JPH11250479A - 光学式ディスク装置 - Google Patents

光学式ディスク装置

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JPH11250479A
JPH11250479A JP10069421A JP6942198A JPH11250479A JP H11250479 A JPH11250479 A JP H11250479A JP 10069421 A JP10069421 A JP 10069421A JP 6942198 A JP6942198 A JP 6942198A JP H11250479 A JPH11250479 A JP H11250479A
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JP
Japan
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offset
objective lens
line segment
optical disc
signal
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JP10069421A
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English (en)
Inventor
Yasuo Hachi
羽地  泰雄
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ピックアップを走査なしに特定の位置に位置
付けした時に得られる信号からオフセット調整を迅速に
行なえる光学式ディスク装置を提供する。 【解決手段】 第1、第2の対物レンズ6,9を介し
て、光ディスクの種類に応じた波長のレーザ光を出射し
その反射光を受光検出する第1、第2のレーザ発振検出
部8,13を設けて、光ディスク1の半径方向へ移動可
能なベース部5を備えたピックアップを有する光学式デ
ィスク装置中の、第1の対物レンズは光ディスクの回転
中心を通る第1の線分上に位置し、第2の対物レンズは
この線分に対して略直交する第2の線分上にあって第1
の線分に対して所定の距離だけオフセットさせて配置さ
せ、ピックアップのトラッキング制御を行なうサーボ制
御手段は、第2のレーザ発振検出部のセンサ分割線また
はホログラム分割線と受光したスポットパターンのトラ
ック走行方向の接線とが一致する中周オフセット調整位
置で得られるRF信号の振幅からトラッキング信号のオ
フセット調整を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの記録
または再生を行なう光学式ディスク装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一つのピックアップに複数の対物レンズ
を載せる光学式ピックアップ装置として、例えば、特開
平5−298731号公報や特開平8−315408号
公報に開示されているものがある。この特開平8−31
5408号公報に開示された装置を図19〜図20を用
いて説明する。図19はラックアンドピニオンによって
スピンドルモータを移動させる例である。
【0003】まず、光学ピックアップ104について説
明する。ガイドレール105,105にそって直線的に
移動可能な光学ピックアップ104の上面には収納ブロ
ック114が設けられ、DVD用対物レンズ107とC
D−ROM用対物レンズ106がガイドレール105の
軸線と直交する方向に並設され、所定の間隔で支持フレ
ーム115に一体固定されている。この支持フレーム1
15は2次元アクチュエータによりフォーカス方向、ト
ラッキング方向に移動可能なように支持されている。図
19(a)は、CD−ROMディスク101の回転中心
OとCD−ROM用対物レンズ106を結ぶ線上をCD
−ROM用対物レンズ106が移動するようラックアン
ドピニオンによりスピンドルモータ108を動かした状
態を示している。
【0004】切替モータ112の回転はピニオン113
とラック111により直線運動に変換され、スライド部
材109およびスライド部材109上に設けられたスピ
ンドルモータ108をガイドバー110に沿って移動さ
せる。図19(b)は、DVDディスク102の回転中
心OとDVD用対物レンズ107を結ぶ線上をDVD用
対物レンズが移動するよう、ラックアンドピニオンによ
りスピンドルモータ108を動かした状態を示してい
る。図20はソレノイド120によりスピンドルモータ
108を移動させる例である。ピックアップ104の構
造に関しては図19と同様なので説明を省略する。
【0005】図20(a)は、CD−ROMディスク1
01の回転中心OとCD−ROM用対物レンズ106を
結んだ線上をCD−ROM用対物レンズ106が移動す
るようソレノイド120によりスピンドルモータ108
を保持した回動部材116を支点117を中心にして回
動させた状態を示している。スピンドルモータ108を
保持した回動部材116は図示しないベース上の支点1
17を中心にして回転可能になっている。回動部材11
6の支点117からの延長部116aに設けられた長孔
118に、図示しないベース上に設けられたソレノイド
120の伸縮ロッド120aに突設されたピン119が
移動自在にはめ込まれている。
【0006】図20(b)は、DVDディスク102の
回転中心OとDVD用対物レンズ107を結ぶ線上をD
VD用対物レンズ107が移動するようソレノイド12
0の伸縮ロッド120aが伸びて回動部材116および
スピンドルモータ108が支点117を中心にして回動
された状態を示している。また、特開平5−29873
1号公報においては、プッシュプル方式によりトラッキ
ング信号を検出する場合に、対物レンズをディスク半径
から隔たった線上を移動するように配置した時のセンサ
分割線の方向を規定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−315408号公報に示す装置では以下のような問
題点がある。上述した装置ではディスク101、102
に対して記録または再生を行う対物レンズ106、10
7が、それぞれのディスク101、102の中心Oとそ
の対物レンズ106、107の中心を結んだ線上を、そ
の対物レンズが移動しない場合には、ディスク中心と対
物レンズの中心を結んだ直線上をその対物レンズが移動
するように切替機構、例えばラックアンドピニオン機構
やソレノイドによる回動機構によってスピンドルモータ
108を移動させている。ところで、最近の光ディスク
記録再生装置ではディスクを高速回転させ、データの転
送レートを上げる手法が一般的に採用されている。
