JPH11241153A - 摺動部材のなじみ性溶射被膜層 - Google Patents

摺動部材のなじみ性溶射被膜層

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JPH11241153A
JPH11241153A JP4713098A JP4713098A JPH11241153A JP H11241153 A JPH11241153 A JP H11241153A JP 4713098 A JP4713098 A JP 4713098A JP 4713098 A JP4713098 A JP 4713098A JP H11241153 A JPH11241153 A JP H11241153A
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JP
Japan
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coating layer
weight
sliding member
fitness
sprayed coating
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Pending
Application number
JP4713098A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Takamura
浩行 高村
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Nippon Piston Ring Co Ltd
Original Assignee
Nippon Piston Ring Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐自己摩耗性及び耐相手攻撃性に優れたなじみ
性被膜層を提供する。 【解決手段】母材(M)摺動面に溶射により形成された
摺動部材(10)のなじみ性溶射被膜層(C)であっ
て、この被膜層は、Alが7〜11重量%、Fe、N
i、Mnのうち1種もしくは2種以上が0.5重量〜8
重量%、残部がCuである銅基合金摺動面材料と60重
量%以下添加したモリブデンとから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンリング等
の摺動部材の表面に、初期なじみ性を向上させる目的で
設けられる溶射被膜層に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、舶用等のディーゼルエンジンの高
性能化が進み、最大圧縮圧力が高くなる傾向にあり、そ
の摺動部には初期なじみ性が要求されるようになった。
そこで従来は、摺動部材の初期なじみ性、例えば、ピス
トンリングの初期なじみ性を向上させるため、ピストン
リングの外周面には銅メッキが施されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の銅メッキでは、これを施したピストンリングを
高性能なディーゼルエンジンに使用した場合、銅メッキ
が柔らかすぎて、初期なじみが終了する以前に銅メッキ
が摩滅してしまうという問題がある。また、銅メッキを
ピストンリングに表面処理するとき、銅メッキをピスト
ンリングの摺動面だけに施すことが難しいという問題も
ある。
【0004】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、例えば、ピストンリング等の摺動面だ
けに限定して表面処理することが容易である一方、少な
くとも初期なじみが終了するまで摩滅しない溶射被膜
層、つまり耐自己摩耗性に優れ、併せて耐相手攻撃性に
も優れた摺動部材のなじみ性溶射被膜層を提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明が採用する手段は、母材摺動面に溶射によ
り形成される摺動部材のなじみ性溶射被膜層を、銅基合
金摺動面材料と、添加モリブデンとから形成したことに
ある。銅基合金摺動面材料は、Alが7〜11重量%、
Feが0.5〜5重量%、残部がCuである。モリブデ
ンの添加量は60重量%以下、好ましくは35〜55重
量%である。
【0006】この材料の限定理由は次のとおりである。
すなわち、銅基合金摺動材料において、Alが7重量%
未満の場合は、十分な硬度が獲られず、11重量%を超
えると被膜が脆くなるため、Alの比率は7〜11重量
%とする。Feは被膜の靱性向上に寄与するが、0.5
重量%未満の場合は、十分な靱性が得られず、5重量%
を超えてもその効果が著しくないため、Feの比率は
0.5〜5重量%とする。また、モリブデンを60重量
%を超えて添加した場合、相手攻撃性が大きくなり、
又、60重量%を超えるとコスト高となるため、モリブ
デンの比率は60重量%以下、好ましくは35〜55重
量%とする。35重量%を超えると耐摩耗性、耐スカッ
フィング性が大幅に改善され、55重量%以下ではコス
ト的に有利である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1に示
すピストンリングに設けた溶射被膜層に基づいて説明す
る。図1に示すように、凸形に形成したピストンリング
母材Mの外周摺動面に、溶射被膜層Cをプラズマ溶射に
より形成する。この溶射被膜層Cは、Alが7〜11重
量%、Fe、Ni、Mnのうち1種もしくは2種以上が
0.5〜8重量%、残部がCuである銅基合金摺動面材
料と60重量%以下のモリブデンとから成る。これによ
り、初期なじみが終了するまでに摩滅しないなじみ性被
膜層、つまり耐自己摩耗性に優れ、併せて耐相手攻撃性
にも優れたなじみ性被膜層が形成される。
【0008】プラズマ溶射被膜は、図2に示されるガン
