JP2004518410A - 切断されたbard1タンパク質、並びにその診断上及び治療上の利用 - Google Patents

切断されたbard1タンパク質、並びにその診断上及び治療上の利用 Download PDF

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Abstract

本発明は、BARD1タンパク質解裂により生じた新規ポリペプチド、前記ポリペプチドをコードする核酸、並びにその診断及び治療上の利用、詳細には腫瘍を治療する為の利用に関係する。

Description

【0001】
本発明はBARD1タンパク質の開裂により生ずる新規ポリペプチド並びにその診断上及び治療上の利用に関連する。
【0002】
BARD1タンパク質は、BRCA1腫瘍サプレッサー遺伝子産物と、BRCA1及びBARD1上に存在するリングモチーフ(「RRCA1に関連するリングドメイン」)を介して反応する97kDのタンパク質である(Wuら、1996)。このタンパク質をコードする遺伝子は最近クローニングされた(WO98/12327)。
【0003】
本発明者はこの度、アポトーシスの過程で開裂BARD1のタンパク質分解断片に対応する新規ポリペプチドを同定した。
【0004】
この切断されたタンパク質は極めて免疫原性であり、とりわけ、ガンを患う患者のガンの治療において用いること又はプロアポトーシス薬剤による治療の効果をモニタリングすることにおいて用いることが出来うる。
【0005】
従って、本発明の対象は、変性条件下での電気泳動(SDS−PAGE)によって測定した時に約67kDの分子量を有し、そしてRINGドメインを含んで成るN末端部分が除去されたBARD1タンパク質のアミノ酸配列からなる配列を有する、単離されたポリペプチドである。
【0006】
さらに具体的には、本発明のポリペプチドは、ヒトのBARD1タンパク質(その既知の配列を、添付の配列番号1に示す)のC末端の最後から約505〜525番目のアミノ酸からなるものとして定義できうる。更に具体的には、本発明のポリペプチドは、ヒトのBARD1の525〜522番目のC末端アミノ酸からなる。
【0007】
本発明のポリペプチドは、例えば、結腸又は乳ガン細胞系統より生じるアポトーシス小体より精製できる。
【0008】
更に具体的には、本発明のポリペプチドは:
− 例えば細胞PROb、SW48又はMCF7ような細胞系統に属する細胞をコンフルエント(な状態)に培養し;
− これらの細胞を5mMの酪酸ナトリウム(NaB)を含有する培養培地で37℃、24時間に渡り処理することによって、アポトーシスを誘導して;
− 単離された組換えBARD1タンパク質を添加し;
− BARD1タンパク質の67kDa 形態への開裂を観察するのに十分な時間、例えば37℃で60分間、に渡りインキュベートする
ことから成る方法により得ることができる。
【0009】
本発明のポリペプチドは、BARD1の255〜265番目のアミノ酸に対応するポリペプチドに対して特異的な抗体によって認識される。
【0010】
更に、本発明の作者は、BARD1の加水分解はアポトーシスの早い段階で生じそして細胞周期依存的に生じることを示した。この加水分解は、EGTA及びカルパイン阻害物質I、N−アセチル−leu−leu−ノルロイシン(ALLnL)によって阻害されるが、しかしいくつかのカスパーゼ阻害物質によっては阻害されない。このことは、カルシウム依存性システインプロテアーゼ、カルパインによる加水分解を示唆する。
【0011】
前記505〜525番目のアミノ酸の配列に相同的な配列からなる任意のタンパク質も又67kDポリペプチドの定義に含まれている。本発明の対象は又、この切断されたタンパク質及びその相同体をコードする核酸でもある。
【0012】
語句「相同アミノ酸配列」は、前記505〜525番目のアミノ酸の配列に対して70%、好ましくは80%、最も好ましくは90%以上類似する配列を意味している。
【0013】
用語「類似の」とは比較されるアミノ酸間での完全な類似又は同一性を言及するが、類似性として言及される不完全な類似をも言及する。ポリペプチド配列における類似性の検索は、保存的置換を考慮している。保存的置換は、同じ種類のアミノ酸の置換であり、例えば、荷電していない側鎖を有するアミノ酸(アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、又はチロシン等)の置換、塩基性側鎖を有するアミノ酸(リジン、アルギニン又はヒスチジン等)の置換、酸性側鎖を有するアミノ酸(アスパラギン酸又はグルタミン酸等)の置換、非極性側鎖を有するアミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン又はシステイン等)の置換である。
【0014】
