JPH11255507A - ハイドロキシアパタイトの製造方法 - Google Patents

ハイドロキシアパタイトの製造方法

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JPH11255507A
JPH11255507A JP10078412A JP7841298A JPH11255507A JP H11255507 A JPH11255507 A JP H11255507A JP 10078412 A JP10078412 A JP 10078412A JP 7841298 A JP7841298 A JP 7841298A JP H11255507 A JPH11255507 A JP H11255507A
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alcohol
hydrocarbon
tricalcium phosphate
tcp
carbon atoms
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JP10078412A
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Atsushi Nakahira
敦 中平
Kiyoko Sakamoto
清子 坂本
Toshiro Yamaguchi
俊郎 山口
Kazuyuki Hosoi
和幸 細井
Takao Fukuda
隆生 福田
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Shiraishi Kogyo Kaisha Ltd
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Shiraishi Kogyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸三カルシウム(TCP)を加水分解し
て骨や歯等の各種の生体用材料として有用なハイドロキ
シアパタイト(HAP)の針状又はウィスカー状の結晶
を製造する。 【解決手段】 TCP(特に、α-TCP)をアルコー
ル(例えば炭素数1〜30の脂肪族モノアルコール若しく
はアミノアルコール)又は炭化水素(例えば炭素数1〜
30の脂肪族炭化水素)の存在下で、例えばアンモニアに
よってアルカリ性にした水相中において、例えば40〜10
0℃に加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸三カルシウ
ム(TCP)の加水分解方法、TCPからハイドロキシ
アパタイト(HAP)を製造する方法、HAPの針状又
はウィスカー状の結晶及びTCPの加水分解速度調節剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】HAPは骨や歯等の主要成分とされてお
り、生体親和力のある材料として注目されており、各種
の生体用材料として有用な化合物である。加工性及び生
体親和性の点等から、特に、HAPの針状又はウィスカ
ー状の結晶が有用である。HAPを製造する方法とし
て、TCPを原料とする水熱合成法が知られている。門
間らの研究によるとα-リン酸三カルシウム(α-TC
P)を熱水中で処理すると、α-TCPがHAPに変態
し、しかも固化すると報告されている。しかし、従来の
水熱合成法では、高温・高圧等の厳しい条件を必要と
し、また、針状又はウィスカー状の結晶を得ることが困
難であり、尿素等の添加剤を使用する必要があり、簡便
なプロセスとはいえなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、骨や
歯等の各種の生体用材料として有用なHAPの針状又は
ウィスカー状の結晶を提供することにある。本発明の目
的は、TCPを加水分解してHAPを製造するための方
法を提供することにある。本発明の目的は、TCPを加
水分解するための簡便な方法を提供することにある。本
発明の目的は、TCPの加水分解速度調節剤を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するために研究し、TCPの加水分解速
度を制御する(通常は、遅延させる)ことによって針状
又はウィスカー状のHAPの生成割合が向上すること及
び特定の有機化合物がTCPの加水分解速度の調節剤
(特に、遅延剤)として作用することを見出し、本発明
を完成した。
【0005】本発明は、TCP(特に、α-TCP)を
アルコール(例えば、炭素数1〜30の脂肪族モノアルコ
ール若しくはアミノアルコール)又は炭化水素(例え
ば、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素)の存在下で水相
(好ましくは、アルカリ性の水相、また、アンモニアが
存在する水相)中において加熱(好ましくは、40〜100
℃に加熱)することを特徴とするTCPの加水分解方法
にある。本発明は、TCP(特に、α-TCP)をアル
コール(例えば、炭素数1〜30の脂肪族モノアルコール
若しくはアミノアルコール)又は炭化水素(例えば、炭
素数1〜30の脂肪族炭化水素)の存在下で加水分解する
ことを特徴とするHAP(特に、針状又はウィスカー状
の結晶)の製造方法にある。
