JPH11243252A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH11243252A
JPH11243252A JP4333398A JP4333398A JPH11243252A JP H11243252 A JPH11243252 A JP H11243252A JP 4333398 A JP4333398 A JP 4333398A JP 4333398 A JP4333398 A JP 4333398A JP H11243252 A JPH11243252 A JP H11243252A
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layer
compound semiconductor
semiconductor
semiconductor device
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JP4333398A
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Akira Oya
彰 大家
Masaaki Komori
正明 古森
Tomonobu Tsuchiya
朋信 土屋
Masahiro Aoki
雅博 青木
Hiroshi Sato
宏 佐藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高濃度p型コンタクト層からドーパント元素で
あるZnが活性層近傍まで拡散することによる素子の劣
化を防ぎ、信頼性の優れた半導体装置を提供すること。 【解決手段】p電極21とp型InPクラッド層16の
間に、p型ZnTeコンタクト層18を配置する。この
コンタクト層は、p型のII−VI族化合物半導体であれば
よい。この層のキャリア濃度は、1×1018cm-3以上
の高濃度にドーピングすることができる。さらにp型I
nPクラッド層16とp型ZnTeコンタクト層18の
間にp型ZnSe/ZnTe中間層17を配置してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置及びそ
の製造方法に係り、特に光伝送装置等に用いられるIII
−V族化合物半導体からなる半導体装置及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】大容量、高速通信の中心を担っている光
伝送装置の光源として用いられている半導体レーザは、
GaAs系やInP系のIII−V族化合物半導体から構
成されている。このIII−V族化合物半導体からなる半
導体レーザは、第1の伝導型の半導体基板上に形成され
た第1の伝導型のクラッド層と、その上に形成されたレ
ーザ光を発生する活性層と、その上に形成された第2の
伝導型のクラッド層からなる。第1の伝導型の半導体基
板及び第2の伝導型のクラッド層に接触するようにそれ
ぞれの電極が形成され、この電極を介して活性層へ電子
と正孔が注入される。従って、それらを構成する第1及
び第2の伝導型の半導体と各電極との間の接触抵抗を低
減することが、素子の低動作電圧化、高温動作化、長寿
命化を図るうえで重要である。
【0003】例えば、1.3μm帯の波長で動作するI
nP系III−V族化合物半導体からなる半導体レーザで
は、n型InP基板を用いたときはp型InPクラッド
層結晶とp電極との間、p型InP基板を用いたときは
その基板結晶とp電極との間の接触抵抗の低減が課題と
なっている。そのため、例えば、n型InP基板上に形
成されたInP系半導体レーザでは、接触抵抗低減の目
的でp型InPクラッド層結晶とp電極との間にコンタ
クト層となる半導体結晶を形成する方法がとられてい
る。このコンタクト層結晶に要求されることは、基板と
の格子不整合が小さいこと、p型ドーピング濃度が高い
こと及び正孔の注入に対して価電子帯に障壁を形成しな
いことが重要である。
【0004】上記要求を満たすために、例えば、199
4年電子情報通信学会秋季大会講演集第302頁には、
p型InPクラッド層結晶とp電極との間に、高濃度に
ドーピングされたp型InGaAs結晶をコンタクト層
として形成することが報告されている。さらに、p型I
nGaAsコンタクト層とp型InPクラッド層のヘテ
ロ接合においては、そのバンドギャップ差が大きいた
め、これらの間にバンドギャップが両者の中間の値を持
つp型InGaAsP層を挿入する場合もある。これら
の方式により作製したレーザ構造の一例を図5に示す。
【0005】n型(100)InP基板51上に、n型
InPクラッド層(厚さ0.5μm)52、n型InG
