JPH11253054A - 植物栽培用二重鉢 - Google Patents
植物栽培用二重鉢Info
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- JPH11253054A JPH11253054A JP8296398A JP8296398A JPH11253054A JP H11253054 A JPH11253054 A JP H11253054A JP 8296398 A JP8296398 A JP 8296398A JP 8296398 A JP8296398 A JP 8296398A JP H11253054 A JPH11253054 A JP H11253054A
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- Japan
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- pot
- double
- plant
- roots
- soil
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- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 植物が根づまりを起こしにくく、長く大きく
生育させるに適した鉢を得る。特に営利栽培において、
移植までの育苗期間を長くでき、あるいは移植適期の期
間を長くとれるようにする。 【解決手段】 根の先端が通過する大きさの隙間5を多
数有するカゴ鉢1と底部に排水口10を有する外側の鉢
6からなる植物栽培用二重鉢。内側の鉢1が外側の鉢6
の内側に出し入れ自在に配置され、かつ外側の鉢6が内
側の鉢1の外周を覆って内側の鉢1への光を遮る。さら
に、内側の鉢1と外側の鉢6の間に隙間11が形成され
る。この二重鉢を用いると、常に新しい根が生えて土中
にまんべんなく分布し、土中の水分や養分を吸収するの
で、植物は根づまりを起こすことなく長く生育を続け
る。
生育させるに適した鉢を得る。特に営利栽培において、
移植までの育苗期間を長くでき、あるいは移植適期の期
間を長くとれるようにする。 【解決手段】 根の先端が通過する大きさの隙間5を多
数有するカゴ鉢1と底部に排水口10を有する外側の鉢
6からなる植物栽培用二重鉢。内側の鉢1が外側の鉢6
の内側に出し入れ自在に配置され、かつ外側の鉢6が内
側の鉢1の外周を覆って内側の鉢1への光を遮る。さら
に、内側の鉢1と外側の鉢6の間に隙間11が形成され
る。この二重鉢を用いると、常に新しい根が生えて土中
にまんべんなく分布し、土中の水分や養分を吸収するの
で、植物は根づまりを起こすことなく長く生育を続け
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物栽培用の鉢と
して使用する二重鉢に関し、特に育苗用の鉢として適す
る二重鉢に関する。
して使用する二重鉢に関し、特に育苗用の鉢として適す
る二重鉢に関する。
【0002】
【従来の技術】植木鉢等で植物を栽培すると、植物の生
長に伴い植木鉢の側壁に到達した根は、側壁内面の湾曲
に沿って伸長し、さらにその根から側根が生える。側壁
内面の湾曲に沿って伸長する根は土の周囲を巻き、側根
は側壁側(根の湾曲の凸側)に集中して生え、これらが
側壁の内側に網目状に充満して、ついにはいわゆる根づ
まりの状態となる。大量の根のなかで土中の水分や養分
を吸収するのは、その先端部に近い若い根のみであり、
その若い根は植木鉢の側壁側に網目状に生え土から遊離
した状態となり、土中の水分、養分を吸収できず、植物
の生育は停滞する。 従って、このような根づまりの状
態となると、より大きい鉢に移植する必要があり、その
場合、新しい植木鉢と多量の土を必要とする。
長に伴い植木鉢の側壁に到達した根は、側壁内面の湾曲
に沿って伸長し、さらにその根から側根が生える。側壁
内面の湾曲に沿って伸長する根は土の周囲を巻き、側根
は側壁側(根の湾曲の凸側)に集中して生え、これらが
側壁の内側に網目状に充満して、ついにはいわゆる根づ
まりの状態となる。大量の根のなかで土中の水分や養分
を吸収するのは、その先端部に近い若い根のみであり、