【0006】本発明は、TCP(特に、α-TCP)を
アルコール(例えば炭素数1〜30の脂肪族モノアルコー
ル若しくはアミノアルコール)又は炭化水素(例えば、
炭素数1〜30の脂肪族炭化水素)の存在下で水相(好ま
しくは、アルカリ性の水相、また、アンモニアが存在す
る水相)中において加熱(好ましくは40〜100℃に加
熱)することを特徴とするHAP(特に、針状又はウィ
スカー状の結晶)の製造方法にある。本発明は、前記の
方法によって得られるHAPの針状又はウィスカー状の
結晶(特に、長さが1〜10μm、太さが0.05〜0.5μm
である)結晶にある。
【0007】
【発明の実施の形態】HAPの製造(TCPの加水分
解) TCPを加水分解することによってHAPを製造するこ
とができる。TCPとしては、α−TCPとβ−TCP
がある。TCPを水相中において加熱することによって
加水分解することができる。TCPを、アルカリ性、好
ましくはpH8以上、更に好ましくはpH9以上、特に
好ましくはpH10以上、通常は13以下、更には12
以下の水相中において加熱することにより、効率よく加
水分解し、HAPを生成させることができる。水相のp
Hは、例えば、アンモニア、アルカリ金属水酸化物等に
よって調整することができる。
【0008】加水分解速度調節剤 TCPの加水分解速度を調節すること(例えば、遅延さ
せること)によって針状又はウィスカー状のHAPの生
成割合を向上させることができる。TCPをアルコール
又は炭化水素の存在下で加水分解することによって加水
分解速度を調節すること(特に、遅延させること)がで
きる。TCPをアルコール又は炭化水素の存在下で加水
分解することによって針状又はウィスカー状のHAPの
生成割合を向上させることができる。本発明によれば、
針状又はウィスカー状のHAPを低温の条件下で効率よ
く生成させることができる。
【0009】疎水性のアルコール(特に、加熱温度(例
えば、70℃)における水に対する溶解度が10g/100g以
下、好ましくは7.9g/100g以下、更に好ましくは5g/
100g以下、特に好ましくは3g/100g以下、更に特に好
ましくは0.6g/100g以下の脂肪族アルコール、例え
ば、炭素数3以上、好ましくは4以上、更に好ましくは
5以上、特に好ましくは6以上、更に特に好ましくは7
以上の脂肪族アルコール)及び炭化水素(例えば、炭素
数4以上、好ましくは5以上、更に好ましくは6以上、
特に好ましくは7以上、更に特に好ましくは8以上の炭
化水素)を使用することにより、HAPの針状又はウィ
スカー状の結晶を効率よく生成させることができる。例
えば、70℃における水に対する溶解度は、エタノールは
無制限、1-ブタノールは7.9g/100g、1-ヘキサノー
ルは0.6g/100g、1-オクタノールは不溶である。
【0010】好ましい実施の形態では、100℃以下で液
体状のアルコール(例えば、脂肪族アルコール、アミノ
アルコール)及び炭化水素からなる群から選択される1
種又は2種以上を加水分解速度調節剤として使用する。
【0011】アルコール及び炭化水素は、それぞれ単独
で又は合計で、通常、水100容積部に対して1000容積部
以下、好ましくは800容積部以下、更に好ましくは600容
積部以下、特に好ましくは400容積部以下、更に特に好
ましくは200容積部以下、20容積部以上、好ましくは40
容積部以上、更に好ましくは60容積部以上、特に好まし
くは80容積部以上、特に更に好ましくは100容積部以上
使用することができる。
【0012】アルコール アルコールには、一価アルコール及び多価アルコール
(ジアルコール、トリアルコール等)がある。アルコー
ルとしては、例えば、炭素数30以下、好ましくは20以
下、更に好ましくは15以下、特に好ましくは12以下、更
に特に好ましくは9以下、通常は1以上、好ましくは2
以上、更に好ましくは3以上のアルコールを使用するこ
とができる。アルコールとしては、脂肪族アルコール、
アミノアルコール等を使用することができる。脂肪族ア
ルコールとしては、例えば、炭素数30以下、好ましく
は20以下、更に好ましくは10以下、通常は1以上、
好ましくは2以上、更に好ましくは3以上の脂肪族アル
コールを使用することができる。脂肪族アルコールとし
ては、例えば、沸点が260℃以下、好ましくは240℃以
下、更に好ましくは220℃以下、特に好ましくは200℃以
下、更に特に好ましくは180℃以下、通常は60℃以上、
好ましくは80℃以上、更に好ましくは100℃以上、特に
好ましくは120℃以上、更に特に好ましくは140℃以上の
脂肪族アルコールを使用することができる。
【0013】脂肪族アルコールとしては、例えば、メタ
ノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノ
ール、1-ブタノール、イソブタノール、第二ブタノー
ル、第三ブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-1-
ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-ペンタノー
ル、3-ペンタノール、2-メチル-2-ブタノール、4-
メチル-2-ペンタノール、2-エチルブタノール、1-ヘ
プタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、1-
