験ができる評
価試験方法及び評価試験装置を提供する。 【解決手段】 円柱の試験片1の周囲に任意位置に試験
する切欠き2を設け、高周波加熱コイル8に挿通、切欠
き2に熱伝対3を配設して切欠き2の部分の温度を計測
し、温度制御装置9により高周波加熱コイル8の負荷を
制御して試験片1の温度を制御し、試験片1をチャック
17により上下を把持し、試験機架台13に設けた、チ
ャック17に引張試験駆動装置10およびねじり駆動装
置11により実機の負荷条件で負荷を与え、荷重計4、
トルク計5、変位計6、角度計7で測定しながら、試験
片1の任意点における独立な応力成分の温度、ひずみ、
ひずみ速度、ねじり及び引張圧縮の多軸負荷試験を行い
材料の加工を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延、鍛造、プレ
スなどの各種塑性加工工程において、被加工材の加工特
性である変形抵抗および変形能を実際の使用条件に近い
条件で迅速に評価するための評価試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延、鍛造、プレスなど材料の各種塑性
加工工程が大量生産性、歩留り向上などの観点から広く
実用化されている。近年、材料開発が進み、高機能であ
るが硬くて脆い難加工材料を従来の塑性加工工程を利用
して製造するニーズが強く、これら新材料の実機適用時
の加工特性を精度良く評価して、工程設計に反映する必
要性が生じている。
【0003】従来、材料の加工特性評価試験方法として
は、引張試験、圧縮試験、ねじり試験など一方向にのみ
負荷する単軸負荷試験が一般的であった。しかし、実機
の加工工程では単軸負荷様式は極めて限られた場合であ
り、通常は二軸、三軸の多軸負荷が一般的であり、ま
た、単軸であっても被加工材の中ではひずみや応力が分
布して、多軸応力状態になることが一般的であった。そ
のため、特定の加工工程における材料の加工特性を精度
良く評価するためには、パイロットプラントなど実機に
近い試験機を作成し、評価しなければならなかった。
【0004】そこで、京大の井上達夫等は材料の温度制
御が容易で引張・圧縮とねじりを組み合わせた図3に示
す二軸の負荷が可能な試験を開発し、薄肉の円筒試験片
18を用いて各種材料の加工特性を評価している。薄肉
円筒を用いることで応力状態を純粋な二軸に保つことを
狙いとしているが、試験片の加工精度の要求が極めて高
く試験片の制作に時間とコストが必要である。また材料
力学の教えるところによれば、材料中の任意点での独立
な応力成分は6成分であり、これから考えても二軸だけ
では実機に近い条件を確保できない場合があり、少なく
とも三軸の負荷状態を実現させる必要性があった。
【0005】一方、多軸の負荷試験機が存在した場合、
実機の負荷条件と同じ負荷履歴を試験機に加える必要が
ある。即ち、実機の負荷履歴を予測する工程、予測され
た負荷履歴を試験機の負荷履歴に変換する工程が必要で
ある。特に後者は試験片形状が図3の円筒試験片18の
ように平滑であれば従来の知見で推定可能な場合もある
が、図2のように切欠き2などが存在する場合は把握で
きない場合がほとんどであった。そのため、実機のスケ
ールモデル試験などを省略できず、開発期間、開発コス
トなどの面で不利であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
従来技術では実機に近い条件で材料の加工特性評価試験
を行うには、実機のスケールモデル試験機を作成しなけ
ればならず、開発期間とコスト面で不利であった。即
ち、実機の負荷条件で多軸の負荷試験ができる評価試験
方法及び評価試験装置が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、近年技術革新
が多く、技術進展が著しい計算機支援技術(以下、「C
AE」という。)により、従来解析が困難視とされてい
た実機条件および切欠き付の試験片などの応力解析が実
用化されつつあることに着目し、CAEおよび多軸負荷
試験の良い点を総合化させて、従来に無い全く新しい概
念の評価方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】即ち、課題を解決するための本発明の手段
として、請求項1の発明では、材料の加工特性評価試験
方法において、実機の加工条件に基づき力学モデルによ
り被加工材の任意位置の温度、ひずみ、ひずみ速度、応
力の履歴を推定する工程、着目する位置での履歴を模擬
して試験機の負荷様式に変換する演算工程、該負荷様式
により試験片温度の制御を行うとともに、ねじりおよび
