JPH1124457A - 定着用ベルト及び画像定着装置 - Google Patents

定着用ベルト及び画像定着装置

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JPH1124457A
JPH1124457A JP17685597A JP17685597A JPH1124457A JP H1124457 A JPH1124457 A JP H1124457A JP 17685597 A JP17685597 A JP 17685597A JP 17685597 A JP17685597 A JP 17685597A JP H1124457 A JPH1124457 A JP H1124457A
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祥雄 金澤
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智雄 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質な画像を安定して得ることができる画
像定着装置の提供。 【解決手段】 回転可能に配置された加熱定着ロール1
0と、加熱定着ロール10に接触したまま従動走行可能
に配置された無端状の定着用ベルト20と、定着用ベル
ト20の内側に配置され、かつ定着用ベルト20と加熱
定着ロール10との間に、未定着トナー像を保持する記
録シートが通過可能なニップ部16が形成されるよう
に、定着用ベルト20を介して加熱定着ロール10を押
圧する押圧部材30とを備えてなり、定着用ベルト20
が、押圧部材30が接触摺動する面に、珪素化合物を少
なくとも含有してなる摺動離型層を有することを特徴と
する画像定着装置1である。前記珪素化合物が、シラン
化合物、シリコーン樹脂及び分子中に反応基を有する変
性シリコーンオイルから選択される少なくとも2種であ
るのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録シート上の未
定着トナー像を加熱加圧定着することによる画像形成、
例えば、電子写真複写機、プリンター、ファクシミリ等
の電子写真方式を利用した画像形成に用いる定着用ベル
ト、及び、該定着用ベルトを備えた画像定着装置、特に
ベルトニップ方式の画像定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来においては、例えば図9に示す画像
定着装置1のように、それぞれ軸受により回転自在に保
持され、互いに圧接された一対の加熱された加熱定着ロ
ール10及び加圧ロール40間のニップ部に未定着トナ
ー像を担持した記録シートを通過させることにより加熱
定着を行う加熱加圧ロール型のものが主流であった。
【0003】加熱定着ロール10は、例えば、中空のア
ルミニウム製のコア11の外周面にHTV(High
Temperature Vulcanizatio
n)シリコーンゴム等による弾性層12が形成され、該
弾性層12の表面にはRTV(Room Temper
ature Vulcanization)シリコーン
ゴム等による離型層13が形成されてなる。アルミニウ
ム製のコア11内には、熱源としてハロゲンランプ14
が挿入されており、加熱定着ロール10の表面には、サ
ーミスタ等の感温素子15が当接されている。圧力ロー
ル20は、例えば、金属製のコア41の外周面にシリコ
ーンゴム等の弾性層42が形成され、該弾性層42の表
面にPFAやPTFE等の離型層42が形成されてな
る。この従来の画像定着装置においては、圧力ロール4
0を加熱定着ロール10に対して図示しない加圧バネに
より所定の押圧力をもって圧接させることにより、記録
シートが通過可能なニップ部が形成されている。
【0004】加熱定着ロール10は、図示しない駆動系
により所定の速度で回転駆動され、圧力ロール40は、
加熱定着ロール10に従動して回転する。AC電源から
の通電によりハロゲンヒーター14が発熱し、加熱定着
ロール10が加熱される。加熱定着ロール10の温度
は、感温素子15により計測され、図示しない温度制御
回路により所定の温度にコントロールされる。そして、
未定着トナー画像を担持した記録シートが搬送され、加
熱定着ロール10及び圧力ロール20間のニップ部16
に進入する。ニップ部16において未定着トナー画像
は、熱及び圧力により溶融して記録シートに加熱定着さ
れる。
【0005】しかしながら、このような従来における加
熱加圧ロール型の画像定着装置の場合、加熱定着ロール
又は圧力ロールの一方若しくは両方の弾性層を変形させ
てニップ部を形成しているので、以下のような問題があ
る。即ち、ある所定幅以上のニップ部を形成するために
は、定着ロール又は圧力ロールの一方若しくは両方の弾
性体層を比較的厚くし、また、これらのロール間の押圧
力を大きくしなければならない。このことは、定着ロー
ルの弾性体層及びコアの厚肉化、定着ロールの大熱容量
化に繋がる。換言すれば、定着ロールを室温から定着可
能な温度に上昇させるまでの時間(以下「ウォームアッ
プタイム」と称する)が長くなってしまうという問題が
ある。
【0006】そこで、かかる従来における問題を解決す
るため、本発明の発明者らは、図1に示すような、押圧
部材30と無端状の定着用ベルト20とを用いたベルト
ニップ方式の画像定着装置1を提案している(特開平8
−262903号)。この画像定着装置1においては、
加熱定着ロール10は上述した従来における加熱定着ロ
ール10と同様であり、図8に示す従来の加熱加圧ロー
ル型の画像定着装置におけるような加圧ロール40は備
えられてなく、代わりに定着用ベルト20が備えられて
いる。定着用ベルト20は、その内側に配置された押圧
部材30によって加熱定着ロール10の表面に圧接され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような無
端状の定着用ベルトを用い、該定着用ベルトの内周面と
押圧部材とを摺動させるベルトニップ方式の画像定着装
置は、以下の点で十分ではない。即ち、 (1) 定着用ベルトの内周面と押圧部材との摩擦係数
が大きいと、定着ロールの駆動トルクが大きくなる。そ
の結果、薄肉の定着ロールコアのギア受け部に働く応力
が大きくなり、ギアやコアの破損を引き起こす。また、
当然のことながら、モーターへの負担も大きくなる。 (2) 定着ロールによる定着用ベルトの駆動力に比べ
て、定着用ベルトと押圧部材との間の摩擦力が無視でき
ない程大きくなると、定着ロールと定着用ベルトとの間
でスリップが生ずる。スリップが生ずる条件下で未定着
トナー像を担持した記録シートをニップ部に通すと、こ
のスリップが記録シート上の未定着トナー像に画像のず
れを引き起こす。 (3) 定着用ベルトと押圧部材との間の摩擦係数を小
さくするために潤滑剤を塗布することが考えられる。し
かしながら、潤滑剤にグリースなどを使用した場合、グ
リースが回り込んで定着ロールに付着する、あるいは離
型剤に混入し、トナーの離型性を悪化させることが生じ
得る。
【0008】本発明は、前記従来における諸問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本
発明は、駆動トルクの経時変化がなく、安定的な走行性
能を示し、高品質な画像形成に好適に用いることができ
る定着用ベルト、及び該定着用ベルトを備え、高品質な
画像を安定して得ることができる画像定着装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> 無端状の定着用ベルトの内側に配置された押圧
部材により前記定着用ベルトが加熱定着ロールに圧接さ
