JPH11239495A - カスパ―ゼ活性化dnア―ゼの阻害物質 - Google Patents

カスパ―ゼ活性化dnア―ゼの阻害物質

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JPH11239495A
JPH11239495A JP10369222A JP36922298A JPH11239495A JP H11239495 A JPH11239495 A JP H11239495A JP 10369222 A JP10369222 A JP 10369222A JP 36922298 A JP36922298 A JP 36922298A JP H11239495 A JPH11239495 A JP H11239495A
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JP
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icad
caspase
dnase
leu
amino acid
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JP10369222A
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English (en)
Inventor
Juichi Osada
重一 長田
Masato Enari
政人 江成
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Osaka Bioscience Institute
Original Assignee
Osaka Bioscience Institute
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々のアポトーシスに関与するカスパーゼで
活性化されるDNアーゼCADに対する阻害物質ICA
DおよびそれをコードするcDNAを提供する。 【解決手段】 マウスのリンパ腫細胞の細胞質画分にカ
スパーゼで活性化されるDNアーゼおよびその阻害物質
ICADを確認し、ICADを精製し、長鎖型および短
鎖型をコードするICADcDNAを2種分離すること
により、組換えICADを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主としてアポトーシ
スによる細胞死を阻害するタンパク質、詳細には細胞死
の起因となるDNA分解に関与するカスパーゼ活性化D
Nアーゼの活性を阻害するタンパク質およびそれをコー
ドする遺伝子に関する。
【0002】
【発明の背景】アポトーシスは広範な生理的および病理
的刺激に応答して細胞が除かれる過程である[1(本明
細書の一部を構成する引用文献を末尾に列挙し、明細書
中の引用箇所にその文献番号を付した)]。これは胚の
形成、リンパ球の発達、ホルモンが誘導する組織萎縮お
よび老化細胞の交代の間に起きる。アポトーシスは形態
的には原形質膜のブレッビングを伴う細胞の縮小および
核膜に沿った三日月形デポジットの形成を伴う核の凝縮
によって特徴付けられる[2,3]。アポトーシスの最
終段階には細胞自体が断片化し、アポトーシス小体と呼
ばれる小胞構造が現れる。アポトーシスはまた生化学的
にも特徴付けられ、著しい特徴の一つが180bpマル
チマーのDNAラダーを生じる染色体DNAのヌクレオ
ソーム間分解である[4〜6]。このDNA分解は細胞
死の過程の中で最後の打撃であると思われる。
【0003】
【従来の技術】サイトカインおよび抗癌薬のような種々
の分子ならびに細胞増殖に必要な因子の欠乏は速やかに
アポトーシスを誘導する[7,8]。例えば、Fasリ
ガンドの細胞表面受容体であるFasがアゴニスト抗体
またはFasリガンドによって活性化されると、ある種
のリンパ腫細胞は数時間以内に細胞死する[9]。この
過程はタンパク質合成阻害物質またはRNA合成阻害物
質を存在させても進行する[10]ので、アポトーシス
に必要な情報伝達成分は全てが増殖細胞の中にすでに存
在しており、アポトーシスのシグナルはそれらを始動さ
せるに過ぎないことが推測されていた。最近、アポトー
シスの過程に関与する数種の情報伝達分子が確認された
[11〜15]。これらの成分のあるものはプロアポト
ーシス性であるが、その他はアンチアポトーシス性であ
るか、またはプロアポトーシス性分子の阻害物質であ
る。カスパーゼはC.elegansの細胞死エフェク
ター(Ced−3)として初めて確認された。これはシ
ステインプロテアーゼファミリーに属し、哺乳類ではこ
のファミリーに属するものが少なくとも10種類[1
6,17]存在する。カスパーゼ3のようなある種のカ
スパーゼはアポトーシスの過程で活性化され、ポリ(A
DP−リボース)ポリメラーゼ、アクチン、フォドリン
およびラミンのような種々の基質を切断する[11,1
5]。CrmAまたはp35のようなウイルス遺伝子産
物はカスパーゼに結合してそれを阻害している。最近、
これと類似のカスパーゼ阻害物質の一つがIAP(アポ
トーシス阻害物質)ファミリーに属することが確認され
た[18]。C.elegansにおける細胞死阻害物
質(Ced−9)として初めて確認されたBcl−2の
ファミリーは2種のサブファミリーに分類される[12
〜14,19,20]。アンチアポトーシスサブファミ
リーはBcl−2、Bcl−xL、Bcl−wおよびA
1を含み、一方、プロアポトーシスサブファミリーはB
ax、Bcl−xS、BakおよびBadを含む。Bc
l−2ファミリーに属するものはヘテロ二量体を形成す
ることができ[13]、ミトコンドリアのインテグリテ
ィーを維持することおよび/またはCed−4を経てミ
トコンドリアにカスパーゼをリクルートすることに関与
していると思われる[20,21]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以前に、本発明者らは
増殖細胞がカスパーゼ3によって核内DNA分解を起こ
す形態に変換される因子を含有することを証明した[2
2]。さらに、本発明者らによる、本願と同時係属出願
(発明の名称:カスパーゼ活性化DNアーゼ、CAD:
出願日:平成10年12月25日)において、本発明者
らは、この因子を精製し、これがDNアーゼ活性を持つ
ことを証明し、この因子をカスパーゼ活性化DNアーゼ
(CAD)と命名した。CADのアミノ酸配列およびそ
れをコードするDNA配列はそれぞれ、配列表の配列番
号2および1に記載している。本発明においては、無細
胞系を用いてCADの阻害物質を検索し、アポトーシス
細胞からではなく増殖細胞から得た細胞質画分がそのよ
うな阻害物質を含むことを見出し、この阻害物質をIC
ADと命名した。ICADをマウスT細胞リンパ腫から
精製し、それが32kDaのタンパク質であることを確
認すると共に、それをコードするcDNA複数を分離し
た。さらに、ICADには、長鎖(ICAD−L)およ
び短鎖(ICAD−S)の2種類があることも確認し
た。
【0005】したがって、本発明は、CADの阻害物質
である長鎖または短鎖のICADおよびそれらをコード
する遺伝子を基礎とする。詳細には、本発明は、 (1)(a)それぞれ配列番号4または6に示されるア
ミノ酸配列を有する長鎖または短鎖からなるカスパーゼ
活性化DNアーゼ阻害能を有するタンパク質、および
(b)配列番号4または6に記載のアミノ酸配列におい
て1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換および/また
は付加されたアミノ酸配列からなり、カスパーゼ活性化
DNアーゼ阻害能を有するタンパク質の中から選択され
るカスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICAD、具体
的には配列番号4に示されるアミノ酸配列を有する、長
鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICAD−Lま
たは配列番号6に示されるアミノ酸配列を有する、短鎖
カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICAD−S;
【0006】(2)(a)それぞれ配列番号4または6
に示されるアミノ酸配列を有する長鎖または短鎖からな
るカスパーゼ活性化DNアーゼ阻害能を有するタンパク
質、または(b)配列番号4または6に記載のアミノ酸
配列において1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換お
よび/または付加されたアミノ酸配列からなり、カスパ
ーゼ活性化DNアーゼ阻害能を有するタンパク質をコー
ドする遺伝子、具体的には配列番号4に示されるアミノ
酸配列を有する長鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物
質ICAD−Lをコードする遺伝子、好ましくは配列番
号3に示されるDNA配列を有する請求項5に記載の遺
伝子、または配列番号6示されるアミノ酸配列を有する
短鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICAD−S
をコードする遺伝子、好ましくは配列番号5に示される
DNA配列を有する請求項7に記載の遺伝子; (3)上記本発明遺伝子を含有するベクター、好ましく
は発現ベクター; (4)該発現ベクターにより形質転換された宿主細胞; (5)上記本発明遺伝子と相補的な配列を有する、8塩
基以上からなるDNAもしくはRNAまたはそれらの化
学的修飾体; (6)該DNAもしくはRNAまたはそれらの化学的修
飾体を含有するベクター;および (7)上記本発明DNアーゼ阻害物質に対する抗体;に
関する。
【0007】
【発明の詳しい説明】第1の態様として、本発明はカス
パーゼ活性化DNアーゼ阻害能を有するタンパク質IC
AD、具体的には配列番号4に示されるアミノ酸配列を
有する、長鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質IC
AD−Lまたは配列番号6に示されるアミノ酸配列を有
する、短鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICA
D−Sに関する。後述するように、大腸菌で産生した組
換えICADはCADのDNアーゼ活性を特異的に阻害
したが、アポトーシスDNA分解を起こすDNアーゼで
はないかと提唱されていたDNアーゼIまたはDNアー
ゼII[23,24]は阻害しなかった。ICADはカ
スパーゼ3認識部位を2ケ所含み、そのCAD阻害作用
はカスパーゼ3処理によって破壊された。ヒトジャーカ
ット細胞をICADで形質転換すると、Fasを作用さ
せてもDNA分解は起きなかった。そして、このICA
D形質転換体はスタウロスポリンが誘導するDNA分解
に耐性であるにも拘らず、スタウロスポリンはこの細胞
をカスパーゼを活性化することによって細胞死させた。
上記の結果はカスパーゼカスケードの下流にあるCAD
の活性化がアポトーシスの間に起きるヌクレオソーム間
DNA分解の原因であること、およびICADがこの過
程の阻害物質として作用することを示している。
【0008】アポトーシスはプロアポトーシスおよびア
ンチアポトーシス分子によって調節されることが多い
[11,13,14]。本発明者らは、カスパーゼ3が
活性化できるDNアーゼ(CAD)およびその阻害物質
(ICAD)を確認した。精製したICADはSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動による32kDaのタ
