JPH11240773A - キャスタブル耐火物 - Google Patents
キャスタブル耐火物Info
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- JPH11240773A JPH11240773A JP10064417A JP6441798A JPH11240773A JP H11240773 A JPH11240773 A JP H11240773A JP 10064417 A JP10064417 A JP 10064417A JP 6441798 A JP6441798 A JP 6441798A JP H11240773 A JPH11240773 A JP H11240773A
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- alumina
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- castable
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶鋼取鍋等の溶融金属容器の内張りに使用さ
れるキャスタブル耐火物の亀裂、剥離を少なくして耐用
性を向上させることにある。 【解決手段】 【請求項1】 Al2 O3 とMgOを主要構成成分と
し、CaO含有量が0.5重量%未満である組成物に対
し、オキシカルボン酸の多価金属塩を固形物換算で外掛
け0.05〜5重量%と硫酸塩または燐酸塩を固形物換
算で外掛け0.05〜5重量%添加したものである。
れるキャスタブル耐火物の亀裂、剥離を少なくして耐用
性を向上させることにある。 【解決手段】 【請求項1】 Al2 O3 とMgOを主要構成成分と
し、CaO含有量が0.5重量%未満である組成物に対
し、オキシカルボン酸の多価金属塩を固形物換算で外掛
け0.05〜5重量%と硫酸塩または燐酸塩を固形物換
算で外掛け0.05〜5重量%添加したものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冶金分野における
溶融金属容器などの内張りに使用するのに適したキャス
タブル耐火物に関する。
溶融金属容器などの内張りに使用するのに適したキャス
タブル耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶鋼取鍋等の溶融金属容器の内張
りに使用される耐火物としては、ジルコン質原料を使用
するキャスタブル耐火物が使用されてきた。このジルコ
ン質キャスタブル耐火物は、比較的コストが安く、また
性能的にも熱スポーリング、構造スポーリングなどの発
生も少ないという利点を具備している。
りに使用される耐火物としては、ジルコン質原料を使用
するキャスタブル耐火物が使用されてきた。このジルコ
ン質キャスタブル耐火物は、比較的コストが安く、また
性能的にも熱スポーリング、構造スポーリングなどの発
生も少ないという利点を具備している。
【0003】しかしながら、近年高級鋼の需要が増大す
るにしたがって、溶鋼取鍋等での処理条件も過酷化して
おり、ジルコン質キャスタブル耐火物では耐食性が不十
分であることが指摘されている。
るにしたがって、溶鋼取鍋等での処理条件も過酷化して
おり、ジルコン質キャスタブル耐火物では耐食性が不十
分であることが指摘されている。
【0004】このジルコン質のキャスタブル耐火物に代
わって、アルミナ質原料およびスピネル質原料を配合し
たアルミナ・スピネル質キャスタブル耐火物が提案され
た。このアルミナ・スピネル質キャスタブル耐火物は、
配合されたスピネル(MgAl2 O4 )が、稼働面から
浸透しようとする鉄酸化物をとらえて高融点物質を形成
し組織を緻密化するとともに、SiO2 等の低融点物質
の含有量が少ないため、優れた耐食性、耐スラグ浸透性
を備えるものである。
わって、アルミナ質原料およびスピネル質原料を配合し
たアルミナ・スピネル質キャスタブル耐火物が提案され
た。このアルミナ・スピネル質キャスタブル耐火物は、
配合されたスピネル(MgAl2 O4 )が、稼働面から
浸透しようとする鉄酸化物をとらえて高融点物質を形成
し組織を緻密化するとともに、SiO2 等の低融点物質
の含有量が少ないため、優れた耐食性、耐スラグ浸透性
を備えるものである。
【0005】しかしながら、高温、長時間保持の条件下
では、なお耐食性、耐スラグ浸透性が不十分であること
が指摘されている。このアルミナ・スピネル質キャスタ
ブル耐火物の耐食性、耐スラグ浸透性の向上を目的とし
て、アルミナ原料とマグネシア原料とを配合したアルミ
ナ・マグネシア質キャスタブル耐火物が提案されてい
る。
では、なお耐食性、耐スラグ浸透性が不十分であること
