JPH11243968A - ストレス蛋白質hsp47の発現調節領域およびその用途 - Google Patents
ストレス蛋白質hsp47の発現調節領域およびその用途Info
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Abstract
写調節(活性化)領域を明らかにし、それに基づいてH
SP47の合成を制御し、繊維化を初めとするコラーゲ
ン蓄積による病態の治療剤を提供するものである。 【解決手段】 本発明は、ストレス蛋白質HSP47の
ゲノムDNAにおける、転写開始点から上流280bp
及び第1イントロン中の100bpを含む領域からなる
ストレス蛋白質HSP47の転写活性化領域に関する。
ストレス蛋白質HSP47の転写活性を制御することに
より、共発現するコラーゲンの発現を同時に制御するこ
とができ、肝硬変などのコラーゲンの蓄積による各種疾
患の治療用の組成物に関する。
Description
SP47のゲノムDNAにおける、転写開始点から上流
−280bpまでの領域及び第1イントロン中の93b
pを欠損させてなるストレス蛋白質HSP47の発現を
制御し得るプロモーター、及び、その塩基配列又はそれ
にハイブリダイズし得る塩基配列を有するポリヌクレオ
チドに関する。本発明のプロモーターにより、ストレス
蛋白質HSP47の転写活性を制御することができ、共
発現するコラーゲンの発現を同時に制御することができ
る。したがって、本発明は、肝硬変などのコラーゲンの
蓄積による各種疾患を治療するためのストレス蛋白質H
SP47の転写活性の制御、及び、これらのポリヌクレ
オチド若しくはその相補鎖からなる医薬組成物に関す
る。
47は、コラーゲンに特異性をもち、細胞内におけるプ
ロコラーゲンのプロセシングおよび分泌を助けているコ
ラーゲン特異的分子シャペロンである。
果、そのアミノ酸配列からセリン型プロテアーゼ阻害剤
のファミリーであるセルピンファミリー(serpin
family)に属する蛋白質であることが明らかに
なった。通常、セルピン(serpin famil
y)の蛋白質は、分泌されて細胞外でプロテアーゼ阻害
剤として機能するが、HSP47はC末端にRDEL
(Arg−Asp−Glu−Leu)からなる小胞体保
持シグナルを持っており、このためHSP47は小胞体
に局在している。
末端にKDEL(Lys−Asp−Glu−Leu)配
列をもつことが知られており、その配列が、シスゴルジ
に存在するKDEL受容体にトラップされて、ゴルジか
ら小胞体への逆行輸送の系に乗って戻ってくる、すなわ
ち、小胞体とゴルジのあいだをシャトルのように往復す
ることによって、結果的には小胞体に局在していると考
えられてきた。
に、RDEL配列をもったものだと考えられる。事実、
HSP47のC末端から、遺伝子工学的にRDEL配列
を切り出してやると、そのような変異HSP47は、も
はや小胞体の中に留まることができず、細胞外に分泌さ
れてしまった。
に結合することが確かめられた。このことは、第1にポ
リゾーム分画をとってきて、抗HSP47抗体で免疫沈
降すると、さまざまの長さの新生プロコラーゲンが共沈
降してくる。第2に、きわめて短時間だけ[35S]メチ
オニンでラベルした細胞を、抗HSP47抗体で免疫沈
降し、非還元下に電気泳動すると、1本鎖プロコラーゲ
ンの位置に沈降バンドが見られたことから明にされた。
プロコラーゲンに結合していることを示しているが、一
方、HSP47は3本鎖プロコラーゲンにも結合でき
る。これは、上記の後者の実験で、1本鎖バンドだけで
なく、3本鎖の位置にも共沈降するバンドが検出される
からである。
コラーゲンのα鎖が合成されながら小胞体に挿入される
と同時に結合し、2本のα1鎖と1本のα2鎖が3本鎖
を形成した後も、それらの3本鎖プロコラーゲンに結合
していると考えられる。
はC末端から始まる。C末端まで合成が完了してはじめ
て、3本鎖形成が起こるのである。逆に言えば、C末端
までポリペプチドが合成されるまでは、それまでに合成
されたα鎖は、それ自身あるいは他のα鎖とフォールデ
ィング(folding)したり、凝集したりしては困
