JPH11258132A - クリープ試験装置 - Google Patents

クリープ試験装置

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JPH11258132A
JPH11258132A JP6558098A JP6558098A JPH11258132A JP H11258132 A JPH11258132 A JP H11258132A JP 6558098 A JP6558098 A JP 6558098A JP 6558098 A JP6558098 A JP 6558098A JP H11258132 A JPH11258132 A JP H11258132A
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JP
Japan
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test piece
gripping means
test
pressure
airtight chamber
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Withdrawn
Application number
JP6558098A
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English (en)
Inventor
Masafumi Yamauchi
雅文 山内
Toshihide Igari
敏秀 猪狩
Tomomi Ootani
知未 大谷
Takumi Tokiyoshi
巧 時吉
Yasuharu Chuma
康晴 中馬
Hiroko Maruo
博子 丸尾
Masabumi Kuwabara
正文 桑原
Masanori Tanihira
正典 谷平
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特殊な環境下でクリープ試験を適切に行うこ
とができるクリープ試験装置を提供する。 【解決手段】 本発明のクリープ試験装置は、試験片
(104)の一端側を把持するように固定配置された第
1把持手段(106)と、試験片の他端側を把持するよ
うに移動可能に配置された第2把持手段(108)と、
試験片の軸方向の伸縮を許容するように第1把持手段と
第2把持手段とを連結すると共に第1把持手段と第2把
持手段と共に試験片を収納する気密室(112)を形成
する連結手段(110)と、気密室に連通して設けられ
気密室を加圧して試験片に引張り力を作用させる加圧手
段(114)と、第1把持手段と第2把持手段との離間
距離を測定して試験片の伸び量を測定する測定手段(1
16)と、これらの全要素を収納するカプセル(10
0)と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリープ試験装置
に係わり、特に、実際の使用環境に近い環境下で試験す
ることが可能なクリープ試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】材料が、ある温度及び雰囲気の環境下で
示す時間に依存する強さのうち、試験片に所定の応力ま
たは荷重を与えて時間の経過とともに変化するひずみ
量、即ちクリープひずみを求めるのがクリープ試験であ
る。従来から、このようなクリープ試験を行うため、種
々のクリープ試験装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、例えば、原子炉
圧力容器材料を高温環境下でクリープ試験する場合に
は、圧力容器材料から作られた試験片を原子炉内に挿入
して、クリープ試験を行なわなければならない。しかし
ながら、このような場合、従来のクリープ試験装置は、
その構造上そのまま原子炉内に挿入して使用することが
できず、原子炉圧力容器材料等のクリープ試験を適切に
行なうことが出来なかった。そこで、本発明は、上記の
従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
り、実際の使用環境に近い環境下で試験することが可能
なクリープ試験装置を提供することを目的としている。
【0004】また、本発明は、試験片の標点間の伸び量
を測定することが出来るクリープ試験装置を提供するこ
とを目的としている。更に、本発明は、無負荷の試験片
の試験も同時に行なうことが出来るクリープ試験装置を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のクリープ試験装置は、試験片の一端側を
把持するように固定配置された第1把持手段と、試験片
の他端側を把持するように移動可能に配置された第2把
持手段と、試験片の軸方向の伸縮を許容するように第1
把持手段と第2把持手段とを連結すると共に第1把持手
段と第2把持手段と共に試験片を収納する気密室を形成
する連結手段と、気密室に連通して設けられ気密室を加
圧して試験片に引張り力を作用させる加圧手段と、第1
把持手段と第2把持手段との離間距離を測定して試験片
の伸び量を測定する測定手段と、第1把持手段、第2把
持手段、連結手段、加圧手段及び測定手段をその内部に
収納するカプセルと、を備えたことを特徴としている。
【0006】このように構成された本発明においては、
試験片が第1把持手段と第2把持手段とにより把持さ
れ、加圧手段により、気密室内が加圧にされ、それによ
り、第2把持手段が移動し、試験片に引張り力が作用す
る。この引張り力により試験片が伸び、この伸び量が測
定手段により測定される。本発明によれば、加圧手段に
より、試験片に作用する引張り力が所定の値となるよう
に、容易に制御可能である。更に、本発明によれば、カ
プセルの内部に第1把持手段、第2把持手段、連結手
段、加圧手段及び測定手段を収納するようにしているた
め、実際の使用環境に近い環境下で試験することができ
る。また、本発明のクリープ試験装置は、試験片の一端
側を把持するように固定配置された第1把持手段と、試
験片の他端側を把持するように移動可能に配置された第
2把持手段と、この第2把持手段の試験片の軸方向に関
して第1把持手段の反対側に固定配置された支持手段
と、試験片の軸方向の伸縮を許容するように第2把持手
段と支持手段とを連結すると共に第2把持手段と支持手
段と共に気密室を形成する連結手段と、気密室に連通し
