JPH11248906A - レンズ及びこれを用いた光学装置 - Google Patents
レンズ及びこれを用いた光学装置Info
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- JPH11248906A JPH11248906A JP5485098A JP5485098A JPH11248906A JP H11248906 A JPH11248906 A JP H11248906A JP 5485098 A JP5485098 A JP 5485098A JP 5485098 A JP5485098 A JP 5485098A JP H11248906 A JPH11248906 A JP H11248906A
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- filling
- lens surface
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- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B3/00—Simple or compound lenses
- G02B3/12—Fluid-filled or evacuated lenses
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- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面の平滑性に優れ、かつ複雑な形状を有す
る高精度レンズを提供する。 【解決手段】 レンズ表面に存在する加工痕からなる凹
凸部に、屈折率などの光学的特性がレンズに近い値のS
iO2や透明な高分子材料などを埋めることで平滑化す
る。充填材料のSiO2の形成にはポリシラザンをレン
ズ表面に塗布し焼成する方法や、紫外線硬化樹脂をレン
ズ表面に塗布し硬化させる方法が簡易でありさらにコス
ト等の点でも優れている。
る高精度レンズを提供する。 【解決手段】 レンズ表面に存在する加工痕からなる凹
凸部に、屈折率などの光学的特性がレンズに近い値のS
iO2や透明な高分子材料などを埋めることで平滑化す
る。充填材料のSiO2の形成にはポリシラザンをレン
ズ表面に塗布し焼成する方法や、紫外線硬化樹脂をレン
ズ表面に塗布し硬化させる方法が簡易でありさらにコス
ト等の点でも優れている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真技術を用い
た画像形成装置やカメラ等の光学製品の光学素子及びそ
の製造方法に関するものである。
た画像形成装置やカメラ等の光学製品の光学素子及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来レンズ製造技術として最も一般的な
技術は研磨方法によるものである。例えば、特開昭62
−203744に記載されているように研磨皿を予め加
工すべきレンズ形状と相反関係をなす形状に加工してお
き、この研磨皿をガラス素材に押し当て、砥粒を研磨皿
とガラス素材の隙間に供給しこすり合わせる方法であ
る。この方法では非常に微細な砥粒を用いて研磨を行う
ため、加工時に硝材に加わる加工応力は小さく、したが
って被加工物内部に残留する歪は少ないと言う利点を有
する。しかし、被加工物の最終仕上がり形状が単純な形
状でないと加工が行なえないため、加工形状選択の自由
度は小さい。
技術は研磨方法によるものである。例えば、特開昭62
−203744に記載されているように研磨皿を予め加
工すべきレンズ形状と相反関係をなす形状に加工してお
き、この研磨皿をガラス素材に押し当て、砥粒を研磨皿
とガラス素材の隙間に供給しこすり合わせる方法であ
る。この方法では非常に微細な砥粒を用いて研磨を行う
ため、加工時に硝材に加わる加工応力は小さく、したが
って被加工物内部に残留する歪は少ないと言う利点を有
する。しかし、被加工物の最終仕上がり形状が単純な形
状でないと加工が行なえないため、加工形状選択の自由