れて形成されるニップ部に、未定着トナー像を保持する
記録シートを通過させて前記未定着トナー像を前記記録
シート上に加熱加圧定着させる画像形成に用られる定着
用ベルトであって、前記押圧部材が接触摺動する面に、
珪素化合物を少なくとも含有してなる摺動離型層を有す
ることを特徴とする定着用ベルトである。 <2> 珪素化合物が、シラン化合物、シリコーン樹脂
及び分子中に反応基を有する変性シリコーンオイルから
選択される少なくとも2種である前記<1>に記載の定
着用ベルトである。 <3> シラン化合物が、フッ素含有シラン化合物、イ
ソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化合物及
びシランカップリング剤から選択される少なくとも1種
である前記<2>に記載の定着用ベルトである。 <4> 変性シリコーンオイルが、シラノール変性シリ
コーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル及びア
ミノ変性シリコーンオイルから選択される少なくとも1
種である前記<2>に記載の定着用ベルトである。
【0010】<5> 回転可能に配置された加熱定着ロ
ールと、前記加熱定着ロールに接触したまま従動走行可
能に配置された無端状の定着用ベルトと、前記定着用ベ
ルトの内側に配置され、かつ前記定着用ベルトと前記加
熱定着ロールとの間に、未定着トナー像を保持する記録
シートが通過可能なニップ部が形成されるように前記定
着用ベルトを介して前記加熱定着ロールを押圧する押圧
部材とを備えてなる画像定着装置において、前記定着用
ベルトが、前記<1>から<4>のいずれかに記載の定
着用ベルトであることを特徴とする画像定着装置であ
る。 <6> 押圧部材と、定着用ベルトにおける摺動離型層
との間に、潤滑油を介在させた前記<5>に記載の画像
定着装置である。 <7> 押圧部材の表面が、ガラス繊維を編んでなり、
かつフッ素樹脂を含浸してなるシートで被覆された前記
<5>又は<6>に記載の画像定着装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の定着用ベルト及
び画像定着装置について詳細に説明する。 (定着用ベルト)前記定着用ベルトは無端状の形態を有
し、エンドレスベルトとも称される。前記定着用ベルト
は、例えば、無端状の基材層と該基材層の内表面上に形
成される摺動離型層とを少なくとも有している限り、そ
の大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができるが、帯状かつ無端状のものが一
般的である。
【0012】前記基材層の材質としては、例えば、熱硬
化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポ
リアミドイミド等などが挙げられる。これらは1種単独
で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これ
らの中でも、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等に優れる点
で熱硬化性ポリイミドが好ましい。前記基材層の厚みと
しては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択すること
ができるが、通常、10〜1000μm程度である。
【0013】前記摺動離型層の材質としては、例えば、
フッ素系樹脂、フッ素ゴム、珪素化合物などが挙げられ
る。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を
併用してもよい。これらの中でも珪素化合物が好まし
い。
【0014】前記フッ素樹脂としては、例えば、パーフ
ルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン
・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリ
エチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エ
チレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)などが
挙げられる。
【0015】前記フッ素ゴムとしては、例えば、フッ化
ビニリデン系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレ
ン系ゴム、フルオロフォスファゼン系ゴム、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系ゴムなど
が挙げられる。
【0016】前記珪素化合物としては、例えば、シリコ
ーンゴム、シラン化合物、シリコーン樹脂、分子中に反
応基を有する変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
これらの珪素化合物の中でも、シラン化合物、シリコー
ン樹脂及び分子中に反応基を有する変性シリコーンオイ
ルが好ましく、これらから選択された少なくとも2種を
用いるのが特に好ましい。この場合、少なくともシラン
化合物を用いるのが、前記基材層との接着性及び離型性
の確保の点で好ましく、これらの好ましい組合せの具体
例としては、後述の実施例で採用した組合せ等が挙げら
れる。
【0017】前記シリコーンゴムとしては、例えば、ポ
リジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴ
ム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコー
ンゴムなどが挙げられる。
【0018】前記シラン化合物としては、例えば、フッ
素含有シラン化合物、イソシアネートシラン化合物、ア
ルコキシシラン化合物、シランカップリング剤、これら
の加水分解物又はその部分縮合物などが挙げられる。こ
れらの中でも、フッ素含有シラン化合物、イソシアネー
トシラン化合物、アルコキシシラン化合物及びシランカ
ップリング剤から選択される少なくとも1種を用いるの
が特に好ましい。
【0019】前記フッ素含有シラン化合物としては、例
えば、CF3(CH2)2 Si(OCH 3)3 、C6 132
4 Si(OCH3)3 、C7 15CONH(CH2)3
i(OC2 5)3 、C8 172 4 Si(OC
3)3 、C8 172 4 SiCH 3(OCH3)2 、C8
172 4 Si(ON=C(CH3) (C2 5))3、C
9 192 4 Si(OCH3)3 、C9 192 4
i(NCO)3、(NCO)3SiC2 4 6 122
4 Si(NCO)3、C9 192 4 Si(C2 5)
(OCH3)2 、(CH3 O)3SiC2 4 8 162
4 Si(OCH3)3 、(CH3 O)2 (CH3)SiC9
182 4 Si(CH3) (OCH3)2 などが挙げられ
る。
【0020】前記イソシアネートシラン化合物として
は、例えば、(CH3)3 SiNCO、(CH3)2 Si
(NCO)2、CH3 Si(NCO)3、ビニルシリルトリ
イソシアネート、C6 5 Si(NCO)3、Si(NC
O)4、C2 5 OSi(NCO)3、C8 17Si(NC
O)3、C1837Si(NCO)3、(NCO)3SiC2
4(NCO)3などが挙げられる。
【0021】前記アルコキシシラン化合物としては、例
えば、Si(OCH3)4 、CH3 Si(OCH3)3 、H
Si(OCH3)3 、(CH3)2 Si(OCH3)2 、CH
3 SiH(OCH3)2 、C6 5 Si(OCH3)3 、S
i(OC2 5)4 、CH3 Si(OC2 5)3 、(CH