その若い根は植木鉢の側壁側に網目状に生え土から遊離
した状態となり、土中の水分、養分を吸収できず、植物
の生育は停滞する。 従って、このような根づまりの状
態となると、より大きい鉢に移植する必要があり、その
場合、新しい植木鉢と多量の土を必要とする。
【0003】一方、カーネーションや菊等の営利栽培で
は、樹脂製育苗箱、ポリポット、ペーパーポットなどが
育苗用に用いられ、これに植えた苗が適当な大きさに生
長した段階で本圃に定植している。しかし、小さいポッ
トでは根づまりが早く起きて苗を十分大きく生育させる
ことができないため、本圃に定植してから収穫までの期
間が長くなって効率が悪く、大きいポットでは大量の培
土を必要とするためコストアップとなり、ポットの占有
面積も大きくなるという問題がある。そして、根づまり
が起きた苗は老化苗と呼ばれ、生育が停滞し、しかも網
目状になった根をほぐして定植する手間がかかるため、
定植適期として、苗が定植に適する大きさに生育してか
ら根づまりを起こすまでの短い期間しかとることができ
ない(特に小さいポットの場合に顕著)という問題もあ
る。
は、樹脂製育苗箱、ポリポット、ペーパーポットなどが
育苗用に用いられ、これに植えた苗が適当な大きさに生
長した段階で本圃に定植している。しかし、小さいポッ
トでは根づまりが早く起きて苗を十分大きく生育させる
ことができないため、本圃に定植してから収穫までの期
間が長くなって効率が悪く、大きいポットでは大量の培
土を必要とするためコストアップとなり、ポットの占有
面積も大きくなるという問題がある。そして、根づまり
が起きた苗は老化苗と呼ばれ、生育が停滞し、しかも網
目状になった根をほぐして定植する手間がかかるため、
定植適期として、苗が定植に適する大きさに生育してか
ら根づまりを起こすまでの短い期間しかとることができ
ない(特に小さいポットの場合に顕著)という問題もあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の問題点を解決しようとしたもので、小さい鉢でも根
づまりを起こしにくく、長く大きく生育させることがで
きるようにすること、また、特に営利栽培において、移
植までの育苗期間を長くでき、あるいは移植適期の期間
を長くとれるようにすることを目的とする。
来の問題点を解決しようとしたもので、小さい鉢でも根
づまりを起こしにくく、長く大きく生育させることがで
きるようにすること、また、特に営利栽培において、移
植までの育苗期間を長くでき、あるいは移植適期の期間
を長くとれるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は植物栽培用二重
鉢に係り、その二重鉢は、根の先端が通過する大きさの
隙間を多数有する内側の鉢と底部に排水口を有する外側
の鉢からなり、内側の鉢が外側の鉢の内側に配置され、
かつ内側の鉢と外側の鉢の間に隙間が形成されているこ
とを特徴とする。内側の鉢の形態をより具体的にいう
と、内側の鉢の隙間は少なくとも鉢の側壁に多数形成さ
れ、好ましくは底壁にも多数形成される。このようなも
のとして例えばカゴ状の鉢(カゴ鉢)が挙げられる。な
お、隙間が側壁にのみ形成されたときでも排水が可能で
なくてはならない。また、内側の鉢の上端から下に高さ
の半分を越えない範囲には上記隙間が形成されていなく
てよい。隙間が形成されなくてよい範囲(図1にsで示
す範囲)の目安としては、上端から下に1/4〜1/2
までの範囲である。この植物栽培用二重鉢の他の好まし
い形態として、外側の鉢が内側の鉢の外周を覆い、内側
の鉢への光を遮るようになっていること、内側の鉢が外
側の鉢に対し出し入れ自在であること、内側の鉢が土中
に還元される有機質材料で構成されること、等が挙げら
れる。
鉢に係り、その二重鉢は、根の先端が通過する大きさの
隙間を多数有する内側の鉢と底部に排水口を有する外側
の鉢からなり、内側の鉢が外側の鉢の内側に配置され、
かつ内側の鉢と外側の鉢の間に隙間が形成されているこ
とを特徴とする。内側の鉢の形態をより具体的にいう
と、内側の鉢の隙間は少なくとも鉢の側壁に多数形成さ
れ、好ましくは底壁にも多数形成される。このようなも
のとして例えばカゴ状の鉢(カゴ鉢)が挙げられる。な
