JPH11239494A - カスパ―ゼ活性化dnア―ゼ - Google Patents

カスパ―ゼ活性化dnア―ゼ

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JPH11239494A
JPH11239494A JP10369093A JP36909398A JPH11239494A JP H11239494 A JPH11239494 A JP H11239494A JP 10369093 A JP10369093 A JP 10369093A JP 36909398 A JP36909398 A JP 36909398A JP H11239494 A JPH11239494 A JP H11239494A
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JP
Japan
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cad
protein
leu
caspase
icad
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Withdrawn
Application number
JP10369093A
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English (en)
Inventor
Juichi Osada
重一 長田
Masato Enari
政人 江成
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Osaka Bioscience Institute
Original Assignee
Osaka Bioscience Institute
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Publication date
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Publication of JPH11239494A publication Critical patent/JPH11239494A/ja
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々のアポトーシスに関与するカスパーゼで
活性化されるDNアーゼ(CAD)とそれをコードする遺
伝子を提供する。 【解決手段】 マウスのリンパ腫細胞の細胞質画分にカ
スパーゼで活性化されるDNアーゼ(CAD)を確認
し、CADを精製してCADをコードするcDNAを分
離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】動物の恒常性は細胞の増殖お
よび分化による他に、アポトーシスとして知られている
過程を経る細胞死によっても調節されている[1](本
明細書の一部を構成する引用文献を末尾に列挙し、明細
書中の引用箇所にその文献番号を付した)。余剰な細胞
多数が哺乳類の発育の間にアポトーシスによって除去さ
れる。細胞傷害性T細胞またはナチュラルキラー細胞が
ウイルス感染細胞または腫瘍細胞を殺す時、これらのエ
フェクター細胞は標的細胞内にアポトーシスを誘導する
[2]。アポトーシスによる細胞死は、細胞縮小、核の
凝縮、および微絨毛の消失[3]のような形態的変化を
伴うのが特徴である。アポトーシスの生化学的特徴は染
色体DNAのヌクレオソーム単位への切断であり、これ
が細胞死過程における最終的な打撃であると思われる
[4−6]。これまで、アポトーシスDNA分解の原因
であるヌクレアーゼとしてDNアーゼI、DNアーゼI
I、およびシクロフィリンのような様々なタンパク質が
候補として示唆されてきたが[7−9]、確認はされて
いなかった。
【0002】
【従来の技術】Fasリガンドは腫瘍壊死因子ファミリ
ーの一員であるが、活性化されたT細胞およびナチュラ
ルキラー細胞に発現され、その受容体であるFasに結
合することによって標的細胞にアポトーシスを誘導する
[2,10]。本発明者らおよび他の研究陣はFasの
活性化は、カスパーゼカスケードの活性化を誘導するこ
とを示した[11−14]。カスパーゼ(アポトーシス
プロテアーゼ)は前駆体型として合成され、アポトーシ
スシグナルがこの前駆体を変換して成熟酵素とし、この
酵素がカスケードの下流にある複数のカスパーゼを切
断、活性化する。今までにカスパーゼファミリーとして
少なくとも10個が確認されており[16]、それらは
基質特異性に基づいて3群のサブグループに分類されて
いる[17,18]。こうしてアポトーシスシグナルに
よって活性化されたカスパーゼはアクチン、ポリ(AD
P−リボース)ポリメラーゼ、フォドリン、およびラミ
ンのような種々の細胞内基質を切断する。これが細胞の
形態学的変化を起こすのかもしれない[19]。
【0003】Fasにより誘導されるアポトーシスはD
NAの分解も起こす[20]。Fasによってアポトー
シスを起こしている細胞から得られた細胞質画分は、分
離した核にDNA分解を誘導する因子を含むことが見出
されており、このことはヌクレアーゼまたはその活性化
分子がFas誘発アポトーシスの間に細胞内で作製され
ることを示唆している[21]。生細胞から得た細胞質
分画は核内でDNA分解を起こさないが、その抽出物は
カスパーゼ3処理でアポトーシス誘導性抽出物に変換さ
れる。これは、生細胞がDNA分解を誘導する分子の前
駆体を持っていることを示唆している[12]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アポトーシスの間にD
NA断片化が起きるとの観察以来[6]、数多くの研究
グループがアポトーシス性DNA分解の原因となるDN
アーゼの確認を試みた。しかし、アポトーシスの間に活
性化されるDNアーゼは非常に不安定かつ微量であり、
この酵素の精製は極めて困難であった[26]。DNア
ーゼI、DNアーゼII、シクロフィリン、およびDN
アーゼγを含めて数種の酵素およびタンパク質が候補と
して提案されたが[7−9,27]、これらの候補はど
れもアポトーシスDNアーゼとしての要件全てを満たす
ものではなく、その同定は未解決であった。
【0005】
【発明の概要】そこで、本発明者らはアポトーシス性D
NA分解の原因となるDNアーゼの検索を行い、細胞抽
出物からカスパーゼ3[12,15]処理で活性化され
る、比較的安定な前駆体としての新たなDNアーゼを確
認した。このDNアーゼの精製とそのcDNAの発現か
ら、これがDNアーゼIまたはDNアーゼIIと同等
か、さらに高い特異性のある活性を持つDNアーゼタン
パク質であることが判明した。このように、本発明者ら
は、カスパーゼ3処理後に核内でDNA分解を起こすこ
とのできるタンパク質を精製することに成功した。この
タンパク質はDNアーゼ活性を持つので、カスパーゼ活
