JPH1125789A - 電気接点用材料とそれを用いた開閉装置 - Google Patents
電気接点用材料とそれを用いた開閉装置Info
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- JPH1125789A JPH1125789A JP9172022A JP17202297A JPH1125789A JP H1125789 A JPH1125789 A JP H1125789A JP 9172022 A JP9172022 A JP 9172022A JP 17202297 A JP17202297 A JP 17202297A JP H1125789 A JPH1125789 A JP H1125789A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】Ag−酸化物系接点材料の接触抵抗を改善し、
信頼性の高い電気接点材用材料の提供にある。 【解決手段】Ag−金属酸化物−酸素解離元素を基本成
分とし、該酸素解離元素の粒径またはその長さが5μm
〜3mmである電気接点用材料。
信頼性の高い電気接点材用材料の提供にある。 【解決手段】Ag−金属酸化物−酸素解離元素を基本成
分とし、該酸素解離元素の粒径またはその長さが5μm
〜3mmである電気接点用材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチ、ブレー
カ、リレー、コネクター等の開閉器の電気接点に用いら
れるAg−酸化物系電気接点用材料とそれを用いた開閉
装置に関する。
カ、リレー、コネクター等の開閉器の電気接点に用いら
れるAg−酸化物系電気接点用材料とそれを用いた開閉
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気接点用材料(以下、接点材料
と云う)の1つとして、Ag−SnO2系,Ag−Cd
O系等のAg−酸化物の接点材料が知られている。Ag
−酸化物系の接点材料は、接点表面の消耗量が比較的少
ないと言う特長があるが、接触抵抗が大きいと言う欠点
を持ち合わせる。それ故、Ag−酸化物系の接点材料
は、中負荷領域、中電流の接点材料として適用されてい
る。重負荷領域、大電流の接点材料には、例えばAg−
W,Ag−W−C等が適用されている。これらの接点材
料は、Ag−酸化物系の接点材料に比べ接触抵抗が小さ
い。
と云う)の1つとして、Ag−SnO2系,Ag−Cd
O系等のAg−酸化物の接点材料が知られている。Ag
−酸化物系の接点材料は、接点表面の消耗量が比較的少
ないと言う特長があるが、接触抵抗が大きいと言う欠点
を持ち合わせる。それ故、Ag−酸化物系の接点材料
は、中負荷領域、中電流の接点材料として適用されてい
る。重負荷領域、大電流の接点材料には、例えばAg−
W,Ag−W−C等が適用されている。これらの接点材
料は、Ag−酸化物系の接点材料に比べ接触抵抗が小さ
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記Ag−酸化物系の
接点材料の欠点は、接触抵抗が大きいことであり、この
欠点を如何にして解決するかが課題であった。
接点材料の欠点は、接触抵抗が大きいことであり、この
欠点を如何にして解決するかが課題であった。
【0004】Ag−酸化物系にC等の酸素解離元素を添
加する基本的成分が本発明の骨子であり、従来の欠点で
ある接触抵抗を小さくすることが狙いである。基本的に
は、Ag−酸化物系−C等の3元成分である。従来のA
g−酸化物系の2元成分接点材料の製造方法は、それぞ
れの材料を配合し加熱して溶かして融合させる、いわゆ
る溶解法で作製していた。溶解法の利点は、作製し易い
点にありこうしたメーカーではこの手法を用いて作製し
ている。しかし、Ag−酸化物系に3500℃以上のC
を添加するとなると、従来の溶解法では製造ができなく
なる。そのため、Cを添加するなど全く考慮されなかっ
た。
加する基本的成分が本発明の骨子であり、従来の欠点で
ある接触抵抗を小さくすることが狙いである。基本的に
は、Ag−酸化物系−C等の3元成分である。従来のA
g−酸化物系の2元成分接点材料の製造方法は、それぞ