【0008】従って、高速回転するスピンドルモータは
振動源となりやすいので、本来強固に固定されるべきも
のである。しかるに、上述した装置例のようにスピンド
ルモータ108を移動可能な構造とすると、スピンドル
モータ108の取付の高剛性化に限界があり、ジャイロ
効果が発生し易くなると共に、スピンドルモータ108
からピックアップへ伝播する振動が大きくなってトラッ
キング、フォーカスに悪影響を及ぼす。また、スピンド
ルモータ108を移動させる専用のモータや切替機構、
例えば図19に示す場合には切替モータ112、ラック
111、ピニオン113等が、図20に示す場合にはソ
レノイド120、回転部材116等が新たに必要とな
り、コストアップを招くばかりでなく、省スペースの実
現が困難になる。
【0009】また、スピンドルモータ108が移動する
構造では、対物レンズ106、107の光軸とディスク
面の直交度を確保することが困難である。更に、碗状ま
たは円錐状に変形したディスクがセットされた場合に
は、光ディスク記録再生装置自身の調整とディスクの変
形分を修正しなければならない。特に、ディスク中心O
とCD用対物レンズ101の中心を結んだ線上をCD用
対物レンズ101が移動するようになされた状態で、お
碗状あるいは円錐状に変形したDVDディスク102が
セットされた場合には、スピンドルモータ108をDV
D用対物レンズ107に対応した位置に移動させた後に
チルト補正を行うという段取りとなるため、記録または
再生の開始が遅れることになる。
【0010】そこで、本出願人は、先の出願(特願平9
−120190号)において、種類の異なる光ディスク
に対する情報の記録、再生を、光ディスクの回転中心を
移動させることなく行なうことができる光学式ディスク
装置を提案した。先の出願のディスク装置では、2つの
対物レンズの取り付け位置を厳密に規定することによっ
て、ディスク回転中心を通る線分からオフセットさせて
DVD用の対物レンズを設けても、トラッキング信号に
悪影響を与えることがないようにしている。
【0011】ところで、トラッキング信号は、ピックア
ップの組み立て誤差、ディスクの変形等に起因してオフ
セットが発生することは避けられず、従って、ディスク
を交換する毎に再生或いは記録に先立って当該ディスク
に対するオフセット調整が行なわれる。このオフセット
調整は、一般的には、例えば特開昭59−77639号
公報や特開昭60−66340号公報等に開示されてい
るように行なわれている。前者の公報の装置では、トラ
ッキング信号のオフセット検出を光ディスクの複数の半
径位置で行なっており、これによりディスク半径位置で
予測不可能に変化するオフセットをメモリに取り込みこ
れを読み出して、ディスク全面で補正動作をさせてい
る。また、後者の公報の装置では、トラッキング後のオ
フセットを検出するのに光スポットをトラックを横切る
ように走査してトラッキング信号の直流オフセット電圧
を検出しており、これによりトラッキング信号のオフセ
ットはトラックを強制的に横切らないでもRF信号とト
ラッキング信号との相関関係より最大のRF信号が得ら
れているトラッキング信号部を検出するようになってい
る。
【0012】しかしながら、上述した各従来装置にあっ
ては、ディスク半径方向における複数の位置でのオフセ
ットをまず検出する必要があり、このためのオフセット
調整動作で複数点にてディスク再生動作をさせる必要が
ある。このため、ドライブの立ち上げ動作として比較的
長い時間を必要とし、ディスク挿入後の立ち上げ動作の
高速化を達成することができない。特に、前述したよう
な本出願人が先に提案したディスク装置では、ディスク
回転中心を通る線分からオフセットさせて配置したDV
D用の対物レンズに関しては、トラッキング信号に本方
式に依存したオフセットが発生する傾向があり、ディス
ク半径全面にピックアップを走査することなく短時間で
トラッキング信号のオフセット調整を行なうことが求め
られている。本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものであり、その目
的は、ピックアップを走査することなくピックアップを
特定の位置に位置付けした時に得られる信号に基づいて
オフセット調整を迅速に行なうことができる光学式ディ
スク装置を提供することにある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】請求項1に規定する第
1の発明は、第1、第2の対物レンズを介して、光ディ
スクの種類に応じた波長のレーザ光を出射すると共にそ
の反射光を受光検出する第1、第2のレーザ発振検出部
を設けて、光ディスクの半径方向へ移動可能なベース部
を備えたピックアップを有する光学式ディスク装置にお
いて、前記第1の対物レンズは前記光ディスクの回転中
心を通る第1の線分上に位置し、前記第2の対物レンズ
は前記第1の線分に対して略直交する第2の線分上にあ
って前記第1の線分に対して所定の距離だけオフセット
させて配置させており、前記ピックアップのトラッキン
グ制御を行なうサーボ制御手段は、前記第2のレーザ発
振検出部のセンサ分割線またはホログラム分割線と受光
したスポットパターンのトラック走行方向の接線とが一
致する中周オフセット調整位置で得られるRF信号の振
幅に基づいてトラッキング信号のオフセット調整を行な
うように構成したものである。
【0014】これにより、光学式ディスク装置の起動時
であって第2の対物レンズ及び第2のレーザ発振検出部
を使用する光ディスクを用いる場合には、まず、ピック
アップを最内周のホームポジションから光ディスクの半
径方向へ移動させることによって、第2の対物レンズを
中周オフセット調整位置に位置付けする。そして、サー
ボ制御手段はこの位置で得られるRF信号の振幅に基づ
いてトラッキング信号のオフセット調整を行なう。従っ
て、第2の対物レンズがディスク回転中心を通る線分か
らオフセット(離間)していることに伴って発生するオ
フセット量や光ディスクの変形等に伴って発生するオフ
セット量を、ピックアップを光ディスクの半径方向全体
に亘って走査することなく迅速に補償してトラッキング
信号のオフセット調整を迅速に行なうことができる。
【0015】請求項2に規定する第2の発明は、第1、
第2の対物レンズを介して、光ディスクの種類に応じた
波長のレーザ光を出射すると共にその反射光を受光検出
する第1、第2のレーザ発振検出部を設けて、光ディス
クの半径方向へ移動可能なベース部を備えたピックアッ
プを有する光学式ディスク装置において、前記第1の対
物レンズは前記光ディスクの回転中心を通る第1の線分
上に位置し、前記第2の対物レンズは前記第1の線分に
対して略直交する第2の線分上にあって前記第1の線分