が指摘されている。このアルミナ・スピネル質キャスタ
ブル耐火物の耐食性、耐スラグ浸透性の向上を目的とし
て、アルミナ原料とマグネシア原料とを配合したアルミ
ナ・マグネシア質キャスタブル耐火物が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このアルミナ
・マグネシア質のキャスタブル耐火物は、耐食性には優
れるものの、スピネル生成膨張や、熱膨張にともなう応
力の発生により、亀裂や剥離が発生して大きく損傷する
ことがある。
・マグネシア質のキャスタブル耐火物は、耐食性には優
れるものの、スピネル生成膨張や、熱膨張にともなう応
力の発生により、亀裂や剥離が発生して大きく損傷する
ことがある。
【0007】そのため、加熱、冷却における反応膨張、
熱膨張、収縮を抑制して発生応力を低減させ、施工体の
耐用性を向上することが可能なキャスタブル耐火物を開
発することが課題であった。
熱膨張、収縮を抑制して発生応力を低減させ、施工体の
耐用性を向上することが可能なキャスタブル耐火物を開
発することが課題であった。
【0008】周知のようにキャスタブル耐火物は、使用
中の加熱によって反応生成膨張や、熱膨張を発生し、施
工体内部に応力を発生する。繰り返し加熱冷却を行うこ
とにより、応力に耐えられず、内部に亀裂が発生する。
亀裂部分にはスラグや溶融金属が侵入し、剥離を発生さ
せる。このため、施工体の反応生成膨張、熱膨張を抑制
することによって、亀裂、剥離を抑制することを考え
た。
中の加熱によって反応生成膨張や、熱膨張を発生し、施
工体内部に応力を発生する。繰り返し加熱冷却を行うこ
とにより、応力に耐えられず、内部に亀裂が発生する。
亀裂部分にはスラグや溶融金属が侵入し、剥離を発生さ
せる。このため、施工体の反応生成膨張、熱膨張を抑制
することによって、亀裂、剥離を抑制することを考え
た。
【0009】上記課題を解決するために、発明者らは、
キャスタブル耐火物に一般的に使用されているアルミナ
セメントを除くことによって、焼結が抑制され、その結
果キャスタブル耐火物の耐スポーリング性が向上し、亀
裂や剥離が大幅に抑制されることを知った。
キャスタブル耐火物に一般的に使用されているアルミナ
セメントを除くことによって、焼結が抑制され、その結
果キャスタブル耐火物の耐スポーリング性が向上し、亀
裂や剥離が大幅に抑制されることを知った。
【0010】また、アルミナセメントの結合の代りに、
マグネシアとオキシカルボン酸の多価金属塩の反応によ
って自硬性が得られることを知った。しかし、マグネシ
アとオキシカルボン酸の多価金属塩の反応は、温度の影
響が大きく、10℃以下の低温では、極端に硬化が遅く
なるという問題があった。
マグネシアとオキシカルボン酸の多価金属塩の反応によ
って自硬性が得られることを知った。しかし、マグネシ
アとオキシカルボン酸の多価金属塩の反応は、温度の影
響が大きく、10℃以下の低温では、極端に硬化が遅く
なるという問題があった。
【0011】発明者らは、これらの知見に基づいてさら
に実験、検討を行い、バインダーとしてアルミナセメン
トを使用せず、マグネシアとオキシカルボン酸の反応に
より硬化させるキャスタブル耐火物に、硫酸塩または燐
酸塩を添加することによって、低温時の硬化時間を短縮
し、かつキャスタブル耐火物の流動性を向上できること
が分かり、この発明を完成した。
に実験、検討を行い、バインダーとしてアルミナセメン
トを使用せず、マグネシアとオキシカルボン酸の反応に
より硬化させるキャスタブル耐火物に、硫酸塩または燐
酸塩を添加することによって、低温時の硬化時間を短縮
し、かつキャスタブル耐火物の流動性を向上できること
が分かり、この発明を完成した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、Al
2 O3 とMgOを主要構成成分とし、CaO含有量が
0.5重量%未満である組成物に対し、オキシカルボン
酸の多価金属塩を固形物換算で外掛け0.05〜5重量
%と硫酸塩または燐酸塩を固形物換算で外掛け0.05
〜5重量%添加したことを特徴とするキャスタブル耐火
物を提供するにある。
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、Al
2 O3 とMgOを主要構成成分とし、CaO含有量が
0.5重量%未満である組成物に対し、オキシカルボン
酸の多価金属塩を固形物換算で外掛け0.05〜5重量
%と硫酸塩または燐酸塩を固形物換算で外掛け0.05
〜5重量%添加したことを特徴とするキャスタブル耐火
物を提供するにある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の主要構成成分のキャスタ