従って、一層一般的には、語句「相同なアミノ酸配列」は、あるアミノ酸又は少数のアミノ酸の置換、欠失及び/もしくは挿入によって前記配列とは異なる任意のアミノ酸配列、詳細には、これらの変更が上記の生物学的な特性に有意に悪影響しないような位置で、非天然のアミノ酸もしくは擬似のアミノ酸での天然のアミノ酸の置換による、前記配列とは異なる任意のアミノ酸配列を意図する。
【0015】
相同性は一般的に配列解析ソフトウェア(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)を用いることで特定される。類似のアミノ酸配列は、最高程度の相同性(即ち、上に定義した同一性又は類似性)を得られるように並べられる。この目的のため、ギャップを配列中に人工的に入れることが必要であろう。一度至適な位置合わせが行われると、相同性の程度は、位置の合計に対する。比較される2つの配列でアミノ酸が同一である全ての位置を記録することによって確認される。
【0016】
本発明のポリペプチドは当業者に周知の全ての方法によって合成できる。本発明のポリペプチドは、例えば合成化学の技術、例えば、Merrifeild型の合成によって合成できうる。Merrifield型の合成は、純度、抗原性特性及び不都合な副産物の不在の理由の為に有利であり、そして生産物の利用の為に有利である。
【0017】
次いで生産されたタンパク質は回収されそして精製できる。
【0018】
精製の方法は当業者に公知である。獲得した組換えポリペプチドは、細胞溶出物及び抽出物から、そして/又は培養培地の上清から、個別に又は、組み合わせにおいて用いられる方法、例えば分画、クロマトグラフィー手法、特異的な、モノもしくはポリクローナル抗体を用いるイムノアフィニティー技術等によって精製できる。
【0019】
詳細には、本発明のポリペプチドは、腫瘍細胞から生ずるアポトーシス小体から、BARD1タンパク質のC末端に対して特異的な抗体によるカラム上でのアフィニティークロマトグラフィーによって、精製される。
【0020】
切断されたBARD1タンパク質をコードする核酸配列は、発現ベクター中に挿入できる。ここにおいて、それは、その発現を調節する為の成分、例えば詳細には、転写のプロモーター、アクチベーター及び/又はターミネーターと機能的に連結される。
【0021】
次いで、組換えタンパク質は、上記核酸を含有するベクターが宿主細胞中に移入されて、細胞が対応するポリペプチドを発現する条件下で培養される方法を用いて生産できる。
【0022】
ヌクレオチド配列の発現を制御するシグナル(プロモーター、アクチベーター、ターミネーション配列等)は、用いられる細胞宿主の一つの関数として選択される。この趣旨で、本発明に係る核酸配列を、選択した宿主内で自律複製するベクター中、又は選択した宿主内で一体化するベクター中に挿入できる。係るベクターは、当業者によって共通に用いられている方法に従い調製されるだろうし、そしてそれらから生ずるクローンを標準的な方法、例えばエレクトロポレーション又はリン酸カルシウム沈澱等によって、適切な宿主中に導入できうる。
【0023】
本発明の定義されたヌクレオチド配列を含んで成る、上記クローニング及び/又は発現ベクターも本発明の一部である。
【0024】
本発明は又、これらの発現ベクターにより一時的に又は安定してトランスフェクトされた宿主系細胞にも関する。これらの細胞は、先に定義したベクター中に挿入されたヌクレオチド配列を原核又は真核宿主細胞中に挿入し、そして前記細胞をトランスフェクトされたヌクレオチド配列の複製及び/又は発現を可能にする条件下で培養することによって獲得できる。
【0025】
本発明に係るトランケーションBARD1タンパク質、又はこのタンパク質をコードする核酸の腫瘍のリプレッサーとしての性質は、腫瘍の治療において利用できる。これは任意の型の腫瘍を含みうるが、より具体的には、乳ガン、卵巣ガン、肺ガン、又は大腸ガンのような消化管のガンに関連しうる。
【0026】
従って、本発明の対象は、先に定義したポリペプチド、又は前記ポリペプチドをコードする核酸を、医薬的に許容できるビヒクルとの組み合わせにおいて含んで成る医薬組成物でもある。
【0027】
1以上のポリペプチドを含有する、本発明に係る医薬組成物の投与の方法、投与量及び医薬形態は、当業者により通常用いられる方法によって決定できうる。詳細には、患者に対して適切な治療処置を確立することを一般的に考慮する基準、例えば患者の年齢もしくは体重、彼もしくは彼女の全身症状の症度、治療に対する寛容性、及び顕著な副作用等に従い決定できる。
【0028】
一般に、治療上又は予防上有効な量(約0.1μg〜約1μgの範囲)がヒトの成人に対して投与できうる。
【0029】