お、隙間が側壁にのみ形成されたときでも排水が可能で
なくてはならない。また、内側の鉢の上端から下に高さ
の半分を越えない範囲には上記隙間が形成されていなく
てよい。隙間が形成されなくてよい範囲(図1にsで示
す範囲)の目安としては、上端から下に1/4〜1/2
までの範囲である。この植物栽培用二重鉢の他の好まし
い形態として、外側の鉢が内側の鉢の外周を覆い、内側
の鉢への光を遮るようになっていること、内側の鉢が外
側の鉢に対し出し入れ自在であること、内側の鉢が土中
に還元される有機質材料で構成されること、等が挙げら
れる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を参照し、本発
明に係る植物栽培用二重鉢をより具体的に説明する。図
1に示すものは単独の2重鉢の例である。内側の鉢1は
全体的には側壁2と底壁3及びフランジ部4からなる平
面視円形のポット形状をなし、側壁2の上から1/3程
の範囲(sで示す)には隙間がなく、それ以下の範囲に
根が自由に通過できるほどの隙間5が多数形成され、底
壁4にも同様の隙間5が多数形成されたカゴ状の鉢であ
る。外側の鉢6は同様に側壁7と底壁8及びフランジ部
9を有し、底壁8の中心には排水口10が形成されてい
る。フランジ部9に内側の鉢1のフランジ部4が置かれ
て支持され、内側の鉢1の外周が外側の鉢6に覆われ、
内側の鉢1の側壁2及び底壁3と外側の鉢6の側壁7及
び底壁8の間には隙間11が形成されている。
明に係る植物栽培用二重鉢をより具体的に説明する。図
1に示すものは単独の2重鉢の例である。内側の鉢1は
全体的には側壁2と底壁3及びフランジ部4からなる平
面視円形のポット形状をなし、側壁2の上から1/3程
の範囲(sで示す)には隙間がなく、それ以下の範囲に
根が自由に通過できるほどの隙間5が多数形成され、底
壁4にも同様の隙間5が多数形成されたカゴ状の鉢であ
る。外側の鉢6は同様に側壁7と底壁8及びフランジ部
9を有し、底壁8の中心には排水口10が形成されてい
る。フランジ部9に内側の鉢1のフランジ部4が置かれ
て支持され、内側の鉢1の外周が外側の鉢6に覆われ、
内側の鉢1の側壁2及び底壁3と外側の鉢6の側壁7及
び底壁8の間には隙間11が形成されている。
【0007】内側の鉢1に植物を植え、図1に示すよう
にこれを外側の鉢6内に配置して栽培すると、植物の生
育に伴って側壁2や底壁3の内面に到達した根は、その
先端が隙間5から外に出て空気に触れ生長を止める。そ
のため、根の張りかたが従来と異なり、生長を止めた根
の中間地点から新たに側根が生え出し、土の中に根を張
り、さらにその根が隙間5に到達し外に出て空気に触れ
生長を止めると、その中間地点からまた新たに側根が生
え出し、土の中に根を張る。これが繰り返されるため、
常に新しい根が生え、かつ土中にまんべんなく分布し、
水分や養分を吸収する。従って、従来のように鉢の内面
(土の周囲)に根の分布が集中して根づまりを起こすこ
となく、植物は長く生育を続けることができる。そのた
め、小さいサイズの鉢でも、水分及び養分を補給するだ
けで植物を長い期間にわたり大きく生育させることがで
き、大きい鉢へ植え替える手間がかからず、培土の量も
少なくて済む利点がある。この点は特に営利栽培の場合
に重要な利点である。
にこれを外側の鉢6内に配置して栽培すると、植物の生
育に伴って側壁2や底壁3の内面に到達した根は、その
先端が隙間5から外に出て空気に触れ生長を止める。そ
のため、根の張りかたが従来と異なり、生長を止めた根
の中間地点から新たに側根が生え出し、土の中に根を張
り、さらにその根が隙間5に到達し外に出て空気に触れ
生長を止めると、その中間地点からまた新たに側根が生
え出し、土の中に根を張る。これが繰り返されるため、
常に新しい根が生え、かつ土中にまんべんなく分布し、
水分や養分を吸収する。従って、従来のように鉢の内面
(土の周囲)に根の分布が集中して根づまりを起こすこ
となく、植物は長く生育を続けることができる。そのた
め、小さいサイズの鉢でも、水分及び養分を補給するだ
けで植物を長い期間にわたり大きく生育させることがで
き、大きい鉢へ植え替える手間がかからず、培土の量も
少なくて済む利点がある。この点は特に営利栽培の場合