度は小さい。
【0003】一方、光学系の高性能化が要求されるのに
従い、レンズ形状精度の高精度化とともにレンズ形状の
非球面化技術が重要となる。上述の研磨加工方法で非球
面を加工することは困難であり一般的にはNC制御を用
いて機械加工により非球面を形成する。この段階でのレ
ンズ加工面はレンズとして使用に耐えるだけの鏡面には
なっておらず、数μm程度の形状誤差があり、さらに加
工面には加工工具の跡すなわち加工痕が残っている。
従い、レンズ形状精度の高精度化とともにレンズ形状の
非球面化技術が重要となる。上述の研磨加工方法で非球
面を加工することは困難であり一般的にはNC制御を用
いて機械加工により非球面を形成する。この段階でのレ
ンズ加工面はレンズとして使用に耐えるだけの鏡面には
なっておらず、数μm程度の形状誤差があり、さらに加
工面には加工工具の跡すなわち加工痕が残っている。
【0004】ところで延性モード研削を行えば、ガラス
のような脆性材料でも鏡面の研削面を得ることが可能と
なる。例えば特願平2−53557号明細書記載の非球
面レンズ加工方法によれば、被加工物がモータで回転す
るテーブル上に取り付けられると共に、これらの被加工
物を加工するための砥石がエアスピンドルに取り付けら
れて、10000rpm程度の回転数で回転している。
そして、回転テーブルの回転軸に直結したロータリーエ
ンコーダーからパルスを検出して、そのパルスをもとに
加工データをピエゾアクチュエータに供給し、直進テー
ブルを連続的に前後に動かす。また、エアスピンドル
は、回転テーブルの一回転毎にステップ送りされて、そ
の位置を変化させることにより、砥石と被加工物の接触
位置を変えている。この方法によれば、任意の非軸対称
非球面形状を加工することができる。さらにこの方法で
は被加工物に対する砥石の切り込み量をサブミクロンオ
ーダーで制御することができるため、脆性材料を延性モ
ードで研削することが可能となり、研削加工だけでレン
ズとして用いるのに十分な鏡面を得ることが可能とな
り、また形状誤差もレンズとして必要なサブミクロンオ
ーダーの大きさまで低減させることが可能となる。
のような脆性材料でも鏡面の研削面を得ることが可能と
なる。例えば特願平2−53557号明細書記載の非球
面レンズ加工方法によれば、被加工物がモータで回転す
るテーブル上に取り付けられると共に、これらの被加工
物を加工するための砥石がエアスピンドルに取り付けら
れて、10000rpm程度の回転数で回転している。
そして、回転テーブルの回転軸に直結したロータリーエ
ンコーダーからパルスを検出して、そのパルスをもとに
加工データをピエゾアクチュエータに供給し、直進テー
ブルを連続的に前後に動かす。また、エアスピンドル
は、回転テーブルの一回転毎にステップ送りされて、そ
の位置を変化させることにより、砥石と被加工物の接触
位置を変えている。この方法によれば、任意の非軸対称
非球面形状を加工することができる。さらにこの方法で
は被加工物に対する砥石の切り込み量をサブミクロンオ
ーダーで制御することができるため、脆性材料を延性モ
ードで研削することが可能となり、研削加工だけでレン
ズとして用いるのに十分な鏡面を得ることが可能とな
り、また形状誤差もレンズとして必要なサブミクロンオ
ーダーの大きさまで低減させることが可能となる。
【0005】しかし、この方法では非球面部仕上げに多
大な加工時間を要すること、さらには研削面にサブミク
ロンオーダーの凹凸を有する加工痕が残り、レンズの高
分解能化が要求される場合、このわずかな加工痕がレン
ズ光学特性に悪影響を及ぼすことなど問題が残る。した
がってNC加工によりレンズのような光学素子を加工す
る場合は、仕上げ加工が必要になる。仕上げ加工方法と
しては一般的には研磨方法がよく用いられる。研磨方法
により非球面表面を仕上げる場合、例えばダイヤモンド
砥粒をフェルトのような柔らかいパッドで仕上げ面にこ
すり付ける動作を繰り返し仕上げ面の状態を整える。レ
ンズ表面の形状誤差成分は大きく分けて3種類ある。す
なわち、 (1)うねり(ピッチ:数百μm〜数mmオーダー) (2)面粗さ(ピッチ:サブミクロン〜ミクロンオーダ