て設けられ気密室を減圧して試験片に引張り力を作用さ
せる減圧手段と、第1把持手段と第2把持手段との離間
距離を測定して試験片の伸び量を測定する測定手段と、
第1把持手段、第2把持手段、支持手段、連結手段、減
圧手段及び測定手段をその内部に収納するカプセルと、
を備えたことを特徴としている。
【0007】このように構成された本発明においては、
試験片が第1把持手段と第2把持手段とにより把持さ
れ、減圧手段により、気密室内が減圧され、それによ
り、第2把持手段が移動し、試験片に引張り力が作用す
る。この引張り力により試験片が伸び、この伸び量が測
定手段により測定される。本発明によれば、減圧手段に
より、試験片に作用する引張り力が所定の値となるよう
に、容易に制御可能である。更に、本発明によれば、装
置を高圧下の環境で使用するような場合には、気密室を
加圧するより減圧する方が、圧力制御がより容易とな
る。同様に、実際の使用環境に近い環境下で試験するこ
とができる。さらに、本発明のクリープ試験装置は、第
1試験片の一端側を把持するように固定配置された第1
把持手段と、第1試験片の他端側を把持するように移動
可能に配置された第2把持手段と、この第2把持手段の
第1試験片の軸方向に関して上記第1把持手段の反対側
に固定配置された支持手段と、第1試験片の軸方向の伸
縮を許容するように上記第2把持手段と支持手段とを連
結すると共に上記第2把持手段と支持手段と共に気密室
を形成する連結手段と、気密室に連通して設けられ気密
室を減圧して第1試験片に引張り力を作用させる減圧手
段と、第1試験片の標点間距離を測定して第1試験片の
標点間の伸び量を測定する測定手段と、第2試験片を変
位可能に収納する第2試験片収納手段と、第1把持手
段、第2把持手段、支持手段、連結手段、減圧手段、測
定手段及び第2試験片収納手段をその内部に収納するカ
プセルと、を備えたことを特徴としている。
【0008】このように構成された本発明においては、
クリープ試験用の第1試験片が第1把持手段と第2把持
手段とにより把持され、減圧手段により、気密室内が減
圧にされ、それにより、第2把持手段が移動し、第1試
験片に引張り力が作用する。この引張り力により第1試
験片が伸び、この伸び量が測定手段により測定される。
本発明によれば、減圧手段により、第1試験片に作用す
る引張り力が所定の値となるように、容易に制御可能で
ある。また、本発明によれば、装置を高圧下の環境で使
用するような場合には、気密室を加圧するより減圧する
方が、圧力制御がより容易となる。さらに、本発明によ
れば、第1試験片の標点間の伸び量を測定することがで
き、更に、第2試験片を使用して同一環境下で無負荷試
験を同時に行なうことができるので、両者の対比分析を
容易に行なうことができる。同様に、実際の使用環境に
近い環境下で試験することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態を説明する。先ず、図1により本発明の第1
実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態によ
るクリープ試験装置を示す断面図である。図1に示すよ
うに、符号100は、原子炉(図示せず)内に挿入され
るカプセルを示している。このカプセル100の一端側
には、蓋102が取り付けられている。カプセル100
は、通常は、図示するように、蓋102を上方にして吊
り下げた状態で原子炉内に挿入される。カプセル100
の内部には、試験104片が取り付けられ、この試験片
104の一端側は、蓋102に取り付けられた第1固定
治具106により把持され、他端側は移動可能に配置さ
れた第2固定治具108により把持されている。この第
2固定治具108と蓋102とはベローズ110を介し
て接続されており、このため、試験片104の軸方向の
伸縮を許容するように、第2固定治具108が移動でき
るようになっている。また、第2固定治具108、蓋1
02及びベローズ110により、試験片104を収納す
る気密室112が形成される。
【0010】蓋102には、その先端が気密室112に
到達するように加圧管114が挿入されている。この加
圧管114の他端は、高圧源(図示せず)と接続されて
おり、この高圧源から高圧ガスを加圧管114を介して
気密室112内に供給して、気密室112内の圧力を制
御できるようになっている。なお、加圧管114は蓋2
に対して気密にシールされている。さらに、第1固定治
具106には、変位計116が取り付けられ、更に、こ
の変位計116の先端部は、第2固定治具108に常時
接触するように設けられている。この変位計116によ
り、第1固定治具106と第2固定治具108との離間
距離が測定され、試験片104の伸び量が測定できるよ
うになっている。この変位計116には、ケーブル11
8が接続されており、変位計116により測定された値
が外部に送られる。
【0011】また、試験片104には、クリープ試験用
のヒータ120が巻かれている。さらに、気密室112
内には、気密室112内の圧力を測定する圧力計(図示
せず)が設けられ、ケーブル(118)により、外部に
測定値を送るようになっている。このように構成された
第1実施形態の動作を説明する。先ず、試験片104の
両端が、第1固定治具106及び第2固定治具108に
より把持され、その後、ベローズ110、蓋102、加
圧管114等が、カプセル100に装着される。このよ
うにして組立てられた本実施形態によるクリープ試験装
置が原子炉内に挿入される。このとき、高圧源から高圧
ガスが加圧管114を介して気密室112内に供給さ
れ、気密室112が加圧されて所定の圧力となるように
制御される。これにより、ベローズ110が変形して試
験片104の軸方向に延び、第2固定治具108が図1
中下方に移動し、この結果、試験片104にクリープ試
験に必要な所定の引張り力が作用する。このように本実
施形態では、気密室112内を圧力を調整することによ
り、所定の引張り力が作用するように制御可能である。
同時に、ヒータ120に電流が供給され、試験片104
は、クリープ試験に必要な所定の温度まで加熱される。
この時、試験片104の伸び量は、変位計116により
測定され、この測定結果は、ケーブル118を介して外
部に送られる。このようにしてカプセル100を原子炉
内に挿入して、実際の使用環境に近い環境下でクリープ
試験を行なう。
【0012】次に、図2により本発明の第2実施形態を
