JPH11244933A - 伸線用ローラー装置 - Google Patents

伸線用ローラー装置

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JPH11244933A
JPH11244933A JP4727298A JP4727298A JPH11244933A JP H11244933 A JPH11244933 A JP H11244933A JP 4727298 A JP4727298 A JP 4727298A JP 4727298 A JP4727298 A JP 4727298A JP H11244933 A JPH11244933 A JP H11244933A
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roller
wire
rollers
groove space
case body
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Hiroo Tada
弘生 多田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各ローラー間のキャリバー空間を簡単に一致さ
せるようにした線材の伸線用ローラー装置を提供する。 【解決手段】調整用ナット40、41の回動に応じ複数
のローラー34、35を溝空間Sの中心に対し対称的に
同時に同一距離だけ放射状に移動させるようにしたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は金属線材を伸線す
る伸線用ローラー装置に関し、特に外周に溝を有する複
数個のローラーを整合させて溝空間(キャリバー)を形
成し、そこに線材を通線(挿線)させ、これを外部に配
設された引抜き装置で引抜くことで線材を減径させて伸
線する伸線用ローラー装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より線材の直径を細く加工する減径
加工、即ち伸線加工を行う方法は各種提案されている
が、そのうち、一般に採用されている方法は穴ダイスを
使った引抜き法である。
【0003】この、穴ダイスを使った引抜き法、すなわ
ち穴ダイス伸線においては、被加工線と穴ダイスとの間
での金属接触を避け、その焼き付きを防ぐため、伸線時
に粉末の補助潤滑材を使用するようにしており、またこ
の補助潤滑材の持ち込み性を良くする必要があることか
ら被加工線の表面を粗面化するようにしている。
【0004】またこの粗面化の方法は、用途や目的に応
じて適宜選択されるが、比較的焼き付きが少ない軟質の
線材を使用する場合は、酸エッチングする方法、あるい
はブラシで研磨する方法等が一般的に採用されている。
また、ステンレスや高炭素鋼等の硬い線材を使用する場
合は燐酸亜鉛被膜をコーティングする方法が一般的であ
る。しかしこの燐酸亜鉛被膜は潜在的にはんだ脆性の危
険を有しているため、現在では徐々に他の方法に切り替
えられてきている。
【0005】他の粗面化の方法としては、表面に酸化被
膜を生成させる方法、硫酸塩の結晶をコーティングする
方法等も検討されているが粗面化の程度は低く、このた
め伸線速度が制限され、また被膜が伸線途中で脱落する
等の問題が有るので、現在ではショットブラストを投射
する方法等が新たな被加工線の粗面化の方法として注目
されているのが実情である。
【0006】しかし、上述した穴ダイスを使った引抜き
法によると、被加工線の粗面化の方法を適用しても、穴
ダイス線は被加工線と穴ダイスとの間に大きな摩擦を余
儀無くされていることには変わりがなく、余分にエネル
ギーが消費されることはもちろん、摩擦によって被加工
線表面には付加的に剪断変形が伴い、このため表面に細
かなマイクロクラックが発生する原因となり、伸線され
た線材の品質低下を招来することは一般的事実として指
摘されているところで、特に被加工線としてステンレス
線等を使用した場合は上述した難点が顕著に現れること
