JPH11255797A - 新規抗真菌化合物 - Google Patents

新規抗真菌化合物

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JPH11255797A
JPH11255797A JP10296566A JP29656698A JPH11255797A JP H11255797 A JPH11255797 A JP H11255797A JP 10296566 A JP10296566 A JP 10296566A JP 29656698 A JP29656698 A JP 29656698A JP H11255797 A JPH11255797 A JP H11255797A
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JP
Japan
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compound
spectrum
prodrug
water
deuterium
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Application number
JP10296566A
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English (en)
Inventor
Takahisa Ooyama
高央 大山
Hiroko Kurihara
裕子 栗原
Tomio Ishikawa
富雄 石川
Taisuke Ono
泰典 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規抗真菌化合物を提供する。 【解決手段】下記式(A) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,3−β−グル
カン合成阻害活性を有する新規抗真菌化合物、それらの
製造方法、それらの生産能を有する微生物、それらを有
効成分として含有する医薬、それらを有効成分として含
有する抗真菌剤、それらの使用及びそれらを有効成分と
して含有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】医療現場における抗菌性抗生物質の繁
用、白血病や後天性免疫不全症候群などにより免疫力の
低下したいわゆるコンプロマイズドホストの増加、真菌
同定法の発達などにより、近年では深在性真菌症例が増
加している。それに対し現在わが国で市販されている抗
深在性真菌剤は、有効性、抗菌スペクトル、安全性等の
面からみて満足しうるものは少なく、さらに、耐性菌が
出現しつつあることなどの問題がある。このように、臨
床ではこれらの欠点を克服した新しい抗真菌剤が待ち望
まれている。かかる状況下、真菌の主要な細胞壁構成成
分である1,3−β−グルカンの合成を阻害する薬剤す
なわち1,3―β―グルカン合成酵素阻害剤は、その標
的が真菌に特異的であること、殺菌的作用も期待できる
こと、等から安全で効果的な抗真菌薬となる可能性があ
り、とくに期待がもたれている。
【0003】該酵素阻害剤としては、これまでにパプラ
カンジン類(Roemmele,G. et al.
(1983)Journal of Antibiot
ics,36,p1539以下参照)、エキノカンジン
類(Debono,M. etal.(1995)Jo
unal of Medicinal Chemist
ry,38,p3271以下参照)、ニューモカンジン
類(Hensens,O.D. et al.(199
2)Journal of Antibiotics,
45,p1875以下参照)、アクレアシン類(Tak
eshima,H. et al.(1989)Jou
rnal of Biochemistry,105,
p606以下参照)などが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、糸状菌
培養液より有用な抗真菌活性を有する新規化合物を採取
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、1,3−
β−グルカン合成酵素阻害活性を有し、ヒトおよび動物
の真菌感染症の治療剤として有用な新規化合物、それら
の製造方法、それらの生産能を有する微生物、それらを
有効成分として含有する医薬、それらを有効成分として
含有する抗真菌剤、それらの使用及びそれらを有効成分
として含有する組成物を提供することを目的としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)下記式
(A)
【0006】
【化7】 で示され、下記の理化学的性状を有する化合物I又はそ
のプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C571011318; 3)分子量:1255(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[ M+Na]+(C5710113
18Naとして) 実測値:1278.7295 計算値:1278.7285; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3310、3069、2928、2856、16
64、1536、1454、1379、1249、11
04、1024、610; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);ジ
ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシド(dim
ethyl sulfoxide:以下、「DMSO」
と記す。)中で、ジュウテリウム置換したDMSO(以
下、「重DMSO」と記す。)の溶媒スペクトルを内部
標準として測定した核磁気共鳴スペクトル(90MH
z)は、次に示す通りである;177.5(s)、17
3.4(s)、173.0(s)、172.3(s)、17
2.3(s)、171.9(s)、171.5(s)、17
0.8(s)、170.7(s)、170.7(s)、17
0.5(s)、170.5(s)、169.0(s)、69.
6(d)、69.1(d)、67.6(d)、67.4(d)、
66.7(d)、58.8(d)、58.2(d)、54.1
(d)、53.4(d)、49.6(d)、49.3(d)、4
9.3(d)、48.5(d)、42.2(t)、37.2
(t)、37.2(t)、36.9(t)、36.5(t)、3
6.1(t)、36.1(t)、35.3(t)、34.5
(t)、33.3(t)、31.5(t)、31.3(t)、2
9.3(t)、29.2(t)、29.1(t)、29.0
(t)、29.0(t)、28.7(t)、28.7(t)、2
7.5(t)、26.2(t)、25.6(t)、25.3
(t)、25.2(t)、22.3(t)、22.1(t)、2
0.4(q)、19.6(q)、17.1(q)、14.0
(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶; 8)アミノ酸分析:加水分解物としてアスパラギン酸、
スレオニン、アラニン、グリシン、β−アラニンが認め
られた、(2)下記式(B)
【0007】
【化8】 で示され、下記の理化学的性状を有する化合物II又は
そのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C591051318; 3)分子量:1283(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C591061318
して) 実測値:1284.7784 計算値:1284.7778; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1): 3317、3068、2928、2855、1662、
1536、1455、1409、1378、1294、
1258、1105、589; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);重
DMSO中で、重DMSOの溶媒スペクトルを内部標準
として測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである;177.5(s)、173.4
(s)、173.0(s)、172.3(s)、172.3
(s)、171.9(s)、171.5(s)、170.8
(s)、170.7(s)、170.7(s)、170.5
(s)、170.5(s)、169.0(s)、69.6
(d)、69.1(d)、67.6(d)、67.4(d)、6
6.7(d)、58.8(d)、58.2(d)、54.2
(d)、53.4(d)、49.6(d)、49.3(d)、4
9.3(d)、48.5(d)、42.2(t)、37.2
(t)、37.2(t)、37.2(t)、36.5(t)、3
6.2(t)、36.2(t)、35.3(t)、34.6
(t)、33.3(t)、31.5(t)、31.4(t)、3
1.3(t)、29.3(t)、29.3(t)、29.1
(t)、29.0(t)、29.0(t)、28.9(t)、2
8.7(t)、28.7(t)、26.2(t)、25.6
(t)、25.3(t)、25.2(t)、25.2(t)、2
2.1(t)、22.1(t)、20.4(q)、19.6
(q)、17.1(q)、14.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶; 8)アミノ酸分析:加水分解物としてアスパラギン酸、
スレオニン、アラニン、グリシン、β−アラニンが認め
られた、(3)下記式(C)
【0008】
【化9】 で示され、下記の理化学的性状を有する化合物III又
はそのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C581031318; 3)分子量:1269(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C581041318
して) 実測値:1270.7628 計算値:1270.7622; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3308、3068、2928、2856、16
63、1538、1436、1407、1380、12
97、1252、1105、1023、590; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);重
DMSO中で、重DMSOの溶媒スペクトルを内部標準
として測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである;177.5(s)、173.5
(s)、173.0(s)、172.4(s)、172.4
(s)、171.9(s)、171.6(s)、170.8
(s)、170.7(s)、170.7(s)、170.5
(s)、170.5(s)、169.1(s)、69.6
(d)、69.1(d)、67.6(d)、67.4(d)、
66.8(d)、58.8(d)、58.3(d)、54.2
(d)、53.4(d)、49.7(d)、49.4(d)、4
9.3(d)、48.5(d)、42.2(t)、37.3
(t)、37.3(t)、37.2(t)、36.5(t)、3
6.2(t)、36.2(t)、35.3(t)、34.6
(t)、33.3(t)、31.5(t)、31.4(t)、3
1.3(t)、29.3(t)、29.3(t)、29.2
(t)、29.1(t)、29.0(t)、28.8(t)、2
