JPH11252827A - 監視制御システム、系統保護制御システムおよびコンピュータが読取り可能な記憶媒体 - Google Patents

監視制御システム、系統保護制御システムおよびコンピュータが読取り可能な記憶媒体

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JPH11252827A
JPH11252827A JP10045761A JP4576198A JPH11252827A JP H11252827 A JPH11252827 A JP H11252827A JP 10045761 A JP10045761 A JP 10045761A JP 4576198 A JP4576198 A JP 4576198A JP H11252827 A JPH11252827 A JP H11252827A
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digital
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protection control
weather information
control device
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Application number
JP10045761A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Miyoshi
哲也 三好
Katsuhiko Sekiguchi
勝彦 関口
Yoshihiro Shirata
義博 白田
Hideki Sasaki
佐々木  秀樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba System Technology Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba System Technology Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH11252827A publication Critical patent/JPH11252827A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/20Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution using protection elements, arrangements or systems

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  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】自動点検を実行する際の系統事故に対する保護
制御動作の開始を従来に比べて短縮する。 【解決手段】電力系統21から入力された電気量S1に
基づいて生成された電気量データを用いて演算処理を行
ない電力系統21の保護制御を行なうディジタル形保護
制御装置23A、23Bと電力系統21に係わる気象情
報を供給する気象情報供給手段24とを通信ネットワー
ク25を介してデータ送受信可能に相互接続して構成さ
れた系統保護制御システム20。ディジタル形保護制御
装置23A、23Bに故障が発生したか否かを所定の点
検周期毎に自動的に点検する自動点検手段30と、気象
情報供給手段24から通信ネットワーク25を介して供
給された気象情報に基づいて自動点検手段30を制御し
て自動点検処理を実行するか否かを設定する自動点検制
御手段31、通信手段30、気象情報受信手段33とを
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の状態量
に基づいて生成されたディジタルデータを用いて前記電
力系統の監視制御や保護制御を行なう監視制御システ
ム、系統保護制御システムおよび記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】電力量等の刻々変動する系統状態量を管
理する電力系統等においては、その電力系統を構成する
複数の設備機器の変動状態やその複数の設備機器に対し
て発生した事故等の異常事態を把握して安定化制御や系
統保護制御を行なう複数のディジタル形制御装置を備え
た制御システムが広く運用されている。特に、近年で
は、高速処理マイクロプロセッサや大容量メモリ等の高
い性能を有する電子デバイスを各ディジタル形制御装置
に搭載しており、高機能化を図っている。
【0003】上述した制御システムを構成するディジタ
ル形制御装置としては、主に電力系統に対する保護制御
内容に応じて種々の装置が開発され、電力系統の所要箇
所に適用されている。具体的には、電力系統の各設備機
器(送電線、変圧器等)に生じた事故(系統事故)を検
出して事故発生部分を電力系統から切り離すことにより
電力系統を保護するディジタルリレー、例えば送電線上
の事故点(故障点)の位置を高精度に標定する故障点標
定装置(フォールトロケータ)および電力系統の安定化
制御を行なう系統安定化リレー装置等がある。
【0004】以下、ディジタル形制御装置として、電力
系統に対する保護リレー動作を行なうディジタル形保護
制御装置(ディジタルリレー)の構成および動作を説明
する。
【0005】図24は、従来の多入力用のディジタルリ
レーの基本的な構成を示す図である。図24によれば、
ディジタルリレー1は、保護制御対象となる電力系統か
ら電流や電圧等の多数のアナログ状態量(電気量)を取
り込んでディジタルデータに変換するアナログ・ディジ
タル変換部2と、このアナログ・ディジタル変換部2に
よりディジタル化された状態データに基づいて保護制御
演算を行なうディジタル演算部3と、遮断器や保護リレ
ー等の外部機器(電力系統保護制御機器、以下、単に保
護制御機器という)とのデータ入出力に関するインタフ
ェース処理を行なう入出力インタフェース部(I/O)
4とを備えており、このディジタルリレー1の各構成要
素(アナログ・ディジタル変換部2、演算部3および入
出力インタフェース部4)は、互いにデータ送受信可能
にバス5を介して相互接続されている。
【0006】アナログ・ディジタル変換部2は、例えば
図示しない入力変換器を介して入力される電気量(A−
1〜A−n)の数に対応するn個の不要周波数成分除去
用のアナログフィルタ6−1〜6−nと、これら各アナ
ログフィルタ6−1〜6−nに対応するサンプリング用
のサンプリングホールド回路(S/H)7−1〜7−n
と、選択出力用のマルチプレクサ8と、A/D変換用の
A/D変換器9とを備えており、また、ディジタル演算
部3は、コンピュータ回路、すなわち保護制御演算処理
実行用のCPU10と、電気量データやCPU10の処
理時のデータを一時的に保存するためのランダムアクセ
スメモリ(RAM)11と、保護制御の処理手順(プロ
グラム)保存用の読み出し専用メモリ(ROM)12お
よび整定値を書換可能に記憶するための不揮発性メモリ
(EEPROM)13とを備えている。
【0007】このように構成されたディジタルリレー1
によれば、電力系統から並列的に取り込まれたn個の電
気量A−1〜A−nは、アナログフィルタ6−1〜6−
nを介して不要な周波数成分(基本波以外の高調波成分
や直流分等)がそれぞれ除去された後サンプリングホー
ルド回路7−1〜7−nに送られ、予め定めた時間間隔
(周期)で状態値(瞬時値)としてそれぞれサンプリン
グされる。
【0008】サンプリングホールド回路7−1〜7−n
によりそれぞれサンプリングされた瞬時値は、マルチプ
レクサ8を介して単一の出力端から順次選択的に出力さ
れてA/D変換器9に送られる。そして、A/D変換器
9に送られた瞬時値は、そのA/D変換器9を介してデ
ィジタル化された電気量データに変換された後、バス5
を介してディジタル演算部3に順次出力される。
【0009】ディジタル演算部3に順次出力された電気
量データは、ROM12に記憶された保護制御プログラ
ムに基づくCPU10の読込処理により順次RAM11
に転送されて一時的に格納される。
【0010】そして、このRAM11に格納された電気
量データ、EEPROM13に記憶された保護リレー動
作の整定値および入出力インタフェース部4を介して取
り込まれた遮断器等の外部機器の接点情報等に基づい
て、CPU10によりROM12に記憶された保護制御
プログラムに従った保護制御演算処理(例えば、ディジ
タルフィルタリング処理、振幅値演算処理、実効値演算
処理、位相差演算処理および整定値に基づく動作判定処
理等)が実行される。
【0011】CPU10の上述した保護制御演算処理に
より得られた結果は、CPU10の処理により例えば遮
断器等の保護制御機器への引外し指令(トリップ指令)
や復帰指令等の保護制御動作指令として入出力インタフ
ェース部4を介して遮断器等の保護制御機器へ出力さ
れ、電力系統保護制御動作{引外し動作・復帰動作(接
点開閉動作)等}が実行される。なお、ディジタルリレ
ー以外の他の保護制御機能を有するディジタル形保護制
御装置においても、保護制御演算処理や保護制御内容は
異なるものの、上述したディジタルリレー1と略同等の
構成を有し、同様の動作処理を行なうようになってい
る。
【0012】ところで、ディジタルリレー等のディジタ
ル形保護制御装置の特長の一つとして、自動監視機能が
ある。この自動監視機能は、ディジタル形保護制御装置
の責務である電力系統に対する保護制御機能が常に正常
に働くように、その保護制御装置内に組み込まれた監視
機能である。なお、自動監視機能についての詳細内容
は、例えば文献(三谷泉編著、「ディジタルリレー実務
読本」、オーム社、P70〜73)等に記載されてい
る。
【0013】このような自動監視機能は、上記文献に記
述されているように、大別して常時監視と自動点検に分
類される。常時監視は、定周期で監視機能が働くもので
あり、図25に示すようなアナログ入力回路(入力変換
器、フィルタおよびサンプリングホールド等)に対する
3相平衡監視・零相監視(アナログ入力監視)や、メモ
リに対するリード・ライトチェック等のメモリ監視等、
ハードウエアのブロック単位で常時行なわれるものが一
般的である。
【0014】例えばアナログ入力監視では、電力系統の
3相平衡状態(3相平衡した電流、電圧を取り込んだ場
合、各相のベクトル和をとれば0ベクトルになる)を利
用して、アナログ入力回路に故障が発生したことを、そ
の故障に起因した不平衡状態(ベクトル和が0ベクトル
ではなくなる)を検出することにより発見している。
【0015】一方、自動点検は、一定の点検周期(例え
ば、一週間に一度;7日周期)で、常時に動作せず常時
監視では発見できない構成要素(例えば出力回路等)を
起動してその動作を確認するものであり、例えば図26
に示すような遮断器トリップ回路の開閉機能点検{出力
回路点検}等がある。この自動点検は、言い換えれば、
実際に正動作しなければならない際に誤って不動作とな
っている出力回路等の構成要素(誤不動作の構成要
素)、つまり、ディジタル形保護制御装置における誤不
動作モードの構成要素を検出するものである。
【0016】このようなディジタル形保護制御装置の常
時監視や自動点検等の自動監視機能により、ディジタル
形保護制御装置に発生した障害(故障)を早期に検出す
ることが可能になり、電力系統の系統事故発生時におけ
るディジタル形保護制御装置の誤不動作や対応する保護
制御区間(以下、単に保護区間ともいう)以外の系統事
故発生時における誤動作等、不要な応動が発生する確率
が低下した。
【0017】以上述べたように、ディジタル形保護制御
装置の誤動作や誤不動作を防止してディジタル形保護制
御装置の信頼性を高めるためには、自動監視機能は非常
に重要な機能であり、ディジタル形保護制御装置の普及
に伴ってその重要性はさらに高まってきている。
【0018】一方、近年におけるディジタルリレー等の
ディジタル形保護制御装置の運用保守の省力化のため
に、遠方から広域伝送網等の通信ネットワークを介して
ディジタル形保護制御装置の動作や状態を運用監視する
遠隔運用監視システムの実現が可能になっている。この
ような遠隔運用監視システムでは、各ディジタル形保護
制御装置の動作や運用状態に関する詳細な情報の他、電
力系統から入力した電気量に基づく電気量データ(電
流、電圧等をディジタルデータに変換したもの)等も通
信ネットワークを介して遠方で表示できるようになって
いる。この遠隔運用監視システムの具体例は、文献「デ
ィジタルリレー遠隔運用監視システムの開発」{電気学
会、全国大会、平成8年3月No.1529}等に記載
されている。
【0019】この遠隔運用監視システムをディジタル形
保護制御装置に対して適用すれば、あるディジタル形保
護制御装置内で行なわれた自動監視の結果も、当該ディ
ジタル形保護制御装置から遠方の有人電気所内における
ワークステーションやパーソナルコンピュータ等の表示
操作装置(ヒューマンマシンインタフェース)のモニタ
画面に表示させて確認することができ、自動監視作業の
省力化を図ることが可能になっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来のディジタルリレ
ー等のディジタル形保護制御装置では、上述した自動点
検を行なう場合には、上記7日周期のような点検周期を
予め設定し、その点検周期毎に自動点検を行なってお
り、この自動点検中においては、ディジタル形保護制御
装置としての保護制御機能は中断されていた。
【0021】したがって、自動点検中に、そのディジタ
ル形保護制御装置の保護区間(保護範囲)内で系統事故
が発生した場合には、ディジタル形保護制御装置は、自
動点検動作を中止し、その自動点検動作が中止されたこ
とを確認してから保護制御動作を行なっていたため、中
止確認動作時間だけ保護制御動作の開始が遅れて、系統
設備機器の損傷(変流器等の計器の破損、送電線の焼損
等)を招く危険性が生じていた。
【0022】また、ディジタルリレー等のディジタル形
保護制御装置では、常時監視として、電力系統の3相平
衡状態を利用してアナログ入力回路に対するアナログ入
力監視を行なっている。
【0023】しかしながら、保護制御対象である電力系
統の送電線の受電端が列車に供給されているような場
合、列車には1相または2相を使用して電力が供給され
るのが一般的である。したがって、列車の運行によって
上記電力供給相に潮流が流れて3相平衡状態が崩れるた
め、上記電力系統を保護制御対象とするディジタル形保
護制御装置は、アナログ入力回路に故障が実際に発生し
ていないにも拘らずその正常なアナログ入力回路の不良
検出を行なっていた。
【0024】この結果、何ら故障が発生していないにも
拘らずディジタル形保護制御装置の保護制御動作を停止
させなければならず、ディジタル形保護制御装置の稼働
性および信頼性を低下させていた。
【0025】さらに、近年では、保護制御対象となる電
力系統の規模拡大に伴って重潮流化や電力動揺の発生頻
度が高まっているため、上記電力系統の保護制御用ディ
ジタル形保護制御装置として、電気量(電圧、電流)の
逆相分により作動し、上述した電力動揺や常時の重潮流
の影響を受けにくい逆相原理リレー(逆相リレー)方式
のディジタル形保護制御装置が用いられている。なお、
この逆相リレー(逆相距離リレー)の原理、特性および
用途等を図27に示す。
【0026】しかしながら、この逆相リレー方式のディ
ジタル形保護制御装置を電力系統の保護制御に適用した
場合、上述した列車の運行等によって1相だけに潮流が
発生して3相平衡状態が崩れた際に逆相リレーが誤動作
して正常な電力系統の例えば送電線を誤遮断する恐れが
あり、逆相リレー方式のディジタル形保護制御装置の稼
働性および信頼性を低下させていた。
【0027】一方、ディジタルリレー等のディジタル形
保護制御装置は、常に電力系統を監視してその電力系統
に発生する事故に備えるために、常時電源から電力が供
給された状態、すなわち通電状態になっている。通常、
