JPH11246996A - 電着塗装装置及び電着塗装方法 - Google Patents

電着塗装装置及び電着塗装方法

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JPH11246996A
JPH11246996A JP5041898A JP5041898A JPH11246996A JP H11246996 A JPH11246996 A JP H11246996A JP 5041898 A JP5041898 A JP 5041898A JP 5041898 A JP5041898 A JP 5041898A JP H11246996 A JPH11246996 A JP H11246996A
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JP
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electrodeposition
voltage
coated
electrodeposition coating
tank
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JP5041898A
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Kozo Nasu
幸造 那須
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスピンを発生させることなく、つきまわり
性を高めることができ、かつワークの外側表面の膜厚と
内側表面の膜厚とのバランスを適正化することができる
手段を提供する。 【解決手段】 電着塗装装置PCにおいては、サイド極
10a、10bにはガスピンが発生する電圧よりも低
く、ワーク1の外側表面に適正な膜厚の塗膜を形成する
ことができる電圧V1が印加され、他方底部極20に
は、上記電圧V1よりも高く、ワーク1の内側表面に適
正な膜厚の塗膜を形成することができる電圧V2が印加
され、これにより、ガスピンを発生させることなく、つ
きまわり性を高めることができ、かつワーク1の外側表
面に必要以上の膜厚の塗膜が形成されるのを防止して、
外側表面の膜厚と内側表面の膜厚とのバランスを適正化
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性の被塗装物
に電着塗装を施すための電着塗装装置及び電着塗装方法
に関するものであり、とくに金属製の自動車ボディのプ
ライマー塗装等に適した電着塗装装置及び電着塗装方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車ボディ等の塗装において
は、通常、被塗装物に対して表面処理が施された後、プ
ライマー塗装(下塗り)、中塗り及び上塗りなどといっ
た複数の塗装処理が施される。そして、かかる塗装にお
けるプライマー塗装としては、被塗装物が導電性である
場合は、塗装工程の自動化が容易であり、均一な膜厚の
塗膜が得られ、さらには水系塗料を用いる関係上火災に
対する安全性が高いなどといった種々の利点を有するこ
とから、電着塗装が広く用いられている。なお、電着塗
装は、アニオン系電着塗料を用いた上で被塗装物を陽極
として電着を行う陽極電着塗装と、カチオン系電着塗料
を用いた上で被塗装物を陰極として電着を行う陰極電着
塗装とに大別されるが、自動車ボディ等の塗装ラインに
おいては、陰極電着塗装が広く用いられている。
【0003】そして、例えば金属製の自動車ボディの電
着塗装装置(陰極電着塗装)においては、一般に、水性
エマルジョン、顔料ペースト、添加剤、水等を含む液状
の電着塗料が電着槽内に貯留され、被塗装物である自動
車ボディが電着槽内の電着塗料中に浸漬されつつ移動さ
せられる一方、自動車ボディと電着塗料中に配置された
電極との間に、自動車ボディがマイナス側となり電極が
プラス側となるように直流電圧が印加される。かくし
て、マイナス側の自動車ボディの表面には、電着塗料中
の塗料が電着されて塗膜が形成される。
【0004】かかる従来の電着塗装装置では、電極は、
一般に電着槽の両側壁に沿って電着槽の長手方向すなわ
ち自動車ボディの移動方向に配列される複数(例えば、
全長25m程度の電着槽で、片側10枚)の平板状の電
極板(以下、これを「サイド極」という)で構成され
る。そして、各サイド極は、直流電源のプラス側出力端
子に接続され、一定の正電圧が印加されるようになって
いる。なお、自動車ボディは該直流電源のマイナス側出
力端子に接続される。
【0005】ところで、このような電着塗装装置におい
て、電極と自動車ボディとの間に印加される電圧(以
下、これを「電着塗装電圧」という)が高すぎるとガス
ピンが発生しやすくなるといった問題、すなわちガスピ
ン性が悪くなるといった問題が生じる。なお、「ガスピ
ン」とは、電着塗装時に被塗装物表面で水素ガスが発生
し、該水素ガスが火花放電によって着火・燃焼し、その
燃焼熱で塗膜が硬化して塗膜表面に微小な穴ないしは凹
部が形成されるといった現象であり、例えば亜鉛鋼板等
からなる被塗装物に電着塗装を施す際に生じやすい現象
である。
【0006】他方、電着塗装電圧が低いと、塗料のつき
まわり性が悪くなるといった問題が生じる。なお、ここ
で「つきまわり性」とは、電着を生じさせるための電流