るわけである。それを防ぐためのなんらかの機構をそな
えているものと思われる。HSP47は、そのようなα
鎖のホールディング(folding)/凝集阻止に分
子シャペロンとして関わっている。
したまま、小胞体からシスゴルジまで輸送され、そこで
プロコラーゲンから解離して、HSP47自身はKDE
L受容体に結合して、小胞体へ運び戻され、解離したプ
ロコラーゲンはゴルジ体を順次通過して、細胞表面へ分
泌されるのである。
プロコラーゲンのプロセシングに関わる機能の他に、ス
トレス蛋白質としてストレス下におけるコラーゲンの品
質管理の機構をも持っている。すなわち、熱ストレスな
どによってプロコラーゲンに異常が生じると、そのよう
な異常コラーゲンが細胞外マトリックスに蓄積するのを
防ぐため、分泌を阻害する機構を備えている。これがい
わゆる品質管理機構(quality control
機構)である。
する物質として、α,α′−ジピリジルという試薬があ
る。α,α′−ジピリジルは、鉄のキレート剤であり、
これによってプロコラーゲン上のリジン、プロリンのヒ
ドロキシル化が阻害され、O−グリコシレーションがで
きなくなって、プロコラーゲンの3本鎖形成が抑えられ
るのである。この試薬で細胞を処理し、そのあとで細胞
を放射性のメチオニンでパルスラベルし、さらに種々の
時間チェイスしたあと、細胞抽出液を抗HSP47抗
体、抗コラーゲン抗体で免疫沈降すると、無処理の細胞
では、コラーゲンは60分後にはほぼすべて細胞外に分
泌されてしまうが、α,α′−ジピリジルで処理した細
胞では、2時間経ってもなおほとんどすべてのプロコラ
ーゲンは細胞内に留まっていることが確認された。
し、HSP47と共沈降してくるプロコラーゲンの量を
調べると、正常細胞では60分後にはすべてHSP47
から解離していたものが、α,α′−ジピリジルで処理
した細胞では、2時間経ってもやはりHSP47に結合
したままであることが明らかにされている。これは、3
本鎖形成ができなくなったような異常なプロコラーゲン
に対して、HSP47はいつまでも結合し続けて、それ
らが細胞外に分泌されるのを防いでいる、すなわち品質
管理機構を担っているからである。
コラーゲンに特異性をもった分子シャペロンであると考
えることができる。一方、HSP47の著しい特徴は、
それが機能的にコラーゲンと密接な関係をもっているだ
けでなく、その発現自体もまた、コラーゲンと厳密な相
関をもっている点にある。すなわち、コラーゲンを多量
に合成している細胞では、HSP47も多く合成され、
逆にコラーゲンを合成していない細胞では、HSP47
もまったく合成されていない。
コラーゲン合成が低下すると、HSP47も同程度に抑
制される。また、マウスのテラトカルチノーマ細胞であ
るF9細胞をレチノイン酸などで分化を誘導すると、I
V型コラーゲンなどの著しい誘導が見られるが、その時
HSP47も劇的に誘導される。このような機能面だけ
でなく、発現においても、分子シャベロンがその基質と
相関している(永田、「蛋白質 核酸 酵素」、第41
巻第7号、第888頁、1996年)。上に述べたよう
なHSP47とコラーゲンとの共発現から、病的な状態
においてコラーゲン合成が異常に昂進しているとき、H
SP47も同時に発現の昂進が見られるのではないかと
考えた。これを確かめるため、ラットに四塩化炭素を投
与し、実験的肝硬変モデルを作成した。
12週目まで肝臓を採取する。肝の切片をアザン染色す
ると、コラーゲン繊維は青く染色されるが、正常肝では
血管壁を除いてコラーゲンの染色は見られない。四塩化
炭素を与えて、4週目くらいからコラーゲン繊維の沈着
が見られはじめ、12週目になると、明らかな偽小葉形
成が見られて、肝硬変症状を呈する。このような肝から
RNAを抽出し、ノーザンブロット解析によって、HS
P47およびコラーゲンのmRNA量を測定した。正常
ラットでは、HSP47のmRNAも、I型コラーゲ
ン、III型コラーゲンのmRNAもいずれもほとんど検
出されなかった。これに対して、四塩化炭素を投与する
と、コラーゲンmRNAの蓄積が増大するとともに、H
SP47のmRNAも顕著に蓄積しているのが観察され
た。ともに、投与2週間目からすでに顕著に誘導されて
