JPH11251138A - 電磁コイル用スリーブ材およびその製造方法 - Google Patents

電磁コイル用スリーブ材およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11251138A
JPH11251138A JP10052062A JP5206298A JPH11251138A JP H11251138 A JPH11251138 A JP H11251138A JP 10052062 A JP10052062 A JP 10052062A JP 5206298 A JP5206298 A JP 5206298A JP H11251138 A JPH11251138 A JP H11251138A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
metal body
magnetic
less
ferromagnetic metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10052062A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Tomioka
達也 冨岡
Akitake Takayama
昭武 高山
Haruo Koyama
治雄 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP10052062A priority Critical patent/JPH11251138A/ja
Publication of JPH11251138A publication Critical patent/JPH11251138A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/0302Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity characterised by unspecified or heterogeneous hardness or specially adapted for magnetic hardness transitions
    • H01F1/0311Compounds
    • H01F1/0313Oxidic compounds
    • H01F1/0315Ferrites

Abstract

(57)【要約】 【課題】 強磁性部分と非磁性部分とが連続して一体に
形成された、安価でかつ高性能な複合磁性材とその製造
方法とを提供する。 【解決手段】 フェライト系ステンレス鋼とオーステナ
イト系ステンレス鋼とを交互に積層してシースに挿入し
た組立て体を熱間押出し加工して丸棒とした。これを熱
間押出しにおける材料の加工方向とは逆方向に冷間引抜
き加工し、焼なましを施してフェライト系ステンレス鋼
部分(強磁性金属3)とオーステナイト系ステンレス鋼
部分(非磁性金属4)とが交互に積層して一体に接合し
た電磁コイル用スリーブ材を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧燃料噴射ポン
プ用電磁弁のスリーブ等に適する、強磁性部分と非磁性
部分とが連続して一体に形成された複合磁性材およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車用エンジンの燃費向上およ
び排ガスの清浄化に効果的な方法として燃料の筒内直接
噴射法が注目されるようになった。筒内直接噴射法によ
って希薄燃料混合気を効果的に完全燃焼するためには、
燃料を超微細粒に噴霧することが必要であり、このため
高圧で応答性よく作動する電磁弁を備えた燃料を噴射す
る燃料噴射ポンプが必要となる。
【0003】燃料噴射ポンプ用電磁弁は、例えば図5に
示すように、スリーブ101内に滑動自在に設けるニー
ドル102の後端104に設ける圧縮ばね105の付勢
力により、ニードル先端103をノズル106に押しつ
けてノズル106を閉塞する構造になっている。ノズル
106から燃料107を噴射するときは、スリーブ10
1に巻装した励磁コイル108に電流を通じて後部強磁
性体109、114を磁化してニードル102を引きつ
け、圧縮ばね105の付勢力に打ち勝ってノズル106
を開口する。
【0004】燃料107の圧力が高ければ、圧縮ばね1
05の圧力を高める必要があり、これに打ち勝ってノズ
ル106を開口するためにはニードル102を引きつけ
る磁力を強くすることが必要となる。また、燃料107
の供給タイミングを正確にするためには、ニードル10
2を駆動する磁気回路に用いる材料は、優れた磁気応答
性を有するものであることが望まれる。このように高圧
燃料噴射ポンプ用電磁弁では、燃料噴射ノズルの開閉用
のニードルを駆動・制御する磁気回路は、高い磁束密度