が被塗装物である自動車ボディの内側表面(車内に該当
する部分)に十分に回り込むことができるかどうかの指
標、すなわち自動車ボディの内側表面にも外側表面(車
外に該当する部分)と同様に十分な膜厚の塗膜を形成す
ることができるかどうかの指標である。すなわち、かか
る電着塗装においては、一般に、自動車ボディの外側表
面ではサイド極に近い関係上、その周囲の電流密度が比
較的高くなるので塗膜が形成されやすいが、その反面内
側表面では電極密度が比較的低くなるので、塗膜がなか
なか形成されない。
【0007】このため、かかる電着塗装では、まず自動
車ボディの外側表面に塗膜が形成され、該外側表面の電
気抵抗(塗膜抵抗)がある程度以上に高くなった後、内
側表面での本格的な塗膜の形成が始まるといった現象が
生じる。かくして、電極と自動車ボディとの間に印加さ
れる電圧が低いと、自動車ボディの内側表面に十分な膜
厚の塗膜が形成されず、つきまわり性が悪くなることに
なる。
【0008】このように、従来の電着塗装装置では、ガ
スピン性が良好となるように電着塗装電圧を設定すると
つきまわり性が悪くなり、つきまわり性が良好となるよ
うに電着塗装電圧を設定するとガスピン性が悪くなると
いった二律背反性があり、ガスピン性とつきまわり性と
を両立させるのがなかなかむずかしいといった問題があ
る。このため、従来の電着塗装装置では、ガスピンが発
生しない範囲でぎりぎりまで電着塗装電圧を高めて、つ
きまわり性を確保するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる従来
の電着塗装装置においては、自動車ボディの内側表面に
適正な膜厚(例えば、10μm)の塗膜を形成しようと
すれば、外側表面には必要以上の膜厚(例えば、30μ
m)の塗膜が形成され、電着塗料が無駄に消費されると
いった問題が生じる。つまり、内側表面の膜厚と外側表
面の膜厚とのバランスが悪くなる。そこで、ガスピンは
電着塗装初期、すなわち自動車ボディが電着塗料に浸漬
された後における比較的短い時間内に発生するといった
事実に着目して、自動車ボディの移動方向にみて前側の
サイド極(複数)の電着塗装電圧を比較的低くしてガス
ピンの発生を防止する一方、残りの後側のサイド極の電
着塗装電圧を比較的高くしてつきまわり性を高めるとい
った2段通電方式を用いた電着塗装装置が提案されてい
る(例えば、特開平2−22497号公報、特公平2−
10239号公報参照)。
【0010】しかしながら、このような2段通電方式の
電着塗装装置においては、電着塗装電圧を1段通電方式
の場合のように厳密にコントロールしなくても、ガスピ
ンを発生させることなく、自動車ボディの内側表面に十
分な膜厚の塗膜を形成することができる(つきまわり性
を高めることができる)ものの、外側表面に必要以上の
膜厚の塗膜が形成されるといった問題は解決されない。
【0011】また、このような従来の2段通電方式の電
着塗装装置では、被塗装物である自動車ボディの種類等
に応じてその移動速度(コンベアスピード)が変更され
る場合には、これに対処するのが困難な場合があるとい
った問題がある。例えば、自動車ボディの移動速度が速
くなった場合には、自動車ボディが比較的短時間内に後
側のサイド極が配置された位置に到達し、ここでガスピ
ンが発生することがある。なお、前側のサイド極の枚数
を多くすれば、自動車ボディの移動速度が大きくなった
場合でもガスピンの発生を防止することができる。しか
しながら、電着槽の全長がとくに長い場合はとくに問題
はないが、普通の長さの電着槽の場合は、前側のサイド
極の枚数を多くすると後側のサイド極の枚数が少なくな
り、自動車ボディの内側表面に十分な膜厚の塗膜を形成
することができなくなる。つまり、限られた全長の電着
槽で、あるいは限られた電着塗装時間で電着塗装を施す
場合において、自動車ボディの移動速度が変更される場
合にも、ガスピン性とつきまわり性とを両立させること
ができるように電着塗装電圧を設定するのはかなり困難
である。
【0012】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、被塗装物の移動速度が変更
される場合でも、ガスピンを発生させることなく、つき
まわり性を高めることができ、かつ被塗装物の外側表面
に必要以上の膜厚の塗膜が形成されるのを防止して、外
側表面の膜厚と内側表面の膜厚とのバランスを適正化す
ることができる手段を提供することを解決すべき課題と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の第1の態様は、電着槽内に貯留さ
れた液状の電着塗料に浸漬されて移動している導電性の
被塗装物と、電着槽内に配置された電極との間に直流電
源から電圧が印加され、電着塗料中の塗料が被塗装物の
表面に電着させられるようになっている電着塗装装置に
おいて、該電極が、(a)電着槽内において電着槽側面
近傍で被塗装物移動方向(電着槽の長手方向)に配列さ
れ、被塗装物との間に第1の電圧が印加される複数の側
部電極部材(例えば、平板状の電極板)と、(b)電着
槽内において電着槽底面近傍で被塗装物移動方向に配列
され、被塗装物との間に第1の電圧よりも高い第2の電
圧が印加される複数の底部電極部材(例えば、円柱状な
いしは円筒状の電極)とを備えていることを特徴とする
ものである。この電着塗装装置は、自動車の金属製ボデ