3)2 Si(OC2 5)2 、H2 Si(OC2 5)2 、C
6 5 Si(OC2 5)3 、(CH3)2 CHCH2 Si
(OCH3)3 、CH3(CH2)11Si(OC2 5)3 、C
3(CH2)15Si(OC2 5)3 、CH3(CH 2)17Si
(OC2 5)3 などが挙げられる。
【0022】前記シランカップリング剤としては、例え
ば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等
のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン等のアクリルシラン類、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエ
ポキシシラン類、N−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン等のアミノシラン類などが挙げ
られる。
【0023】前記シリコーン樹脂は、分子中に2官能性
単位、3官能性単位又は4官能性単位を多く含む高分子
量のポリシロキサンであり、例えば、シリコーンレジン
及びその溶液であるシリコーンワニスなどが挙げられ
る。これらの中でも、ジメチルポリシロキサン、メチル
フェニルポリシロキサン、シリコーンポリエステルワニ
ス、シリコーンアクリル樹脂などが好ましい。
【0024】前記シリコーンワニスとしては、例えば、
シリコーンアルキドワニス、シリコーンエポキシワニ
ス、シリコーンポリエステルワニスなどが挙げられ、そ
の他、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、
メラミン樹脂等と反応させた変性ワニスなどが挙げられ
る。前記変性ワニスとしては、例えば、ポリエステル変
成シリコーン樹脂、ウレタン変成シリコーン樹脂、アク
リル変成シリコーン樹脂、ポリイミド変成シリコーン樹
脂、オレフィン変成シリコーン樹脂、エーテル変成シリ
コーン樹脂、アルコール変成シリコーン樹脂、フッ素変
成シリコーン樹脂、アミノ変成シリコーン樹脂、メルカ
プト変成シリコーン樹脂、カルボキシ変成シリコーン樹
脂などが挙げられる。
【0025】また、本発明においては、前記シリコーン
樹脂として、硬化性シリコーン樹脂を用いることもでき
る。前記硬化性シリコーン樹脂としては、3官能以上の
クロロシラン、これと1官能又は2官能のクロロシラン
との混合物、などを加水分解したシラノールを縮合する
ことによりポロシロキサンを合成し、触媒として有機酸
金属塩やアミン類等を用いて更に縮合反応(硬化反応)
を進めることにより得ることができる。これらの外、末
端に反応性を有するポリジオルガノシロキサンを反応さ
せたもの、ケイ素原子に結合したビニル基を有し、その
反応性を利用して重付加反応によって硬化するものなど
が挙げられる。
【0026】前記硬化性シリコーン樹脂は、湿度、熱、
光、電子線等のエネルギー線で硬化するシリコーン樹脂
である。前記硬化性シリコーン樹脂は、例えば、アクリ
ル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン
−プロピレン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレ
ン−塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、スチ
レン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル
酸エステル樹脂等の非シリコーン化合物を含有してもよ
い。また、前記硬化性シリコーン樹脂は、前記非シリコ
ーン化合物のモノマーをラジカル重合開始剤やイオン重
合開始剤等と共に、上述のシリコーン樹脂又はそのモノ
マーと共存した状態で硬化反応を行って得たものでもよ
い。前記硬化性シリコーン樹脂における前記非シリコー
ン化合物の含有量としては、摺動離型性の点で上述のシ
リコーン樹脂に対して50wt%以下が好ましい。
【0027】前記分子中に反応基を有する変性シリコー
ンオイルとしては、例えば、メチルハイドロジェンシリ
コーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、カル
ボキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオ
イル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変
性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイ
ル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性
シリコーンオイルなどが挙げられる。これらの中でも、
シラノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリ
コーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルが好まし
く、これらから選択される少なくとも1種を用いるのが
特に好ましい。
【0028】前記摺動離型層は、前記摺動離型層の素材
の外、前記摺動離型層の離型性、耐久性を損なわない範
囲において、アルミニウム化合物、チタニウム化合物、
ジルコニウム化合物、フッ素化合物などが含まれていて
もよい。なお、本発明においては、これら化合物を前記
摺動離型層を形成する前に前記基材層の内表面を処理す
るための前処理剤として用いてもよい。前記摺動離型層
には、前記押圧部材と摺動する際に生じる静電気による
不必要な帯電が発生しないようにするため、酸化第二錫
やITO等の金属酸化物などの導電剤や、アニオン系界
面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性
剤等の界面活性剤など、更に目的に応じて適宜選択した
その他の成分を混合してもよい。以上の各成分を少なく
とも1種用いることにより、前記押圧部材に対する摺動
性、耐摩耗性に優れる摺動離型層を形成することができ
る。
【0029】前記アルミニウム化合物としては、アルミ
ニウムイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチ
レート、アルミニウム−tert−ブチレート、モノ−
sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、エ
チルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、ジ−n−ブトキシアルミニウムモノエチルアセトア
セテート、アルミニウムジ−n−ブトキサイドメチルア
セトアセテート、アルミニウムジイソブトキサイドモノ
メチルアセトアセテート、アルミニウムジ−sec−ブ
トキサイドモノエチルアセトアセテート、アルミニウム
ジ−iso−プロポキサイドモノエチルアセトアセテー
ト、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミ
ニウムジ−iso−プロポキサイドモノアセチルアセト
ネート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス
(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エ
チルアセトアセテート)、環状アルミニウムオキサイド
アシレート化合物などが挙げられる。
【0030】前記チタニウム化合物としては、テトラ−
iso−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタ
ネート、テトラ−iso−ブチルチタネート、テトラ−
sec−ブチルチタネート、テトラ−tert−ブチル
チタネート、テトラ−n−ペンチルチタネート、テトラ
−iso−ペンチルチタネート、テトラ−n−ヘキシル
チタネート、テトラ−n−ヘプチルチタネート、テトラ
−n−オクチルチタネート、テトラ−iso−オクチル
チタネート、テトラ−n−ノニルチタネートなどが挙げ
られる。
【0031】前記ジルコニウム化合物としては、テトラ
メチルジルコネート、テトラエチルジルコネート、テト
ラ−iso−プロピルジルコネート、テトラ−n−プロ
ピルジルコネート、テトラ−n−ブチルジルコネート、
テトラ−iso−ブチルジルコネート、テトラ−ter
t−ブチルジルコネート、ジ−iso−プロポキシチタ
ン−ビス(アセチルアセトネート)、ジ−n−ブトキシ
チタン−ビス(アセチルアセトネート)、テトラオクチ
レングリコールチタネート、テトラキスアセチルアセト
ンジルコネートなどが挙げられる。
【0032】前記フッ素化合物としては、フルオロオレ
フィン系樹脂、ビニルエーテル類、パーフルオロポリエ
ーテルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。前記フルオロオ
レフィン系樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチ
レン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
ロピレン、パーフルオロプロピルビニルエーテルなどが
挙げられる。前記ビニルエーテル類としては、例えば、
エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル
等に硬化剤を導入して得た共重合体などが挙げられる。
前記パーフルオロポリエーテルとしては、例えば、X−
CF2(OC2 4)P (OCH2)q OCF−Xで表され、
Xが、OCN−C6 3(CH3)NHCO−で表わされる
イソシアネート変性物、−COHで表わされるカルボキ
シル基変性物、−CH2 OH、−CF2 −CH2 ((OC
2 CH2)n OH等で表わされるアルコール変性物、−
COOR(Rはアルキル基、アリール基等)で表わされ
るエステル変性物などが挙げられる。
【0033】前記摺動離型層の厚みとしては、特に制限
はなく目的に応じて適宜選択することができるが、通
常、0.001〜20μm程度である。
【0034】前記摺動離型層は、例えば、以下のように
して前記基材層の内表面上に形成することができる。即
ち、まず、前記摺動離型層の素材、好ましくは前記珪素
化合物、より好ましくは前記シラン化合物、前記シリコ
ーン樹脂及び前記変性シリコーンオイルから選択された
少なくとも2種を溶剤に溶解した液状組成物を、前記基
材層の内表面上に塗布し、乾燥させる。すると、前記液
状組成物に含まれる前記珪素化合物が相互に作用し反応
する。その結果、前記基材層の内表面上に硬化膜が形成
される。この硬化膜が前記摺動離型層である。この摺動
離型層は、前記基材層の内表面上の活性基とも反応して
該基材層の内表面上に強固に結合している。また、この
摺動離型層においては、前記摺動離型層の素材として選
択した各化合物が分子間で絡み合っているため、該摺動
離型層は耐久性に優れる。
【0035】前記溶剤としては、特に制限はなく、目的
に応じて公知の溶剤の中から適宜選択することができ、
例えば、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、キシレン、
イソプロピルアルコール、塩化メチレン、クロロホル
ム、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、メチル
エチルケトン(MEK)などが挙げられる。前記溶剤に
前記珪素化合物を溶解させる順序、量等については、特
に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができる
が、例えば、前記珪素化合物として、前記シラン化合
物、前記シリコーン樹脂及び前記変性シリコーンオイル
から選択された少なくとも2種を用いる場合には、前記
液状組成物における、前記シラン化合物の量としては
0.5〜90重量%程度が好ましく、前記シリコーン樹
脂の量としては0.1〜99重量%程度が好ましく、前
記変性シリコーンオイルの量としては0.5〜90重量
%程度が好ましい。
【0036】前記塗布の方法としては、特に制限はなく
目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バーコ
ーティング、ニーダーコーティング、スピンコーティン
グ、ディップコーティングなどが挙げられ、これらの中
でもディップコーティングが好適に挙げられる。
【0037】前記乾燥の方法としては、特に制限はなく
目的に応じて適宜選択することができ、例えば、風乾、
加熱による乾燥などが挙げられ、これらの中でも加熱に
よる乾燥が好ましい。前記加熱による乾燥の場合、前記
液状組成物における各成分がそれぞれ良く反応し、前記
摺動離型層を効率的に形成することができる。前記加熱
は、オーブン等の通常使用される加熱手段を使用するこ
とができる。前記加熱の温度としては、特に制限はなく
適宜決定できるが、通常、100〜120℃程度であ
り、前記加熱の時間としては、特に制限はなく適宜決定
できるが、通常、10秒〜30分程度である。
【0038】なお、本発明の定着用ベルトにおいては、
前記定着用ベルトの前記基材層の外表面、即ち前記摺動
離型層が形成されていない側の基材層の表面に、離型性
に富む表面層が形成されていてもよい。前記表面層が形
成されていると、該定着用ベルトはトナー像に対する離
型性に富み、離型剤が不要になる点で有利である。
【0039】前記離型層の材質としては、例えば、パー
フルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレ
ン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポ
リエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化
エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等の
フッ素樹脂、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メ
チルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニル
シリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム
(FVMQ)等のシリコーンゴム、フッ化ビニリデン系
ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、フ
ルオロホスファゼン系ゴム、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロビニルエーテル系ゴム等のフッ素ゴム、な
どが挙げられる。
【0040】前記表面層の厚みとしては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができるが、通常、1
0〜100μm程度である。
【0041】本発明の定着用ベルトは、その内側に配置
された押圧部材により該定着用ベルトが加熱定着ロール
に圧接されて形成されるニップ部に、未定着トナー像を
保持する記録シートを通過させて前記未定着トナー像を
前記記録シート上に加熱加圧定着させる画像形成に好適
に用られ、以下の本発明の画像定着装置に特に好適に使