説明する。図2は本発明の第2実施形態によるクリープ
試験装置を示す断面図である。図2に示すように、第1
実施形態と同様に、カプセル200、蓋202、試験片
204、第1固定治具206、第2固定治具208、変
位計216、ケーブル218、ヒータ220、及び圧力
計(図示せず)等が設けられている。第1固定治具20
6の試験片204の軸方向に関して第2固定治具208
の反対側には、カプセル200の内部領域に延びるよう
に支持板222が固定配置されており、この支持板22
2の一端側は、蓋202に取り付けられている。この支
持板222と第2固定治具208とはベローズ210を
介して接続されており、このため、試験片204の軸方
向の伸縮を許容するように、第2固定治具208が移動
できるようになっている。また、第2固定治具208、
支持板222及びベローズ210により、試験片204
を収納する気密室212が形成される。
【0013】蓋202及び第2固定治具208には、そ
の先端が気密室212に到達するように減圧管214が
挿入されている。この減圧管214の他端側には真空源
(図示せず)が接続され、気密室212内を減圧し、気
密室212内の圧力を制御できるようになっている。な
お、減圧管214は第2固定治具208に対して移動可
能で且つ気密にシールされている。このように構成され
た第2実施形態の動作を説明する。この第2実施形態の
基本動作は、第1実施形態と同様である。この第2実施
形態においては、気密室212が減圧されて所定の圧力
となるように制御される。これにより、ベローズ210
が変形して試験片204の軸方向に縮み、第2固定治具
208が図2中下方に移動し、この結果、試験片204
にクリープ試験に必要な所定の引張り力が作用する。こ
のように本実施形態では、気密室112内を圧力を調整
することにより、所定の引張り力が作用するように制御
可能である。
【0014】カプセル200内はもともと高圧であり、
このような高圧環境下では、この第2実施形態のよう
に、気密室212を減圧する方が、制御等が容易とな
る。次に、図3により本発明の第3実施形態を説明す
る。図3は本発明の第3実施形態によるクリープ試験装
置を示す断面図である。この第3実施形態の変形例にお
いては、第2実施形態と同様に、カプセル300、蓋3
02、試験片304、変位計316、ケーブル318、
ヒータ320、及び圧力計(図示せず)等が設けられて
いる。試験片304は、第1固定治具306と第2固定
治具308により把持されている。第1固定治具306
は、カプセル300の内部領域に延びるように固定配置
された支持板322に取り付けられ、第2固定治具30
8は、蓋302にベローズ310を介して接続されてお
り、このため、試験片304の軸方向の伸縮を許容する
ように、移動可能となっている。また、第2固定治具3
08、蓋302及びベローズ310により、試験片30
4を収納する気密室312が形成される。
【0015】蓋302には、その先端が気密室312に
到達するように減圧管314が挿入されている。この減
圧管314の他端側には真空源(図示せず)が接続さ
れ、気密室312内を減圧し、気密室312内の圧力を
制御できるようになっている。なお、減圧管314は蓋
302に対して気密にシールされている。このように構
成された第3実施形態においては、第2実施例と同様
に、気密室312が減圧されて所定の圧力となるように
制御される。これにより、ベローズ310が変形して試
験片304の軸方向に縮み、第2固定治具308が図3
中上方に移動し、この結果、試験片304にクリープ試
験に必要な所定の引張り力が作用する。このように本実
施形態でも、気密室312内を圧力を調整することによ
り、所定の引張り力が作用するように制御可能である。
減圧することによる効果は第2実施形態と同様である。
【0016】この第3実施形態では、減圧管314が挿
入されるのは、蓋302のみであり、第2固定治具30
8には挿入されない。このため、気密室312の気密性
確保が第2実施形態のものより容易となる。上述した第
1乃至第3実施形態は、試験片全体の伸び量を計測する
クリープ試験装置である。しかしながら、クリープ試験
装置により、試験片の標点間の伸び量を測定したり、同
一環境下でクリープ試験と比較のための無負荷試験も同
時に行なう必要がある場合がある。このため、第4実施
形態及び第5実施形態のクリープ試験装置は、試験片の
標点間の伸び量を測定したり、同一環境下でクリープ試
験と比較のための無負荷試験を同時に行なえるようにし
たものである。以下、図4により本発明の第4実施形態
を説明する。図4は本発明の第4実施形態によるクリー
プ試験装置を示す断面図である。図4に示すように、カ
プセル400の一端側には、蓋402が取り付けられて
いる。カプセル400内部には、クリープ試験用の第1
試験片404が取り付けられ、この第1試験片404の
一端側は、カプセル400の内部領域に延びるように固
定配置された第1固定治具406により把持され、第1
試験片404の他端側は、移動化可能に配置された第2
固定治具408により把持されている。第2固定治具4
08の第1試験片の軸方向に関して第1固定治具406
の反対側には、支持板422が第1固定治具406に取
り付けられている。この支持板422と第2固定治具4
08はベローズ410を介して接続されており、このた
め、第1試験片404の軸方向の伸縮を許容するよう
に、第2固定治具408が移動できるようになってい
る。また、第2固定治具408、支持板422及びベロ
ーズ410により、気密室412が形成される。
【0017】蓋402及び支持板422には、その先端
が気密室412に到達するように減圧管414が挿入さ
れている。この減圧管414の他端側には真空源(図示
せず)が接続され、気密室412内を減圧し、気密室4
12内の圧力を制御できるようになっている。さらに、
第1試験片404の標点の部分にはそれぞれつば部40
4a,404bが取り付けられ、さらに、これらのつば
部404a,404bには、それぞれ計測治具424,
426が取り付けられている。また、第1固定治具40
6の第1試験片404の反対側には、第1試験片404
の軸線方向には、ガイド部材428が取り付けられてい
る。このガイド部材428により、計測治具424,4
26がガイドされて軸線方向に移動可能となっている。
これらの計測治具424,426には、変位計416,