ィの電着塗装(プライマー塗装)等にとくに適してい
る。
【0014】この電着塗装装置においては、側部電極部
材(サイド極)は、これとの距離(極間距離)が比較的
短い被塗装物の外側表面の電着に大きく寄与し、したが
って被塗装物の外側表面には、主としてこれと側部電極
部材との間を流れる電流によって塗膜が形成される。他
方、底部電極部材(底部極)は、これとの距離(極間距
離)が比較的短い被塗装物の内側表面の電着に大きく寄
与し、したがって被塗装物の内側表面には、主としてこ
れと底部電極部材との間を流れる電流によって塗膜が形
成される。
【0015】したがって、被塗装物と側部電極部材との
間に印加される第1の電圧をガスピンが発生する電圧よ
りもかなり低く設定し、他方被塗装物と底部電極部材と
の間に印加される第2の電圧を、第1の電圧よりは高
く、内側表面付近に十分な電流密度を生じさせることが
できる電圧に設定することにより、ガスピンを発生させ
ることなく、内側表面に適正な膜厚の塗膜を形成するこ
とができる。つまり、ガスピン性とつきまわり性とを両
立させることができる。
【0016】すなわち、被塗装物の外側表面では、もと
もと側部電極部材によって十分な電流密度が得られ、比
較的膜厚の大きい塗膜が形成されるので、第1の電圧を
ガスピンが発生しないようにかなり低い電圧に設定した
場合でも、外側表面には十分な膜厚の塗膜が形成され
る。したがって、第1の電圧は、ガスピンが発生する電
圧よりもかなり低い、被塗装物の外側表面に必要以上に
厚くない適正な膜厚の塗膜が形成されるような電圧に設
定することになる。
【0017】この場合、第1の電圧が低いので、側部電
極部材は被塗装物の内側表面の電着にはあまり寄与しな
い。しかしながら、被塗装物の内側表面では十分に高い
第2の電圧が印加された底部電極部材によって十分な電
流密度が得られるので、内側表面には適正な膜厚の塗膜
が形成される。そして、このような作用・効果は被塗装
物の移動速度の大小にかかわりなく得られる。よって、
この電着塗装装置によれば、被塗装物の移動速度が変更
された場合でも、ガスピン性とつきまわり性とを両立さ
せることができ、かつ外側表面の膜厚と内側表面の膜厚
とを適正にバランスさせることができる。
【0018】上記電着塗装装置においては、被塗装物移
動方向にみて、側部電極部材が電着槽前端部付近を除い
て電着槽のほぼ全部にわたって配置される一方、底部電
極部材が電着槽のほぼ中央部及び後半部に配置されるこ
とができる。この場合、電着槽のほぼ全長にわたって側
部電極部材(サイド極)が配置されている従来の電着塗
装装置に底部電極部材を追加することにより、すなわち
既設の電着塗装装置を若干改造することにより、該構成
の電着塗装装置を得ることができるので、該電着塗装装
置の製作コストが低減される。
【0019】上記電着塗装装置においては、被塗装物移
動方向にみて、側部電極部材が電着槽前端部付近を除い
て電着槽のほぼ前半部に配置される一方、底部電極部材
が電着槽のほぼ中央部及び後半部に配置されていてもよ
い。側部電極部材を電着槽の全長(前端部付近を除く)
にわたって設けなくても、被塗装物の外側表面に十分な
膜厚の塗膜を形成することができるからである。この場
合、被塗装物移動方向にみて電着槽のほぼ後半部におい
て、電着槽上部で被塗装物移動方向に配列され、被塗装
物との間に第1の電圧又は第2の電圧が印加される複数
の上部電極部材(ルーフ極)を備えているのが好まし
い。側部電極部材が、電着槽の前半部にしか配置されて
いない場合、被塗装物の外側表面の電着槽上部に位置す
る部分(被塗装物が自動車ボディの場合はルーフ部)で
は十分な膜厚の塗膜が形成されないおそれがあるが、こ
のようにすれば、電着槽上部に位置する部分でも十分な
膜厚の塗膜が形成される。
【0020】上記の各電着塗装装置においては、第1の
電圧がガスピンが発生する電圧よりも低くかつ電着塗装
可能な範囲内の電圧であり、第2の電圧は第1の電圧よ
りも50〜150Vだけ高い電圧であればよく、例え
ば、第1の電圧は200〜250Vの範囲内の電圧に設
定され、第2の電圧は250〜350Vの範囲内の電圧
に設定される。
【0021】上記の各電着塗装装置においては、電着塗
料がカチオン系電着塗料であって、被塗装物が直流電源
のマイナス側出力端子に電気的に接続され、電極が直流
電源のプラス側出力端子に電気的に接続されているのが
好ましい。すなわち、電着塗装装置を陰極電着塗装方式
とするのが好ましい。このようにすれば、アニオン系電
着塗料を用いる陽極電着塗装方式に比べて、被塗装物の
表面に形成される塗膜の耐食性が高められる。
【0022】また、本発明の第2の態様は、電着槽内に
貯留された液状の電着塗料に浸漬されて移動している導
電性の被塗装物と、電着槽内に配置された電極との間に
直流電圧を印加して、電着塗料中の塗料を被塗装物の表
面に電着させるようにした電着塗装方法において、
(a)該電極を構成する複数の電極部材の一部を、電着
槽内において電着槽側面近傍で被塗装物移動方向に配列
させた上で、該電極部材と被塗装物との間に第1の電圧
を印加し、(b)該電極を構成する複数の電極部材の他
の一部を、電着槽内において電着槽底面近傍で被塗装物
移動方向に配列させた上で、該電極部材と被塗装物との
間に、第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加すること
