JPH11246873A - 精製天然クレゾール酸生成物の製法 - Google Patents

精製天然クレゾール酸生成物の製法

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JPH11246873A
JPH11246873A JP10183327A JP18332798A JPH11246873A JP H11246873 A JPH11246873 A JP H11246873A JP 10183327 A JP10183327 A JP 10183327A JP 18332798 A JP18332798 A JP 18332798A JP H11246873 A JPH11246873 A JP H11246873A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然クレゾール酸含有フィードストックから
高純度及び高回収率で精製天然クレゾール酸を回収す
る。 【解決手段】 グリセリン及び他の多価アルコール、好
ましくはトリエチレングリコールの混合物でなる重質相
溶媒を使用する向流液/液抽出によって天然クレゾール
酸を処理してニュートラルオイル不純物を除去する。軽
質相溶媒は軽質パラフィン系又はシクロパラフィン系炭
化水素である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の分野は、天然クレゾール酸混合物
からのニュートラルオイル不純物の分離に適用されるよ
うな液/液分別向流抽出にある。
【0002】天然クレゾール酸、フェノール、クレゾー
ル、エチルフェノール、キシレノール及びC9フェノー
ル類の混合物を含有するフィードストックは、原油処理
又は石炭処理を介して得られる。このようなフィードス
トックはすべて、ニュートラルオイル及びタール塩基を
含有する。本明細書を通して使用する「ニュートラルオ
イル」は、不純物でなるものと見られる有機化合物の1
つの種類であり、天然クレゾール酸フィードストックに
固有のものである。ニュートラルオイル中の個々の物質
は、フェノールのような酸性又はたとえばタール塩基
(しばしばアニリン及びその同族体との混合物の形のピ
リジン及びその同族体)の如き塩基性のいずれでもな
く、その反応において本質的に中性の化合物である。
【0003】石油精製からの使用済みか性アルカリは、
製油所留出物の水酸化ナトリウムでの抽出によって得ら
れる。これは、顕著な量のクレゾール酸及びニュートラ
ルオイル不純物を含有する。従来技術によれば、この使
用済みか性アルカリは、初めにイオウ化合物を除去する
ことによって処理され、ついで、ニュートラルオイル化
合物及びタール塩基がか性溶液から水蒸気蒸留を介して
除去される。ついで、か性アルカリクレゾール酸塩と酸
との反応によってクレゾール酸が「湧出(sprung)」さ
れる。最後に、水を除去して湧出フェノール系オイルを
蒸留乾燥させ、ついで蒸留してピッチ(高沸点残留物質
である)からクレゾール酸を分離する。このような方法
は、ニュートラルオイル及びタール塩基の除去のための
スチーミング工程を排除できれば、又はその過酷さを低
減できれば、本発明に適する粗製クレゾール酸混合物を
提供する。このようなフィードストックも、フェノール
を除去するために蒸留によって脱フェノール化されれば
好適であろう。
【0004】たとえばコーキング、ガス化又は他の石炭
脱揮発成分化又は選鉱の如き石炭処理技術はいずれも、
少なくとも2つの凝縮物流、すなわちコールタールオイ
ル及びフェノール富有凝縮水を生ずる。これらは、石炭
からのガス状脱揮発成分化生成物の冷却によるものであ
る。コールタールオイルは、クレゾール酸を含有する留
出物フラクションを得るためにフィードストックとして
使用される。コールタールオイルは、水及び軽留分(後
者はしばしば芳香族ナフサでなる)、及びクレゾール酸
を含むカルボリックオイル留出物(タールオイル留出物
として公知)を分離するために蒸留される。この物質は
多量の、しばしば50〜70%の範囲のニュートラルオ
イル及び比較的少量(3〜6%の範囲)のタール塩基を
含有する。このフィードストックは、多くの従来技術に
よって処理され、不純物が除去される。このフィードス
トックは本発明の対象物質であり、またこの物質は脱フ
ェノール化され、つづいてフィードストックとして使用
される。精製(最終のタール塩基の除去を含む)された
後、クレゾール酸はそのままで販売され、又は各種の生
成物(たとえば、クレゾール又はキシレノール、又はこ
れらと他のフェノールとの混合物)に蒸留される。
【0005】フェノール富有凝縮水(ガス液)は、多く
の場合、溶媒(たとえば、エーテル、エステル、ケトン
又は軽質芳香族物質)によって抽出処理され、その中に
含有されるフェノールが抽出される。溶媒の除去後で
は、このフェノールの混合物は、しばしば粗製フェノー
ルと呼ばれる。このような粗製フェノールは、クレゾー
ル酸フラクション(一価フェノールフラクションであ
る)をピッチから分離するために蒸留される。ピッチは
しばしば二価フェノールを含有する。ついで、クレゾー
ル酸フラクションは、水及び軽留分(水と共に蒸留され
る)を除去するため、蒸留によって乾燥される。このよ
うにして得られた乾燥及び脱ピッチ化物質(粗製クレゾ
ール酸)は、ニュートラルオイル富有の点で、上述のタ
ールオイル留出物よりもはるかに低い。この粗製クレゾ
ール酸は、代表的には、約1.5〜5%のニュートラル
オイル、及び1.5〜4%のタール塩基を含有する。こ
