JPH11256179A - 透明磁気記録媒体 - Google Patents

透明磁気記録媒体

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JPH11256179A
JPH11256179A JP5546498A JP5546498A JPH11256179A JP H11256179 A JPH11256179 A JP H11256179A JP 5546498 A JP5546498 A JP 5546498A JP 5546498 A JP5546498 A JP 5546498A JP H11256179 A JPH11256179 A JP H11256179A
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JP
Japan
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magnetic recording
layer
particles
recording medium
magnetic
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Pending
Application number
JP5546498A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Arai
勉 荒井
Hiroshi Ogawa
博 小川
Tadahiro Matsunaga
直裕 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性確保の為磁性体の塗布量を少なくして
も、各種磁気情報を確実に記録再生できる磁気エラーの
ない優れた透明磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層の磁性粒子を
含む磁気記録層を有する磁気記録媒体において、該磁気
記録層側の上層に、アセト酢酸エステルを100μl/
2 以下の量含む滑り剤含有層を有する透明磁気記録媒
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気入出力エラー
のない透明磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオテープ、ビデオテープ、フロ
ッピーディスクのような磁気記録媒体の磁気記録層は、
磁性体含有量(塗布量)が多いため、高い磁気出力が得
られるが光透過性がないので磁気カードの印刷面上や、
写真フイルム上に磁気記録層を設けることはできない。
米国特許第5,491,051号明細書にはくり返し使
用しうる磁気特性及び写真特性のすぐれた写真要素が記
載されている。しかし、この写真要素は各種の情報、例
えば撮影の日時、天候、照明条件、縮小/拡大比等の撮
影時の条件、再プリント枚数、ズームしたい箇所、メッ
セージ等を組み込んで、くり返し使用したときや、現
像、プリント時の条件等の磁気記録情報の入出力が必ず
しも確実ではないという難点があった。また、透明磁性
層関連の技術が特開平4−214217、特開平6−1
61033、米国特許第5496687号、米国特許第
5432050号、米国特許第5436120号、米国
特許第5434037号の各明細書に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】実際、例えば写真要素
(写真感材)として使用する場合、現像処理液の乾固物
等の汚れが磁気ヘッドに厚く付着し磁性層とヘッドとの
接触が著しく悪くなり、いわゆるスペーシングロスが発
生し、磁気記録の読み取りエラーが発生しやすかった。
汚れたヘッドをクリーニングするため、磁性層に研磨材
の添加が行われているが、従来公知の研磨剤を用いても
現像処理液乾固物等汚れの磁気ヘッドへの付着・転写防
止や除去効果は充分ではなかった。また、研磨剤の使用
量を増やしたり、研磨剤粒径を大きくしたりすると、媒
体の透明性が極めて低下して写真用として好ましく無く
なったり、磁気ヘッドの寿命を短かくするといった問題
等が発生していた。一方、ヘッドに付着する汚れには現
像処理液の乾固物以外に磁性層のバインダーが混入して
磁気記録の読み取りを悪化させることがわかったが、十
分対応できていない。以上のことから、これらの問題が
無く、実質的に透明でかつ、確実に磁気記録および再生
ができる磁気記録媒体の開発が課題となっていた。すな
わち、本発明の目的は透明性確保の為磁性体の塗布量を
少なくしても、各種磁気情報を確実に記録再生できる磁
気エラーのない優れた透明磁気記録媒体を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は次に示す
透明磁気記録媒体によって達成された。 (1)支持体上に少なくとも1層の磁性粒子を含む磁気
記録層を有する磁気記録媒体において、該磁気記録層側
の上層に、アセト酢酸エステルを100μl/m2 以下
の量含む滑り剤含有層を有することを特徴とする透明磁
気記録媒体。 (2)滑り剤含有層が高級脂肪酸エステルを含有するこ
とを特徴とする(1)項記載の透明磁気記録媒体。 (3)滑り剤含有層の溶媒が、アセト酢酸エステルとシ
クロヘキサノンとを有してなり、溶媒中の、アセト酢酸
エステルの割合が50重量%以上であることを特徴とす
る(1)又は(2)項記載の透明磁気記録媒体。 (4)該磁気記録層の上層に滑り剤とともに平均粒子サ
イズ0.5μm以上、1.5μm以下の球状無機粒子お
よび/または球状有機高分子粒子が突起密度1〜200
個/100μm2 で塗布され、かつ該球状粒子が下層に
粒子径の2分の1以上沈むように塗布せしめた(1)、
(2)又は(3)項に記載の透明磁気記録媒体。 (5)該球状粒子がシリカ、ポリシロキサン粒子、ベン
ゾグアナミン粒子、メラミン樹脂粒子、メタクリル樹脂
粒子、またはこれらの組合わせであることを特徴とする
(4)項に記載の透明磁気記録媒体。 (6)該球状粒子が5個/100μm2 〜50個/10
0μm2 であることを特徴とする(4)又は(5)項に
記載の透明磁気記録媒体。 (7)モース硬度6以上、平均粒子サイズ0.2〜2.
0μmの研磨材粒子を1mg/m2 〜60mg/m2
有することを特徴とする(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)又は(6)項に記載の透明磁気記録媒
体。 (8)該アセト酢酸エステル化合物がアセト酢酸メチル
および/またはアセト酢酸エチルであることを特徴とす
る(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)又
は(7)項に記載の透明磁気記録媒体。 (9)該透明磁気記録層の反対面側の支持体上に少なく
とも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有することを特
徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)又は(8)項に記載の透明磁気記録媒
体。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、溶媒としてアセ
ト酢酸エステル化合物を用いて滑り剤、例えば高級脂肪
酸エステルを磁気記録層の上層に塗布すると、滑り剤が
層の最上部に偏在して磁性層のバインダーがヘッドに付
着しない。また滑り剤の磁気ヘッド汚れへの混入によ
り、汚れが軟らかくなって除去されやすくなる。この効
果で磁気記録の入出力に関しエラーが実質的になくな
る。またさらに平均粒子サイズが0.5μm以上、1.
5μm以下球状無機粒子および/または球状有機高分子
粒子(以下、大粒子ということがある)が突起密度1〜
200個/100μm2 塗布されているとヘッドの汚れ
付着が著しく少なくなる。これらの効果で磁気エラーが
実質的になくなる。
【0006】本発明で用いるアセト酢酸エステル化合物
について説明する。アセト酢酸エステル化合物としては
アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ter
t.-ブチル、アセト酢酸ベンジル、アセト酢酸イソプロ
ピル、アセト酢酸イソアミル、アセト酢酸イソペンチ
ル、アセト酢酸アリルなどがあげられる。特に好ましい
ものはアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルである。こ
れらの化合物は溶媒として用いられるが、単独で用いて
もあるいは他の溶剤と併用して用いても良い。滑り剤含
有層中の残存アセト酢酸エステルの量は好ましくは0.