8.7(t)、26.2(t)、25.7(t)、25.3
(t)、25.3(t)、25.0(t)、22.2(t)、2
2.1(t)、20.4(q)、19.6(q)、17.1
(q)、14.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶、(4)下記式(D)
【0009】
【化10】 で示され、下記の理化学的性状を有する化合物IV又は
そのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C591031318; 3)分子量:1281(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C591041318
して) 実測値:1282.7609 計算値:1282.7623; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3310、3062、2928、2856、16
64、1538、1454、1409、1380、12
97、1253、1104、1024、603; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);重
DMSO中で、重DMSOの溶媒スペクトルを内部標準
として測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである;210.7(s)、177.5
(s)、173.5(s)、173.0(s)、172.4
(s)、172.3(s)、171.9(s)、171.5
(s)、170.8(s)、170.7(s)、170.7
(s)、170.5(s)、170.5(s)、169.1
(s)、69.1(d)、67.7(d)、67.4(d)、6
6.8(d)、58.8(d)、58.3(d)、54.2
(d)、53.5(d)、49.6(d)、49.3(d)、4
9.3(d)、48.5(d)、42.2(t)、41.9
(t)、41.8(t)、37.2(t)、36.5(t)、3
6.2(t)、36.1(t)、35.3(t)、34.7
(t)、33.3(t)、31.5(t)、31.3(t)、3
1.1(t)、29.3(t)、29.2(t)、29.0
(t)、28.8(t)、28.7(t)、28.7(t)、2
8.6(t)、28.3(t)、26.2(t)、25.6
(t)、25.3(t)、23.3(t)、23.2(t)、2
2.1(t)、22.0(t)、20.4(q)、19.6
(q)、17.1(q)、14.0(q)、13.9(q); 7)溶解性:DMSOに易溶、(5)下記式(E)
【0010】
【化11】 で示され、下記の理化学的性状を有する化合物V又はそ
のプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C601071318; 3)分子量:1297(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C601081318
して) 実測値:1298.7928 計算値:1298.7935; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3313、3069、2927、2855、16
63、1536、1455、1407、1384、12
52、1105、1024、580; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);重
DMSO中で、重DMSOの溶媒スペクトルを内部標準
として測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである;177.5(s)、173.4
(s)、173.0(s)、172.3(s)、172.3
(s)、171.9(s)、171.5(s)、170.8
(s)、170.7(s)、170.7(s)、170.5
(s)、170.5(s)、169.1(s)、69.6
(d)、69.1(d)、67.6(d)、67.4(d)、6
6.8(d)、58.8(d)、58.2(d)、54.2
(d)、53.4(d)、49.6(d)、49.3(d)、4
9.3(d)、48.5(d)、42.2(t)、37.3
(t)、37.3(t)、37.3(t)、36.5(t)、3
6.2(t)、36.2(t)、35.3(t)、34.6
(t)、33.3(t)、31.5(t)、31.4(t)、3
1.3(t)、29.3(t)、29.3(t)、29.2
(t)、29.1(t)、29.1(t)、29.0(t)、2
8.9(t)、28.7(t)、28.7(t)、26.2
(t)、25.7(t)、25.3(t)、25.3(t)、2
5.3(t)、22.1(t)、22.1(t)、20.4
(q)、19.6(q)、17.1(q)、14.0(q)、1
4.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶、(6)下記式(F)
【0011】
【化12】 で示され、下記の理化学的性状を有する化合物VI又は
そのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C611091318; 3)分子量:1311(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C611101318
して) 実測値:1312.8105 計算値:1312.8091; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3315、3065、2926、2855、16
64、1537、1456、1409、1379、12
52、1102、1024、583; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);重
DMSO中で、重DMSOの溶媒スペクトルを内部標準
として測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである;177.5(s)、173.4
(s)、173.0(s)、172.3(s)、172.3
(s)、171.9(s)、171.5(s)、170.8
(s)、170.7(s)、170.7(s)、170.5
(s)、170.5(s)、169.1(s)、69.6
(d)、69.1(d)、67.6(d)、67.4(d)、6
6.8(d)、58.8(d)、58.3(d)、54.2
(d)、53.4(d)、49.6(d)、49.3(d)、4
9.3(d)、48.5(d)、42.2(t)、37.3
(t)、37.3(t)、37.3(t)、36.5(t)、3
6.2(t)、36.2(t)、35.3(t)、34.6
(t)、33.3(t)、31.5(t)、31.4(t)、3
1.3(t)、29.3(t)、29.3(t)、29.1
(t)、29.1(t)、29.1(t)、29.0(t)、2
9.0(t)、28.9(t)、28.7(t)、28.7
(t)、26.2(t)、25.7(t)、25,3(t)、2
5.3(t)、25.3(t)、22.1(t)、22.1
(t)、20.4(q)、19.6(q)、17.1(q)、1
4.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶、 (7)(1)ないし(6)のいずれか一つに記載の化合
物の生産能を有する菌を培養し、その培養物より(1)
ないし(6)のいずれか一つに記載の化合物を採取する
ことを特徴とする、(1)ないし(6)のいずれか一つ
に記載の化合物の製造方法、(8)化合物I、化合物I
I、化合物III、化合物IV、化合物V又は化合物V
Iの生産能を有する菌を培養し、その培養物より化合物
I、化合物II、化合物III、化合物IV、化合物V
又は化合物VIを採取することを特徴とする、化合物
I、化合物II、化合物III、化合物IV、化合物V
又は化合物VIの製造方法、(9)(1)ないし(6)
のいずれか一つに記載の化合物の生産能を有する菌がS
ANK 17397(FERM BP−6123)であ
る、(7)記載の製造方法、(10)化合物I、化合物
II、化合物III、化合物IV、化合物V又は化合物
VIの生産能を有する菌がSANK 17397(FE
RM BP−6123)である、(8)記載の製造方
法、(11)(1)ないし(6)のいずれか一つに記載
の化合物の生産能を有することを特徴とする微生物、
(12)化合物I、化合物II、化合物III、化合物
IV、化合物V又は化合物VIの生産能を有することを
特徴とする微生物、(13)SANK 17397(F
ERM BP−6123)である(11)記載の微生
物、(14)SANK 17397(FERM BP−
6123)である(12)記載の微生物、(15)
(1)ないし(6)のいずれか一つに記載の化合物を有
効成分として含有する医薬、(16)(1)ないし
(6)のいずれか一つに記載の化合物を有効成分として
含有する抗真菌剤、(17)(1)ないし(6)のいず
れか一つに記載の化合物の使用及び(18)(1)ない
し(6)のいずれか一つに記載の化合物を有効成分とし
て含有する医薬組成物に関する。
【0012】本発明の化合物は、とくにカンジダ・アル
ビカンス(Candida albicans)、カン
ジダ・パラプシロシス(Candida paraps
ilosis) および他のカンジダ種のようなヒトおよ
び動物に感染する真菌病原体に対して抗真菌活性を有す
る。また、この物質はアスペルギルス・フミガタス(A
spergillus fumigatus)、カンジ
ダ・アルビカンス(Candida albican
s) などの真菌から調製した膜画分に存在する1,3−
β−グルカン合成酵素、およびそれら膜画分より調製し
た可溶化酵素標品のグルカン合成活性を低濃度で阻害す
る。
【0013】本発明者らは、新規な生理活性物質を得べ
く自然界から多くの微生物を分離し、その生産物の生理
活性を調べていたところ、新たに山口県宇部市において
採集された植物葉より分離した無胞子性の糸状菌SAN
K 17397株の培養物に強い抗真菌活性を有する物
質が生産されることを見いだした。そして、培養物から
活性物質を単離、精製しそれらの理化学的性状を調べた
結果、従来未知の新規物質であることを確認した。
【0014】本発明の化合物I、化合物II、化合物I
II、化合物IV、化合物Vおよび化合物VIが溶剤和
物(例えば水和物)を形成する場合は、これらもすべて
含むものである。例えば、本発明の化合物I、化合物I
I、化合物III、化合物IV、化合物Vおよび化合物
VIが、大気中に放置されたり、または再結晶すること
により、水分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を
形成する場合がある。本発明にはこのような溶剤和物も
含まれる。 さらに、生体内に代謝されて本発明の化合
物I、化合物II、化合物III、化合物IV、化合物
Vおよび化合物VIに変換される化合物、いわゆるプロ
ドラッグもすべて本発明に含まれる。それらプロドラッ
グの溶剤和物も本発明に含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に具体的に説明
する。生産菌 前記(1)ないし(6)のいずれか一つに記載した本発
明の化合物は、該化合物の生産菌である無胞子性の糸状
菌SANK 17397株を好適な培地で培養し、該培
養物から採取することにより得ることができる。該化合
物の好適な生産菌である無胞子性の糸状菌SANK 1
7397株(以下、「SANK 17397株」と記
す。)は、以下のような性質を有する。
【0016】SANK 17397株は山口県宇部市に
おいて採集された植物葉より分離された。
【0017】ポテトデキストロース寒天(potato