いた。病理標本から肝硬変の進行程度を5段階に分けて
評価し、そのような病状の進行とHSP47、コラーゲ
ンのmRNA誘導との相関をとると、きわめて高い相関
係数を示し、これらが病状と相関している現象であるこ
とを示した。
胞なのか、それとも肝組織に存在する別の細胞であるの
かを調べるため、肝標本をHSP47およびI型コラー
ゲンに対するアンチセンスを用いたインシトウハイブリ
ッド形成法(in situhybridizatio
n)によって調べた。その結果、コラーゲンmRNAを
発現している細胞がまた、HSP47mRNAを発現し
ていることが確かめられた。コラーゲンを産生している
のは伊東細胞であることが知られているので、伊東細胞
のマーカーであるデスミンに対する抗体を用いて、イン
シトウハイブリッド形成法(in situ hybr
idization)と免疫染色を同じ細胞に対して試
みたところ、HSP47のmRNAを産生しているのは
伊東細胞であることがわかった(永田、環境科学総合研
究所年報、第15巻、第13頁、1996年)。
は、特に臨床的な観点から、肝硬変、腎繊維化など体内
において繊維化を伴った病変と密接な関係をもち、繊維
化に伴って、コラーゲンの蓄積とともに、HSP47も
急激に合成される。肝硬変などの繊維化は、現在肝移植
などの方法以外には治療の手段がなく、なんらかの方法
でコラーゲンの合成、蓄積を抑えることができれば、こ
れらの疾患の治療に大きな進歩が期待される。
の転写調節(活性化)領域を明らかにし、それに基づい
てHSP47の合成を制御し、繊維化の治療に役立てる
ためのものである。具体的には、この転写活性化領域を
用いることによって、それに結合する転写因子の探索を
行なうことができる。さらに、転写因子と本転写活性化
領域との相互作用を調節することによって、繊維化を初
めとするコラーゲン蓄積による病態の治療方法及び治療
剤を提供するものである。
質HSP47のゲノムDNAにおける、転写開始点から
上流280bp及び第1イントロン中の約100bpを
含む領域からなるストレス蛋白質HSP47の転写活性
化領域に関する。ストレス蛋白質HSP47の転写活性
を制御することにより、共発現するコラーゲンの発現を
同時に制御することができる。したがって、本発明は、
肝硬変などのコラーゲンの蓄積による各種疾患を治療す
るためのストレス蛋白質HSP47の転写活性の制御に
関する。
ノムDNAにおける第1イントロン中の塩基配列であっ
て、配列表の配列番号1に示される塩基配列若しくはひ
とつ以上の塩基が欠損、付加、置換してなる塩基配列、
又は、その塩基配列にハイブリダイズし得るポリヌクレ
オチド、特にDNAに関する。また、本発明は、これら
のポリヌクレオチド又はその相補鎖からなる医薬組成
物、特にコラーゲンの蓄積による疾患の予防治療剤であ
る医薬組成物に関する。本発明の好ましい医薬組成物と
しては、肝硬変の予防治療剤が挙げられる。さらに、本
発明は、ストレス蛋白質HSP47のゲノムDNAにお
ける、第1イントロン中の配列番号1に示される塩基配
列を欠損させてなる当該蛋白質の発現を制御し得るプロ
モーター、及び、さらに、転写開始点から上流280b
pを欠損させてなる前記プロモーターに関する。また、
本発明は、ストレス蛋白質HSP47のゲノムDNAに
おける、第1イントロン中の配列番号1に示される塩基
配列を欠損させることによるストレス蛋白質HSP47
の転写活性を制御する方法、及び、さらに、転写開始点
から上流280bpを欠損させてなるストレス蛋白質H
SP47の転写活性を制御する方法に関する。
が転写レベルであることから、コラーゲンとの共発現に
関わるDNA上のシスのエレメントを同定する目的でプ
ロモーター解析を行った。マウスのゲノムライブラリー
から、HSP47の全遺伝子をクローニングした(図
1)。HSP47をコードする遺伝子は、第I、第II、
第III、第IV、第V、及び、第VIの6つのエクソンから
なり、翻訳開始コドンは第III エクソンにあることがわ
かった。
モーター部分の塩基配列を配列表の配列番号2に示す。
後述するように、この配列の1373の位置(SacI
I)からの約280bp(CCGCGGAA・・・・A