aAsP下側光ガイド層(組成波長1.10μm、厚さ
0.1μm)53、InGaAsP(組成波長1.45
μm、6nm厚)を井戸層としInGaAsP(組成波
長1.10μm、10nm厚)を障壁層とする5周期の
歪多重量子井戸(MQW)活性層54、InGaAsP
上側光ガイド層(組成波長1.10μm、厚さ0.1μ
m)55、p型InPクラッド層(厚さ1.5μm)5
6、p型InGaAsP中間層(厚さ0.2μm)5
7、高濃度p型InGaAsコンタクト層(厚さ0.2
μm)58が順次形成されており、この高濃度p型In
GaAsコンタクト層58に接してp電極61が設置さ
れている。
【0006】このp型InGaAsコンタクト層58に
おけるp型InGaAs結晶は、例えば亜鉛(Zn)を
ドーパント元素としてキャリア濃度1×1019cm-3
上にドーピングされており、その成長温度は500℃以
上の高温である。このようなp型InGaAsコンタク
ト層を挿入することにより、p電極との接触抵抗は1×
10-6Ω/cm2程度の低いものが得られている。
【0007】一方p型InP層クラッド層56は、同様
にZnをドーパント元素としているが、そのキャリア濃
度は通常1×1018cm-3以下である。さらに活性層5
4においては、通常アンドープの結晶を用いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来構造の半導体レーザ素子においては、500℃以上
の高温におけるp型InGaAsコンタクト層結晶の成
長中に、InGaAs層中のドーパント元素であるZn
が、p型InPクラッド層、さらにはその下の活性層へ
と拡散することが報告されている。活性層近傍までドー
パント元素であるZnが拡散した場合には、半導体レー
ザ素子の動作中に閾値電流の増加が確認され、素子の信
頼性に悪影響を及ぼすことになる。このZn元素の活性
層近傍への拡散の度合は、InGaAs層のドーピング
濃度とその成長温度に依存する。従って、p型電極との
接触抵抗を低減するためにInGaAs層のドーピング
濃度を増加するほど、また、結晶性を向上させるために
InGaAs層の成長温度を高くするほど、Zn元素の
活性層近傍への拡散が増加することになる。
【0009】このため、これまでにp型InGaAs層
のドーパント元素として拡散定数がZnよりも小さな炭
素(C)を用いる方法、あるいはInGaAs層の成長
温度を低下させる方法が報告されている。しかし、前者
の方法においては、そのドーピング濃度を1×1019
-3以上に増加させることが難しいため、電極との間の
接触抵抗を十分に低減することが困難であり、素子の動
作電圧が高くなるといった問題があった。また、後者の
方法においては成長温度を500℃以下に低下させると
InGaAs層の結晶性が低下し、素子の特性が劣化す
ることが問題となっていた。
【0010】本発明の第1の目的は、半導体装置のp電
極とp型結晶の間に新規なコンタクト層を導入すること
により、信頼性の高い半導体装置を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、そのような半導体装置を容
易に製造することのできる半導体装置の製造方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の半導体装置は、p電極とp型III−
V族化合物半導体層又はp型III−V族化合物半導体基
板との間に、p型のII−VI族化合物半導体層を配置する
ようにしたものである。
【0012】このp型のII−VI族化合物半導体層は、Z
n及びTeからなる群から選ばれた少なくとも一つの元
素を含むII−VI族化合物半導体からなることが好まし
い。この層のキャリア濃度は、1×1018cm-3以上、
1×1020cm-3以下であることが好ましく、1×10
19cm-3以上、1×1020cm-3以下であることがより
好ましい。
【0013】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の半導体装置の製造方法は、p型III−V族化合
物半導体層又はp型III−V族化合物半導体基板の上に
p電極を形成する工程の前に、p型のII−VI族化合物半
導体層を形成し、その上にp電極を形成するようにした
ものである。このp型のII−VI族化合物半導体層は、2
00℃から450℃の温度で成長させることが好まし
い。
【0014】以下、n型InP基板上に形成されたIn
P系III−V族化合物半導体の半導体レーザを例に説明
する。II−VI族化合物半導体の一つであるZnTeは、
分子線エピタキシー法や有機金属気相成長法を用いるこ