dextrose agar:以下、「PDA」と記
す。)培地上での生育は極めて抑制的で、直径は23
℃、14日で19mmに達する。コロニーは厚くビロー
ド状で、中央部で羊毛状となり2〜3mmほど隆起す
る。コロニー表面はオリーブ色(1F5)となり、隆起
部分と縁辺部は白色となる。コロニー中央から縁辺部に
向けて放射状の溝を形成する。コロニー裏面は暗青緑色
(24F3)となる。WSH培地上での生育は極めて抑
制的で、直径は23℃、14日で17mmに達する。基
底菌糸は薄く、気生菌糸は羊毛状から束状、中心部でや
や隆起し、中心部から同心円上に菌糸の長い部分が存在
する。コロニー表面はオリーブ色(1E3)で隆起部分
で灰白色(1B1)となる。裏面は暗灰色(1F1)で
縁辺部では明灰色(1B1)となる。
【0018】三浦培地での生育は極めて抑制的で、直径
は23℃、14日で18mmに達する。基底菌糸は薄
く、気生菌糸は羊毛状で、中央部で2〜3mmほど隆起
する。コロニー表面は橙白色(5A2)で、隆起部分は
明橙色(5A3)となる。裏面は中央で黒茶色(5F
4)、縁辺部に向けて橙白色(5A2)となる。
【0019】コーンミールアガー(corn meal
agar:以下、「CMA」と記す。)培地での生育
は極めて抑制的で、直径は23℃、14日で15mmに
達する。基底菌糸は薄く、気生菌糸は羊毛状で、中央部
で1〜2mmほど隆起する。コロニー表面は暗黄茶色
(5E6)で、隆起部分は白色となる。裏面は灰茶色
(5F3)で縁辺部では橙灰色(5B2)となる。
【0020】MEA培地での生育は極めて抑制的で、直
径は23℃、14日で14mmに達する。基底菌糸は薄
く、気生菌糸は羊毛状から束状で、中央部で1〜2mm
ほど隆起する。コロニー表面は暗黄茶色(5E6)で、
隆起部分は黒色となる。裏面は灰茶色(5F3)で縁辺
部では灰橙色(5B3)となる。M40Y培地での生育
は極めて抑制的で、直径は23℃、14日で9.7mm
に達する。基底菌糸は薄く、気生菌糸は短く、羊毛状か
ら束状で、中央部がやや隆起する。コロニー表面は黄灰
色(3C2)となる。裏面はオリーブ茶色(4F4)
で、縁辺部では淡黄色(4A3)となる。
【0021】以上の特徴は23℃で14日間培養後に観
察した。色調の記載は、「メチューン・ハンドブック・
オブ・カラー(Kornerup,A. and Wa
nscher,J.H., Methuen Hand
book of Colour,:Methuen,L
ondon,1978)第3版」に基づいておこなっ
た。
【0022】形態的特性は23℃で培養し、1〜3週間
後に観察した。菌糸はいずれの培地でも無色から褐色、
表面は滑面から粗面、分枝し、隔壁があり、直径1〜3
μm、しばしば束状に集まる。供試した培地では2週間
後でも有性胞子または分生子は形成しなかった。
【0023】SANK 17397株はPDA培地上で
5、17、23、25、27及び30℃で生育可能で、
37℃では生育しない。最適温度は17〜27℃であ
る。以上のような性質を総合的に検討した結果、このS
ANK 17397株を、無胞子性の糸状菌であると同
定した。
【0024】なお、SANK 17397株は、平成9
(1997)年9月25日付で茨城県つくば市東町1丁
目1番3号の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所に国際寄託され、受託番号FERM BP−612
3を付された。
【0025】ここで使用した各培地の組成を以下に記
す。PDA培地 39gニッスイ ポテトデキストロース寒天培地(日水
製薬(株)製)、1L 蒸留水WSH培地 10gオートミール、1g硫酸マグネシウ
ム七水和物、1gリン酸 二水素カリウム、1g硝酸ナトリウム、20g寒天、1
L水三浦培地 1gグルコース、2gリン酸二水素カリウ
ム、0.2g硫酸マグネシウム七水和物、0.2g塩化
カリウム、2g硝酸ナトリウム、0.2g酵母エキス、
113g寒天、1L蒸留水CMA培地 17gニッスイ コーンミールアガール
(日水製薬(株)製)、1L蒸留水MEA培地 20g麦芽エキス、20g寒天、1L水M40Y培地 400gショ糖、20g麦芽エキス、5
g酵母エキス、20g寒天、1L水 なお、上記培地の滅菌は、全て、121℃で20分間行
なった。培養法及び精製法 本発明の化合物は、SANK 17397株等の該化合
物の生産菌を、炭素源および窒素源を含んだ液体培地中
において好ましくは好気条件下にて培養することによっ
て得ることが出来る。この液体培地は無機塩類や消泡剤
を含んでもよい。
【0026】該液体培地中の好ましい炭素源としては、
グルコース、澱粉、デキストリン、グリセリンその他の
炭水化物を使用し得る。また、その他の炭素源として、
果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、マンニトール等も使用し
得る。さらにオート麦粉、ライ麦粉、トウモロコシデン
プン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆粉、麦芽エキ
ス等の複合栄養源も炭素源として使用することができ
る。これらの炭素源は通常培地中の0.5〜5重量%の
範囲で、単独にまたは組み合わせて用いることができ
る。
【0027】好ましい窒素源としては、グルタミン、シ
スチン、アラニン、グリシン、プロリン、スレオニンそ
の他のアミノ酸、フスマ、落花生粉、カゼイン加水分解
物、魚粉、麦芽エキス、大豆粉、大豆カゼイン、カザミ
ノ酸、ファーマメディア(サザン・コットン・オイル社
製)、綿実粉、小麦胚芽、肉エキス、ペプトン、コーン
スチープリカー、自己消化イースト、乾燥酵母、酵母エ
キス等の複合源を使用し得る。また、アンモニウム塩
(例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化ア
ンモニウム、燐酸アンモニウム等)等の無機窒素源を用
いることも出来る。これらの窒素源は通常培地中の0.
1〜10重量%の範囲で、単独にまたは組み合わせて用
いることができる。
【0028】一般に、炭素および窒素源は組み合わせて
用いられるが純品である必要はなく、微量の生育因子、
ビタミン及び無機塩を含む、より純度の低いものも使用
され得る。
【0029】また、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェート、サル
フェート、クロライド、カーボネート等のイオン化し得
る塩類を培地中に加えてもよい。
【0030】さらに、菌が資化しうる硫黄化合物を培地
に添加すると目的物の生成量が増大することがあり、こ
の場合にはこのような硫黄化合物が好適に使用される。
このような硫黄化合物として、例えば、硫酸亜鉛、硫酸
銅、硫酸第一鉄、硫酸アンモニウムのような硫酸塩、チ
オ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、亜硫酸アンモ
ニウムのような亜硫酸塩等の無機硫黄化合物、シスチ
ン、システイン、L−チアゾリジン−4−カルボン酸の
ような含硫アミノ酸、ヒポタウリン、グルタチオンのよ
うな含硫ペプチド等の有機硫黄化合物等が挙げられる。
【0031】さらに、ビタミンB1、ビオチンのような
ビタミン類、チアミンのような菌体増殖促進化合物等を
必要に応じて培地に添加することができる。
【0032】また、硫酸第一鉄、硫酸銅のような重金属
類、マンガン、鉄、モリブデン、亜鉛、その他の微量金
属が含まれてもよい。
【0033】必要に応じ、シリコンオイル、ポリアルキ
レングリコールエーテル、植物油、動物油、界面活性剤
のような消泡剤を培地に添加しても良い。液体培養に際
してはこのような消泡剤が好適であり、特に、栄養培地
がかなり泡立つ場合にさらに好適に使用される。
【0034】本発明の化合物の好ましい製造方法は、S
ANK 17397株等、該化合物の生産菌の胞子また
は菌糸体を前述の液体培地に接種した後に好気条件下に
おいて培養し、その培養物から該化合物を採取すること
からなる。 一般に醗酵工程は、傾斜寒天培地上に生育
させた菌を種菌培地に接種し、その後に、本発明化合物
の生産菌の種菌となる微生物を生育する工程(以下、こ
の工程を「種菌培養」と記す。)より開始される。種菌
培地としては前述の液体培地を使用することができる。
傾斜寒天培地上に生育させた菌を接種後、フラスコを振
とうしながら15〜30℃、好ましくは20〜26℃の
温度範囲でインキュベートする。振とう速度は400回
転/分(revolutions per minut
e:以下、「rpm」と記す。)までの範囲、好ましく
は190〜220rpmである。種フラスコは、2〜1
0日、好ましくは3〜5日間インキュベートする。種菌
培養は必要に応じて複数回行い、徐々に培養スケールを
拡大することも可能である。この場合、2回目以降の種
菌培養の培養時間を短縮することも可能である。
【0035】生育が十分になったら、培養液を本発明の
化合物の製造用培地(以下、「製造用培地」と記す。)
に接種するのに用いる。製造用培地としては、上記の液
体培地を使用することができ、培養条件に応じて、種菌
培地と同じ培地または若干異なる培地が用いられる。こ
の製造用培地中で本発明の化合物の生産菌を培養し、本
発明の各化合物を得ることができる。
【0036】培養方法としては、特に制限はなく、微生
物一般に用いられる培養法であれば用いることができ
る。一般に、撹拌培養法、振盪培養法、通気培養法を使
用することができるが、いずれも好気的条件下で行うこ
とが好ましい。工業的培養には、通気撹拌培養法が適し
ている。 接種後醗酵生産培地を3〜20日間、好まし
くは5〜14日間振とうするか、または振盪せずにイン
キュベートする。醗酵は20〜30℃の温度範囲で行う
が、好気的に行うのが好ましい。振とうする場合には、
振とう速度は400rpmまでの範囲、好ましくは19
0〜220rpmである。
【0037】培養温度は、17〜28℃、好ましくは2
0〜26℃の範囲で行う。本発明の化合物を生産するの
に適した製造用培地のpHは3.5〜8.5、好ましく
は4.5〜7.0の範囲内である。製造用培地中で本発
明の化合物の生産菌を培養した後に、それぞれの化合物
を単離、精製する。その場合、各画分の1,3−β−グ
ルカン合成酵素阻害活性を測定することによりその生産
量を測定することが出来る。
【0038】1,3−β−グルカン合成酵素阻害活性
は、「アンチマイクロバイアル・エイジェンツ・アンド
・ケモセラピー(Antimicrobial Age
ntsand Chemotherapy,1994)
第38巻」937ページに記載の方法に従い、アスペル
ギルス・フミガタス(Aspergillus fum
igatus) より1,3−β−グルカン合成酵素
(1,3−β−glucan synthase)を可
溶化し、これを酵素標品として用いることにより、その
可溶化酵素標品に対する阻害活性を測定することができ
る。
【0039】培養終了後の生成物はpH3〜9、好適に
はpH5〜7の間に調整し、好ましくは水と混合できる
溶媒として、菌糸体をろ過する。その後に、本発明の各
化合物を以下に記載する方法を用いて水性濾液から単離
することができる。
【0040】すなわち: (a)水性濾液を、好ましくはpHを中性に調整した
後、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジクロロメタ
ン、酢酸ブチル、ブタノール等の水に混和しない溶媒で
抽出する。 (b)例えば、アンバーライトXAD−11(ローム・
アンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱
化学(株)製)カラム等の樹脂上へ水性濾液を添加し、
メタノールを90%(容量/容量:以下、「v/v」と記