1〜100μl/m2 である。この量が少なすぎると磁
気エラーが多くなる。多すぎると塗布時に乾燥負荷が大
きくなる。アセト酢酸エステルは塗布時は1〜100c
c/m2 、好ましくは1〜50cc/m2 、乾燥後の残
存量は100μl/m2 以下、好ましくは0.1〜10
0μl/m2 、より好ましくは0.1〜50μl/m2
である。アセト酢酸エステルと併用しうる溶剤としては
シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン
類、IPA(イソプロピルアルコール)、メタノール、
酢酸エチルなどがある。
【0007】このように他の溶剤と混合してアセト酢酸
エステルを用いてもよく、その比率は任意に設定してよ
い。好ましくはアセト酢酸エステル化合物の比率が50
重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上、
特に好ましくは90重量%以上である。この場合シクロ
ヘキサノンとの組合わせが好ましい。
【0008】本発明では、滑り剤として一般式(1)、
(2)で表されるような、長鎖アルキル化合物が現像処
理前、処理後共に十分な滑り性、耐傷性が得られる点で
好ましい。 一般式(1) R112 一般式(2) R32435 この一般式(1)において、R1 、R2 は、脂肪族炭化
水素基である。この化合物の総炭素数は25以上120
以下が必要である。総炭素数は十分な滑り性を得るため
には、25以上が必要となる。また、総炭素数が120
より多くなると有機溶剤に対する溶解性が悪く、分散や
塗布による付与が困難となる。総炭素数としてより好ま
しくは30以上100以下、さらに好ましくは40以上
80以下である。また、R1 、R2 は、十分な耐傷性、
及び種々の使用条件での滑り性の悪化を抑えるため、そ
れぞれ炭素数10以上70以下の脂肪族炭化水素基であ
る事が好ましい。炭素数が10以下の場合は、耐傷性が
悪化し、種々の使用条件で滑り剤の転写により滑り性の
悪化が起こる。また、炭素数70以上の片末端官能基化
された脂肪族化合物は、特別に合成したもの以外は一般
に知られていない。この脂肪族炭化水素基は、直鎖構造
でも良いし、不飽和結合を含んでいても良いし、一部置
換基を持っていても良いし、分岐構造を持っていても良
い。このうち、耐傷性の観点で特に好ましいのは直鎖構
造である。R1 、R2 の炭素数として、さらに好ましい
のは、15以上50以下である。
【0009】一般式(2)において、R3 、R4 、R5
は脂肪族炭化水素基である。この化合物の総炭素数は3
0以上150以下が必要である。総炭素数は十分な滑り
性を得るためには、30以上が必要となる。また、総炭
素数が150より多くなると有機溶剤に対する溶解性が
悪く、分散や塗布による付与が困難となる。総炭素数と
してより好ましくは40以上130以下、さらに好まし
くは50以上120以下である。また、十分な耐傷性、
及び種々の使用条件での滑り性の悪化を抑えるため、R
3 、R5 は、それぞれ炭素数10以上70以下の脂肪族
炭化水素基、R4 は、炭素数10以上50以下の脂肪族
炭化水素基である事が好ましい。R3 、R5 について
は、炭素数が10以下の場合は、耐傷性が悪化し、種々
の使用条件で滑り剤の転写により滑り性の悪化が起こ
る。また、炭素数70以上の片末端官能基化された脂肪
族化合物は、一般的に知られていない。この脂肪族炭化
水素基は、直鎖構造でも良いし、不飽和結合を含んでい
ても良いし、一部置換基を持っていても良いし、分岐構
造を持っていても良い。このうち、耐傷性の観点で特に
好ましいのは直鎖構造である。R3 、R5 の炭素数とし
て、特に好ましいのは、15以上50以下である。ま
た、R4 については炭素数が10以下の場合は、耐傷性
が悪化し、種々の使用条件で滑り剤の転写により滑り性
の悪化が起こる。また、炭素数50以上の両末端官能基
化された脂肪族化合物は、特別に合成したもの以外は一
般的に知られていない。この脂肪族炭化水素基について
も、直鎖構造でも良いし、不飽和結合を含んでいても良
いし、一部置換基を持っていても良いし、分岐構造を持
っていても良い。このうち、耐傷性の観点で特に好まし
いのは直鎖構造である。R4 の炭素数として、好ましい
のは、10以上30以下である。特に好ましいのは、1
2以上25以下である。また、一般式(1)、(2)に
おいて、X1 、X2 、X3 は二価の連結基である。具体
的には、-C(O)O-,-C(O)NR-、-SO3- 、-OSO3-、-SO2NR-
、-O- 、-OC(O)NR- 等が示される(R は、Hまたは炭
素数8以下のアルキル基を示す)。この一般式(1)、
(2)で表される化合物の具体例を示す。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】本発明の一般式(1)、(2)で表される
滑り剤の使用量は特に限定されないが、その含有量は十
分な滑り、耐傷性を発現するためには0.001〜0.
1g/m2 が好ましく、より好ましくは0.005〜
0.05g/m2 である。更に好ましい滑り剤として
は、前述一般式(1)、(2)中のR1 、R2 の少なく
とも一方にまたは、R3 、R4 、R5 の少なくとも一方
に、極性の置換基を持つ化合物である。ここで言う極性
置換基とは、水素結合をしうる基、もしくはイオン性解
離基の事を示す。極性置換基としては、特に制限されな
いが、−OH、−COOH、−COOM、−NH3 、−
NR4+- 、−CONH2 等が好ましい。ここで、Mは
アルカリ金属、アルカリ土類金属、4級アンモニウム塩
等のカチオン、RはHまたは炭素数8以下の炭化水素
基、A- はハロゲン原子等のアニオンである。また、こ
れらの基のうち−OHは特に好ましい。この極性の置換
基は、1分子中にいくつあっても良い。以下にこのよう
な化合物の具体例を挙げるがこれに限定されない。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】前述一般式の化合物は疎水性が高いため溶
剤にたいして溶解性が悪いものが多い。そのためトルエ
ンやキシレン等の非極性の有機溶剤中に溶解する方法ま
たは塗布液中に分散する方法があるが非極性有機溶剤は
取扱い難いため分散する方法が好ましい。この時分散剤
としては滑り性、耐傷性を悪化させないものであれば何
でも良いが好ましい分散剤としては下記一般式(3)に
記載のものが挙げられる。 一般式(3) R6 YBD 一般式(3)において、R6 は、炭素数25以上70以
下の脂肪族炭化水素基である。この炭化水素基は、不飽
和結合を含んでいても良く、各種置換基で置換されてい
ても良く、分岐構造を含んでいても良い。滑り性、耐傷
性のために特に好ましいのは、直鎖脂肪族炭化水素基で
ある。この炭化水素基の炭素数は、25以上70以下の
範囲である。炭素数25以下の炭化水素基では、十分な
滑り、耐傷性が発現しない、処理後に滑り性が悪化する
等の問題を生じる。また、炭素数70以下の片末端が官
能基化された炭化水素化合物としては、長鎖の直鎖また
は分岐脂肪族アルコール等が知られているが、炭素数7
0以上の炭化水素基を持つ化合物は、一般にはほとんど
知られていない。炭素数として、特に好ましいのは、3
0以上、60以下である。また、Yは二価の連結基であ
る。具体的には-C(O)O-,-OCO- 、-C(O)NR'- 、-NR'CO-
、-SO2NR'-、-NR'SO2-、-O- 、-S- 、-NR-、-OCOR''CO
O- 、-OCOR''O- 等をあげる事ができる(R'は、Hまた
は炭素数8 以下の炭化水素基を示す。また、R'' は、炭
素数0 から8 までの炭化水素基を示す)。また、Bは、
-(CH2CH2O)a-、または-(CH2CH(OH)CH2O)b-、または-((C
H2)cCH(R)CH2O)d-、または-(CH2CH2O)e-(CH2CH(OH)CH
2O)f-((CH2)cCH(R)CH2O)g-のいずれかのユニットからな
り、a は3〜40、b 、d は3〜30、c は1〜3、e
は0〜40、f 、g は0〜30であり、e +f +g は3
〜40、RはH、CH3 、フェニル基である。これらの