に重要な利点である。
【0008】そのほか、この二重鉢は、育苗の場合
は、育苗期間を延長することができ、苗移植適期の期間
が延長される、大きく生育した苗が栽培できるので、
本圃に定植してから収穫までの期間が大幅に短縮でき
る、生育不良苗は内側の鉢を取り出し、生育のよい苗
に容易に置き換えることができる、灌水すると土にし
み込みながら内側の鉢の隙間から外に流出し、過湿にな
ることがない、内鉢の隙間から多量の空気(酸素)が
根、土に触れるので生育が健全である、という作用効果
をもっている。
は、育苗期間を延長することができ、苗移植適期の期間
が延長される、大きく生育した苗が栽培できるので、
本圃に定植してから収穫までの期間が大幅に短縮でき
る、生育不良苗は内側の鉢を取り出し、生育のよい苗
に容易に置き換えることができる、灌水すると土にし
み込みながら内側の鉢の隙間から外に流出し、過湿にな
ることがない、内鉢の隙間から多量の空気(酸素)が
根、土に触れるので生育が健全である、という作用効果
をもっている。
【0009】なお、上記の例では内側の鉢1の上端から
下に1/3程の範囲に隙間5が形成されていないが、こ
れは補給した水分ができるだけ途中で外に漏れずに下に
しみ込むようにするためである。この二重鉢において、
外側の鉢は内側の鉢を支持するほか、その周囲を覆って
植物の根の乾燥を防ぐ役割ももっている。また、外側の
鉢を内側の鉢への光を遮るような材質で構成した場合、
内側の鉢の表面に緑の藻が発生し(光が入ると藻が発生
する)、それが外側から汚く見えるのを防止できる。さ
らに、内側の鉢が土中に還元される(土中で分解又は腐
食する)有機質材料で構成されていると、ある程度植物
が生長した段階で内側の鉢を外側の鉢から抜き取り、内
側の鉢ごと植物を庭や圃場に移植することができる。こ
れは特に営利栽培の場合に有利である。
下に1/3程の範囲に隙間5が形成されていないが、こ
れは補給した水分ができるだけ途中で外に漏れずに下に
しみ込むようにするためである。この二重鉢において、
外側の鉢は内側の鉢を支持するほか、その周囲を覆って
植物の根の乾燥を防ぐ役割ももっている。また、外側の
鉢を内側の鉢への光を遮るような材質で構成した場合、
内側の鉢の表面に緑の藻が発生し(光が入ると藻が発生
する)、それが外側から汚く見えるのを防止できる。さ
らに、内側の鉢が土中に還元される(土中で分解又は腐
食する)有機質材料で構成されていると、ある程度植物
が生長した段階で内側の鉢を外側の鉢から抜き取り、内
側の鉢ごと植物を庭や圃場に移植することができる。こ
れは特に営利栽培の場合に有利である。
【0010】ところで、従来も二重構造を有する植木鉢
はあったが、本発明に係る二重鉢とは作用効果が全く異
なっている。これを簡単に説明すると、例えば実公昭3
8−22429号公報には、全面に通孔を穿設した周壁
のみからなる中鉢を外鉢の下端部に嵌支させ、中鉢と外
鉢の両周壁の間に間隙を構成した植木鉢が記載されてい
るが、通孔は通水及び通気のためのものであり、根の先
端が自由に通過するように意図されたものではない。ま
た、内鉢が周壁のみからなる点及び外鉢の底壁に排水口
が形成されていない点(この植木鉢の場合、水が溜り根
腐れが起こる)でも、本発明の二重鉢とは異なってい
る。
はあったが、本発明に係る二重鉢とは作用効果が全く異
なっている。これを簡単に説明すると、例えば実公昭3
8−22429号公報には、全面に通孔を穿設した周壁
のみからなる中鉢を外鉢の下端部に嵌支させ、中鉢と外
鉢の両周壁の間に間隙を構成した植木鉢が記載されてい
るが、通孔は通水及び通気のためのものであり、根の先
端が自由に通過するように意図されたものではない。ま
た、内鉢が周壁のみからなる点及び外鉢の底壁に排水口
が形成されていない点(この植木鉢の場合、水が溜り根
腐れが起こる)でも、本発明の二重鉢とは異なってい
る。
【0011】実公昭38−22434号公報には、素焼
の一体型二重鉢が記載され、内壁に通気用の小管が形成
され、鉢底に排水口が形成されているが、小管は通気用
で根の先端が自由に通過するように意図されたものでは
なく、また、鉢の構造が本発明のように内側の鉢と外側
の鉢の2つの鉢からなるタイプではなく、しかもきわめ