が良く知られている。また、穴ダイスを使った引抜き法
による穴ダイス線は加工に伴う線材の加工硬化も大き
く、そのため線材加工の限界値が低く、このため伸線時
の破断の原因にもなり兼ねない。
【0007】上述した穴ダイスを使った引抜き法による
穴ダイス線の欠点を回避する加工方法として、穴ダイス
に変え、ローラーを使用するローラー伸線やロールによ
る圧延伸線等の方法が古くから知られている。
【0008】しかし、この両加工方法とも穴ダイス線よ
りも伸線コストが高いことや、装置の操作が複雑で高度
の技術を要すること、あるいはローラー又はロールの交
換に時間を要すること等の各種問題点が指摘されてお
り、ローラー伸線またはロール圧延の優位性は広く認め
られているものの、実用化の面ではいまだ極限られてお
り、一般的には未だ余り普及されていないのが実情であ
る。
【0009】上述した原因は主に装置自体の問題であ
り、特に伸線用ローラー装置に関しては、その装置寿命
が短いことと、またローラーの調節は複数個のローラー
を個々に移動させて行うため複数対の各ローラーにより
形成される溝空間(キャリバー)の中心を一致させるこ
とは至難の技で、溝空間の中心を一致させることは高度
の熟練を要し、伸線に携わる一般作業員では扱い切れな
いことが、その普及を阻む大きな要因となっている。
【0010】したがって、上述した理由により現在では
金属線の伸線加工には穴ダイスを使う伸線が一般的に採
用されているが、上述の通り、穴ダイス伸線には潤滑被
膜の前処理や後処理、その他の色々な問題が山積してい
ることから、これに代わるローラー伸線、またはロール
圧延伸線が改めて脚光を浴びており、その優位性が論じ
られているが、その優位性を発揮させるための実用的な
装置の開発が極めて遅れているのが現在の実情である。
【0011】そこで、ローラー伸線とロール圧延伸線と
を比較すると、ローラー伸線とロール圧延伸線は基本的
には引抜き加工と、圧延加工との相違はあるが、加工に
よる特性は殆ど大同小異とされている。また伸線の目的
や、用途により若干の相違はあるが、概ね加工寸法の精
度が良いことや、減面率を大きく取れること、また装置
が簡単であること等の理由でローラー伸線の方が有利と
する傾向が強い。
【0012】次に、上述した伸線用ローラー装置の従来
例を説明する。
【0013】図9は、従来の伸線用ローラー装置1を示
す正面概念断面図、図10はその側面一部断面図を示し
たものである。
【0014】この伸線用ローラー装置1は図9で示すよ
うに、水平に配設された軸2、3を中心に回動する一対
の横ローラー4、5を所定の間隔を設けて配設した横ロ
ーラーブロック6と、図10で示すように、垂直に配設
された軸7、8を中心に回動する一対の縦ローラー9、
10を配設した縦ローラーブロック11とを、一体の本
体フレーム12内に並設したいわゆる積層タイプの伸線
用ローラー装置1を示したものである。なお、図10で
は縦ローラーブロック11に配設された縦ローラー9、
10のうち、他方の縦ローラ10の図示を省略してい
る。
【0015】なお、この縦ローラーブロック11は横ロ
ーラーブロック6を90度傾けたものと見做すことがで
きる。
【0016】一方、図9に示す横ローラー4、5は、そ
れぞれ本体フレーム12に対し上下動自在に支承された
二つの軸受箱(ローラーチョック)13、14内にそれ
ぞれ軸受15を介して配設されており、また縦ローラー
9、10はそれぞれ本体フレーム12に対し水平方向へ
向け移動自在に支承された二つの軸受箱(ローラーチョ
ック)16、17内に軸受15を介して配設されてい
る。
【0017】この本体フレーム12内に支承された各軸
受箱13、14、16、17のうち、軸受箱13、14
は図9で示すようにそれぞれ横ローラー4、5間の軸間
距離を調節する4本のローラー間隔調節用ボルト18に
より本体フレーム12に支承され、また軸受箱16、1
7は、それぞれ縦ローラー9、10間(図10)の軸間
距離をを調節する4本のローラー間隔調節用ボルト19