GTGAGCTG)がプロモーターとして重要な配列で
あることがわかった。また、第1エクソン領域から第3
エクソン領域までの塩基配列を配列表の配列番号3に示
す。約200bpまでの領域が第1エクソン領域であ
り、1250bp付近に第2エクソン領域があり、約3
600bp付近からが第3エクソン領域である。後述す
る第1イントロン領域の93bpの塩基配列(配列番号
1参照)は、この配列番号3で示されるポリヌクレオチ
ドの836から928bpまでの配列である。
からのプロモーター領域を、転写開始点から上流5.5
Kbまでをクローニングし、このプロモーター領域のど
の塩基配列がHSP47の転写調節に関わっているか
を、ルシフェラーゼアッセイによって調べた。これは、
コラーゲンを産生している細胞では共発現の機構が機能
しており、ベースの転写活性が高いだろうと仮定して、
ルシフェラーゼ遺伝子をレポーターとしてプロモーター
上流領域のルシフェラーゼを行うことにした。このアッ
セイはコラーゲンを産生するマウスの繊維芽細胞Bal
b/c3T3を用いて行われた。
までの領域をもてば、基本的な転写活性には十分である
ことが明らかになった(図2)。プロモーター領域を上
流5.5Kbまでのばしてもベースの転写活性は変わら
なかった。しかし、この領域だけでは、コラーゲンとの
共発現を支えることはできず、コラーゲンを作っている
細胞においても、コラーゲン非産生細胞においても活性
の変化はなかった。
領域で同様なルシフェラーゼアッセイを行った。即ち、
この280bpの下流に、第1イントロンを含む領域を
つないだところ、イントロン部を含むプロモーター領域
では、それを含まないものに比べて4〜6倍のベースの
転写活性が認められた。また、コラーゲンを産生しない
ヒトの293細胞で同様な実験を行ったところ、イント
ロンの有無でベースの転写活性は変わらなかった。この
ことにより、コラーゲンとの共発現を支えているのは、
(280bp+第1イントロン)の領域であることがわ
かった(図3参照)。即ち、HSP47遺伝子のイント
ロン領域にコラーゲンとの共発現に関わるシスのエレメ
ントが存在することが判明した。
いため、そのなかでどの領域が重要なのかを、種々の欠
損変異を作ることによって調べた。その結果、第1イン
トロンのBstXI−SfiIの間のフラグメントが重
要であることがわかった。この部分をさらに細かく調
べ、最終的に図4で示されるBS14及びBS18の2
つの欠損変異ではHSP47の転写活性化能が見られな
いことが判明した。すなわち、この2つの領域が、上流
280bpとともにコラーゲンの共発現に重要であるこ
とが明らかになった(図4)。BSI4およびBS18
を含む約100bp(配列番号1参照)を上流280b
pのプロモーターとつないだところ(BS21)、それ
だけでHSP47の転写を活性化するのに必要十分であ
ることがわかった。
地図を図5及び6に示す。図5は、発現ベクターpGL
2−Basicに転写開始点の上流−280bpからな
るプロモーターを組み込んだ遺伝子地図(Luc28
0)を示す。また、図6は、発現ベクターpGL2−B
asicに転写開始点の上流−280bp及び第1イン
トロン領域からなるプロモーターを組み込んだ遺伝子地
図(Luc280(III))を示す。
8領域の活性を制御することにより、コラーゲン産生細
胞のコラーゲンの発現を制御できることがわかった。し
たがって、肝硬変などのコラーゲンの蓄積による各種疾
患は、疾患部位の細胞のBS−14領域又はBS−18
領域の活性をなくすことにより、病態部位におけるコラ
ーゲンの産生を抑制させ、疾患の予防治療を行うことが
可能となる。本発明のコラーゲンの蓄積による疾患の予
防治療剤としては、図4のBS−14領域又はBS−1
8領域をコードするポリヌクレオチドのアンチセンスポ
リヌクレオチドを使用することもできる。
列表に示す。配列表中の塩基の記号として使用されてい
る「H」はA、C又はTを示し、「K」はG又はTを示
し、「M」はA又はCを示し、「N」はA、C、G又は
Tを示し、「R」はA又はGを示し、「S」はC又はG
を示し、「V」はA、C又はGを示し、「W」はA又は
