JP2001139597A - 新規化合物f−15078 - Google Patents

新規化合物f−15078

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JP2001139597A
JP2001139597A JP2000261990A JP2000261990A JP2001139597A JP 2001139597 A JP2001139597 A JP 2001139597A JP 2000261990 A JP2000261990 A JP 2000261990A JP 2000261990 A JP2000261990 A JP 2000261990A JP 2001139597 A JP2001139597 A JP 2001139597A
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nuclear magnetic
resonance spectrum
compound
methanol
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辰也 矢野
Masatoshi Inukai
正俊 犬飼
Toshio Takatsu
敏夫 高津
Itsushin Tanaka
一新 田中
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗真菌活性を有する新規化合物を提供するこ
と。 【解決手段】下記式(I) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗真菌活性を有す
る新規化合物、該化合物生産菌を培養することによる該
化合物の製造法、該化合物を有効成分として含有する医
薬、該化合物を有効成分とする真菌感染症の治療剤及び
予防剤、該化合物の生産菌等に関する。
【0002】
【従来の技術】現在臨床に用いられている抗真菌化合物
としては、アンフォテリシンB、フルシトシン、アゾー
ル系化合物等を挙げることができる。これらの化合物に
は、細胞毒性や耐性菌の出現が問題になってきているも
のが多い。
【0003】微生物が生産する抗真菌化合物としては、
ザレリオン(Zalerion)属等が生産するニューモカンジ
ン(pneumocandin)類(Schmatz, D. M., et al., J. A
ntibiotics 45, 1886(1992))、アスペルギルス(Asper
gillus)属等が生産するエキノカンジン(echinocandi
n)類(Nyfeler, R. and Keller-Schierlein, W., Hel
v. Chim. Acta 57, 2459(1974))、又、オーレオバシジ
ウム(Aureobasidium)属が生産するオーレオバシジン
(aureobasidin)類(Ikai, K., et al., J. Antibiotics
44, 925(1991))等が報告されているが、これらは臨床
への適用に至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、東京都
小笠原村父島において採集した土壌より採取されたホー
マ・エスピー(Phoma sp.)SANK1389
9株の培養物中に新規化合物を見出し、該化合物が抗真
菌活性を有することを確認し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)下記式(I)
【0006】
【化3】 で表される化合物又はその塩、(2)下記の理化学的性
状を有する化合物又はその塩: 1)物質の性状:塩基性脂溶性粉末 2)分子式:C5598814 3)分子量:1094(FAB−MS法) 4)高分解能FAB−MS[M+H]+(C55998
14として): 実測値:1095.7365 計算値:1095.7281 5)紫外線吸収スペクトル:末端吸収 6)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中、cm
-1):3434, 3335, 2962, 2937, 2875, 2806, 1750, 16
84, 1641, 1509, 1469, 1412,1371, 1314, 1294, 1271,
1204, 1156, 1128, 1074, 1020 7)旋光度:[α]D 25−120°(c 1.0、メタ
ノール) 8)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
て測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz)
は、次に示す通りである。 0.78(3H), 0.79(3H), 0.80(3H), 0.82(3H), 0.87(3H),
0.88(1H), 0.92(3H), 0.93(3H), 0.94(3H), 0.96(3H),
0.97(3H), 0.98(3H), 1.01(3H), 1.02(3H), 1.03(3H),
1.06(3H), 1.21(1H), 1.41(3H), 1.41(1H), 1.48(1H),
1.48(1H), 1.49(1H),1.52(3H), 1.55(1H), 1.65(1H),
1.66(1H), 1.70(2H), 1.73(1H), 1.81(1H),1.87(1H),
2.28(1H), 2.31(1H), 2.37(1H), 2.48(3H), 2.89(3H),
2.94(3H), 2.96(1H), 3.29(3H), 3.56(1H), 4.06(1H),
4.14(1H), 4.77(1H), 4.78(1H), 4.84(1H), 4.91(1H),
4.96(1H), 5.21(1H), 5.25(1H), 5.53(1H), 6.39(1H),
7.83(1H), 7.94(1H), 8.28(1H) 9)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
て測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz)
は、次に示す通りである。 10.9(q), 11.9(q), 15.0(q), 15.1(q), 16.0(q), 16.6
(q), 17.4(q), 18.3(q),18.6(q), 18.7(q), 19.1(q), 2
1.0(q), 21.4(q), 22.1(q), 23.1(q), 23.51(q),23.54
(q), 24.2(t), 24.6(d), 24.8(d), 25.4(d), 25.5(t),
27.7(d), 29.5(q), 29.8(d), 30.2(q), 36.1(q), 36.5
(t), 37.7(t), 38.3(d), 38.4(d), 39.7(t), 40.9(q),
46.2(d), 51.8(d), 53.1(d), 54.7(d), 55.1(d), 63.9
(d), 64.7(d), 68.1(d), 70.1(d), 73.4(d), 74.3(d),
77.1(d), 169.03(s), 169.04(s), 169.6(s), 169.8(s),
169.9(s), 170.3(s), 172.0(s), 173.4(s), 173.8(s),
174.0(s) 10)高速液体クロマトグラフィー: カラム :Shodex Asahipak C8P
50 4E(直径4.6mm×長さ250mm:昭和電
工(株)製) 移動相 :アセトニトリル:10mM炭酸水素アンモニ
ウム水=13:7 流 速:0.7ml/分 検出波長:λ210nm 保持時間:10.20分 11)溶解性:ジメチルスルホキシド、メタノール、ク
ロロホルムに可溶。12)アミノ酸分析:加水分解物と