本発明の対象は、又切断されたBARD1タンパク質をコードする先に定義された核酸、及び医薬的に許容できるビヒクルを含んで成る医薬組成物であり、前記組成物は遺伝子治療において用いることが意図されている。好適には、ベクター、一般的にはウィルスベクター(アデノウィルス及びレトロウィルス等)中に挿入される核酸は、標的細胞への転移を促す任意のビヒクル例えば、陰イオンリポソーム、陽イオン脂質、微粒子、例えば金微粒子、沈澱剤、例えばリン酸カルシウム又は任意の他のトランスフェクションを促す物質を有さず、ネイキッド形態(Naked form)において投与できる。この場合、ポリヌクレオチドは、ビヒクルの存在もしくは不在において、滅菌溶液もしくは無菌緩衝溶液のような生理学的に許容できる溶液中で簡単に希釈できる。
【0030】
代わりに、本発明の核酸はトランスフェクションを促す物質と組み合わせることができうる。それは、とりわけ、(i)細胞の透過性を改変する化学剤、例えばブピバカイン(bupivacaine)と組み合わされて良く;(ii)任意的にトランスフェクションを促す更なる物質の存在において、リポソーム中に包括されて良く;又は (iii)陽イオン脂質もしくはシリカ、金、もしくはタングステンの微粒子と組み合わされて良い。
【0031】
本発明の核酸構築体で微粒子を被覆した場合に、これらの微粒子は、「遺伝子銃」の技術(WO94/24263)により皮内又は表皮内に注射できる。
【0032】
医薬製品として用いられる量は、特に核酸構築体自身、この核酸が投与される個体、製剤の投与の方法及び製剤の型、並びに病状に依存する。一般に、約0.1μg〜約1mg、好適には約1μg〜約800μg、そして好ましくは、約25μg〜約250μgの範囲の治療上又は予防上有効な量をヒトの成人に対して投与できる。
【0033】
本発明の核酸構築体は、任意の投与の常用の経路、例えば詳細には、非経口で投与できる。投与の経路の選択は、特に選択した製剤に依存する。標的とされた腫瘍の部位を標的とする投与が特に有利でありうる。
【0034】
従って最後に、本発明の対象は、遺伝子治療の背景において、先に定義した有効な量の切断されたBARD1タンパク質又はこのタンパク質をコードする核酸が、係る治療を要求する患者に対して投与される治療処置の方法である。
【0035】
対象となる患者は一般的にヒトである。しかし適用は適切な任意の動物に拡大されても良い。
【0036】
アポトーシスの過程で現れる、BARD1の切断された形態の出現は更に、プロアポトーシス薬剤(proapoptopic drug)で治療した患者における抗ガン治療の効果を、in vitroにおいて追跡することを可能にする。この為に、例えば腫瘍組織試料のような生物試料中の、本発明の67kDのポリペプチドのin vitro検出の方法を用いることが可能である。
【0037】
変法に従い、患者由来の血液又は尿のような生物試料において、免疫原性の67kDのポリペプチドに対して生産される抗体のin vitro検出の方法を用いることができる。
【0038】
これらの方法は、例えば抗−BARD1もしくは抗切断されたBARD1抗体を用いることにより、それが67kDのポリペプチドの検出に関わる時には又は前記ポリペプチドもしくはそのエピトープ断片を用いることで、それが前記抗体の検出に関わる時に、通常の免疫検出の技術、例えばウェスタンブロッティング、又は免疫組織化学を、最大限に利用できる。
【0039】
一層一般的には、本発明は又生物試料における切断されたBARD1ポリペプチド又は抗切断されたBARD1抗体のin vitro検出の方法に向けられる。この方法において前記生物試料をそれぞれ、抗切断されたBARD1抗体もしくは切断されたBARD1タンパク質もしくはエピトープ断片と接触せしめ、そして免疫複合体の形成を観察し、生物試料中での切断されたBARD1タンパク質もしくは抗切断されたBARD1抗体の存在がそれぞれ明らかにする。
【0040】
切断されたBARD1タンパク質に対して特に特異的である抗体は又本発明の一部である。
【0041】
それらは、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体又はその断片、キメラ抗体、特に、ヒト化抗体もしくは免疫結合(immunoconjugated)抗体、又は抗体で標識した他のものであって良い。
【0042】
ポリクローナル抗体は、通常の手順に従い、ポリペプチドに対する免疫性を与えた動物の血清から獲得できる。
【0043】
本発明の実施態様によれば、反応残基を介してタンパク質又は他のペプチドに連結できるBARD1タンパク質の適切なペプチド断片を、抗原として利用できる。Benoitら(1982)により記載された手順に従いウサギに1mg当量のペプチド抗原で免疫する。4週の間隔で、動物を200μgの抗原の注射で処理し、そして10〜14日後採血した。第3の注射後、抗原ペプチドに対する結合の能力を特定する為に、クロラミン−T法によって調製したヨウ素で放射性同位体標識して抗血清を試験する。次いで、カルボキシメチルセルロース(CMC)イオン交換カラム上で精製する。次いで抗体分子をホ乳動物から回収し、そして当業者に周知の方法、例えばIgG画分を得るDEAE Sephadexを用いることによって、所望の濃度に単離した。