れの材料を配合し加熱して溶かして融合させる、いわゆ
る溶解法で作製していた。溶解法の利点は、作製し易い
点にありこうしたメーカーではこの手法を用いて作製し
ている。しかし、Ag−酸化物系に3500℃以上のC
を添加するとなると、従来の溶解法では製造ができなく
なる。そのため、Cを添加するなど全く考慮されなかっ
た。
【0005】本発明の目的は、スイッチ、ブレーカ、リ
レー、コネクター等のAg−酸化物系接点材料の接触抵
抗が大きい欠点を排除し、接触抵抗が小さく、かつ、信
頼性の高い接点材料、および、それを用いた開閉装置を
提供することにある。
レー、コネクター等のAg−酸化物系接点材料の接触抵
抗が大きい欠点を排除し、接触抵抗が小さく、かつ、信
頼性の高い接点材料、および、それを用いた開閉装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の要旨は、Ag−金属酸化物−酸素解離元素を基本成
分とし、該酸素解離元素の粒径または長さが5μm〜3
mmであることを特徴とする電気接点用材料にある。
明の要旨は、Ag−金属酸化物−酸素解離元素を基本成
分とし、該酸素解離元素の粒径または長さが5μm〜3
mmであることを特徴とする電気接点用材料にある。
【0007】また、Ag−Cu−金属酸化物−酸素解離
元素を基本成分として含有したことを特徴とする接点材
料にある。
元素を基本成分として含有したことを特徴とする接点材
料にある。
【0008】前記酸素解離元素として、C,P,Bの少
なくとも1種から選ばれる。
なくとも1種から選ばれる。
【0009】前記金属酸化物として、SnO2、Cd
O、In2O3およびCr2O3の少なくとも1種を含有し
た接点材料である。
O、In2O3およびCr2O3の少なくとも1種を含有し
た接点材料である。
【0010】また、開閉装置の電極板の可動子と固定子
の少なくとも接触部に、上記接点材料を用いた開閉装置
にある。
の少なくとも接触部に、上記接点材料を用いた開閉装置
にある。
【0011】
【発明の実施の形態】電気開閉装置の接触抵抗が少ない
と云うことは、固定子と可動子の接触が良好で電気的導
通に優れることである。Ag−金属酸化物系の接点材料
は、金属酸化物を含有しているため、それ自身の固有抵
抗がすでに高いことと、通電開閉時のアーク加熱により
接点表面のAgが酸化されて、Ag酸化物ができること
の両方により、接触抵抗が高くなるという欠点がある。
しかし、Ag中に酸化物が分散されているため、接点間
の溶着が起こりにくいという利点がある。
と云うことは、固定子と可動子の接触が良好で電気的導
通に優れることである。Ag−金属酸化物系の接点材料
は、金属酸化物を含有しているため、それ自身の固有抵
抗がすでに高いことと、通電開閉時のアーク加熱により
接点表面のAgが酸化されて、Ag酸化物ができること
の両方により、接触抵抗が高くなるという欠点がある。
しかし、Ag中に酸化物が分散されているため、接点間
の溶着が起こりにくいという利点がある。
【0012】そこでAg−金属酸化物系の接点材料の接
触抵抗を小さくし得る物質について、種々検討した。
触抵抗を小さくし得る物質について、種々検討した。
【0013】接触抵抗を小さくすると言うことは、固定
子と可動子のそれぞれの接触面の表面が清浄面であるこ
とが重要と考える。ここで言う清浄面とは接点表面にで
きる酸化物等、および、Ag酸化物(Ag2O)の酸素
が解離して、酸素をほとんど含まない物質に変えること
である。それには、金属酸化物およびAg酸化物(Ag
2O)と反応する元素が、その近傍に存在することが必
要である。そこで、反応により金属酸化物およびAg酸
化物(Ag2O)の酸素を解離すると考えられる元素に
ついて種々検討した。
子と可動子のそれぞれの接触面の表面が清浄面であるこ
とが重要と考える。ここで言う清浄面とは接点表面にで
きる酸化物等、および、Ag酸化物(Ag2O)の酸素
が解離して、酸素をほとんど含まない物質に変えること
である。それには、金属酸化物およびAg酸化物(Ag
2O)と反応する元素が、その近傍に存在することが必
要である。そこで、反応により金属酸化物およびAg酸
化物(Ag2O)の酸素を解離すると考えられる元素に