に対して所定の距離だけオフセットさせて配置させてお
り、前記ピックアップのトラッキング制御を行なうサー
ボ制御手段は、前記光ディスクの記録領域の最内周であ
る最内周オフセット調整位置で、第2のレーザ発振検出
部から得られたRF信号の振幅とピット深さを検出し、
これに対応したオフセット量の補正に基づいてトラッキ
ング信号のオフセット調整を行なうように構成したもの
である。
【0016】これにより、光学式ディスク装置の起動時
であって第2の対物レンズ及び第2のレーザ発振検出部
を使用する光ディスクを用いる場合には、まず、ピック
アップを中心部のホームポジションから光ディスクの半
径方向へ移動させることによって、第2の対物レンズを
最内周オフセット調整位置に位置付けする。そして、サ
ーボ制御手段は、この位置で得られるRF信号の振幅と
ピット深さに対応したオフセット量に基づいてトラッキ
ング信号のオフセット調整を行なう。この場合にも、第
1の発明と同様にトラッキング信号のオフセット調整を
迅速に行なうことができる。上記第1及び第2の発明に
おけるトラッキング信号は、例えば位相差検出法によっ
て求められる。また、第1の発明の中周オフセット調整
位置は、光ディスクの記録領域内において半径方向の内
周より略1/3の所に位置されている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る光学式ディ
スク装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図
1は本発明の光学式ディスク装置の概略を示すブロック
構成図、図2は本発明の光学式ディスク装置を示す平面
図、図3は図2に示す装置の斜視図、図4はDVD用対
物レンズが光ディスクの略中周にきた時の各部材の光学
的位置関係を示す図、図5は各対物レンズが光ディスク
のデータ領域の最内周、最外周及び略中周に移動した時
の状態を示す図、図6はレーザ検出器一体デバイスを示
す構成図、図7は他のレーザ検出器一体デバイスを示す
構成図である。
【0018】まず、ディスク装置の全体構成を概略的に
説明すると、図1に示すように、このディスク装置は、
光ディスク1を載置保持するターンテーブル2を有して
おり、このターンテーブル2はスピンドルモータ3によ
り回転される。201はピックアップであり、これには
後述するように例えばCD(Compact Dis
c)用の対物レンズとDVD(Digital Ver
satile Disc)用の対物レンズ等が搭載され
ており、記録再生すべき光ディスクの種類に対応させて
両レンズが選択的に用いられる。202はRFアンプで
あり、ピックアップ201にて得られたRF信号から、
フォーカス信号やトラッキング信号を得たり、このRF
信号を2値化するコンパレータ等を含んでいる。
【0019】203はサーボ制御手段であり、上記RF
アンプ202で得られたフォーカス信号やトラッキング
信号に基づいてピックアップ201のフォーカス制御や
トラッキング制御を行ない、また、システム制御手段2
04から入力される例えばCLV(Constant
Linear Velocity)信号等に基づいてス
ピンドルモータ3のCLV回転制御を行なう。尚、この
システム制御手段204では、後述するようにトラッキ
ング信号のオフセット調整を行なう。
【0020】205は信号処理部であり、デジタル化さ
れたRF信号をEFM復調したり、エラー訂正処理等を
行なう。206はデジタルフィルタであり、207はこ
のデジタルフィルタ206の出力をアナログ信号に変換
するD/Aコンバータである。208は音声信号を再生
するスピーカ、209は映像信号を再生するモニタであ
る。
【0021】次に、本発明の主要部の具体的構成につい
て説明する。図2及び図3に示すように、1は前述した
ように例えば直径120mmのCDまたはDVDなどの
光ディスクである。光ディスク1はターンテーブル2上
にセットされ、ターンテーブル2と同軸上に設けられて
いるスピンドルモータ3により回転する。ターンテーブ
ル2の両側に互いに平行で、スピンドルモータ3の回転
軸と垂直な方向で、且つ光ディスク1と略水平な平面上
に配設されたガイドシャフト4、4があり、この2本の
ガイドシャフト4、4にならってベース部としてのピッ
クアップベース5がA方向あるいはA方向とは逆の方向
に直線的に移動が可能になっている。このピックアップ
ベース5にこれ以降説明する種々の部品が搭載されて、
ピックアップ201が構成される。
【0022】ピックアップベース5上には第1の対物レ
ンズとしてのCD用対物レンズ6、CD用立ち上げミラ
ー7、CD用の第1のレーザ発振検出部としてのレーザ
検出器一体デバイス8がCD用の光学系を構成してい
る。CD用レーザ検出器一体デバイス8から発射された
光ディスク1の面に水平なレーザ光は、CD用立ち上げ
ミラー7によりその方向が光ディスク1の面に対して垂
直方向に変えられる。この光軸はCD用対物レンズ6の
光軸と一致するものであり、CD用対物レンズ6を通過
したレーザ光は光ディスク1の記録面にジャストフォー
カスするように集光され、反射光が再びCD用対物レン
ズ6、CD用立ち上げミラー7を介してCD用レーザ検
出器一体デバイス8に入射する。
【0023】また、ピックアップベース5上には、第2
の対物レンズとしてのDVD用対物レンズ9、DVD用
立ち上げミラー10、DVD用反射ミラー12、DVD
用の第2のレーザ発振検出部としてのレーザ検出器一体
デバイス13がDVD用の光学系を構成している。この
レーザ検出器一体デバイス13は、例えば図6に示すよ
うにレーザ光源50と、反射光を検出する光検出部51
と、レーザ光源50から出射するレーザ光をDVD用反
射ミラー12側へ透過すると共に、このミラー12側か
ら入射する反射光を前記光検出部51へ導くためのホロ
グラム素子52とを備えて集積化されたデバイスであ
る。
【0024】一方、こうしたデバイス13と同様の機能
を達成するための別な手段としては図7に示すようにレ
ーザ光源53と、光受光器54と、シリンドリカルレン
ズ55と、ビームスプリッタ56を備えたものであって
もよい。尚、図6及び図7に示す構成に関しては、レー
ザ波長は異なるが、CD用レーザ検出器一体デバイス8
も同様に適用される。DVD用レーザ検出器一体デバイ
ス13から発射された光ディスク1の面に平行なレーザ
光は、一旦反射ミラー12でその方向が変えられた後、
コリメータレンズ11で発散光から平行光に変換され、
DVD用立ち上げミラー10により、光ディスク1の面
に対して垂直な向きに方向を変えられる。この光軸の方
向は、DVD用対物レンズ9の光軸と一致する。
【0025】また、CD、DVD用の対物レンズ6、9
は共にこのフォーカス、トラッキング調整を行うアクチ