ブル耐火物として、Al2 O3 、MgOを挙げたが、こ
れらの成分を含む原料としては、焼結アルミナ、電融ア
ルミナ、仮焼アルミナ、水硬性アルミナ、海水マグネシ
ア、電融マグネシア、天然マグネシア、焼結スピネル、
電融スピネルなどが挙げられる。
ブル耐火物として、Al2 O3 、MgOを挙げたが、こ
れらの成分を含む原料としては、焼結アルミナ、電融ア
ルミナ、仮焼アルミナ、水硬性アルミナ、海水マグネシ
ア、電融マグネシア、天然マグネシア、焼結スピネル、
電融スピネルなどが挙げられる。
【0014】これらの原料の組み合わせは、特に限定さ
れず、Al2 O3 とMgOの比率は従来公知のとおりの
種々の組み合わせが可能である。例えば、アルミナを主
体に使用し、微粉にスピネルを使用したり、またアルミ
ナを主体に使用し、微粉にマグネシアを使用する、また
アルミナ、マグネシア、スピネルのそれぞれを混合使用
することなどができる。
れず、Al2 O3 とMgOの比率は従来公知のとおりの
種々の組み合わせが可能である。例えば、アルミナを主
体に使用し、微粉にスピネルを使用したり、またアルミ
ナを主体に使用し、微粉にマグネシアを使用する、また
アルミナ、マグネシア、スピネルのそれぞれを混合使用
することなどができる。
【0015】そして、CaOは、0.5重量%未満が好
ましい。CaOは、アルミナセメントの構成成分であ
り、従来から一般的に使用されてきたが、本発明ではア
ルミナセメントを極少量にすることによって耐熱スポー
リング性を向上させた。
ましい。CaOは、アルミナセメントの構成成分であ
り、従来から一般的に使用されてきたが、本発明ではア
ルミナセメントを極少量にすることによって耐熱スポー
リング性を向上させた。
【0016】アルミナセメント量は、3重量%未満、好
ましくは全く使用しない方が良い。アルミナセメント量
が3重量%を超えると、従来と同じように焼結過多とな
り、耐スポーリング性が低下して、亀裂、剥離が発生し
て好ましくない。
ましくは全く使用しない方が良い。アルミナセメント量
が3重量%を超えると、従来と同じように焼結過多とな
り、耐スポーリング性が低下して、亀裂、剥離が発生し
て好ましくない。
【0017】また、CaOが0.5重量%未満で、Si
O2 が0.5重量%未満であることが好ましい。SiO
2 は、シリカフラワーなどで従来から一般的に使用され
てきた。それは、焼結促進による熱膨張の制御や、マグ
ネシアの消化(水和して粉化すること)を抑制すること
が主たる目的であるが、焼結過多による亀裂が発生する
ことがある。
O2 が0.5重量%未満であることが好ましい。SiO
2 は、シリカフラワーなどで従来から一般的に使用され
てきた。それは、焼結促進による熱膨張の制御や、マグ
ネシアの消化(水和して粉化すること)を抑制すること
が主たる目的であるが、焼結過多による亀裂が発生する
ことがある。
【0018】シリカ原料は、キャスタブル耐火物全体に
占めるSiO2 として0.5重量%未満にしなければな
らず、好ましくは全く使用しない方が良い。SiO2 が
0.5重量%を超えると、焼結過多となり、耐スポーリ
ング性が低下して、亀裂、剥離が発生して好ましくな
い。また、その他の原料に含まれるSiO2 も極力少な
くするべきで、例えばマグネシアの純度は95重量%以
上、好ましくは99重量%以上にするのが良い。
占めるSiO2 として0.5重量%未満にしなければな
らず、好ましくは全く使用しない方が良い。SiO2 が
0.5重量%を超えると、焼結過多となり、耐スポーリ
ング性が低下して、亀裂、剥離が発生して好ましくな
い。また、その他の原料に含まれるSiO2 も極力少な
くするべきで、例えばマグネシアの純度は95重量%以
上、好ましくは99重量%以上にするのが良い。
【0019】アルミナ原料としては、焼結品、電融品な
どにかかわらず使用できるが、アルミナ原料中のAl2
O3 含有量は95重量%以上、好ましくは98重量%以
上あることが必要である。Al2 O3 含有量が95重量
%未満では、不純物の影響により高温で液相を生成して
焼結過多になり、亀裂が発生するとともに耐食性も低下
する。
どにかかわらず使用できるが、アルミナ原料中のAl2
O3 含有量は95重量%以上、好ましくは98重量%以
上あることが必要である。Al2 O3 含有量が95重量
%未満では、不純物の影響により高温で液相を生成して
焼結過多になり、亀裂が発生するとともに耐食性も低下
する。
【0020】なお、アルミナ原料として、流動性の向上
を目的として、仮焼アルミナや水硬性アルミナなどのア
ルミナ超微粉原料を使用することも可能である。
を目的として、仮焼アルミナや水硬性アルミナなどのア
ルミナ超微粉原料を使用することも可能である。