ー) (3)加工痕(数十μm〜数百μm) このうち、うねり成分はNC加工機の機械精度に依存す
るところが大きい。したがって仕上げ研磨では補正でき
ないためNC加工の段階でかなり低減させる必要があ
る。一方、面粗さは仕上げ研磨で十分改善が可能であ
る。しかるに加工痕はピッチの大きさもうねりと面粗さ
の中間に位置し、研磨で補正しようとするとレンズ全体
の形状を損なうことになり、うねり成分を増やすことに
なる。しかもこの加工痕は工具が被加工物表面と接触し
た跡であるため、うねりのようにNC加工で低減させる
訳にはいかない。
大な加工時間を要すること、さらには研削面にサブミク
ロンオーダーの凹凸を有する加工痕が残り、レンズの高
分解能化が要求される場合、このわずかな加工痕がレン
ズ光学特性に悪影響を及ぼすことなど問題が残る。した
がってNC加工によりレンズのような光学素子を加工す
る場合は、仕上げ加工が必要になる。仕上げ加工方法と
しては一般的には研磨方法がよく用いられる。研磨方法
により非球面表面を仕上げる場合、例えばダイヤモンド
砥粒をフェルトのような柔らかいパッドで仕上げ面にこ
すり付ける動作を繰り返し仕上げ面の状態を整える。レ
ンズ表面の形状誤差成分は大きく分けて3種類ある。す
なわち、 (1)うねり(ピッチ:数百μm〜数mmオーダー) (2)面粗さ(ピッチ:サブミクロン〜ミクロンオーダ
ー) (3)加工痕(数十μm〜数百μm) このうち、うねり成分はNC加工機の機械精度に依存す
るところが大きい。したがって仕上げ研磨では補正でき
ないためNC加工の段階でかなり低減させる必要があ
る。一方、面粗さは仕上げ研磨で十分改善が可能であ
る。しかるに加工痕はピッチの大きさもうねりと面粗さ
の中間に位置し、研磨で補正しようとするとレンズ全体
の形状を損なうことになり、うねり成分を増やすことに
なる。しかもこの加工痕は工具が被加工物表面と接触し
た跡であるため、うねりのようにNC加工で低減させる
訳にはいかない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにNC加工
を用いることにより複雑なレンズ形状の加工が可能とな
る。しかし機械加工である以上、工具と被加工物表面が
接触することにより加工痕は必ず生じる。そしてこの加
工痕の大きさの程度によりレンズの光学特性が低下する
こともある。
を用いることにより複雑なレンズ形状の加工が可能とな
る。しかし機械加工である以上、工具と被加工物表面が
接触することにより加工痕は必ず生じる。そしてこの加
工痕の大きさの程度によりレンズの光学特性が低下する
こともある。
【0007】本発明の目的は、レンズのような光学素子
を高精度に加工することができる形状創成方法を提供す
ることにある。
を高精度に加工することができる形状創成方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来のレンズでは表面に
コーティングする方法が一般的にとられているが、目的
は反射防止等であって膜はレンズ表面の形状にならって
形成されており、表面の凹凸は殆ど修正されることはな
い。
コーティングする方法が一般的にとられているが、目的
は反射防止等であって膜はレンズ表面の形状にならって
形成されており、表面の凹凸は殆ど修正されることはな
い。
【0009】上記目的を達成するための本発明の加工方
法は以下の通りである。すなわち、被加工物表面の加工
痕部に、光学特性がレンズ材質に極めて近い材料を埋め
込むことにより凹凸を平滑化し加工痕を低減させようと
するものである。埋め込む材料としてはSiO2のよう
な無機材料やポリマーのような有機材料がある。
法は以下の通りである。すなわち、被加工物表面の加工
痕部に、光学特性がレンズ材質に極めて近い材料を埋め
込むことにより凹凸を平滑化し加工痕を低減させようと
するものである。埋め込む材料としてはSiO2のよう
な無機材料やポリマーのような有機材料がある。
【0010】材料を加工痕に埋め込む手段としては真空
蒸着やプラズマCVD等によりSiO2を充填する方法