の物質も、精製するため、販売製品の調整のため、又は
分別した後に販売するために多くの従来技術によって処
理される。これもまた、そのままで又は脱フェノール化
された後、本発明の対象物質となる。
【0006】タールオイル留出物フィードストックは、
過去においては、3種類の処理技術のいずれかによって
精製されていた。これらの技術は、(1)通常水酸化ナ
トリウムによるか性化、及びニュートラルオイル及びタ
ール塩基の水蒸気蒸留、つづく湿潤フェノールオイルを
湧出させることによってなるもの、(2)ニュートラル
オイルからクレゾール酸を抽出することへの各種単一溶
媒の適用、及び(3)溶媒の非混和性二相ペア(1つは
フェノールを溶解させるものであり、他はニュートラル
オイルを溶解させるものである)を使用し、つづいてフ
ェノール及びニュートラルオイルから各溶媒を分離する
溶媒回収システムを伴う多数のデュアル溶媒技術であ
る。さらに、Phenoraffin法はデュアル溶媒システムと
して分類されるが、溶媒の1つとしてクレゾール酸ナト
リウムの形のナトリウムイオンを使用する点で、及びト
ルエンを回収するための蒸留工程においてニュートラル
オイルのいくらかが除去される点でハイブリッドであ
る。
【0007】上記3種のカテゴリーの第1のものは、ク
レゾール酸処理法の最も古いものである。フィードスト
ックをか性化した後(既にか性化された使用済みか性ア
ルカリの場合には不要)、か性アルカリ相を、不溶性の
ニュートラルオイルからデカンテーションによって除去
する。使用済みか性アルカリの場合、使用済みか性アル
カリが製油所でデカンテーションされるため、浮遊する
ニュートラルオイルは存在せず、ガス液等から抽出され
た粗製フェノールの場合には、ニュートラルオイル相を
形成するには不十分な量のニュートラルオイルが存在す
る。次の工程は、か性アルカリクレゾール酸塩中に溶解
した中性物質及びタール塩基を水蒸気蒸留することであ
る。これにつづいて、湿潤フェノール系樹脂オイルを発
生させるために酸を使用する。ついで、この湿潤した湧
出クレゾール酸を、水を留去することによって乾燥させ
る。必要であれば、クレゾール酸を蒸留してピッチ様の
物質から分離することができ、又は少量の硫酸を添加
し、この混合物を蒸留して、ピッチ様物質から、また完
全には水蒸気蒸留除去されなかった微量のタール塩基か
らクレゾール酸を分離することもできる。
【0008】この従来技術は、特に水酸化ナトリウムが
購入又は再生されなければならない場合には高価であ
り、またバルキーであり、エネルギー消費が大きい。か
性アルカリが生石灰法によって副生炭酸ナトリウム(湿
潤フェノール系オイルの二酸化炭素発泡を介して得られ
る)から再生されない場合には、ナトリウム含有廃水蒸
気が移送及び販売されなければならない。
【0009】単一溶媒抽出法は、各種のタールオイル留
出物からフェノールを抽出するために極性溶媒を使用す
る。これらの方法では、たとえばグリコール、エタノー
ルアミン、アンモニア、酢酸、エチルアミン、サリチル
酸ナトリウム、メタノール、又は熱湯の如き多数の溶媒
の水溶液が使用される。代表的には、抽出物から溶媒を
再循環のため分離するに当たり蒸留が利用されている。
これらの方法はいずれも、現在の市場で販売されるには
多すぎるニュートラルオイルを含有するクレゾール酸を
提供するものである。
【0010】単一溶媒のアプローチに伴う純度対収率の
問題のため、従来の向流抽出に対抗して、分別、側部供
給、向流抽出を利用するデュアル溶媒システムが開発さ
れた。これらの方法は、クレゾール酸を溶解させるため
に極性溶媒を及びニュートラルオイルを溶解させるため
に非極性溶媒を使用する。これらの方法の側部供給分別
方式は、フィードストックの1成分を他のものから分離
することを目的として、多数の液/液平衡段階を利用す
ることを可能にする。これは、純度(重質溶媒の回収を
目的に使用される多数の段階)及び回収(軽質溶媒の回
収を目的とする多数の段階によるクレゾール酸の生成)
の両方の制御を実行する能力を付与する。極性溶媒の中
に含まれるものとして、メタノール、アンモニア、アセ
トアミド、酢酸、エタノール、グリコール、モノエチル
アミン及びスルホン酸ナトリウム塩の水溶液が使用され
ている。非水性極性溶媒としては、各種のグリコール及
びグリセリンが含まれる。軽質の非極性溶媒としては、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル、ディー
ゼル及び各種の非芳香族ナフサが含まれる。一般に、再
循環のためエキストラクト及びラフィネートから溶媒を
分離し、フェノール樹脂生成物及びニュートラルオイル
の流れを単離するには蒸留が利用されていた。
【0011】デュアル溶媒分別抽出法の最もよく知られ
た方法は、米国特許第2,666,796号に開示された
ものであり、該方法は水性メタノール及びヘキサンを使
用する。この方法に関連して1950年代から利用でき
る文献は、約0.2%又は0.1%のニュートラルオイル
含量が可能であることを開示している。しかしながら、
当時利用できた分析法は、クレゾール酸物質中に実際に
存在するニュートラルオイルのすべてを表示することに
関して適性なものとは全くかけ離れたものであると言わ
ざるを得ない。
【0012】ニュートラルオイル分析の初期の方法は、
クレゾール酸サンプルのか性化及び該サンプルからニュ
ートラルオイル及びタール塩基を水蒸気蒸留することに
基づくものであった。これにつづいて、塩基を滴定し、
最後に留出物中に存在するニュートラルオイルの容量を