性化DNアーゼ(CAD)と命名した。さらに、マウス
CADcDNAの分子クローニングにより、CADが3
42アミノ酸からなり、C末端に核局在化シグナルを持
つタンパク質であることがわかった。
【0006】本発明は、アポトーシスにおけるDNA分
解に関与するこのカスパーゼ活性化DNアーゼ(CA
D)を基礎とする。詳細には、本発明は、(a)配列番
号2に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質および
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において1も
しくは複数のアミノ酸が欠失、置換および/または付加
されたアミノ酸配列からなりかつ該タンパク質と同等の
DNアーゼ活性を有するタンパク質の中から選択される
DNアーゼ、好ましくはそのDNアーゼ活性がカスパー
ゼを介して活性化されるDNアーゼタンパク質; (2)本発明タンパク質をコードしている遺伝子、好ま
しくはDNA分子、より好ましくは配列番号1に示され
るDNA配列を有する遺伝子; (3)本発明遺伝子を含有するベクター、好ましくは発
現ベクター; (4)本発明発現ベクターにより形質転換された宿主細
胞; (5)本発明遺伝子と相補的な配列を有する、8塩基以
上からなるDNAもしくはRNAまたはそれらの化学的
修飾体; (6)この本発明DNAもしくはRNAまたはそれらの
化学的修飾体を含有するベクター;および (7)本発明タンパク質に対する抗体;に関する。
【0007】
【発明の詳しい説明】(1) 配列番号2に示されるア
ミノ酸配列を有するタンパク質CADはDNアーゼ活性
を有している。COS細胞中に産生させた組換えCAD
の生化学的分析は、殆どのアポトーシス細胞でDNA分
解を阻害するオーリントリカルボン酸[28,29]3
0μM濃度によってCADのDNアーゼ活性が阻害され
ることを示した。また、以下に示すようにCADは種々
の組織にかなり遍在的に発現され、そのアミノ酸配列に
は核局在化シグナルが含まれている。これらのことか
ら、他のDNアーゼがある状況下に一定の役割を演じる
可能性を完全に排除できるものでないが、CADはアポ
トーシスの間にDNA分解を起こすDNアーゼであると
考えられた。
【0008】CADとしての機能を発揮しうるタンパク
質、すなわち機能性CADタンパク質は、COS細胞お
よび無細胞系中でCADの特異的阻害剤(ICAD)の
存在下にのみ産生され、CADはICADと複合体を形
成していることが見出された。これらの結果はCADが
生細胞内ではICADとの不活性な複合体として存在す
ることを示唆する。アポトーシスシグナルによって活性
化されたカスパーゼはICADを切断してCADを放出
させ、次にこれが核内に入って染色体DNAを分解す
る。CADのこの活性化機序は転写因子NF−κBの活
性化機序と著しく類似している。なお、ICADの過剰
発現はFasの活性化またはスタウロスポリン処理によ
り誘導されるDNA分解を遮断した。
【0009】カスパーゼで活性化されたCADがICA
Dと結合し、また無細胞での転写、翻訳システム中で新
たに合成されたCADはICADとの複合体として回収
されたことから、非アポトーシス細胞における前駆体C
ADは、CADとICADの複合体として存在すると思
われる。部分精製CADを加熱してCADを不活化する
と、ICAD活性はCADを含んでいた画分に見出され
る。CADは等電点8.7を示す塩基性タンパク質であ
り、一方ICADは等電点4.5を示す酸性タンパク質
である。そこで、これらタンパク質2種の相互作用は静
電的相互作用によるものと考えられる。アポトーシス過
程の間に活性化されるプロテアーゼであるカスパーゼ3
[12,15]はICADを切断でき、多分これがIC
ADからのCAD放出を起こす。事実、潜在型およびカ
スパーゼ3活性化型のCADをゲル濾過法で分析する
と、見掛けの分子量は各々80kDaおよび40kDa
であった。アポトーシスの間のこのCAD活性化機序
(図7)は核転写因子NF−κB[30,31]の活性
化について結論された機序に非常に類似している。NF
−κBは細胞質中でI−κBとともに複合体として保持
されている。種々の刺激がキナーゼカスケードを活性化
し、これがI−κBのユビキチン依存性分解へと導び
く。分解したI−κBはNF−κBから解離し、それが
次に核に入って様々な遺伝子の発現を活性化または抑制
する。アポトーシスの経路では、サイトカインを含む種
々の刺激がカスパーゼのプロテアーゼカスケードを活性
化し、それがICADの分解を起こし、CADからの解
離を起こすのであろう。放出されたCADは核内に入る
ことができ、染色体DNAを分解するのであろう。NF
−κBは核局在化シグナルを持ち、I−κBの役割の一
つはこのシグナルを遮蔽してNF−κBの核への移動を
防ぐことにある[32]。CADも核局在化シグナルを
持つ。ICADにはCADのDNアーゼ作用を阻止する
性能があるが、潜在型CADはほとんどが細胞質内に見
出されるので、ICADはCADの核内への移動を阻止
しているのであろう。これらの点を解明するためには、
アポトーシスを引き起こしている細胞内でのCADの分
子的性質および局在を検討する必要があろう。
【0010】ほとんどのDNアーゼおよびプロテアーゼ
は合成されるとすぐにリソソームに隔離される。細胞質
にあるカスパーゼのようなある種のプロテアーゼは不活
性な前駆体型として存在し、種々の刺激がそれらを活性
な酵素に変換する[15]。DNアーゼであるCADが
COS細胞内または無細胞系で合成されても、CAD活
性は起動されず、CAD阻害剤であるICADの存在が
CADの機能的酵素を産生するために必要であった。こ
の機序は、「免疫性タンパク質」と呼ばれる阻害剤とと
もに調和して発現され直ちにそれと複合体を形成するコ
リシン遺伝子がコードする細菌DNアーゼの状況[3
3]と類似している。ICADには、事前に形成された
CADタンパク質からCAD活性を起動する性能がない
ことは、ICADが新生されつつあるCADポリペプチ
ドに正しい折り畳みを可能にする特異的シャペロンとし
て作用することを示唆している。シャペロンは新たなタ
ンパク質折り畳みの間にポリペプチド内またはポリペプ
チド間の正しくない会合を防止し、また非折畳み構造を
保持したまま細胞内オルガネラにタンパク質を誘導する
機能を発揮できるタンパク質である[34]。ほとんど
のシャペロンは多機能性で遍在的であるが、特異的なシ
ャペロン様機能は最近になってカリウムチャネルのβ−
サブユニット[35]および20Sプロテオソームのサ
ブユニットの一つ[36]で確認された。20Sプロテ
オソームのこのサブユニットは前駆体として合成され、
そのサブユニットは会合してプロテオソームになる間に
プロセシングされる。CADもN−末端に余分な2個の
アミノ酸(MetおよびCys)を持つプロテインとし
て合成される。この余分なアミノ酸がICADと会合す
ることによって除去される可能性もある。
【0011】本発明は別の態様として、CADのほか、