とにより、200℃以上、450℃以下の基板温度で良
好な単結晶薄膜を形成することができる。ここで、III
−V族化合物半導体レーザのコンタクト層にII−VI族化
合物半導体を用いた場合、Znがその主構成元素である
ことから、InPクラッド層中へのZnの拡散が懸念さ
れる。しかし、II−VI族化合物半導体の成長温度が45
0℃以下の低温であることから、III−V族化合物半導
体上への成長の際に、互いの構成元素の相互拡散は発生
しないのでZnの拡散は問題にならない。また、II−VI
族化合物半導体は成長温度が200℃以上450℃以下
であるため、半導体レーザ素子作製プロセスにおけるア
ニール等の熱サイクルに対しても、その到達最高温度が
この成長温度以下に抑えられていれば、プロセス過程に
おける結晶性の低下や構成元素の拡散といった問題は生
じない。
【0015】さらに、ZnTe層は、窒素(N)などの
V族元素又はリチウム(Li)等のI族元素をドーパン
トとして混入することにより、1×1019cm-3以上の
高濃度なp型結晶を得ることが可能である。
【0016】また、ZnTeは、InPを基板に用いた
場合、基板との格子不整合が約4%程度と小さく、コン
タクト層として用いるような厚さ0.5μm以下の薄膜
では結晶性の良好なものが得られる。さらに、平均の格
子定数が両者の中間の値である第2のII−VI族化合物半
導体層を挿入してZnTeコンタクト層とInPクラッ
ド層との間の格子定数を段階的に変化させることにより
結晶性を改善できる。
【0017】本発明で採用する上記第1及び第2のII−
VI族化合物半導体層とは、ともにMg、Zn、Cd等の
II族元素とS、Se、Te等のVI族元素を1種類ずつ含
めて組成される2元系化合物半導体層及び当該II元素と
当該VI族元素をそれぞれ少なくとも1種類以上含め、か
つ、これらの元素をn種類含めて組成されるn元系化合
物半導体層(ただし、nは3以上の自然数)の群から適
宜選ばれるものである。これらの構造は、1種類の組成
の層で形成しても、又は複数の種類の組成の層を積層し
てもよく、特に限定されるものではない。
【0018】因みに、上記II−VI族化合物半導体層を、
所定の組成を有する上述のn元系化合物半導体層一層で
形成し、いわゆる混晶半導体層とする代わりに、組成の
異なる上記2元系化合物半導体層をそれぞれ所定の膜厚
で周期的に積層して形成し、いわゆる超格子半導体層と
し、かつ、当該超格子構造全域の巨視的な組成を上記混
晶半導体層の組成と等価に設定する例では、巨視的な観
点で当該混晶半導体層で得られるIII−V族化合物半導
体層との格子整合性を損なわず、かつ、当該混晶半導体
組成で得られない所望の禁制帯幅を当該II−VI族化合物
半導体層付与できることが特開昭63−236387号
公報に教示されている。この例に限らず、本発明が実施
される半導体装置の仕様に応じて上記II−VI族化合物半
導体層を超格子構造(超格子半導体層)としてもよく、
これを構成する2種類以上の組成の異なる半導体層にn
元系化合物半導体層を含めることも、当該半導体層のそ
れぞれの格子定数を違えて歪み超格子構造とすること
も、これらの超格子構造を少なくとも一層のバルク半導
体層と組み合わせることも、本発明の実施を阻むもので
はない。
【0019】また、ZnTeコンタクト層とInPクラ
ッド層との間の価電子帯バンド構造は、正孔の注入に対
して障壁を形成するが、これは、平均のバンドギャップ
が両者の中間の値である第2のII−VI族化合物半導体層
を挿入して価電子帯を段階的に接続することにより低減
できる。
【0020】一方、このp型ZnTeコンタクト層に対
して、例えばNi系の電極を用いることにより1×10
-6Ω/cm2程度の小さな接触抵抗が得られる。このた
め、ZnTeコンタクト層を用いた場合にも、従来のI
nGaAs系コンタクト層に対して遜色ない電極特性が
得られる。このp型コンタクト層としては、ZnTeに
限らず、Zn及びTeの内の少なくとも一つの元素を含
むII−VI族化合物半導体であれば同様の効果が得られ
る。
【0021】以上、ここではInP系III−V族化合物
半導体からなる半導体レーザに関する場合について説明
したが、GaAs系等他のIII−V族化合物半導体から
なる半導体レーザについても、II−VI族化合物半導体を
コンタクト層として挿入することにより同様の効果が得
られる。また、本発明の効果は、半導体レーザに限定さ
れるものではなく、電子デバイスを含むあらゆるIII−
V族化合物半導体からなる半導体装置においても有効で
ある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。 〈実施例1〉本発明の製造方法によりリッジ導波路型半