と優れた磁気応答性とを有することが望まれる。
【0005】ところで、従来、燃料噴射ポンプ用電磁弁
の励磁コイル108は、例えば、PVAのような非磁性
の樹脂材料で作った円筒状のスリーブ101に捲かれて
おり、ニードル102はこのスリーブ101内にあって
励磁コイル108によって駆動される構造となってい
る。そのため、ニードル102に作用する磁力は、スリ
ーブ101の厚さ分だけ低減されることを免れない。
【0006】これに対して図4に示すように、スリーブ
101として、強磁性体111、112の間にこれらと
連続してかつ一体に形成された非磁性部分113を有す
る複合磁性部材を用いることにより、ニードル102に
作用する磁力を格段に向上することができる。このよう
に、一つの部品の中で強磁性部分と非磁性部分とが連続
して形成された複合磁性部材としては、例えば、強磁性
かつ電気抵抗の高いFe−Co合金の部品と非磁性材料
であるオーステナイト系ステンレス鋼製部品とを、適宜
ろう付け等によって、接合して一つの磁気回路部品に構
成することが行われている。しかし、このような方法で
は、複数の部品を個別に製作し、これらを接合する必要
があるため、その製造に多くの工数と費用を要するとい
う難点があった。
【0007】また、特開昭50−3017号公報、特開
平6−74124号公報、特開昭63−161146号
公報、特開平7−11397号公報においては、例えば
オーステナイト系ステンレス鋼や高マンガン鋼などの室
温では非磁性のオーステナイト組織を示す一様な組成の
鋼に熱処理や冷間加工を施すことによってマルテンサイ
トなどの強磁性体を形成したのち、その局部を加熱して
固溶化することによって、局部的に非磁性部分を形成す
る技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、高圧燃
料噴射ポンプの磁気回路では、高い磁力と優れた磁気応
答性とを有することが望まれる。具体的には、複合磁性
部材の強磁性部分は磁束密度B50が1T以上、保磁力H
c が2エルステッド以下で、かつ、比抵抗ρが50μΩ
cm以上であり、非磁性部分は、透磁率μが1.2以下
で、かつ、比抵抗ρが50μΩcm以上であることが要
求される。しかし、上記のように一様な組成のオーステ
ナイト鋼をマルテンサイト化する方法では合金組成上、
高飽和磁気を得ることは困難であり、さらに材料に高い
加工率で冷間加工を施す必要があるため、所要の磁気特
性を得ることが困難であった。
【0009】本発明は、上記の現状に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、おのおの別個に製作し
た強磁性部材と非磁性部材とを接合する等の繁雑な工程
と高い費用とを要することなく、しかも、高価な合金を
用いることがない、高圧燃料噴射ポンプ用電磁弁のスリ
ーブ等に適する、強磁性部分と非磁性部分とが連続して
一体に形成された安価で、かつ、高性能な複合磁性部材
とその製造方法とを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の電磁コイル用スリーブ材は、 (1)強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に積層して
組立て体とし、該組立て体を熱間加工することよって前
記強磁性金属体と非磁性金属体とを接合して一体化した
ことを特徴とする。 (2)強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に積層して
組立て体とし、該組立て体を熱間加工することよって前
記強磁性金属体と非磁性金属体とを接合して一体化して
接合体としたのち、前記接合体を熱間加工の方向とは逆
の方向に冷間加工したことを特徴とする。 (3)上記(1)および(2)において前記強磁性金属
体は、化学組成が、C :0.1質量%以下、Al+S
i:3.0質量%以下、Cr:9〜20質量%、Mo:
4質量%以下、残部Feおよび不可避的不純物からな
り、前記非磁性金属体は、化学組成が、C :0.1質
量%以下、Si:1.0質量%以下、Mn:2.0質量
%以下、Ni:5〜15質量%、Cr:9〜25質量
%、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴
とする。
【0011】また、本発明の電磁コイル用スリーブ材の
製造方法は、 (4)強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に積層して
組立て体とする工程と、該組立て体を熱間加工すること
よって前記強磁性金属体と非磁性金属体とを接合して一
体化する工程とを含むことを特徴とする。 (5)強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に積層して
組立て体とする工程と、該組立て体を熱間加工すること