してスレオニン、アラニン、イソロイシンが認められ
た、(3)下記式(II)
【0007】
【化4】 で表される化合物、(4)下記の理化学的性状を有する
化合物: 1)物質の性状:中性脂溶性無色粉末 2)分子式:C57100815 3)分子量:1136(FAB−MS法) 4)高分解能FAB−MS[M+H]+(C571018
15として): 実測値:1137.7410 計算値:1137.7387 5)紫外線吸収スペクトル:末端吸収 6)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中、cm
-1):3433, 3333, 2963, 2937, 2875, 1751, 1686, 16
42, 1516, 1469, 1409, 1388,1372, 1311, 1292, 1272,
1201, 1156, 1128, 1074, 1017 7)旋光度:[α]D 25−131°(c 1.0、メタ
ノール) 8)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
て測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz)
は、次に示す通りである。 0.78(3H), 0.79(3H), 0.80(3H), 0.83(3H), 0.87(1H),
0.87(3H), 0.90(3H), 0.92(3H), 0.93(3H), 0.95(3H),
0.95(3H), 0.98(3H), 0.98(3H), 1.01(3H), 1.01(3H),
1.03(1H), 1.05(3H), 1.28(3H), 1.37(1H), 1.40(1H),
1.46(1H), 1.47(1H), 1.49(1H), 1.51(3H), 1.64(1H),
1.65(1H), 1.66(1H), 1.86(1H), 1.72(1H), 1.78(1H),
2.12(3H), 2.13(1H), 2.26(1H), 2.31(1H), 2.37(1H),
2.88(3H),2.93(3H), 2.97(3H), 3.28(3H), 3.56(1H),
4.03(1H), 4.15(1H), 4.73(1H), 4.78(1H), 4.82(1H),
4.83(1H), 4.91(1H), 4.97(1H), 5.15(1H), 5.28(1H),
5.50(1H), 6.37(1H), 6.87(1H), 7.86(1H), 8.29(1H) 9)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
て測定した核磁気共鳴スペクトル(599 MHz)
は、次に示す通りである。 10.5(q), 10.9(q), 14.9(q), 15.1(q), 15.6(q), 16.6
(q), 16.7(q), 18.3(q),18.6(q), 18.7(q), 19.0(q), 2
0.8(q), 21.4(q), 22.0(q), 22.1(q), 23.1(q),23.6
(q), 23.6(q), 24.1(t), 24.6(t), 24.7(d), 24.8(d),
25.4(d), 27.7(d),29.5(q), 29.8(d), 30.2(q), 31.6
(d), 31.8(q), 36.1(t), 37.6(t), 38.4(d),39.6(t), 4
0.9(q), 46.1(d), 51.8(d), 53.1(d), 54.7(d), 54.7
(d), 61.2(d),63.9(d), 64.6(d), 68.1(d), 73.1(d), 7
4.3(d), 77.0(d), 168.9(s), 168.9(s), 169.1(s), 16
9.9(s), 169.9(s), 170.3(s), 170.6(s), 171.7(s), 17
2.0(s),173.3(s), 173.8(s) 10)高速液体クロマトグラフィー:カラム :Sho
dex Asahipak C8P 50 4E(直径
4.6mm×長さ250mm:昭和電工(株)製) 移動層 :アセトニトリル:10mM炭酸水素アンモニ
ウム水=13:7 流 速:0.7ml/分 検出波長:λ210nm 保持時間:9.05分 11)溶解性:ジメチルスルホキシド、メタノール、ク
ロロホルムに可溶 12)アミノ酸分析:加水分解物としてスレオニン、ア
ラニン、イソロイシンが認められた、(5)ホーマ(P
homa)属に属する、(1)乃至(4)のいずれか一
つに記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物より
(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の化合物を採取
することを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれか一
つに記載の化合物の製造方法、(6)ホーマ(Phom
a)属に属する、(1)乃至(4)のいずれか一つに記
載の化合物の生産菌がホーマ・エスピー(Phoma
sp.) SANK 13899(FERM BP−6
851)株である、(5)に記載の製造方法、(7)
(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の化合物又はそ
の塩を有効成分として含有する医薬、(8)(1)乃至
(4)のいずれか一つに記載の化合物若しくはその塩を
有効成分として含有する真菌感染症の治療剤又は予防
剤、及び、(9)ホーマ・エスピー(Phoma s
p.) SANK 13899(FERMBP−685
1)株、に関する。
【0008】本発明の化合物は上記(1)乃至(4)に
記載されている。このうち、上記(1)及び(3)記載
の化合物は、下記一般式(III)
【0009】
【化5】 (式中、Rは水素原子又はCOCH3を示す。)により
表すことができ、本発明においては上記一般式(II
I)で表される化合物を総称してF−15078とい
う。
【0010】上記(1)記載の化合物は、上記一般式
(III)で表され且つRが水素原子である化合物であ
る。本発明においては、上記(1)記載の化合物、又
は、上記(2)記載の物理化学的性状を有する化合物
を、F−15078Aという。
【0011】上記(3)記載の化合物は、上記一般式
(III)で表され且つR=COCH 3である化合物で
ある。本発明においては、上記(3)記載の化合物、又
は、上記(4)記載の物理化学的性状を有する化合物
を、F−15078Bという。
【0012】F−15078Aは、常法に従って塩にす
ることができる。F−15078Aの塩は、医学用途、
獣医学用途及びそれ以外の用途のいずれにも適用され得
る。
【0013】F−15078Aの塩が医学用途及び/又
は獣医学用途に適用される場合、該化合物の塩として
は、薬理上許容されるものであれば特に限定されるもの
ではなく、例えば、塩酸塩のような無機塩、パモ酸塩の
ような有機酸塩等を挙げることができる。
【0014】F−15078Aの塩が医学用途及び獣医
学用途以外の用途、例えば、合成中間体として使用され
る場合は特に限定はない。その様な塩としては、例え
ば、酢酸塩、臭化物塩、塩化物塩、塩酸塩、臭酸塩、ヨ
ウ化物塩、硫酸塩、リン酸塩、ニリン酸塩のような無機
塩;クエン酸塩、マレイン酸塩、パモ酸塩、酒石酸塩の
ような有機酸塩等を挙げることができる。
【0015】また、本発明のF−15078は種々の異
性体を有する。本発明においては、これらの異性体がす
べて単一の式で示されている。従って、本発明はこれら
の異性体及びこれらの異性体の混合物をもすべて含むも
のである。
【0016】さらに、本発明は、F−15078が溶剤
和物(例えば水和物)を形成する場合には、これらもす
