JPH11257920A - 非接触式光学測定装置及びその使用方法 - Google Patents

非接触式光学測定装置及びその使用方法

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JPH11257920A
JPH11257920A JP11012844A JP1284499A JPH11257920A JP H11257920 A JPH11257920 A JP H11257920A JP 11012844 A JP11012844 A JP 11012844A JP 1284499 A JP1284499 A JP 1284499A JP H11257920 A JPH11257920 A JP H11257920A
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laser
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Andrew Charles Dr Lewin
アンドリュー・チャールズ・ルイン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度の向上、雑音の低下、調整の手間と
コストの大幅な節減によって卓越した非接触式光学測定
装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも1本の測定光と少なくとも1
本の参照光とによるレーザー干渉計を利用した対象14
の変位測定または振動測定用の、周波数変位発生器10
を装備し、レーザー1から発する光が光ガイド7を通過
し、測定光と参照光とへの分割が光ガイド7の出力端8
で行われ、前記測定光または参照光が周波数変位発生器
10を少なくとも2回通過し、前記ビームの周波数変位
が増倍させられることを特徴とする形からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1本の
測定光と少なくとも1本の参照光とによるレーザー干渉
計を利用した特に対象の変位測定および/または振動測
定用の、周波数変位発生器を装備した非接触式光学測定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー干渉計は分解能の高い変位測定
用または振動測定用の理想的な測定装置である。この場
合、測定は純光学的に、したがって非接触で行われる。
その際、好ましくはレーザーによって発生させられるコ
ヒーレント光は測定光と参照光とに分けられる。測定光
は単独でいわゆる測定アームを経て測定対象に誘導さ
れ、同対象によって反射され、その後に参照光と重ね合
わされる。これによって干渉縞が生ずるが、これは測定
アームの長さによって極度に敏感に左右される。
【0003】振動の正確な検出用に一般にいわゆるヘテ
ロダイン干渉計が普及している。同干渉計において測定
光と参照光とは互いに周波数が変位させられている。こ
の変位は音響光学変調器、特にブラッグセルによるかま
たは測定光と参照光との間の光路時間差と関連させた半
導体レーザーの同調によって発生させることができる。
【0004】しかしながら、請求項1記載の上位概念が
基礎としている前記の一般に使用されている二光線干渉
計、たとえばマイケルスン干渉計またはマッハ―ツェー
ンダー干渉計には多数の光学素子が必要であり、その結
果、同干渉計はかなりの手間とコストをかけて、または
それ以上の自由度にて整定、調整されなければならな
い。
【0005】さらに公知のレーザー干渉計の感度には改
善の余地があるが、それは一般に測定アームの一部を形
成し、したがって振動と光ガイド内への分散とに対して
当該装置を敏感にする光ガイドが使用されるからであ
る。こうした雑音光は未処理測定対象の弱反射表面の測
定に際して特に不都合なものとなる。
【0006】こうした理由から、アール・アイ・レイミ
ング(R.I. Laming) 他、“実用型全繊維レーザー振動計
[A Practical All-Fibre Laser Vibrometer]”、Experi
mental Techniques, 1990年3月/4月は、光が光ガイドの
末端で初めて測定光と参照光とに分けられる干渉計を提
案している。この種の装置はブラッグセルと同調式半導
体レーザーの使用とを放棄することによって可能とな
る。
【0007】ただし前記構造の短所は、半導体レーザー
での注入電流の変調による周波数変位が相対的にわずか
な周波数についてしか可能でなく、測定可能な振動周波
数と高速との範囲がそれによって大幅に制限されるとい
う点にある。さらに弱反射表面は注入電流変調によって
レーザー光の輝度変動が惹起される場合に振幅変調の支