測定し、比重ファクターを剰じてニュートラルオイルの
重量百分率を求めていた。この方法は、現在では、時代
遅れのものとなっている。非常に大きいケトン含量(特
にシクロペンテノン類似体)、又はニトリルの含量を表
示することはできないし、水蒸気留出物水相中に溶解し
がちなニュートラルオイル物質の中の最も極性のものも
表示できない。最近の技術は、それぞれニュートラルオ
イル物質の特定の種類又は個々の物質を表示し、サンプ
ルに関する正確な総ニュートラルオイル含量を表すよう
に企図された多くの方法を利用する。
【0013】タールオイル留出物に由来の発明対象のク
レゾール酸生成物は、水相がわずかなヘーズを示すこと
ができたとしても、水蒸気留出物中のオイルの容量を測
定する古い方法によっては全くニュートラルオイルを表
示しない。このように、古い方法によっては、この生成
物は、ニュートラルオイル含量なし又はゼロ、オイル容
量を測定するにはオイルの検出可能な量としては十分で
はないといわれるはずである。発明対象に関してフィー
ドストックとしてタールオイル留出物を使用する場合に
は、従来の各種のデュアル溶媒法による生成物のニュー
トラルオイル含量は、最近の分析法によって測定される
ように、古い測定技術を利用するか性化サンプルの水蒸
気蒸留から報告された結果よりもほぼ大きい値であるこ
とが見出されている。クレゾール酸生成物が最近の測定
法を利用して分析されるようなニュートラルオイル含量
1%より少を有するポイントまで従来法を利用しようと
することは非常に困難である。
【0014】水性の軽沸点溶媒を使用する従来法の問題
点の1つは、メタノールの如き溶媒の蒸留による除去の
後に、塔底生成物が2相、すなわち湿潤したクレゾール
酸生成物及び水であることである。湿潤したクレゾール
酸から水をデカンテーションすることは極めて煩雑であ
る。水相は合体し、湿潤したクレゾール酸から分離する
には困難を伴う。一旦水が合体し、これから湿潤したク
レゾール酸がデカンテーションによって除去されると、
残留する溶解された水はクレゾール酸から留去されなけ
ればならず、これには多量のエネルギーを必要とする。
このように、これらの問題点を回避するためには乾燥溶
媒を使用する必要があった。
【0015】抽出剤としてトリエチレングリコールを使
用して、又は抽出剤としてグリセリンを使用して各種の
研究が行われている。このような研究を記載する論文
は、Journal of Applied Chemistry,6月,1952,
p314に見られる。フェノール、トリエチレングリコ
ール及び炭化水素(コールタール炭化水素留出物フラク
ション)の系及びフェノール、グリセリン及び炭化水素
の系に関して、3つの温度における三元溶解度ダイアグ
ラムが示されている。さらに、系に対する水の各種の添
加量の影響が溶解度ダイアグラムにおいて明らかにされ
ている。結果は、トリエチレングリコール系に添加され
た水の影響が好ましいことを示し、これは、トリエチレ
ングリコールへの水の限定された添加が、少量のニュー
トラルオイルを含有する改善された生成物を提供するこ
とを示すものである。グリセリンに対する水の影響は、
添加された水の存在下におけるグリセリン相が、グリセ
リンが無水の場合よりもニュートラルオイル炭化水素の
より多くを溶解させる傾向があるため好ましくない。
【0016】Journal of Applied Chemistry の195
3年3月号に開示された他の論文では、検討された系が
クレゾール酸、トリエチレングリコール又はグリセリ
ン、及び石炭由来の炭化水素留出物である点を除き、同
様の研究が報告されている。グリセリン中の混合された
フェノールの溶解度は全く低く、ラフィネートからの良
好な回収を達成するには多数の段階が必要となるほどで
ある。また、グリセリン相におけるニュートラルオイル
の溶解度は大きい。このように、分解は、混合フェノー
ルよりもむしろ、フェノールを使用する上述の系におけ
るほど望ましくはない。換言すれば、フェノール樹脂
は、グリセリン中には十分には溶解せず、ニュートラル
オイルは初期の研究におけるよりもより溶解性であっ
た。トリエチレングルコールについては、フェノール樹
脂の溶解度は、水37%を含有するトリエチレングリコ
ールを使用する場合に良好であった。また、ニュートラ
ルオイル0.1%を含有する生成物を得ることも可能で
あることが報告されているが、おそらく実際の含量は、
最近の分析法を利用すれば、より高い値として測定され
るであろう。
【0017】本発明の開発において、無水トリエチレン
グリコールの研究は、約7〜8の平衡段階を有するKarr
カラムの如き最近の高効率分別向流抽出装置を使用した
としても、クレゾール酸生成物中の総ニュートラルオイ
ル含量を、最近の分析法を利用して測定して1〜2%の
範囲より少ないものとすることはできないことを示し
た。タールオイル留出物フィードストックによる研究
は、最近の抽出装置及び分析法を使用する場合、公知の
湿潤メタノール/ヘキサン系も最高でも1〜2%の範囲
のニュートラルオイルを含有するクレゾール酸を生ずる
ことを示した。
【0018】水性トリエチレングリコールを使用すると
すれば、湿潤メタノールとは異なり、グリコールがクレ
ゾール酸よりも高い沸点を有するため、クレゾール酸生
成物から除去するためにすべての水を蒸留することが要
求されるであろう。メタノールが蒸留によって除去され
た後、水のかなり大きいフラクションが分離相を形成す
るため、クレゾール酸から水をデカントすることができ
る。トリエチレングリコールについては、匹敵する方法