ンパク質であった。天然のICADはゲル濾過で測定す
ると見掛けの分子量75kDaを有し、ホモダイマーと
して存在することを示す。非アポトーシス性増殖細胞で
はCADはICADとの複合体として存在しており、こ
のことは細胞中のICAD濃度(遊離型およびCAD複
合型の双方)はCAD濃度を超えることを示唆してい
る。ICADが存在しないと、機能を有するCADは合
成されないので、本発明者らはCAD生合成の間はIC
ADがシャペロン様の機能を持っている[32]のであ
ろうと推測している。過剰にあるICADが新生期のC
ADポリペプチド鎖に生合成中に結合し、さらに複合し
たまま残留してその核内への輸送およびDNアーゼ活性
を阻害していると思われる。精製したICADは主とし
てICADの短鎖型(ICAD−S)であったが、分子
クローニングの結果、ICADは一つは長鎖型および一
つは短鎖型(ICAD−LおよびICAD−S)の2種
の型を持つことがわかった。マウスICAD染色体遺伝
子の最近の分析により、これら2種の型は様式の異なる
スプライシングを受けたmRNAからの翻訳によるもの
であることがわかった。ICAD−LはICAD−Sよ
りも強いCAD阻害作用を有すると思われる。種々の組
織内におけるこれらICADmRNA2型の発現を研究
して、両者の間に機能の相違があればそれを解明するこ
とは興味深いことである。
【0009】カスパーゼ3はICADを切断して不活性
化する。最初に本発明者らは、細胞内CADの効率的阻
害はカスパーゼ3耐性ICADによってのみ得られるで
あろうと考えた。しかし、ジャーカット細胞内での野生
型ICADの過剰発現はFasの関与により、ならびに
スタウロスポリン処理により、誘導されるDNA分解を
完全に遮断した。これらの結果はICADが阻害できる
DNアーゼはアポトーシスの間に活性化され、また、こ
の活性化は様々な型の刺激によって触発できることを示
唆する。ICADはCADを阻害するが、DNアーゼI
またはDNアーゼIIを阻害しないことから、本発明者
らは少なくともFasまたはスタウロスポリンがアポト
ーシスを誘導するヒトジャーカット細胞においては、C
ADまたはCAD様DNアーゼがアポトーシスにおける
DNA分解の原因であると結論した。細胞内に導入され
たICADの殆どがこれらのアポトーシス刺激によって
速やかに分解されたことから、CADの活性を阻害する
には少量のICADで十分であること、またはCADの
濃度が極めて僅かであること、が判明した。胸腺ではグ
ルココルチコイドによって[6]、また種々の細胞では
増殖因子または血清の不足によって[33]、アポトー
シスを誘導できる。アポトーシスにおけるCAD関与の
普遍性をさらに評価するには、他のアポトーシス系にお
けるICADの効果を研究する必要があると思われる。
【0010】別の態様として、本発明は配列番号4また
は6に記載のアミノ酸配列において1もしくは複数のア
ミノ酸が欠失、置換および/または付加されたアミノ酸
配列からなり、カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害能を有
するタンパク質に関する。本タンパク質は、それぞれ配
列番号3または5に示されるDNA配列を有する遺伝子
を当業者に周知の方法、例えば部位特異的突然変異誘発
(Methods in Enzymology, 100:448-(1983))やPCR法
(Molecular Cloning 2nd Edt. 15章, Cold Harbor Lab
oratory Press (1989), 「PCR A Practical Approach」
IRL Press 200-210 (1991))により変異させ、これを配
列番号3または5に記載の遺伝子と同様にして発現させ
ることにより得ることができる。なおここで、欠失、置
換および/または付加されるアミノ酸残基の数は、上記
部位特異的突然変異誘発などの周知の方法により欠失、
置換および/または付加できる程度の数を指す。得られ
た変異タンパク質がCAD阻害能を有するか否かは、後
述する実施例に記載しているCADの活性検出法と同様
にして確認することができる。その他の、上記本発明の
実施の態様はすべて、上述する本発明の具体的な説明、
特に実施例を参照すれば実施することができる。
【0011】本発明は別の態様として、本発明カスパー
ゼ活性化DNアーゼ阻害物質をコードする遺伝子に関す
る。本発明遺伝子にはDNAおよびRNAが含まれ、好
ましくはDNAである。DNAの場合、cDNA、ゲノ
ミックDNAあるいは合成DNAであり得る。またDN
AおよびRNAいずれも2本鎖でも1本鎖でもあり得
る。1本鎖の場合、コード鎖あるいは非コード鎖であり
得る。より好ましくは配列番号1に示されるDNA配列
を有する遺伝子である。
【0012】別の態様として、本発明は本発明遺伝子を
含有するベクターを包含する。該ベクターには発現ベク
ター、クローニングベクター、治療用ベクターなどの種
々の用途を持つベクターが包含される。好ましくは発現
ベクターである。発現ベクターは本発明タンパク質の大
量生産に利用できる。発現ベクターについての詳細は以
下の項に示す。治療用ベクターは本発明遺伝子を投与し
細胞内に導入する手法に用いられるベクターであり、そ
のような手法にはウイルスベクター等による方法があ
る。その他、プラスミドを直接筋肉内に投与する方法
(DNAワクチン法)、リポソーム法等があり、これら
にもベクターが用いられる。ICADはCADによるD
NA分解を阻害するので、本発明治療用ベクターは細胞
死阻止を目的とする遺伝子治療に有用であろう。
【0013】別の態様として、本発明は本発明発現ベク
ターにより形質転換された宿主細胞が包含される。宿主
細胞には原核細胞、真核細胞が含まれ、細菌、真菌、哺
乳動物細胞等が例示される。
【0014】別の態様として、本発明は、本発明遺伝子
と相補的な配列を有する、8塩基以上からなるDNAも
しくはRNAまたはそれらの化学的修飾体が包含され
る。「相補的な配列を有する」とはいわゆるアンチセン
スオリゴヌクレオチド、アンチセンスRNAあるいはア
ンチセンスDNAと呼ばれるものを網羅する意味を有す
る。これらは合成装置を用いて人工的に合成したり、あ
るいは通常と逆向き(即ちアンチセンス向き)に遺伝子
を発現させることなどによって得ることができる。この
アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは8−100塩
基、好ましくは8−50塩基である。「化学的修飾体」
とは、本発明アンチセンスオリゴヌクレオチドの細胞内
への移行性または細胞内での安定性が高められた修飾体
を意味し、例えばホスホロチオエート、アルキルホスホ
トリエステル、アルキルホスホアミデート等の誘導体が
挙げられる[44]。これらアンチセンスヌクレオチド
はICADの発現を抑制する目的で利用される他、in s
ituハイブリダイゼーション等の研究用試薬としても有
用である。ICADの発現を抑制することにより、細胞
死誘導なる効果が得られ、癌細胞の死滅などを引き起こ
すことができる。投与方法は直接生体内の細胞に導入す
るin vivo法等がある。本発明は別の態様として、この
アンチセンスオリゴヌクレオチドを含有するベクターに
関するる。本発明はこのようなベクターも包含する。ベ
クターとしてはウイルスベクター等が挙げられる。
【0015】本発明は別の態様として、本発明タンパク
質に対する抗体を包含する。該抗体は本発明タンパク質
またはその断片を、例えば文献[45]に記載されてい
る手法を用いてマウスやウサギを免疫することにより、
容易に調製できる。好ましい本発明抗体はモノクローナ
ル抗体である。モノクローナル抗体は文献[46,4
7]記載の手法により、免疫したマウスやラットの脾臓
またはリンパ節からリンパ球を取りだし、ミエローマ細
胞と融合させてハイブリドーマを作製し、該ハイブリド
ーマから入手できる。抗体の用途は、アフィニティーク
ロマトグラフィー、cDNAライブラリーのスクリーニ
ング、医薬・診断薬等が挙げられる。CADの機能を阻
害する中和抗体が好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の態様をより
具体的に説明する。ICADの精製 本発明者らは以前に、Fas活性化細胞から得た細胞質
画分が核内DNA分解を起こす因子を含んでいることを
証明した[25]。さらに、増殖細胞はカスパーゼによ
ってDNA分解を起こす形に変換できる因子を含むこと
も証明した[22]。この因子の特性を解析するため、
マウスT細胞リンパ腫から得られるS−100画分をD
AEA−セファロースカラムクロマトグラフィーなどで
分画する。各画分をカスパーゼ3処理し、核内でDNA
分解を起こす性能を検定することで、DNA分解活性が
認められる。この活性はカスパーゼ3で処理をしないと
検出できないはずである。数種のDNアーゼが核内でヌ
クレオソーム間DNA分解を起こすことが知られている
[5,26]。核内DNA分解を起こすこの活性が裸の
DNAを切断できるかどうかを検討するため、プラスミ
ドDNAを基質に用いてDNアーゼ活性について各画分
を検定する。ここでは、図1aの中段の図に示す通り、
核内DNA分解を起こす画分はプラスミドDNAも消化
し、またこのDNアーゼ活性はカスパーゼ3依存性であ
ることが見出された(下段の図)。このようにして得ら
れたこのタンパク質をカスパーゼ活性化DNアーゼ(C
AD)と命名した。CADの精製およびそのcDNAの
クローニングの詳細は、以下の参考例を参照のこと。
【0017】CADの研究中に、本発明者らは増殖細胞
から得たS−100画分がFas活性化細胞から得た抽
出物内に存在するCAD活性の阻害活性に着目した。こ
のCAD阻害活性の特性を解析するため、Fas活性化
細胞内のCAD活性をDEAE−セファロースカラムか
ら得た各画分の存在下に検定する。それにより、核内に
おいてCADが誘導するDNA断片化を阻害するタンパ
ク質含有画分が得られる。このタンパク質がICADで
ある。これをさらに硫酸アンモニウム分画、およびブチ
ル−セファロースおよびフェニル−スーパロースカラム
クロマトグラフィーなどによって精製する。このサンプ
ルをゲル濾過カラムに負荷すると、ICADは見かけの
分子量75kDaを示す単一ピークとして溶出される。
ICADの物理化学的分析により、還元剤の存在下に加
熱および変性剤に耐性であることが示される。それ故、
ゲル濾過カラムから得た各画分にあるタンパク質を加熱
し、変性した凝集塊を遠心分離によって除く。上清液は
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動像に数個のバン
ド(図2a)を示し、ICAD活性を示す(図2b)。
ICADを特定のバンドに割当てるため、加熱したサン
プルをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によっ
て分画し、ゲルを細断する。ゲル片から溶出される32
kDaのタンパク質を含む画分は核内のCAD誘導DN
A分解ならびにそのDNアーゼ活性を阻害し(図2c、
2d)、この32kDaタンパク質がICADであるこ
とが示される。
【0018】ICAD cDNAの分子クローニング 精製ICADをアミノ酸配列分析に付してペプチド配列
を得、これに基づき、マウスESTデータベースを活用
してプライマーを作製する。この配列を用いて、マウス
T細胞リンパ腫cDNAライブラリーからICAD c
DNAを分離する。これにより、長さ2.0および1.