ノニオン性基の長さは、短すぎると、滑り剤の十分な溶
解性が得られない、または分散したときに十分な分散安
定性が得られない。また、長すぎると十分な滑り、耐傷
性が発現しない、処理後、経時による滑り性の悪化が起
こる等の問題が生じる。上記のノニオン性基のうち特に
好ましいものは-(CH2CH2O)a-であり、a は好ましくは5
〜30である。Dは水素原子、アルキル基などの末端基
である。以上のような本発明に使用されるポリエーテル
含有化合物は、例えば、相当する高級アルコールに通常
の方法によりエチレンオキシドを逐次付加反応させる
か、または相当するジカルボン酸にこの高級アルコール
ポリエーテル付加物を脱水縮合させるか、またはこの高
級アルコールポリエーテル付加物に高級カルボン酸を縮
合させて容易に合成できる。この一般式(3)対一般式
(1)または(2)滑り剤の使用比は、好ましくは1:
9〜9:1、より好ましくは6:4〜2:8である。ま
た、滑り剤の分散方法については後述する。この一般式
(3)で表される化合物の具体例を示す。
【0016】
【化5】
【0017】本発明における平均粒子サイズ0.5μm
以上1.5μm以下の大粒子密度(突起の密度)は1〜
200個/100μm2 であり、5〜100個/100
μm2 が好ましく、5〜50個/100μm2 になると
極めて効果が大きくなり、かつヘイズが低く透明性が高
くて好ましい。
【0018】本発明の透明磁気記録媒体においては磁気
ヘッドに圧力をかけた状態でも約0.1μ〜0.5μm
程度の僅かな隙間を一定に保つことが必要である。この
僅かな隙間によりヘッドに汚れが付着しにくく、ヘッド
汚れによるスペーシングロスで磁気出力が低下すること
がなく、安定した磁気記録再生性能が得られる。
【0019】磁性層とヘッドとの接触状態は上記の大粒
子による突起高さにおいて荷重16kgf/cm2 下、
波長0.5μmでの光学接触率が70%以下であると好
ましいことがわかった。特に60%以下が好ましい。5
〜50個/100μm2 粒子量では光学接触率が0%で
も磁気出力の低下はたかだか10%である。
【0020】本発明の表面突起を得るために用いられる
大粒子について説明すると、球状無機粒子としては、酸
化アルミニウム(α−アルミナ、γ−アルミナ、コラン
ダム等)、酸化クロム(Cr23 )、酸化鉄(α−F
23 )、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化錫等の酸化物、シリコンカーバイト
(SiC)、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイヤ
モンド等の微粉末、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウムバリウム、マン
ガンコロイド等があげられる。
【0021】球状の有機高分子粒子としては、メタクリ
ル樹脂、ポリスチレン、ポリシロキサン、メラミン樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ナイロ
ンなどの樹脂粒子やでんぷん等があり、それらの中でポ
リメタクリル酸メチル、ポリシロキサン、ポリスチレ
ン、メラミン樹脂及びグアナミン樹脂が好ましい。ま
た、無機粒子の上に有機高分子粒子を被覆した粒子でも
よい。また別に、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、イタコン酸ジエステル、クロトン酸エステル、
マレイン酸ジエステル、フタル酸ジエステル、スチレン
誘導体、ビニルエステル類、アクリルアミド類、ビニル
エーテル類、アリル化合物、ビニルケトン類、ビニル異
節環化合物、アリル化合物、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、多官能モノマー類、等の単量体の1種ま
たは2種以上のホモポリマー又はコポリマーを種々の手
段例えば懸濁重合法、スプレードライ法、あるいは分散
法等によって粒子としたものであってもよい。特に好ま
しい粒子としてはシリカ粒子、ポリシロキサン粒子、ベ
ンゾグアナミン粒子、メラミン樹脂粒子、メタクリル樹
脂粒子、またはこれらの複合粒子(組合わせ)である。
これらの球状粒子は厳密な球形でなくてもよい(好まし
くは球形比1.0〜2.0)。
【0022】平均1次粒子径が1.5μmを越えたり、
磁性層表面の突起の高さが0.5μmを越えると、ハロ
ゲン化銀写真として使用する場合にはヘイズが大きくな
ったり、写真の粒状性が低下する表面突起が乳剤層表面
を傷つけたり、磁気再生出力が低下するといった問題が
生じる。また該球状無機又は/及び球状有機高分子粒子
を含有する層の塗布液溶剤の一部又は全部を、該層の下
層を溶解できる溶剤にすることで、該粒子含有層を塗布
する際、下層の一部を溶解し粒子を下層の一部に埋めこ
むことが必要である。その際1つ1つの粒子が体積で5
0%以上埋まっていることが粒子の脱落を防止する上で
好ましく60%以上埋まっていることがさらに好まし
い。粒度分布はシャープなものが圧力下での圧力分散が
できヘッドとの接触面積を小さく保つため好ましい。
【0023】シリカを使用する場合には有機高分子粒子
との併用が乳剤面の傷つき防止から好ましい。形状の均
一性、乳剤面の傷つき防止から有機高分子粒子が特に好
ましい。大粒子の具体的な例としては、以下が挙げられ
るが、この限りではない。以下、カギかっこで示したも
のはいずれも商品名である。 (シリカ)日本触媒(株)製の「シーホスターKEP3
0」、「シーホスタKEP50」、「シーホスタKEP
70」、「シーホスタKEP90」、「シーホスタKE
P100」、「シーホスタKEP150」 (ポリシロキサン)東芝シリコーン(株)製の「トスパ
ール105」、「トスパール108」、「XC99−A
8808」 (PMMA)綜研化学(株)製の「MX−100」、
「MX−150」、日本ペイント(株)製の「P−14
30」、「P−5000」 (メラミン樹脂)日本触媒(株)製「エポスターS1
2」、「エポスターS6」
【0024】本発明では、ヘッドクリーニング性を付与
するために研磨材特にα−アルミナを併用する事が特に
好ましい。αアルミナと他の粒子は重量比で5:95〜
95:5の範囲で併用するのが好ましい。併用の割合は
所望するヘッドクリーニング(ヘッド磨耗)量により調
整される。また、α−アルミナの平均粒子サイズは併用
する他の大粒子の平均粒子サイズより約120%以下の
方がヘッド磨耗量が過大にならないので好ましい。α−
アルミナの例としては以下のものがある。住友化学工業
(株)製「AKP30」、「AKP20」、「AKP1
5」、「AKP10」、「スミコランダム」、「HIT
50」、レイノルズ(株)製「ERC−DBM」、ノー
トン(株)製「Norton−E600」 研磨材の添加層は磁性体含有層でも高級脂肪酸エステル
層でもよい。
【0025】更にヘッド汚れが少なく磁気エラーを少な
くするには、前述の大粒子と研磨材に加えて、0.00
1μm以上0.1μm未満で突起密度が1×102 〜1
×105 個/100μm2 の小粒子を含有することが好
ましい。この大粒子と小粒子がつくる大突起と小突起の
高さの差を約0.05μm 以上とすることが必要であ
る。好ましくは0.1μm 以上0.5μm 以下であり、
最も好ましくは0.1μm 以上0.3μm 以下である。
【0026】平均1次粒子径が0.01μm以上0.1
μm以下の小粒子としては、α−アルミナ、γ−アルミ
ナ、θ−アルミナ、二酸化チタン粒子、シリカ、コロイ
ダルシリカ、及び/又はPMMAが好ましい。但し、本
発明においてはこれら小粒子は磁性層表面に微細な突起
を設けるために使用するものであり、本発明の目的を達
するためにはこれ以外の粒子も使用可能である。小粒子
の具体的な例としては以下が挙げられる。 (α−アルミナ)住友化学工業(株)製「HIT10
0」、「HIT80」、「HIT80G」、「AKP8
0」、「AKP50」 (γ−アルミナ)住友化学工業(株)製「AKP−G0
15」 (θ−アルミナ)住友化学工業(株)製「AKP−G0
08」 (2酸化チタン)出光石油化学(株)製「出光チタニ