す。)と水を10%(v/v)含む有機溶媒またはアセ
トンを90%(v/v)と水を10%(v/v)含む有機
溶媒等により溶出する。以下、溶媒A及び溶媒Bからな
る混合溶媒は、「A:B(X:100−X)」と記す。
同様に、溶媒C、溶媒D及び溶媒Eからなる混合溶媒
は、「C:D:E(Y:Z:(100−Y−Z))」と
記す。X、Y、及びZは混合比(v/v)を%で表した
100未満の正の数値であり、且つ(Y+Z)は100
未満の正の数値である。
【0041】上記(a)、(b)は、単独または組み合
わせて用いることができ、また、必要に応じて繰り返し
用いることもできる。
【0042】次に、これらの方法を用いて得られた画分
を減圧下に乾燥して未精製活性画分を得ることができ
る。その後、該未精製活性画分は吸着および分配クロマ
トグラフィー等のいくつかの分離工程に供与される。各
分離工程において、1,3−β−グルカン合成酵素阻害
活性測定及び/又は高分離能液体クロマトグラフィー
(high performance liquid
chromatography:以下、「HPLC」と
記す。)分析等の結果にもとづいて活性画分を回収する
ことができる。
【0043】クロマトグラフィーによる分離は、非イオ
ン性吸着剤等を用いる、本技術分野で慣用されているカ
ラムクロマトグラフィーにより行うことができる。例え
ば、シリカゲルを吸着剤として使用する場合、溶離液と
してはメタノール、クロロホルム、酢酸、水等を単独ま
たは組み合わせて用いることができる。逆相クロマトグ
ラフィーを行う場合、吸着剤としては、C8またはC1
8固定相シリカゲルが好適に用いられる。逆相クロマト
グラフィーに好ましい溶離液としては、水、メタノール
およびアセトニトリル等の溶媒又はそれら溶媒の混合液
が用いられる。
【0044】本発明の化合物またはその薬理学的に許容
される塩は、種々の形態で投与される。その投与形態と
しては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロ
ップ剤等による経口投与、または注射剤(静脈内、筋肉
内、皮下)、点滴剤、坐剤等による非経口投与を挙げる
ことができる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬
に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解
補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術
分野において通常使用し得る既知の補助剤を用いて製剤
化することができる。
【0045】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱
粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキ
シメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リ
ン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥
澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、
炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩
壊剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等
の崩壊抑制剤;第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸
ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、澱粉等の保湿
剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状
ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸
末、ポリエチレングリコール等の潤沢剤等が例示でき
る。さらに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、
例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコ
ーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができ
る。
【0046】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
グルコース、乳糖、カカオバター、澱粉、硬化植物油、
カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガ
ント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン
寒天等の崩壊剤等が例示できる。
【0047】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ポリエチレングリコール、カカオバター、高級アルコー
ル、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グ
リセリド等を挙げることができる。注射剤として調製さ
れる場合には、液剤および懸濁剤は殺菌され、かつ血液
と等張であるのが好ましく、これら液剤、乳剤および懸
濁剤の形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分
野で慣用されているものをすべて使用でき、例えば水、
エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソス
テアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアル
コール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類等を挙げることができる。なお、この場合、等張性の
溶液を調製するのに十分な量の食塩、グルコース、ある
いはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、ま
た通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加しても
よい。
【0048】さらに必要に応じて着色剤、保存剤、香
料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有せしめてもよ
い。上記医薬製剤中に含まれる有効成分化合物の量は、
特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常全組成
物中1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%含まれ
る量とするのが適当である。上記医薬製剤の投与方法は
特に限定はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その
他の条件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば錠
剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル
剤の場合には経口投与される。また注射剤の場合には単
独であるいはグルコース、アミノ酸等の通常の補液と混
合して静脈内投与され、さらには必要に応じて単独で筋
肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場
合には直腸内投与される。
【0049】その使用量は症状、年齢、体重、投与方法
および剤形等によって異なるが、通常は成人に対して1
日あたり、上限として2000mg(好ましくは100
0mg)であり、下限として0.1mg(好ましくは1
mg、さらに好ましくは10mg)を症状に応じて1回
または数回に分けて投与することができる。
【0050】
【実施例】以下に実施例、試験例及び製剤例を挙げて本
発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されない。
【0051】実施例1.SANK 17397株の培養
及び該株培養物からの化合物Iの精製。
【0052】無胞子性の糸状菌SANK 17397株
をPDA傾斜培地上で23℃で7日間以上生育させ、得
られた菌糸体を、FFA−1培地(組成:澱粉2%、グ
リセリン3%、グルコース3%、大豆粉1%、ゼラチン
0.25%、酵母エキス0.25%、硝酸アンモニウム
0.25%)80mlを500ml容エルレンマイヤー
フラスコに入れ、120℃で20分間滅菌したもの4本
に接種し、これを210rpmの回転振とう培養機上で
5日間23℃で培養して種培養液とした。つづいて、F
FA−1培地80mlを500ml容エルレンマイヤー
フラスコに入れ120℃で20分間滅菌したもの60本
に前述の種培養液を4%(v/v)接種して、210r
pmの回転振とう培養機上で14日間23℃で培養し
た。
【0053】培養液4.8Lにアセトン4.8Lを加え3
0分間撹拌し、得られたアセトン抽出液を濾過した。こ
の抽出液を回転式エバポレーターにより減圧下アセトン
を留去し、6N水酸化ナトリウムでpH7とした。次い
でイオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−20
(三菱化学(株)製)カラム400mlに付して1Lの
イオン交換水で洗浄後、メタノール:水(30:7
0)、メタノール:水(50:50)、メタノール:水
(60:40)それぞれ800mlで洗浄した。メタノ
ール:水(80:20)800ml、メタノール800
mlで溶出を行い、溶出画分を回転式エバポレーターに
より減圧下で濃縮して粗活性画分を得た。この活性画分
をメタノールに溶解し、コスモシール140C18OP
N(ナカライテスク(株)製)を10g添加して乾固し
たものをアセトニトリル:水(20:80)で平衡化し
た200mlのコスモシールカラムに供与した。次に、
アセトニトリル:水の混合溶媒を用いてステップワイズ
に溶出した。この際、アセトニトリル:水(20:8
0)を400ml、アセトニトリル:水(30:70)
を400ml、アセトニトリル:水(40:60)を4
00ml、アセトニトリル:水(50:50)を500
ml、アセトニトリル:水(60:40)を500m
l、アセトニトリル:水(80:20)を400ml使
用した。アセトニトリル:水(40:60)溶出画分を
回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固した後、
以下に示した条件で分取用HPLCに付した。移動相と
して含水アセトニトリルを用い、30分間でアセトニト
リル含有率(v/v)を20%から80%まで直線的に
変化させ溶出した。
【0054】 カラム:μBONDASPHERE C8 19φ×150mm(ウォーターズ社製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 保持時間21分に溶出される活性ピークを分取した後、
回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固して粗活
性化合物を得た。これを再精製するために以下に示した
条件でHPLC分取を2回行った。1回目の移動相とし
てアセトニトリル:メタノール:水(54:10:3
6)を用い、2回目はアセトニトリル:水(50:5
0)を用いた。