配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もしくは
複数のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された
アミノ酸からなり、かつ上記CADと同等のDNアーゼ
活性を有するタンパク質を包含する。これは、配列番号
1で示されるDNA配列を有する遺伝子を当業者に周知
の方法、例えば部位特異的突然変異誘発(Methods in E
nzymology, 100:448-(1983))やPCR法(Molecular Cl
oning 2nd Edt.15章,Cold Harbor LaboratoryPress (19
89),「PCR A Practical Approach」,IRL Press 200-210
(1991))により変異させ、これを配列番号1に記載の遺
伝子と同様にして発現させることにより、得ることがで
きる。なおここで、欠失、置換および/または付加され
るアミノ酸残基の数は、上記部位特異的突然変異誘発の
周知の方法により欠失、置換および/または付加できる
程度の数を指す。得られた変異タンパク質がカスパーゼ
活性化DNアーゼ活性を有するか否かは、後述する実施
例に記載の、CADの活性検出法と同様にして確認する
ことができる。
【0012】(2)別の態様として、本発明は本発明D
Nアーゼタンパク質をコードしている遺伝子を包含す
る。本発明遺伝子にはDNAおよびRNAが含まれ、好
ましくはDNAである。DNAの場合、cDNA、ゲノ
ミックDNAあるいは合成DNAであり得る。またDN
AおよびRNAいずれも2本鎖でも1本鎖でもあり得
る。1本鎖の場合、コード鎖あるいは非コード鎖であり
得る。より好ましくは配列番号1で示されるDNA配列
を有する遺伝子である。
【0013】(3)別の態様として、本発明は本発明遺
伝子を含有するベクターを包含する。該ベクターには発
現ベクター、クローニングベクター、治療用ベクターな
どの種々の用途を持つベクターが包含される。好ましく
は発現ベクターである。発現ベクターは本発明タンパク
質の大量生産に利用できる。発現ベクターについての詳
細は以下の項に示す。治療用ベクターは本発明遺伝子を
投与し細胞内に導入する手法に用いられ、ウイルスベク
ター等がある。その他、プラスミドを直接筋肉内に投与
する方法(DNAワクチン法)、リポソーム法等があ
り、これらにもベクターが用いられる。CADは核内に
移行してDNAの分解をもたらすので、癌細胞などを死
滅させる等において、本発明治療用ベクターは遺伝子治
療に有用であろう。
【0014】(4)別の態様として、本発明は本発明発
現ベクターにより形質転換された宿主細胞が包含され
る。宿主細胞には原核細胞、真核細胞が含まれ、細菌、
真菌、哺乳動物細胞等が例示される。
【0015】(5)別の態様として、本発明は、本発明
遺伝子と相補的な配列を有する、8塩基以上からなるD
NAもしくはRNAまたはそれらの化学的修飾体が包含
される。「相補的な配列を有する」とはいわゆるアンチ
センスオリゴヌクレオチド、アンチセンスRNAあるい
はアンチセンスDNAと呼ばれるものを網羅する意味を
有する。これらは合成装置を用いて人工的に合成した
り、あるいは通常と逆向き(即ちアンチセンス向き)に
遺伝子を発現させることなどによって得ることができ
る。このアンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは8−
100塩基、好ましくは8−50塩基である。「化学的
修飾体」とは、本発明アンチセンスオリゴヌクレオチド
の細胞内への移行性または細胞内での安定性が高められ
た修飾体を意味し、例えばホスホロチオエート、アルキ
ルホスホトリエステル、アルキルホスホアミデート等の
誘導体が挙げられる[41]。これらアンチセンスヌク
レオチドはCADの発現を抑制する目的で利用される
他、in situハイブリダイゼーション等の研究用試薬と
しても有用である。投与方法は直接生体内の細胞に導入
するin vivo法等がある。
【0016】(6)あるいは、このアンチセンスオリゴ
ヌクレオチドを含有するベクターによって投与すること
もできる。本発明はこのようなベクターも包含する。ベ
クターとしてはウイルスベクター等が挙げられる。
【0017】(7)本発明は別の態様として、本発明タ
ンパク質に対する抗体を包含する。該抗体は本発明タン
パク質またはその断片を、例えば文献[42]に記載さ
れている手法を用いてマウスやウサギを免疫することに
より、容易に調製できる。好ましい本発明抗体はモノク
ローナル抗体である。モノクローナル抗体は文献[4
3,44]記載の手法により、免疫したマウスやラット
の脾臓またはリンパ節からリンパ球を取りだし、ミエロ
ーマ細胞と融合させてハイブリドーマを作製し、該ハイ
ブリドーマから入手できる。抗体の用途は、アフィニテ
ィークロマトグラフィー、cDNAライブラリーのスク
リーニング、医薬・診断薬等が挙げられる。CADの機
能を阻害する中和抗体が好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の態様を説明
する。CADの精製 Fas遺伝子の機能不全突然変異はリンパ節症および巨
脾症を起こす[2]。この突然変異マウスの1種MRL
−lprのリンパ節から得た細胞質抽出物は高レベルの
CAD活性を示し入手し易いので、これをCAD精製の
出発材料として用いるのが好ましい。しかし、CADは
生体内において広汎に発現されているので、他の組織を
用いることもできる。CADは精製の間に自己活性化を
起こし、さらにこの活性化型は不安定で容易に失活す
る。そこで粗製抽出物画分をまずカスパーゼ3の阻害
剤、例えばビオチン化−Asp−Glu−Val−As
p−クロロメチルケトン(bio−DEVD−cmk)
で処理し、抽出物内のカスパーゼ3を不活化する[1
2]。次にCADを硫酸アンモニウム分画、ヘパリンー
アガロース−、リソースQ−、およびリソースS−カラ
ムクロマトグラフィーを含む通常の精製操作によって精
製する。CAD活性は、核内でDNA分解を誘導する性
能またはプラスミドDNAを基質に用いるDNアーゼ活
性を検定して追跡される。粗製抽出物(S−100)は
構成的なDNアーゼ活性を含むであろうが、この活性の
大部分はリソースQカラムクロマトグラフィー等の精製
で除去される。この段階以後、CADのDNアーゼ活性
が核内でのDNA断片化活性とともに共精製される。
【0019】本願と同時係属出願(発明の名称:カスパ
ーゼ活性化DNアーゼの阻害剤:出願日;平成10年1
2月25日)において、本発明者らはヒトDFF45の
マウス類似体であるCAD阻害剤、ICADについて記
載している[22]。ICADは長鎖と短鎖の2種類が
あり、それぞれICAD−LおよびICAD−Sと表
す。前者のアミノ酸配列およびそれをコードするDNA
配列は配列番号4および3に示した。後者のそれらは配