導体レーザを作製した。図1は、その主な作製工程を示
す図である。有機金属気相成長法により、n型(10
0)InP基板11上にn型InPクラッド層(厚さ
0.5μm)12、n型InGaAsP下側光ガイド層
(組成波長1.10μm、厚さ0.1μm)13、In
GaAsP(組成波長1.45μm、6nm厚)を井戸
層としInGaAsP(組成波長1.10μm、10n
m厚)を障壁層とする5周期の歪多重量子井戸(MQ
W)活性層14、InGaAsP上側光ガイド層(組成
波長1.10μm、厚さ0.1μm)15、p型InP
クラッド層(厚さ1.5μm、キャリア濃度7×1017
cm-3)16を順次形成する。基板温度は600℃であ
り、p型のドーパント元素にはZnを用いる。原料とし
ては、トリメチルインジウム、トリエチルガリウム、ア
ルシン、フォスフィン及びジメチル亜鉛を用いた。
【0023】この後、基板温度を400℃まで下げ、p
型InPクラッド層16上に、p型ZnTeコンタクト
層(厚さ0.2μm)18を形成する。図1(a)は、
このときの断面図である。ここで、p型ドーパント元素
はNであり、キャリア濃度は5×1019cm-3である。
原料としては、ジメチル亜鉛、ジメチルテルル、ジエチ
ルアミンを用いた。
【0024】ここで、この構造における結晶中のZn濃
度を二次イオン質量分析(SIMS)により測定した結
果を図2に示す。比較のために、図5に示した従来のI
nGaAsコンタクト層を用いた積層構造の分析結果に
ついても図中に示す。本実施例では、p型ZnTeコン
タクト層18を、従来例では、p型InGaAsコンタ
クト層58、p型InGaAsP中間層57をエッチン
グにより除去した後、いずれもp型InPクラッド層1
6、56から分析を行った。実施例1のZnTeコンタ
クト層を用いた試料では、p型InPクラッド層16中
でのZn濃度は7×1017cm-3となっており、InG
aAsP光ガイド層15及びMQW活性層14でのZn
濃度は検出限界以下となっている。一方、従来のInG
aAsコンタクト層を用いた場合には、p型InPクラ
ッド層56中のZn濃度が増加し、さらに、InGaA
sP光ガイド層55、活性層54へのZnの拡散が観測
されている。これは、InGaAsコンタクト層57の
成長温度が500℃以上と高いため、成長中にドーパン
トであるZnが活性層方向へ拡散したためと考えられ
る。以上の結果から、本実施例1のZnTeコンタクト
層を用いることにより活性層へのZn拡散が抑制される
ことが明らかとなった。
【0025】次に、公知のレーザ作製法を用いて、図1
(b)に示すようなリッジストライプ導波路構造を加工
した後、図1(c)に示すようにSiO2膜19を形成
し、ポリイミドにより電流狭窄部20を埋込み、Ni/
Ti/Pt/Auからなるp電極21及びn電極22を
形成する。これらのプロセスにおいて、素子の加熱温度
は400℃以下とした。作製したリッジ導波路型レーザ
のリッジ幅は2μm、全素子長は400μmである。
【0026】このレーザ素子は、室温、連続条件におい
て、波長1.3μmで発振し、閾値電流8〜10mA、
10mW出力時の動作電圧1.3〜1.4Vと良好な特
性を示した。また、85℃の高温動作においても閾値電
流18〜22mAが得られた。この素子に、85℃、1
0mW、100時間の通電実験を行った後、室温におけ
る閾値の変化を測定した結果、閾値電流の増加は、0.
2mA程度であった。また、素子の長期信頼性を85℃
の高温条件下で評価したところ10万時間以上の推定寿
命を確認した。
【0027】一方、図5に示した従来のInGaAsコ
ンタクト層を用いた半導体レーザの場合には、室温での
閾値電流8〜10mA、10mW出力時の動作電圧1.
3〜1.4V、85℃における閾値電流25〜30mA
であった。さらに、このInGaAsコンタクト層を用
いた素子の場合には、85℃、10mW、100時間の
通電実験後の閾値電流の増加は3〜5mA観測され、素
子の推定寿命も5万時間程度であった。
【0028】〈実施例2〉本発明の製造方法によりリッ
ジ導波路型半導体レーザを作製した。図3は、その素子
断面図である。有機金属気相成長法により、n型(10
0)InP基板11上に、n型InPクラッド層(厚さ
0.5μm)12、n型InGaAsP下側光ガイド層
(組成波長1.10μm、厚さ0.1μm)13、In
GaAsP(組成波長1.45μm、6nm厚)を井戸
層としInGaAsP(組成波長1.10μm、10n
m厚)を障壁層とする5周期のMQW活性層14、In
GaAsP上側光ガイド層(組成波長1.10μm、厚
さ0.1μm)15、p型InPクラッド層(厚さ1.
