JPH11257170A - 化石燃料の燃費向上と排ガス清浄化の同時達成方法 - Google Patents

化石燃料の燃費向上と排ガス清浄化の同時達成方法

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JPH11257170A
JPH11257170A JP6596598A JP6596598A JPH11257170A JP H11257170 A JPH11257170 A JP H11257170A JP 6596598 A JP6596598 A JP 6596598A JP 6596598 A JP6596598 A JP 6596598A JP H11257170 A JPH11257170 A JP H11257170A
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時的な劣化を来さずに、常に安定して石油
製品の改質を行なうことができる化石燃料の燃費向上と
排ガス清浄化の同時達成方法を提供する。 【解決手段】 内部に複数の反応体1を充填したケーシ
ング8内に化石燃料を通液することにより化石燃料の改
質を行なうものであり、反応体は核部2と基層部3と表
層部4とからなる焼成物で形成し、核部がセラミック粉
体の造粒物をなし、基層部が炭化水素に固有の吸収スペ
クトルに等しい分子振動スペクトルを発するとともに、
この分子振動スペクトルを示す伸縮振動または変角振動
を持つ鉱物を主原料とし、表層部は基層部の表面をガラ
ス状化してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化石燃料の燃費向
上と排ガス清浄化の同時達成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】始めに、本発明が対象とする化石燃料に
ついて述べる。地下から産出した状態の未精製の原油
は、赤掲色ないし黒掲色の粘稠な液体であり、主成分
は、各種炭化水素の複雑な混合物であるが、特にパラフ
ィン及びナフテン炭化水素が多く、芳香族炭化水素は少
ない。この他に、硫黄、窒素、酸素の各有機化合物を合
有し、これらの不純物は高沸点留分である程に含有量が
多い。
【0003】日本での産出は、わずか需要量の0.3%
にとどまり、99.7%を輸入に頼っている。その大部
分は中東原油であり、硫黄分が多く(約1.5〜3.5
%)公害の原因ともなっている。
【0004】石油とは、原油及びこれを精製して得られ
る各種石油製品の総称であり、石油炭化水素を大別する
と(1)パラフィン(2)オレフィン(3)ナフテン
(4)芳香族炭化水素の4種類に分類される。
【0005】ところで、石油製品であるガソリン、重
油、軽油等を内燃機関の燃料として利用するに際して
は、各種の薬剤を添加してその燃費を向上させたり、あ
るいは触媒により排ガスを清浄化したりしている。ま
た、この種の技術として、特開平6−346803号に
記載するものがある。この技術は、希土類元素の酸化物
を有効成分とする球粒状の活性剤とガソリン、重油、軽
油等の石油製品とを接触させることにより、化石燃料を
活性化するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構成に
おける活性剤は、希土類元素の鉱物を微粉砕した後に、
粘土状にして球粒体を形成したものや、粘土状の球粒体
を素焼きにしたものであり、空隙率の大きな多孔体であ
るために、希土類元素の酸化物と石油製品との反応が進
行すると、活性剤の表面および多孔体内に反応生成物等
が付着し、活性剤の表面における活性が経時的に劣化
し、三ヶ月程度において効果が激減する問題があった。
【0007】本発明は上記した課題を解決するものであ
り、経時的な劣化を来さずに、常に安定して石油製品の
改質を行なうことができる化石燃料の燃費向上と排ガス
清浄化の同時達成方法を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の化石燃料の燃費向上と排ガス清浄化の
同時達成方法は、内部に複数の反応体を充填したケーシ
ング内に化石燃料を通液することにより化石燃料の改質
を行なうものであり、反応体は核部と基層部と表層部と
からなる焼成物で形成し、核部がセラミック粉体の造粒
物をなし、基層部が炭化水素に固有の吸収スペクトルに