ア」 (シリカ)日本触媒(株)製「シーホスタKEP10」 (コロイダルシリカ)日産化学(株)製の「MEK−S
T」、「MIBK−ST」、「メタノールシリカゾル」
「MA−ST−M」、「IPA−ST」 (PMMA)綜研化学(株)製「MS−300K」、
「MS−300S」、日本ペイント(株)製の「P−8
000」、「S−5002」、「P−5002」 (ポリスチレン)日本ペイント(株)製「S500
1」、「P−5001」
【0027】磁気記録層の厚みは0.3μm 以上1.5
μm以下、好ましくは0.5μm 以上1.2μm以下で
ある。磁気記録層の上層の高級脂肪酸エステル層の厚み
は0.01μm以上1.5μm以下である。好ましくは
0.01μm以上1.0μm以下であり、さらに好まし
くは0.01μm以上0.5μm以下である。
【0028】高級脂肪酸エステル層あるいは球状粒子を
含む高級脂肪酸エステル層は、磁性層に接しているすぐ
上層でもよいし、磁性層の上層にさらに別の層を設け
て、その別の層に添加してもよい。
【0029】多数の層がある場合には各層に大小粒子を
同時に添加したり、各層で添加する粒子を別にしたりし
て本発明の目的を達成することも好ましい。また、大小
の粒子を含む層の厚さを大粒子径の90%以下にするこ
とが好ましく、80%以下にすることが特に好ましい。
【0030】透明マット層には磁性体が含まれても良
く、その場合の好ましい添加量は1×10-12 から3×
10-10 mg/μm3 である。
【0031】また、塗設した層内に存在する粒子(2次
粒子を含む)の粒子数で90%以上が1.0μm以下で
あることが好ましい。さらに好ましくは95%以上が
1.0μm以下である。これは極めて均一に磁気ヘッド
に接触できる上、カレンダリング(鏡面加工)の様な後
工程が不要となるためである。この様な粒子はそれぞれ
単独で/又は併せて分散スラリー化され、組み込む層の
塗布液に添加・混合されることが塗布液の経時安定性等
の処方上の許容度が広がり好ましい。
【0032】本発明に使用する粒子の屈折率に特に制限
はないが、粒子を含有する層の屈折率に対して、その差
が0.08以下、より好ましくは0.04以下、さらに
好ましくは0.02以下であることが、ヘイズ等の媒体
の透明性を良化できる点で望ましい。
【0033】本発明に用いられる無機粒子及び有機高分
子粒子および研磨材は、分散液中の粒子の分散性改良や
凝集沈降の改良や、耐久性(粒子の脱落防止など)の改
良、走行性の改良などの目的で、公知の表面処理をほど
こすことが好ましい。たとえばドイツ特許265372
3号、特開平4−251429号、特開平2−7351
3号、特開昭49−59608号、特開昭59−107
426号、特開昭62−202327号、特公平6−1
80746号、特開昭61−77136号、米国特許4
584243号、特開平7−73442号、特公平5−
8592号に記載のごときシランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、アルミカップリング剤、特開平1−
162223号、特開平6−80406号等に記載のご
ときポリマーによる被覆、特公平6−73176号の各
明細書に記載のごとき固体酸による被覆等があげられ
る。また、本発明に用いられる、無機粒子及び有機高分
子粒子は、後述する磁性体と同様な分散方法(分散機な
ど)を選択することができる。
【0034】本発明の磁気記録媒体を写真フイルム上に
設置する場合、磁気記録層側全層のヘイズ度は9%未満
さらには8%未満にすることが好ましい。透明磁気記録
層とは実質的に写真画質に影響を与えない程度の透明性
を有した磁気記録層を指し、ブルーフィルター透過濃度
で0〜0.2、好ましくは0〜0.15、より好ましく
は0〜0.10のものである。
【0035】本発明で用いられる透明磁気記録層に含有
される磁性粒子は、γ−Fe23などの強磁性酸化鉄
(FeOx 、4/3<x≦3/2)、Co被着γ−Fe
23 などのCo被着強磁性酸化鉄(FeOx 、4/3
<x≦3/2)、Co被着マグネタイト、その他Co含
有の強磁性酸化鉄、Co含有マグネタイト、強磁性二酸
化クロム、強磁性金属、強磁性合金、さらにその他のフ
ェライト、例えば六方晶系のBaフェライト、Srフェ
ライト、Pbフェライト、Caフェライトあるいはこれ
らの固溶体またはイオン置換体などを使用できる。
【0036】強磁性体の形状としては針状、米粒状、球
状、立方体状、板状等いずれでもよいが、針状が電磁変
換特性上好ましい。粒子サイズは、針状の場合は粒子サ
イズ(長軸長)が0.01〜0.5μm、長軸と短軸の
比は50:1〜2:1が好ましく、更に長軸は0.1〜
0.35μm、長軸と短軸の比は20:1〜3:1がよ
り好ましい。粒子の比表面積はSBET で30m2 /g以
上が好ましく、40m2 /g以上が特に好ましい。磁性
体の粒子サイズ分布はできるだけシャープな方が磁気性
能、ヘイズ上から好ましい。強磁性体の飽和磁化(σ
s)は50emu/g以上、さらに好ましくは70em
u/g以上である。また、強磁性体の角型比(σr/σ
s)は40%以上、さらには45%以上が好ましい。保
磁力(Hc)は200 Oe以上3000 Oe以下、
好ましくは500 Oe以上2000 Oe以下であ
る。磁性粒子の磁気記録層の含有量は磁気読み取り性能
と透明性のバランスから10〜100mg/m2 が好ま
しい。
【0037】これらの強磁性体粒子を、例えば特開昭5
9−23505や特開平4−096052記載のものな
どのような、シリカおよび/またはアルミナで表面処理
してもよい。また、特開平4−195726、同4−1
92116、同4−259911、同5−081652
記載のような無機および/または有機の素材による表面
処理を施してもよい。さらに、これらの強磁性体粒子は
その表面にシランカップリング剤又はチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。カップリング剤としては例え
ば、3−メルカプトプロピル トリメトキシシラン、3
−イソシアニルプロピル メチルジメトキシシラン、3
−(ポリ(重合度10)オキシエチニル)オキシプロピ
ル トリメトキシシラン、3−メトキシ(ポリ(重合度
6)オキシエチニル)オキシプロピル トリメトキシシ
ラン、デシルトリメトキシシランなどが用いられる。こ
れらのシランカップリング剤及びチタンカップリング剤
の磁気粒子に対する添加量は1.0〜200重量%であ
る。好ましくは1〜75重量%であり、より好ましくは
2〜50重量%である。又、これらのシランカップリン
グ剤及びチタンカップリング剤は磁気粒子への直接処理
方法やインテグラルブレンド法によって処理され、直接
法には乾式法、スラリー法、スプレー法がある。乾式法
では例えば、磁気粒子と少量の水、または有機溶剤、ま
たは水を含有する有機溶剤およびカップリング剤を混合
しオープンニーダーで攪拌して水、有機溶剤を除去した
後、更に微細分散するのが好ましい。
【0038】上記磁性体を後述するバインダー中に分散
する方法は、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく、ニーダーとピン型ミル、もしくはニー
ダーとアニュラー型ミルの併用も好ましい。ニーダーと
しては、開放型(オープン)、密閉型、連続型などがあ
り、その他3本ロールミル、ラボプラストミル等の混練
機も用いられる。またマイクロフルイダイザーによる分
散も好ましい。
【0039】磁気記録層の厚みは3μm以下、好ましく
は1.5μm以下、より好ましくは1.0μm以下であ
る。磁気記録層としての保磁力は500 Oe以上30
00Oe以下、好ましくは800 Oe以上1500
Oe以下である。
【0040】磁気記録層は写真用支持体の全面またはス
トライプ状に設けることができる。支持体上に塗布され
た磁気記録層は必要により層中の磁性材料を直ちに乾燥
しながら配向させる処理を施したのち、形成した磁気記
録層を乾燥する。磁性体を配向させるには永久磁石やソ
レノイドコイルを用いる方法がある。永久磁石の強度は
2000 Oe以上が好ましく、3000 Oe以上が
特に好ましい。ソレノイドの場合は500 Oe以上で
もよい。また、乾燥時の配向のタイミングは磁気記録層