【0021】オキシカルボン酸とは、一分子中にカルボ
キシル基(−COOH)とアルコール性水酸基(−O
H)とをもつ有機化合物の総称であり、例えば乳酸、酒
石酸、クエン酸、グリコール酸などを挙げることができ
る。これらの多価金属(例えばAl)塩の化合物は、現
在日本国内では多木化学株式会社からタキセラムの商品
名で製造、販売されている。
キシル基(−COOH)とアルコール性水酸基(−O
H)とをもつ有機化合物の総称であり、例えば乳酸、酒
石酸、クエン酸、グリコール酸などを挙げることができ
る。これらの多価金属(例えばAl)塩の化合物は、現
在日本国内では多木化学株式会社からタキセラムの商品
名で製造、販売されている。
【0022】本発明では、このオキシカルボン酸の多価
金属塩とMgOの反応により、自硬性を持たせることに
より、アルミナセメントを使用しなくてもキャスタブル
として硬化させることが可能になった。また、このオキ
シカルボン酸の多価金属塩は、先に述べたマグネシアの
消化を抑制する機能も併せ持っている。このため、従来
から使用されてきたシリカフラワーなどを使用しなくて
も、消化の問題がなくなる。
金属塩とMgOの反応により、自硬性を持たせることに
より、アルミナセメントを使用しなくてもキャスタブル
として硬化させることが可能になった。また、このオキ
シカルボン酸の多価金属塩は、先に述べたマグネシアの
消化を抑制する機能も併せ持っている。このため、従来
から使用されてきたシリカフラワーなどを使用しなくて
も、消化の問題がなくなる。
【0023】オキシカルボン酸の多価金属塩の添加量
は、キャスタブル組成物に対し固形物換算で外掛け0.
05〜5重量%が好ましい。0.05重量%未満では、
自硬性が得られず、強度が弱くなり好ましくない。5重
量%を超えると、混練物の粘性が増加して混練が困難に
なるとともに、焼成後気孔率が増大し、耐食性が低下す
るため好ましくない。
は、キャスタブル組成物に対し固形物換算で外掛け0.
05〜5重量%が好ましい。0.05重量%未満では、
自硬性が得られず、強度が弱くなり好ましくない。5重
量%を超えると、混練物の粘性が増加して混練が困難に
なるとともに、焼成後気孔率が増大し、耐食性が低下す
るため好ましくない。
【0024】硫酸塩または燐酸塩は、具体的には、硫酸
アルミニウム、硫酸マグネシウム、燐酸ソーダ、燐酸カ
リ、燐酸アルミニウム、燐酸マグネシウム等を挙げるこ
とができる。凝集作用により自硬性を持つため、従来よ
り耐火物のバインダーとして一般的に使用されている。
硫酸塩または燐酸塩はこの凝集作用のため、良好な流動
性を得ることができず、キャスタブル用バインダーとし
て使用するためには適当な分散剤を添加する必要があっ
た。
アルミニウム、硫酸マグネシウム、燐酸ソーダ、燐酸カ
リ、燐酸アルミニウム、燐酸マグネシウム等を挙げるこ
とができる。凝集作用により自硬性を持つため、従来よ
り耐火物のバインダーとして一般的に使用されている。
硫酸塩または燐酸塩はこの凝集作用のため、良好な流動
性を得ることができず、キャスタブル用バインダーとし
て使用するためには適当な分散剤を添加する必要があっ
た。
【0025】ところが、硫酸塩または燐酸塩をオキシカ
ルボン酸の多価金属塩と併用してアルミナマグネシアキ
ャスタブル用バインダーとすることにより、硫酸塩また
は燐酸塩単独、もしくはオキシカルボン酸の多価金属塩
単独で用いた場合より優れた流動性を得ることができ、
かつ硬化時間を速くすることができる。そのため、オキ
シカルボン酸の多価金属塩とマグネシアの反応の欠点で
ある10℃以下の低温での硬化の遅れを解決することが
でき、さらに施工に望ましい流動性を得ることができ
る。
ルボン酸の多価金属塩と併用してアルミナマグネシアキ
ャスタブル用バインダーとすることにより、硫酸塩また
は燐酸塩単独、もしくはオキシカルボン酸の多価金属塩
単独で用いた場合より優れた流動性を得ることができ、
かつ硬化時間を速くすることができる。そのため、オキ
シカルボン酸の多価金属塩とマグネシアの反応の欠点で
ある10℃以下の低温での硬化の遅れを解決することが
でき、さらに施工に望ましい流動性を得ることができ
る。
【0026】硫酸塩または燐酸塩の添加量は、キャスタ
ブル組成物に対し固形物換算で外掛け0.05〜5重量
%が好ましい。0.05重量%未満では、硬化時間の短
縮および流動性向上の効果が得られないので好ましくな
い。5重量%を超えると、キャスタブルの施工作業に必
要な可使時間が得られず、また気孔率の増大によりスラ
グ浸透が増大し、耐用性が低下して好ましくない。
ブル組成物に対し固形物換算で外掛け0.05〜5重量
%が好ましい。0.05重量%未満では、硬化時間の短
縮および流動性向上の効果が得られないので好ましくな