のオプションは存在しない。水の蒸留はエネルギーの消
費が非常に大きく、従って、商業的には全く不経済であ
る。
【0019】Journal of Applied Chemistryに示された
上述の研究は、米国特許第2,790,834号及び米国
特許第730,473号に対応する。開示された論文に
おけるように、使用される好適な重質の抽出溶媒は、ト
リエチレングリコールの水溶液、又はグリセリン(高い
溶媒比率及びフェノール樹脂を抽出するためには抽出段
階の数が増大することにより、混合フェノールの抽出に
ついてはあまり望ましいものではない)であった。他の
多価アルコール溶媒も検討されている。
【0020】Cumming及びMortonの文献は、グリセリン
は混合フェノール(クレゾール酸)を十分に抽出できな
いことが見出されたこと、及びこの点は本発明につなが
るテストによって支持されることを示している。工業的
に利用できる溶媒をリストするデータ表において、極性
及び水素結合が生ずる度合の点で水のみがグリセリンを
越える。
【0021】グリセリンを使用するベンチスケールでの
研究では、この溶媒はタールオイル留出物からクレゾー
ル酸をほぼ抽出できず、グリセリンがほぼ無色のままで
あるほど少量のクレゾール酸がグリセリン中に分配され
ることが明らかになった。上述のように、無水状態のト
リエチレングリコールは、芳香族ニュートラルオイルマ
トリックスからクレゾール酸を抽出する能力の点では全
く良好であり、事実、ケトン、ナフタレン及びニトリル
の如き各種のニュートラルオイル物質の最も困難な抽出
を完全には拒否しなかった。トリエチレングリコールは
無水状態で使用され、これはその使用の非常に望ましい
形態ではあるが、これによって達成される生成物の純度
は、少なくとも所望のものよりも悪い値のオーダーであ
る。
【0022】タールオイル留出物を使用するKarrカラム
でのトリエチレングリコール(乾燥)を初めにに調査し
た際、湿潤メタノールの性能と同様に、ニトリルはあま
り除去されず、ナフタレン及びその同族体の含量は水性
メタノールを使用する場合よりも明らかに悪いことが発
見された。ケトンは多少容易に除去された。これら研究
のすべてについて使用したタールオイル留出物はニュー
トラルオイル約60%を含有していた。
【0023】Karrカラム又はミキサー・沈降機装置を使
用するニュートラルオイル除去への水性メタノール/ヘ
キサンの適用に関する研究では、この溶媒系はクレゾー
ル酸(タールオイル留出物からの生成物はナルタレン1
00ppmより少で得られる)からのナフタレン及びそ
の同族体の分離に関してかなり有効であるが、ケトン
(1〜3.5%の範囲の生成物)及びニトリル(生成物
は最良でも約1000ppmの総ニトリルを含有する)
の分離については全く有効性に乏しいことが明らかにな
った。
【0024】高い生成物回収率及び高い生成物純度を同
時に得ることは、同一のフィードストックを使用して研
究されてきた従来の各種の液/液向流分別抽出技術を介
しては可能ではなかった。
【0025】グリセリン及びトリエチレングリコールの
混合物が、天然クレゾール酸処理の分野で開示されてい
る他の各種重質相溶媒よりも、クレゾール酸からニュー
トラルオイル成分の分離を実行する能力に関して非常に
優れていることが見出された。本発明の方法では、クレ
ゾール酸を溶解させるための溶媒として使用する重質相
はグリセリン及び他の多価アルコール、好ましくはトリ
エチレングリコールの混合物であり、ニュートラルオイ
ル不純物を溶解させるための溶媒として使用する軽質相
は軽質のパラフィン系又はシクロパラフィン系炭化水素
(たとえば、ヘキサン、ヘプタン、又はシクロヘキサン
又は各種のパラフィン及び/又はシクロパラフィンの混
合物)(軽質の芳香族溶媒と混合されてもよい)である。
軽質の非極性溶媒と組合されたこの重質溶媒混合物は、
クレゾール酸含有フィードストックからのクレゾール酸
の高回収率(92〜97%)及び総ニュートラルオイル
200〜800ppmの生成物純度の両方を達成でき
る。
【0026】本発明の開発において、グリセリンが芳香
族ニュートラルオイルマトリックスからクレゾール酸を
抽出するため極性でありすぎる場合には、他の溶媒の極
性を増大させるために使用できるであろう(グリセリン
と他の溶媒との間の沸点の幅が非実用的な系を生じない
場合)と想像した。グリセリンをグリコール(グリセリ
ンからあまり掛け離れていない沸点を有するため、理想
的にはトリエチレングリコール)の極性を改善するため
に使用できることを示すに当たり、この混合重質相溶媒
系における分布係数を、軽質溶媒としてヘキサンを使用
して測定した。ケトン及びベンゾニトリル(これらはテ
ストした亜炭由来のタールオイル留出物中に見られる)
の如き高極性物質を含む多くのニュートラルオイル物質
の係数を測定した。タールオイル留出物中に存在するフ
ェノール樹脂の係数も測定した。グリセリンをかなり富
有し(65〜85%)、トリエチレングリコールが少な
い(35〜15%)溶媒系は、研究されている各種の他
の乾燥溶媒系について観察されるよりも、ニュートラル
オイルの除去に関してより望ましい係数を与えたことが
見出された。ほぼすべてのニュートラルオイル物質につ
いて、この混合溶媒は、高い溶媒極性を与えるために水
に頼っていた各種の水性系よりも良好に機能する。フェ
ノール樹脂について測定された係数(フィードストック
からフェノールが回収される程度を示す)は純粋なグリ
セリンに関するよりもかなり良好であった。これによ
り、クレゾール酸の良好な回収が同時に高純度をもって
