JPH11239772A - 廃棄物処理剤および廃棄物処理方法 - Google Patents
廃棄物処理剤および廃棄物処理方法Info
- Publication number
- JPH11239772A JPH11239772A JP10042307A JP4230798A JPH11239772A JP H11239772 A JPH11239772 A JP H11239772A JP 10042307 A JP10042307 A JP 10042307A JP 4230798 A JP4230798 A JP 4230798A JP H11239772 A JPH11239772 A JP H11239772A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waste
- compound
- antimony
- agent according
- treating agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】廃棄物中に含まれる有害重金属の溶出を抑制す
ることができ、しかも処理時の有害ガスの発生が少な
く、長期間重金属を安定化させる廃棄物処理剤および処
理方法を提供する。 【解決手段】アンチモン化合物を主成分とする廃棄物処
理剤を、必要に応じて水と混合してから重金属を含む廃
棄物に添加し、更に、必要に応じて水を加えて混合また
は混練する。 【効果】廃棄物中に含有されるPbをはじめ有害重金属
を安定化することができ、特に、ごみ焼却炉から排出さ
れる焼却飛灰からのPb溶出を効果的に抑制することが
できる。
ることができ、しかも処理時の有害ガスの発生が少な
く、長期間重金属を安定化させる廃棄物処理剤および処
理方法を提供する。 【解決手段】アンチモン化合物を主成分とする廃棄物処
理剤を、必要に応じて水と混合してから重金属を含む廃
棄物に添加し、更に、必要に応じて水を加えて混合また
は混練する。 【効果】廃棄物中に含有されるPbをはじめ有害重金属
を安定化することができ、特に、ごみ焼却炉から排出さ
れる焼却飛灰からのPb溶出を効果的に抑制することが
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物中の有害重
金属(鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケル、
亜鉛)等を安定化するに有効な廃棄物処理方法に関する
ものであり、特に、長期にわたる廃棄物中の有害金属の
安定化や、有害ガスの発生の抑制が可能な廃棄物処理方
法を提供するものである。
金属(鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、ニッケル、
亜鉛)等を安定化するに有効な廃棄物処理方法に関する
ものであり、特に、長期にわたる廃棄物中の有害金属の
安定化や、有害ガスの発生の抑制が可能な廃棄物処理方
法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、有害重金属等を含む廃棄物を処分
する際には、セメントが処理剤として用いられ、セメン
トと廃棄物を混合し、水を加えて混練した後、養生固化
し、有害重金属等の溶出を防ぎ安定化する方法が用いら
れている。しかしながら、このように単にセメントで固
化する従来の産業廃棄物の処理方法には種々の問題があ
り、用途を限定しなければ2次公害が発生する恐れがあ
る。特にゴミ焼却の際、電気集塵器やバグフィルターで
捕捉された廃棄物焼却飛灰には、鉛(Pb)等の有害重
金属が高濃度に含まれているにも関わらず、従来技術で
あるセメント処理では充分に溶出を防止できないため、
現在では有害重金属等の安定化が不充分なまま埋立処理
されており、処理後の2次公害の問題が噴出している。
する際には、セメントが処理剤として用いられ、セメン
トと廃棄物を混合し、水を加えて混練した後、養生固化
し、有害重金属等の溶出を防ぎ安定化する方法が用いら
れている。しかしながら、このように単にセメントで固
化する従来の産業廃棄物の処理方法には種々の問題があ
り、用途を限定しなければ2次公害が発生する恐れがあ
る。特にゴミ焼却の際、電気集塵器やバグフィルターで
捕捉された廃棄物焼却飛灰には、鉛(Pb)等の有害重
金属が高濃度に含まれているにも関わらず、従来技術で
あるセメント処理では充分に溶出を防止できないため、
現在では有害重金属等の安定化が不充分なまま埋立処理
されており、処理後の2次公害の問題が噴出している。
【0003】そこで、この問題を解決すべく、例えば、
特開昭55−1830、特開昭59−73091、特開
平4−267982、特開平5−50055、特開平7
−284748、特開平8−66671などにジチオカ
ルバミン酸系化合物といったキレート形成剤や硫化ソー
ダ、水硫化ソーダといった可溶性硫化物を使用すること
によって重金属を安定化する技術が開示されている。
特開昭55−1830、特開昭59−73091、特開
平4−267982、特開平5−50055、特開平7
−284748、特開平8−66671などにジチオカ
ルバミン酸系化合物といったキレート形成剤や硫化ソー
ダ、水硫化ソーダといった可溶性硫化物を使用すること
によって重金属を安定化する技術が開示されている。
【0004】しかしながら、上記安定化方法では、廃棄
物と混合処理後、すぐには重金属を安定化処理できてい
るものの、放置時間が増えるにつれて徐々に重金属を遊
離し、数カ月後には安定化処理していないのと同程度の
重金属の溶出がみられるようになる。これは、陸上埋立
処分場あるいは海洋投棄処分場において、重金属安定化
処理をしているにもかかわらず、数カ月たてば重金属が
溶出してしまう可能性があることを意味している。さら
には上記安定化方法は、廃棄物との処理時に人体の健康
に悪影響を及ぼす硫化水素ガスや二硫化炭素ガスを発
し、作業環境を悪化させる問題があり、有害重金属処理
剤として普及していないのが実状である。