て複雑な一体構造を有している。なお、素焼の鉢として
製造可能な構造かどうか疑問である。実公昭40−20
922号公報には、内鉢と外鉢からなり、内鉢の側壁に
ピンホールが形成された二重鉢が記載されているが、ピ
ンホールは通気用で明らかに根の先端が自由に通過する
ようなものではなく、また、外鉢の底壁に排水口が形成
されていない点でも本発明の二重鉢とは異なっている。
の一体型二重鉢が記載され、内壁に通気用の小管が形成
され、鉢底に排水口が形成されているが、小管は通気用
で根の先端が自由に通過するように意図されたものでは
なく、また、鉢の構造が本発明のように内側の鉢と外側
の鉢の2つの鉢からなるタイプではなく、しかもきわめ
て複雑な一体構造を有している。なお、素焼の鉢として
製造可能な構造かどうか疑問である。実公昭40−20
922号公報には、内鉢と外鉢からなり、内鉢の側壁に
ピンホールが形成された二重鉢が記載されているが、ピ
ンホールは通気用で明らかに根の先端が自由に通過する
ようなものではなく、また、外鉢の底壁に排水口が形成
されていない点でも本発明の二重鉢とは異なっている。
【0012】図2に示すのは、本発明に係る二重鉢の別
の形態である。内側の鉢13は図1に示す鉢1と同じで
あり、外側の鉢14はそれぞれが規則的に連なって全体
として箱状の鉢箱15を構成し、図1の場合と同じよう
に、外側の鉢14のそれぞれに内側の鉢13を収容する
ようになっている。これは、同時に複数の内側の鉢13
を取り扱える点で便利である。その他の作用効果は図1
に示す二重鉢と同じである。図3に示すのは、本発明に
係る二重鉢のさらに他の例であり、内側の鉢16はそれ
ぞれが規則的に連なって全体として箱鉢17を構成し、
外側の鉢18は個々の内側の鉢16に対応するのではな
く、複数の内側の鉢16が規則的に連なった鉢箱17全
体を収容する大きい箱状の形態をとる。この例ではさら
に取っ手19が付いている。内側の鉢16は連なったま
までもよいし、個々に容易に切り離せるようになってい
てもよい。図2に示した二重鉢と同じく同時に複数の内
側の鉢16を取り扱える点で便利である。その他の作用
効果は図1に示す二重鉢と同じである。
の形態である。内側の鉢13は図1に示す鉢1と同じで
あり、外側の鉢14はそれぞれが規則的に連なって全体
として箱状の鉢箱15を構成し、図1の場合と同じよう
に、外側の鉢14のそれぞれに内側の鉢13を収容する
ようになっている。これは、同時に複数の内側の鉢13
を取り扱える点で便利である。その他の作用効果は図1
に示す二重鉢と同じである。図3に示すのは、本発明に
係る二重鉢のさらに他の例であり、内側の鉢16はそれ
ぞれが規則的に連なって全体として箱鉢17を構成し、
外側の鉢18は個々の内側の鉢16に対応するのではな
く、複数の内側の鉢16が規則的に連なった鉢箱17全
体を収容する大きい箱状の形態をとる。この例ではさら
に取っ手19が付いている。内側の鉢16は連なったま
までもよいし、個々に容易に切り離せるようになってい
てもよい。図2に示した二重鉢と同じく同時に複数の内
側の鉢16を取り扱える点で便利である。その他の作用
効果は図1に示す二重鉢と同じである。
【0013】次に、カーネーションと菊の営利栽培を例
にとり、本発明に係る二重鉢の作用効果についてさらに
説明する。これまでのカーネーションの栽培は、ポリポ
ット等で育苗した苗を5月下旬から6月上旬にかけて本
圃に定植し、10月から次の年の5月中下旬(次の定植
直前まで)にかけて花を収穫している。つまり、収穫期
間は8カ月である。これに対し本発明に係る二重鉢を用
いると、これまでのポットと同じ大きさでも老化(根づ
まり)が起きずに苗が生育するため、育苗期間を長くと
ることができ、本圃への定植時期を例えば7中旬〜8月
下旬まで遅らせることができる。苗が大きく生育した
分、定植後収穫までの期間が短くて済むため、収穫開始
期は同じ10月であり、次の年の7月上旬〜8月中旬
(次の定植直前まで)にかけて収穫できる。つまり、収
穫期間を10カ月程度まで増やすことができ、本圃の利
用効率が高くなる。また、苗の老化が起きずに生育する
ため、定植適期が長く、状況に応じて定植時期を選択で
きるようになる。
にとり、本発明に係る二重鉢の作用効果についてさらに