ディジタル形保護制御装置は、1変電所全体でも数10
個程度存在しており、全てのディジタル形保護制御装置
を通電状態にしておくことから、系統保護制御システム
全体の消費電力の総量が増大してディジタル形保護制御
装置を用いた系統保護制御システムの経済性を悪化させ
ていた。また、各ディジタル形保護制御装置を常時通電
状態にしておくため、発熱等の原因によりその各ディジ
タル形保護制御装置の耐用年数が低下する恐れが生じて
いた。
【0028】そして、上述した通信ネットワークを介し
て多数のディジタル形保護制御装置および表示操作装置
を接続して構成された遠隔運用監視型系統保護制御シス
テムにおいては、多数のディジタル形保護制御装置およ
び表示操作装置間で非常に多くのデータが通信ネットワ
ークを経由して送受信されることになり、膨大な量のデ
ータ(情報)が通信ネットワーク上に存在して非常に大
きな通信負荷がかかる危険性がある。
【0029】このように通信ネットワーク上に大きな通
信負荷がかかった状態において系統事故が発生した場
合、その系統事故発生部分を保護区間とするディジタル
形保護制御装置から通信ネットワークを介してデータ
(情報)を送信しようとしても、その系統事故発生に係
わる重要な情報は、他のディジタル形保護制御装置や表
示操作装置間で通信ネットワークを介して送受信される
情報と衝突して伝送遅延が生じる恐れがあり、遠隔運用
監視型系統保護制御システムの各ディジタル形保護制御
装置運用に関する信頼性を低下させる危険性があった。
【0030】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
もので、自動点検を実行する際のディジタル形保護制御
装置等の演算部の系統事故に対する保護制御動作等の監
視・制御動作の開始を従来に比べて短縮することによ
り、信頼性に優れた監視制御システムおよび系統保護制
御システムを提供することをその第1の目的とする。
【0031】また、本発明は、上述した事情に鑑みてな
されたもので、電力系統に故障が発生しない際に列車の
運行等により3相平衡状態が崩れても、アナログ入力回
路に対する不良検出を行なうことなくディジタル形保護
制御装置の保護制御動作を継続して行なうことにより、
経済性および信頼性に優れた系統保護制御システムを提
供することをその第2の目的とする。
【0032】さらに、本発明は、上述した事情に鑑みて
なされたもので、3相平衡状態が崩れても逆相リレーの
誤動作を防止して誤遮断を回避することにより、稼働性
および信頼性の優れた系統保護制御システムを提供する
ことをその第3の目的とする。
【0033】そして、本発明は、上述した事情に鑑みて
なされたもので、ディジタル形保護制御装置の通電状態
を、系統事故が発生する確率に応じて可変制御すること
により、経済性および耐用年数の向上したディジタル形
保護制御装置を有する系統保護制御システムを提供する
ことをその第4の目的とする。
【0034】また、本発明は、上述した事情に鑑みてな
されたもので、通信ネットワークを用いた遠隔運用監視
型系統保護制御システムにおいて、系統事故が発生する
確率に応じて通信負荷を調整して系統事故発生に係わる
重要な情報の通信遅延を防止することにより、上記系統
保護制御システムの信頼性を向上させることをその第5
の目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の第1の観点に係わる監視制御システム
によれば、制御あるいは監視対象となる機器の状態量を
取込み当該機器を制御あるいは監視する複数の演算部
と、これら演算部に係わる気象情報を供給する気象情報
供給手段とを通信ネットワークを介して接続しデータの
送受信を可能とした監視制御システムであって、前記少
なくとも1つの演算部に故障が発生したか否かを所定の
点検周期毎に自動的に点検する自動点検手段と、前記気
象情報供給手段から前記通信ネットワークを介して供給
された気象情報に基づいて前記自動点検手段を制御して
前記自動点検処理を実行するか否かを設定する自動点検
制御手段とを備えている。
【0036】上述した課題を解決するために、本発明の
第2の観点に係わる系統保護制御システムによれば、電
力系統の状態量に基づいて生成されたディジタルデータ
を用いて演算処理を行ない前記電力系統の保護制御を行
なう少なくとも1つのディジタル形保護制御装置と前記
電力系統に係わる気象情報を供給する気象情報供給手段
とを通信ネットワークを介してデータ送受信可能に相互
接続して構成された系統保護制御システムであって、前
記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置に故障が
発生したか否かを所定の点検周期毎に自動的に点検する
自動点検手段と、前記気象情報供給手段から前記通信ネ
ットワークを介して供給された気象情報に基づいて前記
自動点検手段を制御して前記自動点検処理を実行するか
否かを設定する自動点検制御手段とを備えている。
【0037】特に、前記ディジタル形保護制御装置は複
数であり、前記自動点検手段および前記自動点検制御手
段は前記複数のディジタル形保護制御装置にそれぞれ設
置されているとともに、前記各ディジタル形保護制御装
置に設置された自動点検制御手段は、前記自動点検手段
の自動点検処理の開始に応じて自ディジタル形保護制御
装置の保護対象に係わる気象情報を要求する指令(気象
情報要求)を前記通信ネットワークを介して前記気象情
報供給手段に送信する送信手段と、前記気象情報供給手
段から送信された前記気象情報要求に対応する気象情報
を受信する受信手段と、この受信手段により受信された
気象情報中に、前記自ディジタル形保護制御装置の保護
対象の電力系統に影響を与える情報が含まれているか否
かを判断する判断手段と、この判断手段の判断の結果、
前記保護対象の電力系統に影響を与える情報が含まれて
いると判断された際に前記自動点検手段の自動点検処理
を中止する自動点検処理中止手段とを備えている。
【0038】上述した課題を解決するために、本発明の
第3の観点に係わる系統保護制御システムによれば、電
力系統の状態量に基づいて生成されたディジタルデータ
を用いて演算処理を行ない前記電力系統の保護制御を行
なう少なくとも1つのディジタル形保護制御装置と前記
電力系統に係わる列車運行情報を供給する列車運行情報
供給手段とを通信ネットワークを介してデータ送受信可
能に相互接続して構成された系統保護制御システムであ
って、前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置
を構成する各構成要素に故障が発生したかを常時監視す
る常時監視手段と、前記列車運行情報供給手段から前記
通信ネットワークを介して供給された列車運行情報に基
づいて前記常時監視手段を制御して前記常時監視処理を
実行するか否かを設定する常時監視制御手段とを備えて
いる。
【0039】特に、前記ディジタル形保護制御装置は複
数であり、前記常時監視手段および前記常時監視制御手
段は前記複数のディジタル形保護制御装置にそれぞれ設
置されているとともに、前記各ディジタル形保護制御装
置に設置された常時監視制御手段は、前記常時監視手段
の常時監視処理の開始に応じて自ディジタル形保護制御
装置の保護対象に係わる列車運行情報を要求する指令
(列車運行情報要求)を前記通信ネットワークを介して
前記列車運行情報供給手段に送信する送信手段と、前記
列車運行情報供給手段から送信された前記列車運行情報
要求に対応する列車運行情報を受信する受信手段と、こ
の受信手段により受信された列車運行情報に基づいて前
記自ディジタル形保護制御装置の保護対象に対して影響
を与える場所を列車が走行中か否かを判断する判断手段
と、この判断手段の判断の結果、前記保護対象に対して
影響を与える場所を列車が走行していると判断された際
に前記常時監視手段の常時監視処理を一時中止する常時
監視処理一時中止手段とを備えている。
【0040】上述した課題を解決するために、本発明の
第4の観点に係わる系統保護制御システムによれば、電
力系統の状態量に基づいて生成されたディジタルデータ
に基づいて前記電力系統の保護制御を行なう少なくとも
1つのディジタル形保護制御装置と前記電力系統に係わ
る列車運行情報を供給する列車運行情報供給手段とを通
信ネットワークを介してデータ送受信可能に相互接続し
て構成された系統保護制御システムであって、前記少な
くとも1つのディジタル形保護制御装置は、前記状態デ
ータに基づいて逆相保護リレー演算処理を行ない、この
逆相保護リレー演算処理結果に応じて前記電力系統に設
置された保護制御機器に対して保護制御動作指令を出力
する逆相保護リレー演算手段と、前記列車運行情報供給
手段から前記通信ネットワークを介して供給された列車
運行情報に基づいて前記逆相保護リレー演算手段を制御
して前記逆相保護リレー演算処理を実行するか否かを設
定する逆相リレー制御手段とを備えている。
【0041】上述した課題を解決するために、本発明の
第5の観点に係わる系統保護制御システムによれば、電
力系統の状態量に基づいて生成されたディジタルデータ
に基づいて前記電力系統の保護制御を行なう機能を有
し、電源から送られた駆動電力に応じて駆動する少なく
とも1つのディジタル形保護制御装置と、前記電力系統
に係わる気象情報を供給する気象情報供給手段と、前記
少なくとも1つのディジタル形保護制御装置および前記
気象情報供給手段をデータ送受信可能に相互接続する通
信ネットワークと、所定の周期で前記気象情報供給手段
から前記通信ネットワークを介して供給された気象情報
に基づいて、前記電源から送られた駆動電力に基づく前
記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置の通電状
態を制御する電源制御手段とを備えている。
【0042】上述した課題を解決するために、本発明の
第6の観点に係わる系統保護制御システムによれば、電
力系統の状態量に基づいて生成されたディジタルデータ
を用いて演算処理を行ない前記電力系統における保護対
象の保護制御を行なう複数のディジタル形保護制御装置
と、前記各ディジタル形保護制御装置の保護対象に係わ
る気象情報を供給する気象情報供給手段と、前記複数の
ディジタル形保護制御装置に対してそれぞれ割り当てら
れ、その割り当てられたディジタル形保護制御装置の動
作・運用状態に関する情報を含む動作情報を表示する複
数の表示装置とを通信ネットワークを介してデータ通信
可能に相互接続して構成された系統保護制御システムで
あって、前記気象情報供給手段から前記通信ネットワー
クを介して前記各ディジタル形保護制御装置に対して供
給された気象情報に基づいて、前記複数のディジタル形
保護制御装置とこれら複数のディジタル形保護制御装置
に対して割り当てられた複数の表示装置との間の前記デ
ータ通信に関する前記通信ネットワーク上の通信負荷を
制御する通信負荷制御手段を備えている。
【0043】上述した課題を解決するために、本発明の
第7の観点に係わる記憶媒体によれば、電力系統の状態
量に基づいて前記電力系統の保護制御を行なう少なくと
も1つのディジタル形保護制御装置と前記電力系統に係
わる気象情報を供給する気象情報供給手段とを通信ネッ
トワークを介してデータ送受信可能に相互接続して構成
された系統保護制御システムを実行させるプログラムが
記憶されたコンピュータが読取り可能な記憶媒体であっ
て、前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置に
対して、その少なくとも1つのディジタル形保護制御装
置に故障が発生したか否かを所定の点検周期毎に自動的
に点検させるプログラムと、前記気象情報供給手段から
前記通信ネットワークを介して供給された気象情報に基
づいて、前記自動点検プログラムに基づく自動点検処理
を継続して実行するか中止するかを前記少なくとも1つ
のディジタル形保護制御装置に判断させるプログラムと
を含んでいる。
【0044】上述した課題を解決するために、本発明の
第8の観点に係わる記憶媒体によれば、電力系統の状態
量に基づいて前記電力系統の保護制御を行なう少なくと
も1つのディジタル形保護制御装置と前記電力系統に係
わる列車運行情報を供給する列車運行情報供給手段とを
通信ネットワークを介してデータ送受信可能に相互接続
して構成された系統保護制御システムを実行させるプロ
グラムが記憶されたコンピュータが読取り可能な記憶媒
体であって、前記少なくとも1つのディジタル形保護制
御装置に対して、その少なくとも1つのディジタル形保
護制御装置に故障が発生したかを常時監視させるプログ
ラムと、前記列車運行情報供給手段から前記通信ネット
ワークを介して供給された気象情報に基づいて、前記常
時監視プログラムに基づく常時監視処理を継続して実行
するか中止するかを前記少なくとも1つのディジタル形
保護制御装置に判断させるプログラムとを含んでいる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる監視制御シ
ステムおよび系統保護制御システムの実施の形態を図面
に従って以下に説明する。なお、以下の実施形態では、
本発明の監視制御システムおよび系統保護制御システム
の一例として、電力系統の各設備機器の状態量に基づい
て電力系統の保護制御を行なう系統保護制御システムの
構成および動作について説明する。
【0046】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態に係る系統保護制御システムを図1〜図4に従っ
て説明する。
【0047】図1は、本実施形態における系統保護制御
システムの機能ブロックを示す図である。
【0048】図1によれば、系統保護制御システム20
は、複数の変電所(例えば2つの変電所Ts1 、Ts2
)と、例えば有人の電気所P1 とを備えている。
【0049】各変電所Ts1 、Ts2 は、保護制御対象
となる電力系統21の設備機器(例えば電気量変換機
器)の電流や電圧等のアナログ状態量(電気量)S1、
S2をそれぞれ取り込み、その電気量S1、S2に基づ
いて保護制御演算処理を行なって電力系統21における
所定の保護制御区間(保護区間ともいう)に設置された
遮断器等の保護制御機器への引外し指令(トリップ指
令)や復帰指令等の保護制御動作指令C1、C2をそれ
ぞれ出力する複数のディジタル形保護制御装置23A、
23Bを備えており、有人の電気所P1 は、各変電所T
s1 、Ts2 の各ディジタル形保護制御装置23A、2
3Bに対して、そのディジタル形保護制御装置23A、
23Bの保護区間に係わる気象情報を供給する気象情報
供給手段24とを備えている。
【0050】各変電所Ts1 、Ts2 (ディジタル形保
護制御装置23A、23B)と電気所P1 (気象情報供
給手段24)とは、通信ネットワーク25を介してデー
タ送受信可能に相互接続されて上記系統保護制御システ
ム20を構成している。また、通信ネットワーク25に
は、ディジタル形保護制御装置23A、23Bの動作・
運用状態に関する詳細情報、電気量データおよびディジ
タル形保護制御装置23A、23Bで実行された自動監
視(常時監視、自動点検)の結果等を表示する機能を有
するワークステーションやパーソナルコンピュータ等を
備えた表示操作装置26が接続されている。
【0051】ディジタル形保護制御装置23A、23B
は、予め定められた点検周期に基づいて保護制御装置内
の例えば状態量S1、S2を入力するアナログ入力回路
や遮断器等の保護制御機器に対する入出力回路等を自動
点検する自動点検手段30と、この自動点検手段30が
自動点検動作を開始する際に上記気象情報を要求する指
令(気象情報要求)を出力する処理を含む自動点検手段
30の自動点検動作に関する制御を行なう自動点検制御
手段31と、この自動点検制御手段31から出力された
気象情報要求を所定の通信フォーマットで通信ネットワ
ーク25を経由して気象情報供給手段24に送信する処
理や、気象情報供給手段24から通信ネットワーク25
を介して送信されてきた所定のフォーマットの上記気象
情報要求に対応する気象情報を受信する通信手段32
と、この通信手段32により受信された気象情報を受信