べて含むものである。
【0017】例えば、本発明のF−15078が、大気
中に放置されたり、または再結晶をすることにより、水
分を吸収し、吸着水が付着したり、水和物を形成する場
合がある。本発明にはこのような溶剤和物も含まれる。
【0018】また、本発明は、生体内において代謝され
てF−15078に変換される化合物、いわゆるプロド
ラッグもすべて含むものである。
【0019】
【発明の実施の形態】[生産菌]F−15078は該化
合物を生産する真菌の培養物より得ることができる。F
−15078の生産菌としては、例えば、ホーマ(Ph
oma)属に属する真菌株等を挙げることができ、好適
にはホーマ・エスピー(Phoma sp.)SANK
13899株(以下、単に「SANK13899株」と
いう。)である。SANK13899株は、東京都小笠
原村父島において採集した土壌より単離された。
【0020】本菌の菌学的性状を観察するため、次の各
培地上で培養を行った。
【0021】使用した各培地の組成を以下に記載する。 PDA培地(ホ゜テトテ゛キストロース寒天(Potato Dextrose Agar)培地) ニッスイ ホ゜テトテ゛キストロース寒天培地(日水製薬(株)製) 39g 蒸留水 1000ml CMA培地(コーンミール寒天(Corn Meal Agar)培地) コーンミールアカ゛ール(日水製薬(株)製) 17g 蒸留水 1000ml WSH培地 クエーカーオートミール 10g 硫酸マグネシウム七水和物 1g リン酸二水素カリウム 1g 硝酸ナトリウム 1g 寒天 20g 蒸留水 1000ml 三浦培地 グルコース 1g リン酸二水素カリウム 1g 硫酸マグネシウム七水和物 0.2g 塩化カリウム 0.2g イーストエキス 0.2g 硝酸ナトリウム 2g 寒天 20g 蒸留水 1000ml CYA培地(サ゛ヘ゜ックイーストエキス寒天(Czapek Yeast Extract Agar)培地) リン酸水素ニカリウム 1.0g ザペック濃縮液* 10ml イーストエキス 5g シュークロース 30g 寒天 15g 蒸留水 1000ml MEA培地(モルトエキス寒天(Malt Extract Agar)培地) モルトエキス 20g ペプトン 1g グルコース 20g 寒天 20g 蒸留水 1000ml G25N培地(25%ク゛リセロール硝酸(25% Glycerol Nitrate Agar)培地) リン酸水素ニカリウム 0.75g ザペック濃縮液* 7.5ml イーストエキス 3.7g グリセロール 250g 寒天 12g 蒸留水 750ml *ザペック濃縮液とは、以下の組成の溶液を示す。
【0022】 硝酸ナトリウム 30g 塩化カリウム 5g 硫酸マグネシウム七水和物 5g 硫酸鉄(II)七水和物 0.1g 硫酸亜鉛七水和物 0.1g 硫酸銅五水和物 0.05g 蒸留水 100ml 色調の表示は「メチューン・ハンドブック・オブ・カラ
ー」 (Kornerup, A. and Wanscher, J. H. (1978) Meth
uen handbook of colour(3rd. edition). EryeMethuen,
London.)に従った。
【0023】SANK13899株の培養下での菌学的
性状は次の通りである。
【0024】PDA培地上での成長は、23℃、2週間
の培養で直径13乃至17mmである。コロニーは綿毛
状、中央部で羊毛状に隆起し、コロニーの縁辺部はやや
歯状である。コロニー表面は、グレー(3B1)乃至白
色である。裏面はブラウン(6E5乃至4)である。
【0025】CMA培地上での成長は、23℃、2週間
の培養で直径15乃至17mmである。コロニーは粉状
で、コロニーの縁辺部は歯状である。コロニー表面はグ
レーイッシュグリーン(27E5)乃至ダルグリーン’
(27E4)である。裏面はダークグリーン(27F
4)である。
【0026】三浦培地上での成長は、23℃、2週間の
培養で直径22乃至33mmである。コロニーは圧伏
し、コロニーの縁辺部は全縁である。コロニー表面は白
色である。裏面はイエローイッシュホワイト(3A2)
乃至白色である。
【0027】WSH培地上での成長は、23℃、2週間
の培養で直径33乃至34mmである。コロニーは圧伏
し、コロニーの縁辺部は全縁である。コロニー表面はペ
ールイエロー(3A3)乃至イエローイッシュホワイト
(3A2)である。裏面はコロニー表面と同色である。
【0028】CYA培地上での成長は、23℃、2週間
の培養で直径34乃至35mmである。コロニーは綿毛
状であり、中央部で羊毛状に隆起し、弱い可溶性色素を
分泌する。コロニーの縁辺部は圧伏し、全縁である。コ
ロニー表面はグレーイッシュオレンジ(6B3)であ
る。裏面はブラウニッシュオレンジ(6C8)乃至ブラ
ウン(6D8)である。
【0029】MEA培地上での成長は、23℃、2週間
の培養で直径15乃至23mmである。コロニーは綿毛
状、中央部で羊毛状に隆起する。コロニーの縁辺部は圧
伏し、全縁乃至やや歯状である。コロニー表面は白色乃
至グレー(3B1)である。裏面はダークグリーン(2
8F4乃至3)である。
【0030】G25N培地上では生育しない。
【0031】菌糸は直径0.5乃至3μmであり、しば
しば束状になり、薄壁乃至厚壁で、滑面乃至粗面で、無
色乃至褐色である。
【0032】SANK13899株は、ODA培地や三
浦培地などで1ヶ月間以上培養を継続することにより、
セクターを形成し、その部分の寒天培地内に埋没した分
生子殻を形成した。その菌学的性状は次の通りである。
【0033】分生子殻は直径100乃至200μm、寒
天培地にすべて埋没乃至一部埋没し、球形乃至亜球形で
褐色乃至黒色である。開口部は観察されなかった。分生
子形成細胞は7.5乃至9μm×1.3乃至1.8μm
で、球形の分生子殻内層細胞の上に形成され、単細胞で
円筒形乃至ペン先形であり、無色である。フィアロ型分
生子は3.5乃至4.7μm×1.3乃至1.8μm
で、円筒形、単細胞で無色である。菌糸は直径0.5乃
至3μmで、しばしば束状になり、薄壁乃至厚壁で、滑
面乃至粗面であり、無色乃至褐色である。小林の文献
(Kobayashi, M., J. Antibact. Antifung. Agents, 2
2, 757(1994))などを参考にした結果、SANK138
99株をホーマ・エスピーと同定した。
【0034】なお、SANK13899株は、平成11
年8月20日付けで日本国茨城県つくば市東1−1−3
の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に国際
寄託され、受託番号 FERM BP−6851を付与
された。
【0035】周知の通り、真菌類は自然界において、ま
たは人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照射、
化学薬品処理等)により、変異を起こしやすく、本発明
のSANK13899株も同様である。本発明において
SANK13899株はその全ての変異株を包含する。
また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば
組み換え、形質導入、形質転換等によりえられたものも
包含される。即ち、F−15078を生産するSANK
13899株、それらの変異株およびそれらと明確に区
別されない菌株は全てSANK13899株に包含され
る。[培養法及び精製法]上述の如きF−15078生
産菌の培養は、一般に発酵生成物を生産するために用い
られるような培地中で行なわれる。このような培地は、
微生物が資化出来る炭素源、窒素源、無機塩、微量の生
育因子、微量金属等を含有する。
【0036】炭素源としては、例えば、グルコース、フ
ラクトース、マルトース、シュークロース、マンニトー