列番号6および5に示した。本発明者らはカスパーゼ3
がICADを切断してその阻害作用を不活化することを
見出したことから(実施例、材料の項参照)、CADが
ICADと複合体を形成しているか、少なくともICA
Dに結合できると考えた。この可能性を検討するため
に、部分的に精製したCAD(リソースS画分)をビオ
チン化した。カスパーゼ3処理後に、サンプルを親和性
カラムGST−DFF45またはその対照カラム(GS
T−revDFF)に負荷した。この対照カラムはDF
F45を逆向きにしてGSTに融合させたものである。
結合したタンパク質をカラムからグルタチオンで溶出
し、溶出液をセイヨウワサビペルオキシダーゼ−複合ス
トレプトアビジンを用いるウェスタンブロッティングで
分析するとGST−DFF45親和性カラムから得た溶
出液に分子量40kDaの特異的バンドが観察された
が、このバンドは対照カラムから得た溶出液にはなかっ
た(図1a)。他方、部分精製CADをカスパーゼ3で
処理せずにDFF45親和性カラムに負荷すると、40
kDaタンパク質はカラムに保持されなかった。さら
に、カスパーゼ3処理サンプルをGST−DFF45親
和性カラムに負荷するとCAD活性は溶出液にのみ見出
された。これらの結果は40kDaタンパク質はCAD
であると思われること、およびそれがヒトのDFF45
またはICADに結合できることを示唆する。潜在型C
ADが上記親和性カラムに結合できないことは、この潜
在型がCADとICADの複合体であり、またカスパー
ゼ3処理がICADからCADを解放することを示唆す
る。このGST−DFF45はトロンビン切断部位を持
ち[23]、DFF45はカスパーゼ3によって切断で
きる[22]。従って、カラムをトロンビンとカスパー
ゼ3の組合せで処理すると40kDaのタンパク質がカ
ラムから溶出した(図1b参照)。トロンビンとカスパ
ーゼ3によって溶出した40kDaのサイズはグルタチ
オンによって溶出したものと同一で、分子量40kDa
のタンパク質(推測上のCAD)はカスパーゼ3によっ
ては切断されないことを示唆する。事実、CADの一次
配列には推測上のカスパーゼ3切断部位は見出されなか
った(下記および図2参照)。
【0020】タンパク質配列分析に十分な量の精製CA
Dを調製するには、リソースS画分をカスパーゼ3で活
性化してGST−DFF45親和性カラムに負荷する。
カスパーゼ3とトロンビンの組合せによる溶出はグルタ
チオンによる溶出よりも効率的なので、このカラムをト
ロンビンとカスパーゼ3で処理する。溶出液は銀染色で
分析すると(図1b)、40kDaにバンドを含んでい
る。この親和性カラムから得られる溶出液は強いCAD
活性を示すはずである。CAD標本をカスパーゼ3で処
理せずに親和性カラムに負荷すると、溶出液中には40
kDaタンパク質もCAD活性も検出されい。よって、
この40kDaタンパク質がCADであると結論され
る。
【0021】CADcDNAの分子クローニング 分子量40kDaの推測上のCADタンパク質をアミノ
酸配列分析して幾つかのペプチド断片を得る。それに基
づき縮重オリゴヌクレオチドプライマーを設計し、マウ
スT細胞リンパ腫cDNAライブラリーからのPCR増
幅を行う。次いで、得られたPCR産物をコロニーハイ
ブリダイゼーションによるcDNAライブラリーを検索
するためのプローブに用いる。このプローブとハイブリ
ッドを形成するクローンを入手し、その中で完全長コー
ド配列(長さ1.6kb)を有する1個をヌクレオチド
配列分析によって特性解析する。
【0022】COS細胞および無細胞系でのCAD発現 クローニングしたCADcDNAがCAD活性を持つタ
ンパク質をコードすることを確認するため、CAD発現
プラスミド(pEF−CAD)をCOS細胞に導入し、
細胞抽出物を調製した。図4aに示す通り、未処理抽出
物はDNA分解を誘導しなかったが、抽出物をカスパー
ゼ3処理するとCAD活性を示した。しかしその活性は
空のベクターを遺伝子移入した細胞よりも僅かに(4
倍)高い程度であった。CAD発現レベルが低かったこ
とから、ICADの役割に注目し、CADをICADと
ともに共発現させた。すると、抽出物は非常に強いCA
D活性を示した。図4bに示す通り、共発現させた細胞
内のCAD活性は対照細胞よりも約1000倍強力であ
った。これらの結果はクローニングされたcDNAは本
質的にDNアーゼ活性を持つCADをコードすることを
示す。
【0023】CADの発現におけるICADの役割を検
討する。転写翻訳共役系を用いる無細胞系において組換
えGST−ICADタンパク質の存在または非存在下に
CADタンパク質を合成させる(図5)。結果、どちら
の場合もCADは分子量40kDaのタンパク質として
合成されるが(図5a)、ICAD非存在下に合成され
たCADはCAD活性を全く示さず、ICAD存在下に
合成されたCADはプラスミドDNAを消化した(図5
b)。また、CAD合成後の反応混合物にICADを加
えても、混合物にはCAD活性は見出せない。これらの
結果は機能性CADはICADの存在下でのみ合成され
ることを示し、新たに合成されたCADはICADと複
合体を形成していることを示唆する。
【0024】以下に、図面について詳細に説明する。図
1は、40kDaタンパク質としてCADを確認した電
気泳動写真の模写図である。 .部分精製CAD(リソースS画分、0.1mg)を
ビオチン−N−ヒドロキシサクシンイミドエステル(ピ
アース社)でビオチン化し、6μg/mLのカスパーゼ
3の存在下(レーン2および4)または非存在下(レー
ン1および3)に4℃で一夜処理し、次に5μM−bi
o−DEVD−cmkとともに4℃で30分間インキュ
ベーションしてカスパーゼ3を不活化した。サンプル
(タンパク質16μg)をGST−DFF45親和性ビ
ーズ(容積10μL)(レーン1および2)または対照
GST−revDFF親和性ビーズ(レーン3および
4)に負荷した。ビーズを5mM−グルタチオンを含む
緩衝液D20μLとともに4℃で2時間インキュベーシ
ョンした。ビーズから放出されたタンパク質を4〜20
%勾配ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析
し、PVDF膜に写した。膜をセイヨウワサビ過酸化酵
素複合ストレプトアビジンでプローブし、ビオチンスト
レプトアビジン複合体を化学発光システム(デュポンN
EN社、ルネッサンス)によって可視化した。分子量マ
ーカー(レインボウマーカー、アマーシャム社)はkD
単位で左側に示した。
【0025】.リソースS画分(タンパク質各2m
g)を2.6μgのカスパーゼ3の存在下(レーン2)
または非存在下(レーン1)に4℃で一夜インキュベー
ションした。カスパーゼ3をbio−DEVD−cmk
で不活化後、サンプルをGST−DFF45親和性カラ
ムに負荷した。親和性カラムから得た溶出液(100μ
L)の所定量(5μL)を10〜20%勾配ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動によって分析し、タンパク質を銀