により本体フレーム12に支承されている。
【0018】また、図9で示すように、軸受箱13、1
4間(軸受箱16、17間も同様であるが)は弾発性の
二本の中間バネ20を介し互いに反発するように配設さ
れており、この中間バネ20と各ローラーブロック6、
11毎に配設された4本のローラー間隔調節用ボルト1
8、19との締め付け調整により横ローラー4、5間の
間隔、および縦ローラー9、10間の間隔を調節し、こ
れにより横ローラー4、5間に形成される溝空間(キャ
リバー)の中心21と、縦ローラ間9、10間に形成さ
れる溝空間(キャリバー)の中心(図示せず)とを正面
から見て完全に一致させるようにしている。
【0019】そして、伸線加工を行う場合は、図10に
示すように、一方から線材22を前記横ローラー4、5
の周面間と縦ローラ9、10の周面間に形成された溝空
間(キャリバー)内に嵌挿させ、しかる後、線材22の
先端22aを図示せぬ引抜き装置で引抜くことで線材2
2を横ローラー4、5の溝4a、5a間に形成された溝
空間(キャリバー)と、縦ローラ9、10の溝9a、1
0a間に形成された溝空間(キャリバー)との間で加圧
しつつ挟持して伸線するようにしている。
【0020】なお、図10で符号23は各ローラーブロ
ック6、11に配設されたローラーの軸間距離、すなわ
ち各ローラーブロック6、11間のローラーオフセット
寸法である。
【0021】なお、上述したように一つのローラーブロ
ック内には2個のローラーが一対として配設されるが、
伸線用ローラー装置としてはこのローラーブロックが最
低2対以上、用途によりそれ以上の対を重ね合わせて
(積層して)使われるが、一般的には各ローラーブロッ
クのローラー対は互いに90度の角度をずらして、すな
わち上述したように横ローラー、縦ローラーとしてそれ
ぞれ交互に積層して使うようにしている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の線材の伸線用ローラー装置1によると、横ローラー
4、5間のキャリバー空間の中心21と、縦ローラ間
9、10間のキャリバー空間の中心とを一致させるた
め、各ローラーブロック6、11毎に配設された各4本
のローラー間隔調節用ボルト18、19の締め付け調整
作業をしなければならないが、4本のローラー間隔調節
用ボルト18、19の締め付け調整作業により常に対称
に一対のローラーの位置を調節することは至難の技で、
ましてや2対以上のローラーブロック6、11を重ね合
わせて(積層して)使う場合は各ローラーブロック6、
11に配設されたローラー対による各キャリバー空間の
中心を完全に一致させることは非常に難しく、専門家が
特殊な治具を使い、あらかじめ調節することが必要で、
運転中に作業員が簡単に調節することはほとんど不可能
であった。
【0023】また、一般に伸線用ローラー装置では、伸
線した加工線の周面形状を均一化するためには各ローラ
ーブロックを積層した時の横ローラーと縦ローラーとの
間隔、すなわち図10で示すローラーオフセット寸法2
3をできるだけ小さくすることが必要となるが、上述し
た従来の伸線用ローラー装置1で、ローラーオフセット
寸法23をできるだけ小さくしようとすると、各ローラ
ーの軸を支承する転がり軸受15のベアリング径をでき
るだけ小さくする必要があり、このため径の小さいニー
ドルベアリングの採用を余儀なくされるが、ニードルベ
アリングを使用すると、このニードルベアリングのスペ
ース的な制限からオイルシール等が不完全となり、ベア
リングの強度や寿命に影響し、実用的な面で敬遠される
要因となっていた。
【0024】この発明は、上述した事情に鑑み、各ロー
ラー間のキャリバー空間を簡単に一致させるようにした
線材の伸線用ローラー装置を提供することを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、この発明では、外周面に沿って溝が形成された複
数個のローラーをケース本体内に有し、該複数個のロー
ラーの外周面を突き合わせ整合させてなる溝空間に線材