障によって測定範囲からしばしば脱落することがある。
最後に半導体レーザーの使用はガスレーザーに比較して
一般に、半導体レーザーから放出される光のコヒーレン
ス長が短く、それによって測定光と参照光との間の光路
差と共に線形的に増大する位相雑音が干渉計内に惹起さ
れる点で、若干の短所を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記レーザー干渉計の短所を除去し、特に、感度の
向上、雑音の低下、調整の手間とコストの大幅な節減に
よって卓越した非接触式光学測定装置を提供することで
ある。さらに半導体レーザーによる干渉計の作動を可能
とするだけでなく、干渉計を医療分野での利用に適する
ようにすることも最終的に意図されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項
1から14に記載した点にある。
【0010】特に、測定光または参照光が周波数変位発
生器を少なくとも2回通過し、ビームの周波数変位が倍
加されることによって解決される。
【0011】この場合、“通過”によって意味されてい
るのは周波数変位発生器とのあらゆる種類の相互作用で
あり、したがって、たとえば反射もそうである。
【0012】周波数変位発生器の2回の通過により光学
的コストは大幅に低下するが、それはいずれの通過に際
しても同一の光路が利用され、これにより、従来必要と
されていた反射鏡系/レンズ系の大部分が不要となるか
らである。さらに、2回の通過によって、レーザー光の
周波数変位が倍加されるという付加的な長所が得られ
る。したがって、総じて数値的にかなり大きな周波数変
位が達成され、これによって測定可能な速度が高まり、
更に高い振動周波数方向に測定範囲が拡大されることと
なる。
【0013】周波数変位されたビームが測定光であるの
が好適であるが、それは測定光を測定対象に垂直に当
て、同測定光がそのまま反射されて戻される場合には、
構造を非常に単純化することができるからである。こう
した場合には、ビームは最初に測定対象に向かう往路に
おいて周波数変位発生器を通過し、復路において再び周
波数変位発生器を通過することとなろう。
【0014】周波数変位発生器としては実地において十
分に真価が実証されているブラッグセルを使用するのが
好ましい。
【0015】狭小なスペースで測定対象を測定しなけれ
ばならないことが度々ある。そのため、レーザーを測定
対象から若干離して配置し、レーザーから放出される光
が光ガイドを経て測定ヘッドに誘導されるようにするの
が好適である。かくてビームは測定ヘッドから測定対象
に投射される。
【0016】前記構造において光ガイドと測定対象との
間の範囲、したがって一般に測定ヘッドが周波数変位発
生器を配置する最適な場所であることが判明した。
【0017】本発明の特に好ましい実施形態の本旨は測
定光と参照光とへのビームの分割が少なくとも光ガイド
の通過後に行われる点にある。測定光と参照光とができ
るだけ長く一緒に光ガイドを通過させられることにより
両者は正確に同一の態様の影響を受けることとなり、そ
の結果、障害は相殺され、測定結果が損なわれることは
ない。さらに前記構成により残余の測定アームの長さは
低減されることとなり、このことは特に半導体レーザー
から放出されるビームのコヒーレンス長が短く、したが
って干渉計内に位相雑音の高まりが結果するかぎりにお
いて好適である。この位相雑音は干渉計の測定アームと
参照アームとの間の絶対長の差が大きければ大きいほど
いっそう激しく作用することとなる。
【0018】光ガイドの出力端での測定光と参照光とへ
の分割は測定光が光ガイドから流出する一方で参照光が
光ガイド端によって反射され光ガイド内に戻されること
によって行われるのが好適である。きわめて単純なケー
スではいずれにせよ光ガイド―空気―過渡部で反射され
る部分が参照光として利用される。これにより、総強度
の約4%に達し、その割合が測定信号の割合よりも大き
くなったことによりこれまで擾乱的とされてきたこの部
分を減少させるために従来必要とされていたすべての対
策は不要となる。
【0019】ただし、たとえば出力端の付加的な金属コ
ーティングによって参照光の強度を高めることも考えら
れる。
【0020】出力端での分割という特徴により、さもな
ければ必要となる手間とコストのかかる調整作業が不要
となり、特に単純な組み立てが可能となる。参照光は実
際に自動的に返送されることとなる。 出力端での分割
以外に、その後方での分割または光ガイド内での測定光
と参照光とへの分割も考えられることは言うまでもない
が、ただしそれはあまり好適ではない。これは光ガイド
内ではたとえば光ファイバーの製造時に生み出される屈