よって前記強磁性金属体と非磁性金属体とを一体化して
接合体とする工程と、前記接合体を熱間加工の方向とは
逆の方向に冷間加工する工程とを含むことを特徴とす
る。 (6)上記(4)および(5)において前記強磁性金属
体は、化学組成が、C :0.1質量%以下、Al+S
i:3.0質量%以下、Cr:9〜20質量%、Mo:
4質量%以下、残部Feおよび不可避的不純物からな
り、前記非磁性金属体は、化学組成が、C :0.1質
量%以下、Si:1.0質量%以下、Mn:2.0質量
%以下、Ni:5〜15質量%、Cr:9〜25質量
%、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電磁コイル用スリーブ材
は、強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に積層した組
立て体を熱間加工することよって前記強磁性金属体と前
記非磁性金属体とを接合して一体化して製造する。ま
ず、電磁コイル用スリーブ材として所要の寸法のものが
得られるように調整した強磁性金属体と非磁性金属体と
を交互に積層して強磁性金属体/非磁性金属体/強磁性
金属体の順に積層した組立て体を形成する。該組立て体
を、熱間加工に適するように、例えば、図1に示すよう
に金属製のシースに挿入し、必要に応じて脱気、封着な
ど強磁性金属体/非磁性金属体間の接合を助ける処置を
行って熱間加工する。
【0013】前記組立て体の構成を、強磁性金属体/非
磁性金属体/強磁性金属体/非磁性金属体/強磁性金属
体/以下同順に積層して複数の非磁性金属体を含むもの
とすれば、図2に示すように、1個の組立て体から複数
の電磁コイル用スリーブがとれる素材を得ることができ
る。熱間加工としては、熱間押出しが最適であるが、H
IP(高温等圧プレス)処理もしくは高温プレス加工等
で接合した後、熱間鍛造もしくは熱間圧延により積層方
向に延伸する二工程により行うことができる。熱間加工
の後、硬さや磁気特性の調整ならびに安定化のために必
要に応じて焼なましを施してもよい。
【0014】さらに好ましくは、熱間加工、特に熱間押
出し、熱間圧延、熱間鍛造などの延伸加工を施したのち
の熱間加工材に対して、これらの熱間加工の方向とは逆
の方向に冷間加工を施す。必要に応じて前記シースや熱
間加工の際に生じたスケールなどの夾雑物を除去したの
ちに冷間加工を行う。前記の延伸加工によると熱間加工
材には図2に示すような材料流れを生じる。熱間加工の
方向とは逆の方向に施す冷間加工によって、図3に示す
ように、前記熱間加工材の表層部における材料流れが修
正され、非磁性金属部分の形状が電磁コイル用スリーブ
として好ましい形状となる。前記冷間加工における加工
減面率は10%以上とするのが効果的である。なお、前
記冷間加工の後、硬さや磁気特性の調整ならびに安定化
のために必要に応じて焼なましを施してもよい。
【0015】前記強磁性金属体は、化学組成が、C:
0.1質量%以下、Al+Si:3.0質量%以下、C
r:9〜20質量%、Mo:4質量%以下、残部Feお
よび不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス鋼
とすることが好ましい。ここに、Cは、鋼のγ相を安定
化する元素であり、また、保磁力を高め、透磁率μを低
めて磁気回路の応答性を低下せしめるのでその含有率は
低いことが望ましい。許容範囲としてC含有率の上限を
0.1質量%とする。
【0016】AlおよびSiは、鋼の比抵抗を高め、磁
気回路の応答性を増すために添加するが、過剰に含有す
ると合金の加工性を損う上、飽和磁気の低下をまねくの
で含有率の上限をAl+Siとして3.0質量%以下と
する。Crは、鋼の耐食性を向上し、強磁性のα相を安
定化し、比抵抗を高める元素として9質量%以上を添加
する。しかし、過剰に含有すると鋼の脆化を招き加工を
困難とする上、飽和磁気の低下をまねくのでCr含有率
の上限は20質量%とする。
【0017】Moは、合金の耐食性を高める元素であり
Crと同様にα相を安定化する元素であるが、高価なの
で、4質量%以下の範囲で添加してもよい。このように
鋼の組成を限定することにより、高圧燃料噴射ポンプ用
電磁弁のスリーブ等に適する、磁束密度B50が1T以
上、保磁力Hc が2エルステッド以下、比抵抗ρが50
μΩcm以上の磁気的特性、電気的特性と優れた耐食性
とを有する強磁性金属体を得ることができる。
【0018】また、前記非磁性金属体の化学組成は、
C:0.1質量%以下、Si:1.0質量%以下、M
n:2.0質量%以下、Ni:5〜15質量%、Cr:
9〜25質量%、残部Feおよび不可避的不純物からな
るオーステナイト系ステンレス鋼とすることが好まし
い。ここに、Cは、鋼のγ相を安定化する元素である
が、加工性と耐食性を低下せしめるのでC含有率は低い
ことが望ましい。許容範囲としてC含有率の上限を0.