処理して自動点検制御手段31に送る気象情報受信手段
33とをそれぞれ備え、自動点検制御手段31は、送ら
れた気象情報に基づいて自動点検手段30が自動点検動
作を行なうか否かを制御するように構成されている。
【0052】図2は、本実施形態の変電所Ts1 のディ
ジタル形保護制御装置23Aの各機能ブロックおよび電
気所P1 の気象情報供給手段24の処理を具体的に実現
するためのハードウエア構成を示す図である。なお、デ
ィジタル形保護制御装置23Aのハードウエア構成にお
いて、前掲図24に示したディジタル形保護制御装置1
のハードウエアの各構成要素と略同等の構成要素につい
ては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化
する。
【0053】図2に示すディジタル形保護制御装置23
Aは、トランシーバ35を介して変電所Ts1 内に構築
されたイーサネットLAN36に接続されており、この
イーサネットLAN36を経由して変電所Ts1 内の他
の装置(例えば他のディジタル形保護制御装置)に対し
てデータ送受信可能に相互接続されている。
【0054】ディジタル形保護制御装置23Aは、電力
系統21におけるディジタル形保護制御装置23Aの保
護区間内の電気量変換機器等から状態量(電流や電圧
等、以下電気量ともいう)S1を所定のサンプリング周
期でサンプルホールドし、A/D変換してディジタル形
の電気量データに変換するアナログディジタル変換部
(アナログフィルタ、サンプリングホールド回路、マル
チプレクサおよびA/D変換器)2と、ディジタル演算
処理部3と、入出力インタフェース(I/O)4と、バ
ス5と、イーサネットLAN36とディジタル演算処理
部3との間のデータ入出力に関するインタフェース処理
を行なうためにイーサネットLAN36のトランシーバ
35とバス5に接続された通信インタフェース40とを
備えている。
【0055】ディジタル演算部3は、上記電気量データ
に基づく保護制御演算処理、上述した自動点検処理、お
よび自動点検制御処理を含む保護制御装置全般の処理を
実行するCPU41、電気量データやCPU41の処理
時のデータを一時的に保存するためのRAM42、上記
自動点検処理や自動点検制御処理等のCPU41の処理
手順(プログラムモジュール)を保存するためのROM
43、および整定値を記憶するEEPROM13のハー
ドウエアから構成されている。
【0056】なお、ディジタル形保護制御装置23Aを
構成する各ハードウエアブロック(アナログ・ディジタ
ル変換部2、ディジタル演算処理部3、入出力インタフ
ェース4および通信インタフェース40)に対しては、
図示しない電源から各ブロック駆動用の電力が供給され
ており、常時通電状態になっている。
【0057】また、ディジタル形保護制御装置23Bの
ハードウエア構成は、取得する電気量がS2で表される
以外は、ディジタル形保護制御装置23Aのハードウエ
ア構成と略同等であるため、その説明を省略する。
【0058】また、気象情報供給手段24は、例えば気
象情報提供システム(MICOS;Menteorological In
formation Confidential Online System)等から提供さ
れた気象情報を保持するワークステーション24Aから
構成されている。
【0059】このワークステーション24Aは、高速高
性能MPU、高解像度モニタ(ディスプレイ)、大記憶
容量メモリ等を備えており、トランシーバ35を介して
電気所P1 内に構築されたイーサネットLAN36に接
続され、このイーサネットLAN36を経由して電気所
P1 内の他の装置(例えばパーソナルコンピュータ等)
に対してデータ送受信可能に相互接続されている。
【0060】また、変電所Ts1 内のローカルな範囲を
接続するイーサネットLAN36は、トランシーバ35
およびルータ45を介して通信ネットワーク25を構成
する回線交換網等(例えば電話回線)の広域ネットワー
ク46に接続されており、この広域ネットワーク46に
は、変電所Ts2 のイーサネットLAN36および電気
所P1 のイーサネットLAN36がそれぞれトランシー
バ35およびルータ45を介して接続されている。
【0061】ワークステーション24Aは、上記気象情
報供給システムから提供された気象情報を例えば前記電
力系統の保護区間を含む所定の地域内の各地区毎および
気象種類毎にデータベース化して上記大容量メモリ内に
保持し(図中データベース47として示す)、あるディ
ジタル形保護制御装置(例えばディジタル形保護制御装
置23A)から広域ネットワーク46やイーサネットL
AN36等を介して送信されてきた気象情報要求に応じ
て、そのディジタル形保護制御装置23Aの保護区間に
対応する地区の気象情報を前記データベースから取り出
して広域ネットワーク46やイーサネットLAN36等
を経由して要求元のディジタル形保護制御装置23Aへ
送信する機能を有している。
【0062】なお、図1における自動点検手段30、自
動点検制御手段31および気象情報受信手段33は、主
にCPU41、RAM42およびROM43により具体
化される。また、通信手段32は主にCPU41、RA
M42、ROM43、通信インタフェース40、トラン
シーバ35、イーサネットLAN36およびルータ45
により具体化される。
【0063】このように構成された系統保護制御システ
ム20によれば、例えばディジタル形保護制御装置23
AのCPU41は、予め定められた点検周期に基づいて
メインの保護制御演算処理を一時停止して自動点検モジ
ュールを起動する(図3;ステップS1)。次いでCP
U41は、現在の時刻が所定の自動点検時刻であるか否
か判断し(ステップS2)、もしこの判断の結果NO
(自動点検時刻でない)と判断された場合には、自動点
検モジュールを終了させてメインの保護制御演算処理に
戻る。
【0064】一方、ステップS2の判断の結果YES
(自動点検時刻である)と判断された場合には、CPU
41は、そのCPU41を含むディジタル演算処理部3
が備えられたディジタル形保護制御装置23A(以下、
自ディジタル形保護制御装置23Aともいう)およびそ
の保護区間等をデータとして含む気象情報要求を送信
し、この気象情報要求は、通信インタフェース40、ト
ランシーバ35、イーサネットLAN36およびルータ
36を介して広域ネットワーク46へ送信される(ステ
ップS3)。
【0065】このとき、ワークステーション24Aは、
広域ネットワーク46からルータ45、トランシーバ3
5およびイーサネットLAN36を介して気象情報要求
が送信されてきたか否か常時判断しており(図4;ステ
ップS10)、上記気象情報要求がディジタル形保護制
御装置23Aから広域ネットワーク46およびイーサネ
ットLAN36等を介してワークステーション24Aへ
送信されてくると、上記ステップS10の判断の結果は
YESとなり、ワークステーション24Aは、その送信
されてきた気象情報要求を受信する(ステップS1
1)。
【0066】続いてワークステーション24Aは、送信
されてきた気象情報要求から送信元のディジタル形保護
制御装置23Aおよびその保護区間を認識し、各地区毎
および気象種類毎に分類された気象情報データベース4
7から、ディジタル形保護制御装置23Aの保護区間に
影響を与える地区(気象区域)の気象情報を取り出し
(ステップS12)、取り出した気象情報をイーサネッ
トLAN36やルータ45等を介して広域ネットワーク
46へ送信して(ステップS13)、処理を終了する。
【0067】一方、ディジタル形保護制御装置23Aの
CPU41は、ワークステーション24Aから広域ネッ
トワーク46およびイーサネットLAN36等を経由し
て送信されてきた気象情報を通信インタフェース40を
介して受信してRAM42に保持する(ステップS
4)。
【0068】そしてCPU41は、RAM42に保持さ
れた気象情報中に、上記自ディジタル形保護制御装置2
3Aの保護区間に対して雷雨が降る情報、台風が到来す
る情報、大雪が降る情報および地震が発生する情報等、
上記保護区間の電力系統21に影響を与える情報(以
下、影響気象情報と呼ぶ)が含まれているか否かを判断
しており(ステップS5)、例えばこのステップS5の
判断の結果YES、すなわち、気象情報中に影響気象情
報が含まれていると判断された場合は、CPU41は、
その保護区間の電力系統21に対して系統事故の生じる
確率が高いと判断して自動点検処理を終了(中止)する
(ステップS6)。
【0069】一方、ステップS6の判断の結果NO、す
なわち、気象情報中に影響気象情報が含まれていないと
判断された場合は、CPU41は、上記保護区間の電力
系統21に対して系統事故の生じる確率が低いと判断し
て自動点検処理を実行し(ステップS7)、所定の自動
点検終了後にメインの保護制御演算処理へ戻る。
【0070】以上述べたように、本実施形態によれば、
自動点検処理を実行するディジタル形保護制御装置の保
護区間に対して雷雨等が降って系統事故が生じる確率が
高い場合には、自動点検処理を中止することができるた
め、仮にその保護区間の電力系統に対して系統事故が発
生しても、ディジタル形保護制御装置の保護制御処理に
より直ちに事故発生部位を引き外すことができる。この
結果、従来のディジタル形保護制御装置に比べて、系統
事故発生から引き外し処理開始までの時間を短縮するこ
とができ、系統設備機器の損傷を防止してディジタル形
保護制御装置の信頼性を向上させることができる。
【0071】なお、本実施形態では、気象情報提供シス
テム等から提供された気象情報をワークステーション内
にデータベース化し、このデータベース化された気象情
報をワークステーションが取り出して気象情報要求送信
元のディジタル形保護制御装置へ供給したが、本発明は
これに限定されるものではなく、気象情報提供システム
等を広域ネットワークに接続しておき、気象情報提供シ
ステムから提供された気象情報を広域ネットワークを介
して、直接気象情報要求送信元のディジタル形保護制御
装置に送信するように構成してもよい。このとき、気象
情報要求送信元のディジタル形保護制御装置は、送信さ
れてきた気象情報から保護区間の地区の気象情報を取り
出し、この気象情報に影響気象情報が含まれているかを
判断して自動点検処理を実行するか否かを決定すること
により、上述した実施形態と同等の引き外し処理開始時
間の短縮および系統設備機器の損傷防止等の効果を得る
ことができる。
【0072】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態に係る系統保護制御システムを図5〜図8に従っ
て説明する。
【0073】図5は、本実施形態における系統保護制御
システムの機能ブロックを示す図である。
【0074】図5によれば、系統保護制御システム50
は、複数の変電所(例えば2つの変電所Ts3 、Ts4
)と、例えば有人の電気所P2 とを備えている。
【0075】各変電所Ts3 、Ts4 は、保護制御対象
となる電力系統21の設備機器(例えば電気量変換機
器)の電流や電圧等のアナログ状態量(電気量)S1、
S2をそれぞれ取り込み、その電気量S1、S2に基づ
いて保護制御演算処理を行なって電力系統21における
所定の保護区間に設置された遮断器等の保護制御機器へ
の引外し指令(トリップ指令)や復帰指令等の保護制御
動作指令C1、C2をそれぞれ出力する複数のディジタ
ル形保護制御装置51A、51Bを備えており、有人の
電気所P2 は、各変電所Ts3 、Ts4 の各ディジタル
形保護制御装置51A、51Bに対して、そのディジタ
ル形保護制御装置51A、51Bの保護区間に係わる列
車運行情報を供給する列車運行情報供給手段52を備え
ている。
【0076】各変電所Ts3 、Ts4 (ディジタル形保
護制御装置51A、51B)と電気所P2 (列車運行情
報供給手段52)とは、通信ネットワーク53を介して
データ送受信可能に相互接続されて上記系統保護制御シ
ステム50を構成している。
【0077】また、通信ネットワーク53には、ディジ
タル形保護制御装置51A、51Bの動作・運用状態に
関する詳細情報、電気量データおよびディジタル形保護
制御装置51A、51Bで実行された自動監視(常時監
視、自動点検)の結果等を表示する機能を有するパーソ
ナルコンピュータ等を備えた表示操作装置54が接続さ
れている。
【0078】ディジタル形保護制御装置51A、51B
は、保護制御装置内の例えば状態量S1、S2を入力す
るアナログ入力回路(入力変換器、アナログ/ディジタ
ル変換器)に対する3相平衡監視・零相監視(アナログ
入力監視)や、メモリ(RAM、ROM)に対するリー
ド・ライトチェック等のメモリ監視等、例えば後述する
ハードウエアのブロック単位で上記制御装置を構成する
各構成要素の常時監視を行なう監視手段55と、この監
視手段55が常時監視動作を開始する際に上記列車運行
情報を要求する指令(列車運行情報要求)を出力する処
理を含む監視手段55の常時監視動作に関する制御を行
なう監視制御手段56と、この監視制御手段56から出
力された列車運行情報要求を所定の通信フォーマットで
通信ネットワーク53を経由して列車運行情報供給手段
52に送信する処理や、列車運行情報供給手段52から
通信ネットワーク53を介して送信されてきた所定のフ
ォーマットの上記列車運行情報要求に対応する列車運行
情報を受信する通信手段57と、この通信手段57によ
り受信された列車運行情報を受信処理して監視制御手段
56に送る列車運行情報受信手段58とをそれぞれ備
え、監視制御手段56は、送られた列車運行情報に基づ
いて監視手段55が常時監視動作を行なうか否かを制御
するように構成されている。
【0079】図6は、本実施形態の変電所Ts3 のディ
ジタル形保護制御装置51Aの各機能ブロックおよび電
気所P2 の列車運行情報供給手段52の処理を具体的に
実現するためのハードウエア構成を示す図である。な
お、ディジタル形保護制御装置51Aのハードウエア構
成において、前掲図24に示したディジタル形保護制御
装置1のハードウエアの各構成要素と略同等の構成要素
については、同一の符号を付してその説明を省略または
簡略化する。
【0080】図6に示すディジタル形保護制御装置51
Aは、トランシーバ60を介して変電所Ts3 内に構築
されたイーサネットLAN61に接続されており、この
イーサネットLAN61を経由して変電所Ts3 内の他
の装置(例えば他のディジタル形保護制御装置)に対し
てデータ送受信可能に相互接続されている。
【0081】ディジタル形保護制御装置51Aは、電力
系統21におけるディジタル形保護制御装置51Aの保
護区間内の電気量変換機器等から状態量(電流や電圧
等、以下電気量ともいう)S1を所定のサンプリング周
期でサンプルホールドし、A/D変換してディジタル形
の電気量データに変換するアナログディジタル変換部
(アナログフィルタ、サンプリングホールド回路、マル
チプレクサおよびA/D変換器)2と、ディジタル演算
処理部3と、入出力インタフェース(I/O)4と、バ
ス5と、イーサネットLAN61とディジタル演算処理
部3との間のデータ入出力に関するインタフェース処理
を行なうためにイーサネットLAN61のトランシーバ
60とバス5に接続された通信インタフェース62とを
備えている。
【0082】ディジタル演算部3は、上記電気量データ
に基づく保護制御演算処理、上述した常時監視処理、お
よび常時監視制御処理を含む保護制御装置全般の処理を
実行するCPU65、電気量データやCPU65の処理
時のデータを一時的に保存するためのRAM66、上記
常時監視処理や常時監視制御処理等のCPU65の処理
手順(プログラムモジュール)を保存するためのROM
67、および整定値を記憶するEEPROM13のハー
ドウエアから構成されている。
【0083】なお、ディジタル形保護制御装置51Aを
構成する各ハードウエアブロック(アナログ・ディジタ
ル変換部2、ディジタル演算処理部3、入出力インタフ
ェース4および通信インタフェース62)に対しては、
図示しない電源から電力が供給されており、常時通電状
態になっている。
【0084】また、ディジタル形保護制御装置51Bの