物と混合処理後、すぐには重金属を安定化処理できてい
るものの、放置時間が増えるにつれて徐々に重金属を遊
離し、数カ月後には安定化処理していないのと同程度の
重金属の溶出がみられるようになる。これは、陸上埋立
処分場あるいは海洋投棄処分場において、重金属安定化
処理をしているにもかかわらず、数カ月たてば重金属が
溶出してしまう可能性があることを意味している。さら
には上記安定化方法は、廃棄物との処理時に人体の健康
に悪影響を及ぼす硫化水素ガスや二硫化炭素ガスを発
し、作業環境を悪化させる問題があり、有害重金属処理
剤として普及していないのが実状である。
【0005】このようなことから、有害重金属等が陸上
埋立処分時あるいは海洋投棄処分時においても確実に封
入されて2次公害が発生せず、かつ廃棄物処理時の作業
環境を悪化させない、安全で安価な廃棄物の処理方法が
望まれていた。
埋立処分時あるいは海洋投棄処分時においても確実に封
入されて2次公害が発生せず、かつ廃棄物処理時の作業
環境を悪化させない、安全で安価な廃棄物の処理方法が
望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
廃棄物処理の現状に鑑み、廃棄物中の種々の有害重金属
を確実に固化封入し、有害重金属等が再溶出しないよう
に安定化することが可能であり、かつ作業環境を悪化さ
せない、安全で安価な廃棄物処理方法を提供することを
目的とするものである。
廃棄物処理の現状に鑑み、廃棄物中の種々の有害重金属
を確実に固化封入し、有害重金属等が再溶出しないよう
に安定化することが可能であり、かつ作業環境を悪化さ
せない、安全で安価な廃棄物処理方法を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術における問題点を解決すべく鋭意検討した結果、
アンチモン化合物を用いる廃棄物処理方法が、優れた重
金属安定化性能を有し、かつこの安定化性能が長期にわ
たって持続するとともに、有害ガスの発生がないことを
見出し、本発明を完成させたものである。
来技術における問題点を解決すべく鋭意検討した結果、
アンチモン化合物を用いる廃棄物処理方法が、優れた重
金属安定化性能を有し、かつこの安定化性能が長期にわ
たって持続するとともに、有害ガスの発生がないことを
見出し、本発明を完成させたものである。
【0008】すなわち本発明は、下記を内容とするもの
である。 (1)アンチモン化合物を主成分とする廃棄物処理剤
(請求項1)。 (2)固体酸、アルミニウム化合物、固化剤、および硫
黄化合物から選択される少なくとも1種とアンチモン化
合物からなる廃棄物処理剤。(請求項2)。 (3)アンチモン化合物を主成分とする廃棄物処理剤を
粉体状で、又は、水で混合し液状で、重金属を含む廃棄
物に添加し、更に水を加えて混合または混練することを
特徴とする廃棄物処理方法。(請求項15) (4)固体酸、アルミニウム化合物、固化剤、および硫
黄化合物から選択される少なくとも1種とアンチモン化
合物からなる廃棄物処理剤を粉体状で、又は、水で混合
し液状で、重金属を含む廃棄物に添加し、更に水を加え
て混合または混練することを特徴とする廃棄物処理方
法。(請求項16) 以下、具体的に本発明について説明する。
である。 (1)アンチモン化合物を主成分とする廃棄物処理剤
(請求項1)。 (2)固体酸、アルミニウム化合物、固化剤、および硫
黄化合物から選択される少なくとも1種とアンチモン化
合物からなる廃棄物処理剤。(請求項2)。 (3)アンチモン化合物を主成分とする廃棄物処理剤を
粉体状で、又は、水で混合し液状で、重金属を含む廃棄
物に添加し、更に水を加えて混合または混練することを
特徴とする廃棄物処理方法。(請求項15) (4)固体酸、アルミニウム化合物、固化剤、および硫
黄化合物から選択される少なくとも1種とアンチモン化
合物からなる廃棄物処理剤を粉体状で、又は、水で混合
し液状で、重金属を含む廃棄物に添加し、更に水を加え
て混合または混練することを特徴とする廃棄物処理方
法。(請求項16) 以下、具体的に本発明について説明する。
【0009】本発明の作用機構は、残念ながら明らかと
なっていないが、次のように推定できる。すなわち、廃
棄物中の重金属または重金属イオンが、アンチモン化合
物を主成分とする廃棄物処理剤に含まれるアンチモン化
合物と、M-Sb-X(Mは重金属、XはS、O、ハロゲ
ン等、以下同様)からなる不溶化物となる。例えば、処
理剤中のSb2S3が廃棄物中のPbと反応し、Pb
3(SbS3)2のような物質となって安定化していると
考えられる。このようなM-Sb-X化合物は、比較的鉱
物に近い組成であることから長期的にも安定であり、か
つアンチモン自体も重金属Mとともに安定化されること
から溶出し難い。さらに、上記例のような硫黄Sが含ま
れるような場合においても、Sが遊離しないから、廃棄
物処理時に有毒な硫化水素ガスや二硫化炭素ガスを発生
させない。
なっていないが、次のように推定できる。すなわち、廃
棄物中の重金属または重金属イオンが、アンチモン化合
物を主成分とする廃棄物処理剤に含まれるアンチモン化
合物と、M-Sb-X(Mは重金属、XはS、O、ハロゲ
ン等、以下同様)からなる不溶化物となる。例えば、処
理剤中のSb2S3が廃棄物中のPbと反応し、Pb
3(SbS3)2のような物質となって安定化していると
考えられる。このようなM-Sb-X化合物は、比較的鉱
物に近い組成であることから長期的にも安定であり、か
つアンチモン自体も重金属Mとともに安定化されること
から溶出し難い。さらに、上記例のような硫黄Sが含ま
れるような場合においても、Sが遊離しないから、廃棄
物処理時に有毒な硫化水素ガスや二硫化炭素ガスを発生
させない。
【0010】アンチモン化合物の添加量としては、廃棄
物として例えば都市ゴミ焼却飛灰100重量部に対し、
通常1.0〜30重量部であり、好ましくは2.0〜2
0重量部使用される。本発明のアンチモン化合物は、単
独で使用することができるが、下記の廃棄物処理剤と併