ル、グリセリン、デキストリン、オート麦、ライ麦、ト
ウモロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大
豆油、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸等を挙げること
ができる。これらの炭素源は単独で又は2つ以上の炭素
源を組み合わせて用いることができる。
【0037】培地に用いる炭素源の量は、培地中の他の
成分等に依存するが、通常1乃至10重量%である。
【0038】窒素源としては、例えば、大豆粉、フス
マ、落下生粉、綿実紛、カゼイン加水分解物、ファーマ
ミン、コーンスチープリカー、ペプトン、肉エキス、イ
ースト、イーストエキス、マルトエキス、硝酸ナトリウ
ム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等を挙げるこ
とができる。これらの窒素源は単独で又は2つ以上の窒
素源を組み合わせて用いることができる。
【0039】培地に用いる炭素源の量は、培地中の他の
成分等に依存するが、通常0.2乃至6重量%である。
【0040】炭素源及び窒素源は、純度の高いものであ
る必要はなく、微量の生育因子、ビタミン、無機栄養等
を含むより純度の低いものであってもよい。
【0041】また、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、アンモニウム、カルシウム、リン酸、硫酸、塩酸、
炭酸等のイオンを得ることのできる塩類を培地中に加え
てもよい。
【0042】さらに、菌の資化しうるビタミンB1、ビ
オチンのようなビタミン類、チアミンのような菌体増殖
促進物質、マンガン、モリブデンのような金属の塩を培
地に添加してもよい。
【0043】また、液体培地の場合、培地の泡立ちを防
ぐため、シリコンオイル、ポリアルキレングリコールエ
ーテル、植物油、動物油、界面活性剤のような消泡剤を
培地に添加してもよい。。
【0044】F−15078生産菌の培養に用いる液体
培地のpHは、菌株、F−15078のpH安定性等に
依存するが、該生産菌がSANK13899の場合、液
体培地のpHをpH5.0乃至pH7.0に調整する。
【0045】F−15078生産菌の培養温度は、菌
株、F−15078の熱安定性等に依存するが、該生産
菌がSANK13899の場合、15乃至37℃であ
り、好適には22乃至35℃である。F−15078を
製造するるためのSANK13899株の培養温度は、
好適には22乃至26℃であり、より好適には23℃で
ある。
【0046】F−15078生産菌の培養方法として
は、特に限定はなく、例えば、固形培地を用いた培養
法、攪拌培養法、振とう培養法、通気培養法、通気攪拌
培養法等を挙げることができ、好適には、攪拌培養法、
振とう培養法、通気培養法、通気攪拌培養法であり、よ
り好適には振とう培養法である。工業的スケールで培養
するには、通気攪拌培養法がより好適である。
【0047】F−15078を生産するための該化合物
生産菌の培養は、通常、該菌を生やしたスラントを少量
の培地に接種した種培養から始まり、必要に応じより大
きな規模で種培養を再度行なった後、最終段階としてよ
り大きな規模での本培養を行なうことによりなされる。
【0048】F−15078生産菌の小規模な培養を行
なう場合、三角フラスコ等を用いて種培養を行い、必要
に応じより大きな規模の種培養を再度行った後、三角フ
ラスコ等を用いて本培養を行う。
【0049】F−15078生産菌の大規模な培養を行
なう場合、攪拌装置及び通気装置を付けたジャーファー
メンター又はタンクを用いることが好ましい。このよう
な装置を用いれば、培地をジャーファーメンター又はタ
ンクの中で調製及び滅菌することができる。この方法
は、F−15078の大規模な製造に適している。
【0050】F−15078のSANK13899株に
よる生産は、通常144乃至192時間の培養で最高値
に達する。
【0051】培養物中に存在するF−15078は、培
養物、培養物を珪藻土等を過助剤とするろ過操作に供す
ることにより得られる培養上清、培養物を遠心分離操作
に供することにより得られる培養ろ液、及び/又は菌体
から、F−15078の物理化学的性状を利用して、抽
出精製することができる。
【0052】培養ろ液又は培養上清中に存在するF−1
5078は、中性pH条件下で水と混和しない有機溶
剤、例えば、酢酸エチル、クロロホルム、塩化エチレ
ン、塩化メチレン、ブタノール等単独で又はそれら2つ
以上の混合溶媒により抽出することができる。また、培
養ろ液又は培養上清を、吸着剤、例えば、活性炭、アン
バーライトXAD−2、アンバーライトXAD−4(以
上、ローム・アンド・ハース社製)、ダイアイオンHP
−10、ダイアイオンHP−20、ダイアイオンCHP
−20P、ダイアイオンHP−50、セパビーズSP−
207(以上、三菱化学(株)製)等に接触させ、夾雑
物を吸着させて取り除くか、又は、F−15078を吸
着させ夾雑物と分離した後、メタノール水、アセトン
水、ブタノ−ル水等を用いてF−15078を溶出させ
ることができる。。
【0053】菌体中に存在するF−15078は、50
乃至90%含水アセトン又は含水メタノールにより抽出
し、珪藻土等を過助剤とするろ過操作を行い、得られた
ろ液から有機溶剤を除去した後、培養ろ液又は培養上清
の場合と同様な抽出精製操作を行なうことにより得るこ
とができる。
【0054】培養物中に存在するF−15078は、培
養終了後、適当量、好ましくは終濃度50%(容積/容
積)のアセトン又はメタノールを添加し、抽出すること
ができる。抽出終了後、珪藻土をろ過助剤とするろ過操
作を行ない、得られたろ液液について、培養ろ液又は培
養上清の場合と同様な抽出精製操作に供することができ
る。
【0055】このようにして得られたF−15078の
粗画分は、TSKゲルトヨパールHW−40F(東ソー
(株)製)、セファデックスLH−20(アマシャムフ
ァルマシア社製)等を用いた分配カラムクロマトグラフ
ィー、コスモシール140C18(ナカライテスク
(株)製)等を用いた逆層カラムクロマトグラフィー等
によりさらに精製することができる。必要に応じ、この
ようにして精製されたF−15078含有画分を、Sh
odex asahipak C8P50−4E(昭和
電工(株)製)、YMCパックODS−AM(ワイエム
シィ(株)製)、カプセルパックUG120(資生堂
(株)製)等の逆層カラムを用いた高速液体クロマトグ
ラフィー等(high performance li
quid chromatography:以下、「H
PLC」という。)によりさらに精製することができ
る。
【0056】これらの抽出手段及び単離手段は、単独で
又は適宜組み合わせて、必要があれば同じ手段を反復
し、F−15078の単離に使用することができる。
【0057】上述のF−15078生産菌の培養工程、
及び、F−15078A又はBの精製工程におけるF−
15078A又はBの挙動は、次に示す1)又は2)の
方法により追跡することができる。 1)HPLC分析による方法:HPLCを用いた方法で
あれば特に限定されないが、例えば、下記のHPLC条
件を適用することができる。
【0058】カラム :Shodex Asahipa
k C8P 50 4E(直径4.6mm×250m
m:昭和電工(株)製) 移動層 :アセトニトリル:10mM炭酸水素アンモニ
ウム水=13:7 流 速:0.7ml/分 検出波長:λ210nm F−15078Aの保持時間:10.20分 F−15078Bの保持時間:9.05分 2)抗真菌活性を測定することによる方法:抗真菌活性
を測定する方法であれば特に限定されないが、例えば、
Yamagichiらのブロス希釈法(Yamaguchi,H., etal., J.