折率のジャンプにより光ガイド内の定められた点で行う
ことができるであろう。
【0021】測定光と参照光とへの分割が測定ヘッドで
初めて行われる場合には、測定アームは特に短くなり、
これにより同アームは望ましくない外乱に対して特に不
感となる。
【0022】雑音に対する所望の不感性は測定光と参照
光とが往路だけでなく復路においても一緒に誘導されれ
ばさらに増大する。このため両者は干渉縞の変化が測定
される干渉計の検出器に向かって1本の共通の光ガイド
によって誘導されるのが好ましい。この光ガイドは冒頭
に述べた光ガイドと同一であるのが合理的であり、これ
により第1の光ガイドと結合されなければならないよう
な第2の光ガイドを不要とすることができる。測定光/
参照光はそれぞれ光ガイドの同一の端部で入出力される
が、これは検出器への誘導についても同様である。
【0023】光ガイド内での測定光と参照光に対する外
乱による影響が互いに相殺され同一なものとなるように
するため、前記ビームは光ガイドを同一の偏光で通過す
るのが好ましく、特に両者は同一直線偏光されている。
これは1本もしくは複数の光ガイドを通過する往路につ
いても復路についても同様である。
【0024】装置は測定感度を向上させるため、ビーム
がレーザーに帰還させられることを防止し、信号出力の
一部だけでなく、信号出力の全体が検出器に誘導される
ようにするアイソレーターシステムを含んでいるのが好
ましい。同アイソレーターシステムはファラデー回転子
と偏光弁別素子、特に偏光スプリッターを含んでいる。
【0025】光ガイドの使用と振動に対する同ガイドの
不感性とにより、本発明による装置は特に多重方式に優
れて適している。この場合にはそれぞれ1つの測定ヘッ
ドを有した複数の光ガイドが使用されるが、これらの光
ガイドはすべて通例よりも長くすることができ、1つも
しくは複数の測定対象のきわめて異なった個所用に布設
することが可能である。こうした場合にもレーザーと検
出器との単一の制御装置が必要とされるにすぎず、これ
によってコストを節減することができる。同制御装置は
異なった光ガイドにレーザー光を配分/入力するための
配分装置を備えているのが有意的である。
【0026】前記の装置は、人体または動物体への埋め
込み片のポジショニング、特に補聴具のポジショニング
の最適化のため測定光が手術顕微鏡の光路に入力される
ことを特徴とする対象の光学的測定方法に特に適してい
る。これが生体内ポジショニング、つまり、動物体また
は人体の手術中におけるポジショニングを意味している
ことは言うまでもない。
【0027】前記に際して冒頭に述べた本発明による非
接触式光学測定装置の長所が特に顕著となるが、それは
一般に埋め込み片に特別に金属コートを施すことができ
ず、埋め込み片のもともとの反射率が微弱であることか
ら測定装置の高感度性能に依拠せざるを得ないからであ
る。さらに最新の手術顕微鏡は手術に際して医師にでき
るかぎり広い余地を残すようにするため長いガイドアー
ムに自由可動式に懸架されていることが多い。干渉計に
よる測定に際してもこの可動性を利用し得るためには、
非常に長い光ガイドが使用されなければならないが、こ
うした長い光ガイドの震動に対する感受性は本発明によ
って取り除かれる。
【0028】精密レーザーと高感度検出器とを備えた干
渉計の重厚な部分は脇に離して容易に設置することがで
きる一方で、ビームはフレキシブルな光ガイドを介して
顕微鏡の可動部に誘導されて顕微鏡の光路に入力され、
こうして医師は手術に際して埋め込み片によって反射さ
れたレーザー光の一部を測定点として識別し、これによ
って測定個所を定めることができる。
【0029】この場合、レーザー光が顕微鏡のレンズ系
も通過することは必ずしも必要ではなく、簡便化のため
に顕微鏡と埋め込み片との間で顕微鏡の光路にビームを
入力することも可能である。
【0030】本発明による方法を実施するため、精密ガ
スレーザーと光ガイドとを利用した前記装置に替えて、
超小型半導体レーザー干渉計を全面的に手術顕微鏡に取
り付けることも可能である。
【0031】前記方法は機械的作用に起因した聴覚器損
傷の検査、それらの分析および、埋め込み片、活性補聴
具および聴覚器の適切なポジションの決定に特に適して
いる。これらの機能チェックは従来きわめて初歩的な形
でしか行うことができなかった。本発明による方法の実
施により今や埋め込み片は手術中に好ましくは異なった
ポジションで振動励起される。この振動は干渉計で計測
され、こうして埋め込み片の理想的な埋め込みポジショ
ンを確定することができる。
【0032】機能チェックをできるだけ現実的なものと
するため、振動は音響によって発生させられ、同音響は
人または動物のなお健全な聴覚器要素を経て振動として