を使用して形成された。プラズマ溶射ガンはタングステ
ン電極20と銅ノズル23で構成されており、タングス
テン電極20は直流電源の負極に、銅ノズル23は正極
にそれぞれ接続されている。まず、作動ガス入口25か
らプラズマガスを供給し、タングステン電極20と銅ノ
ズル21の間にプラズマアーク22を発生させる。アー
ク22が圧力によりプラズマジェット21に粉末出口2
4より溶射粉末を供給して溶射を行う。
【0009】
【実施例】以下、本発明の耐摩耗性摺動部材をテスト片
の摩耗試験によって説明する。同一のピストンリング用
鋳鉄材の母材上に、次の種類の被膜層を形成して、テス
ト片とした。 テスト片No.1(比較例):銅めっき(150μm) テスト片No.2(実施例):溶射被膜(150μm) 銅基合金摺動材料(Al:9.5重量%、Fe:1.0
重量%、Cu:残部):90重量% モリブデン:10重量% テスト片No.3(実施例):溶射被膜(150μm) 銅基合金摺動材料(Al:7.0重量%、Fe:3.0
重量%、Cu:残部):60重量% モリブデン:40重量% 溶射被膜はプラズマ溶射によるものである。その溶射条
件は次のとおりである。 使用ガン:スルザーメテコ社製7MBプラズマ溶射ガン 電圧:60〜70V 電流:500A 使用ガス:アルゴン−水素混合ガス 即ち、図4に示すアムスラー型摩耗試験機により、各テ
スト片の摩耗深さと相手材の摩耗深さを測定した。摩耗
試験機の容器15には潤滑油14が溜められており、摩
耗試験用の相手材12が潤滑油14に部分的に浸されて
いる。相手材12は円板状もしくはローラ状のものであ
り、一定の速度で回転している。この状態でテスト片1
1を相手材12の外周面に接触させ、回転軸に垂直に荷
重をかけて、摩耗の程度を測定したものである。測定条
件は、以下の通りである。 周速 :1m/sec 荷重 :45kgf 潤滑油 :モーターオイル(日本石油:30p) 油温 :85℃±10℃ 試験時間:100時間 相手材 :ターカロイ(日本ピストンリング(株)の商
品名として知られているボロン鋳鉄) 測定結果は、図3に示す通りであった。
【0010】図3から、摩耗性試験において、実施例テ
スト片No.2 及びNo.3 のテスト片の摩耗深さ
は、いずれも比較例テスト片No.1のテスト片の摩耗
深さを大幅に下回るものであり、実施例No.2および
No.3の相手材の摩耗深さは、いずれも比較例テスト
片No.1の相手材の摩耗深さを大幅に下回るものであ
ることが確かめられた。溶射法としては、ガス溶線式、
ガス粉末式、プラズマ式、爆発式などのいずれの方法を
使用してもよいが、熱エネルギーがフレーム部分に高度
に集中するプラズマ式溶射方法を使用すれば高温のフレ
ーム部分で溶射材料は充分に溶融し、フレーム部分を離
れれば急速に冷却するので、モリブデン粉末の微細化し
た溶射層を得るのに有利である。
【0011】溶射はマトリックス材としての銅合金とモ
リブデンの各溶射材を別個に溶射装置に供給し、同時に
溶射して形成してもよい。又、溶射装置への供給前に銅
合金とモリブデン粉末とを混合させたもの、又は銅合金
表面にモリブデン粉末を付着させた複合材料を用いても
よい。
【0012】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の摺動部
材のなじみ性溶射被膜層は、耐摩耗性及び相手攻撃性が
従来のものより極めて優れているから、より厳しい条件
下で使用される摺動部材、例えば、高性能舶用ディーゼ
ルエンジンのピストンリング等にも、そのなじみ被膜と
して使用できるという格別の効果を奏する。また、溶射
により被膜層を形成するので、摺動部材の摺動面だけに
限定して被膜層を形成することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の、なじみ性溶射被膜層を設
けたピストンリングの断面正面図である。
【図2】図1のなじみ性溶射被膜層のプラズマ溶射を実
施するためのガンを示す模式的断面正面図である。
【図3】本発明の実施例及び比較例の自己及び相手材の
摩耗深さを示すグラフである。
【図4】本発明の実施例及び比較例の摩耗試験を実施す
るための試験機を示す略図である。
【符号の説明】
C:溶射被膜層 M:母材 10:ピストンリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材摺動面に溶射により形成された摺動
    部材のなじみ性溶射被膜層であって、前記被膜層は、A
    lが7〜11重量%、Fe、Ni、Mnのうち1種もし
    くは2種以上が0.5〜8重量%、残部がCuである銅
    基合金摺動面材料とモリブデンとから成り、モリブデン
    は60重量%以下、好ましくは35〜55重量%である
    ことを特徴とする摺動部材のなじみ性溶射被膜層。
JP4713098A 1998-02-27 1998-02-27 摺動部材のなじみ性溶射被膜層 Pending JPH11241153A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1467129A1 (en) * 2002-01-18 2004-10-13 Kabushiki Kaisha Riken Spraying piston ring
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JP2016117949A (ja) * 2010-07-22 2016-06-30 フェデラル−モーグル ブルシェイド ゲーエムベーハーFederal−Mogul Burscheid Gmbh 溶射用の溶射粉末、ピストンリング及びその製造方法

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