Med. Mycol. 36, 61(1995))を適用することができ
る。本発明のF−15078又はその塩は抗真菌作用を
有し、真菌感染症の予防薬または治療薬として有用であ
る。
【0059】F−15078又はその塩を真菌感染症の
予防薬又は治療薬に用いる場合、その投与形態は特に限
定されるものではなく、製剤、年齢、性別、疾患の種
類、疾患の程度等に応じて適宜選択され得る。
【0060】例えば、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、シロ
ップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等は
経口投与され得る。注射剤は単独で若しくはグルコー
ス、アミノ酸等の補液との混合液として、又はポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等と混和したエ
マルジョンとして、静脈内投与、筋肉内投与、皮内投
与、皮下投与及び/又は腹腔内投与され得る。坐剤は直
腸内投与され得る。
【0061】これらの各種製剤は、主薬に加え、賦形
剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解剤、矯味矯臭剤、コ
ーティング剤等、当該分野で公知の補助剤を用いて製造
することができる。
【0062】錠剤の成形に際しては、担体として当該分
野で公知のもの、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウ
ム、グルコース、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリ
ン、結晶セルロース、珪酸等の賦形剤、水、エタノー
ル、プロパノール、単シロップ、グルコース液、澱粉
液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラ
ック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニル
ピロリドン等の結合剤、乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウ
ム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグ
リセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、
カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第四級アン
モニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進
剤、グリセリン、澱粉等の保湿剤、澱粉、乳糖、カオリ
ン、ベントナイト、コロイド状珪酸等の吸着剤、精製タ
ルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコー
ル等の滑沢剤等を使用することができる。錠剤の場合、
必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣
錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング
錠、二重錠、多重錠等とすることができる。
【0063】丸剤の成形に際しては、担体として当該分
野で公知のもの、例えば、グルコース、乳糖、澱粉、カ
カオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、ア
ラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等
の結合剤、ラミナラン、寒天等の崩壊剤を使用すること
ができる。
【0064】坐剤の成形に際しては、担体として当該分
野で公知のもの、例えば、ポリエチレングリコール、カ
カオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル
類、ゼラチン、半合成グリセライド等を使用することが
できる。
【0065】注射剤が液剤、乳剤又は懸濁剤である場
合、滅菌され且つ血液と等張であることが好ましく、こ
れら液剤、乳剤及び懸濁剤の成形に際しては、希釈剤と
して当該分野で公知のもの、例えば、水、エチルアルコ
ール、プロピレングリコール、エポキシ化イソステアリ
ルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコー
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等
を使用することができる。注射剤を血液と等張にするた
めに充分な量の食塩、グルコース、グリセリン等を含有
せしめてもよく、通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤
糖を含有せしめてもよい。
【0066】これらの各種製剤には、必要に応じ、着色
剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤、他の薬剤等を含有
せしめてもよい。
【0067】これらの各種製剤中に含まれるF−150
78の量は、剤形、投与方法等に依存するが、通常1乃
至70重量%であり、好ましくは1乃至30重量%であ
る。
【0068】F−15078の投与量は、疾患の種類、
疾患の程度、年齢、体重、投与方法、剤形等に依存する
が、成人に対しては、1日に投与する量の上限が20乃
至2000mg、下限が0.001乃至0.1mgであ
り、好適な範囲は0.01乃至200mg、より好適な
範囲は0.1乃至20mgである。
【0069】F−15078を含有する医薬の投与回数
は、剤形、疾患の種類、疾患の程度、体重等に依存する
が、特に限定されるものではなく、数日に1回、1日1
回、又は1日数回である。
【0070】
【実施例】次に、実施例、試験例及び製造例を挙げ、本
発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。 実施例1.F−15078Aの製造(1) [SANK13899株の培養(1)]SANK138
99株を、121℃にて30分間滅菌した、表1記載の
組成を有する種培養培地100mlを含む500ml容
三角フラスコ3本に1白金耳接種し、23℃、210r
pm(回転半径7cm)の条件下で5日間培養した。得
られた培養液を、同じ組成の培地400mlを含む2L
容三角フラスコ9本に5%接種し、23℃、210rp
m(回転半径7cm)の条件下で2日間培養した。得ら
れた種培養液を、121℃にて30分間滅菌した、表2
記載の組成を有する本培養培地(1)15Lを含む30
L容ジャー培養機4基に5%を植菌して、23℃、通気
量1vvm、100乃至420rpm、溶存酸素量5.
0ppmの条件下で7日間培養した。 表1.種培養培地の培地組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― グリセリン 30g グルコース 30g 可溶性澱粉 20g 大豆粉 10g ゼラチン 2.5g イーストエキス(Difco) 2.5g NH4NO3 2.5g 消泡剤* 0.1ml 水道水 1000ml (pHは調整せず。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表2.本培養培地(1)の培地組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― デキストリン(Difco) 10g グリセリン 20g グルコース 30g マルトエキス(Difco) 10g イーストエキス(Difco) 2g トリプトン(Difco) 1g NH4NO3 1g NaNO3 1g KH2PO4 1g MgSO4・7H2O 1g 消泡剤* 0.1ml 水道水 1000ml (pHは調整せず。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― *ニッサン・ディスフォームCB−442(日本油脂(株)製) [F−15078Aの単離(1)]得られた培養物60
Lにアセトン60Lを加えて40分間攪拌し、この抽出
液にろ過助剤(セライト545:セライト・コーポレー
ション社製)を3kg加え、フィルタープレスろ過を行
なった。更にろ液に酢酸エチル50Lを加えて抽出を行
ない、得られた有機層49Lを50Lの飽和食塩水及び
50Lの精製水で洗浄した後、5kgの無水硫酸ナトリ
ウムを加えて1時間脱水した。フィルタープレスろ過に
より硫酸ナトリウムを除去した後、ろ液を減圧濃縮乾固
し、油状物95.9gが得られた。該油状物を、メタノ
ール:0.04%トリフルオロ酢酸水=8:2 100
mlに溶解して、同じ溶媒で予め平衡化した22L容の
トヨパールHW−40F(東ソー(株)製)カラムに供
与した。該カラムを同じ溶媒で展開し、溶出液を500
mlずつ分取し、フラクション番号13乃至25(合計
6.5L)中にF−15078Aが回収された。得られ
た画分を2Lまで減圧濃縮した後、6.25規定の水酸
化ナトリウムでpH7に調整した。この濃縮液に酢酸エ
チル3.1Lを加えて活性物質を抽出した。抽出液を3
Lの飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムによる
脱水を行なった後、減圧濃縮乾固を行ない66.5gの
油状物質を得た。この油状物質をメタノール:0.05
%トリフルオロ酢酸水=8:2 160mlに溶解し、
アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸水=4:
6で予め平衡化した3L容のコスモシール140C18
(ナカライテスク(株)製)カラムに供与した。該カラ
ムを10Lの同じ溶媒で洗浄し、アセトニトリル:0.