埋め込み片に伝達される。
【0033】干渉計の測定光は手術孔を通して人または
動物の頭部または体内に誘導されるのが合理的である。
【0034】冒頭に述べた装置の別途実施形態として同
装置をマイクロホンとして使用することも可能である。
非常に高品質のマイクロホンには、薄膜によって正しく
受容された振動が中継システムによって(磁気的または
容量的に)偽化されるという問題がある。しかしながら
レーザー振動計は非常に広い範囲にわたってフラットな
周波数応答を有している。本発明による装置により測定
ヘッドの構造を非常に小さくし得ることから、これを振
動センサーとしてマイクロホンに組み入れること、特
に、フレームにまで薄型化することもできるマイクロホ
ンのケーシングに組み込むことが可能である。レーザー
光は薄膜の振動を感じ取り、振動計電子回路の出力部で
非常にクリーンな信号が得られる。その長所は、音響信
号を薄膜で光学的に測定することができることから薄膜
の振動特性に影響が生じないという点にある。
【0035】測定光を顕微鏡の光路に入力する場合に
は、薄膜振動を特に正確に計測することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明上重要なその他の特徴およ
び長所は図面に基づく実施例の説明から判明する。
【0037】図1にはレーザー1が示されており、同レ
ーザーの平行ビームは先ず最初にビームスプリッター2
を通過する。ビームスプリッター2は戻ってくる検出用
測定光/ 参照光の送出を行い、その機能については以下
においてさらに説明する。戻りビームの最適な選択的送
出を行うためビームスプリッターは後方にファラデー回
転子3と偏光子4とが配置された偏光スプリッターであ
るのが好ましい。一定の場合にあっては、戻りビームを
50:50―ビームスプリッターで分割することも可能
である。
【0038】前記によって偏光されたレーザー光はレン
ズ系5を経て光ガイド7の入力端6に入力される。光ガ
イド7は単モード・ガラス繊維であるのが好ましい。光
ガイド7の入力端6によって反射されて戻る光は消失す
るかまたは戻ってくる測定光/参照光と望ましくない形
で重なり合うこととなる。したがって入力端6は反射さ
れて戻る光ができるだけ生じない様に処理されるのが好
ましい。
【0039】光は図示した実施例において光ガイドの出
力端8で測定光と参照光とに分割される前に少なくとも
光ガイド7という重要な素子を通過する。
【0040】ビームを分割するため光ガイド7の出力端
8は適切な割合のレーザー光を反射して光ガイド7に戻
す。この場合、反射して戻される部分が参照光として機
能する点が重要である。
【0041】出力端8のガラス―空気―過渡部で反射し
て戻される部分の強度は、通例、到着するレーザー光の
強度の約4%である。ただし一定の場合にあっては、参
照光の強度を高めるために出力端8に補助的なコーティ
ングを施すのが望ましい。
【0042】出力端8で反射して戻されないかまたは吸
収された光は測定光として機能する。これは出力端8で
光ガイド7から出て、第2のレンズ系9によって平行化
されもしくはほぼ平行化され、ブラッグセルとして形成
されている周波数変位発生器10に向けられる。
【0043】測定光は周波数変位発生器10により第3
のレンズ系11に向かって反射され、同レンズ系は平行
測定光を点12に集束させる。
【0044】点12は、たとえばカメラレンズの形の交
換式の集束対物レンズの使用を可能とするため、第4の
レンズ系13の焦点面にあるのが好ましい。
【0045】測定光は最後に第4のレンズ系13によっ
て測定対象14に集束させられる。こうして出力端8か
ら測定対象14に至るまで測定光が通過する測定アーム
はできるだけ短くされることとなる。
【0046】測定光は測定対象14によって反射され、
その際、ビーム方向における測定対象14の表面の瞬時
速度に比例したドップラーシフトを受ける。反射されて
戻る測定光は往路の測定光と逆の経路を通過する。した
がって反射されて戻る測定光はレンズ系13、11、周
波数変位発生器10およびレンズ系9を経て光ガイド7
の出力端8に入力される。
【0047】その際重要な点は、反射されて戻る測定光
が周波数変位発生器と2回目の相互作用を行い、その際
2回目の整流された付加的な周波数変位を受けることで
ある。
【0048】図示した実施例において測定ヘッドは出力
端8、第2のレンズ系9、周波数変位発生器10、第3
のレンズ系11および第4のレンズ系13を含んでい
る。したがって測定光と参照光とへの分割は測定ヘッド
で行われる。光導波路7の出力端8で分割が行われるこ
とによりさもない場合に必要とされるビームスプリッタ
ーは不要となり、相応して測定ヘッドを小型化すること