内の残留溶剤が5%〜70%の地点が望ましい。
【0041】本発明に用いられる磁気記録層等のバイン
ダーは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、
アルカリもしくは生分解性ポリマー、天然物重合体(セ
ルロース誘導体、糖誘導体など)およびこれらの混合物
を使用することができる。上記樹脂のTgは−40℃〜
300℃、重量平均分子量は0.2万〜100万、より
好ましくは0.5万〜30万である。
【0042】更に、磁気記録層を構成するバインダーの
中で置換度1.7〜2.9のセルロースエステルが、好
ましく用いられる。特に好ましいのはセルロースジアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、セルロース
アセテートプロピオネートである。
【0043】上記のバインダー中に、極性基(エポキシ
基、CO2 M、OH、NR2 、NR3 X、SO3 M、O
SO3 M、PO32 、OPO32 、ただしMは水
素、アルカリ金属またはアンモニウムであり、一つの基
の中に複数のMがあるときは互いに異なっていてもよ
い、Rは水素またはアルキル基である)を導入してあっ
てもよい。
【0044】上記バインダーは単独または数種混合で使
用され、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系
の架橋剤を添加してあっても良い。架橋剤を使用するこ
とにより、層そのもの、あるいは層間の接着を強化でき
る。イソシアネート系架橋剤としてはイソシアネート基
を2個以上有するポリイソシアネート化合物で、たとえ
ばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメ
タンジイソシアネートなどのイソシアネート類、これら
のイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物
(例えば、トルレンジイソシアナート3molとトリメ
チロールプロパン1molの反応生成物)、及びこれら
のイソシアネート類の縮合により生成したポリイソシア
ネートなどが挙げられる。上記架橋剤の中で特に好まし
いのは下記の一般式(4)で表されるイソシアネート系
架橋剤である。
【0045】
【化6】
【0046】一般式(4)においてnは1〜50の範囲
が好ましいが、より好ましくは0〜30、さらに好まし
くは0〜10である。n数は単一である必要はなく、分
布を持っていても構わない。φはベンゼン環を表す。m
は1〜2の整数である。R1、R2 、R3 はH、アルキ
ル基(C1 以上)、あるいはアリール基(C6 以上)で
ある。この様な架橋剤の好ましい粘度は50(cP/2
5℃)〜1000(cP/25℃)である。またこのよ
うな架橋剤の好ましいNCO含有率は20〜40%であ
る。より好ましくは25〜35%である。この様な架橋
剤の市販品としては、日本ポリウレタン(株)製の「ミ
リオネートMT」、「ミリオネートMR−100」、
「ミリオネートMR−200」、「ミリオネートMR−
300」、「ミリオネートMR−400」、住友バイエ
ルウレタン(株)製の「スミジュール44V10」(以
上、いずれも商品名)等が挙げられる。
【0047】上記架橋剤の塗布量は、3mg/m2 以上
1000mg/m2 以下で含まれることが好ましいが、
より好ましくは5mg/m2 以上500mg/m2 以下
であり、さらに好ましくは10mg/m2 以上300m
g/m2 以下である。このような架橋剤が充分に架橋を
行うために、50℃以上、好ましくは70℃以上で、1
分〜72時間の加熱乾燥を行うことが好ましい。
【0048】上記の様な架橋剤を使用する際、3級アミ
ン系、金属塩系、DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ
〔5,4,0〕ウンデセン−7)系化合物の中から少な
くとも1種類以上を同時に使用することで、層そのも
の、あるいは層とこれに隣接する層との架橋反応速度を
促進させることができ、耐久性向上のための架橋反応時
間を短縮させることができる。3級アミン系では、例え
ば、Bruinsらの”Polyurethane T
echnology”P.25,Interscien
ce(1960)に記載されているような、テトラメチ
ルブタンジアミンや1,4−ジアザビシクロ〔2,2,
2〕オクタンやトリエチルアミンなどが挙げられる。ま
た金属塩系では、例えば、ジブチルすずジラウレート、
オクトエ酸すず、ナフテン酸コバルト、塩化第1すず、
テトラ−n−ブチルすず、塩化第2すず、トリメチルす
ずヒドロキシド、ジメチル2塩化すずなどが挙げられ
る。このような化合物は、例えば、磁気記録層塗布液中
に上記架橋剤とともに添加した後、塗布するか、または
/さらに磁気記録層の下層または/さらに上層の塗布液
中に添加しておいて、磁気記録層への該化合物の拡散を
利用しても良い。
【0049】本発明で使用されるフイルム支持体として
はトリアセチルセルロース(TAC)、ポリアミド、ポ
リカーボネート及びポリエステル等があり、ポリエステ
ルが好ましい。これらのポリエステルの好ましい平均分
子量の範囲は約5000ないし200000である。本
発明で用いられるポリエステルはそのTgが70℃以上
170℃以下であり、90℃以上150℃以下が好まし
い。具体的には下記のような化合物例を示すことができ
る。
【0050】 化合物例 P−1:〔テレフタル酸(TPA)/エチレングリコール(EG)) (100/100)〕 (PET) Tg=80℃ P−2:〔2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDCA)/エチレングリコール (EG)(100/100)〕(PEN) Tg=119℃ P−3:2,6−NDCA/TPA/EG(50/50/100) Tg=92℃ P−4:PEN/PET(60/40) Tg=95℃ P−5:PEN/PET(80/20) Tg=104℃
【0051】ポリエステルの中で好ましいのは2,6−
ナフタレンジカルボン酸を含むポリエステルであり、全
ジカルボン酸中に2,6−ナフタレンジカルボン酸を1
0モル%以上含むポリエステルである。中でも特に好ま
しいのはポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキ
シレートである。また、支持体の厚みは80〜115μ
mが好ましく、特に好ましくは85〜105μmであ
る。更にポリエステル支持体は感光層を塗布する前に4
0℃以上ガラス転移温度以下の温度で、0.1〜150
0時間熱処理を施すと、ロール状の感光材料としたと
き、巻きぐせをつきにくくすることができる。
【0052】TAC支持体では、トリフェニルフォスフ
ェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ジメチ
ルエチルフォスフェート等の可塑剤を通常添加する。支
持体はベース色味のニュートラル化、ライトパイピング
防止、ハレーション防止などの目的のために染料を含有
してもよい。これら支持体上に写真層(例えば、感光性
ハロゲン化銀乳剤層、中間層、フィルター層、磁気記録
層、導電性層)を強固に接着させるために、薬品処理、
機械的処理、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、
高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レー
ザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理などの表面活性化
処理をした後、直接写真乳剤を塗布して接着力を得ても
良いし、一旦これらの表面処理をした後、あるいは表面
処理無しで下塗り層を設け、この上に写真乳剤層を塗布
しても良い。
【0053】また、本発明の透明な磁気記録媒体には、
そのほか、染料、界面活性剤等を含有する事が出来る。
さらに、本発明の透明磁気記録媒体の透明磁気記録層側
の少なくともいずれか1層にシリコーン系化合物やフッ
素系化合物(含フッ素化合物)を組み込むことは、媒体