05%トリフルオロ酢酸水=6:4で展開した。溶出液
を2Lずつ分取し、フラクション番号2(2L)中にF
−15078Aが回収された。 得られた画分を800
mlまで減圧濃縮した後、6.25規定の水酸化ナトリ
ウムでpH7に調整し、酢酸エチル1Lを加えて活性物
質を抽出し、洗浄、脱水、減圧濃縮乾固し、粗精製物を
234.3mg得た。この粗精製物を4mlのメタノー
ルに溶解した後、以下に示すHPLCの条件(1)に従
ってHPLCを行ない、F−15078Aを含有する画
分が得られた。 HPLCの条件(1): カラム :YMCパックODS−AM 直径30mm×長さ300mm(ワイエムシー(株)製) 溶 媒:アセトニトリル:1%トリエチルアミンリン酸水(pH 6.0)=3:1 検出波長:UV 210nm 流 速:10.4ml/分 温 度:室温 保持時間:77乃至98分 得られたF−15078A含有画分を、上述の如く、酢
酸エチルを用いて脱塩し、減圧濃縮乾固することによ
り、F−15078Aが34.1mg得られた。 実施例2.F−15078Aの製造(2) [SANK13899株の培養(2)]SANK138
99株を、121℃、にて30分間滅菌した、実施例1
の表1記載の組成を有する種培養培地500mlを含む
2L容三角フラスコ6本に一白金耳接種し、23℃、2
10rpm(回転半径7cm)の条件下で6日間培養し
た。得られた種培養液を、同じ組成の培地30Lを含む
60L容タンク培養機2基に5%植菌し、23℃、通気
量1vvm、100rpm、溶存酸素量5.0ppmの
条件下で2日間培養した。得られた培養液を、121℃
にて30分間滅菌した、表3記載の組成を有する本培養
培地(2)300Lを含む600L容タンク培養機1基
に5%を植菌し、23℃、通気量1vvm、83乃至2
40rpm、溶存酸素量5.0ppmの条件下で7日間
培養した。 表3.本量培養培地(2)の培地組成 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― グルコース 80g マルトエキス(Difco) 20g イーストエキス(Difco) 2g トリプトン(Difco) 10g NH4NO3 1g NaNO3 1g KH2PO4 1g MgSO4・7H2O 1g 消泡剤* 0.1ml 水道水 1000ml (pHは調整せず。) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― * ニッサン・ディスフォームCB−442(日本油脂(株)製) [F−15078Aの単離(2)]得られた培養物37
0Lにろ過助剤(セライト545:セライトコーポレー
ション社製)を15kg加え、フィルタープレスろ過を
行なった。得られた菌体にメタノール:水=1:1 4
00Lを加えて攪拌した後、得られた抽出液に6規定の
塩酸を加え、pH2に調整した。この抽出液をフィルタ
ープレスろ過した。
【0071】得られたろ液465Lのうち270Lをメ
タノール:0.05%トリフルオロ酢酸水=1:1で予
め平衡化した30L容のコスモシール140 C18−
OPN(ナカライテスク(株)製)カラムに供与した。
該カラムを同じ溶媒270Lで洗浄し、アセトニトリ
ル:0.05%トリフルオロ酢酸水=4:6 100L
で洗浄した後、アセトニトリル:0.05%トリフルオ
ロ酢酸水=6:4で展開した。初めの溶出液15Lをフ
ラクション番号1として分取し、次に溶出液を10Lず
つ5画分(フラクション番号2乃至6)分取したとこ
ろ、フラクション番号2乃至4(合計30L)中にF−
15078Aが回収された。
【0072】上述のろ液の残り195Lを、メタノー
ル:0.05%トリフルオロ酢酸水=1:1で予め平衡
化した30L容のコスモシール140 C18−OPN
(ナカライテスク(株)製)カラムに供与し、該カラム
を同じ溶媒200Lで洗浄し、アセトニトリル:0.0
5%トリフルオロ酢酸水=4:6 100Lで洗浄した
後、アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸水=
6:4で展開した。初めの溶出液10Lをフラクション
番号1として分取し、次に溶出液5Lをフラクション番
号2として分取し、次に溶出液を15Lずつ2画分(フ
ラクション番号3及び4)分取し、次に溶出液10Lを
フラクション番号5として分取したところ、フラクショ
ン番号3乃至5(合計40L)中にF−15078Aが
回収された。
【0073】2回のコスモシール140 C18−OP
N(ナカライテスク(株)製)カラム分画により得られ
た合計70LのF−15078A含有画分を6規定の水
酸化ナトリウムでpH7に調整し、さらに酢酸エチル5
0Lを加えて活性物質を抽出した。抽出液を50Lの飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムによる脱水を行
った後、減圧濃縮乾固を行い32.3gの油状物質が得
られた。この油状物質をメタノール200mlに溶解
し、得られた溶液のうち50mlを以下に示すHPLC
の条件(2)に従ってHPLCに供与した。該溶液の残
りの150mlについても、30mlずつ、5回に分
け、同じ条件のHPLCに供与した。その結果、F−1
5078Aを含む画分26Lが得られた。この画分に1
0Lの水を添加し、さらに10Lの酢酸エチルを加え
て、活性物質を抽出した。抽出液を洗浄、脱水、減圧濃
縮乾固し、粗精製物が7.78g得られた。この粗精製
物のうち326mgを2mlのメタノールに溶解した。
この溶液を200μlずつ、10回に分け、以下に示す
HPLCの条件(3)に従ってHPLCに供与した。得
られた画分を濃縮、凍結乾燥することにより、F−15
078Aが275mg得られた。 HPLCの条件(2) カラム :YMCパックODS−AM 直径100mm×長さ500mm(ワイエムシー(株)製) 溶 媒:アセトニトリル:1%トリエチルアミンリン酸水(pH 6.0)=3:1 検出波長:UV 210nm 流 速:240ml/分 温 度:室温 保持時間:64分 HPLCの条件(3) カラム :Shodex Asahipak C8P 90 2F 直径20mm×長さ250mm(昭和電工(株)製) 溶 媒:アセトニトリル:10mM炭酸水素アンモニウム水 =6:4 検出波長:UV 210nm 流 速:14ml/分 温 度:室温 保持時間:19.2分 実施例3.F−15078Bの製造 [SANK13899株の培養(3)]SANK138
99株を、121℃にて30分間滅菌した、実施例1の
表1記載の組成を有する種培養培地500mlを含む2
L容三角フラスコ6本に一白金耳接種し、23℃、21
0rpm(回転半径7cm)の条件下で6日間培養し
た。得られた種培養液を、同じ組成の培地30Lを含む
60L容タンク培養機2基に5%植菌し、23℃、通気
量1vvm、100rpm、溶存酸素量5.0ppmの
条件下で2日間培養した。得られた培養液を、121
℃、30分間滅菌した、実施例2の表3記載の組成を有
する本培養培地(2)300Lを含む600L容タンク
培養機1基に5%を植菌し、23℃、通気量1vvm、
83乃至240rpm、溶存酸素量5.0ppmの条件
下で7日間培養した。 [F−15078Bの単離]得られた培養物370Lに
ろ過助剤(セライト545:セライトコーポレーション
社製)を15kg加え、フィルタープレスろ過を行なっ
た。得られた菌体にメタノール:水=1:1 400L
を加えて攪拌した後、得られた抽出液に6規定の塩酸を
加え、pH2に調整した。この抽出液をフィルタープレ
スろ過した。
【0074】得られたろ液465Lのうち270Lをメ
タノール:0.05%トリフルオロ酢酸水=1:1で予
め平衡化した30L容のコスモシール140 C18−
OPN(ナカライテスク(株)製)カラムに供与した。
該カラムを同じ溶媒270Lで洗浄し、アセトニトリ
ル:0.05%トリフルオロ酢酸水=4:6 100L
で洗浄した後、アセトニトリル:0.05%トリフルオ
ロ酢酸水=6:4で展開した。初めの溶出液15Lをフ
ラクション番号1として分取し、次に溶出液を10Lず
つ5画分(フラクション番号2乃至6)分取したとこ
ろ、フラクション番号2乃至4(合計30L)中にF−
15078Bが回収された。
【0075】上述のろ液の残り195Lを、メタノー