用することにより、重金属溶出防止性能等に優れた効果
を発揮し、添加量の低減化等が可能となる。
物として例えば都市ゴミ焼却飛灰100重量部に対し、
通常1.0〜30重量部であり、好ましくは2.0〜2
0重量部使用される。本発明のアンチモン化合物は、単
独で使用することができるが、下記の廃棄物処理剤と併
用することにより、重金属溶出防止性能等に優れた効果
を発揮し、添加量の低減化等が可能となる。
【0011】セメント、固体酸、アルミニウム化合物、
水ガラス、水あるいはアルカリ水溶液に可溶性の硫黄化
合物、硫黄化合物のアルカリ水溶液、ジチオカルバミン
酸系化合物は、それぞれ単独で使用してもある程度の重
金属溶出防止性能を有するが、本発明のごとくアンチモ
ン化合物と併用し、廃棄物処理剤として用いた場合に
は、次のような特徴が現れる。
水ガラス、水あるいはアルカリ水溶液に可溶性の硫黄化
合物、硫黄化合物のアルカリ水溶液、ジチオカルバミン
酸系化合物は、それぞれ単独で使用してもある程度の重
金属溶出防止性能を有するが、本発明のごとくアンチモ
ン化合物と併用し、廃棄物処理剤として用いた場合に
は、次のような特徴が現れる。
【0012】すなわち、セメント、固体酸、アルミニウ
ム化合物、水ガラスは、単独では廃棄物100重量部に
対し、おおむね15〜25重量部程度以上の量を添加し
なければ重金属を完全に溶出できない場合がある。これ
に対し本発明におけるアンチモン化合物と併用した廃棄
物処理剤を用いた場合、概ね15重量部以下の添加量で
十分な重金属溶出防止性能を発揮し、添加量の低減化が
計れる。
ム化合物、水ガラスは、単独では廃棄物100重量部に
対し、おおむね15〜25重量部程度以上の量を添加し
なければ重金属を完全に溶出できない場合がある。これ
に対し本発明におけるアンチモン化合物と併用した廃棄
物処理剤を用いた場合、概ね15重量部以下の添加量で
十分な重金属溶出防止性能を発揮し、添加量の低減化が
計れる。
【0013】また、水またはアルカリ水溶液に可溶性の
硫黄化合物、硫黄化合物のアルカリ水溶液、ジチオカル
バミン酸系化合物から選択される硫黄化合物は、廃棄物
と混合処理後、すぐの時点では重金属を安定化処理でき
ているものの、放置時間(養生時間)が増えるにつれて
徐々に重金属を遊離し、数カ月後には安定化処理してい
ないのと同程度の重金属の溶出がみられるようになる場
合がある。
硫黄化合物、硫黄化合物のアルカリ水溶液、ジチオカル
バミン酸系化合物から選択される硫黄化合物は、廃棄物
と混合処理後、すぐの時点では重金属を安定化処理でき
ているものの、放置時間(養生時間)が増えるにつれて
徐々に重金属を遊離し、数カ月後には安定化処理してい
ないのと同程度の重金属の溶出がみられるようになる場
合がある。
【0014】しかし、本発明のようにアンチモン化合物
と併用した場合には、長期間放置しても重金属の溶出は
認められない。これは前述にあるとおり、アンチモンを
介するM-Sb-Xなる物質になって安定化しているため
と推定される。さらには、これら硫黄化合物の中には、
単独で処理剤として用いた場合に硫化水素ガスや二硫化
炭素ガスといった人体に悪影響を及ぼすガスを発生させ
る場合があることが知られているが、本発明のようにア
ンチモン化合物と併用した場合には、これらのガスの発
生が著しく低減されることに大きな特徴がある。この原
因については明らかではないが、アンチモン化合物が重
金属とともに、これら二硫化炭素や硫化水素と反応する
ことによって、硫化アンチモン系化合物、M-Sb-Sと
なることにより、ガスの発生量を低減させているのでは
ないかと考えている。
と併用した場合には、長期間放置しても重金属の溶出は
認められない。これは前述にあるとおり、アンチモンを
介するM-Sb-Xなる物質になって安定化しているため
と推定される。さらには、これら硫黄化合物の中には、
単独で処理剤として用いた場合に硫化水素ガスや二硫化
炭素ガスといった人体に悪影響を及ぼすガスを発生させ
る場合があることが知られているが、本発明のようにア
ンチモン化合物と併用した場合には、これらのガスの発
生が著しく低減されることに大きな特徴がある。この原
因については明らかではないが、アンチモン化合物が重
金属とともに、これら二硫化炭素や硫化水素と反応する
ことによって、硫化アンチモン系化合物、M-Sb-Sと
なることにより、ガスの発生量を低減させているのでは
ないかと考えている。
【0015】本発明で用いられるアンチモン化合物に特
に制限はなく、また、2つ以上のアンチモン化合物を併
用してもよい。具体的には、Sb2S3、Sb2S5、Z3
SbS4(ZはNH4、Na、K)に代表されるアンチモ
ンの硫化物、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5に代表され
るアンチモンの酸化物、SbCl3、SbCl5に代表さ
れるアンチモンの塩化物、アンチモンのリン酸塩、アン
チモンの硝酸塩、アンチモンの硫酸塩、アンチモン酸ナ
トリウム等が挙げられる。また、輝安鉱(Sb2S3)、
方安鉱(Sb2O3)、白安鉱(Sb2O4)、ベルチェ鉱
(FeS・Sb2S3)等の天然鉱物といったものも挙げ
られる。
に制限はなく、また、2つ以上のアンチモン化合物を併
用してもよい。具体的には、Sb2S3、Sb2S5、Z3
SbS4(ZはNH4、Na、K)に代表されるアンチモ
ンの硫化物、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5に代表され
るアンチモンの酸化物、SbCl3、SbCl5に代表さ
れるアンチモンの塩化物、アンチモンのリン酸塩、アン
チモンの硝酸塩、アンチモンの硫酸塩、アンチモン酸ナ
トリウム等が挙げられる。また、輝安鉱(Sb2S3)、
方安鉱(Sb2O3)、白安鉱(Sb2O4)、ベルチェ鉱
(FeS・Sb2S3)等の天然鉱物といったものも挙げ
られる。
【0016】これらの中でも、特に、Sb2S3、Sb2