表面に汚れが付着しにくくなり、従って、磁気ヘッド表
面に汚れが転写しにくくなるので、磁気入出力トラブル
を低減できる点で好ましい。例えば、住友3M(株)製
のFC−431等が挙げられる。本発明の透明磁気記録
媒体に用いられる滑り剤としては、例えば、高級脂肪酸
エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数10〜6
0のアルコールのエステル)が好ましい。滑り剤の使用
量は0.001〜0.1g/m2 が好ましく、より好ま
しくは0.005〜0.05g/m2 である。
【0054】特に本発明で好ましい磁気記録媒体とし
て、ハロゲン化銀感光層を含むカラーリバーサルフイル
ムとカラーネガフイルムをあげることができる。特に一
般用カラーネガフイルムが好ましい。ハロゲン化銀乳剤
は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増感を行った
ものを使用する。本発明の効果は、金化合物と含イオウ
化合物で増感した乳剤を使用したときに特に顕著に認め
られる。このような工程で使用される添加剤はリサーチ
・ディスクロージャーNo.17643および同No.
18716に記載されており、その該当箇所を後に挙げ
た。
【0055】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の2つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤種類 RD17643 RD18716 1 化学増感剤 23頁 648頁右欄 2 感度上昇剤 同上 3 分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 強色増感剤 649頁右欄 4 増 白 剤 24頁 5 かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄〜 および安定剤 6 光吸収剤、 649頁右欄〜 フィルター染料、 25〜26頁 650頁左欄 紫外線吸収剤 7 ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8 色素画像安定剤 25頁 9 硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10 バインダー 26頁 同上 11 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁左欄 12 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 表面活性剤
【0056】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】1)第1層及び下塗り層 厚さ90μm のポリエチレンナフタレート支持体につい
て、その各々の両面に、処理雰囲気圧力0.2Tor
r、雰囲気気体中のH2 O分圧75%、放電周波数30
kHz、出力2500W、処理強度0.5kV・A・分
/m2 でグロー放電処理を施した。この支持体上に、第
1層として下記組成の塗布液を特公昭58−4589号
公報のバー塗布法を用いて、5cc/m2 の塗布量で塗
布した。 導電性微粒子分散液(SnO2 /Sb25 粒子濃度 50 重量部 10%の水分散液、1次粒子径0.005μm の 2次凝集体でその平均粒径が0.05μm ) ゼラチン 0.5 重量部 水 49 重量部 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル 0.16 重量部 ポリ(重合度20)オキシエチレン 0.1 重量部 ソルビタンモノラウレート
【0058】さらに、第1層を塗設後、直径20cmの
ステンレス巻芯に巻付けて、110℃(PEN支持体の
Tg:119℃)で48時間加熱処理し熱履歴させてア
ニール処理をした後、支持体をはさみ第1層側と反対側
に乳剤用の下塗り層として下記組成の塗布液をバー塗布
法を用いて、10cc/m2 の塗布量で塗布した。 ゼラチン 1.01 重量部 サリチル酸 0.30 重量部 レゾルシン 0.40 重量部 ポリ(重合度10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.11 重量部 水 3.53 重量部 メタノール 84.57 重量部 n−プロパノール 10.08 重量部 さらに、後述する第2、第3層を、第1層の上に順に塗
設し、最後に、特開平7−287345号公報の実施例
1に記載された、カラーネガ感光材料を反対側に重層塗
布することで、ハロゲン化銀乳剤層付き透明磁気記録媒
体を作製した。
【0059】2)第2層(透明磁気記録層) 1.磁性体の分散 Co被着γ−Fe23 磁性体(平均長軸長:0.25
μm、SBET :39m2 /g、Hc:831 Oe、σ
s :77.1emu/g、σr :37.4emu/g)
1100重量部、水220重量部及びシランカップリン
グ剤〔3−(ポリ(重合度10)オキシエチニル)オキ
シプロピル トリメトキシシラン〕165重量部を添加
して、オープンニーダーで3時間良く混練した。この粗
分散した粘性のある液を70℃で1昼夜乾燥し水を除去
した後、110℃で1時間加熱処理し、表面処理をした
磁気粒子を作製した。
【0060】さらに以下の処方で、再びオープンニーダ
ーにて4時間混練した。 上記表面処理済み磁気粒子 855 g ジアセチルセルロース 25.3 g メチルエチルケトン 136.3 g シクロヘキサノン 136.3 g
【0061】さらに、以下の処方で、サンドミル(1/
4Gのサンドミル)にて2000rpm、4時間微細分
散した。メディアは1mmΦのガラスビーズを用いた。 上記混練液 45 g ジアセチルセルロース 23.7 g メチルエチルケトン 127.7 g シクロヘキサノン 127.7 g
【0062】さらに、以下の処方で、磁性体含有中間液
を作製した。 2.磁性体含有中間液の作製 上記磁性体微細分散液 50.8 g ジアセチルセルロース溶液 1914.7 g (固形分4.5%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) これらをディスパ−にて撹拌・混合し、「磁性体含有中
間液」を作製した。
【0063】以下の処方で本発明の研磨材分散液を作製
した。 3.スミコランダムAA−1(平均1次粒子径1.2μm)粒子分散液の作製 スミコランダムAA−1 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン社製) 3.8 g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0064】4.コロイダルシリカ粒子分散液(微粒
子) 日産化学(株)製の「MEK−シリカゾル」を使用し
た。これは、メチルエチルケトンを分散媒とした、平均
1次粒子径0.015μmのコロイダルシリカの分散液
であり、固形分は30%である。
【0065】 第2層塗布液の作製 (本発明2−A塗布液) 上記磁性体含有中間液 3500 g コロイダルシリカ分散液 98 g ミリオネートMR−400(日本ポリウレタン(株)製) 8 g メチルエチルケトン 15.5 g シクロヘキサノン 15.5 g この塗布液をワイヤーバーにて、塗布量29.3cc/
2 になるように塗布した。乾燥は110℃で行った。
乾燥後の磁性層厚みは1.0μmだった。
【0066】(本発明2−B塗布液)(2−A塗布液)
にスミコランダムAA−1分散液を29.4g添加して
(2―A塗布液)と同様に塗布、乾燥を行い、スミコラ
ンダムAA−1は10mg/m2 で塗布された。乾燥後
の磁性層厚みは粒子の突起を除いて1.0μmだった。
【0067】3)第3層 1.滑り剤の分散原液の作成 下記のa液を90℃加温溶解し、b液に添加後、高圧ホ
モジナイザーで分散し滑り剤の分散原液を作成した。 a液 下記化合物 0.75 重量部 C613CH(OH)(CH210COOC50101 下記化合物 0.75 重量部 n−C50101 O(CH2 CH2 O)16H キシレン 2.11 重量部 プロピレングリコール− 0.08 重量部 モノメチルエーテル b液 シクロヘキサノン 96.3 重量部