を特徴とするものである。この電着塗装装置は、自動車
の金属製ボディ(車体)の電着塗装(プライマー塗装)
等にとくに適している。
【0023】この電着塗装方法においても、前記の電着
塗装装置の場合と同様に、被塗装物の移動速度が変更さ
れた場合でも、ガスピン性とつきまわり性とを両立させ
ることができ、かつ外側表面の膜厚と内側表面の膜厚と
を適切にバランスさせることができる。
【0024】上記電着塗装方法においては、被塗装物移
動方向にみて、電着槽側面近傍に配列させる電極部材
を、電着槽前端部付近を除いて電着槽のほぼ全部にわた
って配置する一方、電着槽底面近傍に配列させる電極部
材を、電着槽のほぼ中央部及び後半部に配置することが
できる。この場合、電着槽のほぼ全長にわたって側部電
極部材(サイド極)が配置されている従来の電着塗装装
置に底部電極部材を追加することにより、すなわち既設
の電着塗装装置を若干改造することにより、該電着塗装
方法を実施することができるので、該電着塗装のコスト
が低減される。
【0025】上記電着塗装方法においては、被塗装物移
動方向にみて、電着槽側面近傍に配列させる電極部材
を、電着槽前端部付近を除いて電着槽のほぼ前半部に配
置する一方、電着槽底面近傍に配列させる電極部材を、
電着槽のほぼ中央部及び後半部に配置してもよい。側部
電極部材を電着槽の全長(前端部付近を除く)にわたっ
て設けなくても、被塗装物の外側表面に十分な膜厚の塗
膜を形成することができるからである。
【0026】この場合、該電極を構成する複数の電極部
材の別の一部を、電着槽のほぼ後半部において電着槽上
部で被塗装物移動方向に配列させた上で、該電極部材と
被塗装物との間に、第1の電圧又は第2の電圧を印加す
るのが好ましい。このようにすれば、前記の電着塗装装
置の場合と同様に、電着槽上部に位置する部分にも十分
な膜厚の塗膜を形成することができる。
【0027】上記の各電着塗装方法においては、第1の
電圧を、ガスピンが発生する電圧よりも低くかつ電着塗
装可能な範囲内の電圧に設定し、第2の電圧を第1の電
圧よりも50〜150Vだけ高い電圧に設定するの好ま
しく、例えば第1の電圧は200〜250Vの範囲内の
電圧に設定され、第2の電圧は250〜350Vの範囲
内の電圧に設定される。
【0028】上記の各電着塗装方法においては、電着塗
料としてカチオン系電着塗料を用いた上で、被塗装物に
直流電源のマイナス側の電位を印加し、電極にプラス側
の電位を印加するのが好ましい。このようにすれば、ア
ニオン系電着塗料を用いる陽極電着塗装方式に比べて、
被塗装物の表面に形成される塗膜の耐食性を高めること
ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。 (実施の形態1)以下、本発明の実施の形態1を説明す
る。図1に示すように、自動車ボディにプライマー塗装
(下塗り)として電着塗装を施す連続式の電着塗装装置
PCにおいては、導電性材料(例えば、亜鉛鋼板等の鉄
系金属材料)からなるワーク1(被塗装物である自動車
ボディ)がコンベア2によって所定の速度及び経路で搬
送されるようになっている。そして、コンベア2の下方
には電着槽3が配置され、この電着槽3内には液状のカ
チオン系電着塗料4が貯留(保持)されている。
【0030】ワーク1は、コンベア2によって、電着槽
3内の電着塗料4中に浸漬されつつ搬送され、浸漬時に
ワーク1に直流電源12、22(図2参照)のマイナス
側の電位(アース電圧)が印加される一方、電極10、
20(図2参照)に該直流電源12、22のプラス側の
電位(正電圧)が印加され、正電荷を帯びた塗料コロイ
ドがワーク1の表面に電着されるようになっている。こ
こで、電着槽3は絶縁材料(例えば、FRP等)で形成
されているが、電着槽3を金属材料で形成した上で、そ
の内面に絶縁材料でライニング(コーティング)を施す
ようにしてもよい。なお、電着槽3に隣接して、該電着
槽3からオーバーフローする電着塗料4を受け入れるオ
ーバーフロー槽5が配設されている。
【0031】ここで、カチオン系電着塗料としては、例
えば、アミン変性エポキシ樹脂、アミン変性ポリウレタ
ンポリオール樹脂、アミン変性ポリブタジエン樹脂、ア
ミン変性アクリル樹脂等のカチオン性樹脂を、顔料及び
硬化剤とともにイオン交換水中に分散させたものなどが
用いられる。
【0032】コンベア2は、それぞれリンク機構7を介
して該コンベア2に取り付けられた複数のハンガー8
を、所定の形状に形成・配置されたレール6(軌道)に
沿って所定の速度(コンベアスピード)で矢印X1、X2
3で示す方向に移動させるようになっている。各ハン
ガー8は、それぞれ導電性材料(例えば、鉄系金属材料
等)で形成され、その移動方向に等間隔でコンベア2に
取り付けられている。そして、各ハンガー8にはそれぞ
れワーク1が載せられている。この電着塗装装置PCに
導入されるワーク1は、例えばリン酸亜鉛等を用いて表
面処理され、他の塗装はまだ施されていない状態にあ
る。
【0033】ここで、導電性のハンガー8とその上に載
せられた導電性のワーク1とは当接し、両者は電気的に
導通する状態にある。レール6は、電着槽3の上方では
概ね電着槽3の底面の起伏に対応して起伏し、このため
ハンガー8が電着槽3の平底部(槽底が水平面状の部
分)の上方に位置するときには、該ハンガー8に載せら