達成されたものと結論した。
【0027】パイロットプラントでの試験で予測を確認
し、タールオイル留出物から、従来のニュートラルオイ
ルテスト(か性化サンプルの水蒸気蒸留)ではテスト凝
縮水中のわずかなにごりのみ示し、測定可能なオイルが
全くないことを示すようなクレゾール酸生成物を生成で
きることが見出された。より精巧な分析テストは、この
クレゾール酸生成物は、タール塩基を除去し、シクロペ
ンテノンのさらなる低減を行うための硫酸での処理の
後、総ニュートラルオイル成分800ppmより少(総
ベンゾニトリル200ppmより少、シクロペンテノン
210ppm、総ナフタレン25ppmより少を含み、
残余が他のニュートラルオイル成分でなる)を含有す
る。かかる生成物は、グリセリン65%を含有する重質
溶媒混合物を使用する際、約92%(タールオイル留出
物中の総クレゾール酸)の回収率で得られた(軽質のフ
ェノールの回収には有利に、C9フェノール類の回収に
は不利に偏っている)。
【0028】ガス液からの抽出物からの乾燥、脱ピッチ
化クレゾール酸フラクションを使用したパイロットプラ
ントテストにおいて、総ニュートラルオイル約200p
pm(総ベンゾニトリル170ppmより少、総ナフタ
レン5ppmより少を含有し、残余が他のニュートラル
成分でなる)を含有する生成物を得ることができた(シ
クロペンテノンは、これら物質全体についての下限が1
50ppmである方法では検出されなかった)。この生
成物は回収率96.8%で得られた。
【0029】タールオイル留出物フィードストックに対
するこの系の性能は、少なくとも調査された従来の他の
方法よりも生成物の純度の点で良好な値の1オーダーで
ある。他の研究者らはこれらの溶媒を個々に調査してい
たが、クレゾール酸産業においてだれも、グリセリン及
びグリコールを混合溶媒重質相系で使用できることを提
案してはいない。この方法によって天然クレゾール酸フ
ィードストックから良好な生成物の純度が得られれば、
この知見はクレゾール酸産業にとっては非常に価値ある
ものである。0.1%より多い総ニュートラルオイルを
含有するクレゾール酸生成物は現在の基準では許容され
ない。水性メタノール/ヘキサンを使用して代表的なタ
ールオイル留出物フィートストックから得られるもの
(最良のものとして)の如き約1%のニュートラルオイ
ルを含有するクレゾール酸生成物は、今日の生成物の明
細に適合するように、工業的スケールでか性化され、水
蒸気処理によってニュートラルオイルが除去されねばな
らないであろう。本発明は、高純度のクレゾール酸生成
物を提供するものであり、上述の欠点のすべてを有する
か性化及び水蒸気処理を省略できる。
【0030】他の種類の抽出装置を使用することもでき
るが、本発明の好適な具体例では、混合溶媒重質相の粘
度が比較的高いため、向流分別液/液抽出を行うために
多段階ミキサー/沈降機を使用し、フィードストックを
中間段階にポンプ送給する。ミキサー/沈降機の具体例
において、2つの相の完全な混合及び正確な平衡段階
(他の向流抽出器では、この粘稠な重質溶媒を使用して
得ることが困難である)を得るために、各段階でポンプ
及びスタチックミキサーを使用できる。10段階ミキサ
ー/沈降機が好適ではあるが、これより多い又は少ない
段階数のものも使用できる。原料物質を57℃(135
゜F)以上に予熱し、ミキサー/沈降機内を選択した温
度に維持することは重質相の粘度を低下させるものであ
り、これは、混合段階間において2つの相が解離する可
能性を増大させる。抽出装置を大気圧より高い圧力で作
動させる場合には、良好な効果を達成するため、軽質溶
媒の大気圧下沸点を越える温度を利用できる。
【0031】重質溶媒の好適な組成物は、65〜85%
の範囲のグリセリンを含み、残余がトリエチレングリコ
ールでなるものである。原料がタールオイル留出物であ
る場合には65〜75%が好適であり、粗製フェノール
(ガス液からの脱ピッチ化及び乾燥処理抽出物)につい
ては85%が好ましい。しかしながら、本発明では他の
溶媒組成も有効である。ジエチレングリコールの如き他
の多価アルコールを使用することもできるが、グリセリ
ンと共に使用される好適な助溶媒はトリエチレングリコ
ールである。これはクレゾール酸が、重質溶媒ペアから
回収される際の蒸留に当たり余りにも多くの理論棚段を
使用する必要なく、トリエチレングリコールから分離さ
れうるためである。ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、石油エーテル等の如き他のパラフィン系又はシクロ
パラフィン系溶媒も使用できるが、好適な軽質溶媒はヘ
キサンである。芳香族溶媒も使用可能であり、これらの
物質の混合物も使用できる。
【0032】重質溶媒:原料の比は約2:1〜4:1の
範囲であり、軽質溶媒:原料の比は約2:1〜8:1の
範囲である。これらの比は、原料の性質及び所望の精製
度に応じて変動する。重質溶媒:タールオイル留出物原
料の好適な比は4:1であり、軽質溶媒:当該原料の好
適な比も4:1である。この比は高純度及び良好な回収
率を与えるが、これらより下又は上の比も利用できる。
【0033】図面を参照すると、本発明の方法は、ライ
ン2を介して、原料(脱硫製油所使用済みか性アルカリ
からの湧出乾燥粗製フェノール樹脂、又はガス油からの
乾燥処理、脱ピッチ化粗製フェノール抽出物、又は脱フ
ェノール化状態のこれらのもの)を原料予熱器4にポン
プ送給して、流れを57℃以上に温めることによって開
始される。この予熱は任意であるが、実施することが好