染色によって可視化した。緩衝液Dを同じ操作:すなわ
ち、GST−DFF45親和性カラムへの結合およびカ
スパーゼ3およびトロンビンによる溶出、に付した。こ
の操作によって得られた溶出液の銀染色をレーン3に示
す。このレーンに見られるタンパク質は大部分がカスパ
ーゼ3、トロンビンおよびGST−DFF45カラムか
ら放出されたタンパク質である。マーカータンパク質の
分子量はkD単位で左側に示した。推測上のCAD、約
40kDaのタンパク質を矢印で示す。 .マウス肝臓核(レーン1および2)またはプラスミ
ドDNA(レーン3および4)を使用して、で得られ
た親和性カラムから得た溶出液(100μL)中の1μ
L量のCAD活性を測定した。カスパーゼ3処理サンプ
ル、レーン1および3、をGST−DFF45親和性カ
ラムに負荷した。レーン2および4ではサンプルをカス
パーゼ3処理せずに親和性カラムに負荷した。
【0026】図2は、cDNA配列から予測したマウス
CADの1文字表示によるアミノ酸配列である。各行の
上側の数字はアミノ酸の位置を示す。アミノ酸はMet
−1から始めて番号付けしてある。精製CADのN−末
端はAla−3に始まる。精製CADから得られたペプ
チド5種に下線を付した。C末端にある推測上の核局在
化シグナルを二重下線で示した。
【0027】図3は、CADmRNAの組織分布を示
す。ポリ(A)RNAは記載した組織からQuick・
Prep(商標)micro・mRNA調製キット(フ
ァルマシア社)を用いて調製した。RNAサンプル(各
2μg)を電気泳動に付し、報告[40]通りにノーザ
ンハイブリダイゼーションによって分析した。32P標識
したマウスCADcDNA(上図)またはヒトEF−1
αcDNA(下図)をプローブに用いた。
【0028】図4は、COS細胞中でのマウスCADの
発現を示す電気泳動写真の模写図である。 .COS細胞にpEF−BOS(レーン1および2)
(MizushimaおよびNagata、Nucleic Acids Res.18,5322
(1990))、pEF−CAD(レーン3および4)、また
はpEF−ICAD−L(レーン5および6)(参考例
1参照)を遺伝子移入するか、またはpEF−CADと
pEF−ICAD−Lを共遺伝子移入(レーン7および
8)して、実施例に記載した通りに細胞抽出物を調製し
た。7.5μg/mLのカスパーゼ3の非存在下(レー
ン1、3、5および7)または存在下(レーン2、4、
6および8)に核(上図)またはプラスミドDNA(下
図)を用いて抽出物の所定量(タンパク質8μg)をC
AD作用について検定した。 .pEF−BOS(レーン1〜4)、pEF−CAD
(レーン5〜8)またはpEF−ICAD−L(レーン
9〜12)を遺伝子移入したか、またはpEF−CAD
とpEF−ICAD−Lを共遺伝子移入(レーン13〜
22)したCOS細胞から細胞抽出物を調製した。各抽
出物からの所定量を7.5μg/mLのカスパーゼ3の
存在下にマウス肝臓核(上図)またはプラスミドDNA
(下図)を用いてCAD活性について検定した。使用し
たタンパク質の量は各レーンの上側に記載した。
【0029】図5は、無細胞系でのマウスCADの発現
を示す電気泳動写真の模写図である。 .pcDNA−CAD(レーン3および4)または空
ベクター(レーン1および2)を最終容積50μL中で
35S−Metの存在下に試験管内転写翻訳に付した。レ
ーン2および4の反応混合物は160ngのGST−I
CAD−Lを含む。反応後、5μL量を10〜20%勾
配ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析し、続
いてオートラジオグラフィーに付した。標準タンパク質
の分子量はkD単位で左側に示した。 .マウスCADを最終容積50μL中、160ngの
GST−ICAD−L非存在下(レーン1、2、5、お
よび6)または存在下(レーン3、4、7、および8)
に試験管内転写翻訳系で合成した。3μL量を用い、1
50ngのカスパーゼ3非存在下(レーン1、3、5、
および7)または存在下(レーン2、4、6および8)
に、核(レーン1〜4)またはプラスミドDNA(レー
ン5〜8)でCAD活性を測定した。
【0030】図6は、CADのICAD−Lへの結合を
示す電気泳動写真の模写図である。 .マウスCADcDNA(レーン3および4)または
空ベクター(レーン1および2)を最終容積50μL
中、35S−Metの存在下に試験管内転写翻訳に付し
た。レーン2および4の反応混合物には160ngのG
ST−ICAD−Lを含めた。ICAD−Lを抗FLA
G抗体(コダック社、M2抗体)により、免疫沈降し、
沈降物を15μLのサンプル緩衝液中で90℃に5分間
加熱した。溶出したタンパク質を10〜20%勾配ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動し、標識されたタンパク質
をオートラジオグラフィーで可視化した。標準タンパク
質の分子量はkD単位で左側に示した。 .マウスCADを160ngのGST−ICAD−L
非存在下(レーン1および2)または存在下(レーン3
および4)に試験管内転写翻訳系で合成した。ICAD
−Lを上記抗FLAG抗体(レーン2、4、6および
8)または対照抗体(レーン1、3、5および7)とと
もに免疫沈降させ、沈降物を10μLの緩衝液Dに懸濁
した。3μL量を用いて150ngのカスパーゼ3存在
下に核(レーン1〜4)またはプラスミドDNA(レー
ン5〜8)でCAD活性を測定した。
【0031】図7は、アポトーシスにおけるCADおよ
びICADの機能を示す模式図である。CADタンパク
質が合成される時、ICADはCADの新生鎖に結合し
てその正しい折り畳みを可能にするのであろう。ICA
DはCADと複合体を形成したまま存続してCADのD
Nアーゼ活性を阻害し、また核局在化シグナルを遮蔽し
てCADを細胞質内に留めるのであろう。アポトーシス
刺激がカスパーゼを活性化するとICADが切断され、
放出されたCADは核に入ることができ、そこで染色体
DNAを分解する。
【0032】
【実施例】以下の実施例において、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明の範囲はこれらによって何ら限定
されるものではない。材料 組換えカスパーゼ3は文献記載の通りにE.coliで
生産して精製した[37]。ビオチン化−Asp−Gl
u−Val−Asp−クロロメチルケトン(以下、bi
o−DEVD−cmkという)はペプチド研究所に注文
して合成した。タンパク質精製に使用した充填カラムは
全てファルマシア社から入手した。
【0033】CAD検定法 CAD活性はマウス肝臓核を用いるDNA断片化検定
[21]により、またはDNアーゼ活性検定により測定
した。略述すれば、アポトーシス検定のためには核(2
×105個)をサンプルとともに150ngのカスパー
ゼ3を含む20μLの緩衝液A(10mM−HEPES