ュエータが設けられている。すなわち、図2に示すよう
に両対物レンズ6、9は略矩形状のボビン20に並列さ
せて一体的に設けられており、このボビン20は、ピッ
クアップベース5側から延びる4本(図2においては2
本のみ記す)の弾発性のあるワイヤ21により光ディス
ク1の表面に対して水平に支持されて揺動可能になされ
ている。
【0026】ボビン20の両端にはフォーカス用コイル
22、22が設けられると共に、それぞれの端部には、
各一対のトラッキング用コイル23、23が並行に設け
られる。そして、これらのコイル22、23に近接させ
て、ピックアップベース5側から起立させた駆動磁石2
4、24を設けており、各コイル22、23に制御電流
を流すことで、この駆動磁石24からの磁界との相互作
用で、ボビン20をフォーカス方向及びトラッキング方
向に揺動し得るようになっている。また、後述するよう
に両対物レンズ6、9は、ディスク回転中心Oを通る線
分に対して直交する方向に並設されているのではなく、
これよりも僅かにディスク回転中心O側に傾いた方向に
並設される。
【0027】図4に示すように、ここでは第1の対物レ
ンズであるCD用対物レンズ6が光ディスク1の回転中
心OとCD用対物レンズ6の中心O1を結んだ第1の線
分25上を移動するような構成になっている。これは、
CD用レーザ検出器体一体デバイス8のトラッキング方
式が、3ビーム法を用いていることから回転中心Oを通
る第1の線分25上に沿って精度良く対物レンズ6を移
動させる必要があるからである。これに対して、第2の
対物レンズであるDVD用対物レンズ9は、光ディスク
1の回転中心OとCD用対物レンズ6の中心O1を結ん
だ第1の線分25からオフセットした方向に配置されて
いる。具体的には、図4にも示すように、第1の線分2
5に直交する第2の線分26上から僅かにオフセットさ
れて配置される。より詳しくは、この対物レンズ9はこ
の第2の線分26よりも、僅かな角度θ、例えば10度
程度だけ、回転中心O側に位置され、且つレンズ中心間
の距離L1は例えば6mm程度に設定される。
【0028】更に、CD用対物レンズ6やCD用立ち上
げミラー7、CD用レーザ検出器一体デバイス8などの
CD用の光学系及びDVD用対物レンズ9、DVD用立
ち上げミラー10、反射ミラー12、DVD用レーザ検
出器一体デバイス13などのDVD用の光学系は、共に
共通のピックアップベース5に取付けられており、フィ
ード時には同時に光ディスク1の半径方向つまりA方向
及びその反対方向に移動するようになっている。図4
は、DVD用対物レンズ9が光ディスク1の略中周にき
た時の、DVD用対物レンズ9とDVD用レーザ検出器
一体デバイス13、CD用対物レンズ6とCD用レーザ
検出器一体デバイス8の位置関係を示した図である。
【0029】この時、光ディスク1の回転中心OとDV
D用対物レンズ9の中心O2を結んだ線分27に対して
直交する方向で、且つ、光ディスク1と平行な平面上に
DVD用レーザ検出器一体デバイス13を光学的に配置
してある。つまり、DVD用対物レンズ9が光ディスク
1の略中周にきた時には、DVD用レーザ検出器一体デ
バイス13から出た後のレーザ光の方向、及び、DVD
用レーザ検出器一体デバイス13に入る前のレーザ光の
向きは、光ディスク1の回転中心OとDVD用対物レン
ズ9の中心O2を結んだ線分27に対して垂直の方向で
ある。更にいえば、DVD用レーザ検出器一体デバイス
13の光軸は光ディスク1の略中周のトラックの接線方
向となる。ここで光ディスク1の略中周とは、後述する
ように、対物レンズ9が最外周と最内周のトラックにそ
れぞれ位置する時の回転中心Oからの開き角が略1/2
になるような位置をいい、具体的には、最内外周トラッ
ク間の1/3程度、最内周トラック寄りの位置である。
以下に、光ディスク1の略中周にDVD用対物レンズ9
がきた時に、光ディスク1の回転中心OとDVD用対物
レンズ9の中心02を結んだ線分27に対して直交する
方向で、且つ、光ディスク1と平行な平面上にDVD用
レーザ検出器一体デバイス13を配置する理由を述べ
る。
【0030】図5はDVD用対物レンズ9が光ディスク
1の記録領域の最内周、最外周及び略中周に移動したと
きのそれぞれの状態を示した図である。図8はDVD用
レーザ検出器一体デバイス13が図7に示すような普通
の光学素子(レーザ光源53、光検出部54、ビームス
プリッタ56、シリンドリカルレンズ55)を用いて組
み立てた光学系の場合であり、フォーカス検出が非点収
差法、トラッキング検出が位相差法であるときの受光セ
ンサを示している。図5において2つの対物レンズ6、
9の間の距離は前述のように略6mm程度であり、両対
物レンズ6、9が最内周トラックに位置した時のDVD
用対物レンズ9の中心O2と回転中心Oとを結ぶ線分2
8が第1の線分25となす角度をθ1とし、両対物レン
ズ6、9が最外周トラックに位置した時のDVD用対物
レンズ9の中心O2と回転中心Oとを結ぶ線分29が第
1の線分25となす角度をθ3とし、両対物レンズ6、
9が中周のトラックに位置した時のDVD用対物レンズ
9の中心O2と回転中心Oとの結ぶ線分27が第1の線
分となす角度をθ2とする。この時θ3=θ1−θ2と
なるような線分27、すなわち線分27が線分28と第
1の線分25の開き角(θ1−θ3)の2等分線となる
ような線分上にDVD用対物レンズ9の中心O2が位置
するような点を中周オフセット調整位置X1とする。ま
た、DVD用対物レンズ9の中心O2が最内周トラック
上に位置するような点を最内周オフセット調整位置X2
とする。
【0031】光ディスク1が直径12cm程度のDVD
の場合には、角度θ1は略15度、角度θ2は略10
度、角度θ3は略5度である。後述するように上記中周
オフセット調整位置X1にて、4分割フォトディテクタ
の分割線とセンサ上に投影される光スポットのトラック
方向の接線とが一致するようにフォトディテクタが方向
付けされて設定される。この点を具体的に説明する。受
光手段である光検出部では、その受光領域を4分割する
分割線の1つがスポットの略トラック走行方向の接線と
一致するようになっている。尚、光検出部54が4分割
フォトディテクタ14に対応する。
【0032】DVD用レーザ検出器一体デバイス13の
内部には図8に示すような受光センサとしての4分割フ
ォトディテクタ14(図7中では光検出部54として示
される)があり、図8(a)はDVD用対物レンズ9が
光ディスク1の略中周、すなわち中周オフセット調整位
置X1にきた時の4分割フォトディテクタ14上に結ん
だ像(光パターン)16である。ただし、ここでは理解
を容易化するために像を楕円形、つまりデフォーカスに
した状態で説明する。DVD用対物レンズ9が光ディス