【0068】2.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、トスパールXC99−A8808(ポ
リシロキサン球状粒子、平均一次粒子径0.9μm)の
分散液を作製した。 トスパールXC−99 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0069】3.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、シーホスタKEP50(シリカ球状粒
子、平均一次粒子径0.5μm:日本触媒製)の分散液
を作製した。 シーホスタKEP50 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0070】4.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、シーホスタKEP70(シリカ球状粒
子、平均一次粒子径0.7μm日本触媒製)の分散液を
作製した。 シーホスタKEP70 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0071】5.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、シーホスタKEP100(シリカ球状
粒子、平均一次粒子径1.0μm:日本触媒製)の分散
液を作製した。 シーホスタKEP100 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0072】6.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、シーホスタKEP150(シリカ球状
粒子、平均一次粒子径1.5μm:日本触媒製)の分散
液を作製した。 シーホスタKEP150 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0073】7.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、エポスターS6(ベンゾグアナミン球
状粒子、平均一次粒子径0.6μm:日本触媒製)の分
散液を作製した。 エポスターS6 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0074】8.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、エポスターS12(ベンゾグアナミン
球状粒子、平均一次粒子径1.2μm:日本触媒製)の
分散液を作製した。 エポスターS12 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0075】9.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、FX−GSZ13(無機有機複合球状
粒子、平均一次粒子径1.3μm:日本触媒製)の分散
液を作製した。 FX−GSZ13 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0076】10.大粒子分散液の作製 以下の処方にて、MX−100α(PMMA球状粒子、
平均一次粒子径1.0μm:綜研化学製)の分散液を作
製した。 MX−100α 10 g シランカップリング剤KBM903(信越シリコン製) 3.8g ジアセチルセルロース溶液 190 g (固形分3%、溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1) 氷冷・撹拌しながら、超音波ホモジナイザー「SONI
FIER450(BRANSON(株) 製)」を用いて
3時間分散した。
【0077】第3層塗布液の作製(比較塗布液3−A) 上記滑り分散原液482gに下記の溶剤を加え塗布液と
した。 溶剤 イソプロピルアルコール 3243 g メタノール 115 g シクロヘキサノン 144 g 下記化合物 0.73 g C817SO2 N(C37 )(CH2 CH2 O)4 − (CH24 SO3 Na ポリエステル変性シリコーン溶液 2.88 g (BYKケミジャパン(株) 製、 商品名BYK310、固形分含量25%)
【0078】上記第3層塗布液を第2層の上に10.4
cc/m2 の塗布量で塗布し、90℃で乾燥した。
【0079】(比較塗布液3−A)の溶剤をイソプロピ
ルアルコール1751g、シクロヘキサノン1751g
に変更した他は(3−A)と同様にして(比較塗布液3
−B)をつくり、(3−A)と同様に塗布した。
【0080】(比較塗布液3−A)の溶剤をMEK17
51g、シクロヘキサノン1751gに変更した他は
(3−A)と同様にして(比較塗布液3−C)をつく
り、(3−A)と同様に塗布した。
【0081】(比較塗布液3−A)の溶剤を酢酸エチル
1751g、シクロヘキサノン1751gに変更した他
は(3−A)と同様にして(比較塗布液3−D)をつく
り、(3−A)と同様に塗布した。
【0082】(比較塗布液3−A)の溶剤をアセト酢酸
メチル1751g、シクロヘキサノン1751gに変更
した他は(3−A)と同様にして(本発明塗布液3−
E)をつくり、(3−A)と同様に塗布した。
【0083】(比較塗布液3−A)の溶剤をアセト酢酸
エチル1751g、シクロヘキサノン1751gに変更
した他は(3−A)と同様にして(本発明塗布液3−
F)をつくり、(3−A)と同様に塗布した。
【0084】第3層塗布液の作製(本発明塗布液3−
G) 前述の滑り分散原液482gに下記の溶剤を加え塗布液
とした。 溶剤 アセト酢酸メチル 1751 g シクロヘキサノン 1751 g 大粒子分散液トスパールXC99−A8808 80 g 下記化合物 0.73 g C817SO2 N(C37 )(CH2 CH2 O)4 − (CH24 SO3 Na ポリエステル変性シリコーン溶液 2.88 g (BYKケミジャパン(株) 製、 商品名BYK310、固形分含量25%)
【0085】上記第3層塗布液を第2層の上に10.4
cc/m2 の塗布量で塗布し、90℃で乾燥した。大粒
子は10mg/m2 塗布された。
【0086】(本発明塗布液3−G)の大粒子分散液を
シーホスタKEP50に変えた他は(本発明塗布液3−
G)と同様に(本発明塗布液3−H)を作製して、(本
発明塗布液3−G)と同条件で塗布した。
【0087】(本発明塗布液3−G)の大粒子分散液を
シーホスタKEP70に変えた他は(本発明塗布液3−
G)と同様に(本発明塗布液3−I)を作製して、(本
発明塗布液3−G)と同条件で塗布した。
【0088】(本発明塗布液3−G)の大粒子分散液を
シーホスタKEP100に変えた他は(本発明塗布液3
−G)と同様に(本発明塗布液3−J)を作製して、
(本発明塗布液3−G)と同条件で塗布した。
【0089】(本発明塗布液3−G)の大粒子分散液を
エポスターS6に変えた他は(本発明塗布液3−G)と
同様に(本発明塗布液3−K)を作製して、(本発明塗
布液3−G)と同条件で塗布した。
【0090】(本発明塗布液3−G)の大粒子分散液を
エポスターS12に変えた他は(本発明塗布液3−G)
と同様に(本発明塗布液3−L)を作製して、(本発明
塗布液3−G)と同条件で塗布した。
【0091】(本発明塗布液3−G)の大粒子分散液を
FX−GSZ13に変えた他は(本発明塗布液3−G)
と同様に(本発明塗布液3−M)を作製して、(本発明
塗布液3−G)と同条件で塗布した。
【0092】(本発明塗布液3−G)の大粒子分散液を
MX−100αに変えた他は(本発明塗布液3−G)と
同様に(本発明塗布液3−N)を作製して、(本発明塗
布液3−G)と同条件で塗布した。こうして作成した本
発明の各試料の第3層のアセト酢酸エステル含有量は、
0.1〜100μl/m2 の範囲であった。
【0093】以上で用いた塗布液を表1に示した。
【0094】ヘイズの測定 日本電色工業(株) 製のヘイズ計「VGS−1001D