い。5重量%を超えると、キャスタブルの施工作業に必
要な可使時間が得られず、また気孔率の増大によりスラ
グ浸透が増大し、耐用性が低下して好ましくない。
【0027】なお、本発明のキャスタブル耐火物の組成
物には、その特性を低下させない範囲で、最大粒子径6
0mm程度の粗大粒を添加することもでき、その特性を低
下させない範囲で従来公知の結合材、分散剤等の使用も
可能である。
物には、その特性を低下させない範囲で、最大粒子径6
0mm程度の粗大粒を添加することもでき、その特性を低
下させない範囲で従来公知の結合材、分散剤等の使用も
可能である。
【0028】本発明のキャスタブル耐火物は、水などの
液体とともに混練して所定の型枠に流し込み、硬化後脱
枠することにより成形体を得ることができ、特にキャス
タブル耐火物の組成物および/または添加水(液)を1
0℃〜40℃等に加温しなくても、混練、流し込み施工
することができて好ましいものである。
液体とともに混練して所定の型枠に流し込み、硬化後脱
枠することにより成形体を得ることができ、特にキャス
タブル耐火物の組成物および/または添加水(液)を1
0℃〜40℃等に加温しなくても、混練、流し込み施工
することができて好ましいものである。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに示し
て、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。A
l2 O3 源としては、Al2 O3 含有量99重量%以上
の焼結アルミナおよび仮焼アルミナを使用した。MgO
源としては、MgO含有量99重量%以上の海水マグネ
シアを使用した。他のMgO源として、さらにAl2 O
3 +MgOの合量が99重量%以上の焼結スピネルを使
用した。
て、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。A
l2 O3 源としては、Al2 O3 含有量99重量%以上
の焼結アルミナおよび仮焼アルミナを使用した。MgO
源としては、MgO含有量99重量%以上の海水マグネ
シアを使用した。他のMgO源として、さらにAl2 O
3 +MgOの合量が99重量%以上の焼結スピネルを使
用した。
【0030】オキシカルボン酸の多価金属塩としては、
多木化学株式会社製のグリコール酸乳酸アルミニウム
(商品名タキセラムAS−100)を使用した。硫酸塩
または燐酸塩としては、Al2 O3 17重量%相当量の
硫酸アルミニウム、第一燐酸アルミニウムを使用した。
比較例に使用したシリカフラワーとしては、エルケム社
製ミクロシリカ971Dを使用した。アルミナセメント
としては、電気化学工業株式会社製デンカハイアルミナ
セメントスーパーS−2を使用した。
多木化学株式会社製のグリコール酸乳酸アルミニウム
(商品名タキセラムAS−100)を使用した。硫酸塩
または燐酸塩としては、Al2 O3 17重量%相当量の
硫酸アルミニウム、第一燐酸アルミニウムを使用した。
比較例に使用したシリカフラワーとしては、エルケム社
製ミクロシリカ971Dを使用した。アルミナセメント
としては、電気化学工業株式会社製デンカハイアルミナ
セメントスーパーS−2を使用した。
【0031】そして、表1に示すような割合になるよう
にして流し込み不定形耐火物を配合した。配合物は、水
で混練して型枠に流し込み試料を作成した。
にして流し込み不定形耐火物を配合した。配合物は、水
で混練して型枠に流し込み試料を作成した。
【0032】表1 比 較 表 1
【表1】
【0033】実施例1、2、4は、本発明内でグリコー
ル酸乳酸アルミニウムの添加量を変化させたものであ
る。実施例3〜5は、本発明内で硫酸アルミニウムの添
加量を変化させたものである。実施例6〜8は、本発明
内で第一燐酸アルミニウムの使用量を変化させたもので
ある。
ル酸乳酸アルミニウムの添加量を変化させたものであ
る。実施例3〜5は、本発明内で硫酸アルミニウムの添
加量を変化させたものである。実施例6〜8は、本発明
内で第一燐酸アルミニウムの使用量を変化させたもので
ある。
【0034】比較例1〜5は、本発明を超えて、グリコ
ール酸乳酸アルミニウムの添加量を変化させたものであ
る。比較例6〜8は、本発明を超えてSiO2 、CaO
含有量を変化させたものである。比較例9〜12は、本
発明を超えて硫酸アルミニウムおよび第一燐酸アルミニ
ウムの添加量を変化させたものである。
ール酸乳酸アルミニウムの添加量を変化させたものであ
る。比較例6〜8は、本発明を超えてSiO2 、CaO
含有量を変化させたものである。比較例9〜12は、本
発明を超えて硫酸アルミニウムおよび第一燐酸アルミニ
ウムの添加量を変化させたものである。