Tを示し、「Y」はC又はTを示す。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
ーニング) マウスHSP47のcDNA(F2)をプローブとし
て、マウス肝より調整したゲノムライブラリー(クロン
テック社より購入)を、コロニーハイブリダイゼイショ
ン法によりスクリーニングした。その結果、1.2kb
のゲノムクローンを得た。これをプローブにしてさらに
遺伝子の全長を釣るべくスクリーニングを行ない、最初
11個のクローンを得たが、そのうち2個は同じもので
あったので、独立した10個のクローンを得たことにな
った。最終的にもっとも長く、HSP47の全長をコー
ドしているクローン 4を得ることができた。クローン
4は、約15kbからなる遺伝子であった。この遺伝
子について、制限酵素地図(図1参照)を作成し、さら
に通常の方法によりDNAシーケンサーによって遺伝子
の配列を決定した。過去のデータに基づいて、得られて
いたcDNAの配列をもとに、エクソン、イントロン構
造を決定し、最終的に図1に示したようなゲノム地図を
作成した。
ーゼアッセイ) ルシフェラーゼアッセイは、HSP47遺伝子の転写開
始点の上流280bp(第1エクソンの転写開始点より
下流38bpも含む、以下同じ)の下流にレポーターと
してホタルルシフェラーゼ遺伝子をつなぎ、クロンテッ
ク社より購入したpGL2controlのクローニン
グ部位に挿入した。対照としてSV40ウイルスのラー
ジT抗原のプロモーターを持つpGL2control
(クロンテック社)を用いた(図中に、「GL2−co
ntrol」で示す。)また、実施対象群間の導入効率
を補正するために、βガラクトシダーゼ遺伝子をレポー
ターとして、βアクチンのプロモーターの下流につない
だものを同時に細胞に導入した。細胞への導入は、直径
35mmの培養皿に7万個の細胞を植え込み、翌日調べ
たいプロモーター遺伝子および補正用のβガラクトシダ
ーゼ遺伝子を同時にリン酸カルシウム法で細胞に導入す
る。4時間後に培養液を交換し、48時間培養した後に
細胞を回収し、凍結−融解によって細胞を壊した後、一
定量(10μl)の細胞抽出液を用いて、ルシフェラー
ゼの活性測定、βガラクトシダーゼ活性を行なった。補
正はβガラクトシダーゼ活性を一定にすることによって
行なった。ルシフェラーゼの活性測定には、基質として
ピッカジーン(東洋インキ社製)100ulを混合し
て、混合直後より、ルミノメーターで発光を測定して活
性とした。βガラクトシダーゼ活性測定には、基質とし
てONPG(o−nitrophenyl b−D−g
alactoside)を用い、細胞抽出液と混合後、
37℃で30分保温後、420nmの吸光度を測定して
活性とした。また、第1イントロンを含むプロモーター
活性を調べる場合には、転写開始点の上流280bpの
下流に、翻訳開始コドンの前までの第1イントロン全体
(1.5kb)をつないで、その下流にルシフェラーゼ
遺伝子をつないだものを用いた。
ルシフェラーゼアッセイ) マウスBalb細胞、およびヒト293細胞をそれぞれ
実施例2と同様の方法によって細胞に導入、同様に酵素
活性を測定する。結果を図3に示す。
させた場合のルシフェラーゼアッセイ) マウスBalb細胞、およびヒト293細胞をそれぞれ
実施例2と同様の方法によって細胞に導入、同様に酵素
活性を測定する。結果を図4に示す。
5kbをpBlueScriptにクローニングし、次
に、これをSacIで切った後低濃度のAraIで部分
切断して−5.5kb(SacI)から+38kb(A
raI)までを得た。これをpGL2−basicのS
acI・XhoIサイトに挿入してLUC5.5を作製
した。SacIとSacIIで切断して末端平衡処理を
してつなげ。LUC280(図5)を作製した。
サイトをPCRで導入して−5.5kb(SalI)〜
+3583kb(SolII)のフラグメントを作り塩
基配列を確認した。これをGL2−basicのSac
I・SolIサイトに挿入してLUC5.5(III)
を作製した。XhoIとSacIIで切断し、末端平衡
処理をしてつなげLUC280(III)(図6)を製
造した。