説明する。これまでのカーネーションの栽培は、ポリポ
ット等で育苗した苗を5月下旬から6月上旬にかけて本
圃に定植し、10月から次の年の5月中下旬(次の定植
直前まで)にかけて花を収穫している。つまり、収穫期
間は8カ月である。これに対し本発明に係る二重鉢を用
いると、これまでのポットと同じ大きさでも老化(根づ
まり)が起きずに苗が生育するため、育苗期間を長くと
ることができ、本圃への定植時期を例えば7中旬〜8月
下旬まで遅らせることができる。苗が大きく生育した
分、定植後収穫までの期間が短くて済むため、収穫開始
期は同じ10月であり、次の年の7月上旬〜8月中旬
(次の定植直前まで)にかけて収穫できる。つまり、収
穫期間を10カ月程度まで増やすことができ、本圃の利
用効率が高くなる。また、苗の老化が起きずに生育する
ため、定植適期が長く、状況に応じて定植時期を選択で
きるようになる。
【0014】また、これまでの菊の栽培は、ポリポット
等にさし穂し、これが適度に発根した段階で本圃に定植
し、茎が30〜45cmに伸びるまで(この長さは品種
により異なる)電照栽培して花芽の分化を抑えるという
栽培方法をとっているが、電照栽培は定植後の本圃で行
われるため電照の面積が広く、コストがかかっていた。
これに対し、本発明に係る二重鉢を用いてこれにさし穂
し、発根後もこの二重鉢のまま電照栽培に入り、30〜
45cm程度に大きく生育した後、本圃に定植するよう
にすれば、電照栽培をハウス等において二重鉢を密集配
置して行うことができるので、電照の面積を小さくし、
コストを低減することができる。
等にさし穂し、これが適度に発根した段階で本圃に定植
し、茎が30〜45cmに伸びるまで(この長さは品種
により異なる)電照栽培して花芽の分化を抑えるという
栽培方法をとっているが、電照栽培は定植後の本圃で行
われるため電照の面積が広く、コストがかかっていた。
これに対し、本発明に係る二重鉢を用いてこれにさし穂
し、発根後もこの二重鉢のまま電照栽培に入り、30〜
45cm程度に大きく生育した後、本圃に定植するよう
にすれば、電照栽培をハウス等において二重鉢を密集配
置して行うことができるので、電照の面積を小さくし、
コストを低減することができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の二重鉢は、植物が根づまりを起
こしにくく、大きく生育させることができ、必要な培土
の量が少なくて済む。また、特に営利栽培において、移
植までの育苗期間を長くでき、あるいは移植適期の期間
を長くとれるので、植物の種類によっては収穫期間が長
くなったり、電照を二重鉢のまま行うことができ、生産
効率の向上、コストダウンを図ることができる。また、
移植時期を選択することもできるようになる。
こしにくく、大きく生育させることができ、必要な培土
の量が少なくて済む。また、特に営利栽培において、移
植までの育苗期間を長くでき、あるいは移植適期の期間
を長くとれるので、植物の種類によっては収穫期間が長
くなったり、電照を二重鉢のまま行うことができ、生産
効率の向上、コストダウンを図ることができる。また、
移植時期を選択することもできるようになる。
【図1】 本発明に係る二重鉢の断面図である。
【図2】 本発明に係る別の二重鉢の断面図(a)及び
簡略化した平面図(b)である。
簡略化した平面図(b)である。
【図3】 本発明に係るさらに別の二重鉢の断面図
(a)及び簡略化した平面図(b)である。
(a)及び簡略化した平面図(b)である。
1、13、16 内側の鉢 5 内側の鉢に形成された隙間 6、14、18 外側の鉢 10 排水口 11 内側の鉢と外側の鉢の隙間
Claims (7)
- 【請求項1】 根の先端が通過する大きさの隙間を多数
有する内側の鉢と底部に排水口を有する外側の鉢からな
り、内側の鉢が外側の鉢の内側に配置され、かつ内側の
鉢と外側の鉢の間に隙間が形成されていることを特徴と
する植物栽培用二重鉢。 - 【請求項2】 外側の鉢が内側の鉢の外周を覆い、内側
の鉢への光を遮ることを特徴とする請求項1に記載され
た植物栽培用二重鉢。 - 【請求項3】 内側の鉢が外側の鉢に対し出し入れ自在
