JPH11254090A - ワックス原形の成形装置 - Google Patents

ワックス原形の成形装置

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JPH11254090A
JPH11254090A JP6137298A JP6137298A JPH11254090A JP H11254090 A JPH11254090 A JP H11254090A JP 6137298 A JP6137298 A JP 6137298A JP 6137298 A JP6137298 A JP 6137298A JP H11254090 A JPH11254090 A JP H11254090A
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JP
Japan
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resin mold
wax
resin
mold
molding
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JP6137298A
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English (en)
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Shunichi Machida
俊一 町田
Isao Yonekura
勇雄 米倉
Masanobu Kobayashi
正信 小林
Kazutaka Suzuki
一孝 鈴木
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Iwate Prefectural Government
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂モールドを薄肉にしても耐圧性を向上で
きるようにして、熱伝導性を良くし、できるだけ、ワッ
クスを硬化させる時間を短くして射出作業のサイクルの
短縮化を図り、製造効率の向上を図ることができるよう
にするとともにワックス原形の精度を向上させる。 【解決手段】 ロストワックス鋳造に用いるワックス原
形を成形する樹脂製の樹脂モールドを備え、樹脂モール
ドの外側を該樹脂モールドからの熱伝達が可能な金属製
の枠体で保持し、樹脂モールドと枠体との間にスペース
を形成し、このスペースに樹脂モールドからの熱伝達が
可能な金属粉末を有したバックアップ材を充填し、バッ
クアップ材の金属粉末を樹脂性のバインダで結合させ、
バックアップ材内に冷却液が供給される冷却管路を形成
し、樹脂モールドに無電解メッキにより金属を被覆し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ロストワックス鋳
造に用いるワックス原形を成形するための樹脂製の樹脂
モールドを備えたワックス原形の成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ロストワックス鋳造は、ロウ等
で成形されたワックス原形を用いて鋳造を行なうもので
あり、このロストワックス原形は、成形装置によって成
形される。従来、ワックス原形の成形装置としては、例
えば、アルミ合金を用いて、切削加工または放電加工で
製作された金型があるが、加工に時間がかかり、結果と
してコストも高くなっている。そのため、従来において
は、成形装置として、金型に代わって、例えば、加工が
容易な樹脂製の樹脂モールドで構成したものも知られて
いる。樹脂モールドを成形する技術としては、例えば、
光造形法を用い、複雑な形状のワックス原形を簡便かつ
迅速に作成するようにした技術が開発されてきている。
この樹脂製モールドにおいては、上記の金型の代用品と
して金型用の射出成形装置で使用できるものでなければ
ならないことから、射出成形機での利用に耐える強度の
確保が必要になっている。ワックスの射出成形において
は、通常、例えば、型締め圧で6t/cm2 前後の圧力
が金型にかかるので、同時にワックスの射出成形圧も3
0Kg/cm2 前後である。この両者の圧力で、モール
ドが被損したり、変形しないことが大きな条件となって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この樹脂モ
ールドからなる成形装置においては、樹脂で形成されて