ハードウエア構成は、取得する電気量がS2で表される
以外は、ディジタル形保護制御装置51Aのハードウエ
ア構成と同等であるため、その説明を省略する。
【0085】また、列車運行情報供給手段52は、例え
ば各列車運行会社の列車運行情報を提供するためのシス
テム等から提供された列車の運行場所および運行時間等
を含む列車運行情報を保持するワークステーション52
Aから構成されている。
【0086】このワークステーション52Aは、高速高
性能MPU、高解像度モニタ(ディスプレイ)、大記憶
容量メモリ等を備えており、トランシーバ60を介して
電気所P2 内に構築されたイーサネットLAN61に接
続されており、このイーサネットLAN61を経由して
電気所P2 内の他の装置(例えばパーソナルコンピュー
タ等)に対してデータ送受信可能に相互接続されてい
る。
【0087】また、変電所Ts3 内のローカルな範囲を
接続するイーサネットLAN61は、トランシーバ60
およびルータ70を介して通信ネットワーク53を構成
する回線変換網等(例えば電話回線)の広域ネットワー
ク71に接続されており、この広域ネットワーク71に
は、変電所Ts4 のイーサネットLAN61および電気
所P2 のイーサネットLAN61がそれぞれトランシー
バ60およびルータ70を介して接続されている。
【0088】ワークステーション52Aは、各列車運行
会社等から提供された列車運行情報を例えば各列車運行
場所毎および列車運行時間毎にデータベース化して上記
大容量メモリ内に保持し(図中データベース72として
示す)、あるディジタル形保護制御装置(例えばディジ
タル形保護制御装置51A)から広域ネットワーク71
やイーサネットLAN61等を介して送信されてきた列
車運行情報要求に応じて、そのディジタル形保護制御装
置51Aの保護区間に対応する地区の列車運行情報をデ
ータベース72から取り出して広域ネットワーク71や
イーサネットLAN61等を経由して要求元のディジタ
ル形保護制御装置51Aへ送信する機能を有している。
【0089】なお、図5における監視手段55、監視制
御手段56および列車運行情報受信手段58は、主にC
PU65、RAM66およびROM67により具体化さ
れる。また、通信手段57は主にCPU65、RAM6
6、ROM67、通信インタフェース62、トランシー
バ60、イーサネットLAN61およびルータ70によ
り具体化される。
【0090】このように構成された系統保護制御システ
ム50によれば、例えばディジタル形保護制御装置51
AのCPU65は、メインの保護制御演算処理実行を開
始すると同時に常時監視モジュールを起動して図6に示
したハードウエア構成の各ブロック(アナログ・ディジ
タル変換部2やRAM66、ROM67等、図6に示し
た各ハードウエアブロック)の常時監視を開始する(図
7;ステップS20)。次いでCPU65は、例えば自
ディジタル形保護制御装置51Aおよびその保護区間等
をデータとして含む列車運行情報要求を通信インタフェ
ース62へ送信する。通信インタフェース62へ送信さ
れた列車運行情報要求は、イーサネットLAN61等を
介して広域ネットワーク71へ送信される(ステップS
21)。
【0091】このとき、ワークステーション52Aは、
広域ネットワーク71からイーサネットLAN61等を
介して列車運行情報要求が送信されてきたか否か常時判
断しており(図8;ステップS30)、上記列車運行情
報要求がディジタル形保護制御装置51Aから広域ネッ
トワーク71およびイーサネットLAN61等を介して
ワークステーション52Aへ送信されてくると、上記ス
テップS30の判断の結果はYESとなり、ワークステ
ーション52Aは、その送信されてきた列車運行情報要
求を受信する(ステップS31)。
【0092】続いてワークステーション52Aは、送信
されてきた列車運行情報要求から送信元のディジタル形
保護制御装置51Aおよびその保護区間を認識し、各列
車運行場所毎および列車運行時間毎に分類された列車運
行情報データベース72から、ディジタル形保護制御装
置51Aの保護区間に影響を与える場所で運行される列
車およびその運行時間を含む列車運行情報を取り出し
(ステップS32)、取り出した列車運行情報をイーサ
ネットLAN61等を介して広域ネットワーク71へ送
信して(ステップS33)、処理を終了する。
【0093】一方、ディジタル形保護制御装置51Aの
CPU65は、ワークステーション52Aから広域ネッ
トワーク71およびイーサネットLAN61等を経由し
て送信されてきた列車運行情報を通信インタフェース6
2を介して受信してRAM66に保持する(ステップS
22)。
【0094】そしてCPU65は、RAM66に保持さ
れた列車運行情報に基づいて、自ディジタル形保護制御
装置51Aの保護区間に対して影響を与える場所を列車
が走行中か否かを判断しており(ステップS23)、例
えばこのステップS23の判断の結果YES、すなわ
ち、上記保護区間に対して影響を与える場所を列車が走
行していると判断された場合には、CPU65は、常時
監視処理をロックして常時監視処理を一時中止し(ステ
ップS24)、上記ステップS23の判断処理に戻って
上述した処理を繰り返す。
【0095】一方、ステップS23の判断の結果NO、
すなわち、自ディジタル形保護制御装置51Aの保護区
間に対して影響を与える場所を列車が走行していないと
判断された場合には、CPU65は、常時監視処理を継
続して実行し(ステップS25)、この常時監視処理実
行中に各ブロックの少なくとも1つから不良が検出され
た場合には(ステップS26、およびこの判断の結果Y
ES)、列車の運行に関係なく不良ブロックが発見され
たと判断して警報を出力して処理を終了する(ステップ
S27)。
【0096】一方、ステップS26の判断の結果、各ブ
ロックの何れからも不良が検出されない場合(上記ステ
ップS26の判断の結果NO)には、CPU65は、上
記ステップS23の判断処理に戻って上述した処理を繰
り返し実行する。
【0097】ここで、例えばアナログ・ディジタル変換
部2に対する常時監視中におけるCPU65のステップ
S23〜ステップS27の処理やワークステーション5
2AのステップS30〜33の処理をハードワイヤード
ロジック的に表すと、図9に示すアナログ入力監視部7
5、列車走行検出部76、アンド回路77および警報出
力部78で構成される。
【0098】アナログ入力監視部75は、ディジタル形
保護制御装置51Aのアナログ・ディジタル変換部2に
入力されてディジタル変換されるまでの電気量S1を取
り込んで3相平衡監視・零相監視を実行しており、この
3相平衡監視・零相監視中に電気量が不平衡になったと
き不良検出フラグとして“1”をアンド回路77に出力
し、平常状態のときはフラグ“0”をアンド回路77に
出力する。
【0099】一方、列車走行検出部76は、対応する保
護区間に対して影響を与える場所での列車の走行を検出
した際に走行検出フラグ“1”をアンド回路77に出力
し、走行していない場合にはフラグ“0”を出力する。
【0100】アンド回路77は、アナログ入力監視部7
5から出力されたフラグと列車走行検出部76から出力
されたフラグの反転値との間で論理積(アンド演算)を
実行し、その結果(フラグ“1”or“0”)を警報出
力部78に送信する。警報出力部78は、アンド回路7
7からフラグ“1”が出力された場合にのみ警報を出力
する。
【0101】すなわち、列車がディジタル形保護制御装
置51Aの保護区間に対して影響を与える場所を走行し
ており列車走行検出部76から走行検出フラグ“1”が
検出されているときは、その反転値であるフラグ“0”
がアンド回路77に入力されるため、たとえアナログ入
力監視部75から不平衡を表すフラグ“1”が送られて
も、この不平衡状態は列車走行によるものと認識されて
アンド回路77からの出力は常にフラグ“0”となり、
不良検出に基づく警報出力は行なわれない。したがっ
て、列車の運行に起因して正常なアナログ・ディジタル
変換部2で不平衡状態が検出されても、上記警報が出力
されないためディジタル形保護制御装置51Aの保護制
御動作を継続して行なうことができる。
【0102】また、列車が上記保護区間に対して影響を
与える場所を走行していない場合は、列車走行検出部7
6からフラグ“0”が検出されその反転値であるフラグ
“1”がアンド回路77に入力されるため、アナログ入
力監視部75から不平衡を表すフラグ“1”が送られた
場合にのみアンド回路77からの出力はフラグ“1”と
なり、警報出力部78から不良検出に基づく警報出力が
行なわれる。したがって、列車の運行が無く、かつアナ
ログ・ディジタル変換部2で不平衡状態が検出された場
合、すなわち、列車の運行に関係なく実際にアナログ・
ディジタル変換部2に故障が発生して不平衡状態になっ
た場合にのみ上記警報を出力することができる。
【0103】以上述べたように、本実施形態によれば、
監視処理を実行するディジタル形保護制御装置の保護区
間に対して影響を与える場所を列車が走行しても、常時
監視処理をロックすることにより列車運行に基づく不平
衡状態検出に係わらず保護制御動作を継続して行なうこ
とができるため、上記列車走行に起因した常時監視によ
る誤った不良検出を防止してディジタル形保護制御装置
の稼働性および信頼性を向上させることができる。
【0104】なお、本実施形態では、各列車運行会社の
列車運行情報を提供するためのシステム等から提供され
た列車運行情報をワークステーション内にデータベース
化し、このデータベース化された列車運行情報をワーク
ステーションが取り出して列車運行情報要求送信元のデ
ィジタル形保護制御装置へ供給したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、各列車運行会社の列車運行情
報を提供するためのシステム等を広域ネットワークに接
続しておき、そのシステムから提供された列車運行情報
を広域ネットワークを介して、直接列車運行情報要求送
信元のディジタル形保護制御装置に送信するように構成
してもよい。このとき、列車運行情報要求送信元のディ
ジタル形保護制御装置は、送信されてきた列車運行情報
から保護区間に影響を与える場所で運行される列車およ
びその運行時間を含む列車運行情報を取り出し、この列
車運行情報に基づいて対応する保護区間に対して影響を
与える場所を列車が走行中か否かを判断して常時監視処
理を継続して実行するか一時中断するか否かを決定する
ことにより、上述した実施形態と同等の効果であるディ
ジタル形保護制御装置の稼働性および信頼性の向上を実
現することができる。
【0105】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態に係る系統保護制御システムを図10〜図12に
従って説明する。
【0106】図10は、本実施形態における系統保護制
御システムの機能ブロックを示す図である。
【0107】図10によれば、系統保護制御システム8
0は、複数の変電所(例えば2つの変電所Ts5 、Ts
6 )と、例えば有人の電気所P3 とを備えている。
【0108】各変電所Ts5 、Ts6 は、保護制御対象
となる電力系統21の保護制御を行なうためのディジタ
ル形保護制御装置81A、81Bを備えており、有人の
電気所P3 は、第2実施形態と同様に、各変電所Ts5
、Ts6 の各ディジタル形保護制御装置81A、81
Bに対して上記電力系統21に影響を与える列車運行情
報を供給する列車運行情報供給手段52を備えている。
【0109】各変電所Ts5 、Ts6 (ディジタル形保
護制御装置81A、81B)と電気所P3 (列車運行情
報供給手段52)とは、通信ネットワーク83を介して
データ送受信可能に相互接続されて上記系統保護制御シ
ステム80を構成している。
【0110】また、通信ネットワーク83には、ディジ
タル形保護制御装置81A、81Bの動作・運用状態に
関する詳細情報、電気量データおよびディジタル形保護
制御装置81A、81Bで実行された自動監視(常時監
視、自動点検)の結果等を表示する機能を有するパーソ
ナルコンピュータ等を備えた表示操作装置84が接続さ
れている。
【0111】ディジタル形保護制御装置81A、81B
は、電力系統21の設備機器(例えば電気量変換機器)
の電流や電圧等のアナログ状態量(電気量)S1、S2
をそれぞれ取り込み、その電気量S1、S2に基づいて
逆相リレー方式の保護制御演算処理(逆相保護リレー演
算処理)を行なって電力系統21における所定の保護区
間に設置された遮断器等の保護制御機器への引外し指令
(トリップ指令)や復帰指令等の保護制御動作指令C
1、C2をそれぞれ出力する、例えば前掲図27に示し
た原理および処理動作特性を実現する逆相保護リレー演
算手段85と、この逆相保護リレー演算手段85の逆相
保護リレー演算処理を開始する際に上述した列車運行情
報要求を出力する処理を含む逆相保護リレー演算手段8
5の逆相保護リレー演算処理動作に関する制御を行なう
逆相リレー制御手段86と、この逆相リレー制御手段8
6から出力された列車運行情報要求を所定の通信フォー
マットで通信ネットワーク83を経由して列車運行情報
供給手段82に送信する処理や、列車運行情報供給手段
82から通信ネットワーク83を介して送信されてきた
所定のフォーマットの上記列車運行情報要求に対応する
列車運行情報を受信する通信手段87と、この通信手段
87により受信された列車運行情報を受信処理して逆相
リレー制御手段86に送る列車運行情報受信手段88と
をそれぞれ備え、逆相リレー制御手段86は、送られた
列車運行情報に基づいて逆相保護リレー演算手段85が
逆相保護リレー演算処理動作を行なうか否かを制御する
ように構成されている。
【0112】図11は、本実施形態の変電所Ts5 のデ
ィジタル形保護制御装置81Aのディジタル演算処理部
3のハードウエア構成を示す図である。なお、ディジタ
ル形保護制御装置81Aの他のハードウエア構成要素
は、第2実施形態の図6に示したディジタル形保護制御
装置51Aのハードウエアの各構成要素と略同等である
ため、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0113】図11に示すディジタル形保護制御装置8
1Aのディジタル演算部3は、上記電気量データを用い
た逆相保護リレー演算処理および上述した逆相リレー制
御処理を含む保護制御装置全般の処理を実行するCPU
90、電気量データやCPU90の処理時のデータを一
時的に保存するためのRAM91、上記逆相保護リレー
演算処理や逆相リレー制御処理等のCPU90の処理手
順(プログラムモジュール)を保存するためのROM9
2、および上記逆相保護リレー演算処理に必要な整定値
を記憶するEEPROM93のハードウエアから構成さ
れている。
【0114】なお、その他のハードウエア構成について
は、第2実施形態における図6に示したハードウエア構
成と略同等であるためその説明を省略する。
【0115】また、図1における逆相保護リレー演算手
段85、逆相リレー制御手段86および列車運行情報受
信手段88は、主にCPU90、RAM91、ROM9
2、およびEEPROM93により具体化される。ま
た、通信手段87は主にCPU90、RAM91、RO
M92、通信インタフェース62、トランシーバ60、
イーサネットLAN61およびルータ70により具体化
される。
【0116】このように構成された系統保護制御システ
ム80によれば、例えばディジタル形保護制御装置81
AのCPU90は、逆相保護リレー演算処理モジュール
を起動して、電力系統21の電気量変換機器の電気量S
1に基づいてアナログ・ディジタル変換部2を介してサ
ンプリングされたディジタル形の電気量データを受信処
理して逆相保護リレー演算処理を開始する(図12;ス
テップS40)。
【0117】次いでCPU90は、例えば自ディジタル
形保護制御装置81Aおよびその保護区間等をデータと
して含む列車運行情報要求を送信し、この列車運行情報
要求は、通信インタフェース62やイーサネットLAN
61等を介して通信ネットワークを構成する広域ネット
ワーク83へ送信される(ステップS41)。
【0118】このとき、ワークステーション52Aは、