【0055】 カラム:PEGASIL ODS 20φ×150mm(センシュー科学(株)製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 活性画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾
固して、純粋な化合物Iを4.0mg得た。HPLCに
よる分析は以下の条件で行った。
【0056】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物Iは保持時間3.6分に溶出された。
【0057】実施例2.SANK 17397株の培養
及び該株培養物からの化合物IIの精製。
【0058】無胞子性の糸状菌SANK 17397株
をPDA傾斜培地上で23℃で7日間以上生育させ、得
られた菌糸体を、FFA−1培地80mlを500ml
容エルレンマイヤーフラスコに入れ、120℃で20分
間滅菌したもの4本に接種し、210rpmの回転振と
う培養機上で5日間23℃で培養して種培養液とした。
つづいて、FFA−1培地80mlを500ml容エル
レンマイヤーフラスコに入れ120℃で20分間滅菌し
たもの60本に前述の種培養液を4%(v/v)接種し
て、210rpmの回転振とう培養機上で14日間23
℃で培養した。
【0059】培養液4.8Lにアセトン4.8Lを加え3
0分間撹拌し、得られたアセトン抽出液を濾過した。こ
の抽出液を回転式エバポレーターにより減圧下アセトン
を留去し、6N水酸化ナトリウムでpH7とした。次い
でイオン交換水で平衡化したダイヤイオンHP−20
(三菱化学(株)製)カラム400mlに付して1Lの
イオン交換水で洗浄後、メタノール:水(30:7
0)、メタノール:水(50:50)、メタノール:水
(60:40)それぞれ800mlで洗浄した。メタノ
ール:水(80:20)800ml、メタノール800
mlで溶出を行い、溶出画分を回転式エバポレーターに
より減圧下で濃縮して粗活性画分を得た。この活性画分
をメタノールに溶解し、コスモシール140C18OP
N(ナカライテスク(株)製)を10g添加して乾固し
たものを別途アセトニトリル:水(20:80)で平衡
化した200mlのコスモシールカラムに供与した。
【0060】次に、アセトニトリル:水の混合溶媒を用
いてステップワイズに溶出した。この際、アセトニトリ
ル:水(20:80)を400ml、アセトニトリル:
水(30:70)を400ml、アセトニトリル:水
(40:60)を400ml、アセトニトリル:水(5
0:50)を500ml、アセトニトリル:水(60:
40)を500ml、アセトニトリル:水(80:2
0)を400ml使用した。アセトニトリル:水(5
0:50)溶出画分を回転式エバポレーターにより減圧
下で濃縮乾固した後、以下に示した条件で分取用HPL
Cに付した。移動相として含水アセトニトリルを用い、
30分間でアセトニトリル含有率(v/v)を20%か
ら80%まで直線的に変化させ溶出した。
【0061】 カラム:μBONDASPHERE C8 19φ×150mm(ウォーターズ社製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 保持時間24分に溶出される活性ピーク分取した後、回
転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾固して粗活性
化合物を得た。これを再精製するために以下に示した条
件でHPLC分取を2回行った。1回目の移動相として
アセトニトリル:メタノール:水(54:10:36)
を用い、2回目はアセトニトリル:水(50:50)を
用いた。
【0062】 カラム:PEGASIL ODS 20φ×150mm(センシュー科学(株)製) 流 速:10ml/分 検 出:UV210nm 活性画分を回転式エバポレータにより減圧下で濃縮乾固
して、純粋な化合物IIを7.6mg得た。HPLCに
よる分析は以下の条件で行った。
【0063】 カラム:シンメトリーODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IIは保持時間7.4分に溶出され
た。
【0064】実施例3.SANK 17397株の培養
及び該株培養物からの化合物I及び化合物IIの精製。
【0065】無胞子性の糸状菌SANK 17397株
をPDA傾斜培地上で23℃で7日間以上生育させ、得
られた菌糸体を、FFA−1培地450mlを2L容エ
ルレンマイヤーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌
したもの4本に接種し、210rpmの回転振とう培養
機上で4日間23℃で培養して種培養液とした。つづい
て、30L容ジャーファーメンター4基に上記のFFA
−1培地15Lを入れ、121℃で30分間滅菌した。
これらに前述の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種
し、溶存酸素量を5ppmに保つように撹拌速度を調節
しながら、毎分15Lの通気量で23℃、12日間培養
した。培養液60Lにアセトン60Lを加え1時間撹拌
し、得られたアセトン抽出液を濾過した。この抽出液1
18Lを回転式エバポレーターにより減圧下アセトンを
留去し、得られた濃縮液88Lを6N水酸化ナトリウム
でpH7とした。次いで、メタノール:水(20:8
0)で平衡化したダイヤイオンHP−20(三菱化学
(株)製)カラム6Lに付して、メタノール:水(2
0:80)8Lで洗浄後、メタノール:水の混合溶媒で
ステップワイズに溶出した。この際、メタノール:水
(50:50)を20L、メタノール:水(60:4
0)を15L、メタノール:水(70:30)を15
L、メタノール:水(80:20)を20L、メタノー
ル:水(90:10)を20L、メタノールを20L用
いて溶出を行った。メタノール:水(80:20)、メ
タノール:水(90:10)溶出画分を回転式エバポレ
ーターにより減圧下で濃縮して化合物Iおよび化合物I
Iを含んだ粗活性画分4.6Lを得た。これをイオン交
換水8Lで希釈して、以下に示した条件で分取用HPL
Cに付した。移動相として、カラムの平衡化にはアセト
ニトリル:水(30:70)を、化合物Iの溶出にはア
セトニトリル:水(45:55)を、化合物IIの溶出
にはアセトニトリル:水(50:50)を、それぞれ用
いた。
【0066】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:200ml/分 検 出:UV210nm 活性画分を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮乾
固して、純粋な化合物Iを77mg、化合物IIを1.
3gそれぞれ得た。
【0067】実施例4.SANK 17397株の培養
及び該株培養物からの化合物IIIの精製。
【0068】無胞子性の糸状菌SANK 17397株
をPDA傾斜培地上で23℃で7日間以上生育させ、得
られた菌糸体を、FFA−1培地450mlを2L容エ
ルレンマイヤーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌
したもの4本に接種し、210rpmの回転振とう培養
機上で5日間23℃で培養して種培養液とした。つづい
て、60L容ジャーファーメンターに上記のFFA−1
培地30Lを入れ、121℃で30分間滅菌した。これ
らに前述の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、
210rpmの回転振とう培養機上で23℃で1日間培
養して第2の種培養液とした。本培養として、600L
容タンク2基に上記のFFA−1培地300Lをそれぞ
れ入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前述の
第2の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存
酸素量を5ppmに保つように撹拌速度を調節しなが
ら、毎分300Lの通気量で23℃、8日間培養した。
【0069】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6N水酸化ナトリウムでpH
7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次いで、
メタノール:水(50:50)で平衡化したダイヤイオ
ンHP−20(三菱化学(株)製)カラム60Lに付し
て、メタノール:水(60:40)300Lで洗浄後、
アセトニトリル:水(40:60)280Lで溶出し
た。アセトニトリル:水(40:60)溶出画分250
Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタノール:水(5
0:50)で平衡化したダイヤイオンHP−20(三菱
化学(株)製)カラム5Lに付して、メタノール:水
(65:35)40Lで洗浄後、メタノール:水(9
0:10)29Lで溶出した。このうち活性画分20L
を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮し、粗活性
画分を得た。これにDMSO550mlを加えて溶解
し、以下に示した条件で分取用HPLCに付した。移動
相としてアセトニトリル:水(45:55)とアセトニ
トリル:水(50:50)を用い、ステップワイズに溶
出した。分取は6回に分けて行った。
【0070】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 得られた活性画分6Lを回転式エバポレーターにより減
圧下で濃縮乾固した。これを再び上記分取条件で分取用
HPLCに付し、活性画分を回転式エバポレーターによ
り減圧下で濃縮乾固して、純粋な化合物IIIを162
mg得た。HPLCによる分析は以下の条件で行った。
【0071】 カラム:シンメトリーODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IIIは保持時間5.0分に溶出され
た。
【0072】実施例5.SANK 17397株の培養
及び該株培養物からの化合物IVの精製。
【0073】無胞子性の糸状菌SANK 17397株
をPDA傾斜培地上で23℃で7日間以上生育させ、得
られた菌糸体を、FFA−1培地450mlを2L容エ
ルレンマイヤーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌
したもの4本に接種し、210rpmの回転振とう培養
機上で5日間23℃で培養して種培養液とした。つづい
て、60L容ジャーファーメンターに上記のFFA−1
培地30Lを入れ、121℃で30分間滅菌した。これ
らに前述の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、
210rpmの回転振とう培養機上で23℃で1日間培
養して第2の種培養液とした。本培養として、600L
容タンク2基に上記のFFA−1培地300Lをそれぞ
れ入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前述の
第2の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存
酸素量を5ppmに保つように撹拌速度を調節しなが
ら、毎分300Lの通気量で23℃、8日間培養した。
【0074】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6N水酸化ナトリウムでpH
7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次いで、
メタノール:水(50:50)で平衡化したダイヤイオ
ンHP−20(三菱化学(株)製)カラム60Lに付し