416が取り付けられており、これらの変位計416,
416により、計測治具424,426間の変位量、即
ち、第1試験片404の標点間の伸び量が計測される。
【0018】一方、カプセル400の内部には、蓋40
2に貫通すると共にその一端側が支持板422に取り付
けられた筒部材430が設けられ、さらに、この筒部材
430内で、無負荷試験用の第2試験片432が、その
上端側には自由空間が存在し下端側は固定配置され、変
位可能な状態で収納されている。さらに、第1試験片4
04には、クリープ試験用の第1ヒータ420が巻か
れ、第2試験片432には無負荷試験用の第2ヒータ4
34が巻かれている。また、気密室412内には、気密
室412内の圧力を測定する圧力計(図示せず)が設け
られている。さらに、図示しないが、カプセル400内
には、蓋402を貫通して、変位計416,416用の
ケーブル、第1及び第2ヒータ420,434用のケー
ブル、圧力計用のケーブル等も配置されており、蓋40
2において、これらのケーブルを気密にシールされてい
る。
【0019】このように構成された第4実施形態の動作
を説明する。先ず、第1試験片404の両端が、第1固
定治具406及び第2固定治具408により把持され、
その後、各部材が、カプセル400に装着され、その
後、本実施形態によるクリープ試験装置が原子炉内に挿
入される。このとき、気密室412が減圧されて所定の
圧力となるように制御される。これにより、ベローズ4
10が変形して第1試験片404の軸方向に縮み、第2
固定治具408が図4中上方に移動し、この結果、第1
試験片404にはクリープ試験に必要な所定の引張り力
が作用する。このように本実施形態では、気密室412
内の圧力を調整することにより、所定の引張り力が作用
するように制御可能である。さらに、カプセル400内
はもともと高圧であり、このような高圧環境下では、こ
の第4実施形態のように、気密室412を減圧する方
が、制御等が容易となる。
【0020】また、同時に、第1及び第2のヒータ42
0,434に電流が供給され、第1及び第2の試験片4
04,432は、必要な所定の温度まで共に加熱され
る。本実施形態においては、第1試験片404の標点間
の伸び量が、変位計416,416により測定される。
本実施形態では、2つの変位計416,416により多
点変位計測が行なわれるため、第1試験片404の変形
状況も詳細に把握することが出来る。第1試験片404
によるクリープ試験終了後に、第1試験片404と無負
荷試験用の第2試験片432とを比較して、両者の対比
分析を行なう。このように、本実施形態によれば、同じ
環境下でクリープ試験と比較用の無負荷試験を同時に行
なうことができる。
【0021】次に、図5により本発明の第5実施形態を
説明する。第5図は、本発明の第5実施形態によるクリ
ープ試験装置を示す断面図である。第5実施形態におい
て、第4実施形態と同一部分には同一符号を付し、それ
らの説明は省略する。第5実施形態において、第1試験
片404の標点の部分にはそれぞれつば部404a,4
04bが取り付けられ、さらに、これらのつば部404
a,404bには、それぞれ計測治具424,426が
取り付けられている。一方の計測治具426の第1試験
片404の反対側には、第1試験片404の中心軸とそ
の中心軸が一致するように変位計516が設けられ、さ
らに、この変位計516の先端部が他方の計測治具42
4に常時接触するように設けられている。このとき、変
位計516は、計測治具424,426をガイドするよ
うに設けられているため、第4実施形態のガイド部材4
28は設ける必要がない。
【0022】この第5実施形態においては、2つの変位
計を設けた第4実施形態と比べて、1つの変位計を設け
るだけで良いため、カプセル400の径を小さくでき、
装置のコンパクト化が可能となる。また、変位計516
の中心軸を第1試験片404の中心軸と一致させるよう
に設けたため、第1試験片404の伸び量の測定値が受
ける第1試験片404の曲げ変形等の影響が小さくな
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクリープ
試験装置によれば、実際の使用環境に近い環境下でクリ
ープ試験を適切に行なうことが可能となる。また、本発
明によれば、試験片の標点間の伸び量を測定することが
出来る。さらに、本発明によれば、無負荷の試験片の試
験も同時に行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるクリープ試験装置の第1実施形
態を示す断面図
【図2】 本発明によるクリープ試験装置の第2実施形
態を示す断面図
【図3】 本発明によるクリープ試験装置の第3実施形
態を示す断面図
【図4】 本発明によるクリープ試験装置の第4実施形
態を示す断面図
【図5】 本発明によるクリープ試験装置の第5実施形
態を示す断面図
【符号の説明】
100,200,300,400 カプセル 102,202,302,402 蓋 104,204,304,404 試験片(第1試験
片) 106,206,306,406 第1固定治具 108,208,308,408 第2固定治具 110,210,310,410 ベローズ 112,212,312,412 気密室 114 加圧管 214,314,414 減圧管 116,216,316,416,516 変位計 118,218,318 ケーブル 120,220,320,420,434 ヒータ 222,322,422 支持板 424,426 計測治具 430 筒部材 432 第2試験片
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 クリープ試験装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリープ試験装置
に係わり、特に、実際の使用環境に近い環境下で試験す
ることが可能なクリープ試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】材料が、ある温度及び雰囲気の環境下で
示す時間に依存する強さのうち、試験片に所定の応力ま
たは荷重を与えて時間の経過とともに変化するひずみ
量、即ちクリープひずみを求めるのがクリープ試験であ
る。従来から、このようなクリープ試験を行うため、種
々のクリープ試験装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、例えば、原子炉