ましい。ついで、予熱したフィードストックをミキサー
/沈降機6又は他の向流側部供給液/液抽出器(好まし
くは平衡段階数約10程度のもの)の供給段階に供給す
る。同時に、重質溶媒を、ライン8及び流れを57℃以
上に温めるための重質溶媒予熱器10を介してポンプ送
給し、ついで予熱した重質溶媒をミキサー/沈降機の段
階10の混合チャンバーに供給する。また、同時に、軽
質の非極性溶媒を、ライン12、軽質溶媒予熱器14
(該溶媒を57℃以上に温める)を介して、ミキサー/
沈降機の段階1の混合チャンバーにポンプ送給する。ミ
キサー/沈降機の各段階は溶媒混合チャンバーを具備
し、その内容物は(任意にスタチック混合部材を通っ
て)沈降チャンバーにポンプ送給する。この沈降チャン
バーのオーバーフローは軽質溶媒であり、これを軽質溶
媒の流れ方向で次の段階にデカントする。一方、この沈
降チャンバーのアンダーフローを重質相収集チャンバー
に導き、ここから重質溶媒の流れ方向で次の段階にデカ
ントする。重質溶媒をミキサー/沈降機の段階1からラ
イン16で取出し、予熱器18を介して蒸留塔20にポ
ンプ送給し、ここでクレゾール酸を凝縮器22から留出
生成物としてライン24を介して取出し、タール塩基除
去工程への供給に備えるか、又は販売又は蒸留物製品へ
の分別に供する。この塔のリボイラー26からライン2
8を介して重質溶媒を取出し、フラッシュ蒸留塔30又
は落下フィルム蒸発器にポンプ送給して、重質溶媒をフ
ラッシュし、高分子物質(塔20のリボイラー26内で
加熱された結果、重質溶媒中に存在する)から分離する
(高分子物質はライン32を介して除去される)。高分
子物質はミキサー/沈降機内でエマルジョンの問題を生
ずる傾向があるため除去されなければならない。脱ピッ
チ化された重質溶媒をライン8を介してポンプ送給し、
ミキサー/沈降機内で再使用する。ヘキサン又は他の軽
質溶媒はミキサー/沈降機の段階10からライン34を
通って取出され、予熱器36を通って蒸留塔38にポン
プ送給され、ここから軽質溶媒留出物はライン12を通
って取出され、凝縮器40を通り、ここから軽質溶媒は
上述の如く予熱器14を通ってミキサー/沈降機に再循
環される。蒸留塔38は塔底生成物としてニュートラル
オイルを生成し、ライン42を介して取出す(ニュート
ラルオイルは、ナフタレン用フィードストックとして使
用され、又は燃料として燃焼される)。ミキサー/沈降
機へ供給される液について選択した温度に応じて、圧力
下で操作することが必要であったり、不要であったりす
る。
【0034】
【実施例1】フェノールからC9フェノールまでの沸点
範囲(クレゾール酸フラクションを含む)を有するター
ルオイル留出物でなるフィードストックを、亜炭のガス
化に由来のコールタールオイルを蒸留することによって
調製した。このフィードストックは表1に示す組成を有
するものであった。
【0035】
【表1】 物質 重量%(又はppm) フェノール 5.4% 総クレゾール 12.0% 総エチルフェノール 4.6% 総キシレノール 8.4% グアイアコール 0.8% 4−メチルグアイアコール 0.7% メチルグアイアコール 0.1% 総C9フェノール(極微量のC10) 6.4% 総フェノール 38.4% 総ニュートラルオイル 57.9% ベンゾニトリル 3335ppm 総タール塩基 3.35%
【0036】このフィードストックをパイロットプラン
トスケールの10段階ミキサー/沈降機の段階6に流量
3.4kg/時間でポンプ送給した。温度57℃に予熱
した。フィードストックを導入する前に、ヘキサンを流
量13.8kg/時間で及び重質溶媒(グリセリン65
重量%及びトリエチレングリコール35重量%)を流量
14.0kg/時間でミキサー/沈降機に、それぞれ段
階1及び10においてポンプ送給し、これらの液レベル
及び流れを確立させた。これら2つの溶媒についても温
度57℃に予熱した。ミキサー/沈降機を絶縁し、熱の
損失を最小とした。重質溶媒:原料の重量比は4.1:
1であり、軽質溶媒:原料の重量比も4.1:1であっ
た。
【0037】10番目の段階に配置した軽質溶媒ドロー
オフから、ニュートラルオイルのヘキサン溶液を流量1
6.1kg/時間で取出し、この物質をフローバッファ
ータンクにポンプ送給し、ここから直系15cm
(6″)の78理論棚段蒸留塔(必要なものよりも棚段
数は多いが、目的とっては好適である)の棚段31に供
給し、ここから再循環用にヘキサンを塔頂生成物として
流量13.8kg/時間で回収し、塔底生成物としてニ
ュートラルオイルを流量2.3kg/時間で回収した。
この塔を大気圧下、還流比1.5で作動させた。
【0038】1番目の段階に配置した重質溶媒ドローオ
フから、重質溶媒中に溶解したクレゾール酸の溶液を流
量15.1kg/時間で取出し、この物質をフローバッ
ファータンクにポンプ送給し、ここから直系15cm
(6″)の22理論棚段蒸留塔の棚段11に供給し、こ
こからクレゾール酸を塔頂生成物として流量1.1kg
/時間で回収し、重質溶媒混合物を塔底生成物として流
量14.0kg/時間で回収した。この塔をリボイラー
における圧力21mmHg(塔頂10mmHg)及び還
流比8で作動させた。
【0039】重質溶媒の塔底生成物をフローバッファー
タンクにポンプ送給し、ここからフラッシュドラムに流
量14.0kg/時間で供給した。フラッシュドラムを
圧力10mmHgで作動させた。リボイラーを時折吸引
して、蓄積したピッチ様物質を除去した。ほぼ14.0
kg/時間の流量で生成された塔頂生成物をフローバッ