オクタノール、2-オクタノール、2-エチルヘキサノー
ル、3,5,5-トリメチルヘキサノール、ノナノール、1-
デカノール、5-エチル-2-ノナノール、1-ドデカノー
ル、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、
3,9-ジエチル-6-トリデカノール、シクロヘキサノー
ル、2-メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ル、アルキレングリコール、アルキレングリコールモノ
アルキルエーテル、アルキレングリコールモノフェニル
エーテル、アルキレングリコールモノベンジルエーテ
ル、アルキレングリコールモノカルボン酸エステル、ポ
リアルキレングリコール、ポリアルキレングリコールモ
ノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールモノカ
ルボン酸エステル、グリセリン、グリセリルモノカルボ
ン酸エステル、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサ
ントリオール等があり、フーゼル油等の溶剤として使用
されている混合物がある。
【0014】アミノアルコールとしては、例えば、炭素
数30以下、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下、
特に好ましくは10以下、更に特に好ましくは7以下、通
常は1以上、好ましくは2以上、更に好ましくは3以
上、特に好ましくは4以上、更に特に好ましくは5以上
のアミノアルコールを使用することができる。アミノア
ルコールとしては、例えば、沸点が400℃以下、好まし
くは390℃以下、更に好ましくは380℃以下、特に好まし
くは370℃以下、更に特に好ましくは360℃以下、通常は
130℃以上、好ましくは140℃以上、更に好ましくは150
℃以上、特に好ましくは160℃以上、更に特に好ましく
は170℃以上のアミノアルコールを使用することができ
る。
【0015】アミノアルコールには、例えば、モノアル
カノールアミン、ジアルカノール及びトリアルカノール
アミンがある。アミノアルコールとしては、例えば、2
-アミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、エチルモノエタノールアミン、2-ブチル
モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エ
チルジエタノールアミン、n-ブチルジエタノールアミ
ン、ジ-n-ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン、モノイソプラパノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、トリイソプロパノールアミン等があ
る。
【0016】その他のアルコールには、例えば、グリシ
ドール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリ
ルアルコール、α-テルピネオール、アビエチノール等
がある。
【0017】炭化水素 炭化水素には、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素があ
る。脂肪族炭化水素には非環式脂肪族炭化水素及び環式
脂肪族炭化水素(脂環式炭化水素)又は飽和脂肪族炭化
水素及び不飽和脂肪族炭化水素がある。
【0018】炭化水素としては、例えば、炭素数30以
下、好ましくは20以下、更に好ましくは15以下、特に好
ましくは12以下、更に特に好ましくは9以下、通常は4
以上、好ましくは5以上、更に好ましくは6以上、特に
好ましくは7以上の炭化水素を使用することができる。
炭化水素としては、例えば、沸点30℃以上、好ましくは
50℃以上、更に好ましくは70℃以上、特に好ましくは90
℃以上、更に特に好ましくは100℃以上、通常は220℃以
下、好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下、
特に好ましくは160℃以下、更に特に好ましくは140℃以
下の炭化水素を使用することができる。
【0019】非環式飽和脂肪族炭化水素としては、例え
ば、プロパン、n-ブタン、n-ペンタン、n-ヘキサ
ン、イソヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオ
クタン、n-デカン等があり、石油エーテル、石油ベン
ジン、リグロイン、ガソリン、燈油、石油スピリット、
脂肪族ナフタ等の溶剤として使用されている混合物があ
る。非環式不飽和脂肪族炭化水素としては、エチレン、
2-ペンテン等があり、混合ペンテン等の溶剤として使
用されている混合物がある。
【0020】環式飽和脂肪族炭化水素としては、例え
ば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p-メン
タン等がある。環式不飽和炭化水素としては、例えば、
ジペンテン、ピネン等があり、テレピン油等の溶剤とし
て使用されている混合物がある。
【0021】芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ジア
ミルベンゼン、トリアミルベンゼン、テトラアミルベン