等しい分子振動スペクトルを発するとともに、この分子
振動スペクトルを示す伸縮振動または変角振動を持つ鉱
物を主原料とし、表層部は基層部の表面をガラス状化し
てなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面に基づい
て説明する。はじめに、本発明の原理に関して説明す
る。
【0010】分子とは物質の化学的性質を備えた最小単
位で種々の原子の結合によって出来ている。分子を構成
する原子間の結合距離、結合角などいわゆる分子構造は
各種の分光学的方法によって推定することが出来、その
結合様式は量子力学によって理論的に説明出来る。
【0011】分子を構成している原子核はそれぞれの平
衡点の近傍で振動しており、原子や分子内電子の励起に
より各種のエネルギーが存在する。分子の内部エネルギ
ーには、回転状態、振動状態、電子状態のエネルギーが
あるが、これらの状態は量子化されていて、基底状態と
励起状態のエネルギー間隔は先の順に大きくなる。これ
らの状態の励起によって観測されるスペクトルは、回転
スペクトルがマイクロ波領域、振動スペクトルが赤外線
波領域、電子スペクトルが可視〜紫外織波領域に現われ
る。
【0012】多原子分子では振動状態や回転状態が各電
子状態に付随しているので、これらが組み合わさった一
つの電子励起状態はいくつかの振動準位と回転準位が幅
をもって分布することになる。
【0013】分子や結晶などの振動運動は、それらのも
つ振動自由度に等しく、個数の正規振動の集まりとして
記述される。又、分子内振動における結合の伸縮のカの
定数は、変角の力の定数よりも一般にはるかに大きいの
で、両種の運動は比較的よく分離して起こり、正規振動
の内容は主に伸縮振動ないし変角振動と定義される。従
って、伸縮振動による振動と変角振動による振動が各々
のスペクトルで認識される。
【0014】イオン結晶は光に対して透明な領域をはさ
んで長波長側(赤外域)と短波長側に結晶固有の吸収を
示す。赤外吸収は格子振動(伸縮振動と変角振動)によ
るものであるが、短波長側の吸収はX線領域まで及び連
続スペクトルで結晶構成原子のエネルギー準位に基づく
充満帯から、電子によって占められていない伝導帯への
電子遷移によって起こるもので、これを基礎吸収と呼ん
でいる。運動量空間で同じ波数ベクトルをもった状態間
の遷移は直接遷移で吸収係数は10-5cm-1程度の大き
さをもつ。基礎吸収の主要部分はこの遷移による。
【0015】従って分子は内部エネルギーとして振動に
よる内部エネルギーをもっていると同時に、それと同じ
振動エネルギーを吸収する。その波の領域は、赤外領域
から可視紫外領域迄であり、特に強い領域は赤外線の領
域となる。
【0016】光は典型的な量子論的粒子であり、質量が
ゼロであるのに運動量(λ=h/P)を持ち、電子をは
じき飛ばすことが光電効果やコンプトン効果として知ら
れている。また、回析や干渉を起こすれっきとした波で
もあり、粒子と波動の両方の性質を備えたものが量子論
的粒子で、前述の如く分子の振動による振動スペクトル
も同じ量子論的粒子である。
【0017】分子が光を吸収する為には、基底状態と励
起状態とのエネルギー差と光の波長との間に次の振動数
条件が満たされなければならない。 △E=EJ−E0=hν=hc/λ E0:基底状態のエネルギー EJ:J番目の励起状態のエネルギー ν:光の振動数 λ:光の波長 分子が光を吸収すると一般に結合性分子オービタルにあ
る電子のうちの一つが反結合性分子オービタルに移るの
で、分子の化学結合様式は、基底状態の分子の場合に比
べて大きく変わる。例えば、直線型分子であるアセチレ
ンが光を吸収するとエチレン型に似た構造に変化する。
基底状態でほぼ完全な共有結合をとっている分子が光を
吸収すると、励起一重項状態(電子スピンの配列が基底
状態と同じ)では双イオンになり励起三重項状態(1対
の電子スピンが平行になり常磁性を示す)では双ラジカ
ルになることが分かった。このように励起分子の電子状
態は、基底状態と著しく異なる為に分子の構造と反応牲
が大きく変化する。
【0018】分子間力には、静電引力、双極子−双極子
相互作用、分散力又はファンデルワールス力、パウリの
斥力などが知られている。しかし、以上の分子間力は化
学変化を引き起こす力にはなりえない。何故ならぱ、化
学変化が起こる為には分子内の化学結合が切断される程