いることから耐圧性に劣り、ワックスの注入時に漏れや
損傷の原因になっているという欠点があり、そのため、
ワックス原形の精度に影響を与えるという問題があっ
た。また、できるだけ、このようなことがないように、
モールドの厚さを厚くして、耐圧を図るようにしている
が、厚さの厚い分、熱伝導性が悪く、ワックスを迅速に
硬化させることができないという問題があった。即ち、
例えば、射出作業のサイクルは、例えば、数分間隔程度
で行なうのが望ましいとされており、この時間内にワッ
クス原形が充分に硬化していることが必要になるが、熱
伝導性が悪くなると、ワックスを硬化させる時間を長く
取らざるを得ないので、どうしても製造効率に劣るとい
う問題があった。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、樹脂モールドを薄肉にできるようにし、し
かも、薄肉にしても耐圧性を向上できるようにして、熱
伝導性を良くし、できるだけ、ワックスを硬化させる時
間を短くして射出作業のサイクルの短縮化を図り、製造
効率の向上を図ることができるようにするとともにワッ
クス原形の精度を向上させることができるようにしたワ
ックス原形の成形装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、ロストワックス鋳造に
用いるワックス原形を成形する樹脂製の樹脂モールドを
備えたワックス原形の成形装置において、上記樹脂モー
ルドの外側を該樹脂モールドからの熱伝達が可能な金属
製の枠体で保持した構成としている。そして、必要に応
じ、上記樹脂モールドと枠体との間に、スペースを形成
し、このスペースに樹脂モールドからの熱伝達が可能な
金属粉末を有したバックアップ材を充填した構成として
いる。これにより、樹脂モールドを薄肉にしても枠体で
保持することから耐圧性が向上させられるとともに、樹
脂モールドを薄肉にすることができるので、ワックスか
らの熱伝導性を速やかに金属製の枠体に伝達させて逃が
すことができ、そのため、ワックスを硬化させる時間を
短くしてワックスの離形性の向上を図りかつ射出作業の
サイクルの短縮化を図ることができる。また、耐圧性が
確保できるので、樹脂モールドのみの場合に比較して、
樹脂モールドが変形したり合わせ面から樹脂が漏れ出て
しまう事態を抑制することができる。
【0006】また、必要に応じ、上記バックアップ材の
金属粉末を樹脂性のバインダで結合させた構成としてい
る。これにより、金属粉末のみの場合に比較して、バッ
クアップ材が変形しにくくなり、強度が保持される。更
に、必要に応じ、上記バックアップ材内に冷却液が供給
される冷却管路を形成した構成としている。これによ
り、より一層熱が逃げ易くなる。更にまた、上記樹脂モ
ールドに無電解メッキにより金属を被覆した構成として
いる。金属の被覆によって、より一層熱伝達が円滑に行
なわれる。また、上記バックアップ材の金属粉末をジル
コンサンドで構成したことが有効である。更に、上記バ
ックアップ材のバインダの材質を、樹脂モールドの材料
と同質にしたことが有効である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係るワックス原形の成形装置を説明す
る。図1乃至図7には、本発明の実施の形態に係るワッ
クス原形の成形装置を示している。この装置は、ロスト
ワックス鋳造に用いるワックス原形を成形するものであ
る。実施の形態に係るワックス原形の成形装置Sの基本
的構成は、ワックス原形を成形する樹脂製の樹脂モール
ド1と、樹脂モールド1の外側を保持し樹脂モールド1
からの熱伝達が可能な金属製の枠体10と、樹脂モール
ド1と枠体10との間に形成されたスペース11に充填
される樹脂モールド1からの熱伝達が可能な金属粉末を
有したバックアップ材20とを備えてなる。
【0008】樹脂モールド1は、図1乃至図3,図5乃
至図7に示すように、雌雄の2型割りであり、型面部2
と該型面部2に連通する給湯口3とを備えている。樹脂
として、例えば、エポキシ樹脂を選択し、周知の光造形
法により形成した。図6に示すように、厚さtはt=1
mmと薄肉に形成し、応力集中や不均一な熱分散を防ぐ
ため、全体を均一な厚さとした。即ち、様々な樹脂モー
ルド1の射出実験において、ワックスの冷却が重要な事
項であることが判明しており、金属に比較して大幅に熱
伝導率の悪い樹脂を樹脂モールド1の素材に使用するた
めには樹脂モールド1をできるだけ薄くすることが肝要
であることから、厚さは薄肉に形成した。