0kbのcDNAが得られる。それぞれは長さ331お
よび265アミノ酸の読取り枠を含む(図3a)。長い
方のICADおよび短い方のICADをそれぞれICA
D−LおよびICAD−Sと命名した。
【0019】ICADの発現および特性検定 ICAD−LおよびICAD−SをコードしているcD
NAを含有するプラスミドにより形質転換された大腸菌
はそれぞれ、Escherichia coli/pEFL−ICADL
およびEscherichia coli/pEFL−ICADSとし
て、茨城県つくば市東1丁目1番3号、工業技術院生命
工学工業技術研究所に寄託されている(受託日:いずれ
も平成9年12月16日;受託番号:それぞれFERM
P−16560、FERM P−16559)。得られ
たICAD−SおよびICAD−Lタンパク質は双方と
も、酸性アミノ酸が豊富であり等電点約4.5を示す。
GenBankデータベースにおけるBLAST相同性
検索の結果、マウスICAD−LはヒトDFF45(D
NA断片化因子45)[27]に対して高度に相同的で
あることが示される。種々のマウス組織のICADcD
NAによるノーザンハイブリッダイゼーション分析の結
果から、ほとんどの組織がICADmRNAの広いバン
ドを発現することを示し、小腸、卵巣、子宮および脾臓
ではかなり豊富に発現することが見出された(図4)。
【0020】DNアーゼ活性に対するICADによる阻
CADのDNアーゼ活性に対するICADによる特異的
阻害はグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GS
T)−融合タンパク質としてICADを調製し、この組
換えICADがFas活性化細胞から得られる抽出物が
誘導する核のDNA分解を阻害するか否かを調べること
で確認される。同時にDNアーゼIおよびDNアーゼI
IのDNアーゼ作用に対するICADの阻害作用を調べ
ることで、その特異性が決定できる。
【0021】カスパーゼ3によるICADの不活化 増殖細胞から得られる細胞抽出物とは対照的に、Fas
活性化アポトーシス細胞から得られる細胞抽出物はIC
AD活性を示さず、ICADがアポトーシスのシグナル
によって不活化されることが示唆された。この不活化を
起こす候補の一つがカスパーゼである。カスパーゼ3に
よる推測上の切断部位がICADには2個所ある:すな
わちアミノ酸117位およびアミノ酸224位にあるD
EPDおよびDAVDはカスパーゼ3の共通切断部位に
よく適合している(図3a)[28,29]。カスパー
ゼは切断部位のP1位にアスパラギン酸を要求する[2
8,29]。カスパーゼ3が117位のアミノ酸と22
4位のアミノ酸でICADを切断することを確認するた
め、切断部位のアスパラギン酸を一重または二重にグル
タミン酸に変異させたICAD変異体を調製し、カスパ
ーゼ3処理を行う。次に、CAD誘導DNA分解に対す
る変異体ICADの阻害作用を測定することで、カスパ
ーゼ3耐性ICADの可能性を探ることができる。
【0022】アポトーシスにおける活性化DNアーゼに
対するICADの特異的遮断 ICAD過剰発現細胞にアポトーシス性DNA分解が存
在しないことを調べる。ヒトジャーカット細胞はアゴニ
スト性抗Fas抗体によって、または高濃度のスタウロ
スポリンによって殺すことができ、どちらの場合も細胞
死には染色体DNAのヌクレオソーム間切断を伴う[3
0]。野生型ICAD−LおよびICAD−Sならびに
それらのカスパーゼ3耐性二重変異体をジャーカット細
胞に導入し、ICADを発現する安定な形質転換体クロ
ーンを選択する。そこで、抗Fas抗体と反応させ、D
NA断片化が起こらないことを示す。同様に、スタウロ
スポリンと反応させ、DNA分解が阻止されることを示
す。
【0023】以下に図面について詳細に説明する。図1
は、マウスWR19L細胞から得た抽出物中のCADお
よびICAD活性を示す電気泳動写真の模写図である。
WR19L細胞から得たS−100画分(タンパク質5
00mg)をDEAE−セファロースカラム(2.6×
11cm)に負荷し、タンパク質を50〜350mM−
NaCl直線勾配で溶出した。 .記載した画分の所定量(10μL)をカスパーゼ3
で処理し、核(上図)またはプラスミドDNA(中図)
でCAD活性を測定した。カスパーゼ3処理しない場合
のDNアーゼ活性も測定した。 .記載した画分のICAD活性を10μL量を使用し
て測定した。
【0024】図2は、32kDaタンパク質としてのI
CADの確認を示す電気泳動写真の模写図である。フェ
ニル−スーパロースカラムから得た画分(タンパク質
1.3mg)をスーパデックス200カラムに負荷し
た。ICAD活性を含む画分を90℃に15分間加熱
し、不溶性タンパク質を100000×gで30分間遠
心分離して除いた。 .記載した画分の所定量(5μL)を10〜20%勾
配ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、銀染色でタン
パク質を可視化した。マーカータンパク質(レインボウ
マーカー、アマーシャム社)の分子量をkDaで左側に
示した。スーパデックス200カラムは標準タンパク質
で補正した。使用した標準タンパク質はトランスフェリ
ン(TF、81kDa)およびオボアルブミン(46k
Da)であって、その溶出位置を図の下側に矢印で示し
た。ICADは右側の矢印で示した。 .記載した画分の5μL量を用い、Fas−活性化W
4細胞から得た抽出物(20μg)および肝臓核でIC
AD活性を測定した。ICAD非存在下のCAD活性を
第1レーン(−)に示す。 .スーパデックス200のカラムから得た画分14〜
17を集め、濃縮し、90℃に15分間加熱した。遠心
分離後、上清液中のタンパク質約100ngを10〜2
0%勾配ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分離
した。ゲルを細断した後、タンパク質をゲルから溶出し
て40μLの緩衝液Cに溶解した。5μL量を用いて、
Fas−活性化W4細胞から得た抽出物(20μg)お
よび肝臓核でICAD活性を測定した。第1レーン
(−)はICAD非存在下のCAD活性を示す。分子量
標準タンパク質の位置は下側に矢印で示す。 .図2cのゲル片7から回収したタンパク質の所定量
(5μL)をFas−活性化W4細胞から得た抽出物
(20μg)とともに4℃で、30分間インキュベーシ
ョンし、残留するCAD活性をプラスミドDNAで測定
した。レーン1=プラスミドDNA;レーン2=CAD
とともにインキュベーションしたDNA;レーン3=C
ADおよびICADとともにインキュベーションしたD
NA;レーン4=ICADとともにインキュベーション
したDNA。
【0025】図3は、マウスのICAD−SおよびIC
AD−Lのアミノ酸配列を示す。 .ICAD−SおよびICAD−Lのアミノ酸配列。
ICAD−Lのアミノ酸残基の中でICAD−Sのもの
と一致するものは「−」で示した。精製ICADから得
たペプチド配列5個には下線を付けた。カスパーゼ3に
よる推測上の切断部位2ケ所を二重下線で示した。アミ
ノ酸番号は配列の上側に記載した。 .マウスICAD−LとヒトDFF45のアミノ酸配
列の並列比較。ヒトDFF45のアミノ酸配列[27]
をマウスICAD−Lのアミノ酸配列と並列した。両者
の間で一致するアミノ酸を太字で示した。アミノ酸番号
は配列の上側に記載した。
【0026】図4は、ICADmRNAの組織分布を示
す電気泳動写真の模写図である。ポリ(A)RNAを記
載の組織からQuick Prep(商品名)マイクロ
mRNA調製キット(ファルマシア社)を用いて調製し
た。各原料から得たRNA2μgを電気泳動に付し、報
告[9]通りノーザンハイブリッダイゼーションによっ
て分析した。32P−標識したマウスICAD−LcDN
A(上図)またはヒトEF−1αcDNA(下図)をプ
ローブとして使用した。
【0027】図5は、組換えICADによるCADの特
異的阻害を示す電気泳動写真の模写図である。aおよびb .Fas−活性化W4細胞から得た細胞抽出
物(20μg)を記載量のGST−ICAD−Lととも
にプレインキュベーションし、CAD活性を肝臓核
)またはプラスミドDNA()で測定した。GS
T−ICAD−Lとプレインキュベーションしなかった
もののCAD活性をレーン1およびレーン9に示す。C
AD活性に及ぼす対照GSTタンパク質の効果をレーン
8およびレーン14に示す。cおよびd .添加量を数段階に設定したDNアーゼI
(ベーリンガーマンハイム社)()またはDNアーゼ
II(シグマ社)()を10ng()または10μ
g()のGST−ICAD−Lとともに4℃で30分
間プレインキュベーションした。プラスミドDNA
(1.0μg)を反応混合物に加え、さらに30℃で2
時間インキュベーションし、次にアガロースゲル電気泳
動で分析した。レーン1〜4=DNアーゼ単独;レーン
5〜8=DNアーゼとICAD−L。
【0028】図6は、カスパーゼ3切断によるICAD
の不活化を示す電気泳動写真の模写図である。 .ゲル濾過および加熱処理で精製した天然ICAD
(100ng)を15ngのカスパーゼ3とともに緩衝
液A中で4℃で一夜および30℃で2時間インキュベー
ションした。Fas−活性化W4細胞から得た抽出物
(20μg)(レーン1〜5)またはカスパーゼ3活性
化部分精製CAD(5ng)(レーン6〜10)を各2
5ngのカスパーゼ3処理ICADまたは無処理ICA
Dと混合した。4℃で30分間インキュベーションした
後、CAD活性をマウス核(レーン1〜5)またはプラ
スミドDNA(レーン6〜10)で検定した。このCA
D検定はCAD(レーン2および7)、CADおよびI
CAD(レーン3および8)、CADおよびカスパーゼ
3処理ICAD(レーン4および9)、およびカスパー
ゼ3処理ICAD単独(レーン5および10)で行っ
た。 .精製ICAD(100ng)を15ngのカスパー
ゼ3で前記の通り処理し、10〜20%勾配ポリアクリ
ルアミドゲルで電気泳動に付し、銀染色で可視化した。
レーン1=カスパーゼ3処理前のICAD;レーン2=
カスパーゼ3処理後のICAD;レーン3=15ngの
カスパーゼ3。ICADは右側に矢印で示した。
【0029】図7は、ICAD−LおよびICAD−S
の模式図、およびカスパーゼ3耐性変異体の検出結果を
示す電気泳動写真の模写図である。ICAD−Lおよび
ICAD−Sおよびそれらの突然変異体の組換えGST
融合タンパク質を大腸菌に産生させ、実施例に記載した
通りに精製した。 .ICAD−LおよびICAD−Sの図式的表示。推
測上のカスパーゼ3切断部位を示す。 .ICAD−
L(レーン1〜8)またはICAD−S(レーン9〜1
6)の組換えGST融合タンパク質(2μg)を75n
gのカスパーゼ3とともに緩衝液A中で37℃で15分
間インキュベーションした。カスパーゼ3処理前(レー
ン1、3、5、7、9、11、13および15)および
カスパーゼ3処理後(レーン2、4、6、8、10、1
2、14、および16)のサンプルを10〜20%勾配
ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、クーマジーブリ
リアントブルーで染色した。分析したGST−ICAD
タンパク質は次の通り:野生型(L/WTおよびS/W
T);D117一重変異体(L/D117EおよびS/
D117E);D224一重変異体(L/D224Eお
よびS/D224E);またはD117およびD224
二重変異体(L/dmおよびS/dm)。 .10ngのGST−ICAD−L(レーン3〜1
0)またはGST−ICAD−S(レーン11〜18)
を15ngのカスパーゼ3の存在下(レーン2、4、
6、8、10、12、14および16)または非存在下
(レーン1、3、5、7、9、11、13および15)
に0.1mg/mLのBSAを含む緩衝液A中で4℃で
一夜および30℃で2時間インキュベーションした。F