や、Si、N、H(または有機基)からなるポリマー
で、加熱等によってシリカ(SiO2)に転化するポリ
シラザンのような材料を塗布し焼成する方法がある。ま
た、樹脂材料を塗布し、膜を形成する方法もある。
蒸着やプラズマCVD等によりSiO2を充填する方法
や、Si、N、H(または有機基)からなるポリマー
で、加熱等によってシリカ(SiO2)に転化するポリ
シラザンのような材料を塗布し焼成する方法がある。ま
た、樹脂材料を塗布し、膜を形成する方法もある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下実施の形態を参照して本発明
を説明する。
を説明する。
【0012】(実施例1)本実施例で用いた非軸対称非
球面fθガラスレンズを図1に示す。レンズの硝材には
BK7を用いた。ガラス素材のA面側は主走査方向曲率半
径がR1であり、副走査方向の曲率半径がr1,r2,
r3とそれぞれ場所によって異なるいわゆる変形トーリ
ック形状を有し、B面は、平面形状である。さらに、A
面、B面共に鏡面に仕上げている。A面は非球面形状で
あるためNC研削により加工を行った。本例では延性モ
ード研削を行っているため、研削加工のみでかなり鏡面
になっているが、その加工原理から図1に示すように砥
石の加工痕1はレンズ2の主走査方向についている。今
の場合、加工痕の幅が100μm程度、最大深さが0.087μ
m、ピッチが100μm程度であった。なお、面粗さは平
均面粗さで0.019μm、ガラスレンズ面のうねり量は副走
査方向で長さ8mmの範囲0.28μmP-Pであった。レンズ表
面の形状測定結果を図2に示す。なお、レンズ面のうね
り量測定に関しては接触式形状測定機を用いて行ってお
り、加工痕の形状測定及び面粗さ測定は非接触式形状測
定機を用いた。実施例の参照図面は加工痕の形状評価結
果のみを掲載した。以下、実施例2及び3に関しても同
様である。
球面fθガラスレンズを図1に示す。レンズの硝材には
BK7を用いた。ガラス素材のA面側は主走査方向曲率半
径がR1であり、副走査方向の曲率半径がr1,r2,
r3とそれぞれ場所によって異なるいわゆる変形トーリ
ック形状を有し、B面は、平面形状である。さらに、A
面、B面共に鏡面に仕上げている。A面は非球面形状で
あるためNC研削により加工を行った。本例では延性モ
ード研削を行っているため、研削加工のみでかなり鏡面
になっているが、その加工原理から図1に示すように砥
石の加工痕1はレンズ2の主走査方向についている。今
の場合、加工痕の幅が100μm程度、最大深さが0.087μ
m、ピッチが100μm程度であった。なお、面粗さは平
均面粗さで0.019μm、ガラスレンズ面のうねり量は副走
査方向で長さ8mmの範囲0.28μmP-Pであった。レンズ表
面の形状測定結果を図2に示す。なお、レンズ面のうね
り量測定に関しては接触式形状測定機を用いて行ってお
り、加工痕の形状測定及び面粗さ測定は非接触式形状測
定機を用いた。実施例の参照図面は加工痕の形状評価結
果のみを掲載した。以下、実施例2及び3に関しても同
様である。
【0013】レンズ表面を平滑化するために図3に示す
ように加工痕1からなる凹凸部を充填材料である透光性
材料3で埋めた。本実施例では透光性材料としてSiO
2を用いている。SiO2充填材料の形成にはポリシラザ
ンをレンズ表面に塗布し焼成する方法を用いた。ポリシ
ラザンとはSi、N、H(または有機基)からなるポリ
マーで、加熱等によってシリカ(SiO2)に転化する
材料である。シラザンはSi−N結合をもつ化合物であ
り、ポリシラザンはSiH2NHを基本としている。東
燃株式会社製ポリシラザン「東燃ポリシラザン」をキシ
レンに溶かし、この溶液中にガラスレンズを浸し、引き
上げて凹凸部に充填した。自然乾燥させた後、600℃、
1時間電気炉中で焼成した。充填部を分析した所、ほぼ
100%の純粋な石英ガラス状態となっていた。よって、屈
折率などの光学特性がレンズの材質と同じ充填材料を、
ポリシラザンを用いることによって容易に作製すること
ができる。また、この石英ガラス薄膜層の平均厚さは0.