−KOH、pH7.0、50mM−NaCl、20%
(v/v)グリセリン、40mM−β−グリセロ燐酸、
2mM−MgCl2、5mM−EGTA、0.1mM−
(p−アミノフェニル)メタンスルホニルフルオリド
(APMSF)、5mM−DTT、および1mg/mL
ウシ血清アルブミン)中で30℃で2時間インキュベー
ションした。反応後、DNAを核から抽出し、1.5%
アガロースゲル電気泳動によって分析した。場合によっ
ては、放出されたDNA/ヒストン複合体をベーリンガ
ーマンハイム社から入手したキットを用いるELISA
システムで定量した。DNアーゼの検定には、前記反応
混合物の核をプラスミドDNA1μgと置き換えた。
【0034】実施例1:CADの精製および配列分析 MRL−lpr/lprマウス(4〜6月齢)をSLC
から購入した。リンパ節(約70.4g)をマウス14
匹から調製し、抽出緩衝液(12.5mM−PIPES
−NaOH、pH7.0、75mM−HEPES−KO
H、pH7.0、12.5mM−KCl、37.5mM
−NaCl、2mM−MgCl2、5mM−EGTA、
1mM−DTT、5mM−サイトカラシンB、1mM−
フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、リ
ューペプチン1μg/mL、ペプスタチンA1μg/m
Lおよび30mM−β−グリセロ燐酸)244mLに懸
濁した。細胞を凍結および解凍の3周期で崩壊し、10
0,000×gで2時間遠心分離した。S−100画分
(タンパク質3150mg)を0.1mMのbio−D
EVD−cmkとともに4℃で30分間インキュベーシ
ョンして、カスパーゼ3を不活化した。次にこのサンプ
ルを25%から50%飽和硫酸アンモニウムで分画し、
緩衝液B(10mM−トリスHCl、pH8.9、50
mM−NaCl、20%(v/v)グリセリン、1mM
−DTT、0.1mM−APMSF、および0.15%
CHAPS)に対して透析し、緩衝液Bと平衡させたH
iTrap−Heparin20mLのカラムに負荷し
た。150mM−NaClを含む緩衝液Bで洗った後、
タンパク質(タンパク質89.6mg)を500mM−
NaClを含む緩衝液Bで溶出し、緩衝液Bと平衡させ
たPD−10カラムを通した。このサンプルを緩衝液B
と平衡させた6mLのリソースQカラムに負荷し、保持
されたタンパク質を150mMから400mMまでの直
線NaCl勾配で溶出した。活性画分(タンパク質1
6.4mg)を集め、緩衝液C(20mM−HEPES
−KOH、pH7.0、20%(v/v)グリセリン、
0.1mM−APMSF、1mM−DTTおよび0.1
5%CHAPS)と平衡させたPD−10カラムを通し
た。このサンプルを緩衝液Cと平衡させたリソースSカ
ラム(容積1mL)に負荷し、保持されたタンパク質を
0mMから500mMまでの直線NaCl勾配15mL
で溶出した。活性画分(タンパク質2mg)を集め、緩
衝液D(10mM−HEPES−KOH、pH7.0、
50mM−NaCl、20%(v/v)グリセリン、4
0mM−β−グリセロ燐酸、2mM−EGTA、0.1
mM−APMSF、1mM−DTT、および0.02%
トゥイーン20)と平衡させたPD−10カラムを通し
た。このサンプルを2.6μgのカスパーゼ3とともに
4℃で一夜インキュベーションし、次に5μM−bio
−DEVD−cmkとともに4℃で30分間インキュベ
ーションしてカスパーゼ3を不活化した。混合物にGS
T−DFF45親和性ビーズ(容積25μL)を加え、
これを次に4℃に2時間放置した。緩衝液Dで洗った
後、ビーズを50μLの緩衝液Dに懸濁した。この懸濁
液に2μgのカスパーゼ3および6μgのトロンビンを
加え、室温で一夜および37℃で1時間で順次インキュ
ベーションした。このビーズを遠心分離して除き、ビー
ズから放出されたタンパク質を集めた。
【0035】このように、タンパク質配列分析に十分な
量の精製CADを調製するため、リソースS画分をカス
パーゼ3で活性化してGST−DFF45親和性カラム
に負荷した。カスパーゼ3とトロンビンの組合せによる
溶出はグルタチオンによる溶出よりも効率的なので、こ
のカラムをトロンビンとカスパーゼ3で処理した。溶出
液は銀染色で分析すると(図1b)、40kDaにバン
ドを含んでいた。35kDa以下にある数個の強いバン
ドはカラムからタンパク質を溶出するために用いたトロ
ンビンとカスパーゼ3に由来するものであった。親和性
カラムから得た溶出液は強いCAD活性を示した。図1
cに示す通り、40kDaタンパク質を1ナノグラム以
下含む溶出液1マイクロリットルは核内染色体DNAを
2時間以内に完全に断片化でき、またプラスミドDNA
を効率的に消化した。CAD標本をカスパーゼ3で処理
せずに親和性カラムに負荷すると、溶出液中には40k
Daタンパク質もCAD活性も検出されなかった(図1
bおよびc)。これらの結果から、本発明者らは40k
Daタンパク質がCADであると結論した。精製の概要
を表1に示す。ここでは核のCAD誘導DNA分解は核
から放出されたヒストン/DNAコンプレックスの量を
測定することによって定量的に検定した。マウスリンパ
節の細胞質画分から出発したCADの全精製率は約18
0000倍で、収率は2.3%であった。
【0036】
【表1】マウスCADの精製 段階 タンパク質 全活性 比活性 精製率 収率 (mg)(×1000単位)(単位/μg) (倍) (%) S−100 3150 1493 0.47 100 硫酸アンモニウム 850 960.5 1.13 2 65 ヘパリン 89.6 1333.2 14.9 32 90.2 リソースQ 16.4 944.6 57.6 123 63.9 リソースS 2.0 560.2 280.0 596 37.9GST-DFF45セファロース 0.0004 34.3 85800.0 182553 2.3 S−100画分は14匹のMRL−lpr/lprマウ
スのリンパ節から調製した。CAD活性を測定するには
2×105個の核をサンプルとともに150ngのカス
パーゼ3を含む緩衝液A中で30℃で2時間インキュベ
ーションした。核から放出されたヒストン/DNA複合
体を次にCell・Death・ELISAキットで検
定した。CAD活性1単位はELISA系で405nm
の吸光度1を与える活性として便宜的に定義した。この
検定での10単位はおよそ1μgのプラスミドDNAを
30℃で2時間に分解する活性に対応する。GST−D
FF45セファロースから得た溶出液のCADタンパク
質濃度はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の銀染
色から推測した。
【0037】ペプチド配列分析には、GST−DFF4
5親和性カラムから溶出したサンプルをマイクロコン−
10装置(アミコン社)を用いて濃縮し、10〜20%
勾配ポリアクリルアミドゲル(第一化学社)電気泳動に
よって分画し、ポリビニリジンジフルオリド膜(アプラ