圧力容器材料を高温環境下でクリープ試験する場合に
は、圧力容器材料から作られた試験片を原子炉内に挿入
して、クリープ試験を行なわなければならない。しかし
ながら、このような場合、従来のクリープ試験装置は、
その構造上そのまま原子炉内に挿入して使用することが
できず、原子炉圧力容器材料等のクリープ試験を適切に
行なうことが出来なかった。そこで、本発明は、上記の
従来技術の問題点を解決するためになされたものであ
り、実際の使用環境に近い環境下で試験することが可能
なクリープ試験装置を提供することを目的としている。
【0004】また、本発明は、試験片の標点間の伸び量
を測定することが出来るクリープ試験装置を提供するこ
とを目的としている。更に、本発明は、無負荷の試験片
の試験も同時に行なうことが出来るクリープ試験装置を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のクリープ試験装置は、試験片の一端側を
把持するように固定配置された第1把持手段と、試験片
の他端側を把持するように移動可能に配置された第2把
持手段と、試験片の軸方向の伸縮を許容するように第1
把持手段と第2把持手段とを連結すると共に第1把持手
段と第2把持手段と共に試験片を収納する気密室を形成
する連結手段と、気密室に連通して設けられ気密室を加
圧して試験片に引張り力を作用させる加圧手段と、第1
把持手段と第2把持手段との離間距離を測定して試験片
の伸び量を測定する測定手段と、第1把持手段、第2把
持手段、連結手段、加圧手段及び測定手段をその内部に
収納するカプセルと、を備えたことを特徴としている。
【0006】このように構成された本発明においては、
試験片が第1把持手段と第2把持手段とにより把持さ
れ、加圧手段により、気密室内が加圧にされ、それによ
り、第2把持手段が移動し、試験片に引張り力が作用す
る。この引張り力により試験片が伸び、この伸び量が測
定手段により測定される。本発明によれば、加圧手段に
より、試験片に作用する引張り力が所定の値となるよう
に、容易に制御可能である。更に、本発明によれば、カ
プセルの内部に第1把持手段、第2把持手段、連結手
段、加圧手段及び測定手段を収納するようにしているた
め、実際の使用環境に近い環境下で試験することができ
る。また、本発明のクリープ試験装置は、試験片の一端
側を把持するように固定配置された第1把持手段と、試
験片の他端側を把持するように移動可能に配置された第
2把持手段と、この第2把持手段の試験片の軸方向に関
して第1把持手段の反対側に固定配置された支持手段
と、試験片の軸方向の伸縮を許容するように第2把持手
段と支持手段とを連結すると共に第2把持手段と支持手
段と共に気密室を形成する連結手段と、気密室に連通し
て設けられ気密室を減圧して試験片に引張り力を作用さ
せる減圧手段と、第1把持手段と第2把持手段との離間
距離を測定して試験片の伸び量を測定する測定手段と、
第1把持手段、第2把持手段、支持手段、連結手段、減
圧手段及び測定手段をその内部に収納するカプセルと、
を備えたことを特徴としている。
【0007】このように構成された本発明においては、
試験片が第1把持手段と第2把持手段とにより把持さ
れ、減圧手段により、気密室内が減圧され、それによ
り、第2把持手段が移動し、試験片に引張り力が作用す
る。この引張り力により試験片が伸び、この伸び量が測
定手段により測定される。本発明によれば、減圧手段に
より、試験片に作用する引張り力が所定の値となるよう
に、容易に制御可能である。更に、本発明によれば、装
置を高圧下の環境で使用するような場合には、気密室を
加圧するより減圧する方が、圧力制御がより容易とな
る。同様に、実際の使用環境に近い環境下で試験するこ
とができる。さらに、本発明のクリープ試験装置は、第
1試験片の一端側を把持するように固定配置された第1
把持手段と、第1試験片の他端側を把持するように移動
可能に配置された第2把持手段と、この第2把持手段の
第1試験片の軸方向に関して上記第1把持手段の反対側
に固定配置された支持手段と、第1試験片の軸方向の伸
縮を許容するように上記第2把持手段と支持手段とを連
結すると共に上記第2把持手段と支持手段と共に気密室
を形成する連結手段と、気密室に連通して設けられ気密
室を減圧して第1試験片に引張り力を作用させる減圧手
段と、第1試験片の標点間距離を測定して第1試験片の
標点間の伸び量を測定する測定手段と、第2試験片を変
位可能に収納する第2試験片収納手段と、第1把持手
段、第2把持手段、支持手段、連結手段、減圧手段、測
定手段及び第2試験片収納手段をその内部に収納するカ
プセルと、を備えたことを特徴としている。
【0008】このように構成された本発明においては、
クリープ試験用の第1試験片が第1把持手段と第2把持
手段とにより把持され、減圧手段により、気密室内が減
圧にされ、それにより、第2把持手段が移動し、第1試
験片に引張り力が作用する。この引張り力により第1試
験片が伸び、この伸び量が測定手段により測定される。
本発明によれば、減圧手段により、第1試験片に作用す
る引張り力が所定の値となるように、容易に制御可能で
ある。また、本発明によれば、装置を高圧下の環境で使
用するような場合には、気密室を加圧するより減圧する
方が、圧力制御がより容易となる。さらに、本発明によ
れば、第1試験片の標点間の伸び量を測定することがで
き、更に、第2試験片を使用して同一環境下で無負荷試
験を同時に行なうことができるので、両者の対比分析を
容易に行なうことができる。同様に、実際の使用環境に
近い環境下で試験することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態を説明する。先ず、図1により本発明の第1
実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施形態によ
るクリープ試験装置を示す断面図である。図1に示すよ
うに、符号100は、原子炉(図示せず)内に挿入され
るカプセルを示している。このカプセル100の一端側
には、蓋102が取り付けられている。カプセル100
は、通常は、図示するように、蓋102を上方にして吊
り下げた状態で原子炉内に挿入される。カプセル100
の内部には、試験片104が取り付けられ、この試験片
104の一端側は、蓋102に取り付けられた第1固定
治具106により把持され、他端側は移動可能に配置さ