に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記
載された植物栽培用二重鉢。 - 【請求項4】 内側の鉢がカゴ状であることを特徴とす
る請求項1〜3のいずれかに記載された植物栽培用二重
鉢。 - 【請求項5】 内側の鉢の上端から下に高さの半分を越
えない範囲に上記隙間が形成されていないことを特徴と
する請求項1〜4のいずれかに記載された植物栽培用二
重鉢。 - 【請求項6】 内側の鉢が土中に還元される有機質材料
で構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載された植物栽培用二重鉢。 - 【請求項7】 複数の外側の鉢が連なって形成され、内
側の鉢がそれぞれの外側の鉢の内側に配置されているこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された植
物栽培用二重鉢。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8296398A JPH11253054A (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 植物栽培用二重鉢 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8296398A JPH11253054A (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 植物栽培用二重鉢 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11253054A true JPH11253054A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13788889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP8296398A Pending JPH11253054A (ja) | 1998-03-12 | 1998-03-12 | 植物栽培用二重鉢 |
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Country | Link |
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JP (1) | JPH11253054A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011055720A (ja) * | 2009-09-07 | 2011-03-24 | Takemotoen:Kk | 直根性樹木の育苗方法、直根性樹木の定植方法およびポット |
KR101204488B1 (ko) * | 2010-04-20 | 2012-11-26 | 농업회사법인 주식회사 황칠코리아 | 나무 재배용 포트 |
KR200469973Y1 (ko) * | 2011-07-29 | 2013-11-25 | 박동진 | 이중 화분 |
CN103841819A (zh) * | 2011-09-05 | 2014-06-04 | 普拉斯提亚公司 | 具有外部盆以及可插入外部盆并可移除的插入盆的植物盆系统 |
JP2018014935A (ja) * | 2016-07-28 | 2018-02-01 | 正和 川田 | 植木鉢装置 |
JP2019062877A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 茂生 開田 | 貯水容器付プランター |
CN111133916A (zh) * | 2020-01-15 | 2020-05-12 | 广东职业技术学院 | 一种花卉槽结构 |
-
1998
- 1998-03-12 JP JP8296398A patent/JPH11253054A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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