広域ネットワーク83からイーサネットLAN61等を
介して列車運行情報要求が送信されてきたか否か常時判
断しており(前掲図8;ステップS30参照)、上記列
車運行情報要求がディジタル形保護制御装置81Aから
広域ネットワーク83等を介してワークステーション5
2Aへ送信されてくると、上記ステップS30の判断の
結果はYESとなり、ワークステーション52Aは、そ
の送信されてきた列車運行情報要求を受信する(前掲図
8;ステップS31参照)。
【0119】続いてワークステーション52Aは、送信
されてきた列車運行情報要求から自送信元であるディジ
タル形保護制御装置81Aおよびその保護区間を認識
し、各列車運行場所毎および列車運行時間毎に分類され
た列車運行情報データベース72から、ディジタル形保
護制御装置81Aの保護区間に影響を与える場所で運行
される列車およびその運行時間を含む列車運行情報を取
り出し(前掲図8;ステップS31参照)、取り出した
列車運行情報をイーサネットLAN61等を介して広域
ネットワーク83へ送信して(前掲図8;ステップS3
3参照)、処理を終了する。
【0120】一方ディジタル形保護制御装置81AのC
PU90は、ワークステーション52Aから広域ネット
ワーク83等を介して送信されてきた列車運行情報を通
信インタフェース62を介して受信してRAM91に保
持する(ステップS42)。
【0121】続いてCPU90は、RAM91に保持さ
れた列車運行情報に基づいて上記自ディジタル形保護制
御装置81Aの保護区間に対して影響を与える場所を列
車が走行中か否かを判断しており(ステップS43)、
例えばこのステップS43の判断の結果YES、すなわ
ち、上記保護区間に対して影響を与える場所を列車が走
行していると判断された場合には、CPU90は、逆相
保護リレー演算処理をロックして逆相保護リレー演算処
理(および保護制御動作指令出力処理)を一時中止し
(ステップS44)、上記ステップS43の判断処理に
戻って上述した処理を繰り返す。一方、ステップS43
の判断の結果NO、すなわち、自ディジタル形保護制御
装置81Aの保護区間に対して影響を与える場所を列車
が走行していないと判断された場合には、CPU90
は、逆相保護リレー演算処理を継続して実行し(ステッ
プS45)、この逆相保護リレー演算処理結果(例えば
振幅値演算処理や整定値に基づく動作判定処理等の結
果)、上記保護区間内の電力系統21に系統故障が発生
したと判断された場合には(ステップS46、およびこ
の判断の結果YES)、列車の運行に関係なく実際に電
力系統21に系統故障が発生したと判断して電力系統2
1における所定の保護区間に設置された遮断器等の保護
制御機器へ引外し指令等の保護制御動作指令C1を出力
して処理を終了する(ステップS47)。
【0122】一方、ステップS46の判断の結果、電力
系統21に系統故障が発生していない(すなわち、電力
系統21が正常)と判断された場合(上記ステップS2
6の判断の結果NO)には、CPU90は、上記ステッ
プS43の判断処理に戻って上述した処理を繰り返し実
行する。
【0123】ここで、上述した逆相保護リレー演算処理
中におけるCPU90のステップS43〜ステップS4
7の処理やワークステーション52AのステップS30
〜33の処理をハードワイヤードロジック的に表すと、
図13に示す逆相保護リレー演算部95、列車走行検出
部96およびアンド回路97で構成される。
【0124】逆相保護リレー演算部95は、ディジタル
形保護制御装置81Aのアナログ・ディジタル変換部2
を介してサンプリングされた電気量データを取り込んで
逆相保護リレー演算処理を実行しており、この逆相保護
リレー演算処理中に電気量が不平衡になったとき故障検
出フラグとして“1”をアンド回路97に出力し、正常
状態のときはフラグ“0”をアンド回路97に出力す
る。
【0125】一方、列車走行検出部96は、対応する保
護区間に対して影響を与える場所での列車の走行を検出
した際に走行検出フラグ“1”をアンド回路97に出力
し、走行していない場合にはフラグ“0”を出力する。
【0126】アンド回路97は、逆相保護リレー演算部
95から出力されたフラグと列車走行検出部96から出
力されたフラグの反転値との間で論理積を実行し、その
論理積の結果がフラグ“1”となった場合にのみ保護制
御動作指令C1として上記フラグ“1”を出力する。
【0127】すなわち、列車がディジタル形保護制御装
置81Aの保護区間に対して影響を与える場所を走行し
ており列車走行検出部96から走行検出フラグ“1”が
検出されているときは、その反転値であるフラグ“0”
がアンド回路97に入力されるため、たとえ逆相保護リ
レー演算部95から不平衡に起因した故障を表すフラグ
“1”が送られても、上記故障検出の原因となる不平衡
状態は列車走行によるものと認識されてアンド回路97
の論理積の結果は常にフラグ“0”となり、故障検出に
基づく保護制御動作指令C1は出力されない。したがっ
て、列車の運行に起因して、正常な電力系統21から取
り込まれた不平衡状態の電気量S1に起因して逆相保護
リレー演算部95により故障が検出されても、上記保護
制御動作指令C1が出力されないため、正常な電力系統
21の正常部位を誤遮断する危険性を解消することがで
きる。
【0128】また、列車が上記保護区間に対して影響を
与える場所を走行していない場合は、列車走行検出部9
6からフラグ“0”が検出されその反転値であるフラグ
“1”がアンド回路97に入力されるため、逆相保護リ
レー演算部95から故障を表すフラグ“1”が送られた
場合にのみアンド回路97の論理積の結果がフラグ
“1”となり、故障検出に基づく保護制御動作指令C1
が遮断器等の保護制御機器に出力される。したがって、
列車の運行が無く、かつ逆相保護リレー演算部95で故
障が検出された場合、すなわち、列車の運行に関係なく
実際に電力系統21の所定部位において故障が発生した
場合にのみ上記保護制御動作指令C1を出力することが
できる。
【0129】以上述べたように、本実施形態によれば、
逆相保護リレー演算処理を実行するディジタル形保護制
御装置の保護区間に対して影響を与える場所を列車が走
行しても、逆相保護リレー演算処理をロックして列車運
行に基づく不平衡状態発生に起因した故障検出に係わら
ず遮断器等の保護制御機器に対して保護制御動作指令を
送信することがないため、上記列車走行に起因した電力
系統の正常動作部位の誤遮断を完全に防止することがで
き、逆相リレー方式のディジタル形保護制御装置の稼働
性および信頼性を向上させることができる。
【0130】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態に係る系統保護制御システムを図14〜図17に
従って説明する。
【0131】図14は、本実施形態における系統保護制
御システムの機能ブロックを示す図である。
【0132】図14によれば、系統保護制御システム1
00は、複数の変電所(例えば2つの変電所Ts7 、T
s8 )と、例えば有人の電気所P4 とを備えている。
【0133】各変電所Ts7 、Ts8 は、保護制御対象
となる電力系統21の設備機器(例えば電気量変換機
器)の電流や電圧等のアナログ状態量(電気量)S1、
S2をそれぞれ取り込み、その電気量S1、S2に基づ
いて保護制御演算処理を行なって電力系統21における
所定の保護区間に設置された遮断器等の保護制御機器へ
の引外し指令(トリップ指令)や復帰指令等の保護制御
動作指令C1、C2をそれぞれ出力する複数のディジタ
ル形保護制御装置103A、103Bを備えており、有
人の電気所P4 は、第1実施形態と同様に、各変電所T
s7 、Ts8 の各ディジタル形保護制御装置103A、
103Bに対して、それら各ディジタル形保護制御装置
103A、103Bに対応する保護区間の気象情報を供
給する気象情報供給手段24とを備えている。
【0134】各変電所Ts7 、Ts8 (ディジタル形保
護制御装置103A、103B)と電気所P4 (気象情
報供給手段24)とは、通信ネットワーク105を介し
てデータ送受信可能に相互接続されて上記系統保護制御
システム20を構成している。また、通信ネットワーク
105には、ディジタル形保護制御装置103A、10
3Bの動作・運用状態に関する詳細情報、電気量データ
およびディジタル形保護制御装置103A、103Bで
実行された自動監視(常時監視、自動点検)の結果等を
表示する機能を有するワークステーションやパーソナル
コンピュータ等等を備えた表示操作装置106が接続さ
れている。
【0135】ディジタル形保護制御装置103A、10
3Bは、一定周期で上記気象情報を要求する指令(気象
情報要求)を出力する処理や後述する電源のディジタル
形保護制御装置103A、103Bに対する供給を制御
する処理等を行なう電源制御手段110と、第1実施形
態と同様の通信ネットワーク25とディジタル形保護制
御装置103A、103Bとの間の気象情報要求送信お
よび気象情報受信に関するインタフェース処理を行なう
通信手段111と、この通信手段111により受信され
た気象情報を受信処理して電源制御手段110に送る気
象情報受信手段112とをそれぞれ備え、電源制御手段
110は、送られた気象情報に基づいてディジタル形保
護制御装置103A、103Bの通電状態を制御するよ
うに構成されている。
【0136】図15は、本実施形態の変電所Ts7 のデ
ィジタル形保護制御装置103Aの各機能ブロックおよ
び電気所P4 の気象情報供給手段24の処理を具体的に
実現するためのハードウエア構成を示す図である。な
お、ディジタル形保護制御装置103Aのハードウエア
構成において、第1実施形態の図2に示したディジタル
形保護制御装置23Aのハードウエアの各構成要素と略
同等の構成要素については、同一の符号を付してその説
明を省略または簡略化する。
【0137】図15に示すディジタル形保護制御装置1
03Aは、前掲図2に示したディジタル形保護制御装置
23Aと同様に、アナログ・ディジタル変換部2と、デ
ィジタル演算処理部3と、入出力インタフェース(I/
O)4と、バス5と、イーサネットLAN36と、通信
インタフェース40とを備えており、この通信インタフ
ェース40を介した通信ネットワーク105を構成する
回線交換網等の広域ネットワーク115に対する接続関
係も第1実施形態と同様である。
【0138】ディジタル演算部3は、上記電気量データ
に基づく保護制御演算処理を含む保護制御装置全般の処
理(電源制御処理を除く)を実行するCPU116、電
気量データやCPU116の処理時のデータを一時的に
保存するためのRAM117、上記保護制御演算処理等
のCPU116の処理手順(プログラムモジュール)を
保存するためのROM118、および整定値を記憶する
EEPROM13のハードウエアから構成されている。
【0139】また、ディジタル形保護制御装置103A
には、ディジタル形保護制御装置103Aを構成する各
ハードウエアブロック(アナログ・ディジタル変換部
2、ディジタル演算処理部3、入出力インタフェース4
および通信インタフェース40)に対して電源120か
ら送られた駆動電力を供給(スイッチON)するか、あ
るいは遮断(スイッチOFF)するかを設定するスイッ
チ部121と、上記バス5に対してディジタル演算処理
部3や通信インタフェース40等の各ハードウエア構成
要素とデータ送受信可能に接続されており、上記気象情
報要求送信処理、気象情報受信処理およびスイッチ部1
21のスイッチ動作の切換制御処理を含む電源制御処理
を実行する電源制御演算処理部122とが設けられてお
り、この電源制御演算処理部122は、ディジタル形保
護制御装置103Aが通電状態においては、電源120
から供給される駆動電力で駆動してその駆動電力を蓄え
ておき、電源120からの駆動電力が遮断されたときに
おいては、その蓄積された電力に基づいて上記電源制御
処理を実行するように構成されている。
【0140】電源制御演算処理部122は、図16に示
すように、上記気象情報要求送信処理、気象情報受信処
理および切換制御処理を含む電源制御処理を実行するC
PU125と、気象情報やCPU125の処理時のデー
タを一時的に保存するためのRAM126と、上記電源
制御処理等のCPU125の処理手順(プログラムモジ
ュール)を保存するためのROM127と、電源制御演
算処理部122からスイッチ部121に対する出力イン
タフェース処理を行なう出力インタフェース128と、
上述した駆動電力蓄積処理や電源遮断時におけるCPU
125、RAM126、ROM127、出力インタフェ
ース128および通信インタフェース40の通電を行な
う蓄積部129とを備えている。なお、CPU125、
RAM126、ROM127および出力インタフェース
128は互いにデータ送受信可能にバス130で接続さ
れている。
【0141】そして、本実施形態では、通常時におい
て、スイッチ部121のスイッチはOFF状態、すなわ
ち、ディジタル形保護制御装置103Aには電力が供給
されておらず、電源制御演算処理部122および通信イ
ンタフェース40以外の構成要素は駆動停止状態(OF
F状態)となっている。
【0142】一方、ディジタル形保護制御装置103B
のハードウエア構成は、取得する電気量がS2で表され
る以外は、ディジタル形保護制御装置103Aのハード
ウエア構成と同等であるため、その説明を省略する。な
お、このディジタル形保護制御装置103Bもディジタ
ル形保護制御装置103Aと同様の駆動停止状態となっ
ている。また、気象情報要求手段24は、第1実施形態
(図2に示したハードウエア構成と略同等であるため、
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0143】なお、図14における電源制御手段110
および気象情報受信手段112は、主にスイッチ部12
1、電源制御演算処理部122(CPU125、RAM
126、ROM127および出力インタフェース12
8)の処理により具体化され、また、通信手段111は
主に電源制御演算処理部122(CPU125、RAM
126、ROM127)、通信インタフェース40、ト
ランシーバ35、イーサネットLAN36およびルータ
45により具体化される。
【0144】このように構成された系統保護制御システ
ム100によれば、例えばディジタル形保護制御装置1
03Aの電源制御演算処理部122のCPU125は、
一定周期で電源制御モジュールを起動し(図17;ステ
ップS50)、例えば自ディジタル形保護制御装置10
3Aおよびその保護区間等をデータとして含む気象情報
要求を送信し、この気象情報要求は、通信インタフェー
ス40やイーサネットLAN36等を介して上記通信ネ
ットワーク105に対応する広域ネットワーク115へ
送信される(ステップS51)。
【0145】このとき、ワークステーション24Aは、
前掲図4のステップS10に示した気象情報要求の送信
の有無の判断処理を行ない、気象情報要求がディジタル
形保護制御装置103Aから広域ネットワーク115等
を経由して送信されてくると、ワークステーション24
Aは、その送信されてきた気象情報要求を受信し(前掲
図4;ステップS11)、送信元のディジタル形保護制
御装置103Aおよびその保護区間を認識し、気象情報
データベース47から、ディジタル形保護制御装置10
3Aの保護区間に影響を与える地区の気象情報を取り出
す(前掲図4;ステップS12)。そして、取り出した
気象情報をイーサネットLAN36等を介して広域ネッ
トワーク115へ送信する(前掲図4;ステップS1
3)。
【0146】一方、ディジタル形保護制御装置103A
の電源制御演算処理部122のCPU125は、ワーク
ステーション24Aから広域ネットワーク115等を介
して送信されてきた気象情報を通信インタフェース40
を介して受信してRAM117に保持する(ステップS
52)。
【0147】次いでCPU125は、RAM117に保
持された気象情報中に、自ディジタル形保護制御装置1
03Aの保護区間に対して雷雨が降る情報等の影響気象
情報が含まれているか否かを判断している(ステップS
53)。
