JPH11247260A - トイレ用温水手洗い器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 狭い場所に容易に取り付けられ、操作性の良
いトイレ用温水手洗い器を得る。 【解決手段】 本体２１内に、温水タンク１と、バルブ
ケースと、混合水の温度を検知して変位する形状記憶合
金バネとバイアスバネと、前記形状記憶合金バネとバイ
アスバネの荷重のバランスにより各流入口の開閉面積の
調整を行うプランジャとにより構成された湯水混合装置
６とを備え、さらに、本体２１外のロータンクの手洗い
蛇口と給水部材２４を介して接続され、給水部材２４は
導入部Ａ２３と導入部Ｂ２０とに分岐され、導入部Ａ２
３は温水タンク１に、導入部Ｂ２０は湯水混合装置６に
各接続され、かつ、湯水混合装置６の混合出湯口１１は
温水手洗い蛇口２６と連結されており、さらにバイアス
バネの荷重を調整する調整手段を設けたトイレ用温水手
洗い器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、トイレ用温水手洗
い器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、トイレ内で手洗いを行うには便器
後方のロータンクの操作ノブを操作することにより手洗
い蛇口より出水させ、これにより手を洗い、その水はそ
のままロータンク内にもどり貯水されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の手洗い方式で
は、冬季冷水で手を洗うようになり、非常につらいもの
であった。これを対策するものとして温水器をトイレ室
内に設けることも考えられるが、しかしながら、通常一
般家庭のトイレは室内がせまく温水器を据え付ける場所
もなく、また、給湯配管あるいはガス配管等の工事は非
常に面倒であり、工事費用等がかかりすぎるという問題
点もあり、実際には殆ど不可能であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は限られたスペースで満足する性能を発
揮し操作性の良い、しかも工事の不要な温水手洗い器を
提供しようとするものである。

【０００５】そのため、本発明は、ロータンクの上方に
温水手洗い器の本体を設置し、ロータンクの手洗い蛇口
と本体の入水口を接続し、本体内には温水タンクと湯水
混合装置を有し、さらに、湯水混合装置内にバイアスバ
ネの荷重を調整する調整手段を設け、この調整手段は操
作用の温度調整手段と連動して調整する構成としたもの
である。そして、この温水タンクで温められた高温の温
水を湯水混合装置に導き、この湯水混合装置で温水と冷
水を混合し適温の温水を蛇口より出湯するようにしたも
のである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明は、手洗い用のための温水
は少量でよく、さらにこの少量の温水を確保する手段と
して、温水タンクで高温湯を作り貯湯し、使用時に冷水
と混合する事により少量化すなわち製品の小型化が図れ
るものである。この温水器の入水口とロータンク手洗い
蛇口を接続し、用便後便器洗い水を操作ノブで流すこと
により手洗い蛇口からの分岐水が温水器の入水口より、
高温貯湯温水タンクと湯水混合定温装置の冷水口側に分
離流入し、温水タンクに流入した水により、貯湯高温水
が押し出され温水タンク出湯口より排出し湯水混合定温
装置の温水口部へ流入し冷水と混合し３５〜４０℃の適
温水となり本体外郭に設けられた手洗い蛇口より排出し
手洗いに供するものである。

【０００７】冷、高温水混合方式の採用により温水タン
クが小型でも実行容量を大きくとれる。例えば７０℃貯
湯の場合１０℃水道水と混合し３５℃の手洗い水を作る
場合１０℃の水約６に対して７０℃の湯約４の割合とな
り温水タンク容量の２.５倍の実行容量がとれることに
なり７００ｃｃの温水タンク使用の場合１.５Ｌの手洗
い温水を取り出せることになる。

【０００８】又、温水を取り出すための押し出し圧とし
てポンプなどの部材を使用することなく便器洗浄水流し
のノブ操作で行い通常の温水器なし時の手洗い同様何等
変わることなく使用できるものである。さらに、操作用
の温度調整つまみと連動してバイアスバネの荷重を調整
する調整手段により、使用者が出湯温度を瞬時に調整す
る事ができる。