【0009】光造形法によって生じる表面段差を最小化
する作成条件を考慮し、樹脂モールド1はCADシステ
ムにより作成した。一般に用いる光造形装置により、液
体状の樹脂を0.1mmのピッチ(厚み)で積層硬化さ
せて形態を作成した。光造形法においては、図7に示す
ように、その原理上、完成後の面上に0.1mm厚の階
段状の段差が生じる。段差は角度45°の時に最大とな
る。同一形状のものでも造形する方向により段差の方向
および生じる個所が異なる。即ち、光造形法による物体
の作成は切削等の技術では不可能な複雑形状の物体を迅
速に作成できる一方、その技法上の制約として、積層さ
れる樹脂の各層の間に層の厚み分(通常は0.1mm程
度)の段差を生じる。物体の作成方向が垂直または垂直
に近ければ段差の形状に及ぼす影響は問題とならない
が、作成方向が水平に近い場合は原形の形状と精度に与
える影響が大きくなり、何らかの方法でこの段差を解消
するか、実用に適した状態にまで改善を行なうことが必
要である。
【0010】そこで、本実施の形態においては、図7に
示すように、段差凹部5に金属粉末4を充填し、段差を
解消した。詳しくは、金属粉末4として、例えば、酸化
第二鉄及び3種類の粒径のアルミナ粉末のいずれかを用
いた。粒子を固定させるバインダには光硬化樹脂がエポ
キシ系樹脂であることから、同じ特性を持つ2液性のエ
ポキシ樹脂を使用した。充填工程について説明すると、
まず、特に段差が顕著に現れている面にバインダ(樹脂
液)を薄く塗布した。5分程度放置すると、表面張力に
より凹部5にのみ樹脂液が残るようになる。この状態に
達してから、酸化第二鉄やアルミナ等の金属粉末4を全
体に充分蒔き付ける。樹脂液が多く残っている部分は毛
細管現象により粉末が多く付着し、樹脂液がほとんど残
っていない部分は粉末も付着しない。この作業を2回繰
り返すことにより凹部5への粉末の充填を行なった。上
記の各粉末においては、酸化第二鉄が最も厚い粉末層を
形成している。アルミナ粉末は3μm、0.6μm、
0.03μmと3種類の粒径のものを用いたが、いずれ
も大きな差は見られず、凹部5にのみ粉末が付着したこ
とが確認された。酸化第二鉄粉末は、塗装に用いる顔料
として作られたものを使用しており、粒径は確認できな
かったが、アルミナに比較して非常に細かい粒径であ
る。また比重もアルミナ粉末に比較して重く、粒径の細
かさと比重により、アルミナ粉よりも厚い膜厚になった
ものと考えられる。
【0011】更に、本実施の形態においては、図7に示
すように、段差凹部5に金属粉末4を充填して段差を解
消した樹脂モールド1に、ニッケルの金属メッキを施
し、ニッケル金属6を被覆した熱拡散の向上とワックス
の離形性の向上、及び表面の硬度の改善を図った。メッ
キ工程について説明すると、図8に示すように、アセト
ンやアルコールに浸漬して脱脂洗浄し(1)、その後、
エッチング前処理を行なう(2)。この前処理において
は、有機溶剤に浸漬する。有機溶剤としては、図9に示
すように、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF),
アセトニトリル(AN)が有効である。図9は、有機溶
剤処理をしない場合(non)と各種有機溶剤で処理し
た場合のメッキ膜厚との関係を示し、クロロホルム(C
hl),アセトン(Ace),ピリジン(Py),トル
エン(Tol)においては、有機溶剤処理をしない場合
(non)と略同様であったが、ジメチルホルムアミド
(DMF),アセトニトリル(AN)のような含窒素系
有機溶剤ではメッキ膜厚を厚くできることが示された。
この処理によって、光硬化エポキシ樹脂に対し、膨潤あ
るいは溶解作用によって、エッチング処理による微少細
孔を形成し易くなる。そして、周知のエッチング処理
(3),水洗(4),センシタイジング(5),アクチ
ベーティング(6),水洗(7)を行ない、その後、無
電解ニッケルメッキを行なう(8)。
【0012】この無電解ニッケルメッキ処理において
は、エポキシ樹脂をクロム酸エッチング前処理液に溶解
するが、溶解は均質に起こり、表面がほとんど粗面化さ
れず、この上にニッケル無電解メッキをするとメッキの
核となるPd粒子が、光硬化エポキシ樹脂表面に担持さ
れず、メッキ膜が樹脂表面に成長しないと言われる。し
かしながら、光硬化エポキシ樹脂の場合、クロム酸エッ
チングすると亀裂上の粗面を形成しその上にメッキの核
は担持され、メッキ膜はせいぜい8μmの膜厚までであ
るが成長する。有機溶剤に浸漬処理した後、クロム酸エ