用することができる。
【0042】(画像定着装置)本発明の画像定着装置
は、上述した本発明の定着用ベルトを備えており、本発
明の目的を達成し得る限り、他の構成としては特に制限
はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
前記本発明の定着用ベルト、加熱定着ロールと、押圧部
材とを少なくとも備えてなり、必要に応じて適宜選択し
たその他の手段、例えば離型剤供給手段等を備えていて
もよい。
【0043】前記加熱定着ロールとしては、その形状、
構造、大きさ等につき特に制限はなく、目的に応じてそ
れ自体公知のものの中から適宜選択して使用することが
できる。前記加熱定着ロールは、一般には、円筒状のコ
アと、その表面に形成された弾性層とを有し、コアの内
部に加熱源を備えてなる。
【0044】前記コアの材質としては、機械的強度に優
れ、伝熱性が良好である材質ならば特に制限はないが、
例えば、アルミ、SUS、鉄、銅等の金属、合金、セラ
ミックス、FRMなどが挙げられる。
【0045】前記弾性層の材質としては、該弾性層とし
て公知の材質のものの中から適宜選択できるが、例え
ば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。本
発明においては、これらの材質の中でも、表面張力が小
さく、弾性に優れる点でシリコーンゴムが好ましい。該
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴ
ム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的に
は、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニ
ルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコー
ンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVM
Q)などが挙げられる。
【0046】前記弾性層の厚みとしては、通常、3mm
以下であり、好ましくは0.5〜1.5mmである。前
記弾性層を前記コアの表面に形成する方法としては、特
に制限はなく、例えば、それ自体公知のコーティング法
などが採用できる。前記コーティング法としては、例え
ば、ニーダーコーティング、バーコーティング、カーテ
ンコーティング、スピンコーティング、ディップコーテ
ィング等が挙げられる。本発明においては、これらの中
でもディップコーティングが好適に採用できる。
【0047】本発明においては、前記弾性層の表面に離
型層が形成されていてもよい。前記離型層が形成されて
いると、トナー像のオフセットを好適に防止でき、安定
した状態で画像定着装置を運転することができる点で有
利である。前記離型層の材質としては、トナー像に対し
適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例え
ば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げ
られる。これらの材質の中でもフッ素ゴムが好適に挙げ
られる。前記フッ素ゴムとしては、例えば、フッ化ビニ
リデン系ゴム、フルオロシリコーン系ゴム、テトラフル
オロエチレン・プロピレン系ゴム、フルオロフォスファ
ゼン系ゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビ
ニルエーテル系(パーフルオロ系)ゴムなどが挙げられ
る。
【0048】前記離型層の厚みとしては、通常、10〜
100μmであり、好ましくは20〜30μmである。
前記離型層を前記コアの表面に形成する方法としては、
特に制限はなく、例えば、上述したコーティング法など
が挙げられる。本発明においては、これらの中でもディ
ップコーティングが好適に採用できる。
【0049】前記加熱源としては、前記コアの内部に収
容することができる形状、構造のものであれば特に制限
はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ハロ
ゲンヒーターなどが挙げられる。前記加熱源により加熱
された加熱定着ロールの表面温度は、例えば、該加熱定
着ロールに設けた感温素子により計測し、制御手段によ
りその温度を一定に制御することができる。前記感温素
子としては、特に制限はなく、例えば、サーミスター、
温度センサーなどが挙げられる。前記制御手段として
は、特に制限はなく、例えば、温度コントローラー、コ
ンピューターなどが挙げられる。
【0050】前記押圧部材は、前記本発明の定着用ベル
トの内側に配置され、かつ該定着用ベルトと前記加熱定
着ロールとの間に、未定着トナー像を保持する記録シー
トが通過可能なニップ部が形成されるように、該定着用
ベルトを介して前記加熱定着ロールを押圧する。前記押
圧部材としては、前記定着用ベルトの内側に配置されて
該定着用ベルトを介して前記加熱定着ロールを押圧し、
該定着用ベルトと前記加熱定着ロールとの間に、未定着
トナー像を保持する記録シートが通過可能なニップ部が
形成することができる機能を有していれば特に制限はな
く、目的に応じて適宜公知のものの中から選択でき、例
えば押圧パッドなどが好適に挙げられる。
【0051】前記押圧部材の形状、構造、大きさ等につ
いては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができる。例えば、前記押圧部材は、単一の部材からな
る構造であってもよいし、異なる機能を有する複数の部
材からなる構造であってもよい。本発明においては、前
記押圧部材の表面が、繊維を編んでなり、かつ前記フッ
素樹脂を含浸させてなるシート等で被覆された態様が好
ましい。この場合、該押圧部材は離型性、耐久性に優
れ、オフセットを防止しつつ、長期間安定に画像の加熱
定着を行うことができる点で有利である。なお、前記繊
維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げ
られ、中でも耐摩耗性の点でガラス繊維が好ましい。
【0052】ここで、押圧部材の一例について図1及び
図2を参照しながら説明すると、この押圧部材30は、
支持体31と、支持体31上に配置された弾性体32
と、弾性体32における定着用ベルト20の内周面との
接触面に張られた低摩擦フィルム33と、定着用ベルト
20がスムーズに回転するように設けられたベルト走行
ガイド34とを有してなる。なお、ベルト走行ガイド3
4の表面には定着用ベルトの回転方向のリブが設けられ
ており、定着用ベルト20の内周面との接触面積を少な
くしている。ベルト走行ガイド34の両端には、定着用
ベルト20の寄りを規制する鍔(つば)状の部材(図示
しない)が設けられている。弾性体32の材質として
は、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げら
れる。低摩擦フィルム33としては、例えば、テフロン
樹脂等のフッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シートなど
が挙げられる。
【0053】押圧部材30は、定着用ベルト20を介し
て、例えば圧縮コイルスプリング等の付勢部材により加
熱定着ロール10を一定の荷重で押圧している。換言す
れば、押圧部材30は、定着用ベルト20を介して、例
えば圧縮コイルスプリング等の付勢部材により加熱定着
ロール10に一定の荷重で押圧されている。加熱定着ロ
ール10への定着用ベルト20の巻き付け角度として
は、約25〜40°であり、この時ニップ16の幅は、
約6〜10mmとなる。加熱定着ロール10の駆動源で