5μm、キャリア濃度7×1017cm-3)16を順次形
成する。基板温度は600℃であり、p型のドーパント
元素にはZnを用いる。原料としては、トリメチルイン
ジウム、トリエチルガリウム、アルシン、フォスフィン
及びジメチル亜鉛を用いた。
【0029】この後、基板温度を350℃まで下げ、p
型InPクラッド層16上に、p型ZnSe/ZnTe
超格子(各10nm厚、10周期)からなる中間層(厚
さ0.2μm)17、p型ZnTeコンタクト層(厚さ
0.2μm、キャリア濃度5×1019cm-3)18を形
成する。ここで、p型ドーパント元素はNである。原料
としては、ジメチル亜鉛、ジメチルセレン、ジメチルテ
ルル、ジエチルアミンを用いた。
【0030】この構造における結晶中のZn濃度を二次
イオン質量分析(SIMS)により測定した結果は、図
2に示す実施例1の場合とほぼ同様であり、本実施例2
のp型ZnTeコンタクト層とp型ZnSe/ZnTe
超格子中間層を用いた場合にも活性層へのZn拡散が抑
制されることが明らかとなった。
【0031】次に、公知のレーザ作製法を用いて、リッ
ジストライプ導波路構造を加工した後、SiO2膜19
を形成し、ポリイミドにより電流狭窄部20を埋込み、
Ni/Ti/Pt/Auからなるp電極21及びn電極
22を形成する。これらのプロセスにおいて、素子の加
熱温度は350℃以下とした。作製したリッジ導波路型
レーザのリッジ幅は2μm、全素子長は400μmであ
る。
【0032】このレーザ素子は、室温、連続条件におい
て、波長1.3μmで発振し、閾値電流8〜10mA、
10mW出力時の動作電圧1.2〜1.3Vと良好な特
性を示した。また、85℃の高温動作においても閾値1
8〜22mAが得られた。この素子に、85℃、10m
W、100時間の通電実験を行った後、室温における閾
値の変化を測定した結果、閾値電流の増加は、0.2m
A程度であった。また、素子の長期信頼性を85℃の高
温条件下で評価したところ10万時間以上の推定寿命を
確認した。
【0033】本実施例2の素子では、実施例1の素子に
比べ、室温における動作電圧が低減しているが、これは
ZnTeコンタクト層18とInPクラッド層16の間
の価電子帯の障壁がZnSe/ZnTe超格子中間層1
7の挿入により段階的に接続された効果によるものであ
る。また、p型ZnSe/ZnTe超格子中間層に代え
て、厚さ0.2μmのp型ZnSe0.5Te0.5混晶層を
用いた場合にも、同様のレーザ特性及び信頼性が確認さ
れた。
【0034】〈実施例3〉本発明の製造方法によりリッ
ジ導波路型半導体レーザを作製した。図4は、その素子
断面図である。有機金属気相成長法により、p型(10
0)InP基板31上に、p型InPクラッド層(厚さ
0.5μm)32、InGaAsP下側光ガイド層(組
成波長1.10μm、厚さ0.1μm)33、InGa
AsP(組成波長1.45μm、6nm厚)を井戸層と
しInGaAsP(組成波長1.10μm、10nm
厚)を障壁層とする5周期のMQW活性層34、InG
aAsP上側光ガイド層(組成波長1.10μm、厚さ
0.1μm)35、n型InPクラッド層(厚さ1.5
μm)36、n型InGaAsPコンタクト層37を順
次形成する。この後、公知のレーザ作製法を用いて、リ
ッジストライプ導波路構造を加工する。
【0035】次に、p型(100)InP基板31を1
00μmの厚さまで研磨した後、裏面に、基板温度35
0℃にて、p型ZnTeコンタクト層(厚さ0.2μ
m、キャリア濃度5×1019cm-3)40を形成する。
さらに、Ni/Ti/Pt/Auからなるp電極41及
びn電極42を形成する。作製したリッジ導波路型半導
体レーザのリッジ幅は2μm、全素子長は400μmで
ある。
【0036】このレーザ素子は、室温、連続条件におい
て、波長1.3μmで発振し、閾値電流8〜10mA、
10mW出力時の動作電圧1.3〜1.4Vと良好な特
性を示した。一方、従来のp型InP基板上に形成した
半導体レーザ素子は、p電極がp型InP基板に直接形
成されるため、室温、連続条件における10mW出力時
の動作電圧は、1.4〜1.6Vであった。また、本実
施例の素子の長期信頼性を85℃の高温条件下で評価し
たところ、10万時間以上の推定寿命を確認した。
【0037】以上の実施例では、InP基板上に形成さ
れた半導体レーザ素子の場合について説明したが、Ga
As基板上に形成された半導体レーザ素子の場合につい
ても同様にZeTe等のZeかTeの少なくとも一つの
元素を含むp型のII−VI族化合物半導体からなるコンタ
クト層を導入することにより、信頼性を向上させること
ができる。また、本発明は半導体レーザに限らず、多種
の光デバイス、電子デバイスにおいてp型半導体結晶に
p電極を形成する場合への応用が可能である。また、上
記半導体レーザを光伝送装置に用いることにより、光伝
送装置の信頼性向上が図れる。
【0038】
【発明の効果】本発明の半導体装置によれば、p電極と
p型III−V族化合物半導体との間にp型のII−VI族化
合物半導体からなるコンタクト層を設けることにより、
Znの異常拡散によるデバイス特性劣化の小さな信頼性
の高い半導体レーザを実現できる。さらに、本発明の半
導体装置の製造方法によれば、上記コンタクト層を45