れた第2固定治具108により把持されている。この第
2固定治具108と蓋102とはベローズ110を介し
て接続されており、このため、試験片104の軸方向の
伸縮を許容するように、第2固定治具108が移動でき
るようになっている。また、第2固定治具108、蓋1
02及びベローズ110により、試験片104を収納す
る気密室112が形成される。
【0010】蓋102には、その先端が気密室112に
到達するように加圧管114が挿入されている。この加
圧管114の他端は、高圧源(図示せず)と接続されて
おり、この高圧源から高圧ガスを加圧管114を介して
気密室112内に供給して、気密室112内の圧力を制
御できるようになっている。なお、加圧管114は蓋1
02に対して気密にシールされている。さらに、第1固
定治具106には、変位計116が取り付けられ、更
に、この変位計116の先端部は、第2固定治具108
に常時接触するように設けられている。この変位計11
6により、第1固定治具106と第2固定治具108と
の離間距離が測定され、試験片104の伸び量が測定で
きるようになっている。この変位計116には、ケーブ
ル118が接続されており、変位計116により測定さ
れた値が外部に送られる。
【0011】また、試験片104には、クリープ試験用
のヒータ120が巻かれている。さらに、気密室112
内には、気密室112内の圧力を測定する圧力計(図示
せず)が設けられ、ケーブル(118)により、外部に
測定値を送るようになっている。このように構成された
第1実施形態の動作を説明する。先ず、試験片104の
両端が、第1固定治具106及び第2固定治具108に
より把持され、その後、ベローズ110、蓋102、加
圧管114等が、カプセル100に装着される。このよ
うにして組立てられた本実施形態によるクリープ試験装
置が原子炉内に挿入される。このとき、高圧源から高圧
ガスが加圧管114を介して気密室112内に供給さ
れ、気密室112が加圧されて所定の圧力となるように
制御される。これにより、ベローズ110が変形して試
験片104の軸方向に延び、第2固定治具108が図1
中下方に移動し、この結果、試験片104にクリープ試
験に必要な所定の引張り力が作用する。このように本実
施形態では、気密室112内を圧力を調整することによ
り、所定の引張り力が作用するように制御可能である。
同時に、ヒータ120に電流が供給され、試験片104
は、クリープ試験に必要な所定の温度まで加熱される。
この時、試験片104の伸び量は、変位計116により
測定され、この測定結果は、ケーブル118を介して外
部に送られる。このようにしてカプセル100を原子炉
内に挿入して、実際の使用環境に近い環境下でクリープ
試験を行なう。
【0012】次に、図2により本発明の第2実施形態を
説明する。図2は本発明の第2実施形態によるクリープ
試験装置を示す断面図である。図2に示すように、第1
実施形態と同様に、カプセル200、蓋202、試験片
204、第1固定治具206、第2固定治具208、変
位計216、ケーブル218、ヒータ220、及び圧力
計(図示せず)等が設けられている。第1固定治具20
6の試験片204の軸方向に関して第2固定治具208
の反対側には、カプセル200の内部領域に延びるよう
に支持板222が固定配置されており、この支持板22
2の一端側は、蓋202に取り付けられている。この支
持板222と第2固定治具208とはベローズ210を
介して接続されており、このため、試験片204の軸方
向の伸縮を許容するように、第2固定治具208が移動
できるようになっている。また、第2固定治具208、
支持板222及びベローズ210により、試験片204
を収納する気密室212が形成される。
【0013】蓋202及び第2固定治具208には、そ
の先端が気密室212に到達するように減圧管214が
挿入されている。この減圧管214の他端側には真空源
(図示せず)が接続され、気密室212内を減圧し、気
密室212内の圧力を制御できるようになっている。な
お、減圧管214は第2固定治具208に対して移動可
能で且つ気密にシールされている。このように構成され
た第2実施形態の動作を説明する。この第2実施形態の
基本動作は、第1実施形態と同様である。この第2実施
形態においては、気密室212が減圧されて所定の圧力
となるように制御される。これにより、ベローズ210
が変形して試験片204の軸方向に縮み、第2固定治具
208が図2中下方に移動し、この結果、試験片204
にクリープ試験に必要な所定の引張り力が作用する。こ
のように本実施形態では、気密室212内を圧力を調整
することにより、所定の引張り力が作用するように制御
可能である。
【0014】カプセル200内はもともと高圧であり、
このような高圧環境下では、この第2実施形態のよう
に、気密室212を減圧する方が、制御等が容易とな
る。次に、図3により本発明の第3実施形態を説明す
る。図3は本発明の第3実施形態によるクリープ試験装
置を示す断面図である。この第3実施形態の変形例にお
いては、第2実施形態と同様に、カプセル300、蓋3
02、試験片304、変位計316、ケーブル318、
ヒータ320、及び圧力計(図示せず)等が設けられて
いる。試験片304は、第1固定治具306と第2固定
治具308により把持されている。第1固定治具306
は、カプセル300の内部領域に延びるように固定配置
された支持板322に取り付けられ、第2固定治具30
8は、蓋302にベローズ310を介して接続されてお
り、このため、試験片304の軸方向の伸縮を許容する
ように、移動可能となっている。また、第2固定治具3
08、蓋302及びベローズ310により、気密室31
2が形成される。
【0015】蓋302には、その先端が気密室312に
到達するように減圧管314が挿入されている。この減
圧管314の他端側には真空源(図示せず)が接続さ
れ、気密室312内を減圧し、気密室312内の圧力を
制御できるようになっている。なお、減圧管314は蓋
302に対して気密にシールされている。このように構
成された第3実施形態においては、第2実施例と同様
に、気密室312が減圧されて所定の圧力となるように
制御される。これにより、ベローズ310が変形して試
験片304の軸方向に縮み、第2固定治具308が図3
中上方に移動し、この結果、試験片304にクリープ試
験に必要な所定の引張り力が作用する。このように本実