あるモーターを駆動すると、加熱定着ロール10が回転
駆動する。この加熱定着ロール10の回転駆動に従動し
て薄膜状の定着用ベルト20が一定の速度で回転する。
【0054】本発明においては、前記押圧部材の表面
と、前記定着用ベルトの内面との間に潤滑剤を介在させ
るのが好ましい。前記潤滑剤としては、変性シリコーン
オイルが特に好適に挙げられる。前記潤滑剤としての変
性シリコーンオイルを、前記押圧部材の表面と前記定着
用ベルトの内面との間に付与する方法としては、特に制
限はなく、それ自体公知の方法、装置を用いて手動で又
は自動的に行うことができる。
【0055】本発明においては、前記変性シリコーンオ
イルを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。後者の場合、同種の変性シリコーンオイルを
併用するのが好ましく、より好ましくは、常温における
粘度が50〜300csである低粘度成分20〜80重
量部と、常温における粘度が300〜100,000c
sである高粘度成分80〜20重量部との混合物である
変性シリコーンオイルが好ましい。このような混合物の
変性シリコーンオイルを用いると、起動トルクと駆動ト
ルクとを低い範囲に一定に制御できる点で有利である。
前記変性シリコーンオイルとしては、例えば、アミノ変
性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイ
ル、スルホン酸変性シリコーンオイルなどが挙げられ
る。これらの中でも、画像定着装置の起動トルク及び駆
動トルクを効果的に所望の低い範囲に維持でき、取扱性
に優れる等の点でアミノ変性シリコーンオイルが好まし
い。
【0056】前記離型剤供給手段としては、前記加熱定
着ロール表面に離型剤を供給する機能を有する限り特に
制限はなく、目的に応じて適宜公知のものの中から選択
することができる。本発明においては、前記離型剤とし
て、前記変性シリコーンオイルを選択するのが好まし
く、前記潤滑剤としての変性シリコーンオイルと同種の
変性シリコーンオイルを選択するのがより好ましい。こ
のように前記潤滑剤としての変性シリコーンオイルと同
種の変性シリコーンオイルを選択した場合、該離型剤と
該潤滑油とが互いに混ざり合っても離型性が低下するこ
とがない点で有利である。更に、本発明では、その常温
における粘度が潤滑剤としての変性シリコーンオイルの
常温における粘度よりも小さい変性シリコーンオイルを
前記離型剤として選択するのが特に好ましい。この場
合、前記定着用ベルトのスリップが発生し難くくできる
点で有利である。
【0057】本発明の画像定着装置においては、前記加
熱定着ロールが回転可能に配置される。前記定着用ベル
トが、前記加熱定着ロールにその外周面の一部が接触し
たまま従動走行可能に配置される。前記押圧部材が、前
記定着用ベルトの内側に配置され、かつ前記定着用ベル
トと前記加熱定着ロールとの間に、未定着トナー像を保
持する記録シートが通過可能なニップ部が形成されるよ
うに、前記定着用ベルトを介して前記加熱定着ロールを
押圧する。そして、前記押圧部材と前記定着用ベルトと
の間には、潤滑剤として変性シリコーンオイルが介在さ
れている。
【0058】したがって、前記加熱定着ロールが回転駆
動すると、該加熱定着ロールの回転駆動に従動して前記
定着用ベルトも回転する。このとき、前記加熱定着ロー
ルと前記定着用ベルトとの間に形成されたニップ部の入
口に、未定着トナー像を保持する記録シートが存在する
と、該記録シートが前記ニップ部に取り込まれ、該ニッ
プ部を通過する。該ニップ部においては、前記加熱定着
ロールと、前記押圧部材により前記加熱定着ロール側に
押圧された定着用ベルトとにより、前記記録シートがプ
レスされ、加熱される。その結果、該記録シート上のト
ナー像が該記録シート上に加熱定着される。
【0059】このとき、本発明においては、前記定着用
ベルトの内表面に前記摺動離型層が形成されているた
め、該定着用ベルトの内周面と前記押圧部材との摩擦力
に起因する加熱定着ロールの起動トルク・駆動トルクが
効果的に低減され、該定着用ベルトの回転駆動が円滑な
状態のまま維持される。その結果、高品質な画像の加熱
定着を円滑に繰り返し行うことができる。
【0060】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0061】(実施例1)以下、図1及び図2を参照し
て本発明の実施例を説明する。図1及び図2に示す画像
定着装置1は、加熱定着ロール10と、薄膜状でかつ無
端状の定着用ベルト20と、押圧部材30とを備えてい
る。定着用ベルト20は、その内側に配置された押圧部
材30により加熱定着ロール10に押圧されて、該定着
用ベルト20に圧接されており、加熱定着ロール10と
定着用ベルト20との間に記録シートが通過可能なニッ
プ部16が形成されている。
【0062】加熱定着ロール10は、外径30mm、肉
厚0.35mm、長さ360mmの円筒状で鉄製のコア
11の外周面に、弾性層12としてシリコーンHTVゴ
ム(ゴム硬度45度:JIS−A)を500μmの厚み
に被覆され、該弾性層12の表面に離型層13としてフ
ッ素ゴムが30μmの厚みにディップコートされてな
り、鏡面状態に近い表面に仕上げられている。コア11
の内部には、加熱源として600wのハロゲンランプ1
4が配設されている。加熱定着ロール10の表面温度
は、該加熱定着ロール10の表面に当接した状態で配置
された感温素子15の温度センサーと、図示しない温度
コントローラーとにより150℃に制御された。また、
離型剤として粘度300CSのアミノ変性シリコーンオ
イルがオイル供給システム(図示しない)により均一に
加熱定着ロール10の離型層13の表面に供給された。
【0063】定着用ベルト20は、周長94mm、厚み
75μm、長さ320mmの熱硬化性ポリイミドを基材
層21とし、該基材層21における、外表面(外周面)
には、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)を
30μmの厚みにコーティングしてなる表面層22が形
成されており、内表面(内周面、押圧部材30との摺動
面)には、以下のような、珪素化合物を含む摺動離型層
(図示せず)が形成されている。即ち、まず、前記シラ
ン化合物としてテトライソシアネートシラン20部、前
記シリコーン樹脂としてシリコーンレジン(YSR30
22:東芝シリコーン社製)2部、前記変性シリコーン
オイルとしてアミノ変性シリコーンオイル(TSF47
02:東芝シリコーン社製)18部を、酢酸エチル30
0部に攪拌し、混合乃至溶解させることにより液状組成
物を調製した。この液状組成物を予め基材層21におけ
る、プライマー処理を施した内表面にディップコート
し、風乾後、120℃で3分間オーブンで加熱乾燥する
ことにより、基材層21上に摺動離型層を形成した。該
摺動離型層の厚みは、0.1μmであった。
【0064】押圧部材30は、支持体31と、支持体3
1の上に配置された弾性体32と、弾性体32の定着用
ベルト20との接触面に張られた低摩擦フィルム22
と、定着用ベルト20がスムーズに回転するように設け
られたベルト走行ガイド34とから構成されている。弾
性体32は、幅10mm、肉厚5mm、長さ320mm
のシリコーンゴムであり、その表面に配置された低摩擦
フィルム33は、テフロン樹脂を含浸させたガラス繊維
シートである。ベルト走行ガイド34の表面には、ベル
ト回転方向のリブが設けられており、定着用ベルト20
の内周面との接触面積を少なくしている。ベルト走行ガ
イド34の両端には、定着用ベルト20の寄りを規制す
る鍔(つば)状の部材(図示しない)が設けられてい
る。支持体31は、耐熱性であり、弾性体32を固定す