【0044】
ポリクローナル血清の特異性を向上する為に、抗体は、固相において免疫化ポリペプチドを用いてイムノアフィニティークロマトグラフィーによって精製できる。固相において免疫複合体を形成する為に、免疫化ポリペプチドと抗体分子が免疫反応をする十分な時間に渡り固相において抗体を当該ポリペプチドとの接触せしめる。
【0045】
モノクローナル抗体は、Kohler及びMilsteinにより記載されたハイブリドーマ培養の汎用の方法(1975)に従い獲得できる。
【0046】
以下の例及び図は本発明の範囲を限定することなくそれを説明する。
【0047】
実施例
実施例1
BARD1タンパク質の開裂の産物としての67kDのタンパク質の同定
材料と方法:
細胞株
用いたREGb結腸ガン細胞及びPRObラット結腸腺ガン細胞はジメチルヒドラジンで誘導した細胞系統(Caignardら、1985)に由来する。13762ラット乳ガン、SW48ヒト大腸ガン及びMCF7腺ガンをECACCより獲得した。細胞を単層培養、37℃、10%のウシ胎仔血清及び2mMのグルタミンを含むRMPI1640培地(Gibco)により培養した。細胞を0.025%のトリプシン及び0.02%のEDTAで継代培養した。
【0048】
ラットBARD1 cDNAのイムノスクリーニング及びクローニング
PRObラットガン細胞系統のcDNAライブラリーをλTriplEx発現ベクター(Clontech)中に構築した。アポトーシス抗体及びIL−2でワクチン処理したラット由来の血清(Boisteauら、1997)で100万個のプラークをスクリーニングした。音波処理した大腸菌を、PBS+5%の脱水スキムミルク中で1/10に希釈した血清を大気温度で4時間に渡りインキュベートし、次いで13,000gで10分に渡り遠心することによって、大腸菌(E.coli)に対する抗体をラットの抗血清から取り出した。456塩基対の挿入断片(断片F1)を配列決定しそしてその配列をNCB1遺伝子バンクによる解析に掛けた。それはヒトBARD1タンパク質と高い相同性を示した。完全なラットBARD1 cDNAを、Clontechより入手したPCR SMARTキットで構築したPROb cDNAライブラリーを用いてクローン化した。RACE PCRの為の内部プライマーを、製品説明書に従ってクローン化した挿入断片に基づいて選択した。
【0049】
ヒトBARD1 cDNAのクローニング
3つのヒトBARD1 cDNA断片を、SW48ヒト大腸ガン細胞系統から抽出したトータルRNAから増幅した。A,B及びCと命名した断片を以下のプライマーを用いて得た。断片A、センスプライマー R135S/アンチセンスプライマー B202N(Thaiら、1998);断片B、センスプライマー B202A(Thaiら、1998)、アンチセンスプライマー:
【化1】
Figure 2004518410
断片C、センスプライマー:
【化2】
Figure 2004518410
アンチセンスプライマー
【化3】
Figure 2004518410
であった。各断片をpGEMプラスミド(Promega)中にクローン化した。次いでNot1−Pst1/Pst1−HindIII/HindIII−BstXIを用いてそれぞれ切り出し精製した。そしてその後のpGEMのNot1/BstXI部位へライゲーションした。
【0050】
アポトーシスの誘導及びアポトーシス小体の精製
アポトーシスを酪酸ナトリウム(NaB)で処理することによって誘導した。様々な段階にあるコンフルエントな細胞を、37℃で様々な時間に渡り5mMのNaB(Sigma)と共に完全培地において処理した。アポトーシス小体を既に記載された(Gautierら、1999)ように精製した。
【0051】
ラットBARD1のF1断片の生産及び精製
ラットBARD1のF1断片をプラスミドλTriplexのcDNAライブラリーから切り出して、インフレームでプラスミドpQE32(Qiagen)のPst1部位に挿入した。BARD1のF1断片のN−末端に位置した6×Hix標識を含有する生じる融合タンパクを、大腸菌中で発現させた。その後QIA発現キット(Qiagen)に関する製造者の推薦を用いてNi−NTA樹脂上でのアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。
【0052】
マウスへの免疫化及びモノクローナル抗体の生産