as−活性化W4細胞から得た細胞抽出物(20μg)
を混合物に加え、4℃で30分間インキュベーションし
た。次にCAD活性を肝臓核で測定した。使用したGS
T−ICADタンパク質は次の通り:野生型(L/WT
およびS/WT);D117一重変異体(L/D117
EおよびS/D117E);D224一重変異体(L/
D224EおよびS/D224E);またはD117お
よびD224二重変異体(L/dmおよびS/dm)。
【0030】図8は、DNA断片化を伴わないジャーカ
ット細胞の細胞死を示すグラフおよび電気泳動写真の模
写図である。ICAD−LまたはICAD−Sまたはそ
のカスパーゼ3切断部位における二重変異体をFLAG
エピトープで標識して、ヒトのジャーカット細胞に導入
した。 .ジャーカット母細胞および、ICAD−Lを発現す
る安定形質転換体クローン(JIL−3および−7)お
よびその二重変異体を発現する安定形質転換体クローン
(JILdm−4および−20)、ならびにICAD−
Sを発現する安定形質転換体クローン(JIS−14お
よび−15)およびその二重変異体を発現する安定形質
転換体クローン(JISdm−14および−18)から
得た細胞(各1×104個細胞)をレムリのサンプル緩
衝液中で溶解し、抗FLAG抗体でのウェスタンブロッ
ティングによって分析した。標準タンパク質の分子量は
右側の矢印でKによって示した。 .ジャーカット母細胞およびICADを発現する記載
の形質転換体クローン(1.2×105細胞)を37℃
で0.5μg/mLの抗Fas抗体(レーン1〜20)
または10μM−スタウロスポリン(レーン21〜3
2)とともに記載の時間インキュベーションした。染色
体DNAを調製してアガロースゲルで分析した。c、dおよびe .ジャーカット細胞とそのICAD−L
を発現する形質転換体クローン(JIL−3)またはI
CAD−Sを発現する形質転換体クローン(JIS−1
5)を10μM−スタウロスポリンとともに37℃で2
時間インキュベーションした。 .スタウロスポリンとともにインキュベーションする
前(細線)の細胞およびインキュベーションした後(太
線)の細胞をFITC標識アネクシンVで染色し、FA
CScan(ベクトンディッキンソン社)を用いてフロ
ーサイトメトリーによって分析した。ICADを発現す
るその他の形質転換体クローンも同様な結果を示した。 .スタウロスポリンとともにインキュベーションする
前(レーン1、3および5)の細胞およびインキュベー
ションした後(レーン2、4および6)の細胞5×10
4個をレムリのサンプル緩衝液中で溶解し、抗ポリ(A
DP−リボース)ポリメラーゼモノクローナル抗体(ク
ローンC−2〜10)[43]を用いるウェスタンブロ
ッティングによって分析した。無処置および切断ポリ
(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の位置
を右側に矢印で示した。 .スタウロスポリンとともにインキュベーションする
前(白柱)およびインキュベーションした後(黒柱)に
細胞抽出物を調製し、タンパク質20μg中のカスパー
ゼ3活性を螢光性基質、MCA−DEVDAPK(dn
p)で報告[22]の通りに測定した。この活性は便宜
的単位で表現した。組換えカスパーゼ3の1ngは同一
の検定条件ではこの単位で220を示した。
【0031】
【実施例】以下の実施例において、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明の範囲はこれらによって何ら限定
されるものではない。CADおよびICADの検定法 CAD活性は、マウス肝臓核を使用するアポトーシスに
ついての試験管内検定法によって、または基質としてプ
ラスミドDNAを使用するDNアーゼ活性測定法によっ
て測定した。すなわち、100μg/mLのウシ血清ア
ルブミン(BSA)およびATP再生系(2mM−AT
P、10mM−ホスホクレアチン、および50μg/m
Lクレアチンキナーゼ)を含む20μLの緩衝液A(1
0mM−HEPES−KOH、pH7.0、50mM−
NaCl、5mM−MgCl2、5mM−EGTA、1
0%グリセリン、および1mM−DTT)中で75ng
の組換えカスパーゼ3[22]とともにサンプルを4℃
で12時間および30℃で1時間インキュベーションし
た。10μM−Ac−DEVD−cho(ペプチド研究
所)とともに4℃で30分間インキュベーションしてカ
スパーゼ3を不活化後、核(1×106個)を混合物に
加え、4℃で12時間および30℃で1時間インキュベ
ーションした。DNAを核から回収し、1%アガロース
ゲル電気泳動によって分析した。DNアーゼ活性を測定
するには核の代わりに1μgのプラスミドDNAを用い
て30℃で2時間インキュベーションした。
【0032】ICAD活性はCAD活性の阻害を観察す
ることによって測定した。活性化CADの原料として
は、Fas活性化細胞から得た細胞質画分またはカスパ
ーゼ3活性化部分精製マウスCADを使用した(参考例
1参照)。すなわち、マウスW4細胞を0.5μg/m
Lの抗FasJo2抗体[37]で37℃で20分間処
理し、報告[25]の通りS−100画分を調製した。
この画分中のカスパーゼ3は10μM−Ac−DEVD
−choとともに4℃で30分間インキュベーションし
て不活化した。部分的に精製したCADについては、C
AD(100ng)を150ngのカスパーゼ3ととも
に100μg/mLのBSAを含む緩衝液A100μL
中で4℃で12時間および30℃で1時間インキュベー
ションし、このカスパーゼ3はAc−DEVD−cho
で不活化した。被験サンプルは最終容積20μL中の活
性CAD(Fas活性化W4細胞から得た細胞抽出物の
20μgまたは活性化部分精製マウスCADの5ng)
に加えた。4℃で30分間インキュベーションした後、
標的として核またはプラスミドDNAを使用して残留C
AD活性を前記の通りに測定した。
【0033】実施例1: ICADの精製およびペプチドの配列決定 プロテアーゼ阻害物質の混合物[1mM−(p−アミノ
フェニル)メタンスルホニルフルオリド塩酸塩(p−A
PMSF)、1μg/mLアプロチニン、1μg/mL
ロイペプチン、および1μg/mLペプスタチンA]を
添加した緩衝液AにマウスT細胞リンパ腫のマウスWR
19L細胞を懸濁した(2×109細胞/mL)。細胞
をガラス製のダウンスホモジナイザーに移し、凍結およ
び解凍を3周行って崩壊させたが、各解凍サイクルの間
にペッスルで摩りつぶした。ホモジネートを30000
×gで30分間および100000×gで12時間遠心
分離してS−100画分を得た。このS−100画分
(1710mg)を緩衝液Aと平衡させたDEAEセフ
ァロースFFカラム(容積170mL、ファルマシア
社)に負荷した。カラムを緩衝液Aで洗い、1700m
L中の50〜350mM−直線状NaCl勾配で溶出し
た。得られた各画分をカスパーゼ3処理し、次に核内で
DNA分解を起こす性能を検定した。図1aに示す通
り、DNA分解活性は約145mM−NaClに単一ピ
ークとして溶出された。この活性はカスパーゼ3で処理
をしないと検出できなかった。
【0034】次いで、活性画分(タンパク質125m
g)を集めて、25%飽和から50%飽和までの硫酸ア
ンモニウムで分画し、1M−硫酸アンモニウムを添加し
た緩衝液B(50mM−NaCl不含緩衝液A)に溶解
した。このサンプルをブチル−セファロース4FFカラ
ム(容積18mL、ファルマシア社)に負荷し、1M−
硫酸アンモニウムを添加した緩衝液Bと平衡させた。こ
のカラムを1.0から0Mまでの硫酸アンモニウムを直
線状濃度減少勾配で含む緩衝液B180mLで溶出し、
続いて緩衝液Bによって溶出した。活性画分を集めて最
終濃度0.8Mになるまで硫酸アンモニウムを加えた。
不溶性物質を除去後、サンプル(タンパク質4.2m
g)をフェニル−スーパロースHR5/5カラム(ファ
ルマシア社)に負荷し、10mLの緩衝液Bで溶出し
た。活性画分(1.3mg)を集め、最終濃度0.02
%になるまでトゥイーン20を加えた。サンプルを緩衝
液C(0.02%トゥイーン20含有緩衝液A)と平衡
させたスーパデックス−200HR10/30ゲル濾過
カラムに負荷した。部分的に精製したICADの物理化
学的特性は還元剤(5mM β−メルカプトエタノー
ル)の存在下に加熱(90℃)および変性剤(0.1%
SDS)に耐性であることを示した。よって、各活性画
分を90℃で15分間加熱し、100000×gで30
分間遠心分離して沈降物を除いた。
【0035】得られた上清液はSDSポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動像に数個のバンド(図2a)を示し、I
CAD活性を示した(図2b)。ICADを特定のバン
ドに割当てるため、加熱したサンプルをSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動によって分画し、ゲルを細断
した。図2cに示す通り、ゲル片から溶出した32kD
aのタンパク質を含むタンパク質は核内のCAD誘導D
NA分解ならびにそのDNアーゼ活性を阻害し(図2
d)、この32kDaタンパク質がICADであること
を示した。表1はマウスWR19L細胞から得られたI
CADの精製をまとめたものである。S−100画分か
ら得られたICADの通算精製率は約17000倍であ
って、収率は11.8%であった。タンパク質約12μ
gが4×1011個の細胞(培養液200リットル)から
得られた。
【0036】
【表1】 マウスICADの精製 段階 タンパク質 全活性 比活性 精製率 収率 (mg) (×1000単位) (単位/μg) (倍) (%) S−100 1710.0 20853.0 12.2 100 DEAE-セファロース 125.0 10975.6 87.8 7 52.6 硫酸アンモニウム 62.0 10812.1 174.3 14 51.8フ゛チル -セファロース 4.2 3995.1 951.6 78 19.2フェニル -スーハ゜ロース 1.3 3408.5 2622.0 215 16.3スーハ゜テ゛ックス 0.12 2726.3 22719.5 1863 13.1 加熱処理 0.012 2453.7 204475.6 16767 11.8 S−100画分は4×1011個のマウスWR19L細胞
から調製した。ICAD活性はマウス核で実験操作法に
記載した通りに測定した。阻害作用1単位はCAD活性
1単位を半分阻害する希釈率と定義した。加熱処理サン
プル中のICADタンパク質濃度はSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動物の銀染色で評価した。
【0037】ペプチド配列決定 ペプチド配列分析のためにはサンプルを10〜20%勾
配ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、ポリビニリジ
ンジフルオリド膜(プロブロット、アプライドバイオシ
ステムズ社)にブロットした。ポンソーSで染色後、固
定化したICAD(約10pモル)を還元し、S−カル
ボキシメチル化し、報告[38]通りに原位置でアクロ
モバクタープロテアーゼIによって消化した。膜から溶
出したペプチドをワコーシル(Wakosil)−I
I、AR・C18・300Aカラム(和光純薬)を用い
る逆相高速液体クロマトグラフィーによって分画し、タ
ンパク質配列決定装置(島津、PPSQ−23型)を使
用して配列決定した。
【0038】ゲルからのICADの回収 ICADは実質的にHagerら[36]に従ってポリ
アクリルアミドゲルから回収した。すなわち、ICAD
100ngをレムリ(Lammelli)のサンプル緩
衝液中で95℃に5分間加熱し、ポリアクリルアミドゲ
ル(第一化学)で電気泳動した。ゲルを3〜5mm厚の
細片に切断し、H2Oで洗い、1mLの緩衝液(50m
M−トリスHCl、pH8.0、5mM−DTT、0.