【0148】このとき、ステップS53の判断の結果N
O、すなわち、気象情報中に影響気象情報が含まれてい
ないと判断された場合には、CPU125は、自ディジ
タル形保護制御装置103Aの保護区間の電力系統21
に対して系統事故の生じる確率が非常に低いと判断し
て、スイッチ部121を非制御、すなわちスイッチ部1
21のスイッチOFF状態をそのまま維持して(ステッ
プS54)、ステップS51の処理に戻りステップS5
1以降の処理を行なう。
【0149】一方、ステップS53の判断の結果YE
S、すなわち、気象情報中に影響気象情報が含まれてい
ると判断された場合には、CPU125は、自ディジタ
ル形保護制御装置103Aの保護区間の電力系統21に
対して系統事故の生じる確率が高いと判断して、スイッ
チ部121にスイッチON動作させる指令CONを送信す
る(ステップS55)。
【0150】このとき、スイッチ部121は、送信され
たスイッチON指令CONに応じてスイッチON動作を行
ない、この結果、ディジタル形保護制御装置103Aの
各構成要素(アナログ・ディジタル変換部2、ディジタ
ル演算処理部3、入出力インタフェース4、通信インタ
フェース40および電源制御演算処理部122)に電源
120からスイッチ部121を介して駆動電力が供給さ
れ、保護制御動作処理が実行される。
【0151】一方、スイッチON指令CONを送信した
後、電源制御演算処理部122のCPU125は、上述
したステップS51の処理に戻ってステップS51およ
びステップS52に示した気象情報要求・受信処理を実
行し(ステップS56)、続いて気象情報中に影響気象
情報が含まれているか否かの判断処理を行なう(ステッ
プS57)。
【0152】このとき、気象情報中に影響気象情報が含
まれている場合は、ステップS56の処理に戻ってステ
ップS56以降の処理を実行する。
【0153】一方、送信された気象情報の内容が変わ
り、ステップS57における判断処理において気象情報
中に影響気象情報が含まれていないと判断された場合に
は、CPU125は、上記保護区間の電力系統21に対
して系統事故の生じる確率が非常に低いと判断して、ス
イッチ部121にスイッチOFF動作させる指令COFF
を送信して(ステップS58)、再度ステップS51の
処理に戻ってステップS51以降の処理を実行する。
【0154】この結果、ディジタル形保護制御装置10
3Aは、気象情報供給手段24から送信された気象情報
中に上記保保護区間の電力系統21に影響を与える影響
気象情報が含まれている場合にのみ供給される駆動電力
に基づいて駆動して、電力系統21の電気量変換機器か
ら電気量S1をサンプリングして保護制御演算処理を実
行することにより、電力系統21の保護区間に対する保
護制御を行なう。
【0155】すなわち、本実施形態によれば、気象情報
に基づいて、対応する保護区間の電力系統に対して系統
事故が発生する確率が高い場合(例えば気象情報に上記
保護区間に雷雨が降るという影響気象情報が含まれてい
る場合)にのみディジタル形保護制御装置を通電状態に
設定し、それ以外の通常時、すなわち、気象情報に影響
気象情報が含まれておらず電力系統に対して系統事故が
発生する確率が非常に低い時には電源遮断状態に設定す
ることができるため、ディジタル形保護制御装置の消費
電力を削減して系統保護制御システム全体の消費電力の
総量を大幅に低減することができ、系統保護制御システ
ムの経済性を向上させることができる。また、ディジタ
ル形保護制御装置を通常時は非通電状態にしておくこと
ができるため、通電に基づく内部の発熱量を必要最小限
に抑制してディジタル形保護制御装置の耐用年数、延い
ては系統保護制御システム全体の耐用年数を向上させる
ことができる。
【0156】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態に係る系統保護制御システムを図18〜図22に
従って説明する。
【0157】図18は、本実施形態における系統保護制
御システムの機能ブロックを示す図である。
【0158】図18によれば、系統保護制御システム1
40は、複数の変電所(例えば3つの変電所Ts10〜T
s12)と、例えば有人の電気所P5 とを備えている。
【0159】各変電所Ts10〜Ts12は、保護制御対象
となる電力系統21の設備機器(例えば電気量変換機
器)の電流や電圧等のアナログ状態量(電気量)S1〜
S3をそれぞれ取り込み、その電気量S1〜S3に基づ
いて保護制御演算処理を行なって電力系統21における
所定の保護区間に設置された遮断器等の保護制御機器へ
の引外し指令(トリップ指令)や復帰指令等の保護制御
動作指令C1〜C3をそれぞれ出力する複数のディジタ
ル形保護制御装置143A〜143Cを備えており、有
人の電気所P5 は、第1および第4実施形態と同様に、
各変電所Ts10〜Ts12の各ディジタル形保護制御装置
143A〜143Cに対して、それら各ディジタル形保
護制御装置143A〜143Cに対応する保護区間の気
象情報を供給する気象情報供給手段24とを備えてい
る。
【0160】各変電所Ts10〜Ts13(ディジタル形保
護制御装置143A〜143C)と電気所P5 (気象情
報供給手段24)とは、通信ネットワーク145を介し
てデータ送受信可能に相互接続されて上記系統保護制御
システム140を構成している。
【0161】そして、本実施形態の通信ネットワーク1
45には、ディジタル形保護制御装置143A〜143
Cにおける少なくとも1つのディジタル形保護制御装置
の動作・運用状態に関する詳細情報、電気量データおよ
びディジタル形保護制御装置143A〜143Cで実行
された自動監視(常時監視、自動点検)の結果等を表示
する機能を有するワークステーションやパーソナルコン
ピュータ等を備えた表示操作装置146A〜146Cが
接続されている。
【0162】本実施形態では、表示操作装置146A
は、ディジタル形保護制御装置143Aに関する表示処
理を行なうように定められており、同様に表示操作装置
146B、表示操作装置143Cは、それぞれディジタ
ル形保護制御装置143B、ディジタル形保護制御装置
143Cの表示処理を行なうように定められている。
【0163】ディジタル形保護制御装置143A〜14
3Cは、上記気象情報を要求する指令(気象情報要求)
を常時出力する処理や上記通信ネットワーク145上の
通信負荷を制御する処理等を行なう通信負荷制御手段1
50と、通信ネットワーク145とディジタル形保護制
御装置143A〜143Cとの間の気象情報要求送信お
よび気象情報受信に関するインタフェース処理を行なう
通信手段151と、この通信手段151により受信され
た気象情報を受信処理して通信負荷制御手段150に送
る気象情報受信手段152とをそれぞれ備え、通信負荷
制御手段150は、送られた気象情報に基づいて通信手
段151の通信ネットワーク145に対するデータ送受
信を制御して通信ネットワーク145上の負荷を調整す
るように構成されている。
【0164】図19は、本実施形態の変電所Ts10のデ
ィジタル形保護制御装置143Aの各機能ブロック、電
気所P5 の気象情報供給手段24の処理および表示操作
装置146Aの処理を具体的に実現するためのハードウ
エア構成を示す図である。なお、ディジタル形保護制御
装置143Aのハードウエア構成において、第1実施形
態の図2に示したディジタル形保護制御装置23Aのハ
ードウエアの各構成要素と略同等の構成要素について
は、同一の符号を付してその説明を省略または簡略化す
る。
【0165】図19に示すディジタル形保護制御装置1
43Aは、前掲図2に示したディジタル形保護制御装置
23Aと同様に、アナログ・ディジタル変換部2と、デ
ィジタル演算処理部3と、入出力インタフェース(I/
O)4と、バス5と、イーサネットLAN36と、通信
インタフェース40とを備えており、この通信インタフ
ェース40を介した通信ネットワーク145を構成する
回線交換網等の広域ネットワーク155に対する接続関
係も第1実施形態と同様である。
【0166】ディジタル演算部3は、上記電気量データ
に基づく保護制御演算処理や上述した気象情報要求出力
処理や通信負荷制御処理を含む保護制御装置全般の処理
を実行するCPU156、電気量データやCPU156
の処理時のデータを一時的に保存するためのRAM15
7、上記気象情報要求指令出力処理、通信負荷制御処
理、および保護制御演算処理等のCPU156の処理手
順(プログラムモジュール)を保存するためのROM1
58、および整定値を記憶するEEPROM13のハー
ドウエアから構成されている。
【0167】一方、ディジタル形保護制御装置143
B、143Cのハードウエア構成は、取得する電気量が
S2、S3で表される以外は、ディジタル形保護制御装
置143Aのハードウエア構成と略同等であるため、そ
の説明を省略する。また、気象情報要求手段24は、第
1実施形態(図2に示したハードウエア構成)と略同等
であるため、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0168】そして、本実施形態における表示操作装置
146Aは、演算処理用CPU、表示用モニタ(ディス
プレイ)、記憶量メモリおよび演算処理用CPUに対す
るデータ入力用操作機器等を備えたパーソナルコンピュ
ータ160と、このパーソナルコンピュータ160と広
域ネットワーク155との間のデータ送受信に関するイ
ンタフェース処理を行なうインタフェース部161とを
備えている。
【0169】パーソナルコンピュータ160は、変電所
Ts1 のディジタル形保護制御装置143Aから広域ネ
ットワーク155およびインタフェース部161を介し
て送られてきた上述した動作・運用状態詳細情報、電気
量データおよび自動監視結果等(以下、総称して動作情
報と呼ぶ)を受信処理し、上記受信処理したデータを例
えばGUIを用いて適当な表示画面を作成してモニタを
介して表示する機能や上記ディジタル形保護制御装置1
43Aとの間のデータ送受信を中止する機能等を備えて
いる。
【0170】なお、表示操作装置146B、146Cの
ハードウエア構成は、通信対象がディジタル形保護制御
装置143B、143Cに変わる点以外は、表示操作装
置146B、146Cのハードウエア構成と略同等であ
るため、その説明を省略する。
【0171】また、図18における通信負荷制御手段1
50および気象情報受信手段152は、主にCPU15
6、RAM157およびROM158の処理により具体
化され、また、通信手段151は主にCPU156、R
AM157、ROM158、通信インタフェース40、
トランシーバ35、イーサネットLAN36およびルー
タ45により具体化される。
【0172】このように構成された系統保護制御システ
ム140の全体動作を以下に説明する。
【0173】今、図20に示すように、ディジタル形保
護制御装置143A〜143Cと表示操作装置146A
〜146Cとの間でデータ通信が行なわれており{図2
0に、上記データ通信の広域ネットワーク155(通信
ネットワーク145)上での通信路をそれぞれ符号RA
〜RC で示す}、ディジタル形保護制御装置143A〜
143Cの動作情報が表示操作装置146A〜146C
のモニタにそれぞれ表示されている。
【0174】このとき、各ディジタル形保護制御装置1
43A〜143C(以下、ディジタル形保護制御装置1
43Aについて説明する)のCPU156は、常時(定
周期で)保護制御演算処理や自動点検処理と並列して通
信負荷制御モジュールを起動し(図21;ステップS6
0)。次いでCPU156は、例えば自ディジタル形保
護制御装置143Aおよびその保護区間等をデータとし
て含む気象情報要求を送信し、この気象情報要求は、通
信インタフェース40やイーサネットLAN36等を介
して広域ネットワーク155へ送信される(ステップS
61)。
【0175】このとき、ワークステーション24Aは、
前掲図4におけるステップS11〜ステップS13の処
理を行なうことにより、送信された気象情報要求に基づ
いて、送信元のディジタル形保護制御装置143Aの保
護区間に影響を与える地区の気象情報を気象情報データ
ベース47から取り出してイーサネットLAN36等を
介して広域ネットワーク155へ送信する。なお、上記
ディジタル形保護制御装置143Aとワークステーショ
ン24A(気象情報供給手段24)との間の気象情報要
求および気象情報送受信処理(通信処理)に係わる広域
ネットワーク155(通信ネットワーク145)上の通
信路を図20上に符号RW で示す。
【0176】一方、ディジタル形保護制御装置143A
のCPU156は、ワークステーション24Aから広域
ネットワーク155等を介して送信されてきた気象情報
を通信インタフェース40を介して受信してRAM15
7に保持する(ステップS62)。
【0177】続いてCPU156は、RAM157に保
持された気象情報中に自ディジタル形保護制御装置14
3Aの保護区間に対して雷雨が降る情報等の影響気象情
報が含まれているか否かを判断している(ステップS6
3)。
【0178】このとき、ステップS63の判断の結果N
O、すなわち、気象情報中に影響気象情報が含まれてい
ないと判断された場合には、CPU156は、自ディジ
タル形保護制御装置143Aの保護区間の電力系統21
に対して系統事故の生じる確率が非常に低いと判断し
て、上記通信負荷制御モジュールを終了する。
【0179】一方、ステップS63の判断の結果YE
S、すなわち、気象情報中に影響気象情報が含まれてい
ると判断された場合には、CPU156は、自ディジタ
ル形保護制御装置143Aの保護区間の電力系統21に
対して系統事故の生じる確率が高いと判断し、続いて自
ディジタル形保護制御装置143A以外の他のディジタ
ル形保護制御装置(他ディジタル形保護制御装置ともい
う)143B、143Cと対応する表示操作装置146
B、146Cとの間でデータ通信が行なわれているか否
かを、例えば広域ネットワーク155上を流れるデータ
をルータ145およびイーサネットLAN36等を介し
て取り込むことにより判断する(ステップS64)。
【0180】このステップS64の判断の結果NO、す
なわち、他のディジタル形保護制御装置143B、14
3Cと表示操作装置146B、146Cとの間でデータ
通信は行なわれていないと判断された場合、CPU15
6は、広域ネットワーク155上の通信負荷は非常に軽
いと判断して上記通信負荷制御モジュールを終了する。
【0181】また、ステップS64の判断の結果YE
S、すなわち、他のディジタル形保護制御装置143
B、143C)と表示操作装置146B、146Cとの
間でデータ通信が行なわれていると判断された場合、C
PU156は、広域ネットワーク155上の通信負荷は
非常に重いと判断し、他のディジタル形保護制御装置1
43B、143Cに対応する通信中の表示操作装置14
6B、146Cに対して通信を中止させる指令(通信中
止指令)を、広域ネットワーク155を介して送信して
(ステップS65)、通信負荷制御モジュールを終了す
る。なお、上記通信中止指令の広域ネットワーク155
(通信ネットワーク145)上での通信路をそれぞれ符
号RSB、RSCで示す)。
【0182】一方、表示操作装置146B、146Cの
パーソナルコンピュータ160は、対応するディジタル
形保護制御装置143B、143Cとの間で通信処理を
実行中に、他のディジタル形保護制御装置(ディジタル
形保護制御装置143Bでは、ディジタル形保護制御装
置143A、143C、ディジタル形保護制御装置14
3Cでは、ディジタル形保護制御装置143A、143
B)から広域ネットワーク155からインタフェース部
161を介して通信中止指令が送信されてきたか否か常
時判断しており(図22;ステップS70)、上記通信
中止指令が、ディジタル形保護制御装置143A(ディ
ジタル形保護制御装置143Bおよびディジタル形保護
制御装置143Cにおける他のディジタル形保護制御装
置)から広域ネットワーク155およびインタフェース
部161を経由してパーソナルコンピュータ160へ送
信されてくると、上記ステップS70の判断の結果はY
ESとなり、パーソナルコンピュータ160は、その送