ができる。測定ヘッドの調整作業は実質的に不要であ
る。
【0049】測定ヘッドから測定対象14までの距離が
十分小さく且つ不変であれば、第2のレンズ系9を集束
用に使用することもできる。これにより第3と第4のレ
ンズ系11、13とそれに要されるコストとを省くこと
が可能である。測定光はかくて光ガイド7を通って、し
たがって参照光と同じ光路で返送される。これにより光
ガイド7は測定光/参照光の返送の点でも震動/振動に
対して不感となる。測定光/参照光は光ガイド7の入力
端6からビームスプリッター2の方向に投射される。往
路および復路の測定光/参照光の偏光面はファラデー回
転子3によって回転させられ、戻りビームが偏光ビーム
スプリッター2の適切な調整によって全面的に検出器1
5に向けられ、レーザー1に帰還することがないように
為された。
【0050】高輝度のヘリウム―ネオン―レーザーを使
用する場合には、高価なファラデー回転子3と偏光子4
から成るアイソレーターシステムを使用せずに済ますこ
とができる。この場合にはビームスプリッター2は5
0:50―ビームスプリッターに替えられる。かくて送
出ビームと返送ビームのそれぞれ50%が消失する。
【0051】測定対象14の振動によって変化する測定
光/参照光の干渉縞は検出器15において到着するビー
ムの輝度変調として現れる。輝度変調の周波数はブラッ
グセル10によって発生させられた倍加された周波数変
位と測定対象14の速度によるドップラーシフトとの和
によって与えられている。この光学信号は検出器15に
よって電気信号に変換され、予備処理段階16によって
濾波され、増幅される。このようにして得られた信号は
かくて復調電子回路17により公知の方法で、測定対象
の振動速度ないし振幅を特徴づける信号に変換される。
【0052】図2には本発明による対象の光学的計測方
法の概要が表されている。この場合、観測者21――こ
れは、通例、手術時の執刀医であるが――は顕微鏡懸架
装置23に懸架されてきわめて自由に動かすことのでき
る手術顕微鏡22を通して観察を行う。同医師はこの顕
微鏡22を通して手術経過を観察し、その際非常に微細
な部分も正確にチェックすることができる。これは特に
頭部の手術、たとえば耳24の手術にとって重要であ
る。鼓膜25またはその他の中耳部分等の敏感な身体部
分はそもそもこうしてのみ成功裏に手術することができ
る。
【0053】この場合、レーザー干渉計の測定光が手術
顕微鏡22の光路に入力されることが重要である。顕微
鏡を通して可視的な対象の変位測定および/または振動
測定はこれによって行うことができ、その際、顕微鏡を
通して測定点を観察し、こうして同測定点を正確にポジ
ショニングすることさえも可能である。
【0054】測定対象は埋め込み片かまたは鼓膜ないし
測定さるべきその他の身体部分である。変位測定および
/または振動測定により埋め込み片の最適な埋め込み個
所を見出すことができる。このために耳はたとえば音響
によるかまたは直接の機械的振動励起によって刺激され
る。こうして埋め込み片はそれが自ずから前もって定め
られた所望の振動振幅を示すようにしてポジショニング
される。埋め込み片の測定に替えて、鼓膜またはその他
の身体部分の振動を測定し、振動特性の変化から埋め込
み片の正しい埋め込み個所を推定することも可能であ
る。
【0055】図示した実施例において、手術顕微鏡22
の光路への測定光の入力はビームスプリッター26を経
て行われる。測定光は図示されていないレーザーによっ
て発生させられ、光ガイド27を経て測定ヘッド28に
誘導される。
【0056】測定ヘッド28において測定光は光ガイド
27から出て、コリメーターレンズ29を通過してブラ
ッグセル30に向かう。ブラッグセル30で測定光は周
波数変位され、好ましくはさらに2つのレンズ31、3
2を経て、ビームスプリッター26またはミラーバーに
よって転向されて測定さるべき対象に集束させられる。
【0057】測定光は手術顕微鏡22と対象25との間
で手術顕微鏡22の光路に入力される。このために手術
顕微鏡22には、測定ヘッド28とビームスプリッター
またはミラーバー26とを保持するホールダー33が取
り付けられている。光ガイド27は顕微鏡懸架装置23
に沿って布設されている。
【0058】図2に示した鼓膜25への測定光の集束に
替えて、同測定光をたとえば頭部の手術孔を通して直接
に埋め込み片に集束させることも可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明に基づく方法は身体部分および埋
め込み片の反射率が通常は非常にわずかであると同時に
使用される光ガイド27が非常に長い点からして前述し
た本発明による装置で特に良好に実施することができ