Balb−cマウス(Iffa−credo)に、0.5%のTriton X−100を含む0.1mlの無菌PBS緩衝液中で乳化させた0.1mlの不完全Freundのアジュバント(Life Technologies)中の100μgのラットBARD1のF1断片100μgを3週おきに皮下注射した。マウスの脾臓細胞を、ポリエチレングリコール1500(Boehringer Mannheim)の存在下でSP20マウスミエローマ(ECACC)と融合させた。20%のウシ胎仔血、ヒポキサンチン−アミノプロテインチミジン及び1.5ng/mlの組換えIL6(RD System)で補足した完全培地中96ウェルプレート上にハイブリドーマを置いた。精製BARD1断片を抗原として用いてハイブリドーマ上清をELISAによって試験した。
【0053】
免疫沈降
アポトーシス小体を、EDTAを含まずプロテアーゼ阻害物質のカクテルで補ったPBS中の2% Triton X−100により氷上で30分に渡り抽出した。抽出物を15分に渡り13,000gで遠心し、そして上清を1/1000に希釈したヒトBARD1タンパク質に特異的なウサギのポリクローナル抗体(669D)(Wuら、1996及び Jinら、1997)と共にインキュベートした。一定の撹拌を伴う4時間に渡るインキュベーションの後、50μlの抗ウサギIgGアガロースを添加することによって免疫複合体を免疫沈降させた。アガロースに結合した免疫複合体を、1%のTriton X−100及びプロテアーゼ阻害物質を含有するPBSで洗浄し、そしてアガロースビーズから、電気泳動及び以下に記載の免疫ブロッティングの為の還元バッファー中で加熱することにより抽出した。
【0054】
ウェスタンブロッティング
電気泳動を変性条件下(SDS PAGE)(Laemmliら、1970)で行った。タンパク質を0.45μmのPVDFフィルター(ミリポア)上に移しそして一次抗体と接触させた。1/15000に希釈したホースラディシュペルオキシダーゼと結合した二次抗体(Sigma)を用いた。Super Signalキット(Pierce)を用いて、免疫複合体を化学発光により視覚化した。
【0055】
カップリングしたin vitro転写/翻訳及びin vitroによるタンパク質の開裂の特定
35S−メチオニンで標識したヒトBARD1タンパク質を、TNT結合網状赤血球溶出系キット(Promega)を用いてin vitroで転写及び翻訳した。4μlの35S−メチオニンを含有する転写及び翻訳の為の反応培地(MEN)中で1μgのプラスミドを用いた。in vitro開裂の為に、DIVバッファー(20mMのHEPES、pH7.5、10mMのNaCl、1.5mMのMgCl 、0.1%のSB14、0.5mMのPMSF)中で37℃で指示した時間に渡り、2μlの転写/翻訳産物をアポトーシス又は非アポトーシス細胞抽出物と共にインキュベートした。次いで加水分解産物をSDS−PAGEによって分離し、そしてホスホリメジャー445SI(Molecular Dynamrics)を用いて明らかにした。開裂の阻害をカスパーゼ阻害物質もしくはプロテアソーム阻害物質(ラクタシスチン)(Calbiochem)もしくはカルパイン阻害物質(ALLnL)(Chemicon)を添加することにより評価した。
【0056】
細胞周期の同期化
175cm のフラスコにおける接触阻止によってSW48細胞をG において捕えた。3日に渡りコンフルエントな状態にした後、75cm のフラスコにおいて3×10 細胞/フラスコの濃度で細胞を1:10に分けた。播種の12,20,28,36及び44時間後、細胞を5mMのNaBで24時間に渡り処理しそして回収した。各時、細胞周期の分布を特定する為に、各フラスコの含有物をトリプシンで処理し、氷冷したPBSで3回洗浄し、そして1mlの氷冷70%エタノールを滴下して−20℃で16時間に渡り固定化した。固定化した細胞はペレット化していた。500μlのPC緩衝液(96%の0.2M Na HPO 、4%の0.1Mクエン酸、pH7.8)中で再懸濁し、そして、30分に渡り室温に放置し、次いでそれらを染色溶液(PBS、0.12% Triton X−100、0.12mMMEDTA、100μg/ml RNaseA)において500μlのヨウ化プロピジウム中で再懸濁し、37℃で30分に渡りインキュベートしそしてFACScan(フローサイトメーター)(Backton Dickison)により解析した。in vitroでのタンパク質の開裂を特定する為に、細胞をこすりとり、そして細胞抽出物を従前に記載されたように調製した。
【0057】
結果
67kDのタンパク質をコードするcDNAのクローニング
ガンの治療のためにアポトーシス小体/IL2で処理したマウス由来の血清によるλTriplEx cDNAライブラリーのイムノスクリーニングにより、ラットBARD1遺伝子の456対のポジィティブ挿入物(F1断片)の同定がもたらされた。この断片は、アミノ酸460〜611番目に及ぶ(図1)。以下の表1にラット、ヒト及びマウスBARD1タンパク質間の相同性の百分率を与える。
【表1】
Figure 2004518410