の強い力が働かなければならないからである。化学結合
が切断される為には何らかの力で電子が反結合性分子オ
ービタルヘ移行しなければならない。すなわち、化学変
化にとって重要な力は、分子間相互作用に反結合性分子
オービタルが関与することによって生じる力である。現
在では、その力は電荷移動型相互作用と呼ばれる分子間
力として知られており、この分子間力は、化学反応の途
中で形成される活発な分子錯合休や配位子と金属体との
間で形成される配位結合で重要な役割を演じている。
【0019】一方、粘土鉱物や岩石は、その固有の酸化
物等の組成によって独自の分子運動を行なっており、赤
外線分光法等により、その岩石の組成による固有の振動
スペクトルを観測できる。
【0020】したがって、選択的に特定の鉱物や岩石の
成分を調合して焼成することにより、石油の改質に必要
な吸収スペクトル(エネルギー)を与えることの可能
な、任意の振動スペクトルを持つ固体を形成することが
できる。この振動スペクトルを炭化水素に固有の吸収ス
ペクトルに等しくすることにより、固体において励起す
る内部振動の振動エネルギーを、励起移動、特に共鳴伝
達により石油の炭化水素分子に伝達して電子を励起し、
その後に起こる励起状態から基底状態への遷移、および
分解により派生する電子によって、化学結合の分離と生
成の繰り返し、化学平衡点に導き、石油の成分内容が変
化する。
【0021】実施例 図1において、反応体1は、核部2と基層部3と表層部
4からなる。核部2は、反応体1の核になる部分であ
り、セラミック粉体を造粒化したものである。成分とし
ては、SiO2,Al23,TiO2,ZrO2等のセラ
ミックの単独造粒物またはこれらの混合造粒物で球状に
したものである。基層部3は、釉薬部分であり、成分と
して2つに大別される。 (1)一方の主たる成分は、90〜95重量%程度を占
めるものであり、特定の分子振動スペクトルを発する伸
縮振動または変角振動を持つ鉱物である。その特定の分
子振動スペクトルは、石油の分子振動スペクトルの内、
赤外線の波長領域において大きな吸収帯をなして、赤外
線の波長領域で最大の分子振動スペクトルに相応する。
【0022】各種の鉱石は、その成分に起因して固有の
分子振動スペクトルを持つことはよく知られている。鉱
石固有の分子振動スペクトルが石油の分子振動スペクト
ルに等しければその振動は共鳴する。したがって、核部
2を形成することなく、鉱石を微粉砕し、造粒化して球
体を形成し、使用することも可能であるが、以下に記す
理由において鉱石の分子振動エネルギーは弱いものであ
る。 a.単一の結晶体でなく多角結晶が多く、各構成分子の
振動ベクトルが各方向に向いているために、相殺されて
しまって結晶外部に対してその影響は小なものとなる。 b.鉱石の結晶や固体には、必ずその成長時の残存物で
ある層間水や結晶水が残っている。これらが分子振動ス
ペクトルの外部への伝播を阻害し、分子振動エネルギー
は非常に弱いものとなってしまう。
【0023】この問題を解消してより効率良く振動エネ
ルギーを取出すために、鉱石を加熱する。加熱すること
により先ず、層間水の脱水によって底面間隔が縮む。緩
やかに加熱すると100℃〜150℃の間隔の一定温度
で、1〜2時間かけて400℃〜1000℃程度まで加
熱する。また、加熱により層間水の脱水以外に、構造変
化、OH脱水や再結晶が生じる。一般に、水分子の形で
含まれる水の脱水は以下の順で起こる。 1.吸着水並びに層間の非配位水 2.層間の1価陽イオン(Na+等)のまわりの配位水
(吸熱ピーク 100〜200℃) 3.層間の2価陽イオン(Ca2+,Mg2+など)の配位
水 4.セピオライトなどのチャンネル中のMgとの結合水
(吸熱ピーク250〜450℃) それぞれの吸熱ピーク以上の温度では、2つの水酸基が
通常次式、 2(OH)→O+H2O の反応により吸熱、脱水し、1つの酸素原子は構造以上
に残る。このOHの脱水は一般に1:1型鉱物中のOH
や緑泥石の層間OHの方が2:1型鉱物中の2:1層O
Hの脱水よりも低温で起こる。OH脱水後は層状構造か
ら変形した、あるいは乱れた構造が多くの鉱物で保たれ
るが、一般に750〜1000℃にかけて、全構造の崩
壊と原子の再配列、再結晶化が起こる。再結晶は、主と
して鉱物の化学組成によって決まることはよく知られて