信されてきた通信中止指令を受信する(ステップS7
1)。
【0183】そして、表示操作装置146B、146C
のパーソナルコンピュータ160は、送信された通信中
止指令に基づいて対応するディジタル形保護制御装置1
43B、143Cとの間のデータ通信を中止して(ステ
ップS72)、処理を終了する。
【0184】この結果、広域ネットワーク155(通信
ネットワーク145)上では、図23に示すように、系
統事故が発生する確率が高いディジタル形保護制御装置
143Aと表示操作装置146Aとの間の通信路RA 以
外の通信路RB 、RC は消滅しているため、通信ネット
ワーク145上の通信負荷は大幅に軽減し、系統事故が
発生する確率が高いディジタル形保護制御装置143A
から通信ネットワーク145を介して送信された系統事
故に係わる重要度の高い動作情報(状変情報)は、他の
ディジタル形保護制御装置143B、143Cおよび表
示操作装置146B、146C間で通信ネットワーク1
45を介して送受信される情報と衝突することなく最短
速度で表示操作装置146Aに伝達される。
【0185】したがって、広域ネットワーク等の通信ネ
ットワークを介して多数のディジタル形保護制御装置お
よび表示操作装置を接続して構成された遠隔運用監視型
系統保護制御システムを構成しても、系統事故の発生し
たディジタル形保護制御装置から系統事故に関する重要
度の高い情報を、伝送遅延を生じさせることなく対応す
る表示操作装置に送信することができ、また、表示操作
装置側から必要な情報を、上記伝送遅延を生じさせるこ
となく系統事故が発生したディジタル形保護制御装置へ
送信することができるため、遠隔運用監視型系統保護制
御システムの各ディジタル形保護制御装置運用に関する
信頼性を向上させることができる。
【0186】なお、本実施形態では、ディジタル形保護
制御装置143Aに対して系統事故が発生した場合につ
いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、ディジタル形保護制御装置143Bの保護区間の電
力系統に対して系統事故が発生した場合(通信路RB 以
外の通信路RA 、RC は消滅)、およびディジタル形保
護制御装置143Cの保護区間の電力系統に対して系統
事故が発生した場合(通信路RC 以外の通信路RA 、R
B は消滅)についても適用可能であり、同一の効果を得
ることができる。
【0187】なお、上述した第1〜第4の実施形態にお
いては、系統保護制御システムは、保護制御対象となる
電力系統の設備機器を2つとし、この2つの設備機器の
状態量を取り込んで上記2つの設備機器に対して保護制
御動作を行なう2つのディジタル形保護制御装置を備え
た例を示し、さらに、第5実施形態においては、3つの
設備機器に対して保護制御動作を行なう3つのディジタ
ル形保護制御装置を備えた例を示したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、電力系統の2つ、あるいは
3つ以上の多数の設備機器から状態量を取り込んで、そ
の多数の設備機器それぞれに対する保護制御動作を行な
う多数のディジタル形保護制御装置を備えた系統保護制
御システムに対しても、本発明を適用することができ
る。
【0188】また、上述した第1〜第5の各実施形態や
その変形例においては、本発明の一例として電力系統か
ら電力量を取り込んでその電力系統における対応する保
護制御区間の保護制御を行なうディジタル形保護制御装
置を用いた系統保護制御システムについて説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、例えば電力系
統から電気量等の状態量を取り込み、その需給系統にお
ける対応する監視制御区間の監視制御を行なう一般のデ
ィジタル形制御装置を備えた系統監視制御システムに対
しても、本発明を適用可能である。
【0189】一方、上述した第1〜第5の各実施形態等
におけるディジタル形保護制御装置や上記変形例におけ
るディジタル形制御装置の保護制御対象(監視制御対
象)を電力系統としたが、本発明においては、保護制御
対象(監視制御対象)は上記電力系統に限られず、例え
ば給水量等のある変動する状態量の需給状態を管理する
需給系統を保護・監視制御対象としてもよい。
【0190】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係わる監視
制御システム、系統保護制御システムおよびコンピュー
タが読取り可能な記憶媒体によれば、監視・制御や保護
制御を行なう例えば複数の演算部やディジタル形保護制
御装置、気象情報供給手段や列車運行情報供給手段およ
び例えば複数の表示装置を通信ネットワークを介してデ
ータ送受信可能に相互接続して上記システムを構成した
ことを利用して、操作性、経済性、保守性および信頼性
に優れた監視制御システム、系統保護制御システムおよ
びこれらのシステムを実行させるプログラムが記憶され
た記憶媒体を提供することにある。
【0191】すなわち、本発明に係わる監視制御システ
ムおよび系統保護制御システムによれば、自動点検中に
おいてディジタル形保護制御装置等の演算部の監視・制
御対象あるいは保護対象(以下、単に監視制御対象とす
る)に系統事故等の故障が発生する確率が高いことを監
視制御対象に係わる気象情報により認識し、その認識に
応じて予め自動点検処理を中止するため、その監視制御
対象となる機器や電力系統に系統事故等の故障が発生し
ても、自動点検処理中止動作を行なうことなく、例えば
遮断器等の保護制御機器に対する引き外し動作等の保護
制御動作や監視・制御動作を行なうことができる。した
がって、系統事故等の故障発生に応じて速やかに保護制
御動作や監視・制御動作を実行することにより、その動
作開始時間を従来に比べて短縮することができ、監視制
御対象となる機器や系統設備機器の損傷を防止してシス
テム全体の信頼性を向上させることができる。
【0192】また、本発明に係わる系統保護制御システ
ムによれば、常時監視中においてディジタル形保護制御
装置の保護対象に対して影響を与える場所を列車が走行
中であることを上記保護対象に係わる列車運行情報によ
り認識し、その認識に応じて常時監視処理を中止するた
め、列車の運行による3相平衡状態の崩れに起因した不
良検出、すなわちディジタル形保護制御装置の構成要素
に故障が発生していない際の常時監視処理による誤不良
検出を防止することができる。この結果、上記常時監視
処理による誤不良検出に基づくディジタル形保護制御装
置の保護制御動作の停止を回避してそのディジタル形保
護制御装置の稼働性を向上させることができ、系統保護
制御システム全体の稼働性、経済性および信頼性を向上
させることができる。
【0193】さらに、本発明に係わる系統保護制御シス
テムによれば、逆相リレー方式のディジタル形保護制御
装置の逆相保護リレー動作実行中において、そのディジ
タル形保護制御装置の保護対象に対して影響を与える場
所を列車が走行中であることを上記保護対象に係わる列
車運行情報により認識し、その認識に応じて逆相保護リ
レー動作処理を中止するため、列車の運行による3相平
衡状態の崩れに起因した逆相リレー方式のディジタル形
保護制御装置の誤った逆相保護リレー動作を防止するこ
とができる。したがって、上記逆相リレー方式のディジ
タル形保護制御装置の誤逆相保護リレー動作に基づいて
保護制御機器が誤った保護制御動作(例えば需給系統の
正常部位の遮断等)を行なうことを防止して系統保護制
御システムの稼働性および信頼性を向上させることがで
きる。
【0194】そして、本発明に係わる系統保護制御シス
テムによれば、例えば複数のディジタル形保護制御装置
の対応する保護区間内で系統事故が発生する確率が高い
か否かを上記保護区間に係わる気象情報により判断し、
その判断の結果、上記保護区間内で系統事故が発生する
確率が高い場合にのみ各ディジタル形保護制御装置を通
電し、その保護区間内で系統事故が発生する確率が非常
に低い場合には各ディジタル形保護制御装置に対する駆
動電力供給を遮断するようにしたため、複数のディジタ
ル形保護制御装置を含む系統保護制御システム全体の消
費電力の総量を低減することができ、系統保護制御シス
テムの経済性を向上させることができる。また、各ディ
ジタル形保護制御装置の通電状態を対応する保護区間内
で系統事故が発生する確率が高い場合にのみ制限したた
め、各ディジタル形保護制御装置の耐用年数を高く維持
することができる。
【0195】さらに、本発明に係わる系統保護制御シス
テムによれば、複数のディジタル形保護制御装置の対応
する保護対象に系統事故が発生する確率が高いか否かを
上記保護対象に係わる気象情報により判断し、その判断
の結果、所定のディジタル形保護制御装置の保護対象に
系統事故が発生する確率が高い場合には、上記所定のデ
ィジタル形保護制御装置以外の他のディジタル形保護制
御装置とこの他のディジタル形保護制御装置に割り当て
られた表示装置との間の通信ネットワークを介したデー
タ通信を中止して通信ネットワーク上の通信負荷を軽減
することができるため、仮に上記保護対象に系統事故が
発生しても、上記所定のディジタル形保護制御装置から
この所定のディジタル形保護制御装置に割り当てられた
表示装置に対して系統事故に係わる重要な動作情報(状
変情報)を通信ネットワークを経由して迅速かつ伝送遅
延を生じることなく送信することができ、系統保護制御
システムの各ディジタル形保護制御装置運用に関する信
頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる系統保護制御シ
ステムの機能ブロック図。
【図2】第1実施形態のディジタル形保護制御装置の各
機能ブロックおよび気象情報供給手段の処理を具体的に
実現するためのハードウエア構成を示す図。
【図3】第1実施形態におけるディジタル形保護制御装
置のCPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図4】第1実施形態におけるワークステーションの処
理の一例を示す概略フローチャート。
【図5】本発明の第2実施形態に係わる系統保護制御シ
ステムの機能ブロック図。
【図6】第2実施形態のディジタル形保護制御装置の各
機能ブロックおよび列車運行情報供給手段の処理を具体
的に実現するためのハードウエア構成を示す図。
【図7】第2実施形態におけるディジタル形保護制御装
置のCPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図8】第2実施形態におけるワークステーションの処
理の一例を示す概略フローチャート。
【図9】第2実施形態におけるCPUのステップS23
〜ステップS27の処理やワークステーションのステッ
プS30〜33の処理をハードワイヤードロジック的に
表す図。
【図10】本発明の第3実施形態に係わる系統保護制御
システムの機能ブロック図。
【図11】第3実施形態のディジタル形保護制御装置の
ディジタル演算処理部のハードウエア構成を示す図。
【図12】第3実施形態におけるディジタル形保護制御
装置のCPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図13】第3実施形態におけるCPUのステップS4
3〜ステップS47の処理やワークステーションのステ
ップS30〜33の処理をハードワイヤードロジック的
に表す図。
【図14】本発明の第4実施形態に係わる系統保護制御
システムの機能ブロック図。
【図15】第4実施形態のディジタル形保護制御装置の
ディジタル形保護制御装置の各機能ブロックおよび気象
情報供給手段の処理を具体的に実現するためのハードウ
エア構成を示す図。
【図16】第4実施形態における電源制御演算処理部の
ハードウエア構成を示す図。
【図17】第4実施形態における電源制御演算処理部の
CPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図18】本発明の第5実施形態に係わる系統保護制御
システムの機能ブロック図。
【図19】第5実施形態のディジタル形保護制御装置の
ディジタル形保護制御装置の各機能ブロック、気象情報
供給手段の処理および表示操作装置の処理を具体的に実
現するためのハードウエア構成を示す図。
【図20】第5実施形態における各ディジタル形保護制
御装置および各表示操作装置間の広域ネットワーク上に
おける通信路を示す図。
【図21】第5実施形態におけるディジタル形保護制御
装置のCPUの処理の一例を示す概略フローチャート。
【図22】第5実施形態における表示操作装置のパーソ
ナルコンピュータの処理の一例を示す概略フローチャー
ト。
【図23】第5実施形態におけるディジタル形保護制御
装置のCPUの図21に示した処理およびパーソナルコ
ンピュータの図22に示した処理が終了した後の各ディ
ジタル形保護制御装置および各表示操作装置間の広域ネ
ットワーク上における通信路を示す図。
【図24】従来の多入力用のディジタルリレーの基本的
な構成を示す図。
【図25】常時監視におけるアナログ入力監視の内容を
説明するための図。
【図26】自動点検における遮断器トリップ回路の開閉
機能点検の内容を説明するための図。
【図27】逆相リレーの原理、特性および用途を示す
図。
【符号の説明】
20、50、80、100、140 系統保護制御シス
テム 21 電力系統 23A、23B、51A、51B、81A、81B、1
03A、103B、143A〜143C ディジタル形
保護制御装置 24 気象情報供給手段 24A、52A ワークステーション 25、53、83、105、145 通信ネットワーク 26、54、84、106、146A〜146C 表示
操作装置 30 自動点検手段 31 自動点検制御手段 32、57、87、111、151 通信手段 33、112、152 気象情報受信手段 35、60 トランシーバ 36、61 イーサネットLAN 40、62 通信インタフェース 41、65、90、116、125、156 CPU 42、66、91、117、126、157 RAM 43、67、92、118、127、158 ROM 45、70 ルータ 46、71、115、155 広域ネットワーク 47 気象情報データベース 52 列車運行情報供給手段 55 監視手段 56 監視制御手段 58、88 列車運行情報受信手段 72 列車運行情報データベース 85 逆相保護リレー演算手段 86 逆相リレー制御手段 110 電源制御手段 120 電源 121 スイッチ部 122 電源制御演算部 128 入出力インタフェース 129 蓄積部 150 通信負荷制御手段 160 パーソナルコンピュータ 161 インタフェース部 Ts1 〜Ts8 、Ts10〜Ts12 変電所 P1 〜P5 電気所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白田 義博 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 佐々木 秀樹 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝システムテクノロジー株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御あるいは監視対象となる機器の状態
    量を取込み当該機器を制御あるいは監視する複数の演算
    部と、これら演算部に係わる気象情報を供給する気象情
    報供給手段とを通信ネットワークを介して接続しデータ
    の送受信を可能とした監視制御システムであって、 前記少なくとも1つの演算部に故障が発生したか否かを
    所定の点検周期毎に自動的に点検する自動点検手段と、
    前記気象情報供給手段から前記通信ネットワークを介し
    て供給された気象情報に基づいて前記自動点検手段を制
    御して前記自動点検処理を実行するか否かを設定する自
    動点検制御手段とを備えたことを特徴とする監視制御シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 電力系統の状態量に基づいて生成された