【0058】
67kDタンパク質はBARD1の断片である
BARD1の断片と67kDタンパク質との同一性を証明できるようにする為に、本発明者は、腫瘍細胞及びアポトーシス小体におけるその発現を特定した。この目的の為に、F1断片に対するモノクローナル抗体(クローン6D10)を生産した。PROb及びREGbラットガン細胞上で試験した時には、モノクローナル抗体6D10は、97kDのタンパク質を認識したのみならず酪酸ナトリウムで処理した後に当該細胞から生じたアポトーシス小体中の約67kDのバンドも記録した(図2A)。この結果は、ヒトBARD1タンパク質に対するポリクローナル抗体669D(Wuら、1996及び Jinら、1997)を用いることで裏づけられた。SV48ヒト結腸細胞もしくはMCF7ホ乳動物腺細胞の酪酸ナトリウムでの処理は、ポリクローナル抗体669Dを用いての免疫沈降後に類似の結果をもたらす(図2B)。最後に、ラット、ヒトガンから生じたアポトーシス小体由来のBARD1のポリクローナル抗体669Dによる免疫沈降、それに続く処理したラット血清を用いての免疫ブロットで、67kDタンパク質の検出が可能になった(図2D)。この一連の結果は、BARD1の断片と67kDタンパク質との同一性を証明した。
【0059】
BARD1はアポトーシスの間に開裂する
ヒトMCF7ガンもしくはラットPRObガン由来のアポトーシス小体を、同じ膜上で、抗ヒトBARD1ポリクローナル抗体669DもしくはマウスBARD1タンパク質のN−末端の部分(アミノ酸101−114)に対する抗体WFS逐次とインキュベートした場合(Irminger−Finger 1988)、本発明者が観察したところによると、抗体WFSは67kD分子を認識しなかったが、一方で抗体669Dは67kD分子を各型のアポトーシス小体を認識した(図2C)。これは、BARD1の開裂部位が、N−末端部分中であるが、BARD1及びBRCA1タンパク質の相互作用に欠かせないRINGドメイン(アミノ酸40−84、図1)の下流にある、ことを強く示唆する(Wuら、1996)。
【0060】
アポトーシスの間のBARD1の開裂は細胞周期依存性である。
本発明者は、接着SW48細胞又は上清から回収したアポトーシス小体におけるBARD1の開裂に対する処理の効果を検証した。図3Aは、接着細胞溶解物が、放射性標識したヒトBARDタンパク質を4時間のインキュベーションの後に完全に開裂することを示している。その理由は、全長ヒトBARD1タンパク質が完全に消えそして67kDタンパク質が現われたからだ。しかし、アポトーシス小体の溶解物とのインキュベートはhBARD1の加水分解に対する影響を持たない。これらの結果は、BARD1の開裂に関連するタンパク質分解活性が、アポトーシス小体の形成及び細胞の分離をもたらすアポトーシスの最後の段階の前に介在することを示している。5mMのNaBで48時間に渡り処理したSW48接着細胞の溶出物によるhBARD1の加水分解をもたらす反応速度の解析では、開裂が1時間後に完了していることが示された(図3B)。NaBによるこの開裂の反応速度誘導の更なる解析では、NaBでの細胞の処理の4時間後にp67タンパク質が現れ、そしてその開裂は実質上12時間後に完了したことが示された。注目すべきことに、hBARD1の加水分解は、細胞周期依存的に調節されており、そしてG /G 期の間に優性にある。これは、80%の細胞がG /G 期にあり且つ5%のみがG /M期にある細胞分裂の32時間後の段階での、NaBの添加によってhBARD1がp67に完全に転換することによって証明された。
【0061】
実施例2
カルパインによる開裂
材料と方法
カスパーゼ活性の決定
カスパーゼ活性をアッセイする為に、10μgの細胞抽出物を5μlのDIV緩衝液中で希釈した。それぞれカスパーゼ3,6及び8に対する基質のアセチル−Asp−Glu−Val−Asp−7−アミノ−4−メチルクマリン(Ac−DEVD−AMC)、アセチル−Val−Glu−Ile−Asp−7−アミノ−4−メチルクマリン(Ac−VEID−AMC)及びアセチル−Ile−Glu−Ile−Asp−7−アミノ−4−メチルクマリン(Ac−IETD−AMC)(Bachem)を最終濃度50μMで添加した。開裂活性をFluorolite 1000(Dynatech laboratories)により調節した。
【0062】
細胞画分
細胞を75cm のフラスコ中で培養し、トリプシンで処理して、100μlのCEB緩衝溶液(50mMのHEPES pH7.4、50mMのMgCl 、1mMのDTT、10μMのサイトカラシンB)中に再懸濁した。再懸濁した細胞を氷上に30分に渡放置し、そして50ストロークのDounceホモジナイザーでホモジナイズし、そして氷中で冷却した。800g、4℃で10分に渡る遠心で核の画分を得た。ペレットをCEB緩衝液中で再懸濁して−80℃で保存した。ミトコンドリア及びポストミトコンドリア画分を13,000g、4℃で10分に渡る遠心後に得た。CEB中で再懸濁したミトコンドリアペレット及びポストミトコンドリア画分を等量の画分に分けて−80℃で保存した。