て、メタノール:水(60:40)300Lで洗浄後、
アセトニトリル:水(40:60)280Lで溶出し
た。アセトニトリル:水(40:60)溶出画分250
Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタノール:水(5
0:50)で平衡化したダイヤイオンHP−20(三菱
化学(株)製)カラム5Lに付して、メタノール:水
(65:35)40Lで洗浄後、メタノール:水(9
0:10)29Lで溶出した。このうち活性画分20L
を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮し、粗活性
画分を得た。これにDMSO550mlを加えて溶解
し、以下に示した条件で分取用HPLCに付した。移動
相としてアセトニトリル:水(45:55)とアセトニ
トリル:水(50:50)を用い、ステップワイズに溶
出した。分取は6回に分けて行った。
【0075】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 得られた活性画分4.5Lを回転式エバポレーターによ
り減圧下で濃縮乾固した。これを再び上記分取条件で分
取用HPLCに付し、活性画分を回転式エバポレーター
により減圧下で濃縮乾固して、純粋な化合物IVを34
mg得た。HPLCによる分析は以下の条件で行った。
【0076】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物IVは保持時間9.2分に溶出され
た。
【0077】実施例6.SANK 17397株の培養
及び該株培養物からの化合物Vの精製。
【0078】無胞子性の糸状菌SANK 17397株
をPDA傾斜培地上で23℃で7日間以上生育させ、得
られた菌糸体を、FFA−1培地450mlを2L容エ
ルレンマイヤーフラスコに入れ121℃で30分間滅菌
したもの4本に接種し、210rpmの回転振とう培養
機上で5日間23℃で培養して種培養液とした。つづい
て、60L容ジャーファーメンターに上記のFFA−1
培地30Lを入れ、121℃で30分間滅菌した。これ
らに前述の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、
210rpmの回転振とう培養機上で23℃で1日間培
養して第2の種培養液とした。本培養として、600L
容タンク2基に上記のFFA−1培地300Lをそれぞ
れ入れ、121℃で30分間滅菌した。これらに前述の
第2の種培養液を3%(v/v)それぞれ接種し、溶存
酸素量を5ppmに保つように撹拌速度を調節しなが
ら、毎分300Lの通気量で23℃、8日間培養した。
【0079】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6N水酸化ナトリウムでpH
7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次いで、
メタノール:水(50:50)で平衡化したダイヤイオ
ンHP−20(三菱化学(株)製)カラム60Lに付し
て、メタノール:水(60:40)300Lで洗浄後、
アセトニトリル:水(40:60)280Lで溶出し
た。アセトニトリル:水(40:60)溶出画分250
Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタノール:水(5
0:50)で平衡化したダイヤイオンHP−20(三菱
化学(株)製)カラム5Lに付して、メタノール:水
(65:35)40Lで洗浄後、メタノール:水(9
0:10)29Lで溶出した。このうち活性画分20L
を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮し、粗活性
画分を得た。これにDMSO550mlを加えて溶解
し、以下に示した条件で分取用HPLCに付した。移動
相としてアセトニトリル:水(45:55)とアセトニ
トリル:水(50:50)とを用い、ステップワイズに
溶出した。分取は6回に分けて行った。
【0080】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 得られた活性画分13Lを回転式エバポレーターにより
減圧下で濃縮乾固した。これを再び上記分取条件で分取
用HPLCに付し、活性画分を回転式エバポレーターに
より減圧下で濃縮乾固して、純粋な化合物Vを326m
g得た。HPLCによる分析は以下の条件で行った。
【0081】 カラム:シンメトリーODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物Vは保持時間11.6分に溶出され
た。
【0082】実施例7.SANK 17397株の培養
及び該株培養物からの化合物VIの精製。
【0083】無胞子性の糸状菌SANK 17397株
をPDA傾斜培地上で23℃で7日間以上生育させ、得
られた菌糸体を、FFA−1培地450mlを2L容エ
ルレンマイヤーフラスコに入れ滅菌したもの4本に接種
し、210rpmの回転振とう培養機上で5日間23℃
で培養して種培養液とした。つづいて、60L容ジャー
ファーメンターに上記のFFA−1培地30Lを入れ、
121℃で30分間滅菌した。これらに前述の種培養液
を3%(v/v)それぞれ接種し、210rpmの回転
振とう培養機上で23℃で1日間培養して第2の種培養
液とした。本培養として、600L容タンク2基に上記
のFFA−1培地300Lをそれぞれ入れ、121℃で
30分間滅菌した。これらに前述の第2の種培養液を3
%(v/v)それぞれ接種し、溶存酸素量を5ppmに
保つように撹拌速度を調節しながら、毎分300Lの通
気量で23℃、8日間培養した。
【0084】培養液600Lとタンク洗浄液310L
に、アセトン450Lとメタノール450Lを加え1時
間撹拌した。これを濾過して得られた抽出液1675L
を回転式エバポレーターにより減圧下溶媒を留去した。
得られた濃縮液930Lを6N水酸化ナトリウムでpH
7とし、メタノールで1725Lに希釈した。次いで、
メタノール:水(50:50)で平衡化したダイヤイオ
ンHP−20(三菱化学(株)製)カラム60Lに付し
て、メタノール:水(60:40)300Lで洗浄後、
アセトニトリル:水(40:60)280Lで溶出し
た。アセトニトリル:水(40:60)溶出画分250
Lを水で希釈し、希釈液400Lをメタノール:水(5
0:50)で平衡化したダイヤイオンHP−20(三菱
化学(株)製)カラム5Lに付して、メタノール:水
(65:35)40Lで洗浄後、メタノール:水(9
0:10)29Lで溶出した。このうち活性画分20L
を回転式エバポレーターにより減圧下で濃縮し、粗活性
画分を得た。これにDMSO550mlを加えて溶解
し、以下に示した条件で分取用HPLCに付した。移動
相としてアセトニトリル:水(45:55)とアセトニ
トリル:水(50:50)を用い、ステップワイズに溶
出した。分取は6回に分けて行った。
【0085】 カラム:YMC−Pack−ODS 100φ×500mm(ワイエムシィ(株)製) 流 速:220ml/分 検 出:UV210nm 得られた活性画分20Lを水で希釈した後、アセトニト
リル:水(30:70)で平衡化した1.5Lのコスモ
シール140C18OPN(ナカライテスク(株)製)
カラムに供与した。まずアセトニトリル:水(30:7
0)、次にアセトニトリルを用いて洗浄した後、アセト
ニトリル:DMSO(90:10)で溶出を行った。得
られた活性画分を回転式エバポレーターにより減圧下で
濃縮乾固して、純粋な化合物VIを711mg得た。H
PLCによる分析は以下の条件で行った。
【0086】 カラム:シンメトリー ODS 4.6φ×150mm(ウォーターズ社製) 移動相:アセトニトリル:水(50:50) 流 速:1.0ml/分 検 出:UV210nm 上記条件で化合物VIは保持時間18.8分に溶出され
た。
【0087】試験例1.実施例1ないし7で得られた化
合物について、日本医真菌学会の最少生育阻害濃度(m
inimum inhibitory concent
ration:以下、「MIC」と記す。)測定法(医
真菌学会誌、第36巻、第1号、62頁、1995年)
に従ってRPMI1640培地(大日本製薬社製)に緩
衝液として0.165Mの3−[N−モルフォリノ]プ
ロパンスルホン酸/水酸化ナトリウム(pH7.0)を
加えたものを培地とし、代表的な病原性真菌に対する生
育阻害活性を測定した。各化合物の各種真菌に対するM
ICは表1に示すとおりである。
【0088】 表1. ------------------------------------------------------------------------ 被検検体 MIC(μg/ml) -------------------------------------- I II III IV V VI ------------------------------------------------------------------------ Candida albicans ATCC 90028 4 2 2 4 2 1 Candida albicans ATCC 90029 4 1 2 4 1 0.5 Candida parapsilosis ATCC 90018 4 1 2 4 0.5 0.25 Candida tropicalis SANK 59263 8 2 4 4 2 2 Cryptococcus neoformans SANK 59863 >64 >64 32 >64 >64 >64 Aspergillus fumigatus SANK 10662 >64 >64 32 >64 >64 >64 ------------------------------------------------------------------------ 表1から明らかな通り、本発明の化合物は、真菌病原体
に対して優れた抗真菌活性を示した。
【0089】試験例2.アスペルギルス・フミガタス
(Aspergillus fumigatus) よ
り、文献「アンチマイクロバイアル・エージェンツ・ア
ンド・ケモセラピー(Antimicrobial A
gents and Chemotherapy,19
94)第38巻」937ページに記載の方法に従い、
1,3−β−グルカン合成酵素(1,3−β−gluc
an synthase)を可溶化し、実施例1〜7で
得られた化合物について、その可溶化酵素標品に対する
阻害活性を測定した。抗真菌活性成分の可溶化酵素活性
に対する50%阻害濃度(以下、「IC50」と記す。)
はつぎの表2の通りである。
【0090】 表2. ------------------------------------------------------------------------ 化合物 IC50(μg/ml) -------------------------------------------------------- I 0.05 II 0.015 III 0.025 IV 0.35 V 0.012 VI 0.012 ------------------------------------------------------------------------ 表2から明らかな通り、本発明の化合物は、真菌病原体
由来の1,3−β−グルカン合成酵素に対し、優れた阻
害活性を示した。
【0091】製剤例1.化合物I、化合物II、化合物
III、化合物IV、化合物V又は化合物VI100m
g、乳糖100mg、トウモロコシ澱粉148.8m
g、ステアリン酸マグネシウム1.2mgの割合で各粉
末を混合し、60メッシュのふるいに通した後、この粉
末350mgをゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤と