1mM−EDTA、150mM−NaCl、0.1%S
DSおよびBSA0.1mg/mL)中で砕き、室温で
一夜撹拌した。ゲルから溶出したタンパク質を冷アセト
ンで沈降させ、6M−グアニジンHClを含む緩衝液C
に溶解した。この溶液を室温で20分間インキュベーシ
ョンし、緩衝液Cに対して室温で透析した。
【0039】実施例2: ICAD cDNAの分子クローニング 実施例1により得られた精製ICADをアミノ酸配列分
析に付して5個のペプチド配列を得た。配列の一つがマ
ウスESTデータベースに見出され、この配列を用い
て、互いに異なる2種のICAD cDNAをマウスT
細胞リンパ腫cDNAライブラリーから分離した。オリ
ゴヌクレオチド2種(5’−GATTCCGATGGA
GGGAC−3’および5’−GATAAACTCAG
CTCTGG−3’)をESTクローン#615712
から設計した。これは精製ICAD(図3)のペプチド
配列の一つをコードしている。WR19LのcDNAラ
イブラリーからcDNA(476bp)をPCRによっ
て増幅し、ランダムプライマー標識キット(ベーリンガ
ーマンハイム社)を用いて32Pで標識し、これをプロー
ブに用いてWR19LのcDNAライブラリーを検索し
た。コロニーハイブリッダイゼーションを報告[39]
の通りに行って、2×105クローンの中から8個の陽
性クローンを得た。その中で2個のクローンがICAD
−LのcDNAを、他の2個のクローンがICAD−S
のcDNAを有していた。各型のcDNAから1個を取
り、DNA配列決定装置(ファルマシアアルフレッド
社)を用いて両鎖について配列決定した(配列番号3お
よび5)。これらcDNAは長さ2.0および1.0k
bであり、各々長さ331および265アミノ酸の読取
り枠を含んでいた(図3a)。このcDNA2種は26
1位のアミノ酸までは同一であり、そこから後の配列は
異なり、これらのmRNA2種が異なるスプライシング
によって作製されることを示唆している。長い方のIC
ADおよび短い方のICADをそれぞれICAD−Lお
よびICAD−Sと命名した。
【0040】実施例3: 大腸菌におけるICADの発現 常法により、実施例2記載のICAD−LおよびICA
D−SをコードしているcDNAをプラスミドにクロー
ニングし、得られたプラスミドを大腸菌に導入した。調
製した形質転換体はそれぞれEscherichia coli/pEF
L−ICADLおよびEscherichia coli/pEFL−I
CADSとして、茨城県つくば市東1丁目1番3号、工
業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている(受
託日:いずれも平成9年12月16日;受託番号:それ
ぞれFERM P−16560、FERM P−1655
9)。実施例2にて精製ICADと共に得られたペプチ
ド配列5種は全てがICAD−S配列の中に見出され、
その分子量計算値(29169Da)はSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動から推測した値と良く一致し
た。ICAD−SおよびICAD−Lは双方とも酸性ア
ミノ酸が豊富で等電点約4.5を示す。GenBank
データベースにおけるBLAST相同性検索の結果、マ
ウスICAD−LがヒトDFF45(DNA断片化因子
45)[27]に対して高度に相同的であることを示し
た。図3bに示す通り、この2種の配列はギャップなし
に並列でき、また、アミノ酸配列のレベルで76.1%
同一であり、マウスICAD−LはヒトDFF45の対
応物であることを示唆する。
【0041】種々のマウス組織のICADcDNAによ
るノーザンハイブリッダイゼーション分析の結果から、
ほとんどの組織はICAD−LおよびICAD−Sのm
RNAが共存することに起因すると思われる約3kbの
ICADmRNA(図4)の広いバンドを発現すること
を示した。小腸、卵巣、子宮、および脾臓のような組織
はこのmRNAをかなり豊富に発現することが見出され
た。
【0042】試験例1:CADのDNアーゼ活性に対す
るICADによる特異的阻害 ICADの酵素的特性を検討するため、大腸菌内でIC
AD−LおよびICAD−Sをグルタチオン−S−トラ
ンスフェラーゼ(GST)−融合タンパク質として調製
し、均一になるまで精製した。図5aに示す通り、組換
えICADはFas活性化細胞から得られた抽出物が誘
導する核のDNA分解を阻害した。ICADによるこの
阻害は用量依存的であり、数ngのICAD−LはFa
s活性化細胞から得られた20μgの抽出物のCAD活
性を十分に阻害した(図5a)。ICAD−LはCAD
のDNアーゼ活性も効率的に阻害した(図5b)。一
方、ICAD−LはDNアーゼIおよびDNアーゼII
のDNアーゼ作用はどちらも阻害しなかった(図5cお
よびd)。CADに対する同様な特異的阻害効果がIC
AD−Sでも観察された。
【0043】試験例2:カスパーゼ3によるICADの
不活化 精製ICADをカスパーゼ3とインキュベーションする
と、32kDaのICADタンパク質は特異的に切断さ
れ(図6b)、もはや核内のCAD誘導DNA分解もD
Nアーゼ活性も阻害できなかった(図6a)。カスパー
ゼは切断部位のP1位にアスパラギン酸を要求する[2
8,29]。カスパーゼ3が117位のアミノ酸と22
4位のアミノ酸でICADを切断すること(図7a)を
確認するため、切断部位のアスパラギン酸を一重または
二重にグルタミン酸に変異させ、各ICAD変異体につ
いて組換えGST融合タンパク質を大腸菌中で産生させ
た。
【0044】変異体の調製 D117EおよびD224Eの変異体を作製するため、
ICAD−SおよびICAD−LのcDNAを変異ヌク
レオチドを有する20ヌクレオチドのプライマーを用い
て組換えPCR法[40]により変異させた。D117
E/D224E二重変異体はD117とD224の間に
あるBglII部位を用いてD224E変異体のN−末
端側の半分をD117E変異体のものに置換して作製し
た。野生型および変異型のcDNAをpGEX−2T
[128/129]のグルタチオン−S−トランスフェ
ラーゼ(GST)遺伝子に融合させた。pGEX−2T
[128/129]はpGEX−2T(ファルマシア
社)から読取り枠内にGST遺伝子に続けてFLAGエ
ピトープ標識(DYKDDDDKA)および心筋キナー
ゼ認識部位(RRASV)が挿入されている[41]。
この融合タンパク質を大腸菌AD202株で発現させ、
本質的に製造社の指示に従ってグルタチオン−セファロ
ース4B(ファルマシア社)によって精製した。グルタ
チオンカラムから溶出した組換えICADを緩衝液C中
のNaCl勾配によってモノQ・HR5/5カラムで精
製した。
【0045】図7bに示す通り、野生型ICAD−L
(L/WT)のカスパーゼ3による処理では分子量40
kDaおよび12kDaのバンド2個が得られた。上側
のバンドはGSTおよびICADのN−末端部分からな
る融合タンパク質であるが、下側のバンドは実際にはI
CADの中央とC末端部分に由来するバンド2個であ
る。Asp−117を変異(L/D117E)させる
と、カスパーゼ3が作製した上側のバンドは分子量52
kDaのバンドに移動したが、一方Asp−224を変
異(L/D224E)させると、下側のバンドは分子量
26kDaのバンドに移動した。さらに両部位で二重に
変異させると(L/dm)、カスパーゼ3に耐性のIC
ADが作製された。ICAD−Sの変異体でも同様な結
果が得られた。次にCAD誘導DNA分解に対する変異
体ICADの阻害作用を測定した。在来型ICADで見
出された通り、組換えICADのカスパーゼ3処理は活
性を破壊した(図7c)。Asp−117での一重変異
またはAsp−117とAsp−224での二重変異を
有する各ICADはカスパーゼ3処理後はまだ活性を示
した。他方、Asp−117位に無傷の切断部位を有す
るICAD、殊にICAD−Sはカスパーゼ3に感受性
であった。これらの結果は、Asp−117位における
ICADのカスパーゼ3による切断はICADを不活化
すること、およびAsp−117位における変異でカス
パーゼ3耐性ICADを作製できることを示している。
【0046】試験例3:ICAD過剰発現細胞における
アポトーシス性DNA分解不存在の確認 アポトーシスの間に起きるDNA分解に及ぼすICAD
の効果を検討するため、野生型のICAD−LおよびI
CAD−Sならびにそれらのカスパーゼ3耐性二重変異
体をFLAGエピトープで標識し、その発現プラスミド
をジャーカット細胞に導入した。野生型のICAD−S
およびICAD−L、およびそれらの二重変異体のN−
末端をFLAGエピトープで標識し、pEF−BOSベ
クター(FERM BP−3549;受託日1991年
9月6日)に連結した[42]。ヒトジャーカット細胞
にICAD発現プラスミドおよびpBLIIhygを電
気穿孔法により報告[10]通りに共遺伝子移入した。
ハイグロマイシンB(800μg/mL)耐性の形質転
換体を釣り上げて増殖させた。個々のクローン中のIC
AD発現を抗−FLAGモノクローナル抗体(クローン
M2、コダック社)を用いるウェスタンブロッティング
によって分析した(図8a)。なお、全形質転換クロー
ンのFas発現レベルは母細胞のものと類似であった。
アポトーシスを起こさせるため、ジャーカット細胞
(2.5×105細胞/mL)を0.5μg/mLのマ
ウス抗ヒトFasモノクローナル抗体(クローンCH1
1、MBL社)とともに37℃でインキュベーションし
た。ジャーカット母細胞を抗Fas抗体で処理すると、
染色体DNAは4時間以内に180bpマルチマーに分
解された(図8b)。他方、野生型のICAD−Lまた
はICAD−Sを発現する形質転換体またはそれらのカ
スパーゼ3耐性変異体を発現する形質転換体は抗Fas
抗体と6時間インキュベーションした後でも、いかなる
DNA断片化も示さなかった。同様に、ジャーカット細
胞を10μM−スタウロスポリンとともにインキュベー
ションすると、染色体DNAは2時間以内に分解された
が、この分解は野生型ICAD−LまたはICAD−S
の過剰発現によって完全に阻止された。DNA断片化は
報告の通りに検定した[10]。これらの結果はアポト
ーシスの間に活性化されたDNアーゼをICADが特異
的に遮断することを示している。
【0047】次に、スタウロスポリンによる細胞死をア
ネキシンV法を用いるフローサイトメトリー[31]に
よって追跡した。細胞死はR&Dシステムズ社からのキ
ットを用いて検定した。ポリ(ADP−リボース)ポリ
メラーゼの蛋白分解はヒトポリ(ADP−リボース)ポ
リメラーゼに対するマウスモノクローナル抗体(G.