3μm、平均面粗さ0.003μmであった。うねり量はサンプ
ル中央部長さ8mmの範囲0.33μmP-Pであった。
ように加工痕1からなる凹凸部を充填材料である透光性
材料3で埋めた。本実施例では透光性材料としてSiO
2を用いている。SiO2充填材料の形成にはポリシラザ
ンをレンズ表面に塗布し焼成する方法を用いた。ポリシ
ラザンとはSi、N、H(または有機基)からなるポリ
マーで、加熱等によってシリカ(SiO2)に転化する
材料である。シラザンはSi−N結合をもつ化合物であ
り、ポリシラザンはSiH2NHを基本としている。東
燃株式会社製ポリシラザン「東燃ポリシラザン」をキシ
レンに溶かし、この溶液中にガラスレンズを浸し、引き
上げて凹凸部に充填した。自然乾燥させた後、600℃、
1時間電気炉中で焼成した。充填部を分析した所、ほぼ
100%の純粋な石英ガラス状態となっていた。よって、屈
折率などの光学特性がレンズの材質と同じ充填材料を、
ポリシラザンを用いることによって容易に作製すること
ができる。また、この石英ガラス薄膜層の平均厚さは0.
3μm、平均面粗さ0.003μmであった。うねり量はサンプ
ル中央部長さ8mmの範囲0.33μmP-Pであった。
【0014】形状測定結果を図4に示す。図2と図4の
比較から明らかなように加工痕による溝の深さは0.087
μmから0.022μmに低減しておりSiO2によりレンズ表
面が平滑化されていることが分かる。
比較から明らかなように加工痕による溝の深さは0.087
μmから0.022μmに低減しておりSiO2によりレンズ表
面が平滑化されていることが分かる。
【0015】(実施例2)本実施例ではポリシラザンを
スピンコートにより塗布した。用いたサンプルは実施例
1で用いたものと同一形状を有する非軸対称非球面Fθ
ガラスレンズである。ポリシラザン塗布前のレンズの表
面形状測定結果を図5に示す。今の場合、加工痕の幅が
100μm最大深さ0.084μmピッチ100μmであった。なお、
面粗さは平均面粗さ0.016μmうねり量はレンズ副走査方
向8mmの範囲で0.32μmであった。
スピンコートにより塗布した。用いたサンプルは実施例
1で用いたものと同一形状を有する非軸対称非球面Fθ
ガラスレンズである。ポリシラザン塗布前のレンズの表
面形状測定結果を図5に示す。今の場合、加工痕の幅が
100μm最大深さ0.084μmピッチ100μmであった。なお、
面粗さは平均面粗さ0.016μmうねり量はレンズ副走査方
向8mmの範囲で0.32μmであった。
【0016】レンズ2をスピンコーター(図示せず)に
取り付け図6に示すように主走査方向に20mmおきに5ヶ
所ポリシラザン4を滴下し2500rpmで回転させることに
より充填材料を形成した。自然乾燥後600℃1時間電気
炉中で焼結しSiO2充填材料を得た。加工痕低減後の
レンズ形状測定結果を図7に示す。SiO2層の平均膜
厚0.2μm平均面粗さ0.001μm面のうねり量副走査方向8m
mの範囲で0.22μm加工痕の最大深さ0.013μmとなってお
りレンズ表面が平滑化されていることがよく分かる。
取り付け図6に示すように主走査方向に20mmおきに5ヶ
所ポリシラザン4を滴下し2500rpmで回転させることに
より充填材料を形成した。自然乾燥後600℃1時間電気
炉中で焼結しSiO2充填材料を得た。加工痕低減後の
レンズ形状測定結果を図7に示す。SiO2層の平均膜
厚0.2μm平均面粗さ0.001μm面のうねり量副走査方向8m
mの範囲で0.22μm加工痕の最大深さ0.013μmとなってお
りレンズ表面が平滑化されていることがよく分かる。
【0017】このレンズをレーザープリンタの光学系に
搭載し、集光特性を測ったところ、走査幅全域において
60μmの均一なビーム径を得ることができた。また、こ
のレンズを搭載したプリンタで印刷を行なったところ、
NC機械加工方法のみで作製したレンズと比べ高品質の
印刷性能を得ることができた。
搭載し、集光特性を測ったところ、走査幅全域において
60μmの均一なビーム径を得ることができた。また、こ
のレンズを搭載したプリンタで印刷を行なったところ、
NC機械加工方法のみで作製したレンズと比べ高品質の
印刷性能を得ることができた。
【0018】(実施例3)アクリル系の紫外線硬化樹脂
を用いて加工痕の低減を試みた。アクリル系の紫外線硬
化樹脂は屈折率などの光学特性がレンズをつくる材質と
極めて近い値である。紫外線硬化樹脂をイソプロピルア
ルコールで希釈し粘度を15cp程度まで下げ、実施例2と
同じ要領でスピンコート法を用いて樹脂の充填材料を形
成した。充填材料は紫外線を照射することで硬化した。