ッチング前処理するとメッキ膜はさらに成長するように
なることが確認され、特に、含窒素有機溶剤のジメチル
ホルムアミドやアクリロニトリルを使った場合その効果
は顕著で、溶剤浸漬しない状態の2倍以上メッキ膜を成
長させることができる。これは溶剤とエポキシ樹脂の溶
解度パラメーターの近似性から、これらの溶剤には、膨
潤、溶解作用があるため、侵された表面をクロム酸が反
応し易くなり光硬化エポキシ樹脂表面の酸化溶解を助長
するようであり、形成される表面微細孔型の穴を大き
く、深くするようである。できた光硬化エポキシ樹脂表
面の微細孔が投錨効果によりメッキ膜の密着力を高く
し、より厚いメッキ膜が得られると考えられる。
【0013】エッチング前処理時間を変え、その表面を
見ると徐々に粗面が得られ、それと共にメッキ膜厚も厚
くすることができるが、処理時間が長すぎると最後は平
滑な表面になる。これは、有機溶剤の浸透量と関係があ
ると思われる。すなわち、有機溶剤の浸透した量だけク
ロム混酸により微細孔形成エッチングが進行し、浸透し
ないところは全面溶解となり、微細孔を形成しないと思
われる。これは有機溶剤への浸漬時間あるいは温度等に
より有機溶剤が光硬化エポキシ樹脂の内部まで浸透する
ようにした場合、クロム混酸によるエッチングがより容
易になり、より深くエッチング微細孔が形成され、メッ
キ膜がより厚くなるかを確認すれば良いと思われる。
【0014】次に、実施の形態に係る枠体10について
説明する。この枠体10は、図1乃至図4に示すよう
に、雌雄の2型割りで、単純な角形状の鉄製ブロックを
ボルト締めで組む構造であり、様々な寸法の樹脂モール
ド1に柔軟に対応できるように、樹脂モールド1との間
にスペース11が形成され樹脂モールド1の背面側を包
容する凹所12を形成している。14は樹脂モールド1
の給湯口3を包持して外部に露出させる保持部である。
15は樹脂モールド1の取付部であり、樹脂モールド1
周囲に設けたフランジ7が接合させられるとともに、フ
ランジ7に設けた取付穴8に挿通されたネジ16がねじ
込まれてこのフランジ7を締めつけるための雌ネジ部1
7を備えている。
【0015】また、樹脂モールド1と枠体10との間の
スペース11には、金属粉末からなるバックアップ材2
0が充填されている。また、バックアップ材20の金属
粉末は、樹脂性のバインダで結合されている。金属粉末
としては、例えば、ジルコンサンドを用い、バインダと
しては、例えば、低粘度エポキシ樹脂を用いた。詳しく
は、先ず、樹脂モールド1の基本強度を把握すると以下
のようになる。曲げ強さならびに圧縮強さに関する強度
測定を行った。光造形装置では、0.1mmピッチで樹
脂を硬化させながら積層する。そのため積層方向による
強度に差が出てくることも考えられる。そこで、積層の
方向性を考慮したうえで、曲げ試験を3種類、圧縮試験
2種類の試験を行った。曲げ試験、圧縮試験ともに、
0.51mm/minの荷重速度で試験した。曲げ試験
および圧縮試験の結果を図10に示す。この試験によ
り、光硬化樹脂片は木材などと同様に材料強度の異方性
を持つこと、また、樹脂自体では最大でも500kg/
cm2 程度の耐圧強度しか有していないため、強度不足
が生じることが分かった。このことは、総樹脂型の樹脂
モールド1を、射出圧により型が開かないように固定し
た状態で、図11に示す条件で実験すると、ワックスの
射出を行なう以前に、型締圧により樹脂モールド1自体
が破損したことからも、樹脂モールド1単独では、強度
上支障があることを示す。
【0016】そのため、上記の熱伝導率の良いバックア
ップ材20を充填することにより、樹脂モールド1から
の熱伝達が円滑に行なわれるとともに、補強が図られ樹
脂モールド1の損傷が阻止されるのである。バックアッ
プ材20としては、金属製の枠体10と樹脂モールド1
との間のスペース11は複雑形状になるので、バックア
ップ材20はスペース11に均一に充填され、しかも、
射出圧に対して強度負担を行ない、かつ高い熱伝導率を
有するものでなければならない。また、同時に樹脂モー
ルド1の熱変形温度はそれほど高くないので(約70
℃)、溶融金属や、硬化時に発熱反応を起こすような樹
脂は適切でない。さらに樹脂では、硬化時に収縮するも
のが多く、樹脂モールド1の変形が懸念される。そこ
で、バックアップ材20として、金属粉末を充填した。
金属粉末のみでは、強度が不十分になる。例えば、40
0メッシュの銅粉を充填して射出実験を行ったが、ワッ
クスの射出中に樹脂型が破損した。これは、粉末が細か