を挿通させ、該線材の先端側を引抜き手段を介し引抜く
ことで前記溝空間を挿通する線材の径を減径させるよう
にした伸線用ローラー装置において、前記ケース本体に
螺合した一つの調整用ナットと、前記一つのローラー毎
に配設され、前記調整用ナットの回動に応じ前記複数の
ローラーを、前記溝空間の中心に対し同時に同一距離だ
け放射状に移動させるたローラ移動手段とを具え、もっ
て前記溝空間の大きさを該溝空間の中心に対し同時かつ
対称的に変化させ、これにより従来からローラー伸線の
優位性が叫ばれているにもかかわらず、ローラーおよび
ローラー間の芯出しが著しく難しく、実用化を阻んでい
た従来のローラー装置の問題点を一挙に解決したもので
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係わる伸線用ロ
ーラー装置の一実施例を詳述する。
【0027】図1は、この発明に係わるローラー伸線装
置30の正面図、図2は図1のAA拡大概念断面図で、
特に図2に示すように、円筒形の筒体からなるケース本
体31の正面側31aに軸32、33が水平に配設さ
れ、互いに対向する一対の横ローラー(Hローラー)3
4、35と、ケース本体31の背面側31bに軸36、
37(図1)が垂直に配設され、互いに対向する一対の
縦ローラー(Vローラー)38、39とを配設したもの
で、特に図2に示すようにHローラー34、35の軸位
置とVローラー38、39の軸位置との間の軸間距離
(オフセット量)Lが大きい場合は2方縦横(V・H)
ツインタイプ伸線ローラー装置として使用され、また軸
間距離(オフセット量)Lが小さい場合は4方シングル
型伸線ローラー装置として使用される、いわゆる兼用タ
イプの伸線ローラー装置を示している。
【0028】このローラー伸線装置30は、図2に示す
ように、円筒形の筒体により形成されたケース本体31
と、このケース本体31に収容された4個のローラー3
4、35、38、39(図1)からなり、この各ローラ
ー34、35、38、39の各周面には断面略円弧形状
の溝34a、35a、38a、39aが形成され、これ
らの各ローラー34、35、38、39の各溝34a、
35a、38a、39aを突き合わせ整合させてなる部
分には、図示せぬ線材を挿通させる溝空間Sが形成され
ている。
【0029】そして、このローラー伸線装置30では、
上述した溝空間S内に線材を挿通させ、この線材の先端
側を周知の引抜き手段を介し引抜くことで、線材を各ロ
ーラー34、35、38、39の各溝34a、35a、
38a、39aで加圧し前記溝空間Sを挿通する線材の
径を減径させる。
【0030】なお、上述した各ローラー34、35、3
8、39のうち、互いに対向する一対の横ローラ34、
35は、ケース本体31の正面31a側に配設され、ま
た、互いに対向する一対の縦ローラ38、39は、ケー
ス本体31の背面31b側に配設されている。
【0031】また、図2に示すように、ケース本体31
の正面31a側と背面31b側の各外周面には、それぞ
れ螺子部31c、31dが形成され、この各螺子部31
c、31dには、環状の調整用ナット40、41がそれ
ぞれ螺着している。
【0032】一方、前記各ローラー34、35、38、
39には、それぞれ前記調整用ナット40、41の回動
に応じ前記各ローラー34、35、38、39を前記溝
空間Sの中心に対し同時に同一距離だけ放射状に(溝空
間Sを中心に対称的に)移動させるローラ移動手段4
2、43、44、45(図1)が配設されている。
【0033】次に上述したローラ移動手段42、43、
44、45を説明するが、各ローラ移動手段42、4
3、44、45は、その配置位置を除き、その基本構造
は同一なので、この移動手段42、43、44、45の
うちローラー34を移動させるローラ移動手段42を代
表して説明し、他のローラ移動手段43、44、45の
説明を省略する。
【0034】図2で示すように、ローラ移動手段42
は、ローラー34の軸32を支承する一対の壁体50、
51(図1)からなる軸受箱(ローラーチョック)52