P」を用いて、ハロゲン化銀乳剤層を塗設する前の段階
の試料について下塗層を脱膜後ヘイズ度を測定した。こ
の時、光は透明磁気記録層側から入射するように測定し
た。透明磁気記録媒体のヘイズ度が9%未満の試料を
○、9%以上の試料を×(N.G.)と判定した。尚、
ヘイズ度は以下のように定義される。 T=D+PT PT:平行透過率 H=(D/T)×100(%) T:全透過率 D:拡散 H:ヘイズ度(濁度)
【0095】磁気入出力性能の評価 作成した広幅フイルムを24mm幅にスリットし、カー
トリッジに組み込み加工し、APSカメラ用40枚取り
フイルムを得た。このフイルムを富士写真光機(株)製
APSカメラ「EPION300」にて露光し、磁気記
録層に撮影条件を磁気記録した。この後、富士写真フイ
ルムのCN−16Xケミカル処方において電導度200
0μS cm-1のN4液を使用して現像処理を行った。現
像機は富士写真フイルム(株) 製のシネ式自動現像機F
NCP−900を用いた。この処理条件は通常よりも処
理液濃度を高くしてフイルム表面への処理液付着量を多
くした条件である。現像処理後の試料を富士写真フイル
ム(株)製アタッチャ「AT−100」を使用してカー
トリッジに巻き込んだ。次いで、富士写真フイルム
(株)製ネガキャリア「NC240S」を使用して常温
・常湿にてフイルムを50本連続して読み取り、磁気性
能を評価した。上記評価条件は透明磁気記録層表面に残
存する現像処理液の乾固物を主成分とする汚れが、試料
走行時に磁気ヘッド表面に転写・蓄積し、スペースロス
損失により信号出力が小さくなり磁気読みとりエラーが
発生することから採用した。再生出力が、磁気ヘッドに
汚れの無い場合の理想的な再生出力に対し、35%減少
したときに出力低下(磁気エラー)とした。 出力低下50本まで発生なし:○ 出力低下40本で発生 :○△ 出力低下30本で発生 :△ 出力低下20本で発生 :× 出力低下10本以下で発生 :×× また、50本走行後のヘッドの汚れを観察した。 ほとんど無し :○ ややあり :○△ あり :△ 多い :× 非常に多い :×× と判定した。
【0096】
【表1】
【0097】表1よりわかる様に、本発明試料におけ
る、磁気入出力性能の改良効果は顕著であり、確実な磁
気入出力性能と透明性を兼ね備えた優れた透明磁気記録
媒体を提供することができる。また大粒子があると特に
優れた性能を示す。
【0098】実施例2 次に第3層の塗布液である(本発明3―G塗布液)に対
して、大粒子XC99の量を変えた塗布液を作製した。
塗布後に20個/100μm2 になる塗布液を(本発明
3―O塗布液)とした。塗布後に40個/100μm2
になる塗布液を(本発明3―P塗布液)とした。塗布後
に100個/100μm2 になる塗布液を(本発明3―
Q塗布液)とした。同様に(本発明3―J塗布液)に対
して、大粒子KEP100の量を変えた塗布液を作製し
た。塗布後に20個/100μm2 になる塗布液を(本
発明3―R塗布液)とした。塗布後に40個/100μ
2 になる塗布液を(本発明3―S塗布液)とした。塗
布後に100個/100μm2 になる塗布液を(本発明
3―T塗布液)とした。こうして作成した本発明の各試
料の第3層のアセト酢酸エステル含有量は、0.1〜1
00μl/m2 の範囲であった。
【0099】評価試験 磁気入出力性能の評価は富士写真フイルム(株)製ネガ
キャリア「NC240S」を使用する条件を常温、湿度
20%RHにしたほかは実施例1と同様に行った。その
結果を表2に示した。湿度を20%RHにした理由は磁
気ヘッドに付着する汚れをより硬く、とれにくくするた
めである。
【0100】
【表2】
【0101】表2からわかるように本発明は湿度20%
RHの過酷な条件でも良好な磁気入出力性能を示し、か
つ大粒子が5〜50個/100μm2 の時にヘイズも磁
気入出力性能も良好となる。それ以上増やしても磁気入
出力性能は良化しない。また研磨材粒子を含んでいると
特に低湿度の時に良好なことがわかる。
【0102】実施例3 前述した本発明試料すべてにおいて、それぞれ、第2層
の磁性体塗布量を0.6倍にし、乳剤層を反転カラー乳
剤層である特開平2−854実施例1の試料101と同
様にして、さらに現像処理を特開平2−854実施例1
に示されるようなカラ−リバ−サル感材用の現像処理法
により実施する以外は、前述本発明試料とそれぞれ同様
に行ったところ、全く同じ改良効果(結果)が得られ、
透明性と磁気入出力性能が両立した、優れたハロゲン化
銀乳剤層付き透明磁気記録媒体が得られた。
【0103】
【発明の効果】本発明により、確実な磁気入出力性能と
透明性を兼ね備えた、優れた透明磁気記録媒体を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/633 G11B 5/633 5/72 5/72 // C10N 40:18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の磁性粒子を
    含む磁気記録層を有する磁気記録媒体において、該磁気
    記録層側の上層に、アセト酢酸エステルを100μl/
    2 以下の量含む滑り剤含有層を有することを特徴とす
    る透明磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 滑り剤含有層が高級脂肪酸エステルを含
    有することを特徴とする請求項1記載の透明磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 滑り剤含有層の溶媒が、アセト酢酸エス
    テルとシクロヘキサノンとを有してなり、溶媒中の、ア
    セト酢酸エステルの割合が50重量%以上であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の透明磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 該磁気記録層の上層に滑り剤とともに平
    均粒子サイズ0.5μm以上、1.5μm以下の球状無
    機粒子および/または球状有機高分子粒子が突起密度1
    〜200個/100μm2 で塗布され、かつ該球状粒子
    が下層に粒子径の2分の1以上沈むように塗布せしめた
    請求項1、2又は3に記載の透明磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 該球状粒子がシリカ、ポリシロキサン粒
    子、ベンゾグアナミン粒子、メラミン樹脂粒子、メタク
    リル樹脂粒子、またはこれらの組合わせであることを特
    徴とする請求項4に記載の透明磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 該球状粒子が5個/100μm2 〜50
    個/100μm2 であることを特徴とする請求項4又は
    5に記載の透明磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 モース硬度6以上、平均粒子サイズ0.
    2〜2.0μmの研磨材粒子を1mg/m2 〜60mg
    /m2 含有することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5又は6に記載の透明磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 該アセト酢酸エステル化合物がアセト酢
    酸メチルおよび/またはアセト酢酸エチルであることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載
    の透明磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 該透明磁気記録層の反対面側の支持体上
    に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又
    は8に記載の透明磁気記録媒体。
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