なお、レンズには実施例1および2と同一仕様のものを
用いた。紫外線硬化樹脂塗布前のレンズの表面形状測定
結果を図8に示す。加工痕の幅が100〜200μm最大深さ
0.106μmピッチ150〜250μmであった。なお、面粗さは
平均面粗さ0.026μmうねり量はレンズ副走査方向8mmの
範囲で0.41μmであった。
を用いて加工痕の低減を試みた。アクリル系の紫外線硬
化樹脂は屈折率などの光学特性がレンズをつくる材質と
極めて近い値である。紫外線硬化樹脂をイソプロピルア
ルコールで希釈し粘度を15cp程度まで下げ、実施例2と
同じ要領でスピンコート法を用いて樹脂の充填材料を形
成した。充填材料は紫外線を照射することで硬化した。
なお、レンズには実施例1および2と同一仕様のものを
用いた。紫外線硬化樹脂塗布前のレンズの表面形状測定
結果を図8に示す。加工痕の幅が100〜200μm最大深さ
0.106μmピッチ150〜250μmであった。なお、面粗さは
平均面粗さ0.026μmうねり量はレンズ副走査方向8mmの
範囲で0.41μmであった。
【0019】加工痕低減後のレンズ形状測定結果を図9
に示す。樹脂層の平均膜厚0.25μm平均面粗さ0.005μm
面のうねり量副走査方向8mmの範囲で0.30μm加工痕の最
大深さ0.039μmとなっておりレンズ表面が平滑化されて
いることがよく分かる。
に示す。樹脂層の平均膜厚0.25μm平均面粗さ0.005μm
面のうねり量副走査方向8mmの範囲で0.30μm加工痕の最
大深さ0.039μmとなっておりレンズ表面が平滑化されて
いることがよく分かる。
【0020】
【発明の効果】上述のように本発明による手法を用いれ
ば、、レンズ表面に機械加工を施す際に生じる加工痕を
簡単に効率よく低減することが可能となる。
ば、、レンズ表面に機械加工を施す際に生じる加工痕を
簡単に効率よく低減することが可能となる。
【0021】その結果、複雑な形状を有し、かつ精度も
要求されるようなレンズの加工を短時間で容易に行うこ
とが可能となった。
要求されるようなレンズの加工を短時間で容易に行うこ
とが可能となった。
【図1】 非軸対称非球面fθガラスレンズの斜視図で
ある。
ある。
【図2】 平滑化処理前のレンズ表面形状測定結果を示
すグラフである。
すグラフである。
【図3】 レンズ表面平滑化方法の模式図である。
【図4】 平滑化処理後のレンズ表面形状測定結果を示
すグラフである。
すグラフである。
【図5】 平滑化処理前のレンズ表面形状測定結果を示
すグラフである。
すグラフである。
【図6】 スピンコート法による成膜方法を示す概略図
である。
である。
【図7】 平滑化処理後のレンズ表面形状測定結果を示
すグラフである。
すグラフである。
【図8】 平滑化処理前のレンズ表面形状測定結果を示
すグラフである。
すグラフである。
【図9】 平滑化処理後のレンズ表面形状測定結果を示
すグラフである。
すグラフである。
1:レンズ表面の加工痕 2:非軸対称非球面fθガラスレンズ A面は非軸対称非球面形状、B面は平面または球面形
状、R1は主走査方向曲率半径、r1、r2、r3は副
走査方向曲率半径、T1、T2は厚みである。 3:透光性材料 4:ポリシラザン
状、R1は主走査方向曲率半径、r1、r2、r3は副
走査方向曲率半径、T1、T2は厚みである。 3:透光性材料 4:ポリシラザン
Claims (13)
- 【請求項1】 レンズ表面に存在する凹凸部に、光学特
性がレンズ材質と同じか又は極めて近い充填材料を充填
して凹凸を平滑化したことを特徴とするレンズ。 - 【請求項2】 レンズ表面凹凸部への充填材料の材質が
SiO2であることを特徴とする請求項1記載のレン
ズ。 - 【請求項3】 レンズ表面に充填するSiO2からなる
充填材料を、ポリシラザンを転化することにより作製し
たことを特徴とする請求項2記載のレンズ。 - 【請求項4】 レンズ表面に充填する充填材料の材質が
高分子材料であることを特徴とする請求項1記載のレン
ズ。 - 【請求項5】 レンズ表面に充填する充填材料の材質が
アクリル系高分子材料であることを特徴とする請求項1
記載のレンズ。 - 【請求項6】 レンズ表面に充填する充填材料の材質が
紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1記載の
レンズ。 - 【請求項7】 レンズ表面に存在する凹凸部の幅の最大
値が500μm、凹凸部の深さの最大値が1μm、凹凸部の
ピッチの最大値が500μmであることを特徴とする請求
項1記載のレンズ。 - 【請求項8】 請求項7記載のレンズにおいて、レンズ