【0063】
結果
hBARD1の開裂を担うタンパク質分解活性を明らかにする為に、NaBで処理したSW48細胞由来の細胞抽出物の様々な調製物を試験した。見掛け上、核調製物及びミトコンドリア調製物の両方はhBARD1を開裂できた。オルガネラ調製物の13,000gでの上清は作用を持たなかった。
【0064】
アポトーシス過程のエフェクターであるプロテアーゼのカスケードは、カスパーゼ又はカルパインのようなシステインプロテアーゼを含んで成る。次いで本発明者は、特異的な基質を用いて、NaBでSW48細胞を処理する間のカスパーゼ活性を特定し、そしてカスパーゼ3,6及び8の活性は徐々に増加し、カスパーゼ3は、NaB処理の6時間及び12時間後に最大の活性であることを発見した。カスパーゼに対するペプチド阻害物質の利用では、カスパーゼ阻害物質のベンジルオキシカルボニル−Val−Ala−Asp−フルオロメチルケトン(Z−VAD−fmk)は、高濃度(100μM)でわずかにhBARD1の加水分解を阻害したことが分かった。他方、カスパーゼ3に対する阻害物質ベンジルオキシカルボニル−Asp−Glu−Val−Asp−フルオロメチルケトン(Z−DEVD−fmk)又はカスパーゼ6に対する阻害物質ベンジルオキシカルボニル−Val−Glu−Ile−Asp−フルオロメチルケトン(Z−VEID−fmk)は、作用を有さなかった。この現象は、精製カスパーゼ3がhBARD1の加水分解に対する効果を有さないという事実によって裏づけられた。これらの結果はhBARD1がカスパーゼの為の直接的基質ではないことを明らかに示した。加えて、プロテアソーム阻害物質のラクタシスチン(lactacystine)は、100μmの濃度でさえも、hBARD1のタンパク質分解を遮断しない。このことによりプロテアソームがこの機構に関連している可能性が除かれる。
【0065】
アポトーシスの間に分解したある数のタンパク質は、カルパインの標的である。カルパインの活性化の為のありうる機構は、in vivoカルパイン阻害物質、カルパスタチン(calpastatin)の開裂を含む(DeMartino ら、1984)。本発明者の結果は、第1にカルパスタチンがSW48細胞中でNaBでの処理の12時間後に完全に開裂し、そして第2には、カルパイン阻害物質I、ALLnL、及びEGTAは投与量依存的にhBARD1の加水分解を強力に阻害したことを示す。一連のこの結果ではBARD1タンパク質がカルパインによって加水分解されることが強く示唆される。
【0066】
実施例3
開裂したBARD1タンパク質の精製
翻訳されたタンパク質に対して特異的な抗体の生産
切断されたタンパク質のN及びC末端に位置しているペプチド配列に対して向けられたポリ及びモノクローナル抗体は、:
− ヒトBARD1タンパク質のアミノ酸255−265に対応するペプチド1に対して
− ヒトBARD1タンパク質のアミノ酸527−540に対応するペプチド2に対して
生産されている。
【0067】
ペプチドをKLHと連結させた。各々のウサギには各々、200μgのペプチドを3回の注射により、15日おきに与えた。4回目の注射を最後の注射の3週間後に与えた。遊離ペプチドを抗原として用いることで、ELISA技術によってウサギの血清上で抗体の生産を試験した。
【0068】
得られた血清の力価は高かった(1/16000)。加えて、2つの血清のペプチド間で交差反応性は観察されなかった。
【0069】
開裂したBARD1タンパク質の精製
これらの抗体は、本発明者が切断されたタンパク質を、アフィニティークロマトグラフィーによって、アポトーシス小体もしくは腫瘍細胞から又は上記のように生産された全BARD1タンパク質及びin vitroで開裂した(BARD1タンパク質)から精製することを可能にする。
【0070】
精製はアフィニティークロマトグラフィーの標準的な技術を用いて行われる。精製した画分は、生産された抗体を用いてのウェスタンブロッティングにより同定される。
【0071】
実施例4
切断されたBARD1タンパク質によるラットのワクチン処理
材料と方法
2つの群のBDIXラットに、BARD1のF1断片(アミノ酸460−611)又はF1断片と同じ条件下で精製したコントロールのタンパク質(フコシルトランスフェラーゼ)100μgの足底内注射を行った。タンパク質を100μlの完全Freundアジュバント中で乳化にした。最後の免疫化の2週間後、ラットの大腸腫瘍細胞(RDOb、50×10 /ラット)を皮下に注射し、そしてPROb腫瘍の体積を見積った。
【0072】
結果