いために、圧力がかかったときに流動現象を生じたため
である。
【0017】バインダにより金属粉末を固定すると、粉
末の流動現象がなくなることから、強度が増す。このと
き、使用するバインダの割合が高くなり、熱伝導性に影
響を及ぼす恐れがあることから、金属粉末として、鉄と
同程度の熱伝導率を持っている、ジルコンサンドを使用
することにした。また、バインダに使用する樹脂はポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂双方を試してみたが、エポ
キシ樹脂の場合は混合率が低くても完全硬化し、粉末を
固定できることから、低粘度エポキシ樹脂をバインダと
した。また、こののバックアップ材20による射出成形
実験では10型以上射出しても型の温度上昇は見られ
ず、冷却効果の点でも良い結果が得られた。
【0018】更に、枠体10には、図1に示すように、
冷却液が供給される冷却管路30が形成されている。こ
の冷却管路30は、パイプを配管しても良く、あるい
は、金属製の箱体の内部を仕切って管路を形成し、この
管路に入口管及び出口管を形成しても良い。そして、ス
ペース11にバックアップ材20を充填する際に、予
め、スペース11に内装される。
【0019】従って、この実施の形態に係るワックス原
形の成形装置Sを組み立てるときは、枠体10の凹所1
2に冷却管路30を配置し、この凹所12に流動状のバ
ックアップ材20を充填する。次に、樹脂モールド1を
このバックアップ材20に押しつけながら凹所12に装
着し、樹脂モールド1のフランジ7を枠体10の取付部
15に接合し、フランジ7に設けた取付穴8にネジ16
を挿通し取付部15の雌ネジ部17にねじ込み固定す
る。そして、数時間養生すると、バックアップ材20が
固化し、製品となる。そして、このワックス原形の成形
装置Sによって、ワックス原形を成形するときは、この
成形装置Sをインジェクションマシン等に組み込み、割
型を合わせて湯口から流動状のワックスを射出する。例
えば、型締め圧で6t/cm2 前後の圧力を作用させ、
ワックスの射出成形圧も30Kg/cm2 前後にする。
その後、ワックスが固化したならば、割型を分離してワ
ックス製品を取出す。この場合、樹脂モールド1にこれ
らの圧力が作用するが、樹脂モールド1は、バックアッ
プ材20及び枠体10に保持されているので、樹脂モー
ルド1が変形したり、合わせ面から樹脂が漏れ出てしま
う事態が防止され、そのため、装置の耐久性が増すとと
もに、ワックス原形の精度が向上させられる。また、ワ
ックスが固化する際には、溶融ワックスの熱が樹脂モー
ルド1,バックアップ材20及び枠体10に順次伝達さ
れていく。この場合、樹脂モールド1は、薄肉に形成さ
れ、しかも、ニッケル金属で被覆されているので、溶融
ワックスからの熱がバックアップ材20に素早く伝達さ
れていき、バックアップ材20は金属粉末を有している
とともに、枠体10が金属製なので、可及的速やかに熱
が伝達され、そのため、ワックスの固化が早く行なわれ
る。その結果、ワックスを硬化させる時間が短くすむの
で、射出作業のサイクルの短縮化が図られ、製造効率が
向上させられる。
【0020】
【実施例】次に、本発明の実施例について比較例ととも
に説明する。これは、図12に示すように、樹脂モール
ド1とアルミ金型による鋳造比較実験により、成形型の
性能について検証を行なったものである。樹脂モールド
1との比較用として、同一形状のワックス原形射出用ア
ルミ金型を製作した。加工は、放電加工および切削加工
により製作した。樹脂モールド1とアルミ金型両方で射
出したワックス原形の鋳造試験を行なった。アルミ金型
製のモデルを基準品として、樹脂モールド製のモデルと
比較した。その結果、アルミ金型製のモデルより多少表
面の粗い部分はあるが、全体的には水準に達していた。
【0021】尚、上記実施の形態において、樹脂モール
ド1は、エポキシ樹脂を用いて光造形法により成形した
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の材質
のものを使用したり、光造形法以外の方法で成形して良
いことは勿論である。また、樹脂モールド1の形状や、
枠体10の形状は上述したものに限定されるものではな
く、種々に変更して良いことは勿論である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のワックス
原形の成形装置によれば、樹脂モールドの外側を該樹脂