ゼン、ドデシルベンゼン、アミルトルエン、p-シメ
ン、ナフタリン、テトラリン、デカリン、ビフェニル等
があり、コールタールナフタ、ソルベントナフタ等の溶
剤として使用されている混合物がある。
【0022】加水分解条件 加熱温度(反応温度)は、例えば40℃以上、好ましくは
50℃以上、更に好ましくは60℃以上、通常は100℃以
下、好ましくは90℃以下、更に好ましくは80℃以下とす
る。反応圧力は、例えば、常圧でよく、また、反応系は
開放系でも密閉系でもよい。反応時間は、通常は30分間
以上、好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以
上、特に好ましくは3時間以上、10日間以下、好ましく
は8日間以下、更に好ましくは6日間以下、特に好まし
くは4日間以下とすることができる。反応時間を長くす
ることによってHAPへ転換するTCPの割合を高くす
ることができる。
【0023】例えば、反応温度が70℃程度で炭素数6以
上の脂肪族アルコール(例えば、1-ヘキサノール、1-
オクタノール)を使用する場合には、通常、反応時間を
24時間以上とすることによってα-TCPのほぼ100%を
HAPへ転換させることができ、炭素数5以下の脂肪族
アルコール(例えば、エタノール、1-ブタノール)を
使用する場合には、通常、反応時間を3日間以上とする
ことによってα-TCPのほぼ100%をHAPへ転換させ
ることができる。
【0024】生体材料 本発明の加水分解方法によれば、TCPから、人工骨、
人工歯根、人工歯冠、齲歯治療充填材等の用途において
有用な材料(生体材料)を得ることができる。本発明の
加水分解方法によって得られるHAP(特に、針状又は
ウィスカー状(例えば長さ1〜10μm、太さ0.05〜0.5
μm)の結晶)含有量が50重量%以上、好ましくは60重
量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましく
は80重量%以上、更に特に好ましくは90重量%以上の組
成物は、生体親和性の点より、特に生体材料として有用
である。
【0025】
【実施例】実施例1〜8 アルコール又は炭化水素50mlに0.1Mアンモニア水溶液
を36ml加えた混合溶媒に、0.01molのα-TCP粉末を加
え、スターラで撹拌しながら、pHが11未満の場合には
更に0.1Mアンモニア水溶液を添加して水相のpHを11
に調整した後、70℃のオイルバス中において4時間反応
を行った。有機溶媒としては、エタノール(実施例
1)、1-ブタノール(実施例2)、1-ヘキサノール
(実施例3)、1-オクタノール(実施例4)、2-アミ
ノエタノール(実施例5)、ジエタノールアミン(実施
例6)、トリエタノールアミン(実施例7)及びオクタ
ン(実施例8)を使用した。
【0026】反応後、反応液中の粉末を濾過して回収
し、蒸留水で洗浄した後、40℃で5時間乾燥させ、X線
回折法によって同定し、電子顕微鏡(TEM及びSE
M)によって微細組織観察を行った。また、得られた粉
末の比表面積を測定した。図1に、実施例1、実施例
2、実施例3及び実施例4の各粉末のX旋回折の結果
(チャート)を示す。図2に実施例1の粉末の電子顕微
鏡(SEM及びTEM)写真を示す。図3に実施例4の
粉末の電子顕微鏡(SEM及びTEM)写真を示す。図
4に原料として使用したα-TCP粉末の電子顕微鏡
(SEM及びTEM)写真を示す。
【0027】図1より、有機溶媒として脂肪族アルコー
ルを使用する場合、炭素数が多い脂肪族アルコール、即
ち、疎水性の大きい脂肪族アルコールを使用する程、T
CPからHAPへの転換速度が増加することが判る。す
なわち、各実施例で得られた粉末のX線回折のチャート
における、HAPに帰属するピークとα-TCPに帰属
するピークとの相対的な強度比率より、エタノールを使
用した実施例1、2-アミノエタノールを使用した実施
例5では、α-TCPの加水分解によるHAPの生成速
度が相対的に低く、1-ヘキサノールを使用した実施例
3、1-オクタノールを使用した実施例4では、相対的
に高いことが判る。
【0028】図2〜3より、疎水性の大きい脂肪族アル
コールを使用する程、針状又はウィスカー状の結晶の生
成割合が増加することが判る。すなわち、エタノールを
使用した実施例1(図2)では、板状の結晶に混在して
長さ1μm程度の細かいウィスカーが生成している。1
-ブタノールを使用した実施例2では、実施例1と比較
して針状の結晶の割合が増加していた。1-オクタノー
ルを使用した実施例4(図3)では、数μmの均一なウ
ィスカーが生成している。1-ヘキサノールを使用した
実施例3では、実施例4と同様に数μmのウィスカーが
生成していた。
【0029】比較例1 有機溶媒を使用せず、0.1Mアンモニア水溶液を86ml使
用した他は、実施例1〜4と同様とした。図1にX線回
折の結果(チャート)を示す。図5に電子顕微鏡(SE
M及びTEM)写真を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜4で得られたハイドロキシアパタ
イト粉末のX旋回折チャートである。
【図2】 実施例1で得られたハイドロキシアパタイト
粉末の電子顕微鏡写真(SEM(1)及びTEM
(2))である。
【図3】 実施例4で得られたハイドロキシアパタイト
粉末の電子顕微鏡写真(SEM(1)及びTEM