いる。これらの加熱による脱水と構造変化の詳細は、 .OH脱水後の中間段階の構造 .再結晶相の化学組成 .再結晶化(転移)の原子移動 .新旧の結晶方位の関与 となる。ここでは物質(鉱石固体)固有の温度により再
結晶されることがわかっているため、測定によりその温
度は大体の目安とし、それからは各温度領域により焼成
後確認する必要がある。
【0024】ここでは採取した鉱石を400℃〜850
℃程度で焼成して脱水後に再結晶化したものを200〜
450メッシュ程度に粉砕した物を使う。通常は、焼成
後粉砕するが、粉砕後焼成して使用しても構わない。 (2)他方の成分は、(1)の主たる成分の補助となる
ものであり、その目的は下記の通りである。 1.核部2と主成分との間の膨張率の差を埋める。 2.(1)の石の効果を助長する。 この成分には、通常窯業で釉薬として使用するものを使
用する。例えばSrO,TiO2,CoO,FeO,F
23等である。配合は、 (1)の主成分……90〜95重量% (2)の補助成分… 5〜10重量% を標準とし、場合によっては、 (1)の主成分……80〜95重量% (2)の補助成分… 5〜20重量% もあり得る。これは焼成した石の色により効果および見
栄えを重要視する場合には、十分に考慮しなければなら
ない。何れにしても(1)の主成分と(2)の補助成分
の配合比により(膨張率を合わせたもの)、焼成温度お
よび昇温時間、冷却時間を合わせなければならない。
【0025】表層部4は、釉薬部分の内で表面に当たる
部分である。これは球の表面が外部との接触により破
損、摩耗等を起こさないように、ガラス状化したもので
ある。また、ガラス状化することにより、下部の釉薬部
分の分子振動スペクトルが外部に十分供給される意味も
ある。従って、釉薬部分の内で表面のみをガラス状化
し、内部はガラス状の一歩手前で冷却化し始める必要が
ある。そのために、焼成温度および接続時間は制約され
る。
【0026】図2に示すように、燃料タンク5の内部に
は、化石燃料である石油製品のガソリン、灯油、重油等
が通液する流路6を隔壁7により形成しており、燃料タ
ンク5の壁体5aと隔壁7により反応体1を充填するケ
ーシング8を形成している。ケーシング8は、内側の隔
壁7の下部側が網目の部材からなり、流路6の下流側が
エンジン等の内燃機関に連通している。
【0027】燃料タンク5の流入口から内部に流入した
燃料は、流路6をなすケーシング8に流入し、ケーシン
グ8の内部の反応体1に接触する。このとき、反応体1
の振動スペクトルが炭化水素に固有の吸収スペクトルと
して吸収され、反応体1において励起する内部振動の振
動エネルギーが、励起移動、特に共鳴伝達により石油の
炭化水素分子に伝達して電子を励起し、その後に起こる
励起状態から基底状態への遷移、および分解により派生
する電子によって、化学結合の分離と生成の繰り返し、
化学平衡点に導き、石油の改質を行なう。
【0028】図3に示すように、ケーシング8は燃料タ
ンク5の外部に設置することもでき、モーター9および
ポンプ10を備えた燃料循環系11により、ケーシング
8と燃料タンク5の間において燃料を循環する。
【0029】以下に、化石燃料を反応体1と接触させた
実験結果を示す。 (1)成分変化(ガソリン)
【0030】
【表1】
【0031】明らかに密度(15℃)は増加している。
飽和炭化水素とオレフィンは共に減少し、芳香族は反対
に増加している。 (2)成分変化(軽油)
【0032】
【表2】
【0033】(3)排気ガスについて次の緒果を得た
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】試験内容 ランドクルーザーの燃科エレメントからエンジン内に
燃料が入る管に、接触させるべき反応体1を入れた管を
装着した。 ガス測定は排気筒の中に吸収管を入れてガスを採取す
る方法によった ばい煙(炭素すす)はアイドリング時とエンジンが暖
まった時を各1回目、2回目として測定
【0037】
【表5】
【0038】(4)これらの実験測定の結果、次の事が
起こっていると考えられる i)飽和炭化水素の減少、芳香族の増加(ナフテン族の
脱水素反応、パラフィンの脱水素化反応) ii)オレフィンの減少、芳香族の増加(オレフィンの
環化反応) iii)軽油の結果からオクタン価が上昇していて、逆
である反セタン価物も発生していないのに発火性に問題