モールドからの熱伝達が可能な金属製の枠体で保持した
ので、樹脂モールドを薄肉にしても枠体で保持すること
から耐圧性を向上させることができる。また、樹脂モー
ルドを薄肉にすることができるので、ワックスからの熱
伝導性を速やかに金属製の枠体に伝達させて逃がすこと
ができ、そのため、ワックスを硬化させる時間を短くし
てワックスの離形性の向上を図りかつ射出作業のサイク
ルの短縮化を図り、製造効率の向上を図ることができ
る。また、耐圧性が確保できるので、樹脂モールドのみ
の場合に比較して、樹脂モールドが変形したり合わせ面
から樹脂が漏れ出てしまう事態を抑制することができ、
それだけ、ワックス原形の製品精度を向上させることが
できる。
【0023】また、樹脂モールドと枠体との間のスペー
スに樹脂モールドからの熱伝達が可能な金属粉末を有し
たバックアップ材を充填した場合には、枠体への樹脂モ
ールドの装着において、バックアップ材は変形自在なの
で、樹脂モールドの種々の形状に対応することができ、
汎用性が増すとともに、金属粉末を有することから熱伝
導度が樹脂モールドよりも良く、そのため、ワックスか
らの熱伝導性を速やかに金属製の枠体に伝達させて逃が
すことができ、そのため、ワックスを硬化させる時間を
短くして射出作業のサイクルの短縮化を図り、製造効率
の向上を図ることができる。また、耐圧性が確保できる
ので、樹脂モールドのみの場合に比較して、樹脂モール
ドが変形したり合わせ面から樹脂が漏れ出てしまう事態
を抑制することができ、それだけ、ワックス原形の製品
精度を向上させることができる。この場合、バックアッ
プ材の金属粉末を樹脂性のバインダで結合させれば、ワ
ックスの成形時に、金属粉末のみの場合に比較して、バ
ックアップ材が変形しにくくなり、そのため、確実に耐
圧を図ることができるという効果がある。
【0024】また、バックアップ材内に冷却液が供給さ
れる冷却管路を形成した場合には、冷却液によっても熱
を逃がすことができるので、ワックスを硬化させる時間
をより一層短くして射出作業のサイクルの短縮化を図
り、製造効率の向上を図ることができる。更に、樹脂モ
ールドに無電解メッキにより金属を被覆した場合には、
樹脂モールドが金属に接するので、それだけ、熱を逃が
し易くできるとともに、型面を滑らかにできるので、ワ
ックス原形を精度良く成形できる。即ち、ワックスと樹
脂は成分が似ているために密着性が良く、離形性がアル
ミに比べて悪くなる特徴を持ち、同時に、樹脂は金属等
と比ベ、硬度がかなり低く、型の表面に傷が付易く、そ
のままでは精度を推持することが困難であるが、金属の
メッキにより表面硬度が向上させられ、離形性も向上さ
せられるので、より一層精度の良いワックス原形製品を
成形できる。
【0025】即ち、一般に、ロストワックスによる精密
鋳造法は、鋳型原形製作における精度の向上が図られ、
精密機械部品、各種金型等の製作に適しているが、ワッ
クス用樹脂モールドの加工コストが高く、加工時間もか
かることから、企業規模が小さいところ等では、導入が
進まず、柔軟な新製品開発を行なえない状況にある。ま
た、従来の射出成形型は金属の切削・放電加工により作
成されるために、作成形状が加工方法で制約され、本来
は自由形状を作成できるロストワックス鋳造法のメリッ
トを生かしきれないでいる。しかしながら、本発明によ
れば、複雑形状のワックス原形に対して成形型を廉価
に、そして短期間に作成することができるので、上記の
現状を打開することができ、新しい機能性鋳鉄の特性を
活かした高い競争力のある新製品開発を推進するととも
に、これまで鋳鉄では生産できなかった新分野への進出
を促進することができる。特に、現在では生産が不可能
な、複雑形状の鋳物や小ロットで短期の納品が必要な場
合に大きな威力を発揮できるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置を示す横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置を示す一部切欠き斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置の枠体を図であり、(a)は平面図、(b)は正面