ついて種々検討した。
【0014】その結果、SnO2,CdO,In2O3,
Cr2O3等の酸化物、および、Ag酸化物(Ag2O)
の酸素と反応し、酸素を解離できる元素として、C,
P,Bが有効なことを見出した。これらの元素は酸化物
生成自由エネルギーが低く、接点表面において前記の酸
化物の酸素と反応する。なお、酸素解離元素であるC,
P,Bの添加量としては、C:2〜5%、P:1〜5
%、B:0.2〜3%が有効な添加量であることが分か
った。
Cr2O3等の酸化物、および、Ag酸化物(Ag2O)
の酸素と反応し、酸素を解離できる元素として、C,
P,Bが有効なことを見出した。これらの元素は酸化物
生成自由エネルギーが低く、接点表面において前記の酸
化物の酸素と反応する。なお、酸素解離元素であるC,
P,Bの添加量としては、C:2〜5%、P:1〜5
%、B:0.2〜3%が有効な添加量であることが分か
った。
【0015】また、図6に示すように、これらの酸素解
離元素の大きさと形状が、接触抵抗に大きく影響し、そ
の粒径または長さが5μm〜3mmの範囲が良好であ
る。
離元素の大きさと形状が、接触抵抗に大きく影響し、そ
の粒径または長さが5μm〜3mmの範囲が良好であ
る。
【0016】なお、特開昭63−42340号公報に
は、Cの粒子径は3μm以下が接点材料として良好であ
ることが記載されている。
は、Cの粒子径は3μm以下が接点材料として良好であ
ることが記載されている。
【0017】しかし、本発明者らの検討によれば、接触
抵抗(ここでは固定子−可動子間の電圧降下で表わす)
が小さくなるのは、前記酸素解離元素の粒径またはその
長さが5μm〜3mmの範囲であることが分かった。即
ち、粒径またはその長さが5μmよりも小さいと、酸化
物の酸素を解離する作用が急激に低下し、その結果、電
圧降下が大きくなる。また、上記粒径またはその長さが
3mmを超えると電圧降下が上昇気味となるので3mm
以下が望ましい。
抵抗(ここでは固定子−可動子間の電圧降下で表わす)
が小さくなるのは、前記酸素解離元素の粒径またはその
長さが5μm〜3mmの範囲であることが分かった。即
ち、粒径またはその長さが5μmよりも小さいと、酸化
物の酸素を解離する作用が急激に低下し、その結果、電
圧降下が大きくなる。また、上記粒径またはその長さが
3mmを超えると電圧降下が上昇気味となるので3mm
以下が望ましい。
【0018】接点材料としては、Ag−酸化物−酸素解
離元素の3元系の接点材料を用い、接点材料の通電開閉
繰り返し試験により評価を行い、酸素解離元素の有効添
加量との関係を求めた。酸素解離元素としての有効性
は、固定子と可動子との接触抵抗であり、その値を電圧
降下として測定し、その大きさをもって有効添加量の目
安とした。即ち、試験前の電圧降下と繰り返し試験後の
電圧降下とを比較し、その差が大きくならない範囲を有
効添加量と定義した。
離元素の3元系の接点材料を用い、接点材料の通電開閉
繰り返し試験により評価を行い、酸素解離元素の有効添
加量との関係を求めた。酸素解離元素としての有効性
は、固定子と可動子との接触抵抗であり、その値を電圧
降下として測定し、その大きさをもって有効添加量の目
安とした。即ち、試験前の電圧降下と繰り返し試験後の
電圧降下とを比較し、その差が大きくならない範囲を有
効添加量と定義した。
【0019】また、Ag−Cu−酸化物−酸素解離元素
の4元系の接点材料についても、酸素解離元素の検討を
行った。その結果、酸素解離元素としては前記3元系と
同様にC,P,Bが有効であった。その中、Pがやや優
れた性能を示した。なお、有効添加量は3元系の場合と
同様に、C:2〜5%、P:1〜5%、B:0.2〜3
%であることを確認した。
の4元系の接点材料についても、酸素解離元素の検討を
行った。その結果、酸素解離元素としては前記3元系と
同様にC,P,Bが有効であった。その中、Pがやや優
れた性能を示した。なお、有効添加量は3元系の場合と
同様に、C:2〜5%、P:1〜5%、B:0.2〜3
%であることを確認した。
【0020】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。
【0021】〔実施例 1〕Ag−酸化物−酸素解離元