と、後述する楔手段とからなり、このうち軸受箱52は
ケース本体31内に形成された嵌挿溝30e内に収容さ
れ、図1に示す溝空間Sの中心に対し放射状に(この場
合は垂直上方へ)移動可能に支承されている。またこの
軸受箱52は、図2に示すようにケース本体31の正面
31a側と背面31b側とに固着されたチョック押え板
53、54によりケース本体31の軸方向に対し移動不
可能に支承されている。
【0035】また、上述した軸受箱52の上端にはケー
ス本体31の中心軸と平行にガイド突起52aが形成さ
れ、このガイド突起52aは楔手段60を構成する楔形
スライダー61の下端に形成されたガイド凹部61a内
にスライド自在に係合している。
【0036】一方、楔手段60を構成する楔形スライダ
ー61の上面61bは、ケース本体31の正面31a側
から背面31b側に向け傾斜が上昇する楔状に形成さ
れ、この楔形スライダー61の上面61bと対向する位
置のケース本体31内周面にもケース本体31の正面3
1a側から背面31b側に向け傾斜が上昇する楔状のガ
イド凹部30fが形成されている。さらに、このガイド
凹部30f内には楔形スライダー61の上面61b両側
方に突設されたガイド突起61cがスライド自在に係合
している。
【0037】一方、上述した楔形スライダー61の下面
にはケース本体31の正面31a側に向け断面L字形状
の舌片61dが形成され、この舌片61dの自由端61
eは、調整用ナット40の上面40aと、該上面40a
を覆って固着された環状の蓋体62との間に形成された
環状の凹部63内に係合している。
【0038】なお、ケース本体31の背面31b側に螺
合した他方の調整用ナット41の上面41aも同様に環
状の蓋体62に覆われ、その間に形成された環状の凹部
63内にローラ38、39と対応する楔形スライダー6
1に形成された舌片61dの自由端61eが係合してい
る。なお、背面側31bに配設された楔形スライダー6
1の勾配は正面側31a側に配設された楔形スライダー
61とはその向きが対称とになるように形成されてい
る。
【0039】次に上述したローラ移動手段42、43、
44、45の作用を説明する。
【0040】上述したローラ移動手段42、43、4
4、45の各楔形スライダー61によると、図1で示す
調整用ナット40、41を一方向に回転させて、図2に
示す、各調整用ナット40、41とケース本体31の正
面31a、31bとの間の距離を縮めると、各調整用ナ
ット40、41側に形成された凹部63と係合する各舌
片61dを介し各ローラー34、35、38、39に対
応する楔形スライダー61が矢印B方向へ、またローラ
ー38、39に対応する楔形スライダー61は矢印Bと
は反対方向へ、それぞれ同時に移動し、同時に各楔形ス
ライダー61は図2に示すガイド突起61cと係合する
ガイド凹部30fに沿って矢印C方向(溝空間Sの中心
から遠ざかる方向)に移動する。
【0041】このように各楔形スライダー61が同時に
矢印C方向へ移動すると、その各楔形スライダー61が
矢印C方向へ移動した距離に応じて、各ローラ34、3
5、38、39は各軸受箱(ローラーチョック)52を
介し、同様に矢印C方向、すなわち溝空間Sの中心に対
し放射状に(溝空間Sを中心に対称的に)同一距離だけ
移動し、図2と同一部分を同一符号で示す図3、および
図1と同一部分を同一符号で示す図4のように、溝空間
Sを、その溝空間Sを中心に対称的に拡大させる。する
と、各ローラ34、35、38、39の線材に対する圧
力が軽減され、そこを挿通する線材の減径率が正確に縮
小する。
【0042】なお、各調整用ナット40、41を逆に回
せば、溝空間Sが、その溝空間Sを中心に対称的に縮小
され、各ローラ34、35、38、39の線材に対する
圧力が増大し、そこを挿通する線材の減径率を正確に拡
大させることができることとなる。
【0043】なお、図2、3で符号40b、41bは各
調整用ナット40、41を回動させるための図示せぬハ
ンドルを係合させるための孔、70は各調整用ナット4