ファタンクにポンプ送給し、ここから連続してミキサー
/沈降機に再導入した。
【0040】重質溶媒中の系から除去されたクレゾール
酸の量を測定し、ミキサー/沈降機からのヘキサン相中
に含有される量を測定し、物質収支計算及び分析データ
に基づいて算定したところ、クレゾール酸の回収率は、
系に供給した原料中にみられるものの92.1%である
ことがわかった。
【0041】重質溶媒回収塔からのクレゾール酸塔頂生
成物を硫酸で処理してタール塩基を除去すると共に、シ
クロペンテノンをさらに低減させ、ついで分析したとこ
ろ、表2に示す組成を有することがわかった。
【0042】
【表2】 物質 重量%(又はppm) フェノール 14.0% 総クレゾール 35.1% 総エチルフェノール 13.6% 総キシレノール 22.4% グアイアコール 2.0% 4−メチルグアイアコール 1.2% メチルグアイアコール 0.2% 総C9フェノール(極微量のC10) 11.4% 総フェノール 99.9% 総ニュートラルオイル 800ppmより少 下記成分を含む シクロペンテノン 210ppm* ベンゾニトリル 142ppm メチルベンゾニトリル 40ppm スチーム揮発ニュートラルオイル 380ppm 下記成分を含む ナフタレン 8ppm アセトフェノン 62ppm 1−メチルナフタレン 9ppm 2−メチルナフタレン 5ppm *:検知/確かな定量の下限は150ppmである。
【0043】このパイロットプラントの稼働からのデー
タは、本発明が、生成物からのタール塩基の除去の後
に、総不純物800ppmより少のクレゾール酸を回収
率92%で提供できることを示す。
【0044】
【実施例2】フィードストックは、石炭由来のクレゾー
ル酸物質の混合物、主としてガス液からの抽出物でな
り、オルト−クレゾールからC9フェノール類までの沸
点範囲のものでなる(フェノールフラクションは除去さ
れ、さらにグアイアコールも除去されている)。このフ
ィードストックを分析したところ、表3に示すような組
成を有することがわかった。
【0045】
【表3】 物質 重量%(又はppm) フェノール 0.3% 総クレゾール 77.9% 総エチルフェノール 7.8% 総キシレノール 10.8% 総C9フェノール(C10,0.26%を含む) 1.8% 総フェノール 98.6% 総ニュートラルオイル 1.37% 次の成分を含む ベンゾニトリル 2200ppm スチーム揮発ニュートラルオイル 1.15% 下記成分を含む ナフタレン 2283ppm アセトフェノン 602ppm 1−メチルナフタレン 1209ppm 2−メチルナフタレン 2318ppm 総タール塩基 なし
【0046】このフィードストックをパイロットプラン
トスケールの10段階ミキサー/沈降機の段階6に流量
3.7kg/時間でポンプ送給した。温度57℃に予熱
した。フィードストックを導入する前に、ヘキサンを流
量21.8kg/時間で及び重質溶媒(グリセリン85
重量%及びトリエチレングリコール15重量%)を流量
14.7kg/時間でミキサー/沈降機に、それぞれ段
階1及び10においてポンプ送給し、これらの液レベル
及び流れを確立させた。これら2つの溶媒についても温
度57℃に予熱した。ミキサー/沈降機を絶縁し、熱の
損失を最小とした。重質溶媒:原料の重量比は4.0:
1であり、軽質溶媒:原料の重量比も5.9:1であっ
た。
【0047】10番目の段階に配置した軽質溶媒ドロー
オフから、ニュートラルオイルのヘキサン溶液を流量2
2.0kg/時間で取出し、この物質をフローバッファ
ータンクにポンプ送給し、ここから直系15cm
(6″)の78理論棚段蒸留塔の棚段31に供給し、こ
こから再循環用にヘキサンを塔頂生成物として流量2
1.8kg/時間で回収し、塔底生成物としてニュート
ラルオイルを流量0.2kg/時間で回収した。この塔
を大気圧下、還流比2で作動させた。
【0048】1番目の段階に配置した重質溶媒ドローオ
フから、重質溶媒中に溶解したクレゾール酸の溶液を流
量18.2kg/時間で取出し、この物質をフローバッ
ファータンクにポンプ送給し、ここから直系15cm
(6″)の22理論棚段蒸留塔の棚段11に供給し、こ
こからクレゾール酸を塔頂生成物として流量3.5kg
/時間で回収し、重質溶媒混合物を塔底生成物として流
量14.7kg/時間で回収した。この塔をリボイラー
における圧力21mmHg(塔頂10mmHg)及び還
流比4.4で作動させた。
【0049】重質溶媒の塔底生成物をフローバッファー
タンクにポンプ送給し、ここからフラッシュドラムに流
量14.7kg/時間で供給した。フラッシュドラムを
圧力10mmHgで作動させた。リボイラーを時折吸引
して、蓄積したピッチ様物質を除去した。ほぼ14.7
kg/時間の流量で集められた塔頂生成物を連続してミ
キサー/沈降機に再導入した。
【0050】重質溶媒中の系から除去されたクレゾール
酸の量を測定し、ミキサー/沈降機からのヘキサン相中
に含有される量を測定し、物質収支計算及び分析データ
に基づいて算定したところ、クレゾール酸の回収率は、
系に供給した原料中にみられるものの96.8%である
ことがわかった。
【0051】重質溶媒回収塔からのクレゾール酸塔頂生
成物を分析したところ、表4に示す組成を有することが
わかった。
【0052】