1質量%とする。
【0019】Al、Siは鋼の脱酸のために、および電
気抵抗を高くし過電流損失の低下に効果があるので添加
する。但し多量に添加すると加工性を著しく害するの
で、含有率1.0質量%以下の範囲で添加する。Mn
は、鋼の脱酸に寄与し、また、γ相を安定化する元素な
ので2.0質量%以下において含有してもよい。
【0020】Niは、鋼の耐食性を増す元素であって、
γ相を安定化して鋼を非磁性化するために必須の元素で
5質量%以上を含有させる。高価な元素であり、過剰に
含有しても所要の磁気特性は飽和し、徒にコストを高め
るだけなので含有率の上限を15質量%とする。Cr
は、鋼の耐食性を向上し比抵抗を高めるために含有率9
質量%以上を添加する。しかし、過剰に含有するとγ相
が不安定となるので含有率の上限は25質量%とする。
【0021】このように鋼の組成を限定することによ
り、高圧燃料噴射ポンプ用電磁弁のスリーブ等に適す
る、透磁率μが1.1以下で比抵抗ρが50μΩcm以
上の特性を有する非磁性金属体を得ることができる。
【0022】
【実施例】(実施例1)表1に示す鋼1によって外径1
00mm×厚さ6mmの強磁性金属体1を、また、表1
に示す鋼2によって外径100mm×厚さ2mmの非磁
性金属体2を製作した。
【0023】
【表1】
【0024】内径100mm×深さ220mm×厚さ5
mmの軟鋼製シース5に、図1に示すように強磁性金属
体1および非磁性金属体2を交互に積層して挿入した。
積層体の両最外層は強磁性金属体1とした。電子ビーム
溶接により真空中でシース5の開口端に蓋6を溶接して
組立て体7とした。組立て体7を1100℃に加熱し、
熱間押出しプレスによって900℃以上で押出し加工し
て外径14mmの丸棒とした。該丸棒を850℃×2h
r焼なましした。切削加工によってその外周を削除し、
外径10mmの熱間押出し試験材とした。
【0025】前記熱間押出し試験材について、中心軸を
含む縦断面のマクロ組織を観察した。組織観察のための
腐食液としてはビレラを用いた。その結果は、図2に示
すように、材料に流れを生じており、腐食液によって腐
食されやすいフェライト系ステンレス鋼部分(強磁性金
属3)と腐食液によって腐食され難いオーステナイト系
ステンレス鋼部分(非磁性金属4)とが交互に積層して
一体に接合していることが認められた。
【0026】(実施例2)実施例1と同様にして得た外
径14mmの熱間押出し丸棒焼なまし材の外周を旋削し
て外径12とした。これを熱間押出しにおける材料の加
工方向とは逆方向に冷間引抜き加工する、すなわち熱間
押出しにおける材料の後端を先端として冷間引抜きする
ことによって外径10mmとし、850℃×2hrの焼
なましを施して冷間引抜き試験材とした。
【0027】前記冷間引抜き試験材について、中心軸を
含む縦断面のマクロ組織を観察した。組織観察のための
腐食液としてはビレラを用いた。その結果は図3に示す
ように、腐食液によって腐食されやすいフェライト系ス
テンレス鋼部分(強磁性金属3)と、腐食液によって腐
食され難いオーステナイト系ステンレス鋼部分(非磁性
金属4)とが交互に積層して一体に接合しており、か
つ、材料表層附近では材料流れが反転していることが認
められた。
【0028】鋼1および鋼2の一体材について実施例1
および実施例2と同様な熱間加工、冷間加工、焼なまし
などの加工履歴を与えた試験材について磁気的特性およ
び電気抵抗を測定した。その結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2によれば、実施例における強磁性金属
は、磁束密度B50が1T以上と高い値を示し、保磁力H
c が2エルステッド以下と低く、比抵抗が50μΩcm
以上の高い値を示す。また、実施例における非磁性金属
は、透磁率が1.1以下であり、比抵抗が50μΩcm
以上の高い値を示す。この結果から、本発明の材料は高
圧燃料噴射ポンプ用電磁弁のスリーブ用複合磁性材料と
して優れた特性を有することが判る。
【0031】(実施例3)前記実施例2で製作した引抜
き試験材から切出した1組の強磁性金属3/非磁性金属
4/強磁性金属3の一体部材からスリーブ101を製作
した。該スリーブ101を組込んで図4に示す高圧燃料
噴射ポンプ用電磁弁を製作した。ニードル102はスリ
ーブ101内に滑動自在に設けられ、圧縮ばね105の
付勢力により、ノズル106に押しつけられている。ス
リーブ101に巻装した励磁コイル108に電流を通じ
ることにより圧縮ばね105の付勢力に打ち勝ってノズ
ル106を開口する機構となっている。
【0032】スリーブ101は強磁性体111、112
および非磁性部分113からなり、強磁性体111、1
12には本発明材の強磁性金属3が相当し、非磁性部分
113には本発明材の非磁性金属4が相当する。非磁性
部分113はニードル102の後端104の外周に位置
するように構成されている。上記の高圧燃料噴射装置に
より励磁コイル108に電流を通じるときにニードル1
02に接合された強磁性体114に働く吸引力を測定し
た。スリーブとして樹脂を用いて同様な測定を行った結
果、本発明材を用いた場合は、樹脂製スリーブを用いた
場合に比べて前記吸引力は1.8倍の値を示した。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明の電磁コイル用ス
リーブ材は、磁束密度B50が1T以上の高い強磁性を示