0℃以下の基板温度で形成することにより、容易に信頼
性の高い半導体装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の素子構造及びその作製
工程を説明するための図である。
【図2】二次イオン質量分析法により測定した本発明及
び従来の構造の素子中のZn濃度プロファイルを示す図
である。
【図3】本発明の第2の実施例の半導体レーザの断面図
である。
【図4】本発明の第3の実施例の半導体レーザの断面図
である。
【図5】従来の半導体レーザの断面図である。
【符号の説明】
11…n型(100)InP基板 12…n型InPクラッド層 13…n型InGaAsP下側光ガイド層 14…歪多重量子井戸活性層 15…InGaAsP上側光ガイド層 16…p型InPクラッド層 17…p型ZnSe/ZnTe超格子中間層 18…p型ZnTeコンタクト層 19…SiO2膜 20…ポリイミド電流狭窄層 21…p電極 22…n電極 31…p型(100)InP基板 32…p型InPクラッド層 33…InGaAsP下側光ガイド層 34…歪多重量子井戸活性層 35…InGaAsP上側光ガイド層 36…n型InPクラッド層 37…n型InGaAsPコンタクト層 38…SiO2膜 39…ポリイミド電流狭窄層 40…p型ZnTeコンタクト層 41…p電極 42…n電極 51…n型(100)InP基板 52…n型InPクラッド層 53…n型InGaAsP下側光ガイド層 54…歪多重量子井戸活性層 55…InGaAsP上側光ガイド層 56…p型InPクラッド層 57…p型InGaAsP中間層 58…p型InGaAsコンタクト層 59…SiO2膜 60…ポリイミド電流狭窄層 61…p電極 62…n電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 雅博 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 佐藤 宏 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に配置されたIII−V族化合
    物半導体多層構造からなる半導体装置において、p電極
    とp型III−V族化合物半導体層又はp型III−V族化合
    物半導体基板との間に、p型のII−VI族化合物半導体層
    が配置されたことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】上記p型のII−VI族化合物半導体層は、Z
    n及びTeからなる群から選ばれた少なくとも一つの元
    素を含むII−VI族化合物半導体からなることを特徴とす
    る請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】上記p型のII−VI族化合物半導体層のキャ
    リア濃度は、1×1018cm-3以上、1×1020cm-3
    以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導
    体装置。
  4. 【請求項4】上記p型のII−VI族化合物半導体層のキャ
    リア濃度は、1×1019cm-3以上、1×1020cm-3
    以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の半導
    体装置。
  5. 【請求項5】上記p型のII−VI族化合物半導体と、上記
    p型III−V族化合物半導体層又は上記p型半導体基板
    との間に、平均の格子定数及び平均のバンドギャップが
    両者の中間の値である第2のII−VI族化合物半導体層が
    配置されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか
    一に記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】上記第2のII−VI族化合物半導体層は、II
    −VI族化合物半導体超格子層からなることを特徴とする
    請求項5記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】半導体基板上に、III−V族化合物半導体
    の多層構造を形成する半導体装置の製造方法において、
    p型III−V族化合物半導体層又はp型III−V族化合物
    半導体基板の上にp電極を形成する工程の前に、p型の
    II−VI族化合物半導体層を形成することを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】上記p型のII−VI族化合物半導体層の形成
    は、200℃から450℃の範囲の温度で行われること
    を特徴とする請求項7記載の半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112802738A (zh) * 2021-04-06 2021-05-14 中山德华芯片技术有限公司 一种提升磷化铟中锌掺杂浓度的方法

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