する。
【0092】
【発明の効果】本発明の化合物I、化合物II、化合物
III、化合物IV、化合物V及び化合物VIは、ヒト
に感染する真菌病原体に対する優れた抗真菌活性を有
し、ヒトまたは動物の真菌感染症の予防または治療剤と
して有用である。
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
【化6】 で示される化合物VI又はそのプロドラッグ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【化12】 で示され、下記の理化学的性状を有する化合物VI又は
そのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C611091318; 3)分子量:1311(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C611101318
して) 実測値:1312.8105 計算値:1312.8091; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
-1):3315、3065、2926、2855、16
64、1537、1456、1409、1379、12
52、1102、1024、583; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);重
DMSO中で、重DMSOの溶媒スペクトルを内部標準
として測定した核磁気共鳴スペクトル(90MHz)
は、次に示す通りである;177.5(s)、173.4
(s)、173.0(s)、172.3(s)、172.3
(s)、171.9(s)、171.5(s)、170.8
(s)、170.7(s)、170.7(s)、170.5
(s)、170.5(s)、169.1(s)、69.6
(d)、69.1(d)、67.6(d)、67.4(d)、6
6.8(d)、58.8(d)、58.3(d)、54.2
(d)、53.4(d)、49.6(d)、49.3(d)、4
9.3(d)、48.5(d)、42.2(t)、37.3
(t)、37.3(t)、37.3(t)、36.5(t)、3
6.2(t)、36.2(t)、35.3(t)、34.6
(t)、33.3(t)、31.5(t)、31.4(t)、3
1.3(t)、29.3(t)、29.3(t)、29.1
(t)、29.1(t)、29.1(t)、29.0(t)、2
9.0(t)、28.9(t)、28.7(t)、28.7
(t)、26.2(t)、25.7(t)、25,3(t)、2
5.3(t)、25.3(t)、22.1(t)、22.1
(t)、20.4(q)、19.6(q)、17.1(q)、1
4.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶、 (7)(1)ないし(6)のいずれか一つに記載の化合
物の生産能を有する菌を培養し、その培養物より(1)
ないし(6)のいずれか一つに記載の化合物を採取する
ことを特徴とする、(1)ないし(6)のいずれか一つ
に記載の化合物の製造方法、(8)化合物I、化合物I
I、化合物III、化合物IV、化合物V又は化合物V
Iの生産能を有する菌を培養し、その培養物より化合物
I、化合物II、化合物III、化合物IV、化合物V
又は化合物VIを採取することを特徴とする、化合物
I、化合物II、化合物III、化合物IV、化合物V
又は化合物VIの製造方法、(9)(1)ないし(6)
のいずれか一つに記載の化合物の生産能を有する菌がS
ANK 17397(FERM BP−6123)であ
る、(7)記載の製造方法、(10)化合物I、化合物
II、化合物III、化合物IV、化合物V又は化合物
VIの生産能を有する菌がSANK 17397(FE
RM BP−6123)である、(8)記載の製造方
法、(11)(1)ないし(6)のいずれか一つに記載
の化合物の生産能を有することを特徴とする微生物、
(12)化合物I、化合物II、化合物III、化合物
IV、化合物V又は化合物VIの生産能を有することを
特徴とする微生物、(13)SANK 17397(F
ERM BP−6123)である(11)記載の微生
物、(14)SANK 17397(FERM BP−
6123)である(12)記載の微生物、(15)
(1)ないし(6)のいずれか一つに記載の化合物を有
効成分として含有する医薬、(16)(1)ないし
(6)のいずれか一つに記載の化合物を有効成分として
含有する抗真菌剤、(17)(1)ないし(6)のいず
れか一つに記載の化合物の使用及び(18)(1)ない
し(6)のいずれか一つに記載の化合物を有効成分とし
て含有する医薬組成物に関する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:645) (72)発明者 小野 泰典 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(A) 【化1】 で示される化合物I又はそのプロドラッグ。
  2. 【請求項2】下記の物理化学的性状を有する化合物I又
    はそのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C571011318; 3)分子量:1255(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[ M+Na]+(C5710113
    18Naとして) 実測値:1278.7295 計算値:1278.7285; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
    -1):3310、3069、2928、2856、16
    64、1536、1454、1379、1249、11
    04、1024、610; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒ス
    ペクトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクト
    ル(90MHz)は、次に示す通りである;177.5
    (s)、173.4(s)、173.0(s)、172.3
    (s)、172.3(s)、171.9(s)、171.5
    (s)、170.8(s)、170.7(s)、170.7
    (s)、170.5(s)、170.5(s)、169.0
    (s)、69.6(d)、69.1(d)、67.6(d)、6
    7.4(d)、66.7(d)、58.8(d)、58.2
    (d)、54.1(d)、53.4(d)、49.6(d)、4
    9.3(d)、49.3(d)、48.5(d)、42.2
    (t)、37.2(t)、37.2(t)、36.9(t)、3
    6.5(t)、36.1(t)、36.1(t)、35.3
    (t)、34.5(t)、33.3(t)、31.5(t)、3
    1.3(t)、29.3(t)、29.2(t)、29.1
    (t)、29.0(t)、29.0(t)、28.7(t)、2
    8.7(t)、27.5(t)、26.2(t)、25.6
    (t)、25.3(t)、25.2(t)、22.3(t)、2
    2.1(t)、20.4(q)、19.6(q)、17.1
    (q)、14.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶; 8)アミノ酸分析:加水分解物としてアスパラギン酸、
    スレオニン、アラニン、グリシン、β−アラニンが認め
    られた。
  3. 【請求項3】下記式(B) 【化2】 で示される化合物II又はそのプロドラッグ。
  4. 【請求項4】下記の物理化学的性状を有する化合物II
    又はそのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C591051318; 3)分子量:1283(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C591061318
    して) 実測値:1284.7784 計算値:1284.7778; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
    -1):3317、3068、2928、2855、16
    62、1536、1455、1409、1378、12
    94、1258、1105、589; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒ス
    ペクトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクト
    ル(90MHz)は、次に示す通りである;177.5
    (s)、173.4(s)、173.0(s)、172.3
    (s)、172.3(s)、171.9(s)、171.5
    (s)、170.8(s)、170.7(s)、170.7
    (s)、170.5(s)、170.5(s)、169.0
    (s)、69.6(d)、69.1(d)、67.6(d)、6
    7.4(d)、66.7(d)、58.8(d)、58.2
    (d)、54.2(d)、53.4(d)、49.6(d)、4
    9.3(d)、49.3(d)、48.5(d)、42.2
    (t)、37.2(t)、37.2(t)、37.2(t)、3
    6.5(t)、36.2(t)、36.2(t)、35.3
    (t)、34.6(t)、33.3(t)、31.5(t)、3
    1.4(t)、31.3(t)、29.3(t)、29.3
    (t)、29.1(t)、29.0(t)、29.0(t)、2
    8.9(t)、28.7(t)、28.7(t)、26.2
    (t)、25.6(t)、25.3(t)、25.2(t)、2
    5.2(t)、22.1(t)、22.1(t)、20.4
    (q)、19.6(q)、17.1(q)、14.0(q)、1
    4.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶; 8)アミノ酸分析:加水分解物としてアスパラギン酸、
    スレオニン、アラニン、グリシン、β−アラニンが認め
    られた。
  5. 【請求項5】下記式(C) 【化3】 で示される化合物III又はそのプロドラッグ。
  6. 【請求項6】下記の物理化学的性状を有する化合物II
    I又はそのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C581031318; 3)分子量:1269(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C581041318
    して) 実測値:1270.7628 計算値:1270.7622; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
    -1):3308、3068、2928、2856、16
    63、1538、1436、1407、1380、12
    97、1252、1105、1023、590; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒ス
    ペクトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクト
    ル(90MHz)は、次に示す通りである;177.5
    (s)、173.5(s)、173.0(s)、172.4