【０００９】尚、手洗い後の水は従来通りロータンク手
洗い水受けに落としロータンクに戻すものである。

【００１０】

【実施例】以下本発明の一実施例について図１、図２、
図３を参照して説明する。図１は温水手洗い器をロータ
ンクの上方に取り付けた図であり、図２は温水手洗い器
の構造説明図、図３は湯水混合装置の断面図である。

【００１１】図１、図２において、２１は温水手洗い器
の本体であり、内部に後述する温水タンク１および湯水
混合装置６を有し、上部に温度調整つまみ１４を備えて
いる。２４はロータンク２８の手洗い蛇口２７と接続す
る接続部材２５を有する給水部材で、途中で分岐され温
水タンク１の冷水流入口Ａ４への導入部Ａ２３と湯水混
合装置６の冷水流入口Ｂ９への導入部Ｂ２０を形成す
る。２６は湯水混合装置６の混合出湯口１１に接続し、
本体２１から外部へのびた温水手洗い蛇口で金属蛇腹ホ
ースにより形成されている。２２は温度検知器３の抵抗
変化を受け、電気ヒータ２を制御する制御ユニットであ
る。２９はロータンク２８に設けてある便器洗浄用の流
し水の操作ノブ、３０は洋式便器、３１は温水タンク１
の電気部材への通電コードである。

【００１２】１は耐熱製樹脂で成形された容量７００ｃ
ｃ程度の温水タンクであり、この温水タンク１には、水
加熱用の電気ヒータ２、加熱水温を６０〜７０℃に制御
するサーミスタなどの温度検知器３が取り付けられてい
る。又、底面近傍に冷水流入口Ａ４、上面部に出湯口５
が形成されている。５ａは出湯口５と湯水混合装置６の
湯流入口１０を連結する給湯管である。

【００１３】図３により、湯水混合装置６の詳細を説明
する。１２は略筒状のバルブケース、７は形状記憶合金
をコイル状に成形した形状記憶合金バネ、８はコイル状
のバイアスバネ、１８はバルブケース１２の内部で摺動
するプランジャである。形状記憶合金バネ７は温度上昇
に伴ってバネ荷重が増加し、とくに適温（４０℃）付近
で急増する特性をもち、冷水流入口Ｂ９から流入する冷
水と湯流入口１０から流入する高温水が混合されて混合
出湯口１１より流出する水路に配置されている。

【００１４】プランジャ１８は形状記憶合金バネ７とバ
イアスバネ８の荷重バランス位置により冷水流入口Ｂ９
と湯流入口１０の開閉面積の比を可変させる構成となっ
ている。冷水流入口Ｂ９と湯流入口１０を形状記憶合金
バネ７の変位方向に対して垂直に入水する向きで、かつ
略等距離位置のできるだけ近くに配置させた構造として
いいる。さらに、冷水流入口Ｂ９と湯流入口１０は対向
する方向から流入する構成としている。

【００１５】１５はバイアスバネ８の荷重を調整する調
整手段としての温度調整スクリュー、１６はＯリングパ
ッキン、１４は操作用の温度調整手段としての温度調整
つまみ、１３はねじ部である。温度調整スクリュー１５
はバルブケース１２とねじ部１３を介して嵌合されてお
り、温度調整つまみ１４にて温度調整スクリュー１５を
回転することによりバイアスバネ８の一端の位置を変更
可能にし、温度調整とバイアスバネ８の荷重調整を連動
させている。

【００１６】１７は冷水流入口Ｂ９と湯流入口１０から
の流入水がぶつかり混合するプランジャ１８内部の混合
部、１９は形状記憶合金バネ７が設けられている混合流
水温度の検知部である。プランジャ１８内部の混合部１
７に冷水および高温水を流入させて、混合された混合水
を形状記憶合金バネ７のある検知部１９に送る構造とし
ている。