る機能を有する。該支持体31は、薄膜状であり、かつ
無端状の定着用ベルト20を介して圧縮コイルスプリン
グ(図示しない)により加熱定着ロール10を30kg
の荷重で押圧している。
【0065】加熱定着ロール10への定着用ベルト20
の巻き付け角度は、約40°であり、この時ニップ部1
6の幅は、約10mmであった。モーターからの駆動力
が加熱定着ロール10に伝達され、加熱定着ロール10
及び定着用ベルト20は、160mm/secの速度で
回転した。
【0066】押圧部材30の外表面には、低摩擦シート
33として中興化成工業(株)社製のテフロンを含浸さ
せたガラス繊維シート(FGF−400−4)が被覆さ
れている。
【0067】ここで、定着用ベルト20における前記摺
動離型層の形成前後における駆動トルク(潤滑剤なし)
を比較した結果を表1に示す。表1に示す通り、前記摺
動離型層の形成前では、駆動トルクが8〜9kg・cm
程度であったが、前記摺動離型層の形成後では、駆動ト
ルクが4kg・cm程度まで低減させることができた。
【0068】
【表1】
【0069】また、定着用ベルト20の内表面(圧力部
材30との摺動面)に前記摺動離型層を形成せず、内表
面が基材層21の素材であるポリイミドである場合に、
加熱定着ロール10及び定着用ベルト20を連続的に駆
動し、その駆動トルクを測定した。その結果を図3に示
した。図3において、実線は、加熱定着ロール10を1
50℃に加熱した場合、破線は、室温25℃の場合をそ
れぞれ意味する。なお、図3において、前記駆動トルク
は、動摩擦係数と一定の相関関係があり、即ち駆動トル
ク1kg・cm=動摩擦力(係数)0.022、という
相関関係があるので、前記駆動トルクは、定着用ベルト
20の内表面と押圧部材30の低摩擦シート33の表面
との間の摺動抵抗を意味していると考えられる。図3に
よると、初期的(時間0Hour)には、150℃/25℃
のトルクがそれぞれ3.1kg・cm/4.6kg・c
mであったものが、約80時間動作させることにより
4.2kg・cm/7.8kg・cmまで増大した。
【0070】これに対して、定着用ベルト20の内表面
に前記摺動離型層を形成した場合に、加熱定着ロール1
0及び定着用ベルト20を連続的に駆動し、その駆動ト
ルクを測定した。その結果を図4に示した。図4におい
ては、図3と同様に、実線は、加熱定着ロール10を1
50℃に加熱した場合、破線は、室温25℃の場合をそ
れぞれ意味する。図4によると、初期的には、150℃
/25℃のトルクが2.5kg・cm/3.5kg・c
mと改善されているが、100時間の動作後においても
3.2kg・cm/4.4kg・cmであり、改善効果
が大きく、しかも経時的な変化が小さかった。
【0071】実施例1においては、押圧部材30の外表
面と定着用ベルト20の内表面との間には、潤滑剤とし
てアミノ変性シリコーンオイルが介在されており、ま
た、加熱定着ロール10の表面に、トナーの離型性を向
上させるために、離型剤として、前記潤滑剤と同じアミ
ノ変性シリコーンオイルを供給している。実施例1にお
いては、用いる潤滑剤が加熱定着ロール10に供給する
離型剤と同種のオイルであるので、該離型剤と該潤滑剤
とが混ざったとしても離型不良の問題は生じない。
【0072】ところで、前記離型剤としてのアミノ変性
シリコーンオイル量が多くなると、加熱定着ロール10
と定着用ベルト20の外周面との摩擦力が小さくなり、
スリップが起こり易くなる。ここで、加熱定着ロール1
0の表面に付与された離型剤としてのアミノ変性シリコ
ーンオイル量と、トルクを変えた場合の定着用ベルトの
速度との関係を調べたことろ、図5に示すような結果が
得られた。加熱定着ロール10は、160mm/sの速
度で回転させた。加熱定着ロール10と定着用ベルト2
0との間でスリップが生じ始める領域を太線で示した。
【0073】実施例1においては、加熱定着ロール10
が150℃の時の駆動トルクは、経時的にも2.5〜
3.2kg・cm程度であり、離型剤としてのアミノ変
性シリコーンオイルの量は、1〜5μl/A4紙である
から、150℃においては、定着用ベルト20のスリッ
プは生じることはなく、定着動作時に画像のずれが発生
することはなかった。
【0074】(実施例2)実施例1の液状組成物におい
て、前記珪素化合物を、シラン化合物としてメチルシリ
ルトリイソシアネート40部、シラノール変性シリコー
ンオイルとしてα,ω−ジハイドロキシポリジメチルシ
ロキサンオイル8部に代え、酢酸エチルを330部に代
えた外は、実施例1と同様にして定着用ベルト及び該定
着用ベルトを備えた画像定着装置を得た。該画像定着装
置を用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果、
図6に示す通り、実施例1とほぼ同等の結果が得られ
た。
【0075】(実施例3)実施例1の液状組成物におい
て、前記珪素化合物を、シラン化合物としてメチルトリ
メトキシシラン10部、テトライソシアネートシラン2
0部、シランカップリング剤としてγ−(メタクリロキ
シプロピル)トリメトキシシラン10部、シリコーンレ
ジン(TSR144:東芝シリコーン社製)2部、カル
ボキシ変性シリコーンオイル(X−22−3710:信
越化学社製)20部に代え、酢酸エチルを360部に代
えた外は、実施例1と同様にして定着用ベルト及び該定
着用ベルトを備えた画像定着装置を得た。該画像定着装
置を用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果、
図7に示す通り、実施例1とほぼ同等の結果が得られ
た。
【0076】(実施例4)実施例1の液状組成物におい
て、前記珪素化合物を、フッ素含有シラン化合物として
91924Si(NCO)310部、メチルシリルト
リイソシアネート10部、シランカップリング剤として
トリメトキシビニルシラン10部、シリコーンレジン
(TSR144:東芝シリコーン社製)2部、シラノー
ル変性シリコーンオイル(YF3800:東芝シリコー
ン社製)20部に代え、酢酸エチルを400部に代えた
外は、実施例1と同様にして定着用ベルト及び該定着用
ベルトを備えた画像定着装置を得た。該画像定着装置を
用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果、実施
例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0077】(実施例5)実施例1の液状組成物におい
て、前記珪素化合物を、テトライソシアネートシラン2
0部、高潤滑性UVハードコート剤(XF−003:ナ
トコペイント社製)10部、アミノ変性シリコーンオイ
ル(TSF5702:東芝シリコーン社製)20部に代
え、酢酸エチルを400部に代え、基材層21上に摺動
離型層を形成した後に定着ベルトの内表面に、紫外線照
射装置で120W/cmの照射強度で約1分間光照射し
た外は、実施例1と同様にして定着用ベルト及び該定着
用ベルトを備えた画像定着装置を得た。該画像定着装置
を用い、実施例1と同様の評価を行った。その結果、図
8に示す通り、実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0078】(実施例6)実施例1の液状組成物におい
て、前記珪素化合物を、メチルシリルトリイソシアネー
ト10部、シランカップリング剤としてトリメトキシビ
ニルシラン10部、シリコーンハードコート剤(UVH
C8553:東芝シリコーン社製)5部、シラノール変
性シリコーンオイル(YF3800:東芝シリコーン社
製)20部に代え、酢酸エチルを400部に代え、基材
層21上に摺動離型層を形成した後に定着ベルトの内表