    (s)、172.4(s)、171.9(s)、171.6
    (s)、170.8(s)、170.7(s)、170.7
    (s)、170.5(s)、170.5(s)、169.1
    (s)、69.6(d)、69.1(d)、67.6(d)、
    67.4(d)、66.8(d)、58.8(d)、58.3
    (d)、54.2(d)、53.4(d)、49.7(d)、4
    9.4(d)、49.3(d)、48.5(d)、42.2
    (t)、37.3(t)、37.3(t)、37.2(t)、3
    6.5(t)、36.2(t)、36.2(t)、35.3
    (t)、34.6(t)、33.3(t)、31.5(t)、3
    1.4(t)、31.3(t)、29.3(t)、29.3
    (t)、29.2(t)、29.1(t)、29.0(t)、2
    8.8(t)、28.7(t)、26.2(t)、25.7
    (t)、25.3(t)、25.3(t)、25.0(t)、2
    2.2(t)、22.1(t)、20.4(q)、19.6
    (q)、17.1(q)、14.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶。
  7. 【請求項7】下記式(D) 【化4】 で示される化合物IV又はそのプロドラッグ。
  8. 【請求項8】下記の物理化学的性質を有する化合物IV
    又はそのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C591031318; 3)分子量:1281(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C591041318
    して) 実測値:1282.7609 計算値:1282.7623; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
    -1):3310、3062、2928、2856、16
    64、1538、1454、1409、1380、12
    97、1253、1104、1024、603; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒ス
    ペクトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクト
    ル(90MHz)は、次に示す通りである;210.7
    (s)、177.5(s)、173.5(s)、173.0
    (s)、172.4(s)、172.3(s)、171.9
    (s)、171.5(s)、170.8(s)、170.7
    (s)、170.7(s)、170.5(s)、170.5
    (s)、169.1(s)、69.1(d)、67.7(d)、
    67.4(d)、66.8(d)、58.8(d)、58.3
    (d)、54.2(d)、53.5(d)、49.6(d)、4
    9.3(d)、49.3(d)、48.5(d)、42.2
    (t)、41.9(t)、41.8(t)、37.2(t)、3
    6.5(t)、36.2(t)、36.1(t)、35.3
    (t)、34.7(t)、33.3(t)、31.5(t)、3
    1.3(t)、31.1(t)、29.3(t)、29.2
    (t)、29.0(t)、28.8(t)、28.7(t)、2
    8.7(t)、28.6(t)、28.3(t)、26.2
    (t)、25.6(t)、25.3(t)、23.3(t)、2
    3.2(t)、22.1(t)、22.0(t)、20.4
    (q)、19.6(q)、17.1(q)、14.0(q)、1
    3.9(q); 7)溶解性:DMSOに易溶。
  9. 【請求項9】下記式(E) 【化5】 で示される化合物V又はそのプロドラッグ。
  10. 【請求項10】下記の物理化学的性状を有する化合物V
    又はそのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C601071318; 3)分子量:1297(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C601081318
    して) 実測値:1298.7928 計算値:1298.7935; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
    -1):3313、3069、2927、2855、16
    63、1536、1455、1407、1384、12
    52、1105、1024、580; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒ス
    ペクトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクト
    ル(90MHz)は、次に示す通りである;177.5
    (s)、173.4(s)、173.0(s)、172.3
    (s)、172.3(s)、171.9(s)、171.5
    (s)、170.8(s)、170.7(s)、170.7
    (s)、170.5(s)、170.5(s)、169.1
    (s)、69.6(d)、69.1(d)、67.6(d)、6
    7.4(d)、66.8(d)、58.8(d)、58.2
    (d)、54.2(d)、53.4(d)、49.6(d)、4
    9.3(d)、49.3(d)、48.5(d)、42.2
    (t)、37.3(t)、37.3(t)、37.3(t)、3
    6.5(t)、36.2(t)、36.2(t)、35.3
    (t)、34.6(t)、33.3(t)、31.5(t)、3
    1.4(t)、31.3(t)、29.3(t)、29.3
    (t)、29.2(t)、29.1(t)、29.1(t)、2
    9.0(t)、28.9(t)、28.7(t)、28.7
    (t)、26.2(t)、25.7(t)、25.3(t)、2
    5.3(t)、25.3(t)、22.1(t)、22.1
    (t)、20.4(q)、19.6(q)、17.1(q)、1
    4.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶。
  11. 【請求項11】下記式(F) 【化6】 で示される化合物VI又はそのプロドラッグ。
  12. 【請求項12】下記の物理化学的性状を有する化合物V
    I又はそのプロドラッグ: 1)物質の性状:中性脂溶性白色粉末; 2)分子式:C611091318; 3)分子量:1311(FAB−MS法) 高分解能FAB−MS[M+H]+(C611101318
    して) 実測値:1312.8105 計算値:1312.8091; 4)紫外線吸収スペクトル:末端吸収; 5)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中νcm
    -1):3315、3065、2926、2855、16
    64、1537、1456、1409、1379、12
    52、1102、1024、583; 6)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ,ppm);ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシド中で、ジ
    ュウテリウム置換したジメチルスルフォキシドの溶媒ス
    ペクトルを内部標準として測定した核磁気共鳴スペクト
    ル(90MHz)は、次に示す通りである;177.5
    (s)、173.4(s)、173.0(s)、172.3
    (s)、172.3(s)、171.9(s)、171.5
    (s)、170.8(s)、170.7(s)、170.7
    (s)、170.5(s)、170.5(s)、169.1
    (s)、69.6(d)、69.1(d)、67.6(d)、6
    7.4(d)、66.8(d)、58.8(d)、58.3
    (d)、54.2(d)、53.4(d)、49.6(d)、4
    9.3(d)、49.3(d)、48.5(d)、42.2
    (t)、37.3(t)、37.3(t)、37.3(t)、3
    6.5(t)、36.2(t)、36.2(t)、35.3
    (t)、34.6(t)、33.3(t)、31.5(t)、3
    1.4(t)、31.3(t)、29.3(t)、29.3
    (t)、29.1(t)、29.1(t)、29.1(t)、2
    9.0(t)、29.0(t)、28.9(t)、28.7
    (t)、28.7(t)、26.2(t)、25.7(t)、2
    5,3(t)、25.3(t)、25.3(t)、22.1
    (t)、22.1(t)、20.4(q)、19.6(q)、1
    7.1(q)、14.0(q)、14.0(q); 7)溶解性:DMSOに易溶。
  13. 【請求項13】請求項1ないし12のいずれか一つに記
    載の化合物の生産能を有する菌を培養し、その培養物よ
    り請求項1ないし12のいずれか一つに記載の化合物を
    採取することを特徴とする、請求項1ないし12のいず
    れか一つに記載の化合物の製造方法。
  14. 【請求項14】化合物I、化合物II、化合物III、
    化合物IV、化合物V又は化合物VIの生産能を有する
    菌を培養し、その培養物より化合物I、化合物II、化
    合物III、化合物IV、化合物V又は化合物VIを採
    取することを特徴とする、化合物I、化合物II、化合
    物III、化合物IV、化合物V又は化合物VIの製造
    方法。
  15. 【請求項15】請求項1ないし12のいずれか一つに記
    載の化合物の生産能を有する菌がSANK 17397
    (FERM BP−6123)である、請求項13記載
    の製造方法。
  16. 【請求項16】化合物I、化合物II、化合物III、
    化合物IV、化合物V又は化合物VIの生産能を有する
    菌がSANK 17397(FERM BP−612
    3)である、請求項14記載の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項1ないし12のいずれか一つに記
    載の化合物の生産能を有することを特徴とする微生物。
  18. 【請求項18】化合物I、化合物II、化合物III、
    化合物IV、化合物V又は化合物VIの生産能を有する
    ことを特徴とする微生物。
  19. 【請求項19】SANK 17397(FERM BP
    −6123)である請求項17記載の微生物。
  20. 【請求項20】SANK 17397(FERM BP
    −6123)である請求項18記載の微生物。
  21. 【請求項21】請求項1ないし12のいずれか一つに記
    載の化合物を有効成分として含有する医薬。
  22. 【請求項22】請求項1ないし12のいずれか一つに記
    載の化合物を有効成分として含有する抗真菌剤。
  23. 【請求項23】請求項1ないし12のいずれか一つに記
    載の化合物の使用。
  24. 【請求項24】請求項1ないし12のいずれか一つに記
    載の化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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