S5、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5は最も好ましく、
廃棄物への少量の添加で重金属の溶出を防止することが
できる。本発明で固化剤として用いられるセメントは、
極一般に入手可能なものでよく、例えば、ポルトランド
セメント(普通、超早強、耐硫酸塩等)、混合セメント
(フライアッシュ、シリカ、高炉等)等の水硬性セメン
ト、石灰、石膏のような気硬性セメント、石灰混合セメ
ント等が挙げられるが、これらに制限されるものではな
く、処理の状況に応じて適宜選択して用いることがで
き、また、これらの複数の物質を併用して用いることも
できる。
S5、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5は最も好ましく、
廃棄物への少量の添加で重金属の溶出を防止することが
できる。本発明で固化剤として用いられるセメントは、
極一般に入手可能なものでよく、例えば、ポルトランド
セメント(普通、超早強、耐硫酸塩等)、混合セメント
(フライアッシュ、シリカ、高炉等)等の水硬性セメン
ト、石灰、石膏のような気硬性セメント、石灰混合セメ
ント等が挙げられるが、これらに制限されるものではな
く、処理の状況に応じて適宜選択して用いることがで
き、また、これらの複数の物質を併用して用いることも
できる。
【0017】同じく、本発明で固化剤として用いられる
水ガラスとしては、市販されている水ガラスを用いるこ
とができ、固形水ガラス、水溶液状水ガラスのいずれで
あっても構わない。また、2つ以上の水ガラスを併用さ
せることもできるが、工業的に入手しやすく、安価な、
Na20・nSiO2(n=2〜4)で示される珪酸ソー
ダを用いることが好ましい。具体的には、日本工業規格
で規定されている珪酸ソーダ1号、2号、3号およびメ
タ珪酸ソーダ等が挙げられる。
水ガラスとしては、市販されている水ガラスを用いるこ
とができ、固形水ガラス、水溶液状水ガラスのいずれで
あっても構わない。また、2つ以上の水ガラスを併用さ
せることもできるが、工業的に入手しやすく、安価な、
Na20・nSiO2(n=2〜4)で示される珪酸ソー
ダを用いることが好ましい。具体的には、日本工業規格
で規定されている珪酸ソーダ1号、2号、3号およびメ
タ珪酸ソーダ等が挙げられる。
【0018】本発明で用いられる固体酸に特に制限はな
く、また、2つ以上の固体酸を併用することもできる。
具体的には、二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート、
酸性白土、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイ
ト、陽イオン交換樹脂、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アル
ミニウム、リン酸アルミニウム、塩化カルシウム等とい
ったものが挙げられる。この中でも二酸化ケイ素および
アルミニウムシリケートが重金属を捕捉、吸着する上で
好ましく、さらには二酸化ケイ素およびアルミニウムシ
リケートの比表面積が200m2/g以上、1000m2
/g未満であることが最も好ましい。
く、また、2つ以上の固体酸を併用することもできる。
具体的には、二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート、
酸性白土、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイ
ト、陽イオン交換樹脂、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、
硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アル
ミニウム、リン酸アルミニウム、塩化カルシウム等とい
ったものが挙げられる。この中でも二酸化ケイ素および
アルミニウムシリケートが重金属を捕捉、吸着する上で
好ましく、さらには二酸化ケイ素およびアルミニウムシ
リケートの比表面積が200m2/g以上、1000m2
/g未満であることが最も好ましい。
【0019】本発明で用いられるアルミニウム化合物に
特に制限はなく、また、2つ以上のアルミニウム化合物
を併用することもできる。具体的には、水酸化アルミニ
ウム、アルミニウムシリケート、硫酸アルミニウム、リ
ン酸アルミニウム、硫化アルミニウム、酸化アルミニウ
ム、アルミン酸ナトリウム等が例示できる。これらは、
いずれも廃棄物と混合することにより、廃棄物のpHを
変化させ、重金属が最も溶出しにくいpHに添加量調整
することにより、重金属溶出防止性能を発揮すると考え
られる。このpH調整の役割を果たす上で好ましいの
は、水酸化アルミニウムであり、その中でも非晶質水酸
化アルミニウムが最も好ましい。この非晶質水酸化アル
ミニウムとは、X線回折でピークが観測されない水酸化
アルミニウムであり、成分の中に結晶質水酸化アルミニ
ウム、ニッケル、ホウ素などの不純物を含んでいても良
い。また、入手が比較的容易で安価という面ではアルミ
サッシ工場のアルミ加工過程で本来廃棄される水酸化ア
ルミニウムを濃縮回収したアルミスラッジが最適であ
る。
特に制限はなく、また、2つ以上のアルミニウム化合物
を併用することもできる。具体的には、水酸化アルミニ
ウム、アルミニウムシリケート、硫酸アルミニウム、リ
ン酸アルミニウム、硫化アルミニウム、酸化アルミニウ
ム、アルミン酸ナトリウム等が例示できる。これらは、
いずれも廃棄物と混合することにより、廃棄物のpHを
変化させ、重金属が最も溶出しにくいpHに添加量調整
することにより、重金属溶出防止性能を発揮すると考え
られる。このpH調整の役割を果たす上で好ましいの
は、水酸化アルミニウムであり、その中でも非晶質水酸
化アルミニウムが最も好ましい。この非晶質水酸化アル
ミニウムとは、X線回折でピークが観測されない水酸化
アルミニウムであり、成分の中に結晶質水酸化アルミニ