れたワーク1は完全に電着塗料4中に浸漬されるように
なっている。なお、コンベア2のワーク搬送速度は自在
に変更することができ、該速度は、ワーク1の電着塗装
時間がワーク1の表面に該電着塗装により必要かつ十分
な塗膜が形成されるような適切な値となるように設定さ
れる。
【0034】図2(a)及び図2(b)に示すように、
電着槽3内には、複数の平板状のサイド極10(側部電
極部材)が、電着槽側面3aの近傍において、その広が
り面が電着槽側面3aに対向するような姿勢でもって、
電着槽長手方向すなわちワーク移動方向に配列されてい
る。ここで、電着槽長手方向すなわちワーク移動方向に
みて、電着槽3の概ね前半部(前端部近傍を除く)に配
置されたサイド極10a(以下、これを「前側サイド極
10a」という)は、順繰りに導電部材11aを介して
電気的に接続されている。
【0035】そして、これらの前側サイド極10aは、
比較的低い所定の電圧V1を出力する低圧直流電源12
a(第1の直流電源)のプラス側出力端子に、プラス側
導線13aを介して電気的に接続されている。なお、プ
ラス側導線13aには、ワーク1が電着槽3内に浸漬さ
れていないときに、該プラス側導線13a内での電流の
逆流を防止するためのダイオード14aが介設されてい
る。低圧直流電源12aのマイナス側端子は、マイナス
側導線15aを介して導電レール16に電気的に接続さ
れている。ここで、導電レール16は、アース導線17
を介してアース部18に電気的に接続されている。した
がって、低圧直流電源12aのマイナス側出力端子の電
位はアース電位に保持されることになる。なお、その他
の後記の直流電源12b、22のマイナス側端子も、導
電レール16に電気的に接続されているので、同様にア
ース電位に保持されることになる。
【0036】ここで、導電レール16はコンベア2のレ
ール6に沿って配置され、ハンガー8に付設された接触
端子(図示せず)は、この導電レール16に摺接してい
る。かくして、ワーク1が電着塗料4に浸漬されている
ときには、該ワーク1は、順次導通しているハンガー8
と接触端子と導電レール16とマイナス側導線15aと
を介して、低圧直流電源12aのマイナス側出力端子に
電気的に接続されている。したがって、ワーク1はアー
ス電位に保持されることになる。
【0037】また、電着槽長手方向にみて、電着槽3の
概ね後半部に配置されたサイド極10b(以下、これを
「後側サイド極10b」という)は、順繰りに導電部材
11bを介して電気的に接続されている。そして、これ
らの後側サイド極10bは、前記の低圧直流電源12a
と同一の電圧V1を出力する低圧直流電源12b(第1
の直流電源)のプラス側出力端子に、プラス側導線13
bを介して電気的に接続されている。なお、プラス側導
線13bには、ワーク1が電着槽3内に浸漬されていな
いときに、該プラス側導線13b内での電流の逆流を防
止するためのダイオード14bが介設されている。低圧
直流電源12bのマイナス側端子は、マイナス側導線1
5bを介して導電レール16に電気的に接続されてい
る。したがって、低圧直流電源12bのマイナス側出力
端子の電位は、アース電位に保持されることになる。
【0038】他方、電着槽3内には、複数の円柱状(な
いしは円筒状)の底部極20(底部電極部材)が、電着
槽底面3bの近傍(やや上方)において、その軸線が電
着槽長手方向を向くような姿勢でもって、該電着槽長手
方向に配列されている。ここで、底部極20は、電着槽
3の概ね後半部に配置され、順繰りに導電部材21を介
して電気的に接続されている。
【0039】そして、これらの底部極20は、比較的高
い所定の電圧V2(>V1)を出力する高圧直流電源22
(第2の直流電源)のプラス側出力端子に、プラス側導
線23を介して電気的に接続されている。なお、プラス
側導線23には、ワーク1が電着槽3内に浸漬されてい
ないときに、該プラス側導線23内での電流の逆流を防
止するためのダイオード24が介設されている。また、
高圧直流電源22のマイナス側端子は、マイナス側導線
25を介して導電レール16に電気的に接続されてい
る。したがって、高圧直流電源22のマイナス側出力端
子の電位は、アース電位に保持されることになる。な
お、電着槽3は、安全のためアース導線27を介してア
ース部28に接続されている。
【0040】以下、低圧直流電源12a、12b及び高
圧直流電源22のそれぞれの出力電位V1、V2の設定方
法を具体的に説明する。電着塗装装置PCにおいて、低
圧直流電源12a、12bの出力電圧V1は、ガスピンが
発生する電圧よりもかなり低く、ワーク1の外側表面に
適正な膜厚(例えば10〜20μm)の塗膜が形成され
るような電圧に設定される。他方、高圧直流電源22の
出力電圧V2は、上記出力電圧V1よりも高く、ワーク1
の内側表面に適正な膜厚(例えば、10μm)の塗膜が
形成されるような電圧に設定される。具体的には、高圧
直流電源22の出力電圧V2は、低圧直流電源12a、1
2bの出力電圧V1よりも50〜150V程度高い電圧
に設定されるのが好ましく、例えば、出力電圧V1は2
00〜250Vの範囲内に設定され、出力電圧V2は2
50〜350Vの範囲内に設定される。
【0041】両直流電源12a、12b、22の出力電圧
1、V2をこのように設定する理由はおよそ次のとおり
である。すなわち、この電着塗装装置PCにおいて、サ
イド極10a、10bは、主としてこれらとの極間距離