し、保磁力Hc が2エルステッド以下と低い強磁性部分
と、比透磁率μが1.2以下の非磁性を示す非磁性部分
とが連続して一体に形成されており、かつ、比抵抗ρと
して50μΩcm以上の高い値を有して磁気応答性に優
れているので、高圧燃料噴射ポンプ用電磁弁のスリーブ
等の厳しい磁気特性を要求される用途に適する。
【0034】さらに、本発明の製造方法によれば、おの
おの別個に製作した強磁性部材と非磁性部材とを接合す
る等の繁雑な工程と高いコストとを要することなく、高
性能な複合磁性部材を製造する方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における強磁性金属体と非磁性
金属体との組立て体の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例における熱間押出し試験材の縦
断面のマクロ組織を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例における冷間引抜き試験材の縦
断面のマクロ組織を示す模式図である。
【図4】本発明の実施例を適用して構成した高圧燃料噴
射ポンプ用電磁弁の模式図である。
【図5】燃料噴射ポンプ用電磁弁の構成を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 強磁性金属体 2 非磁性金属体 3 強磁性金属 4 非磁性金属 5 シース 6 蓋 7 組立て体 101 スリーブ 102 ニードル 103 ニードル先端 104 後端 105 圧縮ばね 106 ノズル 107 燃料 108 励磁コイル 109、114 後部強磁性体 111、112 強磁性体 113 非磁性部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に
    積層して組立て体とし、該組立て体を熱間加工すること
    よって前記強磁性金属体と非磁性金属体とを接合して一
    体化したことを特徴とする電磁コイル用スリーブ材。
  2. 【請求項2】 強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に
    積層して組立て体とし、該組立て体を熱間加工すること
    よって前記強磁性金属体と非磁性金属体とを接合して一
    体化して接合体としたのち、前記接合体を熱間加工の方
    向とは逆の方向に冷間加工したことを特徴とする電磁コ
    イル用スリーブ材。
  3. 【請求項3】 前記強磁性金属体は、化学組成が、 C :0.1質量%以下、 Al+Si:3.0質量%以下、 Cr:9〜20質量%、 Mo:4質量%以下、 残部Feおよび不可避的不純物からなり、前記非磁性金
    属体は、化学組成が、 C :0.1質量%以下、 Si:1.0質量%以下、 Mn:2.0質量%以下、 Ni:5〜15質量%、 Cr:9〜25質量%、 残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
    る請求項1および請求項2のいずれか1項記載の電磁コ
    イル用スリーブ材。
  4. 【請求項4】 強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に
    積層して組立て体とする工程と、該組立て体を熱間加工
    することよって前記強磁性金属体と非磁性金属体とを接
    合して一体化する工程とを含むことを特徴とする電磁コ
    イル用スリーブ材の製造方法。
  5. 【請求項5】 強磁性金属体と非磁性金属体とを交互に
    積層して組立て体とする工程と、該組立て体を熱間加工
    することよって前記強磁性金属体と非磁性金属体とを一
    体化して接合体とする工程と、前記接合体を熱間加工の
    方向とは逆の方向に冷間加工する工程とを含むことを特
    徴とする電磁コイル用スリーブ材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記強磁性金属体は、化学組成が、 C :0.1質量%以下、 Al+Si:3.0質量%以下、 Cr:9〜20質量%、 Mo:4質量%以下、 残部Feおよび不可避的不純物からなり、前記非磁性金
    属体は、化学組成が、 C :0.1質量%以下、 Si:1.0質量%以下、 Mn:2.0質量%以下、 Ni:5〜15質量%、 Cr:9〜25質量%、 残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
    る請求項4または請求項5のいずれか一項記載の電磁コ
    イル用スリーブ材の製造方法。
JP10052062A 1998-03-04 1998-03-04 電磁コイル用スリーブ材およびその製造方法 Withdrawn JPH11251138A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10052062A JPH11251138A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 電磁コイル用スリーブ材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10052062A JPH11251138A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 電磁コイル用スリーブ材およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11251138A true JPH11251138A (ja) 1999-09-17