0、41に蓋体62を固着させるためのボルトである。
【0044】なお、上記実施例(図2、3)では、ケー
ス本体31内に勾配を付けるべく、楔手段60を構成す
る楔形スライダー61の上面61bを、ケース本体31
の正面31a側から背面31b側に向け傾斜が上昇する
楔状に形成し、またこの楔形スライダー61の上面61
bと対向する位置のケース本体31内周面をケース本体
31の正面31a側から背面31b側に向け傾斜が上昇
する楔状のガイド凹部30fに形成するようにしたが、
この発明は上記実施例に限定されることなく、軸受箱5
2側に勾配をつけるべく、図2と同一部分を同一符号で
示す図5のように、軸受箱52のガイド突起52aと、
これがスライド自在に係合する楔形スライダー61の下
端に形成されたガイド凹部61aを楔状に形成するよう
にしてもよい。
【0045】このように、軸受箱52のガイド突起52
aと、これがスライド自在に係合する楔形スライダー6
1の下端に形成されたガイド凹部61aを楔状に形成し
ても、図2に示すものと全く同一の作用効果を奏するこ
とはいうまでもない。
【0046】なお、上述した伸線用ローラー装置30
を、2方縦横(V・H)ツインタイプ伸線ローラー装置
として使用するか、あるいは4方シングル型伸線ローラ
ー装置として使用するかは、伸線する線材の材質や形
状、または目的等で、適宜選択されることはいうまでも
ない。
【0047】なお、上付記実施例では2方縦横(V・
H)ツインタイプ伸線ローラー装置、あるいは4方シン
グル型伸線ローラー装置に本願発明を適用する場合につ
いて詳述したが、この発明は上記実施例に限定されるこ
となく、3方ダブル型のローラー装置に適用しても良
い。
【0048】図6は本願発明を3方ダブル型のローラー
装置に適用した例を示す、伸線用ローラー装置71の組
立分解斜視図を示したもので、図5と同様に、コンパク
トな構造とするため、互いにフランジ部で連結された2
個のケース本体72、73側に勾配を付ける代わりに、
図5に示すものと同様に、そこに配設される軸受箱(ロ
ーラーチョック)52に勾配をつけた簡略型となってい
るが、原理的にも機能的にも図1に示すものと何等変わ
りがない。
【0049】この図6に示す3方ダブル型の伸線用ロー
ラー装置71では、正面側72aから配設される3個の
ローラー群74と背面側73aから配設される3個のロ
ーラー群75は、それぞれ60度づつ角度をずらし装着
され、かつ楔形スライダー61と軸受箱(ローラーチョ
ック)52は、正面側72aと背面側73aとでは勾配
の向きが対称になるように取り付けられている。
【0050】なお、図7は各ローラー群74、75装着
後を示す、伸線用ローラー装置71の正面図、図7はそ
の背面図である。
【0051】この、伸線用ローラー装置71において
も、ケース本体72、73に螺合した調整用ナット4
0、41を回動することにより、正面側72a、および
背面側73aから配設されるそれれ各3個のローラー群
74、75の各ローラー溝が形成する溝空間(キャリバ
ー空間)Sを常に、しかも溝空間(キャリバー空間)S
を中心として同時に対称的に拡大させ、これにより各ロ
ーラの線材に対する圧力調節を行って、そこを挿通する
線材の減径率を正確に調整させることができる。
【0052】即ち、上記各実施例では、2個、3個、
(あるいは4個以上)各ローラーは一つの調整用ナット
を単に回動する簡単な作業によりローラーの線材に対す
る正確な圧下調整が可能であり、また各ローラーにより
形成されるローラー溝が形成する溝空間(キャリバー空
間)Sの中心は常に一定に保たれ、図6で示すように2
個以上のローラーを一つのケースにまとめてブロック化
しても、各ブロックに収容された各ローラーの溝空間
(キャリバー空間)Sの中心はローラーの圧下調節で狂
うことはない。
【0053】従って、この発明では伸線される線材の寸
法に応じて調整用ナットを単に回動させて、ローラーの
圧下調整を行うだけでよく、伸線にたずさわる作業員は
高度の熟練を必要としない。このため例えば伸線加工後