(2))である。
【図4】 原料として使用したα−TPC粉末の電子顕
微鏡写真(SEM(1)及びTEM(2))である。
【図5】 比較例1で得られた粉末の電子顕微鏡写真
(SEM(1)及びTEM(2))である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 隆生 京都府相楽郡加茂町南加茂台4丁目9−12

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸三カルシウムをアルコール又は炭
    化水素の存在下で水相中において加熱することを特徴と
    するリン酸三カルシウムの加水分解方法。
  2. 【請求項2】 加熱温度が40〜100℃である請求項1に
    記載の加水分解方法。
  3. 【請求項3】 水相がアルカリ性である請求項1又は2
    に記載の加水分解方法。
  4. 【請求項4】 水相中にアンモニアが存在する請求項1
    〜3のいずれかに記載の加水分解方法。
  5. 【請求項5】 リン酸三カルシウムがα-リン酸三カル
    シウムである請求項1〜4のいずれかに記載の加水分解
    方法。
  6. 【請求項6】 アルコール又は炭化水素が炭素数1〜30
    の脂肪族モノアルコール、炭素数1〜30のアミノアルコ
    ール及び炭素数1〜30の脂肪族炭化水素からなる群から
    選択される1種又は2種以上である請求項1〜5のいず
    れかに記載の加水分解方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の加水分
    解方法によって得られる生体材料。
  8. 【請求項8】 ハイドロキシアパタイト含有量が50重
    量%以上である請求項7に記載の生体材料。
  9. 【請求項9】 リン酸三カルシウムをアルコール又は炭
    化水素の存在下で加水分解することを特徴とするハイド
    ロキシアパタイトの製造方法。
  10. 【請求項10】 リン酸三カルシウムをアルコール又は
    炭化水素の存在下で水相中において加熱することを特徴
    とするハイドロキシアパタイトの製造方法。
  11. 【請求項11】 加熱温度が40〜100℃である請求項10
    に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 水相がアルカリ性である請求項10又は
    11に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 水相中にアンモニアが存在する請求項
    10〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 リン酸三カルシウムがα-リン酸三カ
    ルシウムである請求項9〜13のいずれかに記載の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 アルコール又は炭化水素が炭素数1〜
    30の脂肪族モノアルコール、炭素数1〜30のアミノアル
    コール及び炭素数1〜30の脂肪族炭化水素からなる群か
    ら選択される1種又は2種以上である請求項9〜14のい
    ずれかに記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 ハイドロキシアパタイトを針状又はウ
    ィスカー状の結晶として得る請求項9〜15のいずれかに
    記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の製造方法によって得
    られるハイドロキシアパタイトの針状又はウィスカー状
    の結晶。
  18. 【請求項18】 長さが1〜10μm、太さが0.05〜0.5
    μmである請求項17に記載の結晶。
  19. 【請求項19】 アルコール又は炭化水素からなるリン
    酸三カルシウムの加水分解速度調節剤。
  20. 【請求項20】 炭素数1〜30の脂肪族モノアルコー
    ル、炭素数1〜30のアミノアルコール及び炭素数1〜30
    の脂肪族炭化水素からなる群から選択される1種又は2
    種以上からなるリン酸カルシウムの加水分解速度調節
    剤。
  21. 【請求項21】 リン酸三カルシウムがα-リン酸三カ
    ルシウムである請求項19又は20に記載の加水分解速度調
    節剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004284933A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Mamoru Aizawa 繊維状リン酸カルシウム
KR100473276B1 (ko) * 2001-12-05 2005-03-08 요업기술원 수열합성법을 이용한 실리콘 및 마그네슘을 함유하는수산화아파타이트 휘스커 제조방법 및 응용
JP2009136632A (ja) * 2007-12-11 2009-06-25 Yamahachi Shizai Kogyo Kk インプラントの製造方法及び人工歯根の製造方法

Cited By (3)

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