施形態でも、気密室312内を圧力を調整することによ
り、所定の引張り力が作用するように制御可能である。
減圧することによる効果は第2実施形態と同様である。
【0016】この第3実施形態では、減圧管314が挿
入されるのは、蓋302のみであり、第2固定治具30
8には挿入されない。このため、気密室312の気密性
確保が第2実施形態のものより容易となる。上述した第
1乃至第3実施形態は、試験片全体の伸び量を計測する
クリープ試験装置である。しかしながら、クリープ試験
装置により、試験片の標点間の伸び量を測定したり、同
一環境下でクリープ試験と比較のための無負荷試験も同
時に行なう必要がある場合がある。このため、第4実施
形態及び第5実施形態のクリープ試験装置は、試験片の
標点間の伸び量を測定したり、同一環境下でクリープ試
験と比較のための無負荷試験を同時に行なえるようにし
たものである。以下、図4により本発明の第4実施形態
を説明する。図4は本発明の第4実施形態によるクリー
プ試験装置を示す断面図である。図4に示すように、カ
プセル400の一端側には、蓋402が取り付けられて
いる。カプセル400内部には、クリープ試験用の第1
試験片404が取り付けられ、この第1試験片404の
一端側は、カプセル400の内部領域に延びるように固
定配置された第1固定治具406により把持され、第1
試験片404の他端側は、移動化可能に配置された第2
固定治具408により把持されている。第2固定治具4
08の第1試験片の軸方向に関して第1固定治具406
の反対側には、支持板422が第1固定治具406に取
り付けられている。この支持板422と第2固定治具4
08はベローズ410を介して接続されており、このた
め、第1試験片404の軸方向の伸縮を許容するよう
に、第2固定治具408が移動できるようになってい
る。また、第2固定治具408、支持板422及びベロ
ーズ410により、気密室412が形成される。
【0017】蓋402及び支持板422には、その先端
が気密室412に到達するように減圧管414が挿入さ
れている。この減圧管414の他端側には真空源(図示
せず)が接続され、気密室412内を減圧し、気密室4
12内の圧力を制御できるようになっている。さらに、
第1試験片404の標点の部分にはそれぞれつば部40
4a,404bが取り付けられ、さらに、これらのつば
部404a,404bには、それぞれ計測治具424,
426が取り付けられている。また、第1固定治具40
6の第1試験片404の反対側には、第1試験片404
の軸線方向には、ガイド部材428が取り付けられてい
る。このガイド部材428により、計測治具424,4
26がガイドされて軸線方向に移動可能となっている。
これらの計測治具424,426には、変位計416,
416が取り付けられており、これらの変位計416,
416により、つば部404a,404b間の変位量、
即ち、第1試験片404の標点間の伸び量が計測され
る。
【0018】一方、カプセル400の内部には、蓋40
2に貫通すると共にその一端側が支持板422に取り付
けられた筒部材430が設けられ、さらに、この筒部材
430内で、無負荷試験用の第2試験片432が、その
上端側には自由空間が存在し下端側は固定配置され、変
位可能な状態で収納されている。さらに、第1試験片4
04には、クリープ試験用の第1ヒータ420が巻か
れ、第2試験片432には無負荷試験用の第2ヒータ4
34が巻かれている。また、気密室412内には、気密
室412内の圧力を測定する圧力計(図示せず)が設け
られている。さらに、図示しないが、カプセル400内
には、蓋402を貫通して、変位計416,416用の
ケーブル、第1及び第2ヒータ420,434用のケー
ブル、圧力計用のケーブル等も配置されており、蓋40
2において、これらのケーブルを気密にシールされてい
る。
【0019】このように構成された第4実施形態の動作
を説明する。先ず、第1試験片404の両端が、第1固
定治具406及び第2固定治具408により把持され、
その後、各部材が、カプセル400に装着され、その
後、本実施形態によるクリープ試験装置が原子炉内に挿
入される。このとき、気密室412が減圧されて所定の
圧力となるように制御される。これにより、ベローズ4
10が変形して第1試験片404の軸方向に縮み、第2
固定治具408が図4中上方に移動し、この結果、第1
試験片404にはクリープ試験に必要な所定の引張り力
が作用する。このように本実施形態では、気密室412
内の圧力を調整することにより、所定の引張り力が作用
するように制御可能である。さらに、カプセル400内
はもともと高圧であり、このような高圧環境下では、こ
の第4実施形態のように、気密室412を減圧する方
が、制御等が容易となる。
【0020】また、同時に、第1及び第2のヒータ42
0,434に電流が供給され、第1及び第2の試験片4
04,432は、必要な所定の温度まで共に加熱され
る。本実施形態においては、第1試験片404の標点間
の伸び量が、変位計416,416により測定される。
本実施形態では、2つの変位計416,416により多
点変位計測が行なわれるため、第1試験片404の変形
状況も詳細に把握することが出来る。第1試験片404
によるクリープ試験終了後に、第1試験片404と無負
荷試験用の第2試験片432とを比較して、両者の対比
分析を行なう。このように、本実施形態によれば、同じ
環境下でクリープ試験と比較用の無負荷試験を同時に行
なうことができる。
【0021】次に、図5により本発明の第5実施形態を
説明する。第5図は、本発明の第5実施形態によるクリ
ープ試験装置を示す断面図である。第5実施形態におい
て、第4実施形態と同一部分には同一符号を付し、それ
らの説明は省略する。第5実施形態において、第1試験
片404の標点の部分にはそれぞれつば部404a,4
04bが取り付けられ、さらに、これらのつば部404
a,404bには、それぞれ計測治具424,426が
取り付けられている。一方の計測治具426の第1試験
片404の反対側には、第1試験片404の中心軸とそ
の中心軸が一致するように変位計516が設けられてお
り、つば部404a,404b間の変位を計測する。ま
た、第4実施形態のガイド部材428は設ける必要がな
い。
【0022】この第5実施形態においては、2つの変位
計を設けた第4実施形態と比べて、1つの変位計を設け
るだけで良いため、カプセル400の径を小さくでき、
装置のコンパクト化が可能となる。また、変位計516