G.Poirier博士より提供)を用いるウェスタン
ブロッティングによって測定した。細胞質中のカスパー
ゼ3活性を測定するにはカスパーゼ3認識部位を有する
ペプチド(DEVDAPK)を強螢光性の(7−メトキ
シクマリン−4−イル)アセチル基(MCA)およびそ
れを消光する2,4−ジニトロフェニル(Dnp)基と
結合して得られた生成物MCA−DEVDAPK(dn
p)を基質として使用した。
【0048】図8cに示す通り、ジャーカット母細胞な
らびに野生型ICAD−Lまたは野生型ICAD−Sを
発現する形質転換体細胞の殆どがスタウロスポリン処理
後2時間以内にアネキシンV陽性になった(細胞死を示
す)。この細胞死に伴って、116kDaのポリ(AD
P−リボース)ポリメラーゼが85kDaタンパク質に
切断された(図8d)。さらに、細胞質中のカスパーゼ
3活性を螢光性基質を使用して測定すると、スタウロス
ポリン処理後のICAD形質転換体細胞内の活性はジャ
ーカット母細胞で見出されるものと同等であった(図8
e)。抗Fas抗体はジャーカット細胞およびICAD
形質転換体をカスパーゼ3の活性化によって殺したが、
この細胞死プロセスの速度はスタウロスポリンによって
誘導されるもとの比べて遅かった。これらの結果は、お
そらく様々なカスパーゼによって種々の細胞内基質が切
断される結果として、細胞はDNA分解なしに死ぬこと
があることを示している。
【0049】以下に参考例を示す。尚、参考例において
使用した材料、およびCADの検定法は以下の通りであ
る。材料 組換えカスパーゼ3は大腸菌で産生して文献記載の通り
に精製した[37]。ビオチン化−Asp−Glu−V
al−Asp−クロロメチルケトン(以下、bio−D
EVD−cmkという)はペプチド研究所に注文して合
成した。タンパク質精製に使用した充填カラムは全てフ
ァルマシア社から入手した。
【0050】CAD検定法 CAD活性はマウス肝臓核を用いるDNA断片化検定
[21]により、またはDNアーゼ活性検定により測定
した。略述すれば、アポトーシス検定のためには核(2
×105個)をサンプルとともに150ngのカスパー
ゼ3を含む20μLの緩衝液A(10mM−HEPES
−KOH、pH7.0、50mM−NaCl、20%
(v/v)グリセリン、40mM−β−グリセロ燐酸、
2mM−MgCl2、5mM−EGTA、0.1mM−
(p−アミノフェニル)メタンスルホニルフルオリド
(APMSF)、5mM−DTT、および1mg/mL
ウシ血清アルブミン)中で30℃で2時間インキュベー
ションした。反応後、DNAを核から抽出し、1.5%
アガロースゲル電気泳動によって分析した。場合によっ
ては、放出されたDNA/ヒストン複合体をベーリンガ
ーマンハイム社から入手したキットを用いるELISA
システムで定量した。DNアーゼの検定には、前記反応
混合物の核をプラスミドDNA1μgと置き換えた。
【0051】参考例1:CADの精製および配列分析 MRL−lpr/lprマウス(4〜6月齢)をSLC
から購入した。リンパ節(約70.4g)をマウス14
匹から調製し、抽出緩衝液(12.5mM−PIPES
−NaOH、pH7.0、75mM−HEPES−KO
H、pH7.0、12.5mM−KCl、37.5mM
−NaCl、2mM−MgCl2、5mM−EGTA、
1mM−DTT、5mM−サイトカラシンB、1mM−
フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、リ
ューペプチン1μg/mL、ペプスタチンA1μg/m
Lおよび30mM−β−グリセロ燐酸)244mLに懸
濁した。細胞を凍結および解凍の3周期で崩壊し、10
0000×gで2時間遠心分離した。S−100画分
(タンパク質3150mg)を0.1mMのbio−D
EVD−cmkとともに4℃で30分間インキュベーシ
ョンして、カスパーゼ3を不活化した。次にこのサンプ
ルを25%から50%飽和硫酸アンモニウムで分画し、
緩衝液B(10mM−トリスHCl、pH8.9、50
mM−NaCl、20%(v/v)グリセリン、1mM
−DTT、0.1mM−APMSF、および0.15%
CHAPS)に対して透析し、緩衝液Bと平衡させたH
iTrap−Heparin20mLのカラムに負荷し
た。150mM−NaClを含む緩衝液Bで洗った後、
タンパク質(タンパク質89.6mg)を500mM−
NaClを含む緩衝液Bで溶出し、緩衝液Bと平衡させ
たPD−10カラムを通した。このサンプルを緩衝液B
と平衡させた6mLのリソースQカラムに負荷し、保持
されたタンパク質を150mMから400mMまでの直
線NaCl勾配で溶出した。活性画分(タンパク質1
6.4mg)を集めて、緩衝液C(20mM−HEPE
S−KOH、pH7.0、20%(v/v)グリセリ
ン、0.1mM−APMSF、1mM−DTTおよび
0.15%CHAPS)と平衡させたPD−10カラム
を通した。このサンプルを緩衝液Cと平衡させたリソー
スSカラム(容積1mL)に負荷し、保持されたタンパ
ク質を0mMから500mMまでの直線NaCl勾配1
5mLで溶出した。活性画分(タンパク質2mg)を集
め、緩衝液D(10mM−HEPES−KOH、pH
7.0、50mM−NaCl、20%(v/v)グリセ
リン、40mM−β−グリセロ燐酸、2mM−EGT
A、0.1mM−APMSF、1mM−DTT、および
0.02%トゥイーン20)と平衡させたPD−10カ
ラムを通した。このサンプルを2.6μgのカスパーゼ
3とともに4℃で一夜インキュベーションし、次に5μ
M−bio−DEVD−cmkとともに4℃で30分間
インキュベーションしてカスパーゼ3を不活化した。混
合物にGST−DFF45親和性ビーズ(容積25μ
L)を加え、これを次に4℃に2時間放置した。緩衝液
Dで洗った後、ビーズを50μLの緩衝液Dに懸濁し
た。この懸濁液に2μgのカスパーゼ3および6μgの
トロンビンを加え、室温で一夜および37℃で1時間で
順次インキュベーションした。このビーズを遠心分離し
て除き、ビーズから放出されたタンパク質を集めた。
【0052】ペプチド配列分析には、GST−DFF4
5親和性カラムから溶出したサンプルをマイクロコン−
10装置(アミコン社)を用いて濃縮し、10〜20%
勾配ポリアクリルアミドゲル(第一化学社)電気泳動に
よって分画し、ポリビニリジンジフルオリド膜(アプラ
イドビオシステムズ社、プロブロット)にブロットし
た。ポンカウSで染色後、固定化したCAD(2〜4p
モル)を還元し、S−カルボキシメチル化し、報告[3
8]通りにアクロモバクタープロテアーゼIおよびAs
p−Nを用いて原位置消化した。膜から放出されたペプ
チドをWakosil−II・AR・C18・300A
カラム(和光純薬)を用いる逆相高速液体クロマトグラ
フィーによって分画し、タンパク質配列決定装置(島
津、PPSQ−23)を用いて配列決定した。得られた
配列は配列番号2に記載の配列と一致した。
【0053】参考例2:マウスCADcDNAのクロー
ニング マウスWR19L細胞のcDNAライブラリーをpEF
−BOSベクターを用いて構築した。このcDNAライ
ブラリーから精製マウスCADのアミノ酸配列に基づい
て設計した次の縮重プライマーを用いるPCRによって
マウスCADcDNAをクローニングした。センスプラ
イマーは5’−AA(A/G)TT(C/T)GGIG
TIGCIGC−3’であり、アンチセンスプライマー
は5’−TGI(C/G)(A/T)IAC(A/G)
TG(A/G)TGIA(A/G)IA(A/G)(A
/G)TC−3’であった。式中、Iはイノシンを示
す。反応混合物はライブラリーから得たプラスミドDN
A1μgと各プライマー100pモルをPCR緩衝液5
0μLに含んでいた。PCR産物(332bp)をプロ
ーブに用いて、WR19LcDNAをコロニーハイブリ
ッダイゼーションによって検索した。このプローブDN
Aはランダムプライマー標識キット(ベーリンガーマン
ハイム社)を用いて32Pで標識し、実質的に報告[3
9]通り、コロニーハイブリッダイゼーションを行っ
た。1×106個のクローンから陽性クローン8個を得
た。その中で、4個のクローンはマウスCADの完全長
コード配列を持っていた。DNA配列決定装置(アプラ
イドバイオシステムズ社、PRIZM310)を用いて
cDNA1個の両鎖を配列決定した(配列番号1)。
【0054】参考例3:組換えヒトDFF45と組換え
マウスICAD ヒトDFF45をコードするcDNA[22]はヒトK
T3cDNAライブラリー[20]からPCRによって
分離した。このPCR産物(1kb)をpGEX−2T
[128/129]のグルタチオンS−トランスフェラ
ーゼ(GST)遺伝子と正方向および逆方向に融合した
(各々pGEX−DFFおよびpGEX−revDF
F)。pGEX−2T[128/129]はpGEX−
2T(ファルマシア社)の誘導体であって、これにはF
LAG−エピトープ標識(DYKDDDDKA)および
心筋キナーゼ認識配列(RRASV)[23]がGST
遺伝子の後に挿入されている。このGST−DFF45
融合タンパク質を大腸菌のAD202株で発現し、製造
社の指示に従ってグルタチオン−セファロース4Bに吸
着させた。ビーズは湿ったビーズ1mL当り約1mgの
GST融合タンパク質を保持していた。
【0055】参考例4:COS細胞への遺伝子移入、試
験管内転写翻訳、および免疫沈降 プラスミドpEF−ICAD−LはマウスICAD−L
の哺乳類発現ベクターである。サルCOS7細胞に報告
[40]通り、電気穿孔によってプラスミドDNAを遺
伝子移入した。37℃で48時間の培養後、細胞を緩衝
液D0.1mLに懸濁し、凍結および解凍の反復によっ
て崩壊させ、細胞の破砕片および核を除去するため15
000rpmで15分間遠心分離した。無細胞系でCA
Dを発現するには、マウスCAD完全長コード配列をp
cDNAI/Ampベクター(インビトローゲン社)の
T7プロモーターの下に置いて、pcDNA−CADと
命名した。製造社の指示に従って、TNTインビトロ転
写/翻訳キット(プロメガ社)を用いる転写翻訳共役系
をCADに適用した。略述すれば、pcDNA−CAD
のDNA(1μg)をTNT試薬40μLおよび40μ
Ciの35S−メチオニン(アマーシャム社)とともにG
ST−ICAD−L融合タンパク質160ngの存在下
に30℃で2時間インキュベーションした。ICAD−
L/CAD複合体を免疫沈降させるため、反応混合物を
0.5mLまで緩衝液Dで希釈し、抗FLAG・M2親
和性ビーズ(コダック社、3mgIgG/mLビーズ)
10μLを加えた。4℃で2時間インキュベーションし
た後、ランメリのサンプル緩衝液中、90℃に5分間加
熱して結合したタンパク質を溶出させ、10〜20%勾
配ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付し、増感板を用
いてX−OMAT・X線フィルム(コダック社)に感光
させた。
【0056】
【発明の効果】ICADおよびそれをコードする遺伝
子、ICAD cDNAは、遺伝子治療などにより細胞
死の防止に役立つ可能性があり、また、アポトーシスを
含む細胞死に関する研究用試薬として用いることができ
る。
【0057】
【発明の意義】マウスICAD−LはヒトDFFのサブ
ユニットの一つ(DFF45、DNA断片化因子45)
[27]とかなりの相同性を有し、DFF45のマウス
対応物であると思われる。この考えは組換えヒトDFF
45が活性化マウスCADに結合できるとの観察によっ
て支持される。ヒトDFFは精製されて45kDaおよ
び40kDaのサブユニットから構成されること、およ
びカスパーゼ3で処理すると核内DNA断片化を起こす
ことが見出されている。この性質は今回本発明者らが確
認した潜在型CADの性質に類似している。しかし、D
FF45自体はDNアーゼ活性を示さず、DFFはヒト
のCADでないことが示唆される。LiuなどはDFF
45がカスパーゼ3で切断されると、DFFは核に入っ
て核のDNアーゼを活性化すると提唱した[27]。対
照的に、マウスCADはDNアーゼ活性を持っており、
ICADはそれに結合してこの活性を阻害する。これら
の結果はICADがCAD以外にDNアーゼを調節する
その他の分子(DFF40)にも結合できることを示す
のであろう。ICADの過剰発現がヒト細胞中でアポト
ーシス過程におけるDNA分解を阻害するので、DFF
が調節するDNアーゼはCADまたはCAD様DNアー
ゼであると思われる。DFF40の分子クローニングお
よび試験管内および生体内における機能解析を行えば、
これらの点は解明されるであろう。
【0058】C.elegansにおけるプログラムさ
れた細胞死の研究は細胞を殺すためにはDNアーゼ活性
は必ずしも必要ではないことを示している[34]。マ
ウス細胞系統の一つでは細胞傷害性リンパ球の作用によ
って見掛けのDNA断片化なしに細胞死することが報告
されている[35]。本発明においては、ICADを発
現する形質転換体が染色体DNAの切断なしにスタウロ
スポリン処理で細胞死することが確認された。これらの
条件下ではカスパーゼ(カスパーゼ3)は完全に活性化
されており、そのことがアポトーシスDNアーゼをカス
パーゼの下流に配置し、また、細胞死を起こすにはアク