ク1の中周オフセット調整位置X1にきた時に、4分割
フォトディテクタ14上に投影された楕円状の像16
は、その長径D1、短径D2が4分割フォトディテクタ
14のセンサ分割線17に対してそれぞれ45度傾いた
形になるように調整されている。換言すれば、一方の分
割線17と光スポットパターン16のトラック走行方向
の接近とが厳密に一致している。
【0033】一方、このように調整された4分割フォト
ディテクタ14は、DVD用対物レンズ9が光ディスク
1の最内周(図8(b))、或いは最外周(図8
(c))にきた時には、4分割フォトディテクタ14の
分割線17の方向と4分割フォトディテクタ14上に投
影された楕円形の像16の長径D1或いは短径D2の接
線の方向は45度からそれぞれわずかな角度a、或いは
角度b分ずれる。このずれ分は、最内周(図5参照)に
おけるトラックの接線方向とDVD用レーザ検出器一体
デバイス13の光軸の角度ずれaに起因するものであ
る。すなわち、最内周においては、4分割フォトディテ
クタ14上で角度aだけ回転したようにずれが生じる。
換言すれば、スポットのトラック走行方向の接線と分割
線17の方向は完全には一致せずに僅かにずれる。この
理由は、前述したようにDVD用対物レンズ9が第1の
線分25より6mm程度だけオフセットした線分上を移
動するからである。
【0034】一方、最外周(図5参照)では同様の理由
により、角度bだけずれたようにずれが生じる。この角
度a、bは本実施例では微小な角度、例えば5度程度で
あり、且つ角度aと角度bは略等しい値である。すなわ
ち、図5に示すようにDVD用対物レンズ9が光ディス
ク1の略中周(中周オフセット調整位置X1)にきた時
に光ディスク1の回転中心OとDVD用対物レンズ9の
中心O2を結んだ線分27に対して、光ディスク1に平
行な面上で垂直な方向にDVD用レーザ検出器一体デバ
イス13を配置すれば、4分割(フォトディテクタ)に
投影される像の角度ずれ量を光ディスク1のデータ領域
全域で最小に抑えることができる。これが、光ディスク
1の回転中心OとDVD用対物レンズ9の中心O2を結
んだ線分27に対して直交する方向で、且つ、光ディス
ク1と平行な平面上にDVD用レーザ検出器一体デバイ
ス13を配置する理由である。
【0035】換言すれば、図8(a)に示す略中周の位
置では、4分割フォトディテクタ14上の楕円形の像
(光パターン)16の長径D1と短径D2が形成する角
度の2分割方向の分割線17は、トラック走行方向(接
線方向)と一致するが、図8(b)に示す最内周位置で
は、トラック走行方向は分割線17に対して角度aだけ
左回転にずれ、逆に図8(c)に示す最外周位置では、
トラック走行方向は分割線17に対して角度bだけ右回
転にずれる。そして、このずれ量がトラッキング信号に
与える悪影響をできるだけ抑制するために、対物レンズ
9の第1の線分25からのオフセット量を非常に小さく
し、且つ角度a=角度bとなるように第2の対物レンズ
9をディスク半径の略中周の位置、すなわち回転中心O
より略35mm(ディスク半径は60mm)の位置、す
なわち図5において記録領域の内周より略1/3の位置
にきた時に、レンズ中心線がトラック接線方向と同じに
なるように設定する。
【0036】すなわち、図5において開き角(θ1−θ
3)の2等分線上27上にDVD用対物レンズ9の中心
θ2が位置する所、すなわち中周オフセット中周位置X
1においてスポットのトラック走行方向の接続方向とフ
ォトディテクタ14の分割線17とを一致させるように
すれば、像の角度ずれ量を最も抑制することができる。
【0037】尚、回転中心Oと対物レンズ9の中心を通
る線分27が第1の線分25となす角度は、前述のよう
に中周の時の角度θ1は10度、最内周の時の角度θ2
は15度、最外周の時の角度θ3は5度程度である。図
中、30は4分割フォトディテクタ14の対角線方向に
位置される分割素子同士の和の値を比較して、フォーカ
ス信号を求める比較器である。また、31、32は上記
各和信号をゼロレベルと比較するレベル比較器であり、
33はこれら比較器31、32の出力を比較してトラッ
キング信号を求める位相比較器である。これらの各比較
器30、31、32、33は、図1中のRFアンプ20
2の一部を構成する。
【0038】ここで、上記DVD用の対物レンズ9の第
1の線分25からのオフセット量がどの程度までなら、
トラッキング信号に悪影響を与えずに許容されるかとい
う点について詳しく説明する。図9は図8に示すフォト
ディテクタとこれに接続されるトラッキング信号系の回
路を詳しく示す回路図であり、図10は図9に示す回路
中の各部の信号波形を示す波形図、図11は図9に示す
回路から出力されるトラッキング信号を示す波形図であ
る。
【0039】図9は図8に示したと同様な構造の4分割
フォトディテクタ14を示しており、この素子の前段の
光源に、一方向にはレンズ作用を有し、これと直交する
方向にはレンズ作用のないシリンドリカルレンズ(図示
せず)を設けて、図8を参照して説明したように各ディ
テクタ上でスポットパターンが円形から楕円形に変化す
る時の各分割素子の出力に基づいてフォーカス信号やト
ラッキング信号を求めている。尚、RF信号は各分割素
子の出力の総和として求める。また、シリンドリカルレ
ンズの母線(レンズ作用のない方向)は光ディスクのト
ラック方向に対して45度の方向に設定される。
【0040】図9において210、211はフォトディ
テクタ14からの信号を増幅する増幅器、31、32は
上述のようにゼロレベルと増幅された信号とを比較する
レベル比較器、33は位相比較器であり、分割されたフ
ォトディテクタからの信号間の位相を比較する。21
2、213はローパスフィルタ、214は差動増幅器で
あり、両信号間の位相差に応じた三角波状のトラッキン
グ信号(図11参照)を出力する。この場合、トラッキ
ング信号は、その振幅の中心がゼロレベルから外れてい
るので、後述するようにオフセット調整を行なわなけれ
ばならない。ここで、フォトディテクタ14はその一方
の分割線17(図中、上下方向に延びる)が基準となる
方向よりも角度αだけ傾いて設定されており、この角度
αは、図5中における角度θ2と同じに設定されてい
る。従って、図5中における中周オフセット調整位置X
1にDVD用対物レンズ9の中心O2が位置した時に、
上記分割線17と光スポットのトラック走査方向の接線
とが厳密に一致するようになっている。すなわち、ピッ
クアップがディスク半径方向へ移動するに従って図9に
おいて、トラック走行方向(接線)は分割線17を中心
として一定の範囲内で変動することになる。
【0041】尚、差信号を得る場合に、図示例では上下
方向に延びる分割線17を挟んで配置される素子同士の