素の3元系成分の接点材料を作製した。成分はAg−1
2%SnO2−3%Cである。製法は、Ag−12%S
nO2は良く知られる溶解法を適用した。まず、Agと
Snを溶解した後、アトマイズ法により粉末を作製し、
続いて内部酸化法によりSnを酸化させた。
素の3元系成分の接点材料を作製した。成分はAg−1
2%SnO2−3%Cである。製法は、Ag−12%S
nO2は良く知られる溶解法を適用した。まず、Agと
Snを溶解した後、アトマイズ法により粉末を作製し、
続いて内部酸化法によりSnを酸化させた。
【0022】次に、これらの粉末とC繊維(長さ150
μm)を混合して成形焼成する、いわゆる、粉末焼結法
により所定の成分になるように作製した。接点材料とし
ての断面組織の模式図を図1に示す。
μm)を混合して成形焼成する、いわゆる、粉末焼結法
により所定の成分になるように作製した。接点材料とし
ての断面組織の模式図を図1に示す。
【0023】〔実施例 2〕他の製造方法としてMA
(メカニカルアロイング)法により接点材料を作製し
た。成分はAg−12%SnO2−3%Cである。製法
は、Ag−12%SnO2は良く知られる溶解法を適用
した。まず、AgとSnを溶解した後、アトマイズ法に
より粉末を作製し、続いて内部酸化法によりSnを酸化
させた。
(メカニカルアロイング)法により接点材料を作製し
た。成分はAg−12%SnO2−3%Cである。製法
は、Ag−12%SnO2は良く知られる溶解法を適用
した。まず、AgとSnを溶解した後、アトマイズ法に
より粉末を作製し、続いて内部酸化法によりSnを酸化
させた。
【0024】次に、これらの粉末とC粉末をステンレス
容器に入れアルミナ玉により混合させた。そして、これ
らの粉末を成形焼成する、いわゆる粉末焼結法により所
定の成分になるように作製した。MA法により作製した
接点材料としての断面組織の模式図を図2に示す。Sn
O2の周りにC(粒径10μm)が密着した組織のもの
が得られる。
容器に入れアルミナ玉により混合させた。そして、これ
らの粉末を成形焼成する、いわゆる粉末焼結法により所
定の成分になるように作製した。MA法により作製した
接点材料としての断面組織の模式図を図2に示す。Sn
O2の周りにC(粒径10μm)が密着した組織のもの
が得られる。
【0025】〔実施例 3〕Ag−酸化物−酸素解離元
素の3元系成分の接点材料を作製した。成分はAg−1
2%SnO2−1.5%Bである。製法は実施例1同様A
gとSnを溶解した後、アトマイズ法により粉末を作製
し、続いて内部酸化法によりSnを酸化させた。そして
この粉末とB粉末を混合し、所定の成分になるように作
製した。
素の3元系成分の接点材料を作製した。成分はAg−1
2%SnO2−1.5%Bである。製法は実施例1同様A
gとSnを溶解した後、アトマイズ法により粉末を作製
し、続いて内部酸化法によりSnを酸化させた。そして
この粉末とB粉末を混合し、所定の成分になるように作
製した。
【0026】また、Ag−12%SnO2−1.5%Bの
各材料を溶解法により作製することも可能である。即
ち、各元素の材料を溶解し、次に内部酸化法により、S
nO2になるように酸化させてもよい。
各材料を溶解法により作製することも可能である。即
ち、各元素の材料を溶解し、次に内部酸化法により、S
nO2になるように酸化させてもよい。
【0027】〔実施例 4〕Ag−Cu−酸化物−酸素
解離元素の4元系の接点材料を作製した。成分は、Ag
−8%Cu−12%SnO2−3%Pである。製法は溶
解法により作製した。各元素の材料を溶解し、次に内部
酸化法により、SnO2になるように酸化させて接点材
料とする方法である。その時Pの添加法はCu−P化合
物の母合金を用いるとPの添加が容易である。該接点材
料の断面組織の模式図を図3に示す。
解離元素の4元系の接点材料を作製した。成分は、Ag
−8%Cu−12%SnO2−3%Pである。製法は溶
解法により作製した。各元素の材料を溶解し、次に内部
酸化法により、SnO2になるように酸化させて接点材
料とする方法である。その時Pの添加法はCu−P化合
物の母合金を用いるとPの添加が容易である。該接点材
料の断面組織の模式図を図3に示す。