図、(c)は側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置の樹脂モールドを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置の樹脂モールドを示す部分断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置の樹脂モールドを示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置の樹脂モールドをメッキ処理する工程を示した表図
である。
【図9】本発明の実施の形態に係るワックス原形の成形
装置の樹脂モールドをメッキ処理する工程において有用
な有機溶剤を他の例とメッキ厚膜との関係において比較
して示す表図である。
【図10】樹脂モールドの強度試験結果を示す図であ
る。
【図11】ワックスの射出条件の一例を示す表図であ
る。
【図12】本発明の実施例の鋳造試験結果を比較例と比
較して示した表図である。
【符号の説明】
S ワックス原形の成形装置 1 樹脂モールド 2 型面部 3 給湯口 4 金属粉末 5 凹部 6 金属 7 フランジ 8 取付孔 10 枠体 11 スペース 12 凹所 14 保持部 15 取付部 16 ネジ 17 雌ネジ部 20 バックアップ材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 一孝 岩手県盛岡市飯岡新田3地割35番2 岩手 県工業技術センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロストワックス鋳造に用いるワックス原
    形を成形する樹脂製の樹脂モールドを備えたワックス原
    形の成形装置において、 上記樹脂モールドの外側を該樹脂モールドからの熱伝達
    が可能な金属製の枠体で保持したことを特徴とするワッ
    クス原形の成形装置。
  2. 【請求項2】 上記樹脂モールドと枠体との間に、スペ
    ースを形成し、このスペースに樹脂モールドからの熱伝
    達が可能な金属粉末を有したバックアップ材を充填した
    ことを特徴とする請求項1記載のワックス原形の成形装
    置。
  3. 【請求項3】 上記バックアップ材の金属粉末を樹脂性
    のバインダで結合させたことを特徴とする請求項2記載
    のワックス原形の成形装置。
  4. 【請求項4】 上記バックアップ材内に冷却液が供給さ
    れる冷却管路を形成したことを特徴とする請求項2また
    は3記載のワックス原形の成形装置。
  5. 【請求項5】 上記樹脂モールドに無電解メッキにより
    金属を被覆したことを特徴とする請求項2,3または4
    記載のワックス原形の成形装置。
  6. 【請求項6】 上記バックアップ材の金属粉末をジルコ
    ンサンドで構成したことを特徴とする請求項2,3,4
    または5記載のワックス原形の成形装置。
  7. 【請求項7】 上記バックアップ材のバインダの材質
    を、樹脂モールドの材料と同質にしたことを特徴とする
    請求項3,4,5または6記載のワックス原形の成形装
    置。
JP6137298A 1998-03-12 1998-03-12 ワックス原形の成形装置 Pending JPH11254090A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016516591A (ja) * 2013-05-03 2016-06-09 シーメンス エナジー インコーポレイテッド ワックス注入中にセラミックコアをその長さに沿って支持するための柔軟なワックスパターンツールを利用するインベストメント鋳造法
KR101661192B1 (ko) * 2016-04-12 2016-10-11 세화금속공업주식회사 기능파이프가 삽입된 풀몰드 주조용 몰드
KR101667302B1 (ko) * 2016-04-12 2016-10-19 세화금속공업주식회사 공기냉매제를 사용한 수축방지 풀몰드 주조용 몰드
JP2017029988A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 株式会社キャステム ロストワックス法を用いた鋳造品の製造方法
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JP2021531171A (ja) * 2018-07-18 2021-11-18 ポリ6 テクノロジーズ, インク.Poly6 Technologies, Inc. 成形体及び製造方法

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