チン、rho−GDI、およびフォドリンのような様々
な細胞基質の切断で十分であることを示している[1
5]。DNAの切断に加えて、アポトーシス刺激は核の
凝縮および断片化を誘導する[2]。DNA分解または
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼおよびラミンの
ような核タンパク質の切断が細胞の形態的変化の原因で
あるかどうかはまだ確認されていない[3,26,3
6]。DNAは分解しないが、完全に活性化されたカス
パーゼを有する細胞が入手できたことから、この点が解
明されるであろう。最後に、染色体DNAの分解が死ん
だ細胞の清掃に、貪食作用を加速する点で、または貪食
している細胞が死につつある細胞から得た無傷のDNA
によって形質転換されることを予防する点で、関与して
いると推測されている[26]。ICADを発現するト
ランスジェニックマウスまたはCADを欠失するマウス
を使用すれば、これらの疑問に答えることが可能である
と思われる。
【0059】本明細書に記載した結果は、アポトーシス
プロテアーゼをアポトーシスの最終段階にあるDNアー
ゼと結びつけるアポトーシスDNアーゼ阻害物質(IC
AD)の存在を証明するものである。今後、組換えIC
ADおよびその遺伝子の利用が可能となったことで、ア
ポトーシスの過程についての理解がさらに深まって行く
であろう。
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82.
【0065】
【配列表】配列表 SEQUENCE LISTING <110> Osaka Bioscience Institute <120> Inhibitors for Caspase-activated DNases <130> 163996 <140> <141> <150> JP 369356/1997 <151> 1997-12-25 <160> 6 <117> Word (MS-DOS text) <210> 1 <211> 1038 <212> DNA <213> human <400> 1 atgtgcgcgg tgctccgcca acccaaatgc gtcaagttgc gagccctaca tagcgcctgc 60 aagttcggcg tggcggcccg gagctgccag gagctgctgc gtaagggctg cgtccgcttc 120 cagctcccga tgcccggttc ccggctgtgc ctgtacgaag atggcacgga ggtgacggac 180 gactgcttcc cgggccttcc caacgacgct gagctcctat tgctcaccgc tggcgagacc 240 tggcatggct atgtgagtga catcacacgt ttcctcagtg tgtttaatga gccacatgcc 300 ggcgtcatcc aggctgcacg gcaactgctg tcagatgagc aggccccact gaggcaaaag 360ct
gctggccg atcttctgca tcacgtgagc cagaatatta ctgcagagac ccgggagcag 420 gacccatcct ggtttgaagg tttggagtcg agattcagga ataagtcggg ctatctgaga 480 tacagctgtg agagtcggat ccggggttac ctaagagagg tgagcgctta cacctctatg 540 gtggatgaag cagctcaaga agagtacctg cgagtccttg gctccatgtg ccagaagctc 600 aaatcggtgc agtacaatgg cagctatttc gacagaggtg cagaggccag cagccgcctc 660 tgtactccag aaggatggtt ctcctgccag ggcccctttg acctggagag ctgtctttcc 720 aagcactcca tcaaccccta tggcaacaga gagagccgga tcctcttcag tacctggaac 780 ctggatcata taatagagaa gaagcgcacc gtggtaccca cgctggctga agccatccag 840 gatgggaggg aggtgaactg ggagtacttc tacagcctgc tcttcactgc cgagaacctg 900 aagctggtgc acatcgcctg ccacaagaag accacacaca agctggagtg cgaccgcagt 960 aggatctatc ggcctcagac aggatccagg aggaagcagc ctgctcggaa gaagcgccct 1020 gctcggaagc gctagtga 1038
【0066】<210> 2 <211> 344 <212> PRT <213> human <400> 2 Met Cys Ala Val Leu Arg Gln Pro Lys Cys Val Lys Leu Arg Ala 1 5 10 15 Leu His Ser Ala Cys Lys Phe Gly Val Ala Ala Arg Ser Cys Gln 20 25 30 Glu Leu Leu Arg Lys Gly Cys Val Arg Phe Gln Leu Pro Met Pro 35 40 45 Gly Ser Arg Leu Cys Leu Tyr Glu Asp Gly Thr Glu Val Thr Asp 50 55 60 Asp Cys Phe Pro Gly Leu Pro Asn Asp Ala Glu Leu Leu Leu Leu 65 70 75 Thr Ala Gly Glu Thr Trp His Gly Tyr Val Ser Asp Ile Thr Arg 80 85 90 Phe Leu Ser Val Phe Asn Glu Pro His Ala Gly Val Ile Gln Ala 95 100 105 Ala Arg Gln Leu Leu Ser Asp Glu Gln Ala Pro Leu Arg Gln Lys 110 115 120 Leu Leu Ala Asp Leu Leu His His Val Ser Gln Asn Ile Thr Ala 125 130 135 Glu Thr Arg Glu Gln Asp Pro Ser Trp Phe Glu Gly Leu Glu Ser 140 145 150 Arg Phe Arg Asn Lys Ser Gly Tyr Leu Arg Tyr Ser Cys Glu Ser 155 160 165 Arg Ile Arg Gly Tyr Leu Arg Glu Val Ser Ala Tyr Thr Ser Met 170 175 180 Val Asp Glu Ala Ala Gln Glu Glu Tyr Leu Arg Val Leu Gly Ser 185 190 195 Met Cys Gln Lys Leu Lys Ser Val Gln Tyr Asn Gly Ser Tyr Phe 200 205 210 Asp Arg Gly Ala Glu Ala Ser Ser Arg Leu Cys Thr Pro Glu Gly 215 220 225 Trp Phe Ser Cys Gln Gly Pro Phe Asp Leu Glu Ser Cys Leu Ser 230 235 240 Lys His Ser Ile Asn Pro Tyr Gly Asn Arg Glu Ser Arg Ile Leu 245 250 255 Phe Ser Thr Trp Asn Leu Asp His Ile Ile Glu Lys Lys Arg Thr
260 265 270 Val Val Pro Thr Leu Ala Glu Ala Ile Gln Asp Gly Arg Glu Val 275 280 285 Asn Trp Glu Tyr Phe Tyr Ser Leu Leu Phe Thr Ala Glu Asn Leu 290 295 300 Lys Leu Val His Ile Ala Cys His Lys Lys Thr Thr His Lys Leu 305 310 315 Glu Cys Asp Arg Ser Arg Ile Tyr Arg Pro Gln Thr Gly Ser Arg 320 325 330 Arg Lys Gln Pro Ala Arg Lys Lys Arg Pro Ala Arg Lys Arg 335 340 344
【0067】<210> 3 <211> 996 <212> DNA <213> human <400> 3 atggagctgt cgcggggagc cagcgcccca gacccggacg atgtccggcc tctcaaaccg 60 tgtctgctac gccgcaacca cagccgcgat cagcacggcg tggcagcctc cagtctcgag 120 gagctgagga gcaaagcctg tgaactcctg gccattgata agtccctgac gccgatcacc 180 ctggtcctgg ctgaggacgg gaccatagtg gatgacgatg actacttcct ctgccttcct 240 tccaatacga agtttgtggc gttggcctgc aatgagaagt ggacttataa tgattccgat 300gg
agggacgg cttgggtttc ccaagagtcc tttgaggcag atgagccgga cagcagggca 360 ggggtgaagt ggaagaatgt ggccaggcag ctgaaagaag atctgtccag catcatcctg 420 ctgtcagaag aggacctcca agcgctcatc gacatcccat gtgcagagct ggctcaggaa 480 ctctgccaaa gctgtgccac tgtccagggg ctgcagagca cactccagca ggtgcttgac 540 cagagagagg aagcccgcca gtccaagcag ctcctggaac tttacctcca ggccttggag 600 aaagagggca acatcttgtc caaccagaaa gagtccaaag ctgccctcag tgaagagctg 660ga
tgcagttg acacaggcgt cggcagagag atggcttcgg aagtgctgct cagaagccag 720 atccttacca cactgaagga gaagcctgcc ccagagctga gtttatctag tcaggatttg 780 gagtctgtct ccaaggagga tcccaaagcc ctggctgtcg ctctgagctg ggacataagg 840 aaggcagaga cagtccagca ggcctgcacc acggagctcg ccctgcggct gcagcaagtg 900 cagagcttgc attcactcag gaatctatca gcaaggagga gcccactgcc tggggaacca 960 cagcgaccca aacgagccaa acgagactcc tcgtag 996
【0068】<210> 4 <211> 331 <212> PRT <213> human <400> 4 Met Glu Leu Ser Arg Gly Ala Ser Ala Pro Asp Pro Asp Asp Val 1 5 10 15 Arg Pro Leu Lys Pro Cys Leu Leu Arg Arg Asn His Ser Arg Asp 20 25 30 Gln His Gly Val Ala Ala Ser Ser Leu Glu Glu Leu Arg Ser Lys 35 40 45 Ala Cys Glu Leu Leu Ala Ile Asp Lys Ser Leu Thr Pro Ile Thr 50 55 60 Leu Val Leu Ala Glu Asp Gly Thr Ile Val Asp Asp Asp Asp Tyr 65 70 75 Phe Leu Cys Leu Pro Ser Asn Thr Lys Phe Val Ala Leu Ala Cys 80 85 90 Asn Glu Lys Trp Thr Tyr Asn Asp Ser Asp Gly Gly Thr Ala Trp 95 100 105 Val Ser Gln Glu Ser Phe Glu Ala Asp Glu Pro Asp Ser Arg Ala 110 115 120 Gly Val Lys Trp Lys Asn Val Ala Arg Gln Leu Lys Glu Asp Leu 125 130 135 Ser Ser Ile Ile Leu Leu Ser Glu Glu Asp Leu Gln Ala Leu Ile 140 145 150 Asp Ile Pro Cys Ala Glu Leu Ala Gln Glu Leu Cys Gln Ser Cys 155 160 165 Ala Thr Val Gln Gly Leu Gln Ser Thr Leu Gln Gln Val Leu Asp 170 175 180 Gln Arg Glu Glu Ala Arg Gln Ser Lys Gln Leu Leu Glu Leu Tyr 185 190 195 Leu Gln Ala Leu Glu Lys Glu Gly Asn Ile Leu Ser Asn Gln Lys 200 205 210 Glu Ser Lys Ala Ala Leu Ser Glu Glu Leu Asp Ala Val Asp Thr