ル:0.05%トリフルオロ酢酸水=1:1で予め平衡
化した30L容のコスモシール140 C18−OPN
(ナカライテスク(株)製)カラムに供与し、該カラム
を同じ溶媒200Lで洗浄し、アセトニトリル:0.0
5%トリフルオロ酢酸水=4:6 100Lで洗浄した
後、アセトニトリル:0.05%トリフルオロ酢酸水=
6:4で展開した。初めの溶出液10Lをフラクション
番号1として分取し、次に溶出液5Lをフラクション番
号2として分取し、次に溶出液を15Lずつ2画分(フ
ラクション番号3及び4)分取し、次に溶出液10Lを
フラクション番号5として分取したところ、フラクショ
ン番号3乃至5(合計40L)中にF−15078Bが
回収された。
【0076】2回のコスモシール140 C18−OP
N(ナカライテスク(株)製)カラム分画により得られ
た合計70LのF−15078B含有画分を6規定の水
酸化ナトリウムでpH7に調整し、さらに酢酸エチル5
0Lを加えて活性物質を抽出した。抽出液を50Lの飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムによる脱水を行
った後、減圧濃縮乾固を行い32.3gの油状物質が得
られた。この油状物質をメタノール200mlに溶解
し、得られた溶液のうち50mlを実施例2記載のHP
LCの条件(2)に従ってHPLCに供与した。該溶液
の残りの150mlについても、30mlずつ、5回に
分け、同じ条件のHPLCに供与した。その結果、F−
15078Bを含む画分26Lが得られた。この画分に
10Lの水を添加し、さらに10Lの酢酸エチルを加え
て、活性物質を抽出した。抽出液を洗浄、脱水、減圧濃
縮乾固し、粗精製物が7.78g得られた。この粗精製
物のうち2.10gをメタノール5mlに溶解し、コス
モシール140 C18−OPN(ナカライテスク
(株)製)5gを添加した。溶媒を留去した後、残った
コスモシール140 C18−OPN(ナカライテスク
(株)製)を、アセトニトリル:0.05%トリフルオ
ロ酢酸水=4:6で予め平衡化した170ml容のコス
モシール140 C18−OPN(ナカライテスク
(株)製)カラムに重層した。該カラムを同じ溶媒30
0mlで洗浄した後、アセトニトリル:0.05%トリ
フルオロ酢酸水=6:4 300ml、及び、アセトニ
トリル:0.05%トリフルオロ酢酸水=9:1 20
mlで展開し、10mlずつ分取したところ、フラクシ
ョン番号64乃至72(合計90ml)中にF−150
78Bが回収された。得られた画分を減圧濃縮した後、
凍結乾燥し、109mgの黄白色粉末が得られた。この
粉末100mgを1mlのメタノールに溶解し、この溶
液を200μlずつ、5回に分け、以下に示すHPLC
の条件(4)に従ってHPLCに供与した。得られた画
分を減圧濃縮、凍結乾燥することにより、F−1507
8Bの白色粉末が69.5mg得られた。 HPLCの条件(4) カラム :Shodex Asahipak C8P 90 2F 直径20mm×長さ250mm(昭和電工(株)製) 溶 媒:アセトニトリル:10mM炭酸水素アンモニウム水=6:4 検出波長:UV210nm 流 速:14ml/分 温 度:室温 保持時間:17.8分 試験例1.F−15078A及びBの抗真菌活性 F−15078A及びBの抗真菌活性、すなわち被検菌
に対する最小生育阻止濃度測定は、0.165M 3−
[N−モルフォリノ]プロパンスルホン酸(シグマ社
製)緩衝液を含むRPMI1640培地を用いた、96
穴マイクロタイタープレートによるブロス希釈法(Yama
guchi,H., et al., J. Med. Mycol. 36, 61(1995))に
より行なった。測定結果を表4に示す。
【0077】 表4.F−15078A及びBの抗真菌活性 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 被検菌 最小生育阻止濃度(μg/ml) ―――――――――――――――――――― F−15078A F−15078B ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― Candida albicans ATCC90028 2.5 >50 Aspergillus fumigatus IAM2034 1.3 >50 Cryptococcus neoformans IAM4772 0.31 1.56 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表4に示す通り、F−15078A及びBは抗真菌活性
を示した。 製剤例1.経口用カプセル剤 F−15078A 30mg 乳糖 170mg トウモロコシ澱粉 150mg ステアリン酸マグネシウム 2mg ――――――――――――――――――――――― 合計 352mg 上記処方の粉末を混合し、30メッシュのふるいを通し
た後、この粉末をゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤
とする。
【0078】
【発明の効果】本発明の提供する新規化合物F−150
78A及びその塩並びにF−15078Bは抗真菌作用
を有し、各種真菌感染症の予防又は治療に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 1/02 C12P 1/02 A 21/04 21/04 //(C12N 1/14 (C12N 1/14 B C12R 1:645) C12R 1:645) (72)発明者 高津 敏夫 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 田中 一新 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) 【化1】 で表される化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】下記の理化学的性状を有する化合物又はそ
    の塩: 1)物質の性状:塩基性脂溶性粉末 2)分子式:C5598814 3)分子量:1094(FAB−MS法) 4)高分解能FAB−MS[M+H]+(C55998
    14として): 実測値:1095.7365 計算値:1095.7281 5)紫外線吸収スペクトル:末端吸収 6)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中、cm
    -1):3434, 3335, 2962, 2937, 2875, 2806, 1750, 16
    84, 1641, 1509, 1469, 1412,1371, 1314, 1294, 1271,
    1204, 1156, 1128, 1074, 1020 7)旋光度:[α]D 25−120°(c 1.0、メタ
    ノール) 8)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
    て測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz)
    は、次に示す通りである。 0.78(3H), 0.79(3H), 0.80(3H), 0.82(3H), 0.87(3H),
    0.88(1H), 0.92(3H), 0.93(3H), 0.94(3H), 0.96(3H),
    0.97(3H), 0.98(3H), 1.01(3H), 1.02(3H), 1.03(3H),
    1.06(3H), 1.21(1H), 1.41(3H), 1.41(1H), 1.48(1H),
    1.48(1H), 1.49(1H),1.52(3H), 1.55(1H), 1.65(1H),
    1.66(1H), 1.70(2H), 1.73(1H), 1.81(1H),1.87(1H),
    2.28(1H), 2.31(1H), 2.37(1H), 2.48(3H), 2.89(3H),
    2.94(3H), 2.96(1H), 3.29(3H), 3.56(1H), 4.06(1H),
    4.14(1H), 4.77(1H), 4.78(1H), 4.84(1H), 4.91(1H),