差をとっているが、破線で示す信号を加えて対角方向に
配置される素子同士の信号を加えて、それらの差信号を
とるようにしてもよい。図10(a)、(b)に示すよ
うに、アンプ210、211の出力信号A1、A2は、
正弦波となり、光スポットの投射位置によって、両出力
信号号A1、A2の位相差がずれることになる。両信号
A1、A2はそれぞれ、各レベル比較器31、32によ
ってパルス信号B1、B2に変換され(図10(c),
(d)参照)、このパルス信号B1、B2を位相比較器
33で比較することによってどちらの信号の位相が進ん
でいるかを示すそれぞれの比較信号C1、C2が出力さ
れる(図10(e),(f)参照)。そして、両比較信
号C1、C2を差動増幅器214に入力することによっ
て、図11に示すような三角波形状のトラッキング信号
を得る。
【0042】ところで、フォーカス信号に対してはデフ
ォーカス状態で4分割フォトディテクタ14上の光スポ
ットが変形するのを検出しているが、ディスク信号面か
らの反射光はピット列のトラックをよぎるとき、トラッ
クの回折の影響で光強度分布が光軸に直交した平面上で
均一ではなく、サーボ帯域(およそ30KHz以下)で
変動する。この成分が実際は4分割フォトディテクタ1
4上の像面でトラック方向の軸に対して対称に現れ、フ
ォーカス検出のときの差動演算では同相成分となって消
去できるようにしている。非点収差法以外のフォーカス
検出方式も同様の原理で打ち消すようにしている。
【0043】本発明ではこの条件がDVD用の対物レン
ズ9の設置位置がディスク半径方向より僅かにオフセッ
トしているため、ピックアップを光ディスクの内外周に
送ったとき変化する。つまり、分割フォトディテクタの
図中上下方向の分割線17が反射スポットのトラック走
行方向と中周部の一点でしか一致しない。ずなわち、図
5に示すように対物レンズ9が中周オフセット調整位置
X1にきた時しかトラック走行方向とレンズ中心線が一
致しない。
【0044】このため、トラック方向の分割線17で軸
対称なことで差動演算により消去できていたトラックク
ロス(トラクックまたぎ)による変調成分が残存し、フ
ォーカス信号に妨害成分が混入する。この混入程度は軸
の不一致の角度によって決まる(言い換えるとトラック
接線方向とレンズ中心線が一致しない角度ずれに応じて
決まる)。図12は角度ズレをトラッククロス混入信号
レベルとの関係を示すグラフであり、角度ズレが0度の
時もフォーカスサーボONのみでは若干混入があるが、
角度ズレを±20度の範囲で変化させたとき、混入成分
が大きくなる。しかし、±7度程度の範囲内では混入量
は少なく、特に、±5度程度以内では変動が少なく問題
がない。
【0045】また、トラッキング信号はピット列のトラ
ック上を読み取りスポットが移動したときの対物レンズ
の瞳面位置での回折による光強度分布の変化を、光軸を
中心としてXY軸(トラック走行方向とこれに対する直
交方向)で区分した4つの領域の光強度を等価的にフォ
トディテクタ上像面で受光ときの各信号の対角和信号の
位相差、或いはトラック走行方向を挟んで隣接する2つ
の分割素子出力信号の位相差で検出している。尚、4つ
の分割素子の出力信号を用いてトラッキング信号を求め
る方式をノーマル位相差法と称し、トラック走行方向を
挟んで隣接する2つの分割素子の出力信号を用いてトラ
ッキング信号を求める方式をシングル位相差法と称す。
図9ではトラッキング信号を求めるための回路構成を示
し、ノーマル位相差法の時に結ぶ配線を破線で示してい
る。
【0046】このときもトラック走行方向とセンサの分
割線17の方向の不一致が問題である。ここで、トラッ
ク走行方向と分割線方向の不一致がトラッキング信号に
対する影響を調べるために、(1)ディスクの読み取り
半径を変化した時、(2)ディスクピット深さが信号の
レベルで規定されている範囲内で変化した時、(3)ノ
ーマル位相差法とシングル位相差法の両方で検出した場
合の評価を行なう。ここで誤差信号の変動の範囲を10
%以内、好ましくは5%以内とする。4分割フォトディ
テクタ14に関しては、前述のようにこの分割線17と
トラック走行方向を記録領域の内周側より1/3の位
置、すなわち中周オフセット調整位置X1で一致させて
おり、読み取り半径が変化することによるトラッキング
信号の変動を少なくなるようにし、且つ変動幅が中周オ
フセット調整位置X1を中心として内周と外周で同じに
なるように振り分けている。
【0047】図12はフォトディテクタの分割線17の
傾斜角度αに対する位相差トラッキング信号レベルの変
動を示すグラフであり、グラフ中、△はピット深さがλ
/8であり、シングル位相差法の場合、■はノーマル位
相差法の場合でピット深さによる位相差トラッキング信
号のレベル変動はない場合(依存性がない)、×はピッ
ト深さがλ/5であり、シングル信号位相差法の場合を
それぞれ示す。グラフから明らかなように、各出力信号
に対してトラッキング信号レベルの変動を20%以内に
抑制するためには、フォトディテクタの傾斜角度αは1
2度以内に設定することが好ましいことが判明する。
【0048】従って、図5にて説明したように、DVD
対物レンズ9が、光ディスクの回転中心Oより略35m
mの中周オフセット調整位置X1にきた時に、トラック
走行方向と対物レンズ9の中心線(分割線に一致)とを
一致させるように設定しておけば、換言すれば、図5中
の線分27の角度θ2を12度よりも小さい10度に設
定しておけば、この調整位置X1から内周側或いは外周
側にDVD用対物レンズ9が移動しても、その時の回転
中心Oに対する角度のずれは、略±5度の範囲内であ
り、DVD規格で規定された信号変調度が得られる、あ
る範囲のピット深さのディスクに対しても、トラッキン
グ信号に悪影響を与えないことが判明する。このよう
に、DVD用の対物レンズ9の設置位置を、上述したよ
うなオフセット量の範囲内に納まるような位置に設ける
ことにより、ディスクの回転中心Oを水平移動させるこ
となく、これを固定的に設けるようにしても、トラッキ
ング信号に悪影響を与えることがない。
【0049】ここで、DVD用対物レンズ9のオフセッ
ト量L1を6mm(図4参照)に設定して4分割フォト
ディテクタ14の傾斜角度α(図9参照)を0度と10
度にした時に得られる分割線と光スポットのトラック走
行方向とのなす角度の変化について検証したので説明す
る。図14はこの時の変化を示すグラフであり、傾斜角
度αが0度の時は、角度は17度から5度にかけて大き
く変動して好ましくないのに対して、傾斜角度αが10
度の時には、角度はディスク半径が35mm付近で0度
となって、この0度を中心として変動角は僅かに±5度
程度であって非常に少なく、良好であることが判明す
る。
【0050】次に、上記した設置条件において、DPD