215 220 225 Gly Val Gly Arg Glu Met Ala Ser Glu Val Leu Leu Arg Ser Gln 230 235 240 Ile Leu Thr Thr Leu Lys Glu Lys Pro Ala Pro Glu Leu Ser Leu 245 250 255 Ser Ser Gln Asp Leu Glu Ser Val Ser Lys Glu Asp Pro Lys Ala 260 265 270 Leu Ala Val Ala Leu Ser Trp Asp Ile
Arg Lys Ala Glu Thr Val 275 280 285 Gln Gln Ala Cys Thr Thr Glu Leu Ala Leu Arg Leu Gln Gln Val 290 295 300 Gln Ser Leu His Ser Leu Arg Asn Leu Ser Ala Arg Arg Ser Pro 305 310 315 Leu Pro Gly Glu Pro Gln Arg Pro Lys Arg Ala Lys Arg Asp Ser 320 325 330 Ser
【0069】<210> 5 <211> 798 <212> DNA <213> human <400> 5 atggagctgt cgcggggagc cagcgcccca gacccggacg atgtccggcc tctcaaaccg 60 tgtctgctac gccgcaacca cagccgcgat cagcacggcg tggcagcctc cagtctcgag 120 gagctgagga gcaaagcctg tgaactcctg gccattgata agtccctgac gccgatcacc 180 ctggtcctgg ctgaggacgg gaccatagtg gatgacgatg actacttcct ctgccttcct 240 tccaatacga agtttgtggc gttggcctgc aatgagaagt ggacttataa tgattccgat 300 ggagggacgg cttgggtttc ccaagagtcc tttgaggcag atgagccgga cagcagggca 360 ggggtgaagt ggaagaatgt ggccaggcag ctgaaagaag atctgtccag catcatcctg 420 ctgtcagaag aggacctcca agcgctcatc gacatcccat gtgcagagct ggctcaggaa 480 ctctgccaaa gctgtgccac tgtccagggg ctgcagagca cactccagca ggtgcttgac 540 cagagagagg aagcccgcca gtccaagcag ctcctggaac tttacctcca ggccttggag 600 aaagagggca acatcttgtc caaccagaaa gagtccaaag ctgccctcag tgaagagctg 660 gatgcagttg acacaggcgt cggcagagag atggcttcgg aagtgctgct cagaagccag 720 atccttacca cactgaagga gaagcctgcc ccagagctga gtttatctag tcaggatttg 780 gaggtgggca agaactag 798
【0070】<210> 6 <211> 265 <212> PRT <213> human <400> 6 Met Glu Leu Ser Arg Gly Ala Ser Ala Pro Asp Pro Asp Asp Val 1 5 10 15 Arg Pro Leu Lys Pro Cys Leu Leu Arg Arg Asn His Ser Arg Asp 20 25 30 Gln His Gly Val Ala Ala Ser Ser Leu Glu Glu Leu Arg Ser Lys 35 40 45 Ala Cys Glu Leu Leu Ala Ile Asp Lys Ser Leu Thr Pro Ile Thr 50 55 60 Leu Val Leu Ala Glu Asp Gly Thr Ile Val Asp Asp Asp Asp Tyr 65 70 75 Phe Leu Cys Leu Pro Ser Asn Thr Lys Phe Val Ala Leu Ala Cys 80 85 90 Asn Glu Lys Trp Thr Tyr Asn Asp Ser Asp Gly Gly Thr Ala Trp
95 100 105 Val Ser Gln Glu Ser Phe Glu Ala Asp Glu Pro Asp Ser Arg Ala 110 115 120 Gly Val Lys Trp Lys Asn Val Ala Arg Gln Leu Lys Glu Asp Leu 125 130 135 Ser Ser Ile Ile Leu Leu Ser Glu Glu Asp Leu Gln Ala Leu Ile 140 145 150 Asp Ile Pro Cys Ala Glu Leu Ala Gln Glu Leu Cys Gln Ser Cys 155 160 165 Ala Thr Val Gln Gly Leu Gln Ser Thr Leu Gln Gln Val Leu Asp 170 175 180 Gln Arg Glu Glu Ala Arg Gln Ser Lys Gln Leu Leu Glu Leu Tyr
185 190 195 Leu Gln Ala Leu Glu Lys Glu Gly Asn Ile Leu Ser Asn Gln Lys 200 205 210 Glu Ser Lys Ala Ala Leu Ser Glu Glu Leu Asp Ala Val Asp Thr 215 220 225 Gly Val Gly Arg Glu Met Ala Ser Glu Val Leu Leu Arg Ser Gln 230 235 240 Ile Leu Thr Thr Leu Lys Glu Lys Pro
Ala Pro Glu Leu Ser Leu 245 250 255 Ser Ser Gln Asp Leu Glu Val Gly Lys Asn 260 265
【図面の簡単な説明】
【図1】 マウスWR19L細胞から得た抽出物中のC
ADおよびICAD活性を示す電気泳動の図面に代わる
写真である。
【図2】 32kDaタンパク質としてのICADの確
認を示す電気泳動の図面に代わる写真である。
【図3】 マウスのICAD−SおよびICAD−Lの
アミノ酸配列を示す。
【図4】 ICADmRNAの組織分布を示す電気泳動
の図面に代わる写真である。
【図5】 組換えICADによるCADの特異的阻害を
示す電気泳動の図面に代わる写真である。
【図6】 カスパーゼ3切断によるICADの不活化を
示す電気泳動の図面に代わる写真である。
【図7】 ICAD−LおよびICAD−Sの模式図、
およびカスパーゼ3耐性変異体の検出結果を示す電気泳
動の図面に代わる写真である。
【図8】 DNA断片化を伴わないジャーカット細胞の
細胞死を示すグラフおよび電気泳動の図面に代わる写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 9/99 C12P 21/02 C C12P 21/02 21/08 21/08 C12N 5/00 B //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)または(b)から選択され
    るカスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質: (a)それぞれ配列番号4または6に示されるアミノ酸
    配列を有する長鎖または短鎖からなるカスパーゼ活性化
    DNアーゼ阻害能を有するタンパク質、(b)配列番号
    4または6に記載のアミノ酸配列において1もしくは複
    数のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたア
    ミノ酸配列からなり、カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害
    能を有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 配列番号4に示されるアミノ酸配列を有
    する、長鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICA
    D−L。
  3. 【請求項3】 配列番号6に示されるアミノ酸配列を有
    する、短鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICA
    D−S。
  4. 【請求項4】 以下の(a)または(b)のタンパク質
    をコードする遺伝子: (a)それぞれ配列番号4または6に示されるアミノ酸
    配列を有する長鎖または短鎖からなるカスパーゼ活性化
    DNアーゼ阻害能を有するタンパク質、(b)配列番号
    4または6に記載のアミノ酸配列において1もしくは複
    数のアミノ酸が欠失、置換および/または付加されたア
    ミノ酸配列からなり、カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害
    能を有するタンパク質。
  5. 【請求項5】 配列番号4に示されるアミノ酸配列を有
    する長鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICAD
    −Lをコードする遺伝子。
  6. 【請求項6】 配列番号3に示されるDNA配列を有す
    る請求項5に記載の遺伝子。
  7. 【請求項7】 配列番号6示されるアミノ酸配列を有す
    る短鎖カスパーゼ活性化DNアーゼ阻害物質ICAD−
    Sをコードする遺伝子。
  8. 【請求項8】 配列番号5に示されるDNA配列を有す
    る請求項7に記載の遺伝子。
  9. 【請求項9】 請求項4から8までのいずれかに記載の
    遺伝子を含有するベクター。
  10. 【請求項10】 発現ベクターである請求項9記載のベ
    クター。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の発現ベクターにより
    形質転換された宿主細胞。
  12. 【請求項12】 請求項4から8までのいずれかに記載
    の遺伝子と相補的な配列を有する、8塩基以上からなる
    DNAもしくはRNAまたはそれらの化学的修飾体。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のDNAもしくはRN
    Aまたはそれらの化学的修飾体を含有するベクター。
  14. 【請求項14】 請求項1から3までのいずれかに記載
    のDNアーゼ阻害物質に対する抗体。
JP10369222A 1997-12-25 1998-12-25 カスパ―ゼ活性化dnア―ゼの阻害物質 Withdrawn JPH11239495A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001060400A3 (de) * 2000-02-16 2002-04-18 Procorde Gmbh Verwendung von inhibitoren von caspase-3 oder der caspase-aktivierten desoxyribonuclease (cad) zur behandlung von herzerkrankungen

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001060400A3 (de) * 2000-02-16 2002-04-18 Procorde Gmbh Verwendung von inhibitoren von caspase-3 oder der caspase-aktivierten desoxyribonuclease (cad) zur behandlung von herzerkrankungen

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