の線の径を測定する計測装置を備えればローラーによる
線材の圧下調節の自動化も容易となる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の伸線ロ
ーラー装置では、ブロック内に配設された複数個のロー
ラーによる線材の圧下調整は、一つの調整用ナットによ
る圧力調節により正確にコントロールされ、しかも溝空
間(キャリバー)の大きさは各ローラーの溝空間(キャ
リバー)の中心に対して、常に同時対称的に調整される
ため、熟練を要する芯出しの必要もなく、操作が非常に
簡単で、またバネ等も不要となるから全体構造も強固と
なって、性能が安定し、その製品寿命も長い。また2対
のローラーを一つのケース内に組み込みこむことも可能
となるため、ブロック化し易く、使い勝手が非常に良
い。また各ローラーはブロック本体に挿入してネジ止め
するだけで組み込みが完了し、芯出し等の煩わしい調節
が不要であるため、ローラーの交換が簡単で短時間でそ
の作業を行うことが可能である。また、ローラーが磨耗
した場合は、ローラーを圧下調節量の範囲内で研磨し繰
り返し使用することができるため、伸線コストは穴ダイ
ス伸線と同等またはそれ以下が実現でき、伸線の加工コ
ストを著しく低下させるという優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係わる伸線ローラー装置の正
面図。
【図2】図2は図1のAA概念拡大断面図。
【図3】図3はこの発明に係わる伸線ローラー装置の作
用を示す断面図。
【図4】図4はこの発明に係わる伸線ローラー装置の作
用を示す正面図。
【図5】図5はこの発明に係わる伸線ローラー装置の他
の実施例を示す断面図。
【図6】図6はこの発明に係わる伸線ローラー装置の他
の実施例を示す組立図。
【図7】図7は図6に示す伸線ローラー装置の正面図。
【図8】図8は図6に示す伸線ローラー装置の背面図。
【図9】図9は従来の伸線ローラー装置の要部破断正面
図。
【図10】図10は従来の伸線ローラー装置の要部破断
正面図。
【符号の説明】
30、71…伸線用ローラー装置 31…ケース本体 34、35、38、39…ローラー 34a、35a、38a、39a…溝 40、41…調整用ナット 42、43、44、45…ローラ移動手段 52…軸受箱 60…楔手段 S…溝空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に沿って溝が形成された複数個のロ
    ーラーをケース本体内に有し、該複数個のローラーの外
    周面を突き合わせ整合させてなる溝空間に線材を挿通さ
    せ、該線材の先端側を引抜き手段を介し引抜くことで前
    記溝空間を挿通する線材の径を減径させるようにした伸
    線用ローラー装置において、 前記ケース本体に螺合した一つの調整用ナットと、 前記一つのローラー毎に配設され、前記調整用ナットの
    回動に応じ前記複数のローラーを、前記溝空間の中心に
    対し同時に同一距離だけ放射状に移動させるローラ移動
    手段とを具え、 もって前記溝空間の大きさを該溝空間の中心に対し同時
    かつ対称的に変化させるようにしたことを特徴とする伸
    線用ローラー装置。
  2. 【請求項2】前記ローラー移動手段は前記ローラーの軸
    を支承し、前記ケース本体の軸方向に対して移動不可
    能、かつ前記溝空間の中心に対し放射状に移動可能に支
    承された軸受箱と、該軸受箱にスライド自在に係合し、
    かつ前記調整用ナットの回動に応じ前記ケース本体の軸
    方向に対し移動可能に支承され、前記調整用ナットの回
    動に応じ前記ケース本体の軸方向に対し移動する際に、
    前記軸受箱を前記溝空間の中心から放射状に移動させる
    楔手段とからなることを特徴とする請求項(1)記載の伸
    線用ローラー装置。
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