ウム、ニッケル、ホウ素などの不純物を含んでいても良
い。また、入手が比較的容易で安価という面ではアルミ
サッシ工場のアルミ加工過程で本来廃棄される水酸化ア
ルミニウムを濃縮回収したアルミスラッジが最適であ
る。
【0020】本発明で用いられる水あるいはアルカリ水
溶液に可溶性の硫黄化合物としては、Na2S、K2S、
NaHS、KHS、硫黄、多硫化ナトリウム、多硫化カ
ルシウム、チオ尿素等が挙げられ、これらに何ら制限さ
れるものではなく、2つ以上の物質を用いることもでき
る。この中でも、Na2S、NaHS、Na2S4 のよう
な多硫化ナトリウム、CaS4 のような多硫化カルシウ
ム、チオ尿素は工業的に入手が容易であるとともに、水
への溶解速度が速く、廃棄物と素早く均一化されて所望
の性能を発揮させる上で好ましい。
溶液に可溶性の硫黄化合物としては、Na2S、K2S、
NaHS、KHS、硫黄、多硫化ナトリウム、多硫化カ
ルシウム、チオ尿素等が挙げられ、これらに何ら制限さ
れるものではなく、2つ以上の物質を用いることもでき
る。この中でも、Na2S、NaHS、Na2S4 のよう
な多硫化ナトリウム、CaS4 のような多硫化カルシウ
ム、チオ尿素は工業的に入手が容易であるとともに、水
への溶解速度が速く、廃棄物と素早く均一化されて所望
の性能を発揮させる上で好ましい。
【0021】本発明で用いられる硫黄化合物のアルカリ
水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液に硫黄粉末を
溶解させた水溶液、水酸化カリウム水溶液に硫黄粉末を
溶解させた水溶液、炭酸ナトリウム水溶液に硫黄粉末を
溶解させた水溶液、炭酸カリウム水溶液に硫黄粉末を溶
解させた水溶液、水酸化ナトリウム水溶液に二硫化炭素
を溶解させた水溶液等が挙げられが、これらに何ら制限
されるものではなく、2つ以上の水溶液を併用して用い
ることもできる。
水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液に硫黄粉末を
溶解させた水溶液、水酸化カリウム水溶液に硫黄粉末を
溶解させた水溶液、炭酸ナトリウム水溶液に硫黄粉末を
溶解させた水溶液、炭酸カリウム水溶液に硫黄粉末を溶
解させた水溶液、水酸化ナトリウム水溶液に二硫化炭素
を溶解させた水溶液等が挙げられが、これらに何ら制限
されるものではなく、2つ以上の水溶液を併用して用い
ることもできる。
【0022】この中でも水酸化ナトリウム水溶液に硫黄
粉末を溶解させた水溶液は、原料の工業的入手が容易で
あるとともに、硫黄の水酸化ナトリウム水溶液への溶解
速度が速いことから容易に製造できることから好まし
い。なお、本発明で用いるこれらの水溶液は、未溶解分
が残っている場合であっても何ら差し支えがないことを
付記しておく。
粉末を溶解させた水溶液は、原料の工業的入手が容易で
あるとともに、硫黄の水酸化ナトリウム水溶液への溶解
速度が速いことから容易に製造できることから好まし
い。なお、本発明で用いるこれらの水溶液は、未溶解分
が残っている場合であっても何ら差し支えがないことを
付記しておく。
【0023】本発明で用いられるジチオカルバミン酸系
化合物としてはジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジエチルジチオカルバミン酸カリウム、ジエチルジ
チオカルバミン酸リチウム、ポリエチレンイミンジチオ
カルバミン酸ナトリウム、ポリエチレンイミンジチオカ
ルバミン酸カリウム、ポリエチレンイミンジチオカルバ
ミン酸リチウム、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジ
チオカルバミン酸リチウム、ジブチルジチオカルバミン
酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸カリウム、
ジブチルジチオカルバミン酸リチウム、ピペラジン-
N,N´-ビスジチオカルバミン酸ナトリウム、ピペラ
ジン-N,N´-ビスジチオカルバミン酸カリウム、ピペ
ラジン-N,N´-ビスジチオカルバミン酸リチウム等が
挙げられるが、これらに何ら制限されるものではなく、
また、2つ以上の物質を併用して用いることもできる。
化合物としてはジエチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジエチルジチオカルバミン酸カリウム、ジエチルジ
チオカルバミン酸リチウム、ポリエチレンイミンジチオ
カルバミン酸ナトリウム、ポリエチレンイミンジチオカ
ルバミン酸カリウム、ポリエチレンイミンジチオカルバ
ミン酸リチウム、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジメチルジチオカルバミン酸カリウム、ジメチルジ
チオカルバミン酸リチウム、ジブチルジチオカルバミン
酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸カリウム、
ジブチルジチオカルバミン酸リチウム、ピペラジン-
N,N´-ビスジチオカルバミン酸ナトリウム、ピペラ
ジン-N,N´-ビスジチオカルバミン酸カリウム、ピペ
ラジン-N,N´-ビスジチオカルバミン酸リチウム等が
挙げられるが、これらに何ら制限されるものではなく、
また、2つ以上の物質を併用して用いることもできる。
【0024】重金属の溶出防止性能からはジエチルジチ
オカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン
酸カリウム、ジエチルジチオカルバミン酸リチウム等の
ジエチルジチオカルバミン酸塩、ポリエチレンイミンジ
チオカルバミン酸ナトリウム、ポリエチレンイミンジチ
オカルバミン酸カリウム、ポリエチレンイミンジチオカ
ルバミン酸リチウム等のポリエチレンイミンジチオカル
バミン酸塩が好ましい。
オカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン
酸カリウム、ジエチルジチオカルバミン酸リチウム等の
ジエチルジチオカルバミン酸塩、ポリエチレンイミンジ
チオカルバミン酸ナトリウム、ポリエチレンイミンジチ
オカルバミン酸カリウム、ポリエチレンイミンジチオカ
ルバミン酸リチウム等のポリエチレンイミンジチオカル
バミン酸塩が好ましい。
【0025】本発明における廃棄物処理剤の廃棄物への
添加方法としては、アンチモン化合物、又はアンチモン
化合物と他の処理剤成分を混合したものを、廃棄物に添
加する、アンチモン化合物と他の処理剤成分を別途保管
しておき、別々に同時添加する、アンチモン化合物を廃
棄物に添加してから他の処理剤成分を添加する等、何れ
の方法でも良い。何れの方法においても、処理剤として
は、通常粉体状で使用するのが、取り扱い上便利である
が、予め処理剤に水を加え、アンチモン化合物単独又は
他の処理剤との混合物を液体状の処理剤として使用する
こともできる。なお、処理剤を廃棄物に添加混合する際
には通常、更に水を加えて混合または混練される。
添加方法としては、アンチモン化合物、又はアンチモン
化合物と他の処理剤成分を混合したものを、廃棄物に添
加する、アンチモン化合物と他の処理剤成分を別途保管
しておき、別々に同時添加する、アンチモン化合物を廃
棄物に添加してから他の処理剤成分を添加する等、何れ
の方法でも良い。何れの方法においても、処理剤として
は、通常粉体状で使用するのが、取り扱い上便利である
が、予め処理剤に水を加え、アンチモン化合物単独又は
他の処理剤との混合物を液体状の処理剤として使用する
こともできる。なお、処理剤を廃棄物に添加混合する際
には通常、更に水を加えて混合または混練される。
【0026】本発明の処理方法において、対象とする廃
棄物については特に制限はないが、電気炉や亜鉛メッキ
工程で発生する集塵ダスト、焼却灰、鉱山から排出され
る鉱さい、有害重金属で汚染された土壌等が挙げられる
が、その中でも、鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、
亜鉛等の有害重金属、およびこれらの化合物やイオンか
らなる群より選ばれる少なくとも1つの物質を含有する
廃棄物を安定化することに効果的である。特に、廃棄物
焼却飛灰、その中でも、都市ごみ焼却飛灰に対しては優
れた効果を発揮する。
棄物については特に制限はないが、電気炉や亜鉛メッキ
工程で発生する集塵ダスト、焼却灰、鉱山から排出され
る鉱さい、有害重金属で汚染された土壌等が挙げられる
が、その中でも、鉛、カドミウム、水銀、クロム、銅、
亜鉛等の有害重金属、およびこれらの化合物やイオンか
らなる群より選ばれる少なくとも1つの物質を含有する
廃棄物を安定化することに効果的である。特に、廃棄物
焼却飛灰、その中でも、都市ごみ焼却飛灰に対しては優
れた効果を発揮する。
【0027】
【作用】本発明の作用機構は、残念ながら明らかとなっ
ていないが、次のように推定できる。すなわち、廃棄物
中の重金属または重金属イオンが、廃棄物処理剤に含ま
れるアンチモン化合物とM-Sb-X(Mは重金属、Xは
S、O、ハロゲン等)からなる不溶化物、例えばPb3
(SbS3)2のような物質となって安定化していると考
えられる。
ていないが、次のように推定できる。すなわち、廃棄物
中の重金属または重金属イオンが、廃棄物処理剤に含ま
れるアンチモン化合物とM-Sb-X(Mは重金属、Xは
S、O、ハロゲン等)からなる不溶化物、例えばPb3
(SbS3)2のような物質となって安定化していると考
えられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。 (比較例1)都市ゴミ焼却施設で生成するバグフィルタ
ー補集飛灰S(以下、「飛灰S」という。)について環
境庁告示第13号(日本)の溶出試験を行った。なお、
飛灰SのPb含有量を測定したところ、0.25重量%
(2500mg/kg)であり、Ca(OH)2含有量
は12.5重量%であった。 (比較例2)水25.0gを飛灰S50gに添加、混練
したものを20℃で24時間養生固化した。固化後粉砕
し、目開き5mmのふるいで分級し、ふるいを通過した
ものを30gを分取して上記方法により溶出試験を行っ
た。 (比較例3)飛灰S50gに、セメント(普通ポルトラ
ンドセメント)10.0gを添加(飛灰Sに対し20重
量部%添加)、さらに水25.0gを加えて混練したも
のを20℃で24時間養生固化した。固化後粉砕し、目
開き5mmのふるいで分級し、ふるいを通過したものに
ついて30gを分取して上記方法により溶出試験を行っ
た。 (比較例4〜7)セメント(普通ポルトランドセメン
ト)10.0gに代えて表1に示す種類、量の処理剤を
用いた以外は、比較例3と全く同様にして溶出試験を行
った。
に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。 (比較例1)都市ゴミ焼却施設で生成するバグフィルタ
ー補集飛灰S(以下、「飛灰S」という。)について環
境庁告示第13号(日本)の溶出試験を行った。なお、
飛灰SのPb含有量を測定したところ、0.25重量%
(2500mg/kg)であり、Ca(OH)2含有量
は12.5重量%であった。 (比較例2)水25.0gを飛灰S50gに添加、混練
したものを20℃で24時間養生固化した。固化後粉砕
し、目開き5mmのふるいで分級し、ふるいを通過した
ものを30gを分取して上記方法により溶出試験を行っ
た。 (比較例3)飛灰S50gに、セメント(普通ポルトラ
ンドセメント)10.0gを添加(飛灰Sに対し20重
量部%添加)、さらに水25.0gを加えて混練したも
のを20℃で24時間養生固化した。固化後粉砕し、目
開き5mmのふるいで分級し、ふるいを通過したものに
ついて30gを分取して上記方法により溶出試験を行っ
た。 (比較例4〜7)セメント(普通ポルトランドセメン
ト)10.0gに代えて表1に示す種類、量の処理剤を
用いた以外は、比較例3と全く同様にして溶出試験を行
った。
【0029】