が比較的短いワーク1の外側表面の電着に寄与し、した
がってワーク1の外側表面には、主としてサイド極10
a、10bとワーク1の外側表面との間を流れる電流に
よって塗膜が形成される。他方、底部極20は、主とし
てこれらとの極間距離が比較的短いワーク1の内側表面
の電着に寄与し、したがってワーク1の内側表面には、
主として底部極20とワーク1の内側表面との間を流れ
る電流によって塗膜が形成される。
【0042】したがって、ワーク1とサイド極10a、
10bとの間に印加される電圧V1をガスピンが発生す
る電圧よりもかなり低く設定し、他方ワーク1と底部極
20との間に印加される電圧V2を、電圧V1よりは高
く、内側表面付近に十分な電流密度を生じさせることが
できる電圧に設定することにより、ガスピンを発生させ
ることなく、内側表面に十分な膜厚の塗膜を形成するこ
とができる。つまり、ガスピン性とつきまわり性とを両
立させることができる。
【0043】すなわち、ワーク1の外側表面では、もと
もとサイド極10a、10bによって十分な電流密度が
得られ、比較的厚い塗膜が形成されるので、電圧V1
ガスピンが発生しないようにかなり低い電圧に設定した
場合でも、外側表面には十分な膜厚の塗膜が形成され
る。したがって、電圧V1は、ガスピンが発生する電圧
よりもかなり低い、ワーク1の外側表面に必要以上に厚
くない適正な膜厚の塗膜が形成されるような電圧に設定
される。
【0044】この場合、電圧V1が比較的低いので、サ
イド極10a、10bはワーク1の内側表面の電着には
さほど寄与しない。しかしながら、ワーク1の内側表面
では、比較的高い電圧V2が印加された底部極20によ
って十分な電流密度が得られ、該内側表面には適正な膜
厚の塗膜が形成される。そして、このような作用・効果
はワーク1の移動速度(コンベアスピード)の大小にか
かわりなく得られる。したがって、この電着塗装装置P
Cによれば、ワーク1の移動速度が変更された場合で
も、ガスピン性とつきまわり性とを両立させることがで
き、かつワーク1の外側表面の膜厚と内側表面の膜厚と
を適正にバランスさせることができる。
【0045】この電着塗装装置PCにおいては、電着槽
長手方向にみて、サイド極10a、10bが電着槽前端
部付近を除いて電着槽3のほぼ全長にわたって配置され
ている。したがって、この電着塗装装置PCは、電着槽
のほぼ全長(前端部付近を除く)にわたってサイド極が
配置されている既設の電着塗装装置に底部極20とその
通電系統とを追加することにより、すなわち既設の電着
塗装装置を若干改造することにより得ることができる。
したがって、該電着塗装装置PCの製作コストが低減さ
れる。
【0046】(実施の形態2)以下、図1及び図3
(a)、(b)を参照しつつ、本発明の実施の形態2を
説明するが、この実施の形態2にかかる電着塗装装置P
C’の基本構成は、実施の形態1にかかる電着塗装装置
PCと共通であるので、説明の重複を避けるため、以下
では実施の形態1と異なる点についてのみ説明する。な
お、図3(a)、(b)において、図2(a)、(b)と
共通の部材には同一番号が付されている。
【0047】実施の形態2にかかる電着塗装装置PC’
では、電着槽3の後半部にはサイド極(実施の形態1の
後側サイド極10b)が設けられていない。サイド極を
電着槽3の全長(前端部付近を除く)にわたって設けな
くても、ワーク1の外側表面に適正な膜厚の塗膜を形成
することができるからである。
【0048】しかしながら、電着槽3内においてその概
ね後半部には、複数の円柱状(ないしは円筒状)のルー
フ極30(上部電極部材)が、電着槽3の上部(電着塗
料4の上表面のやや下方)において、その軸線が電着槽
長手方向を向くような姿勢でもって、該電着槽長手方向
に配列されている。なお、ルーフ極30は、ワーク1の
移動を妨げないように、電着槽3の幅方向の両端部付近
に配置されている。ここで、各ルーフ極30は導電部材
31を介して電気的に接続されている。
【0049】そして、これらのルーフ極30は、高圧直
流電源22のプラス側導線23から分岐する分岐導線3
3に電気的に接続されている。なお、分岐導線33に
は、ワーク1が電着槽3内に浸漬されていないときに、
該分岐線33内での電流の逆流を防止するためのダイオ
ード34が介設されている。したがって、ルーフ電極3
1には、高圧直流電源22の出力電圧V2が印加される
ことになる。なお、ルーフ極30を、低圧直流電源12
aのプラス側出力端子に接続して、該ルーフ極30に電
圧V1を印加するようにしてもよい。
【0050】このようにルーフ極30を設ける理由はお
よそ次のとおりである。すなわち、実施の形態2にかか
るこの電着塗装装置PC’では、サイド極10aが電着
槽3の前半部(前端部付近を除く)にしか配置されてい
ないので、ワーク1すなわち被塗装物である自動車ボデ
ィのルーフ部(屋根)では十分な膜厚の塗膜が形成され
ないおそれがある。そこで、この電着塗装装置PC’で
は、電着槽3の後半部にルーフ極30を設けて、ワーク
1のルーフ部にも適正な膜厚の塗膜が確実に形成される
ようにしている。
【0051】実施の形態2にかかる電着塗装装置PC’
のその他の構成ないしは作用は、前記の実施の形態1に
かかる電着塗装装置PCの場合と同様である。
【0052】表1に、図4(a)に示す電着塗装実験装
置(ラボ実験装置)を用いて、本発明にかかる電着塗装