    ディジタルデータを用いて演算処理を行ない前記電力系
    統の保護制御を行なう少なくとも1つのディジタル形保
    護制御装置と前記電力系統に係わる気象情報を供給する
    気象情報供給手段とを通信ネットワークを介してデータ
    送受信可能に相互接続して構成された系統保護制御シス
    テムであって、 前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置に故障
    が発生したか否かを所定の点検周期毎に自動的に点検す
    る自動点検手段と、前記気象情報供給手段から前記通信
    ネットワークを介して供給された気象情報に基づいて前
    記自動点検手段を制御して前記自動点検処理を実行する
    か否かを設定する自動点検制御手段とを備えたことを特
    徴とする系統保護制御システム。
  3. 【請求項3】 前記ディジタル形保護制御装置は複数で
    あり、前記自動点検手段および前記自動点検制御手段は
    前記複数のディジタル形保護制御装置にそれぞれ設置さ
    れているとともに、 前記各ディジタル形保護制御装置に設置された自動点検
    制御手段は、前記自動点検手段の自動点検処理の開始に
    応じて自ディジタル形保護制御装置の保護対象に係わる
    気象情報を要求する指令(気象情報要求)を前記通信ネ
    ットワークを介して前記気象情報供給手段に送信する送
    信手段と、前記気象情報供給手段から送信された前記気
    象情報要求に対応する気象情報を受信する受信手段と、
    この受信手段により受信された気象情報中に、前記自デ
    ィジタル形保護制御装置の保護対象の電力系統に影響を
    与える情報が含まれているか否かを判断する判断手段
    と、この判断手段の判断の結果、前記保護対象の電力系
    統に影響を与える情報が含まれていると判断された際に
    前記自動点検手段の自動点検処理を中止する自動点検処
    理中止手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の
    系統保護制御システム。
  4. 【請求項4】 前記気象情報供給手段は、前記気象情報
    を各地区毎および気象種類毎にデータベース化して保持
    する保持手段と、前記送信手段から送信された気象情報
    要求を受信する受信手段と、受信された気象情報要求に
    応じて、送信元のディジタル形保護制御装置の保護対象
    に対応する地区の気象情報を前記保持手段から取り出し
    て前記通信ネットワークを介して前記送信元のディジタ
    ル形保護制御装置へ送信する送信手段とを備えた請求項
    3記載の系統保護制御システム。
  5. 【請求項5】 電力系統の状態量に基づいて生成された
    ディジタルデータを用いて演算処理を行ない前記電力系
    統の保護制御を行なう少なくとも1つのディジタル形保
    護制御装置と前記電力系統に係わる列車運行情報を供給
    する列車運行情報供給手段とを通信ネットワークを介し
    てデータ送受信可能に相互接続して構成された系統保護
    制御システムであって、 前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置を構成
    する各構成要素に故障が発生したかを常時監視する常時
    監視手段と、前記列車運行情報供給手段から前記通信ネ
    ットワークを介して供給された列車運行情報に基づいて
    前記常時監視手段を制御して前記常時監視処理を実行す
    るか否かを設定する常時監視制御手段とを備えたことを
    特徴とする系統保護制御システム。
  6. 【請求項6】 前記ディジタル形保護制御装置は複数で
    あり、前記常時監視手段および前記常時監視制御手段は
    前記複数のディジタル形保護制御装置にそれぞれ設置さ
    れているとともに、 前記各ディジタル形保護制御装置に設置された常時監視
    制御手段は、前記常時監視手段の常時監視処理の開始に
    応じて自ディジタル形保護制御装置の保護対象に係わる
    列車運行情報を要求する指令(列車運行情報要求)を前
    記通信ネットワークを介して前記列車運行情報供給手段
    に送信する送信手段と、前記列車運行情報供給手段から
    送信された前記列車運行情報要求に対応する列車運行情
    報を受信する受信手段と、この受信手段により受信され
    た列車運行情報に基づいて前記自ディジタル形保護制御
    装置の保護対象に対して影響を与える場所を列車が走行
    中か否かを判断する判断手段と、この判断手段の判断の
    結果、前記保護対象に対して影響を与える場所を列車が
    走行していると判断された際に前記常時監視手段の常時
    監視処理を一時中止する常時監視処理一時中止手段とを
    備えたことを特徴とする請求項5記載の系統保護制御シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 前記判断手段の判断の結果、前記保護対
    象に対して影響を与える場所を列車が走行していないと
    判断された場合、前記常時監視手段は前記常時監視処理
    を継続して実行し、この常時監視処理実行中に前記自デ
    ィジタル形保護制御装置の構成要素の内の少なくとも1
    つから故障が検出された際に警報を出力するようにした
    ことを特徴とする請求項6記載の系統保護制御システ
    ム。
  8. 【請求項8】 電力系統の状態量に基づいて生成された
    ディジタルデータに基づいて前記電力系統の保護制御を
    行なう少なくとも1つのディジタル形保護制御装置と前
    記電力系統に係わる列車運行情報を供給する列車運行情
    報供給手段とを通信ネットワークを介してデータ送受信
    可能に相互接続して構成された系統保護制御システムで
    あって、 前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置は、前
    記状態データに基づいて逆相保護リレー演算処理を行な
    い、この逆相保護リレー演算処理結果に応じて前記電力
    系統に設置された保護制御機器に対して保護制御動作指
    令を出力する逆相保護リレー演算手段と、前記列車運行
    情報供給手段から前記通信ネットワークを介して供給さ
    れた列車運行情報に基づいて前記逆相保護リレー演算手
    段を制御して前記逆相保護リレー演算処理を実行するか
    否かを設定する逆相リレー制御手段とを備えたことを特
    徴とする系統保護制御システム。
  9. 【請求項9】 前記ディジタル形保護制御装置は複数で
    あり、これら各ディジタル形保護制御装置における前記
    逆相リレー制御手段は、前記逆相保護リレー演算手段の
    逆相保護リレー演算処理の開始に応じて自ディジタル形
    保護制御装置の保護対象に係わる列車運行情報を要求す
    る指令(列車運行情報要求)を前記通信ネットワークを
    介して前記列車運行情報供給手段に送信する送信手段
    と、前記列車運行情報供給手段から送信された前記列車
    運行情報要求に対応する列車運行情報を受信する受信手
    段と、この受信手段により受信された列車運行情報に基
    づいて前記自ディジタル形保護制御装置の保護対象に対
    して影響を与える場所を列車が走行中か否かを判断する
    判断手段と、この判断手段の判断の結果、前記保護対象
    に対して影響を与える場所を列車が走行していると判断
    された際に前記逆相保護リレー演算手段の逆相保護リレ
    ー演算処理を一時中止する逆相保護リレー演算処理一時
    中止手段とを備えたことを特徴とする請求項8記載の系
    統保護制御システム。
  10. 【請求項10】 前記判断手段の判断の結果、前記保護
    対象に対して影響を与える場所を列車が走行していない
    と判断された場合、前記逆相保護リレー演算手段は前記
    逆相保護リレー演算処理を継続して実行し、この逆相保
    護リレー演算処理の結果、前記保護対象の電力系統に系
    統故障が発生したと判断された際に前記保護制御機器に
    対して保護制御動作指令を出力するようにしたことを特
    徴とする請求項9記載の系統保護制御システム。
  11. 【請求項11】 電力系統の状態量に基づいて生成され
    たディジタルデータに基づいて前記電力系統の保護制御
    を行なう機能を有し、電源から送られた駆動電力に応じ
    て駆動する少なくとも1つのディジタル形保護制御装置
    と、前記電力系統に係わる気象情報を供給する気象情報
    供給手段と、前記少なくとも1つのディジタル形保護制
    御装置および前記気象情報供給手段をデータ送受信可能
    に相互接続する通信ネットワークと、所定の周期で前記
    気象情報供給手段から前記通信ネットワークを介して供
    給された気象情報に基づいて、前記電源から送られた駆
    動電力に基づく前記少なくとも1つのディジタル形保護
    制御装置の通電状態を制御する電源制御手段とを備えた
    ことを特徴とする系統保護制御システム。
  12. 【請求項12】 前記ディジタル形保護制御装置は複数
    であり、前記電源制御手段は前記複数のディジタル形保
    護制御装置にそれぞれ設置されているとともに、前記各
    ディジタル形保護制御装置に設置された電源制御手段
    は、前記電源から自ディジタル形保護制御装置に対する
    駆動電力の供給および遮断を切換可能に設定するスイッ
    チ部と、このスイッチ部が前記駆動電力の供給遮断状態
    に設定された状態において、所定周期により前記自ディ
    ジタル形保護制御装置の保護対象に係わる気象情報を要
    求する指令(気象情報要求)を前記通信ネットワークを
    介して前記気象情報供給手段に送信する送信手段と、前
    記気象情報供給手段から送信された前記気象情報要求に
    対応する気象情報を受信する受信手段と、この受信手段
    により受信された気象情報中に、前記自ディジタル形保
    護制御装置の保護対象の電力系統に影響を与える情報が
    含まれているか否かを判断する第1の判断手段と、この
    第1の判断手段の判断の結果、前記保護対象の電力系統
    に影響を与える情報が含まれていないと判断された際に
    前記スイッチ部の遮断状態を維持するように制御する遮
    断状態維持手段とを備えたことを特徴とする請求項11
    記載の系統保護制御システム。
  13. 【請求項13】 前記電源制御手段は、前記第1の判断
    手段の判断の結果、前記保護対象の電力系統に影響を与
    える情報が含まれていると判断された場合、前記スイッ
    チ部を前記駆動電力供給遮断状態から駆動電力供給状態
    へ切換制御する第1の切換制御手段と、この第1の切換
    制御手段により前記スイッチ部が前記駆動電力供給状態
    に設定された状態において前記受信手段により受信され
    た気象情報中に、前記自ディジタル形保護制御装置の保
    護対象の電力系統に影響を与える情報が含まれているか
    否かを判断する第2の判断手段と、この第2の判断手段
    の結果、前記保護対象の電力系統に影響を与える情報が
    含まれていないと判断された際に前記スイッチ部の駆動
    電力供給状態を前記供給遮断状態に切換制御する第2の
    切換制御手段とを備えたことを特徴とする請求項12記
    載の系統保護制御システム。
  14. 【請求項14】 電力系統の状態量に基づいて生成され
    たディジタルデータを用いて演算処理を行ない前記電力
    系統における保護対象の保護制御を行なう複数のディジ
    タル形保護制御装置と、前記各ディジタル形保護制御装
    置の保護対象に係わる気象情報を供給する気象情報供給
    手段と、前記複数のディジタル形保護制御装置に対して
    それぞれ割り当てられ、その割り当てられたディジタル
    形保護制御装置の動作・運用状態に関する情報を含む動
    作情報を表示する複数の表示装置とを通信ネットワーク
    を介してデータ通信可能に相互接続して構成された系統
    保護制御システムであって、 前記気象情報供給手段から前記通信ネットワークを介し
    て前記各ディジタル形保護制御装置に対して供給された
    気象情報に基づいて、前記複数のディジタル形保護制御
    装置とこれら複数のディジタル形保護制御装置に対して
    割り当てられた複数の表示装置との間の前記データ通信
    に関する前記通信ネットワーク上の通信負荷を制御する
    通信負荷制御手段を備えたことを特徴とする系統保護制
    御システム。
  15. 【請求項15】 前記通信負荷制御手段は、前記各ディ
    ジタル形保護制御装置にそれぞれ設置され、自ディジタ
    ル形保護制御装置以外の他のディジタル形保護制御装置
    と当該他のディジタル形保護制御装置に割り当てられた
    表示装置との間の前記動作情報の通信を中止する指令を
    前記他のディジタル形保護制御装置に割り当てられた表
    示装置に送信する送信手段と、前記他のディジタル形保
    護制御装置に割り当てられた表示装置に設置され、前記
    送信手段から送信された動作情報通信中止指令に応じて
    対応する他のディジタル形保護制御装置との前記動作情
    報の通信処理を中止する通信中止手段とを備えたことを
    特徴とする請求項14記載の系統保護制御システム。
  16. 【請求項16】 電力系統の状態量に基づいて前記電力
    系統の保護制御を行なう少なくとも1つのディジタル形
    保護制御装置と前記電力系統に係わる気象情報を供給す
    る気象情報供給手段とを通信ネットワークを介してデー
    タ送受信可能に相互接続して構成された系統保護制御シ
    ステムを実行させるプログラムが記憶されたコンピュー
    タが読取り可能な記憶媒体であって、 前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置に対し
    て、その少なくとも1つのディジタル形保護制御装置に
    故障が発生したか否かを所定の点検周期毎に自動的に点
    検させるプログラムと、前記気象情報供給手段から前記
    通信ネットワークを介して供給された気象情報に基づい
    て、前記自動点検プログラムに基づく自動点検処理を継
    続して実行するか中止するかを前記少なくとも1つのデ
    ィジタル形保護制御装置に判断させるプログラムとを含
    むことを特徴とするコンピュータが読取り可能な記憶媒
    体。
  17. 【請求項17】 電力系統の状態量に基づいて前記電力
    系統の保護制御を行なう少なくとも1つのディジタル形
    保護制御装置と前記電力系統に係わる列車運行情報を供
    給する列車運行情報供給手段とを通信ネットワークを介
    してデータ送受信可能に相互接続して構成された系統保
    護制御システムを実行させるプログラムが記憶されたコ
    ンピュータが読取り可能な記憶媒体であって、 前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置に対し
    て、その少なくとも1つのディジタル形保護制御装置に
    故障が発生したかを常時監視させるプログラムと、前記
    列車運行情報供給手段から前記通信ネットワークを介し
    て供給された気象情報に基づいて、前記常時監視プログ
    ラムに基づく常時監視処理を継続して実行するか中止す
    るかを前記少なくとも1つのディジタル形保護制御装置
    に判断させるプログラムとを含むことを特徴とするコン
    ピュータが読取り可能な記憶媒体。
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