が生じていないのは、パラフィンの水素化分解とパラフ
ィンの異性化反応が起こっているからである。
【0039】分離H2ガスが酸化して水が発生、もしく
は余剰H2がオレフィンの水素化反応を助けることによ
りガソリンのアイドリング時の気化性向上と軽油におけ
るセタン価の補助につながったと考えられる。又、排ガ
スの清浄化により完全燃焼につながったと考えられる。
【0040】通常完全燃焼した場合に、N0xは増加す
るはずであるが、次の理由で減量につながったと考え
る。02のセンサにより排気ガス中の酸素濃度を検出し
て、常に完全燃焼が出来るように混合比の制御を自動的
に行なえるようにしたガソリン車の場合に、電子制御ガ
ソリン噴射を行なっているディーゼル車についてもエン
ジンの回転速さや出力を変える為、燃料の噴射量を加減
するので噴射の初めと終りがはっきりしていて、噴射の
時期と量が正碓に自由に制御出来るようになっている。
【0041】又、燃費向上は上の装置の結果もあるがオ
クタン価向上に起因している。一般にオクタン価の高低
は芳香族炭化水素が最も高く、次いでイソパラフィン
族、ナフテン族、n一パラフィン族と続く。これらの影
響により燃費が向上し、かつ排気ガスの清浄化も同時に
発現したと考えられる。
【0042】反応体1との接触により反応体1のもつ固
有の分子振動スペクトルと炭化水素のもつ固有の吸収ス
ペクトルが相互に、先に述べた吸収条件と合致したもの
から順次分解と生成を練り返すことにより、上述の実験
結果に到達したものと考えられる。
【0043】このために、ウッドワードホフマン則によ
り、次のようにまとめられる (1)熱閉環反応はHOMO(Highest Occupied Mol
ecular Orbital)の電子が立体選択的反応性を決定す
る。従って、HOMOが対称な場合、すなわちC原子の
数が4n+2の場合、反応は反旋的に進む。一方C原子
の数が4nの場合にはHOMOの対称性は反対称である
から反応は共旋的に進む。 (2)光閉環反応ではLUMO(Lowest Unoccupied
Molecular Orbital)に励起された電子が立体選択的反
応性を決定する。C原子の数が4n+2の場合にはLU
MOは反対称であるから反応は共旋的に進む。一方、4
nの場合にはLUMOは対称であるから反応は反旋的に
進む。反応体1の振動エネルギーとの共鳴は(2)に当
たり、反複した反応体1との接触により同じ相でポリエ
ンの両端がつながるか、もしくは数個のオレフィンがポ
リエンを作りそれが相互につながって環化反応したもの
と考えられる。
【0044】従来から石(反応体)そのままを通して燃
費をよくするとか、焼成した石を通じて燃費をよくする
とかの方法は試みられて来た。しかし乍ら、それらは単
に触媒として使われて来た石英などを微粉砕して造粒す
るか、素焼にするか、又は釉薬として陶器状にするかの
方法であり、試行錯誤の領域である為に、成分分析にお
いても顕著な差は表われなかった。
【0045】又、現在工業的に行なわれている接触改質
の方法においても、熱と圧力を加えたりしなければ積極
的な効果は発現しなかった。しかし乍ら現在の量子化学
において吸収スペクトルと放出スペクトルの合致による
効果の最大限の発現は可能となった。
【0046】すなわち、炭化水素のもつ固有の吸収スペ
クトルに合わせた振動スペクトルを有する反応体を、そ
の振動スペクトルを最大限発現させる為に不純物を除去
して形成し、これを使用することにより、大幅な燃賛の
向上のみならず、排ガスの大幅な清浄化も発現出来たと
云える。これは1度だけの接触を行なうワンパス方式と
共に燃科タンク内において循環方式を取った場合の方が
極めて高い効果が認められた。又、建設機械において
も、灯油,重油を使った場合、特に排ガスにおいて極め
て異臭がひどかったが、はとんど無臭となった。これだ
けの効果は今までに無かった著しい効果であると云え
る。
【0047】以下に、燃費と排ガスの清浄化に関する要
点を示す。芳香族炭化水素の固有の吸収帯は3〜4つあ
る。波長が260nmで弱い吸収体があり、波長が20
0nmで中位の吸収があり、180nmで強い吸収帯が
ある。そして、芳香族とオレフィン化合物は=C−Hの
特定結合の吸収として3000〜3100cm-1に表わ
れる。
【0048】直鎖状炭化水素の固有の吸収帯は1つか2
つある。飽和炭化水素の逆対称においては2950cm