【0028】また、AgとSnを溶解し、アトマイズ法
等により粉末にし、次いで内部酸化によりAg−SnO
2を作製した。次に、この粉末と粒径10μmのCu3P
(あるいはCuと粒径10μmのP)の粉末を混合さ
せ、成形焼成する、いわゆる粉末焼結法により製造し
た。
等により粉末にし、次いで内部酸化によりAg−SnO
2を作製した。次に、この粉末と粒径10μmのCu3P
(あるいはCuと粒径10μmのP)の粉末を混合さ
せ、成形焼成する、いわゆる粉末焼結法により製造し
た。
【0029】〔比較例〕Ag−12%SnO2の2元系
の接点材料を比較材とした。これは、市販の接点材料で
酸素解離元素を含有していないものである。製法は溶
解、内部酸化によるいわゆる溶解法により行った。該接
点材料の断面組織の模式図を図4に示す。
の接点材料を比較材とした。これは、市販の接点材料で
酸素解離元素を含有していないものである。製法は溶
解、内部酸化によるいわゆる溶解法により行った。該接
点材料の断面組織の模式図を図4に示す。
【0030】実施例および比較例の接点材料を、電磁開
閉器の電極板の可動子と固定子にそれぞれろう付けによ
り接合し、電圧200V、電流100A、開閉頻度36
0回/h、電流通電時間50msの試験条件で、開閉回
数10,000回まで実施した。電極消耗量と電極間の
電圧降下について、10,000回後のデータを実施例
と比較した。電圧降下と消耗量の関係を図5に示す。
閉器の電極板の可動子と固定子にそれぞれろう付けによ
り接合し、電圧200V、電流100A、開閉頻度36
0回/h、電流通電時間50msの試験条件で、開閉回
数10,000回まで実施した。電極消耗量と電極間の
電圧降下について、10,000回後のデータを実施例
と比較した。電圧降下と消耗量の関係を図5に示す。
【0031】図5で接点材料として良好な特性を有する
ことは、電圧降下並びに電極消耗量とも0(零)に近い
ことである。この結果から、酸素解離元素を含有しない
比較接点材料は、電圧降下が大きいことが分かる。
ことは、電圧降下並びに電極消耗量とも0(零)に近い
ことである。この結果から、酸素解離元素を含有しない
比較接点材料は、電圧降下が大きいことが分かる。
【0032】本発明の実施例接点材料は、いずれも電圧
降下が比較例接点材料と比べて小さく、電極間の接触抵
抗が著しく改善されていることが明らかである。また、
電極の消耗量は、実施例と比較例との差はあまり大きく
ないが、本発明の実施例の方が僅かではあるが良好と認
められる。
降下が比較例接点材料と比べて小さく、電極間の接触抵
抗が著しく改善されていることが明らかである。また、
電極の消耗量は、実施例と比較例との差はあまり大きく
ないが、本発明の実施例の方が僅かではあるが良好と認
められる。
【0033】以上の結果から、本発明の接点材料が従来
のAg−酸化物系の接点材料より接点材料としての特性
に優れていることが分かる。
のAg−酸化物系の接点材料より接点材料としての特性
に優れていることが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、C,P,BがAg酸化
物の中に分散して、接点面の消耗や、接触抵抗を従来の
接点材料と比べて低下することができ、これを接点に用
いたスイッチ、ブレーカ、リレー、コネクター等の接点
性能を向上することができる。
物の中に分散して、接点面の消耗や、接触抵抗を従来の
接点材料と比べて低下することができ、これを接点に用
いたスイッチ、ブレーカ、リレー、コネクター等の接点
性能を向上することができる。
【図1】実施例1の接点材料の構成例を示す図である。
【図2】実施例2の接点材料の構成例を示す図である。
【図3】実施例3の接点材料の構成例を示す図である。
【図4】比較例1の接点材料の構成例を示す図である。
【図5】接点材料の通電開閉繰返し試験後の消耗量と電
圧降下の関係を示す図である。
圧降下の関係を示す図である。
【図6】接点材料に含まれる酸素解離元素の粒径または
その長さと、接点材料の接触抵抗との関係を示す図であ
る。
その長さと、接点材料の接触抵抗との関係を示す図であ
る。
1…接点材、2…Ag素地、3…酸化物、4…酸素解離