引張圧縮の二軸負荷試験を同時に行う工程、試験条件を
記録するとともに出力する工程からなることを特徴とす
る。
【0009】さらに、請求項1に記載の加工特性評価試
験方法において、試験片が環状の溝を有する円柱または
円管であることを特徴とする。
【0010】また、材料の加工特性評価試験装置におい
て、実機の加工条件に基づき力学モデルにより被加工材
の任意位置の温度、ひずみ、ひずみ速度、応力の履歴を
推定する演算装置、着目する位置での履歴に基づいてこ
れを模擬する負荷様式に変換する変換装置、各計測装置
からの信号と該負荷様式に基づき試験機の制御信号を発
生する制御装置、制御信号により試験片温度を変化させ
る加熱装置、制御信号によりねじりおよび引張圧縮の負
荷を試験片に作用させる駆動装置、試験片の温度、ねじ
り角度、変位、トルク、荷重を測定する計測装置、試験
条件を記録するとともに出力する出力装置からなること
を特徴とする。
【0011】本発明の作用について説明する。図1は本
発明の評価試験のシステム、図2は本発明の評価試験装
置を示す説明図である。
【0012】従来方法に比べて本発明の方法の特徴は、
図1の制御装置本体、即ち図2の制御装置14により実
機に近い試験条件を発生することである。すなわち、本
発明における制御装置は、実機プロセス条件に基づき演
算装置の力学モデルにより、実機プロセスの着目する任
意位置の温度、ひずみ、ひずみ速度、応力の履歴を推定
し、この履歴に最も近い試験条件、即ち試験片へ加える
最適な力学的負荷様式を負荷様式変換装置の力学モデル
により算出し、この最適な力学的負荷様式に基づき試験
機制御装置から各試験制御装置に制御信号を出すことで
実機に近い試験条件を発生する。
【0013】特にねじりながら引張・圧縮するること
で、負荷様式変換装置における負荷様式の選択幅が増し
たので、組み合わせ応力、変動応力、大ひずみなど従来
にない広い範囲の評価試験が可能である。
【0014】さらに、本発明は、演算装置の力学モデル
と負荷様式変換装置の力学モデルとして、任意の形状や
負荷様式を処理できる極めて汎用性の高いCAEに基づ
く力学モデルを用いるので、試験片の形状が複雑であっ
ても実機に近い極めて精度の高い評価が可能である。そ
のため、従来、平滑の円柱や円筒など単純な形状に限ら
れていた試験片形状に関して、事実上その制限を取り除
くことが可能である。しかし、実際には試験片を作成す
るコストを考慮すると、旋盤で加工できる形状が望まし
い。そこで、本発明では、試験片の形状を従来の平滑の
円柱や円筒に加えて、図2の符号2に示す環状の溝を有
する円柱または円筒を採用し、負荷様式変換装置におけ
る負荷様式の選択幅を増したので、さらに実機に近い条
件での評価試験が可能である。
【0015】
【発明の実施形態】本発明の実施の形態を図1および図
2を用いて説明する。図1は本発明の方法を実施する制
御装置本体および試験機本体を模式的に示す評価試験シ
ステムである。図1の模式図内の工程に示すように、材
料の加工特性評価試験方法は、制御装置本体では、実機
プロセスのプロセス条件、即ち加工条件に基づき演算装
置の力学モデルにより、実機プロセスの着目する任意位
置の温度、ひずみ、ひずみ速度、応力の履歴を推定し、
この履歴に最も近い試験条件、即ち試験片へ加える最適
な力学的負荷様式を負荷様式変換装置の力学モデルによ
り算出し、この最適な力学的負荷様式および試験基本体
の各計測装置からのフィードバック信号とに基づき試験
機制御装置から各試験制御装置に制御信号を出すことで
実機に近い試験条件を発する。この制御信号、即ち加熱
装置および各駆動装置の制御信号により、試験機本体の
加熱装置の試験片温度の制御を行うとともに、ねじり駆
動装置および引張圧縮駆動装置により回転方向と軸方向
のの二軸負荷試験を行い、試験機本体に装備の試験片の
温度計測装置、ねじり角度計測装置およびトルク計測装
置、変位計測装置および荷重計測装置で得た各種データ
の試験条件を記録装置に記録するとともに、記録した試
験条件を出力する。一方、上記の試験片の温度計測装
置、ねじり角度計測装置およびトルク計測装置、変位計
測装置および荷重計測装置で得た各種データは制御装置
本体の試験機制御装置にフィードバック信号によりフィ
ードバックする。尚、演算装置および負荷様式変換装置
の力学モデルに関しては、近年技術革新が多く、技術進
展が著しいCAEを用いることが汎用性および評価精度
向上の観点から望ましい。
【0016】図2は、本発明の1実施形態の評価試験装
置を示す模式的説明図である。図2において、試験機架
台13の左側に存在するの制御装置14、負荷制御装置
12および温度制御装置9は図1の制御装置本体に相当