表面凹凸部に充填する充填材料の材質がSiO2である
ことを特徴とするレンズ。 - 【請求項9】 請求項8記載のレンズにおいて、レンズ
表面凹凸部に充填するSiO2からなる充填材料をポリ
シラザンから転化させることにより作製したことを特徴
とするレンズ。 - 【請求項10】 請求項7記載のレンズにおいて、レン
ズ表面凹凸部に充填する充填材料の材質が高分子材料で
あることを特徴とするレンズ。 - 【請求項11】 請求項10記載のレンズにおいて、レ
ンズ表面凹凸部に充填する充填材料の材質が紫外線硬化
樹脂であることを特徴とするレンズ。 - 【請求項12】 請求項9記載のレンズを搭載したこと
を特徴とする光学装置。 - 【請求項13】 請求項10記載のレンズを搭載したこ
とを特徴とする光学装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5485098A JPH11248906A (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | レンズ及びこれを用いた光学装置 |
US09/262,048 US6238800B1 (en) | 1998-03-06 | 1999-03-04 | Lens and an optical apparatus with the lens |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5485098A JPH11248906A (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | レンズ及びこれを用いた光学装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11248906A true JPH11248906A (ja) | 1999-09-17 |
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ID=12982084
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP5485098A Pending JPH11248906A (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | レンズ及びこれを用いた光学装置 |
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JP (1) | JPH11248906A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6501014B1 (en) * | 1999-10-08 | 2002-12-31 | Tdk Corporation | Coated article and solar battery module |
JP2008547053A (ja) * | 2005-06-22 | 2008-12-25 | エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック | 目視可能な表面仕上げ加工による線が存在しない透明材料製の部材の製造方法、およびそれにより製造される部材 |
WO2015133260A1 (ja) * | 2014-03-07 | 2015-09-11 | コニカミノルタ株式会社 | プロジェクション装置、光学接合部品の製造方法、および、光学接合部品 |
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US5909314A (en) * | 1994-02-15 | 1999-06-01 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Optical functional materials and process for producing the same |
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1998
- 1998-03-06 JP JP5485098A patent/JPH11248906A/ja active Pending
-
1999
- 1999-03-04 US US09/262,048 patent/US6238800B1/en not_active Expired - Lifetime
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