腫瘍増殖低下が観察され、従って、67kD形態に由来するBARD1断片でのワクチン処理による保護作用が示される(図4)(各点は、標準偏差により6匹のラットで測定した腫瘍の平均の体積を示している)。
【表2】
Figure 2004518410

【図面の簡単な説明】
【図1】
ヒト、ラット及びマウスBARD1タンパク質のアミノ酸配列を示している。RINGモチーフ、3つのアンキリン(ankyrin)反復及びタンデムな2つのBRCTドメインに印をつけている。BARD1ヒトタンパク質の保存されたQ564H変異も示してある。アミノ酸配列の最高程度の同一性を達成するようにギャップを導入することによって配列が並べられている。次いで、各間隔を一つの非類似性として考慮することによってアミノ酸の同一性の値を計算している(表1)。BARD1 cDNA配列は、受入番号AF182946、マウスはAF057157及びヒトはGenbank番号U76638の下EMBL上で入手可能である。
【図2A】
ラット抗BARD1モノクローナル抗体6D10により明らかになったラット及びヒトガン細胞のタンパク質及びそれらのアポトーシス小体のウェスタンブロッティング解析である。
【図2B】
抗ヒトポリクローナル抗体669Dを用いて明らかにした同じ型の解析である。a,bはアポトーシス小体を意図することに注目するべきだ。
【図2C】
最初に抗マウスBARD1ポリクローナル抗体WFSを用いて行ったアポトーシス小体のウェスタンブロッティング解析である。免疫複合体をケミコンキット(chemiconkit)を用いて解離させ、そして更にフィルターを抗ヒトBARD1抗体669Dに掛けた。
【図2D】
抗ヒトBARD1抗体669Dにより明らかになったあるガン細胞由来のアポトーシス小体の溶出物の免疫沈降である。沈澱物を電気泳動に掛けそしてその後1/250に希釈したPRObアポトーシス小体で免疫化したラット由来の血清で免疫ブロッティングを行った。
【図3A】
コンフルエントな状態において24時間に渡り5mMのホウ酸ナトリウムで処理したSW48細胞溶出物によるヒトBARD1タンパク質のin vitro加水分解の産物の解析である。上清(1)又は接着細胞(2)から回収したアポトーシス小体をDIV緩衝液中で可溶化し、そして35S−メチオニンで標識したヒトBARD1タンパク質に添加した。37℃で4時間に渡るインキュベートの後、加水分解産物をSDS−PAGEによって分離し、そしてホスホリメジャーを用いてオートラジオグラフィーに掛けた。
【図3B】
同じ型の解析である。接着細胞をDIV緩衝液中で可溶化し、そして35S−メチオニンで標識したヒトBARD1タンパク質とそれぞれ0〜3時間(T0〜T3)に渡りインキュベートした。
【図4】
BARD1タンパク質のF1断片又はコントロールタンパク質(フコシルトランスフェラーゼ)でワクチン処理した後のBDIXラットにおけるPROb腫瘍増殖を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 単離されたポリペプチドであって、それは約67kDの分子量を有し且つその配列がBARD1のC末端の最後から505−525番目のアミノ酸からなる、単離されたポリペプチド。
  2. 請求項1記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列からなる、単離した核酸。
  3. 請求項2記載の核酸配列を含んで成る、クローニング及び/又は発現ベクター。
  4. 請求項3記載のベクターでトランスフェクトした宿主細胞。
  5. 請求項1記載のポリペプチドを生産する為の方法であって、請求項3記載の発現ベクターを宿主細胞中に移入し、そしてその細胞を前記タンパク質の発現を可能にする条件下で培養する方法。
  6. 請求項1記載のポリペプチドを、医薬的に許容できるビヒクルとの組み合わせにおいて含んで成る医薬組成物。
  7. 請求項2記載の核酸を、医薬的に許容できるビヒクルとの組み合わせにおいて含んで成る医薬組成物。
  8. 腫瘍の治療を目的とする医薬製品を生産する為の請求項6又は7記載の医薬組成物の利用。
  9. 請求項1記載のポリペプチドに対して特異的に向けられた抗体。
  10. 生物試料における請求項1に記載したポリペプチド又は請求項9記載の抗体のin vitro検出の為の方法であって、前記生物試料を、請求項9記載の抗体又は請求項1記載のポリペプチドのどちらかと接触せしめ、そして免疫複合体の形成を観察し、それぞれ前記ポリペプチド又は前記抗体の存在を明らかにする方法。
  11. プロアポトーシス薬剤(pro−apoptotic drug)で治療した患者において抗ガン治療の効果をモニタリングするin vitro方法であって、請求項1記載のポリペプチドに対して向けられた抗体、又は前記ポリペプチド自身を生物試料中で検出する方法。
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