【0035】作成した試料について、JIS R255
5−1981に準じて熱間線膨張率を測定した。また、
JIS R2554−1976に準じて焼成後の線変化
率を測定した。また、JIS R2657−1995に
準じて急熱−急冷によるスポーリング試験を行った。試
料表面の1/2が剥落した時点の加熱−冷却のサイクル
数を測定した。その結果を表2に示す。
5−1981に準じて熱間線膨張率を測定した。また、
JIS R2554−1976に準じて焼成後の線変化
率を測定した。また、JIS R2657−1995に
準じて急熱−急冷によるスポーリング試験を行った。試
料表面の1/2が剥落した時点の加熱−冷却のサイクル
数を測定した。その結果を表2に示す。
【0036】表2 比 較 表 2
【表2】
【0037】また、作成した配合について、混練水量を
外掛け6.5重量%で一定とし作業性の試験を行った。
硬化時間は脱枠可能な時間をもってし、流動性は混練直
後に、上径70mm、下径100mm、高さ60mmのコーン
型にキャスタブルを充填し、脱枠30秒後の広がりをも
って行った。
外掛け6.5重量%で一定とし作業性の試験を行った。
硬化時間は脱枠可能な時間をもってし、流動性は混練直
後に、上径70mm、下径100mm、高さ60mmのコーン
型にキャスタブルを充填し、脱枠30秒後の広がりをも
って行った。
【0038】上表より本発明のキャスタブル耐火物は、
熱間線膨張率が小さく、また焼成後の線変化率が小さい
ことが判る。さらに、スポーリングに至る回数も、従来
のキャスタブル耐火物に比べてはるかに多くなっている
ことが明らかである。また、本発明のキャスタブル耐火
物は、良好な流動性と適度な硬化時間を有している。
熱間線膨張率が小さく、また焼成後の線変化率が小さい
ことが判る。さらに、スポーリングに至る回数も、従来
のキャスタブル耐火物に比べてはるかに多くなっている
ことが明らかである。また、本発明のキャスタブル耐火
物は、良好な流動性と適度な硬化時間を有している。
【0039】なお、本発明のキャスタブル耐火物は、上
記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範
囲内において種々の応用、変形を加えることが可能であ
る。
記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範
囲内において種々の応用、変形を加えることが可能であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明にあっては、オキシ
カルボン酸の多価金属塩によってMgOの反応で自硬性
をもたせられ、またマグネシアの消化抑制がはかれて、
従来のアルミナ・スピネルやアルミナ・マグネシアキャ
スタブルを用いた場合よりも亀裂剥離が少なく、耐用性
を向上させることができ、施工体の耐用回数を増大さ
せ、耐火物原単位、原単価の低減に寄与することができ
る。
カルボン酸の多価金属塩によってMgOの反応で自硬性
をもたせられ、またマグネシアの消化抑制がはかれて、
従来のアルミナ・スピネルやアルミナ・マグネシアキャ
スタブルを用いた場合よりも亀裂剥離が少なく、耐用性
を向上させることができ、施工体の耐用回数を増大さ
せ、耐火物原単位、原単価の低減に寄与することができ
る。
【0041】そして、オキシカルボン酸の多価金属塩を
固形物換算で外掛け0.05〜5重量%と硫酸塩または
燐酸塩を固形物換算で外掛け0.05〜5重量%添加す
ることによって、硫酸塩または燐酸塩単独、もしくはオ
キシカルボン酸の多価金属塩単独で用いた場合より優れ
た流動性を得ることができ、かつ硬化時間を速くするこ
とができる。そのため、オキシカルボン酸の多価金属塩
とマグネシアの反応の欠点である10℃以下の低温での
硬化の遅れを解決することができ、さらに、施工に望ま
しい流動性を得ることができる。
固形物換算で外掛け0.05〜5重量%と硫酸塩または
燐酸塩を固形物換算で外掛け0.05〜5重量%添加す
ることによって、硫酸塩または燐酸塩単独、もしくはオ
キシカルボン酸の多価金属塩単独で用いた場合より優れ
た流動性を得ることができ、かつ硬化時間を速くするこ
とができる。そのため、オキシカルボン酸の多価金属塩
とマグネシアの反応の欠点である10℃以下の低温での
硬化の遅れを解決することができ、さらに、施工に望ま
しい流動性を得ることができる。
【0042】さらに、Al2 O3 とMgOを主要構成成
分とし、CaO含有量が0.5重量%未満で、かつSi
O2 含有量が0.5重量%未満である組成物とすること
によって、焼結過度による亀裂の発生を抑制できて、亀
裂剥離が少なく、耐用性を向上させることができる。
分とし、CaO含有量が0.5重量%未満で、かつSi