    4.96(1H), 5.21(1H), 5.25(1H), 5.53(1H), 6.39(1H),
    7.83(1H), 7.94(1H), 8.28(1H) 9)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
    て測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz)
    は、次に示す通りである。 10.9(q), 11.9(q), 15.0(q), 15.1(q), 16.0(q), 16.6
    (q), 17.4(q), 18.3(q),18.6(q), 18.7(q), 19.1(q), 2
    1.0(q), 21.4(q), 22.1(q), 23.1(q), 23.51(q),23.54
    (q), 24.2(t), 24.6(d), 24.8(d), 25.4(d), 25.5(t),
    27.7(d), 29.5(q), 29.8(d), 30.2(q), 36.1(q), 36.5
    (t), 37.7(t), 38.3(d), 38.4(d), 39.7(t), 40.9(q),
    46.2(d), 51.8(d), 53.1(d), 54.7(d), 55.1(d), 63.9
    (d), 64.7(d), 68.1(d), 70.1(d), 73.4(d), 74.3(d),
    77.1(d), 169.03(s), 169.04(s), 169.6(s), 169.8(s),
    169.9(s), 170.3(s), 172.0(s), 173.4(s), 173.8(s),
    174.0(s) 10)高速液体クロマトグラフィー: カラム :Shodex Asahipak C8P
    50 4E(直径4.6mm×長さ250mm:昭和電
    工(株)製) 移動相 :アセトニトリル:10mM炭酸水素アンモニ
    ウム水=13:7 流 速:0.7ml/分 検出波長:λ210nm 保持時間:10.20分 11)溶解性:ジメチルスルホキシド、メタノール、ク
    ロロホルムに可溶。 12)アミノ酸分析:加水分解物としてスレオニン、ア
    ラニン、イソロイシンが認められた。
  3. 【請求項3】下記式(II) 【化2】 で表される化合物。
  4. 【請求項4】下記の理化学的性状を有する化合物: 1)物質の性状:中性脂溶性無色粉末 2)分子式:C57100815 3)分子量:1136(FAB−MS法) 4)高分解能FAB−MS[M+H]+(C571018
    15として): 実測値:1137.7410 計算値:1137.7387 5)紫外線吸収スペクトル:末端吸収 6)赤外線吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤中、cm
    -1):3433, 3333, 2963, 2937, 2875, 1751, 1686, 16
    42, 1516, 1469, 1409, 1388,1372, 1311, 1292, 1272,
    1201, 1156, 1128, 1074, 1017 7)旋光度:[α]D 25−131°(c 1.0、メタ
    ノール) 8)1H−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
    て測定した核磁気共鳴スペクトル(500 MHz)
    は、次に示す通りである。 0.78(3H), 0.79(3H), 0.80(3H), 0.83(3H), 0.87(1H),
    0.87(3H), 0.90(3H), 0.92(3H), 0.93(3H), 0.95(3H),
    0.95(3H), 0.98(3H), 0.98(3H), 1.01(3H), 1.01(3H),
    1.03(1H), 1.05(3H), 1.28(3H), 1.37(1H), 1.40(1H),
    1.46(1H), 1.47(1H), 1.49(1H), 1.51(3H), 1.64(1H),
    1.65(1H), 1.66(1H), 1.86(1H), 1.72(1H), 1.78(1H),
    2.12(3H), 2.13(1H), 2.26(1H), 2.31(1H), 2.37(1H),
    2.88(3H),2.93(3H), 2.97(3H), 3.28(3H), 3.56(1H),
    4.03(1H), 4.15(1H), 4.73(1H), 4.78(1H), 4.82(1H),
    4.83(1H), 4.91(1H), 4.97(1H), 5.15(1H), 5.28(1H),
    5.50(1H), 6.37(1H), 6.87(1H), 7.86(1H), 8.29(1H) 9)13C−核磁気共鳴スペクトル:(δ、ppm) 重クロロホルム中、テトラメチルシランを内部標準とし
    て測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、
    次に示す通りである。 10.5(q), 10.9(q), 14.9(q), 15.1(q), 15.6(q), 16.6
    (q), 16.7(q), 18.3(q),18.6(q), 18.7(q), 19.0(q), 2
    0.8(q), 21.4(q), 22.0(q), 22.1(q), 23.1(q),23.6
    (q), 23.6(q), 24.1(t), 24.6(t), 24.7(d), 24.8(d),
    25.4(d), 27.7(d),29.5(q), 29.8(d), 30.2(q), 31.6
    (d), 31.8(q), 36.1(t), 37.6(t), 38.4(d),39.6(t), 4
    0.9(q), 46.1(d), 51.8(d), 53.1(d), 54.7(d), 54.7
    (d), 61.2(d),63.9(d), 64.6(d), 68.1(d), 73.1(d), 7
    4.3(d), 77.0(d), 168.9(s), 168.9(s), 169.1(s), 16
    9.9(s), 169.9(s), 170.3(s), 170.6(s), 171.7(s), 17
    2.0(s),173.3(s), 173.8(s) 10)高速液体クロマトグラフィー: カラム :Shodex Asahipak C8P
    50 4E(直径4.6mm×長さ250mm:昭和電
    工(株)製) 移動層 :アセトニトリル:10mM炭酸水素アンモニ
    ウム水=13:7 流 速:0.7ml/分 検出波長:λ210nm 保持時間:9.05分 11)溶解性:ジメチルスルホキシド、メタノール、ク
    ロロホルムに可溶 12)アミノ酸分析:加水分解物としてスレオニン、ア
    ラニン、イソロイシンが認められた。
  5. 【請求項5】ホーマ(Phoma)属に属する、請求項
    1乃至4のいずれか一つに記載の化合物の生産菌を培養
    し、その培養物より請求項1乃至4のいずれか一つに記
    載の化合物を採取することを特徴とする、請求項1乃至
    4のいずれか一つに記載の化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】ホーマ(Phoma)属に属する、請求項
    1乃至4のいずれか一つに記載の化合物の生産菌がホー
    マ・エスピー(Phoma sp.) SANK 13
    899(FERM BP−6851)株である、請求項
    5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至4のいずれか一つに記載の化
    合物又はその塩を有効成分として含有する医薬。
  8. 【請求項8】請求項1乃至4のいずれか一つに記載の化
    合物若しくはその塩を有効成分として含有する真菌感染
    症の治療剤又は予防剤。
  9. 【請求項9】ホーマ・エスピー(Phoma sp.)
    SANK 13899(FERMBP−6851)
    株。
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