イドバイオシステムズ社、プロブロット)にブロットし
た。ポンソウSで染色後、固定化したCAD(2〜4p
モル)を還元し、S−カルボキシメチル化し、報告[3
8]通りにアクロモバクタープロテアーゼIおよびAs
p−Nを用いて消化した。膜から放出されたペプチドを
Wakosil−II・AR・C18・300Aカラム
(和光純薬)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィー
によって分画し、タンパク質配列決定装置(島津、PP
SQ−23)を用いて配列決定した。得られた配列は配
列番号2に記載の配列と一致した。
【0038】実施例2:マウスCADcDNAのクロー
ニング 実施例1により得られた分子量40kDaの推測上のC
ADタンパク質をアミノ酸配列分析して5種のペプチド
断片を得た。これらの2種を用いて縮重オリゴヌクレオ
チドプライマーを設計し、マウスT細胞リンパ腫cDN
AライブラリーからのPCR増幅を行った。マウスWR
19L細胞のcDNAライブラリーをpEF−BOSベ
クター(FERM BP−3549;受託日1991年
9月6日)(MizushimaおよびNagata,Nucleic Acids Re
s.18,522(1990))を用いて構築した。このcDNAライ
ブラリーから精製マウスCADのアミノ酸配列に基づい
て設計した次の縮重プライマーを用いるPCRによって
マウスCADcDNAをクローニングした。センスプラ
イマーは5’−AA(A/G)TT(C/T)GGIG
TIGCIGC−3’であり、アンチセンスプライマー
は5’−TGI(C/G)(A/T)IAC(A/G)
TG(A/G)TGIA(A/G)IA(A/G)(A
/G)TC−3’であった。式中、Iはイノシンを示
す。反応混合物はライブラリーから得たプラスミドDN
A1μgと各プライマー100pモルをPCR緩衝液5
0μLに含んでいた。
【0039】これにより、322bpの断片が得られ、
これをコロニーハイブリダイゼーションによるcDNA
ライブラリーを検索するためのプローブに用いた。即ち
PCR産物(332bp)をプローブに用い、WR19
LcDNAをコロニーハイブリダイゼーションによって
検索した。このプローブDNAはランダムプライマー標
識キット(ベーリンガーマンハイム社)を用いて32Pで
標識し、実質的に報告[39]通り、コロニーハイブリ
ダイゼーションを行った。1×106個のクローンから
陽性クローン8個を得た。その中で、4個のクローンは
マウスCADの完全長コード配列(長さ1.6kb)を
持っていた。DNA配列決定装置(アプライドバイオシ
ステムズ社、PRIZM310)を用いて、そのうちの
1個のcDNAの両鎖を配列決定した(配列番号1)。
このcDNA(pEF−CAD)は344アミノ酸の読
取り枠を含んでいた(図2)。精製タンパク質から得た
ペプチド配列5種はこのコード配列の中に見出すことが
できた。精製CADのN−末端はコード配列の3番目に
現れるアラニンであることが確認されて、マウスCAD
はN−末端で翻訳後プロセシングを受けるらしいことが
示唆された。成熟タンパク質のN−末端に先行する余分
なメチオニン残基とシステイン残基は様々な種のアクチ
ン遺伝子に見出されている[24]。成熟CADは34
2アミノ酸から構成され、分子量計算値39333Da
はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動からの推測
とよく一致する。上記DNA、pEF−CADを大腸菌
に導入したEscherichia coli/pEF−CADは茨城県
つくば市東1丁目1番3号、工業技術院生命工学工業技
術研究所に寄託されている(受託日:平成9年12月1
6日;受託番号:FERM P−16558)。
【0040】マウスCADはCys残基に富み(成熟タ
ンパク質中、12残基)、等電点8.7の塩基性タンパ
ク質である。GenBankデータベースのBLAST
検索ではCAD遺伝子と相同的な遺伝子が見当たらず、
CADは新規遺伝子産物であることが判明した。しか
し、C−末端にある15アミノ酸残基からなる配列は核
局在化シグナルの特徴を有し[25]、これはCADが
核内に入って染色体DNAを分解できる事実と符合す
る。CADmRNAの組織分布をノーザンハイブリダイ
ゼーションによって検討したところ、心臓を除く全組織
が約2.5kBのCADmRNAを発現する(図3)こ
とが見出された。肺、小腸、卵巣、子宮および脾のよう
ないくつかの組織はCADmRNAを豊富に発現した。
【0041】実施例3:COS細胞および無細胞系での
CAD発現 クローニングしたCADcDNAがCAD活性を持つタ
ンパク質をコードすることを確認するため、CAD発現
プラスミド(pEF−CAD)をCOS細胞に導入し、
細胞抽出物を調製した。図4aに示す通り、未処理抽出
物はDNA分解を誘導しなかったが、抽出物をカスパー
ゼ3処理すると空のベクターを遺伝子移入した細胞より
も僅かに(4倍)高いCAD活性を示した。このCAD
発現レベルが低かったのことについて本発明者らは二つ
の可能性を考えた。すなわち、機能性あるCADはIC
ADの非存在下では合成できないのか、または遺伝子移
入した細胞がCADによって直ちに殺されたかのいずれ
かである。これらの可能性を検討するために、COS細
胞にCAD発現プラスミドをCAD活性を阻害すること
になるICAD発現プラスミドとともに導入した。CO
S細胞内のICAD単独の発現は内在性CAD活性を阻
害し、抽出物はカスパーゼ3処理後にさえ全くCAD活
性を示さなかった。他方、CADをICADとともに共
発現すると、抽出物は非常に強いCAD活性を示した。
図4bに示す通り、CADとICADを共遺伝子移入し
た細胞から得た全抽出物の10から20ナノグラムはカ
スパーゼ3で処理すれば、核内染色体DNAを効率的に
切断し、またプラスミドDNAを消化できた。この遺伝
子移入細胞内のCAD活性は空ベクターを遺伝子移入し
た対照細胞よりも約1000倍強力であった。これらの
結果はクローニングしたcDNAは本質的にDNアーゼ
活性を持つCADをコードすることを示す。しかし、こ
の活性はCADがICADと共発現された時のみ、CO
S細胞中に証明できる。
【0042】CADの発現におけるICADの役割を検
討するため、転写翻訳共役系を用いる無細胞系でCAD
タンパク質を合成した。すなわち、CADmRNAをT
7ポリメラーゼで合成し、網状赤血球抽出物中で組換え
GST−ICADタンパク質の存在または非存在下に翻
訳した(図5)。どちらの場合も、CADは分子量40
kDaのタンパク質として合成された(図5a)。IC
AD非存在下に合成されたCADはCAD活性を全く示
さなかったが、ICAD存在下に合成されたCADは、
生成物をカスパーゼ3で活性化した後には効率的に核内
染色体DNAを切断し、プラスミドDNAを消化した
(図5b)。しかし、CAD合成後の反応混合物にIC
ADを加えても、混合物にはCAD活性は見出せなかっ
た。これらの結果は機能性CADはICADの存在下で