レス蛋白質HSP47の転写活性を制御できるポリヌク
レオチド領域を提供するものであり、これによりコラー
ゲンの蓄積による各種疾患、例えば、肝硬変などの病態
の予防治療を有効に行うことが可能となる。
ノムの遺伝子地図を示すものである。
トロンの上流5.5Kbをプロモーターとした場合のル
シフェラーゼアッセイの結果を示すものである。
点から上流280bp及び第1イントロン領域を含むプ
ロモーターを用いた場合のルシフェラーゼアッセイの結
果を示すものである。
トロン領域の一部の塩基配列を欠損させたプロモーター
を用いた場合のルシフェラーゼアッセイの結果を示すも
のである。
でのプロモーターを組み込んだ発現ベクターpGL2−
Basicを示す。
び第1イントロン領域までのプロモーターを組み込んだ
発現ベクターpGL2−Basicを示す。
Claims (10)
- 【請求項1】 ストレス蛋白質HSP47のゲノムDN
Aにおける第1イントロン中の塩基配列であって、配列
表の配列番号1に示される塩基配列若しくはひとつ以上
の塩基が欠損、付加、置換してなる塩基配列、又は、そ
の塩基配列にハイブリダイズし得るポリヌクレオチド。 - 【請求項2】 ポリヌクレオチドがDNAである請求項
1に記載のポリヌクレオチド。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のポリヌクレオチ
ド又はその相補鎖からなる医薬組成物。 - 【請求項4】 相補鎖がアンチセンスである請求項3に
記載の医薬組成物。 - 【請求項5】 医薬組成物が、コラーゲンの蓄積による
疾患の予防治療剤である請求項3又は4に記載の医薬組
成物。 - 【請求項6】 コラーゲンの蓄積による疾患が肝硬変で
ある請求項3〜5のいずれかに記載の医薬組成物。 - 【請求項7】 ストレス蛋白質HSP47のゲノムDN
Aにおける、第1イントロン中の配列番号1に示される
塩基配列を欠損させてなる当該蛋白質の発現を制御し得
るプロモーター。 - 【請求項8】 さらに、第1エクソンの上流280bp
を欠損させてなる請求項7に記載のプロモーター。 - 【請求項9】 ストレス蛋白質HSP47のゲノムDN
Aにおける、第1イントロン中の配列番号1に示される
塩基配列を欠損させることによるストレス蛋白質HSP
47の転写活性を制御する方法。 - 【請求項10】 さらに、第1エクソンの上流280b
pを欠損させてなる請求項9に記載のストレス蛋白質H
SP47の転写活性を制御する方法。
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JP3688883B2 JP3688883B2 (ja) | 2005-08-31 |
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Cited By (2)
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US20130267581A1 (en) * | 2005-12-22 | 2013-10-10 | Nitto Denko Corporation | Agent for treating myelofibrosis |
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1998
- 1998-03-05 JP JP07148998A patent/JP3688883B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US9572886B2 (en) * | 2005-12-22 | 2017-02-21 | Nitto Denko Corporation | Agent for treating myelofibrosis |
JP2010059124A (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-18 | Nitto Denko Corp | 骨髄線維症処置剤 |
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