の中心軸を第1試験片404の中心軸と一致させるよう
に設けたため、第1試験片404の伸び量の測定値が受
ける第1試験片404の曲げ変形等の影響が小さくな
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクリープ
試験装置によれば、実際の使用環境に近い環境下でクリ
ープ試験を適切に行なうことが可能となる。また、本発
明によれば、試験片の標点間の伸び量を測定することが
出来る。さらに、本発明によれば、無負荷の試験片の試
験も同時に行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるクリープ試験装置の第1実施形
態を示す断面図
【図2】 本発明によるクリープ試験装置の第2実施形
態を示す断面図
【図3】 本発明によるクリープ試験装置の第3実施形
態を示す断面図
【図4】 本発明によるクリープ試験装置の第4実施形
態を示す断面図
【図5】 本発明によるクリープ試験装置の第5実施形
態を示す断面図
【符号の説明】 100,200,300,400 カプセル 102,202,302,402 蓋 104,204,304,404 試験片(第1試験
片) 106,206,306,406 第1固定治具 108,208,308,408 第2固定治具 110,210,310,410 ベローズ 112,212,312,412 気密室 114 加圧管 214,314,414 減圧管 116,216,316,416,516 変位計 118,218,318 ケーブル 120,220,320,420,434 ヒータ 222,322,422 支持板 424,426 計測治具 430 筒部材 432 第2試験片
フロントページの続き (72)発明者 時吉 巧 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 中馬 康晴 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 丸尾 博子 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 桑原 正文 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 谷平 正典 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験片の一端側を把持するように固定配
    置された第1把持手段と、 試験片の他端側を把持するように移動可能に配置された
    第2把持手段と、 試験片の軸方向の伸縮を許容するように上記第1把持手
    段と第2把持手段とを連結すると共に上記第1把持手段
    と第2把持手段と共に試験片を収納する気密室を形成す
    る連結手段と、 上記気密室に連通して設けられ気密室を加圧して試験片
    に引張り力を作用させる加圧手段と、 上記第1把持手段と第2把持手段との離間距離を測定し
    て試験片の伸び量を測定する測定手段と、 上記第1把持手段、第2把持手段、連結手段、加圧手段
    及び測定手段をその内部に収納するカプセルと、 を備えたことを特徴とするクリープ試験装置。
  2. 【請求項2】 試験片の一端側を把持するように固定配
    置された第1把持手段と、 試験片の他端側を把持するように移動可能に配置された
    第2把持手段と、 この第2把持手段の試験片の軸方向に関して上記第1把
    持手段の反対側に固定配置された支持手段と、 試験片の軸方向の伸縮を許容するように上記第2把持手
    段と支持手段とを連結すると共に上記第2把持手段と支
    持手段と共に気密室を形成する連結手段と、 上記気密室に連通して設けられ気密室を減圧して試験片
    に引張り力を作用させる減圧手段と、 上記第1把持手段と第2把持手段との離間距離を測定し
    て試験片の伸び量を測定する測定手段と、 上記第1把持手段、第2把持手段、支持手段、連結手
    段、減圧手段及び測定手段をその内部に収納するカプセ
    ルと、 を備えたことを特徴とするクリープ試験装置。
  3. 【請求項3】 第1試験片の一端側を把持するように固
    定配置された第1把持手段と、 第1試験片の他端側を把持するように移動可能に配置さ
    れた第2把持手段と、 この第2把持手段の第1試験片の軸方向に関して上記第
    1把持手段の反対側に固定配置された支持手段と、 第1試験片の軸方向の伸縮を許容するように上記第2把
    持手段と支持手段とを連結すると共に上記第2把持手段
    と支持手段と共に気密室を形成する連結手段と、 上記気密室に連通して設けられ気密室を減圧して第1試
    験片に引張り力を作用させる減圧手段と、 上記第1試験片の標点間距離を測定して第1試験片の標
    点間の伸び量を測定する測定手段と、 第2試験片を変位可能に収納する第2試験片収納手段
    と、 上記第1把持手段、第2把持手段、支持手段、連結手
    段、減圧手段、測定手段及び第2試験片収納手段をその
    内部に収納するカプセルと、 を備えたことを特徴とするクリープ試験装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007240214A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 National Institute For Materials Science 耐圧室付き試験機とこれを使用した試験方法
JP2011043470A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Tohoku Univ 引張試験治具
CZ302741B6 (cs) * 2009-09-24 2011-10-12 Vysoká škola bánská-Technická univerzita Ostrava Zarízení pro víceosé kombinované zatežování zkušebních vzorku
JP2012037535A (ja) * 2011-11-18 2012-02-23 Chugoku Electric Power Co Inc:The 固定具

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