Family

ID=12904338

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10052062A Withdrawn JPH11251138A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 電磁コイル用スリーブ材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11251138A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249191A (ja) * 2004-02-06 2005-09-15 Kofurotsuku Kk 比例ソレノイド制御バルブ
JP2010510458A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 固定の磁気回路素子を製造する方法
JP2010129680A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Kayaba Ind Co Ltd ソレノイド
DE112017004994T5 (de) 2016-09-30 2019-06-27 Hitachi Metals, Ltd. Verfahren zum Herstellen einer Solenoid-Hülse

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005249191A (ja) * 2004-02-06 2005-09-15 Kofurotsuku Kk 比例ソレノイド制御バルブ
JP2010510458A (ja) * 2006-11-22 2010-04-02 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 固定の磁気回路素子を製造する方法
JP2010129680A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Kayaba Ind Co Ltd ソレノイド
DE112017004994T5 (de) 2016-09-30 2019-06-27 Hitachi Metals, Ltd. Verfahren zum Herstellen einer Solenoid-Hülse
US11491568B2 (en) 2016-09-30 2022-11-08 Hitachi Metals, Ltd. Method for manufacturing solenoid sleeve

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3311427B2 (ja) 複合磁性部材およびその製法およびこの複合磁性部材を用いた電磁弁
JP4691162B2 (ja) 堅固なハウジングを製造するための方法
JPH11132127A (ja) 燃料噴射弁及びその組立方法
EP2499646B1 (en) Solenoid actuator
JP5399486B2 (ja) 金属製の複合部材、特に電磁弁用の金属製の複合部材
JP5627623B2 (ja) 固定の磁気回路素子を製造する方法
JP2001505979A (ja) 燃料噴射弁
KR100733524B1 (ko) 금속 기계 부품의 액상 확산 접합 방법 및 금속 기계 부품
KR100711188B1 (ko) 철-코발트 합금 및 이로 제조된 제품 및 그 제조방법
US7946276B2 (en) Protection device for a solenoid operated valve assembly
WO2005029515A1 (ja) 焼結可動鉄心およびその製造方法
JPH11251138A (ja) 電磁コイル用スリーブ材およびその製造方法
JP2989977B2 (ja) 燃料噴射装置の固定鉄心の製造方法
CN107850020B (zh) 中空复合磁性构件及其制造方法以及燃料喷射阀
JP2013028825A (ja) 複合材料及び電磁アクチュエータ
JP4104508B2 (ja) 電磁弁
JP6025975B2 (ja) ハウジング、特にバルブハウジングを製造する方法
JPH0215750B2 (ja)
JP2002004013A (ja) 電磁弁用コア
WO2019123725A1 (ja) 電磁弁
KR20100115752A (ko) 고 동적 전자기 액츄에이터용 Fe-Co 합금
JP2006022757A (ja) 燃料噴射弁
JPH11186018A (ja) 複合磁性部材およびその製造方法
JP7099457B2 (ja) 比例ソレノイド、その製造方法、および、比例ソレノイドの特性制御方法
JP2004293367A (ja) 電磁式燃料噴射弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050131

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070107