【表1】
【0030】(実施例1〜17)セメント(普通ポルト
ランドセメント)10.0gに代えて表2に示す種類、
量の処理剤を用いた以外は、比較例3と全く同様にして
溶出試験を行った。なお、処理剤が2成分からなるとき
は、あらかじめ2成分を混合、均一化してから用いた。
ランドセメント)10.0gに代えて表2に示す種類、
量の処理剤を用いた以外は、比較例3と全く同様にして
溶出試験を行った。なお、処理剤が2成分からなるとき
は、あらかじめ2成分を混合、均一化してから用いた。
【0031】
【表2】
【0032】(実施例18)水と粒状水酸化ナトリウム
を用い、29.5%水酸化ナトリウム水溶液をつくり、
この溶液100gに対し、40.8gの硫黄粉末(試
薬)を加え、約20時間振とうして硫黄を溶解させ硫黄
含有水酸化ナトリウム水溶液を得た。この溶液2.0g
にSb2S51.5gを加えて混合し、飛灰S50gに添
加(飛灰Sに対しトータルで7%添加)、さらに水2
5.0gを加えて混練したものを20℃で24時間養生
固化した。固化後粉砕し、目開き5mmのふるいで分級
し、ふるいを通過したものについて30gを分取して上
記方法により溶出試験を行った。
を用い、29.5%水酸化ナトリウム水溶液をつくり、
この溶液100gに対し、40.8gの硫黄粉末(試
薬)を加え、約20時間振とうして硫黄を溶解させ硫黄
含有水酸化ナトリウム水溶液を得た。この溶液2.0g
にSb2S51.5gを加えて混合し、飛灰S50gに添
加(飛灰Sに対しトータルで7%添加)、さらに水2
5.0gを加えて混練したものを20℃で24時間養生
固化した。固化後粉砕し、目開き5mmのふるいで分級
し、ふるいを通過したものについて30gを分取して上
記方法により溶出試験を行った。
【0033】以上、比較例および実施例の24時間養生
後のPb溶出量結果を表3に示す。また、比較例1、
2、3、6、7、実施例1、2、4、12、17におい
て、養生を20℃で3ヶ月間行った結果について表3に
示す。さらに、比較例1、6、7、実施例1、2、1
2、17において、硫化水素(H2S)ガス測定を実施
した。実験は、上記例で作製した、飛灰、処理剤、水の
混練物を1リットルのポリボトルに入れて密封し70
℃、1時間加熱後、10分間室温放置冷却した後、硫化
水素ガス検知管を用いることによって実施した。これら
のガス測定結果を表3に示す。
後のPb溶出量結果を表3に示す。また、比較例1、
2、3、6、7、実施例1、2、4、12、17におい
て、養生を20℃で3ヶ月間行った結果について表3に
示す。さらに、比較例1、6、7、実施例1、2、1
2、17において、硫化水素(H2S)ガス測定を実施
した。実験は、上記例で作製した、飛灰、処理剤、水の
混練物を1リットルのポリボトルに入れて密封し70
℃、1時間加熱後、10分間室温放置冷却した後、硫化
水素ガス検知管を用いることによって実施した。これら
のガス測定結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】比較例と実施例の比較から、本発明の方法
は広く一般に使用されているセメント(比較例3)に比
べて優れたPb安定化性能を有することが明らかであ
る。また、他の従来発明技術に比べて本発明の方法は、
添加量の低減(比較例3、4、5と実施例7、8、11
を比較)、長期間養生における重金属安定化(比較例
6、7と実施例1、2、4、12、17を比較)、有害
ガス発生量の低減(比較例6、7と実施例1、2、1
2、17を比較)、が可能であることが示され、本発明
廃棄物処理方法の効果が明らかとなった。
は広く一般に使用されているセメント(比較例3)に比
べて優れたPb安定化性能を有することが明らかであ
る。また、他の従来発明技術に比べて本発明の方法は、
添加量の低減(比較例3、4、5と実施例7、8、11
を比較)、長期間養生における重金属安定化(比較例
6、7と実施例1、2、4、12、17を比較)、有害
ガス発生量の低減(比較例6、7と実施例1、2、1
2、17を比較)、が可能であることが示され、本発明
廃棄物処理方法の効果が明らかとなった。
【0036】
【発明の効果】本発明の廃棄物処理方法を用いると、廃
棄物中の有害重金属、特に、Pbが安定化され、従来よ
り添加量を減少させる、あるいは有害ガスの発生を低減
させるといったことが可能となり、しかも、長期的に有
害重金属を安定化させることが可能である。
棄物中の有害重金属、特に、Pbが安定化され、従来よ
り添加量を減少させる、あるいは有害ガスの発生を低減
させるといったことが可能となり、しかも、長期的に有
害重金属を安定化させることが可能である。
Claims (16)
- 【請求項1】アンチモン化合物を主成分とする廃棄物処
理剤。 - 【請求項2】固体酸、アルミニウム化合物、固化剤、お
よび硫黄化合物から選択される少なくとも1種とアンチ
モン化合物からなる廃棄物処理剤。 - 【請求項3】固化剤が、セメントおよび水ガラスから選
択される少なくとも1種である請求項2記載の廃棄物処
理剤。 - 【請求項4】硫黄化合物が、水またはアルカリ水溶液に
可溶性の硫黄化合物、硫黄化合物のアルカリ水溶液、ジ
チオカルバミン酸系化合物から選択される少なくとも1
種である請求項2記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項5】アンチモン化合物が、アンチモンの硫化物
である請求項1、2記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項6】アンチモンの硫化物が、Sb2S3およびS
b2S5から選択される少なくとも1種である請求項5記
載の廃棄物処理剤。 - 【請求項7】アンチモン化合物が、アンチモンの酸化物
である請求項1、2記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項8】アンチモンの酸化物が、Sb2O3、Sb2
O4およびSb2O5から選択される少なくとも1種であ