し、図2の負荷制御装置12および温度制御装置9は図
1の試験機制御装置である。試験機架台13およびその
中の装置は図1の試験機本体に相当する。円柱の試験片
1の周囲に任意位置に試験する切欠き2を設け、高周波
加熱コイル8に挿通する。切欠き2に熱伝対3を配設し
て切欠き2の部分の温度を計測し、温度制御装置9によ
り高周波加熱コイル8の負荷を制御して試験片1の温度
を制御する。試験片1はチャック17により上下を把持
されている。試験片1を把持したチャック17を有する
試験機架台13にはチャック17に負荷を与える引張試
験駆動装置10およびねじり駆動装置11を有し、さら
に荷重計4、トルク計5、変位計6、角度計7を有し、
試験片1に実機プロセスでの材料中の任意点の加工条
件、即ち温度、ひずみ、ひずみ速度を模擬するので、本
発明のねじりおよび引張・圧縮の多軸負荷試験により材
料の加工評価試験を精度良く行うことができる。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例】表1に実施例を示す。塑性加工の代表的な工
程として、鍛伸、押出し、圧延、板プレス、板のせん断
の5種類の工程について、着目事項に関する評価試験を
実施した。各工程ごとに演算装置で実機プロセスの負荷
履歴を推定し、これをもとに負荷様式変換装置により試
験基への負荷様式を算出した。これにより得られた各工
程の応力状態を、引張、圧縮、ねじり、円周溝切欠き応
力集中として表中に示す。本発明の技術は引張、圧縮、
ねじり、円周溝切欠き応力集中を任意に組み合わせて試
験できるので、各工程とも高精度の評価が可能であり、
評価試験として適当である。一方、従来の技術では任意
の組み合わせができないので精度の高い評価は期待でき
ず、評価試験として適当でない。
【0019】
【発明の効果】本発明は、実機のスケールモデル試験機
を省略して、実機に近い条件で材料の加工特性評価試験
が可能となるため、開発期間とコストを大幅に減少する
のに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態を示す模式的説明図
で制御装置本体及び試験機本体からなる評価試験システ
ムを示す。
【図2】図2は本発明の1実施形態の評価試験装置を示
す模式的説明図である。
【図3】図3は従来技術を示す模式的説明図で評価試験
装置である。
【符号の説明】
1 円柱試験片 2 切欠き 3 熱電対 4 荷重計 5 トルク計 6 変位計 7 角度計 8 高周波加熱コイル 9 温度制御装置 10 引張圧縮駆動装置 11 ねじり駆動装置 12 負荷制御装置 13 試験機架台 14 制御装置 15 記録装置 16 出力装置 17 チャック 18 円筒試験片

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料の加工特性評価試験方法において、
    実機の加工条件に基づき力学モデルにより被加工材の任
    意位置の温度、ひずみ、ひずみ速度、応力の履歴を推定
    する工程、着目する位置での履歴を模擬して試験機の負
    荷様式に変換する演算工程、該負荷様式により試験片温
    度の制御を行うとともに、ねじりおよび引張圧縮の二軸
    負荷試験を行う工程、試験条件を記録するとともに出力
    する工程からなることを特徴とする材料の加工特性評価
    試験方法。
  2. 【請求項2】 試験片が環状の溝を有する円柱または円
    管であることを特徴とする請求項1に記載の材料の加工
    特性評価試験方法。
  3. 【請求項3】 材料の加工特性評価試験装置において、
    実機の加工条件に基づき力学モデルにより被加工材の任
    意位置の温度、ひずみ、ひずみ速度、応力の履歴を推定
    する演算装置、着目する位置での履歴に基づいてこれを
    模擬する負荷様式に変換する変換装置、各計測装置から
    の信号と該負荷様式に基づき試験機の制御信号を発生す
    る制御装置、制御信号により試験片温度を変化させる加
    熱装置、制御信号によりねじりおよび引張圧縮の負荷を
    試験片に作用させる駆動装置、試験片の温度、ねじり角
    度、変位、トルク、荷重を測定する計測装置、試験条件
    を記録するとともに出力する出力装置からなることを特
    徴とする材料の加工特性評価試験装置。
JP10073587A 1998-03-07 1998-03-07 金属材料の加工特性評価試験方法および装置 Pending JPH11258135A (ja)

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