る。これにより本装置と本方法は新たな手術技法を可能
とし、医療技術の点で患者の福利に大きな進歩をもたら
すものである。
【0060】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】非接触式光学測定装置の原理説明図
【図2】非接触式光学測定装置の使用方法の説明図
【符号の説明】
1 レーザー 7 光ガイド 8 出力端 10 周波数変位発生器 14 対象 15 検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598126324 POLYTECPLATZ 1‐7, D‐76337 WALDBRONN, BU NDESREPUBLIK DEUTSC HLAND

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の測定光と少なくとも1
    本の参照光とによるレーザー干渉計を利用した対象(1
    4)の変位測定または振動測定用の、周波数変位発生器
    (10)を装備した非接触式光学測定装置において、 レーザー(1)から発する光が光ガイド(7)を通過
    し、測定光と参照光とへの分割が光ガイド(7)の出力
    端(8)で行われ、前記測定光または参照光が周波数変
    位発生器(10)を少なくとも2回通過し、前記ビーム
    の周波数変位が増倍させられることを特徴とする非接触
    式光学測定装置。
  2. 【請求項2】 周波数変位された前記ビームが測定光で
    あることを特徴とする請求項1記載の非接触式光学測定
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ビームが測定対象(14)に向かう
    往路においてまず1回周波数変位発生器(10)を通過
    し、同じくその復路においてもう1回前記周波数変位発
    生器を通過することを特徴とする請求項2記載の非接触
    式光学測定装置。
  4. 【請求項4】 前記周波数変位発生器が光ガイド(7)
    と測定対象(14)との間に配置されていることを特徴
    とする請求項1記載の非接触式光学測定装置。
  5. 【請求項5】 光ガイド(7)の出力端(8)が測定ヘ
    ッド(8,9,10,11,12および13)に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の非接触式光学
    測定装置。
  6. 【請求項6】 光ガイド(7)が検出器(15)への測
    定光と参照光の共通の誘導に利用されることを特徴とす
    る請求項1記載の非接触式光学測定装置。
  7. 【請求項7】 前記測定光と参照光が光ガイド(7)を
    同じ偏光で、特に同一方向に直線偏光されて通過するこ
    とを特徴とする請求項1記載の非接触式光学測定装置。
  8. 【請求項8】 複数の測定ヘッドが接続可能であること
    を特徴とする請求項1記載の非接触式光学測定装置。
  9. 【請求項9】 異なった光ガイドにレーザー光を入力す
    るための区分装置を有することを特徴とする請求項1記
    載の非接触式光学測定装置。
  10. 【請求項10】 少なくともビーム出力端がマイクロホ
    ンケーシングに組み込まれ、マイクロホン薄膜の測定に
    利用されることを特徴とする請求項1記載の非接触式光
    学測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の非接触式光学測定装置
    の使用方法において、 人体または動物体への埋め込み片、特に補聴具の機能検
    査またはポジションの最適化のために測定光が手術顕微
    鏡の光路に入力されることを特徴とする非接触式光学測
    定装置の使用方法。
  12. 【請求項12】 対象が手術中にそれぞれのポジション
    で振動励起され、鼓膜または内耳道骨を経て直接に測定
    されることを特徴とする請求項11記載の非接触式光学
    測定装置の使用方法。
  13. 【請求項13】 測定光の入力が手術顕微鏡と対象との
    間で行われることを特徴とする請求項11記載の非接触
    式光学測定装置の使用方法。
  14. 【請求項14】 測定光が手術孔を通して体内に誘導さ
    れることを特徴とする請求項11記載の非接触式光学測
    定装置の使用方法。
JP11012844A 1998-01-21 1999-01-21 非接触式光学測定装置及びその使用方法 Pending JPH11257920A (ja)

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