面に、紫外線照射装置で120W/cmの照射強度で約
1分間光照射した外は、実施例1と同様にして定着用ベ
ルト及び該定着用ベルトを備えた画像定着装置を得た。
該画像定着装置を用い、実施例1と同様の評価を行っ
た。その結果、実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0079】(実施例7)実施例1の液状組成物におい
て、前記珪素化合物を、テトライソシアネートシラン2
0部、硬化型シリコーン樹脂(PHC587:東芝シリ
コーン社製)10部、シラノール変性シリコーンオイル
(YF3800:東芝シリコーン社製)20部に代え、
これに更にポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピ
レンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキ
サイド付加物及びコハク酸誘導体からなるポリエステル
樹脂10部を添加し、酢酸エチルを400部に代え、加
熱乾燥の温度を130℃に変えた外は、実施例1と同様
にして定着用ベルト及び該定着用ベルトを備えた画像定
着装置を得た。該画像定着装置を用い、実施例1と同様
の評価を行った。その結果、実施例1とほぼ同等の結果
が得られた。
【0080】(実施例8)実施例1の液状組成物におい
て、前記珪素化合物を、テトライソシアネートシラン2
0部硬化型シリコーン樹脂(XS66−B0705:東
芝シリコーン社製)5部、アミノ変性シリコーンオイル
(TSF5702:東芝シリコーン社製)20部に代
え、酢酸エチルを400部に代え、加熱乾燥の温度を1
30℃に変えた外は、実施例1と同様にして定着用ベル
ト及び該定着用ベルトを備えた画像定着装置を得た。該
画像定着装置を用い、実施例1と同様の評価を行った。
その結果、実施例1とほぼ同等の結果が得られた。
【0081】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、駆
動トルクの経時変化がなく、安定的な走行性能を示し、
高品質な画像形成に好適に用いることができる定着用ベ
ルトを提供することができる。また、本発明によると、
前記定着用ベルトを備え、高品質な画像を安定して得る
ことができる画像定着装置を提供することができる。よ
り具体的には、本発明によると、定着用ベルトの内周面
と押圧部材との摩擦力に起因する加熱定着ロールの起動
トルク・駆動トルクを効果的に低減し、加熱定着ロール
のコア特にギア部分に負荷される応力を効果的に小さく
し、コアの破損等を防止し得る定着用ベルト及び該定着
用ベルトを備えた画像定着装置を提供することができ
る。また、本発明によると、モーター自身のトルクを低
減し、運転コストの削減を図ることが可能な定着用ベル
ト及び該定着用ベルトを備えた画像定着装置を提供する
ことができる。更に、本発明によると、定着用ベルトの
内周面と押圧部材との摩擦力を小さくし、該定着用ベル
トのスリップを防止し、未定着トナー画像を保持する記
録シートをニップ部に通した場合に、画像のずれや乱れ
を招くことなく、画像定着を円滑に行うことができる定
着用ベルト及び該定着用ベルトを備えた画像定着装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の画像定着装置の一実施例を説
明するための断面概略説明図である。
【図2】図2は、本発明の画像定着装置の一実施例を説
明するための斜視概略説明図である。
【図3】図3は、所定の温度における、加熱定着ロール
のトルクと回転時間との関係を示すグラフである。
【図4】図4は、所定の温度における、加熱定着ロール
のトルクと回転時間との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、加熱定着ロールを一定の速度で回転さ
せた場合において定着用ベルトのスリップについてみ
た、加熱定着ロールのトルクとアミノ変性シリコーンオ
イルの量との関係を示すグラフである。
【図6】図6は、所定の温度における、加熱定着ロール
のトルクと回転時間との関係を示すグラフである。
【図7】図7は、所定の温度における、加熱定着ロール
のトルクと回転時間との関係を示すグラフである。
【図8】図8は、所定の温度における、加熱定着ロール
のトルクと回転時間との関係を示すグラフである。
【図9】図9は、従来の加熱加圧ロール型の画像定着装
置の一例を示す断面概略説明図である。
【符号の説明】
1 画像定着装置 10 加熱定着ロール 11 コア 12 弾性層 13 離型層 14 ハロゲンランプ 15 感温素子 16 ニップ部 20 定着用ベルト 21 基材層 22 表面層 30 押圧部材 31 支持体 32 弾性体 33 低摩擦フィルム 34 ベルト走行ガイド 40 加圧ロール 41 コア 42 弾性層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状の定着用ベルトの内側に配置され
    た押圧部材により前記定着用ベルトが加熱定着ロールに
    圧接されて形成されるニップ部に、未定着トナー像を保
    持する記録シートを通過させて前記未定着トナー像を前
    記記録シート上に加熱加圧定着させる画像形成に用られ
    る定着用ベルトであって、前記押圧部材が接触摺動する
    面に、珪素化合物を少なくとも含有してなる摺動離型層
    を有することを特徴とする定着用ベルト。
  2. 【請求項2】 珪素化合物が、シラン化合物、シリコー
    ン樹脂及び分子中に反応基を有する変性シリコーンオイ
    ルから選択される少なくとも2種である請求項1に記載
    の定着用ベルト。
  3. 【請求項3】 シラン化合物が、フッ素含有シラン化合
    物、イソシアネートシラン化合物、アルコキシシラン化
    合物及びシランカップリング剤から選択される少なくと
    も1種である請求項2に記載の定着用ベルト。
  4. 【請求項4】 変性シリコーンオイルが、シラノール変
    性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル
    及びアミノ変性シリコーンオイルから選択される少なく
    とも1種である請求項2に記載の定着用ベルト。
  5. 【請求項5】 回転可能に配置された加熱定着ロール
    と、前記加熱定着ロールに接触したまま従動走行可能に
    配置された無端状の定着用ベルトと、前記定着用ベルト
    の内側に配置され、かつ前記定着用ベルトと前記加熱定
    着ロールとの間に、未定着トナー像を保持する記録シー
    トが通過可能なニップ部が形成されるように前記定着用
    ベルトを介して前記加熱定着ロールを押圧する押圧部材
    とを備えてなる画像定着装置において、前記定着用ベル
    トが、請求項1から4のいずれかに記載の定着用ベルト
    であることを特徴とする画像定着装置。
  6. 【請求項6】 押圧部材と、定着用ベルトにおける摺動
    離型層との間に、潤滑油を介在させた請求項5に記載の
    画像定着装置。
  7. 【請求項7】 押圧部材の表面が、ガラス繊維を編んで
    なり、かつフッ素樹脂を含浸してなるシートで被覆され
    た請求項5又は6に記載の画像定着装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002225051A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Nitto Denko Corp シームレスベルト及びその製造方法
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