O2 含有量が0.5重量%未満である組成物とすること
によって、焼結過度による亀裂の発生を抑制できて、亀
裂剥離が少なく、耐用性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C21C 7/00 C21C 7/00 Q F27D 1/00 F27D 1/00 N
Claims (2)
- 【請求項1】 Al2 O3 とMgOを主要構成成分と
し、CaO含有量が0.5重量%未満である組成物に対
し、オキシカルボン酸の多価金属塩を固形物換算で外掛
け0.05〜5重量%と、硫酸塩または燐酸塩を固形物
換算で外掛け0.05〜5重量%添加したことを特徴と
するキャスタブル耐火物。 - 【請求項2】 Al2 O3 とMgOを主要構成成分と
し、CaO含有量が0.5重量%未満で、かつSiO2
含有量が0.5重量%未満の組成物とした請求項1に記
載のキャスタブル耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10064417A JPH11240773A (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | キャスタブル耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10064417A JPH11240773A (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | キャスタブル耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11240773A true JPH11240773A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=13257696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10064417A Pending JPH11240773A (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | キャスタブル耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11240773A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005008496A (ja) * | 2003-06-20 | 2005-01-13 | Nippon Steel Corp | 不定形耐火物 |
JP2017095317A (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-01 | 東京窯業株式会社 | 不焼成炭化珪素含有ハイアルミナ質れんが |
CN108025985A (zh) * | 2015-09-29 | 2018-05-11 | 新日铁住金株式会社 | 不定形耐火物 |
JP2020050572A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 日本製鉄株式会社 | キャスタブル耐火物 |
-
1998
- 1998-02-27 JP JP10064417A patent/JPH11240773A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005008496A (ja) * | 2003-06-20 | 2005-01-13 | Nippon Steel Corp | 不定形耐火物 |
CN108025985A (zh) * | 2015-09-29 | 2018-05-11 | 新日铁住金株式会社 | 不定形耐火物 |
US10414695B2 (en) | 2015-09-29 | 2019-09-17 | Nippon Steel Corporation | Monolithic refractory |
CN108025985B (zh) * | 2015-09-29 | 2020-09-15 | 日本制铁株式会社 | 不定形耐火物 |
JP2017095317A (ja) * | 2015-11-26 | 2017-06-01 | 東京窯業株式会社 | 不焼成炭化珪素含有ハイアルミナ質れんが |
JP2020050572A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 日本製鉄株式会社 | キャスタブル耐火物 |
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