の塗装性能(実施例1、2)と、比較例にかかる電着塗
装の塗装性能(比較例1、2)とを実測して得た結果を
示す。この電着塗装実験装置では、サイド極40と被塗
装物41との間の電圧V1(サイド極電圧V1)と、底部
極42と被塗装物41との間の電圧V2(底部極電圧
2)とを任意に設定することができるようになってい
る。この電着塗装実験では、被塗装物41は、図4
(b)に示すような、底面の大半が開口した中空箱形の
ものが用いられている。なお、この被塗装物41は溶融
化亜鉛メッキ鋼板で形成されている。
【0053】
【表1】
【0054】表1から明らかなとおり、底部極電圧V2
をサイド極電圧V1よりも高くして、本発明にかかる電
着塗装手法により電着塗装が施された実施例1(V1
200V、V2=250V)及び実施例2(V1=170
V、V2=250V)では、いずれも、被塗装物41の
外面及び内面に適切な膜厚の塗膜が形成され、かつ被塗
装物41の外面にはガスピンは発生していない。
【0055】他方、サイド極電圧V1と底部極電圧V2
を等しく200Vとした比較例1では、被塗装物41の
外面には適切な膜厚の塗膜が形成され、かつガスピンは
発生していないものの、内面の塗膜の膜厚が不十分な値
(5μm)となっている。また、サイド極電圧V1と底
部極電圧V2とを等しく250Vとした比較例2では、
被塗装物41の外面及び内面に適切な膜厚の塗膜が形成
されているものの、被塗装物41の外面にガスピンが発
生している。
【0056】よって、本発明にかかる電着塗装手法によ
れば、ガスピンを発生させることなく被塗装物の外面及
び内面に適切な膜厚の塗膜を形成することができるが、
本発明にかかる電着塗装手法を用いない場合は、被塗装
物の内面の塗膜の膜厚が不十分なものとなったり、ある
いは外面にガスピンが発生するなどといった不具合が生
じるおそれが高いものと予想される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1又は実施の形態2にか
かる連続式の電着塗装装置の側面断面を示す模式図であ
る。
【図2】 (a)、(b)は、それぞれ、本発明の実施
の形態1にかかる電着塗装装置の電極の配置形態を示す
側面断面図と立面断面図とである。
【図3】 (a)、(b)は、それぞれ、本発明の実施
の形態2にかかる電着塗装装置の電極の配置形態を示す
側面断面図と立面断面図とである。
【図4】 (a)は本発明にかかる電着塗装及び従来の
電着塗装の塗装性能を測定するために用いられた電着塗
装実験装置の立面断面を示す模式図であり、(b)は
(a)に示す実験装置で用いられる被塗装物の斜視図で
ある。
【符号の説明】
PC…電着塗装装置(実施の形態1)、PC’…電着塗
装装置(実施の形態2)、1…ワーク(自動車ボデ
ィ)、2…コンベア、3…電着槽、3a…電着槽側面、
3b…電着槽底面、4…電着塗料、5…オーバーフロー
槽、6…レール、7…リンク機構、8…ハンガー、10
…サイド極、10a…前側サイド極、10b…後側サイ
ド極、11a…導電部材、11b…導電部材、12a…
低圧直流電源、12b…低圧直流電源、13a…プラス
側導線、13b…プラス側導線、14a…ダイオード、
14b…ダイオード、15a…マイナス側導線、15b
…マイナス側導線、16…導電レール、17…アース導
線、18…アース部、20…底部極、21…導電部材、
22…高圧直流電源、23…プラス側導線、24…ダイ
オード、25…マイナス側導線、27…アース導線、2
8…アース部、30…ルーフ極、31…導電部材、33
…分岐導線、34…ダイオード。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電着槽内に貯留された液状の電着塗料に
    浸漬されて移動している導電性の被塗装物と、上記電着
    槽内に配置された電極との間に直流電源から電圧が印加
    され、上記電着塗料中の塗料が上記被塗装物の表面に電
    着させられるようになっている電着塗装装置において、 上記電極が、上記電着槽内において電着槽側面近傍で被
    塗装物移動方向に配列され、上記被塗装物との間に第1
    の電圧が印加される複数の側部電極部材と、上記電着槽
    内において電着槽底面近傍で被塗装物移動方向に配列さ
    れ、上記被塗装物との間に上記第1の電圧よりも高い第
    2の電圧が印加される複数の底部電極部材とを備えてい
    ることを特徴とする電着塗装装置。
  2. 【請求項2】 被塗装物移動方向にみて、上記側部電極
    部材が電着槽前端部付近を除いて上記電着槽のほぼ全部
    にわたって配置される一方、上記底部電極部材が上記電
    着槽のほぼ中央部及び後半部に配置されていることを特
    徴とする、請求項1に記載された電着塗装装置。
  3. 【請求項3】 被塗装物移動方向にみて、上記側部電極
    部材が電着槽前端部付近を除いて上記電着槽のほぼ前半
    部に配置される一方、上記底部電極部材が上記電着槽の
    ほぼ中央部及び後半部に配置されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載された電着塗装装置。
  4. 【請求項4】 上記電極が、被塗装物移動方向にみて上
    記電着槽のほぼ後半部において、該電着槽上部で被塗装
    物移動方向に配列され、上記被塗装物との間に上記第1