検出法の場合の角度差(分割線とスポットのトラック走
行方向の接線とのなす角度)によるフォーカス信号のオ
フセット変動の計算値と実測値を求めたので、それにつ
いて説明する。図15は角度差(分割線とスポットのト
ラック走行方向の接線とのなす角度)とフォーカス信号
のオフセット量(電圧換算)との関係を示すグラフであ
り、理論値と実測値を併せて記載している。尚、グラフ
中ではピットの深さを種々異ならせて示している。これ
はピットの深さの変動が規格上許される範囲、すなわち
λ/4〜λ/6.7の範囲以上に亘って特性を調べるた
めである。尚、ここでの波長λは、ディスク材料の屈折
率を加味したものとする。グラフから明らかなように、
角度差が大きくなるに従って、理論値及び実測値は共に
オフセット量が次第に大きくなっており、傾向が類似し
ていることが判明する。従って、トラッキング信号のオ
フセット調整を行なうには、角度差ゼロの位置、すなわ
ち中周オフセット調整位置X1の位置が最適であること
が判明する。
【0051】もし、DPD法により得られたトラッキン
グ信号にオフセットがあると、トラッキング引き込み後
オフトラックセンターで再生するため、信号レベルが低
下し、隣接トラックのクロストークを受けてジッター特
性が劣化してしまう。また、アクセス動作時、DVD用
対物レンズが中心からシフトした状態で再生するためト
ラッキング信号にオフセットを発生する。オフセット調
整が想定される変化範囲の中心になっていないとオフセ
ットが発生した結果、初期オフセットに加算され、オフ
セットが更に大きくなり、安定な信号再生のマージンが
減少することになる。本発明のようにDVDの対物レン
ズがディスクの半径線方向よりオフセットして配置され
ている場合、角度差に依存したオフセットを排除してそ
の他のオフセットを自動調整するには角度差が0度の位
置が調整の最適点であることがわかる。
【0052】このように、本発明では、DVDディスク
の起動時には、図1に示すサーボ制御手段203がまず
ピックアップ201を移動してDVD用対物レンズ9
(図5参照)の中心O2を中周オフセット調整位置X1
に位置させ、ここで得られたRF信号の振幅最大点にお
けるトラッキング信号のレベルを0Vとなるようにして
オフセット調整を行なう。ここでの調整の状態は、例え
ば図11に示されており、この調整により図11に示す
ようにトラッキング信号の振幅の中心に電圧ゼロレベル
が合わせられることになる。従って、従来の装置で行な
われていた走査、すなわち光ディスクの半径方向全長に
亘ってピックアップを走査する操作を不要にできるの
で、迅速にトラッキング信号のオフセット調整を行なう
ことができる。
【0053】上記実施例では、トラッキング信号のオフ
セット調整時には、ピックアップ201を駆動してDV
D用対物レンズ9の中心O2を中周オフセット調整位置
に位置付けしてオフセット調整を行なったが、これに代
えて、DVD用対物レンズ9の中心O2を図5中の最内
周オフセット調整位置X2に位置付けしてオフセット調
整を行なうようにしてもよい。
【0054】この場合には、光ディスクのピット深さに
よってオフセットは異なるのでタンジェンシャルプッシ
ュプル信号を測定し、このデータによってピット深さを
求め、これによりオフセットのディスク半径方向におけ
る変化を係数として求める。そして、上記最内周オフセ
ット調整位置X2におけるオフセットに係数を演算して
オフセット補正することにより、オフセット調整を行な
うことができる。この点について更に詳しく説明する。
図16はピットに照射される光スポットとその時ピット
深さに依存してフォトディテクタ上に投影される反射ス
ポットの状態を示す図である。図16(a)に示すよう
に、ピット216に光スポット217が照射された場
合、ピット深さがλ/4(λはレーザ光の波長)の時に
は、図16(b)に示すように4分割フォトディテクタ
14上に投影される光スポット218には、図中上下に
均等に斜線で示す光欠け部分219が発生するが、ピッ
ト深さがλ/4以外の時には図16(c)に示すように
図中上下に発生する光欠け部分219の面積が均等には
ならず、その不均等量はピット深さに依存する。図17
は縦方向の分割線17について左右に隣合う素子同士
A、BまたはC、Dの和信号を示すグラフであり、素子
(A+B)の信号と素子(C+D)の信号に位相差が生
じている。すなわちピット深さにより、トラック進行方
向の前後のセンサ素子信号間に位相差が現れる。
【0055】まず最初に、信号を再生した時このタンジ
ェンシャル位相差を検出し、これにより、ピット深さを
求める。図18はこの時のピット深さと平均位相差との
関係を示すグラフであり、このグラフより位相差がピッ
ト深さ値となる。このピット深さより図15で示したパ
ターンと分割線の角度差に依存したオフセット変動分を
演算する。本件の例では図14に示すように半径23m
m(最内周トラック位置に対応)では約5度の角度であ
る。これにより最内周位置(最内周オフセット調整位置
X2)で、角度に起因したオフセット成分をピット深さ
データと最内周半径位置の角度よりオフセットデータを
テーブルより演算する。これで半径に依存したオフセッ
トを排除して、トラッキング信号のオフセットを調整す
る。これにより等価的に先の実施例で説明したように半
径35mm付近に読み取りスポットを移動して半径依存
のオフセットを排除してオフセット調整したのと同じ状
態が再現できる。
【0056】尚、前記各実施例の説明はシリンドリカル
レンズを用いた方式について説明したが、図6にて説明
したように、DVD用レーザ検出器一体デバイス13が
ホログラム素子52と光検出部51とレーザ光源50よ
りなるものにも適用できる。レーザ光源50より出射さ
れた光束はホログラム素子52を通過してコリメータレ
ンズ11(図3参照)で平行光に変換されて第2の対物
レンズ9(図3参照)に入射される。光ディスク1から
の反射光はコリメータレンズ11で収束されながらホロ
グラム素子52に入射し、3つの領域に分割される。こ
の分割光は光検出部51の6つのセンサD1〜D6で受
光される。光束をトラック進行方向で前後に分割する。
1つはフーコー法により、センサD1+D3とセンサD
2+D5の受光信号を差動演算することによりフォーカ
ス誤差信号を検出する。他方は、トラック進行方向で2
分割され、それぞれの領域の光束はセンサD5、D6で
受光され、位相差信号を検出する。
【0057】この場合、ホログラム素子52上に投影さ
れる光スポットのトラック走行方向とホログラム分割線
57との関係を、図9にて説明したと同様な関係に設定
することになる。尚、上記各実施例においては2つの対
物レンズ6、9間の距離を6mmに設定した場合を例に