る請求項7記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項9】固体酸が、二酸化ケイ素およびアルミニウ
ムシリケートから選択される少なくとも1種である請求
項2記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項10】二酸化ケイ素およびアルミニウムシリケ
ートの比表面積が200m2/g以上、1000m2/g
未満である請求項9記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項11】アルミニウム化合物が、非晶質水酸化ア
ルミニウムである請求項2記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項12】水またはアルカリ水溶液に可溶性の硫黄
化合物が、Na2S、NaHS、多硫化ナトリウム、多
硫化カルシウム、チオ尿素から選択される少なくとも1
種である請求項4記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項13】硫黄化合物のアルカリ水溶液が、水酸化
ナトリウム水溶液に硫黄を溶解させた水溶液である請求
項4記載の廃棄物処理剤。 - 【請求項14】ジチオカルバミン酸系化合物が、ジエチ
ルジチオカルバミン酸塩およびポリエチレンイミンジチ
オカルバミン酸塩から選択された1種である請求項4記
載の廃棄物処理剤。 - 【請求項15】アンチモン化合物を主成分とする廃棄物
処理剤を粉体状で、又は、水で混合し液状で、重金属を
含む廃棄物に添加し、更に水を加えて混合または混練す
ることを特徴とする廃棄物処理方法。 - 【請求項16】固体酸、アルミニウム化合物、固化剤、
および硫黄化合物から選択される少なくとも1種とアン
チモン化合物からなる廃棄物処理剤を粉体状で、又は、
水で混合し液状で、重金属を含む廃棄物に添加し、更に
水を加えて混合または混練することを特徴とする廃棄物
処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10042307A JPH11239772A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 廃棄物処理剤および廃棄物処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10042307A JPH11239772A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 廃棄物処理剤および廃棄物処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11239772A true JPH11239772A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=12632374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10042307A Pending JPH11239772A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 廃棄物処理剤および廃棄物処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11239772A (ja) |
-
1998
- 1998-02-24 JP JP10042307A patent/JPH11239772A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4022469B2 (ja) | 灰分を不活性にする方法、該方法によって得られた人工ポゾラン | |
JP4529191B2 (ja) | 重金属の安定化処理方法、重金属の安定化剤 | |
JP3919648B2 (ja) | 有害重金属捕集材 | |
JPH09299905A (ja) | 有害廃棄物処理剤および処理方法 | |
CN102335494B (zh) | 含重金属粉尘的重金属稳定化处理方法 | |
JP2006015290A (ja) | 混合、混練装置を用いない飛灰中の重金属固定化処理方法 | |
KR100258773B1 (ko) | 폐기물 처리방법 | |
JPH11239772A (ja) | 廃棄物処理剤および廃棄物処理方法 | |
JP3897727B2 (ja) | 有害物質捕集材 | |
JP2004209372A (ja) | 重金属類溶出抑制剤及び重金属類溶出抑制方法 | |
JPH0760221A (ja) | 廃棄物処理材 | |
JP4776064B2 (ja) | 廃棄物の安定化処理剤および処理方法 | |
JPH05309356A (ja) | 重金属含有焼却灰の処理方法 | |
JP3850205B2 (ja) | 溶融飛灰及び/又は焼成飛灰の重金属溶出防止方法 | |
JP2003136039A (ja) | 改良されたジチオカルバミン酸金属塩からなる重金属固定剤 | |
JP4061253B2 (ja) | 重金属処理剤の製造方法 | |
JP4036723B2 (ja) | 有害重金属低減材 | |
JP4624583B2 (ja) | 重金属固化剤および廃棄物処理方法 | |
JP3650973B2 (ja) | 酸性溶融飛灰の処理方法 | |
JP3804950B2 (ja) | 有害重金属捕集材 | |
JPH1142469A (ja) | 廃棄物処理剤および廃棄物処理方法 | |
JPH1071381A (ja) | 廃棄物処理剤及び廃棄物の処理方法 | |
JP3919652B2 (ja) | 有害重金属低減材及び有害重金属低減方法 | |
JPH09108646A (ja) | 廃棄物処理方法および廃棄物処理材 | |
JPH06328063A (ja) | 廃棄物安定化処理剤及び廃棄物安定化処理方法 |