    の電圧又は第2の電圧が印加される複数の上部電極部材
    を備えていることを特徴とする、請求項3に記載された
    電着塗装装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の電圧がガスピンが発生する電
    圧よりも低くかつ電着塗装可能な範囲内の電圧であり、
    上記第2の電圧が上記第1の電圧よりも50〜150V
    だけ高い電圧であることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか1つに記載された電着塗装装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の電圧が200〜250Vの範
    囲内の電圧であり、上記第2の電圧が250〜350V
    の範囲内の電圧であることを特徴とする、請求項1〜4
    のいずれか1つに記載された電着塗装装置。
  7. 【請求項7】 上記被塗装物が、自動車の金属製ボディ
    であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つ
    に記載された電着塗装装置。
  8. 【請求項8】 上記電着塗料がカチオン系電着塗料であ
    って、上記被塗装物が上記直流電源のマイナス側出力端
    子に電気的に接続され、上記電極が上記直流電源のプラ
    ス側出力端子に電気的に接続されていることを特徴とす
    る、請求項7に記載された電着塗装装置。
  9. 【請求項9】 電着槽内に貯留された液状の電着塗料に
    浸漬されて移動している導電性の被塗装物と、上記電着
    槽内に配置された電極との間に直流電圧を印加して、上
    記電着塗料中の塗料を上記被塗装物の表面に電着させる
    ようにした電着塗装方法において、 上記電極を構成する複数の電極部材の一部を、上記電着
    槽内において電着槽側面近傍で被塗装物移動方向に配列
    させた上で、該電極部材と上記被塗装物との間に第1の
    電圧を印加し、 上記電極を構成する複数の電極部材の他の一部を、上記
    電着槽内において電着槽底面近傍で被塗装物移動方向に
    配列させた上で、該電極部材と上記被塗装物との間に、
    上記第1の電圧よりも高い第2の電圧を印加することを
    特徴とする電着塗装方法。
  10. 【請求項10】 被塗装物移動方向にみて、電着槽側面
    近傍に配列させる電極部材を、電着槽前端部付近を除い
    て上記電着槽のほぼ全部にわたって配置する一方、電着
    槽底面近傍に配列させる電極部材を、上記電着槽のほぼ
    中央部及び後半部に配置することを特徴とする、請求項
    9に記載された電着塗装方法。
  11. 【請求項11】 被塗装物移動方向にみて、電着槽側面
    近傍に配列させる電極部材を、電着槽前端部付近を除い
    て上記電着槽のほぼ前半部に配置する一方、電着槽底面
    近傍に配列させる電極部材を、上記電着槽のほぼ中央部
    及び後半部に配置することを特徴とする、請求項9に記
    載された電着塗装方法。
  12. 【請求項12】 上記電極を構成する複数の電極部材の
    別の一部を、上記電着槽のほぼ後半部において電着槽上
    部で被塗装物移動方向に配列させた上で、該電極部材と
    上記被塗装物との間に、上記第1の電圧又は第2の電圧
    を印加することを特徴とする、請求項11に記載された
    電着塗装方法。
  13. 【請求項13】 上記第1の電圧を、ガスピンが発生す
    る電圧よりも低くかつ電着塗装可能な範囲内の電圧に設
    定し、上記第2の電圧を上記第1の電圧よりも50〜1
    50Vだけ高い電圧に設定することを特徴とする、請求
    項9〜12のいずれか1つに記載された電着塗装方法。
  14. 【請求項14】 上記第1の電圧を200〜250Vの
    範囲内の電圧に設定し、上記第2の電圧を250〜35
    0Vの範囲内の電圧に設定することを特徴とする、請求
    項9〜12のいずれか1つに記載された電着塗装方法。
  15. 【請求項15】 上記被塗装物として、自動車の金属製
    ボディを用いることを特徴とする、請求項9〜14のい
    ずれか1つに記載された電着塗装方法。
  16. 【請求項16】 上記電着塗料としてカチオン系電着塗
    料を用いた上で、上記被塗装物に直流電源のマイナス側
    の電位を印加し、上記電極に該直流電源のプラス側の電
    位を印加することを特徴とする、請求項15に記載され
    た電着塗装方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010174364A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Honda Motor Co Ltd 電着塗装装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010174364A (ja) * 2009-02-02 2010-08-12 Honda Motor Co Ltd 電着塗装装置

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