とって説明したが、この数値に限定されるものでないの
は勿論である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学式デ
ィスク装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮
することができる。種類の異なる光ディスクに対する第
1及び第2の対物レンズを、光ディスクの半径方向に略
直交する方向に沿って接近させて設け、センサ分割線或
いはホログラム分割線と光パターンのトラック走行方向
の接線とが一致する中周オフセット調整位置或いは最内
周オフセット調整位置でトラッキング信号のオフセット
調整を行なうようにしたので、ピックアップをディスク
半径方向全面に亘って走査する必要がなくなり、オフセ
ット調整を迅速に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学式ディスク装置の概略を示すブロ
ック構成図である。
【図2】本発明の光学式ディスク装置を示す平面図であ
る。
【図3】図2に示す装置の斜視図である。
【図4】DVD用対物レンズが光ディスクの略中周にき
た時の各部材の光学的位置関係を示す図である。
【図5】各対物レンズが光ディスクのデータ領域の最内
周、最外周及び略中周に移動した時の状態を示す図であ
る。
【図6】レーザ検出器一体デバイスを示す構成図であ
る。
【図7】他のレーザ検出器一体デバイスを示す構成図で
ある。
【図8】4分割フォトディテクタに投影された像を示す
図である。
【図9】図8に示すフォトディテクタとこれに接続され
るトラッキング信号系の回路を詳しく示す回路図であ
る。
【図10】図9に示す回路中の各部の信号波形を示す波
形図である。
【図11】図9に示す回路から出力されるトラッキング
信号を示す波形図である。
【図12】角度ズレとクロストラック混入信号レベルと
の関係を示すグラフである。
【図13】フォトディテクタの傾斜角度とトラッキング
信号レベルとの関係を示すグラフである。
【図14】分割線と光スポットのトラック走行方向との
なす角度がディスク半径に依存する状態を示すグラフで
ある。
【図15】角度差(分割線とスポットのトラック走行方
向の接線とのなす角度)とフォーカス信号のオフセット
量(電圧換算)との関係を示すグラフである。
【図16】ピットに照射される光スポットとその時ピッ
ト深さに依存してフォトディテクタ上に投影される反射
スポットの状態を示す図である。
【図17】縦方向の分割線について左右に隣合う素子同
士の和信号を示すグラフである。
【図18】ピット深さと平均位相差との関係を示すグラ
フである。
【図19】従来の光学ピックアップの平面図である。
【図20】従来の他の光学ピックアップを示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1…光ディスク、3…スピンドルモータ、5…ピックア
ップベース(ベース部)、6…CD用の対物レンズ(第
1の対物レンズ)、8…CD用レーザ検出器一体デバイ
ス(第1のレーザ発振検出部)、9…DVD用の対物レ
ンズ(第2の対物レンズ)、13…DVD用レーザ検出
器一体デバイス(第2のレーザ発振検出部)、14…4
分割フォトディテクタ(受光センサ)、16…像(光パ
ターン)、17…センサ分割線、25…第1の線分、2
6…第2の線分、57…ホログラム分割線、201…ピ
ックアップ、202…RFアンプ、203…サーボ制御
手段、204…システム制御手段、205…信号処理
部、X1…中周オフセット調整位置、X2…最内周オフ
セット調整位置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2の対物レンズを介して、光デ
    ィスクの種類に応じた波長のレーザ光を出射すると共に
    その反射光を受光検出する第1、第2のレーザ発振検出
    部を設けて、光ディスクの半径方向へ移動可能なベース
    部を備えたピックアップを有する光学式ディスク装置に
    おいて、前記第1の対物レンズは前記光ディスクの回転
    中心を通る第1の線分上に位置し、前記第2の対物レン
    ズは前記第1の線分に対して略直交する第2の線分上に
    あって前記第1の線分に対して所定の距離だけオフセッ
    トさせて配置させており、前記ピックアップのトラッキ
    ング制御を行なうサーボ制御手段は、前記第2のレーザ
    発振検出部のセンサ分割線またはホログラム分割線と受
    光したスポットパターンのトラック走行方向の接線とが
    一致する中周オフセット調整位置で得られるRF信号の
    振幅に基づいてトラッキング信号のオフセット調整を行
    なうように構成したことを特徴とする光学式ディスク装
    置。
  2. 【請求項2】 第1、第2の対物レンズを介して、光デ
    ィスクの種類に応じた波長のレーザ光を出射すると共に
    その反射光を受光検出する第1、第2のレーザ発振検出
    部を設けて、光ディスクの半径方向へ移動可能なベース
    部を備えたピックアップを有する光学式ディスク装置に
    おいて、前記第1の対物レンズは前記光ディスクの回転
    中心を通る第1の線分上に位置し、前記第2の対物レン
    ズは前記第1の線分に対して略直交する第2の線分上に
    あって前記第1の線分に対して所定の距離だけオフセッ
    トさせて配置させており、前記ピックアップのトラッキ
    ング制御を行なうサーボ制御手段は、前記光ディスクの
    記録領域の最内周である最内周オフセット調整位置で、
    第2のレーザ発振検出部から得られたRF信号の振幅と
    ピット深さを検出し、これに対応したオフセット量の補
    正に基づいてトラッキング信号のオフセット調整を行な
    うように構成したことを特徴とする光学式ディスク装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100636127B1 (ko) * 2001-12-01 2006-10-19 삼성전자주식회사 광픽업용 액츄에이터
JP2009181679A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Fujitsu Ten Ltd 光学モジュール、ピックアップ装置及び記録ディスク再生装置
US7800989B2 (en) 2005-08-31 2010-09-21 Sony Corporation Disc-driving apparatus and method for controlling the same

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