【表4】 物質 重量%(又はppm) フェノール 0.3% 総クレゾール 79.0% 総エチルフェノール 7.9% 総キシレノール 11.0% 総C9フェノール(極微量のC10を含む) 1.8% 総フェノール 99.98% 総ニュートラルオイル 200ppmより少 下記成分を含む シクロペンテノン 検知不能 ベンゾニトリル 128ppm メチルベンゾニトリル 40ppmより少 スチーム揮発ニュートラルオイル 35ppm 下記成分を含む ナフタレン 1ppm アセトフェノン 6ppm 1−メチルナフタレン 1ppmより少 2−メチルナフタレン 1ppmより少 *:検知/確かな定量の下限は150ppmである。
【0053】このパイロットプラントの稼働からのデー
タは、ガス液の抽出によって得られたものの如き低ニュ
ートラルオイルを使用する場合、本発明が、総不純物2
00ppmより少を含有するクレゾール酸を回収率9
6.8%で提供できることを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の好適な具体例のブロックダイア
グラムである。
【符号の説明】
4 原料予熱器 6 ミキサー/沈降機 10 重質溶媒予熱器 14 軽質溶媒予熱器 18 予熱器 20 蒸留塔 22 凝縮器 26 リボイラー 30 フラッシュ蒸留塔 36 予熱器 40 凝縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598090793 GREAT PLAINS SYNFUE LS PLANT P.O.BOX 1149,BEULAH,NORTH DAK OTA 58523, U.S.A. (72)発明者 デービッド・エッチ・ダンカン アメリカ合衆国 ノース・ダコタ 58625 ドッジ ファースト・アベニュー・サウ ス 205 (72)発明者 ジーン・ジー・ベイカー アメリカ合衆国 ノース・ダコタ 58545 ヘイゼン フィフス・アベニュー・ウエ スト 315 (72)発明者 デイナ・ジェイ・マース アメリカ合衆国 ノース・ダコタ 58545 ヘイゼン フォース・アベニュー・ノー スウエスト 402 (72)発明者 ケビン・エム・モール アメリカ合衆国 ノース・ダコタ 58545 ヘイゼン セブンス・アベニュー・ウエ スト 306 (72)発明者 アルフレッド・ケー・カーン アメリカ合衆国 ノース・ダコタ 58523 ビューラ ファースト・ストリート・ノ ースウエスト 701

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸点範囲内にフェノールないしC9フェノ
    ール類を含み、ニュートラルオイル物資でなる不純物を
    含有する天然クレゾール酸フィードストックに由来の精
    製天然クレゾール酸生成物を製造する方法において、該
    方法は、a.前記天然クレゾール酸フィードストックを
    蒸留して、沸点範囲内に前記フェノールないしC9フェ
    ノール類及び前記不純物を含む混合物を生成し;b.そ
    の一端における重質溶媒供給段階、他端における軽質溶
    媒供給段階及び中間の混合物供給段階を包含する複数の
    段階を有する向流液/液分別抽出器の前記中間混合物供
    給段階に前記混合物を供給し;c.前記重質溶媒供給段
    階に、グリセリンと、該重質溶媒が前記天然クレゾール
    酸生成物から蒸留によって分離されうるような沸点範囲
    を有する他の多価アルコールとでなる重質溶媒を供給し
    て、これによって、前記精製天然クレゾール酸を含有す
    る重質溶媒相を形成させ;d.前記軽質溶媒供給段階
    に、パラフィン系物質、及びシクロパラフィン系物質及
    びこれらの混合物でなる群から選ばれるものであって、
    前記不純物から蒸留によって分離されうる沸点範囲を有
    する軽質溶媒を供給して、これによって、前記不純物を
    含有する軽質溶媒相を形成させ;e.前記抽出器の前記
    一端で前記精製天然クレゾール酸を含有する前記重質溶
    媒相を除去し、該重質溶媒相を真空蒸留して、前記重質
    溶媒から前記精製天然クレゾール酸生成物を分離し;
    f.前記抽出器の前記他端で前記軽質溶媒相を除去し、
    蒸留して、前記不純物から前記軽質溶媒を分離し;及び
    g.前記分離された軽質溶媒を工程d.に、前記分離さ
    れた重質溶媒を工程c.に再循環する工程を包含してな
    るものであることを特徴とする、精製天然クレゾール酸
    生成物の製法。
  2. 【請求項2】前記重質溶媒が再循環される前記工程c.
    が、さらに、該工程c.への再循環前に、前記工程e.
    からの前記分離された重要溶媒の少なくとも一部を蒸留
    して、高沸点のピッチ様不純物を除去する工程を包含す
    る、請求項1記載の精製天然クレゾール酸生成物の製
    法。
  3. 【請求項3】工程a.前に、前記フィードストックを蒸
    留してフェノールを除去する、請求項1記載の精製天然
    クレゾール酸生成物の製法
  4. 【請求項4】前記フィードストックがクレゾールを含有
    するものであり、工程a.前に、前記フィードストック
    を蒸留してフェノール及びクレゾールの少なくともいく
    つかを除去する、請求項1記載の精製天然クレゾール酸
    生成物の製法。
  5. 【請求項5】前記多価アルコール溶媒がトリエチレング
    リコールである、請求項1記載の精製天然クレゾール酸
    生成物の製法。
  6. 【請求項6】前記軽質溶媒がさらに芳香族溶媒を包含す
    るものである、請求項1記載の精製天然クレゾール酸生
    成物の製法。
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