【００１７】以上の構成において、本温水器をセット
し、使用者が温度調整つまみ１４を希望の温度に設定し
た後、ロータンク２８の操作ノブ２９を操作し便器洗浄
水を流すと手洗い蛇口２７から接続部材２５、給水部材
２４を通り水が流入し一方は導入部Ａ２３、冷水流入口
Ａ４より温水タンク１を満水にする。一方は導入部Ｂ２
０、冷水流入口Ｂ９を通り湯水混合装置６に流入する。
湯水混合装置６に流入した冷水は温水タンク１より流入
した高温水と混合され混合出湯口１１を通り、温水手洗
い蛇口２６より流出する。

【００１８】この状態で電気ヒータ２に通電し温度検知
器３と制御ユニット２２により温水タンク１内の水を６
０〜７０℃に加熱保持する、尚この加熱に要する時間は
一例として温水タンク容量７００ｃｃ、電気ヒータ３０
０Ｗにおいて、水道水温１０℃の場合約１０分である。

【００１９】次に実使用時、用便後、操作ノブ２９を操
作すると温水タンク１の温水が押し出され湯水混合装置
６に流入し導入部Ｂ２０から流入した冷水と混合し、所
定の設定温水を作り温水手洗い蛇口２６より排出し手洗
いを行うものである。

【００２０】この温水タンクの温水は以上のような操作
で１回毎に使い切り、次の使用者が使用するまでの間に
温水タンク内の水が加熱されるもので、タンク容量、電
気ヒータ容量の設定でインターバル時間の設定が可能と
なるものである。

【００２１】

【発明の効果】高温貯湯と湯水混合方式の組み合わせに
より１回の手洗いに十分な量の温水を非常に小型な温水
器で実現できスペースのないロータンク部に取り付け可
能となった。しかも配管工事等一切不要であり、価格的
にも非常に安価である。

【００２２】また、操作用の温度調整手段と連動して調
整するバイアスバネの荷重を調整する調整手段を設けた
ので、使用者による出湯温度の調整が容易になり、さら
にポンプなどの圧送部材が不要で、従来の手洗い動作と
何等変わることなく使用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】トイレ用温水手洗い器の取り付け実施図であ
る。

【図２】トイレ用温水手洗い器の構造説明図である。

【図３】湯水混合装置の構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 温水タンク ２ 電気ヒータ ３ 温度検知器 ６ 湯水混合装置 ７ 形状記憶合金バネ ８ バイアスバネ １４ 温度調整つまみ １５ 調整手段 １８ プランジャ ２０ 導入部Ｂ ２１ 本体 ２３ 導入部Ａ ２４ 給水部材 ２５ 接続部材 ２６ 温水手洗い蛇口 ２７ 手洗い蛇口 ２８ ロータンク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体（２１）内に、電気ヒータ（２）と
   温度検知器（３）を有する温水タンク（１）と、形状記
   憶合金バネ（７）とバイアスバネ（８）とでプランジャ
   （１８）を摺動させ湯温を制御する湯水混合装置（６）
   とを備え、前記湯水混合装置（６）にはバイアスバネ
   （８）の荷重を調整する調整手段（１５）を設け、さら
   に、本体（２１）は本体（２１）外のロータンク（２
   ８）の手洗い蛇口（２７）と接続部材（２５）及び給水
   部材（２４）を介して接続され、給水部材（２４）は導
   入部Ａ（２３）と導入部Ｂ（２０）とに分岐され、導入
   部Ａ（２３）は温水タンク（１）に、導入部Ｂ（２０）
   は湯水混合装置（６）に各接続され、前記温水タンク
   （１）と湯水混合装置（６）とは給湯管（５ａ）で連結
   され、かつ、湯水混合装置（６）の混合出湯口（１１）
   を温水手洗い蛇口（２６）と連結することを特徴とする
   トイレ用温水手洗い器。
2. 【請求項２】 バイアスバネ（８）の荷重を調整する調
   整手段（１５）は操作用の温度調整つまみ（１４）と連
   動する構成とした請求項１記載のトイレ用温水手洗い
   器。