元素、5…Ag素地+Cu+酸素解離元素。
元素、5…Ag素地+Cu+酸素解離元素。
フロントページの続き (72)発明者 嶋野 輝美 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所産業機器事業部内 (72)発明者 ブレント・オネイ 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (8)
- 【請求項1】 Ag−金属酸化物−酸素解離元素を基本
成分とし、該酸素解離元素の粒径または長さが5μm〜
3mmであることを特徴とする電気接点用材料。 - 【請求項2】 Ag−Cu−金属酸化物−酸素解離元素
を基本成分とし、該酸素解離元素の粒径または長さが5
μm〜3mmであることを特徴とする電気接点用材料。 - 【請求項3】 前記酸素解離元素として、C,P,Bの
少なくとも1種を含有した請求項1または2に記載の電
気接点用材料。 - 【請求項4】 前記金属酸化物として、SnO2、Cd
O、In2O3およびCr2O3の少なくとも1種を含有し
た請求項1,2または3に記載の電気接点用材料。 - 【請求項5】 開閉装置の電極板の可動子と固定子の少
なくとも接触部に、Ag−金属酸化物−酸素解離元素を
基本成分とし、該酸素解離元素の粒径または長さが5μ
m〜3mmである電気接点用材料をろう付けしたことを
特徴とする開閉装置。 - 【請求項6】 開閉装置の電極板の可動子と固定子の少
なくとも接触部に、Ag−Cu−金属酸化物−酸素解離
元素を基本成分とし、該酸素解離元素の粒径または長さ
が5μm〜3mmである電気接点用材料をろう付けした
ことを特徴とする開閉装置。 - 【請求項7】 前記酸素解離元素として、C,P,Bの
少なくとも1種を含有した請求項5または6に記載の開
閉装置。 - 【請求項8】 前記金属酸化物として、SnO2、Cd
O、In2O3およびCr2O3の少なくとも1種を含有し
た請求項5,6または7に記載の開閉装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172022A JPH1125789A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 電気接点用材料とそれを用いた開閉装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9172022A JPH1125789A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 電気接点用材料とそれを用いた開閉装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1125789A true JPH1125789A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=15934079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9172022A Pending JPH1125789A (ja) | 1997-06-27 | 1997-06-27 | 電気接点用材料とそれを用いた開閉装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1125789A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019021548A1 (ja) * | 2017-07-26 | 2019-01-31 | 日本電産株式会社 | 電気接点材料の製造方法及び電気接点材料 |
-
1997
- 1997-06-27 JP JP9172022A patent/JPH1125789A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019021548A1 (ja) * | 2017-07-26 | 2019-01-31 | 日本電産株式会社 | 電気接点材料の製造方法及び電気接点材料 |
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