-12850cm-1に表われる。分子振動は化学反応とも
密接に関係している。分子の衝突によって獲得したエネ
ルギーが、分子振動のエネルギーに変換されたとき化学
反応が誘発される。並進運動や回転運勘は結合の切断に
は関与しないが、振動エネルギーが高まると、振幅が大
きくなり、結合が著しく弱くなる。化学反応で結合が形
成される場合には、それによって生じた結合エネルギー
はまず振動エネルギーとしてためられ、振動回転相互作
用などによって放出される場合が多い。
【0049】従って、石(反応体)の振動数と石油の各
種の固有の振動数が共鳴を起こしたとき、その放出エネ
ルギーを石油成分が受取って化学反応の基となる励起状
態となる。励起状態にある分子は、分子が石の振動スペ
クトルを吸収すると一般に結合性分子オービタルにある
電子の内の1つが、反結合性分子オービタルに移るので
分子の化学結合様式は基底状態の分子の場合に比ベて、
大きく変わる。
【0050】このように励起分子の電子状態は、基底状
態と著しく異なる為に分子の構造と反応性が大きく変化
する。この励起された分子に相互の衝突の刺激により、
化学反応が誘発され切断と生成が行なわれることとな
る。従って、石(反応体)による振動スペクトルを吸収
させて化学変化を起こさせる為には、適度な圧をかけて
石に直接衝突させる必要があり、衝突と同時に石の振動
スペクトルを共鳴度に応じて吸収し、励起状態となる。
【0051】反応体の内容は、その発する振動スペクト
ルが、ガソリン用としては1〜2種類の振動スペクトル
に対して、軽油の場合は3〜4種類の振動スペクトルに
対して、同じ振動スペクトルを特つものを採用すれば良
い事になる。それにより、ガソリンの場合はオクタン価
の高い芳香族成分が増加し、軽油はセタン価の高い飽和
分が増加することになる。
【0052】又、共に飽和成分の細分化も同時に進むの
で、炭化水素成分の内、炭素の小さい炭化水素にも一部
変化している。これは接触改質の場合と同じように軽油
の場合にも、水素化分解と同じような反応が起こってい
ると考えられる。その為、完全燃焼化と内燃機関の電子
自動制御装置の働きで、より希薄燃料のガス放出により
排ガスも同時に清浄化するものである。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、反
応体として、その発する振動スペクトルが、ガソリン用
としては1〜2種類の振動スペクトルに対して、軽油の
場合は3〜4種類の振動スペクトルに対して、同じ振動
スペクトルを特つものを採用することにより、ガソリン
の場合はオクタン価の高い芳香族成分が増加し、軽油は
セタン価の高い飽和分が増加することになる。また、共
に飽和成分の細分化も同時に進むので、炭化水素成分の
内、炭素の小さい炭化水素にも一部変化している。これ
は接触改質の場合と同じように軽油の場合にも、水素化
分解と同じような反応が起こっていると考えられる。そ
の為、完全燃焼化と内燃機関の電子自動制御装置の働き
で、より希薄燃料のガス放出により排ガスも同時に清浄
化するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における反応体の構造を示
す摸式図である。
【図2】同実施の形態における反応体の使用形態を示す
摸式図である。
【図3】他の実施の形態における反応体の使用形態を示
す摸式図である。
【符号の説明】
1 反応体 2 核部 3 基層部 4 表層部 5 燃料タンク 6 流路 7 隔壁 8 ケーシング 9 モーター 10 ポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に複数の反応体を充填したケーシン
    グ内に化石燃料を通液することにより化石燃料の改質を
    行なうものであり、 反応体は核部と基層部と表層部とからなる焼成物で形成
    し、核部がセラミック粉体の造粒物をなし、基層部が炭
    化水素に固有の吸収スペクトルに等しい分子振動スペク
    トルを発するとともに、この分子振動スペクトルを示す
    伸縮振動または変角振動を持つ鉱物を主原料とし、表層
    部は基層部の表面をガラス状化してなることを特徴とす
    る化石燃料の燃費向上と排ガス清浄化の同時達成方法。
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