のみ合成されることを示し、新たに合成されたCADは
ICADと複合体を形成されていることを示唆する。事
実、FLAGエピトープで標識したICADを抗FLA
G抗体で免疫沈降させると40kDaCADタンパク質
がICADと共沈降し(図6a)、沈降物のカスパーゼ
3処理は核内DNA断片化活性およびDNアーゼ活性を
起動した(図6b)。ICADが抽出物に入っていない
と40kDaタンパク質もCAD活性も観察されず、ま
た対照抗体はCAD活性を沈降させないので、この共免
疫沈降は特異的である。これらの結果から、CADがD
Nアーゼであること、CADがICADと複合体を形成
すること、および活性CADがカスパーゼ3の作用によ
って複合体から放出されることを確認した。
【0043】実施例4:組換えヒトDFF45と組換え
マウスICAD ヒトDFF45をコードするcDNA[22]はヒトK
T3cDNAライブラリー[20]からPCRによって
分離した。このPCR産物(1kb)をpGEX−2T
[128/129]のグルタチオンS−トランスフェラ
ーゼ(GST)遺伝子と正方向および逆方向に融合した
(各々pGEX−DFFおよびpGEX−revDF
F)。pGEX−2T[128/129]はpGEX−
2T(ファルマシア社)の誘導体であって、これにはF
LAG−エピトープ標識(DYKDDDDKA)および
心筋キナーゼ認識配列(RRASV)[23]がGST
遺伝子の後に挿入されている。このGST−DFF45
融合タンパク質をE.coliのAD202株(Nakano,
H., Yamazaki,T., Ikeda,M., Masai,H., Miyatake,S.お
よびSaito,T.(1994) Nucleic Acid Res.22:543-4)で発
現し、製造社の指示に従ってグルタチオン−セファロー
ス4Bに吸着させた。ビーズは湿ったビーズ1mL当り
約1mgのGST融合タンパク質を保持していた。
【0044】実施例5:COS細胞への遺伝子移入、試
験管内転写翻訳、および免疫沈降 プラスミドpEF−ICAD−LはマウスICAD−L
の哺乳類発現ベクターである。サルCOS7細胞に報告
[40]通り、電気穿孔によってプラスミドDNAを遺
伝子移入した。37℃で48時間の培養後、細胞を緩衝
液D0.1mLに懸濁し、凍結および解凍の反復によっ
て崩壊させ、細胞の破砕片および核を除去するため15
000rpmで15分間遠心分離した。無細胞系でCA
Dを発現するには、マウスCAD完全長コード配列をp
cDNAI/Ampベクター(インビトローゲン社)の
T7プロモーターの下に置いて、pcDNA−CADと
命名した。製造社の指示に従って、TNTインビトロ転
写/翻訳キット(プロメガ社)を用いる転写翻訳共役系
をCADに適用した。すなわち、pcDNA−CADの
DNA(1μg)をTNT試薬40μLおよび40μC
iの35S−メチオニン(アマーシャム社)とともにGS
T−ICAD−L融合タンパク質160ngの存在下に
30℃で2時間インキュベーションした。ICAD−L
/CAD複合体を免疫沈降させるため、反応混合物を
0.5mLまで緩衝液Dで希釈し、抗FLAG・M2親
和性ビーズ(コダック社、3mgIgG/mLビーズ)
10μLを加えた。4℃で2時間インキュベーションし
た後、ランメリのサンプル緩衝液中、90℃に5分間加
熱して結合したタンパク質を溶出させ、10〜20%勾
配ポリアクリルアミドゲル電気泳動に付し、増感板を用
いてX−OMAT・X線フィルム(コダック社)に感光
させた。
【0045】以下に参考例を示す。尚、参考例において
使用したCADおよびICADの検定法は以下の通りで
ある。CADおよびICADの検定法 CAD活性はマウス肝臓核を使用するアポトーシスにつ
いての試験管内検定法によって、または基質としてプラ
スミドDNAを使用するDNアーゼ活性測定法によって
測定した。すなわち、100μg/mLのウシ血清アル
ブミン(BSA)およびATP再生系(2mM−AT
P、10mM−ホスホクレアチン、および50μg/m
Lクレアチンキナーゼ)を含む20μLの緩衝液A(1
0mM−HEPES−KOH、pH7.0、50mM−
NaCl、5mM−MgCl2、5mM−EGTA、1
0%グリセリン、および1mM−DTT)中で75ng
の組換えカスパーゼ3[22]とともにサンプルを4℃
で12時間および30℃で1時間インキュベーションし
た。10μM−Ac−DEVD−cho(ペプチド研究
所)とともに4℃で30分間インキュベーションしてカ
スパーゼ3を不活化後、核(1×106個)を混合物に
加え、4℃で12時間および30℃で1時間インキュベ
ーションした。DNAを核から回収し、1%アガロース
ゲル電気泳動によって分析した。DNアーゼ活性を測定
するには核の代わりに1μgのプラスミドDNAを用い
て30℃で2時間インキュベーションした。
【0046】ICAD活性はCAD活性の阻害を観察す
ることによって測定した。活性化CADの原料として
は、Fas活性化細胞から得た細胞質画分またはカスパ
ーゼ3活性化部分精製マウスCAD(リソースS画分、
前記同時係属出願参照)を使用した(参考例1参照)。
すなわち、マウスW4細胞を0.5μg/mLの抗Fa
sJo2抗体[37]で37℃で20分間処理し、報告
[25]の通りS−100画分を調製した。この画分中
のカスパーゼ3は10μM−Ac−DEVD−choと
ともに4℃で30分間インキュベーションして不活化し
た。部分的に精製したCADについては、CAD(10
0ng)を150ngのカスパーゼ3とともに100μ
g/mLのBSAを含む緩衝液A100μL中で4℃で
12時間および30℃で1時間インキュベーションし、
このカスパーゼ3はAc−DEVD−choで不活化し
た。被験サンプルは最終容積20μL中の活性CAD
(Fas活性化W4細胞から得た細胞抽出物の20μg
または活性化部分精製マウスCADの5ng)に加え
た。4℃で30分間インキュベーションした後、標的と
して核またはプラスミドDNAを使用して残留CAD活
性を前記の通りに測定した。
【0047】参考例1:ICADの精製およびペプチド
の配列決定 プロテアーゼ阻害剤の混合物[1mM−(p−アミノフ
ェニル)メタンスルホニルフルオリド塩酸塩(p−AP
MSF)、1μg/mLアプロチニン、1μg/mLロ
イペプチン、および1μg/mLペプスタチンA]を添
加した緩衝液AにマウスWR19L細胞を懸濁した(2
×109細胞/mL)。細胞をガラス製のダウンスホモ
ジナイザーに移し、凍結および解凍を3周行って崩壊さ
せたが、各解凍サイクルの間にペッスルで摩りつぶし
た。ホモジネートを30000×gで30分間および1
00000×gで12時間遠心分離してS−100画分
を得た。このS−100画分(1710mg)を緩衝液
Aと平衡させたDEAEセファロースFFカラム(容積
170mL、ファルマシア社)に負荷した。カラムを緩
衝液Aで洗い、1700mL中の50〜350mM−直
線状NaCl勾配で溶出した。活性画分(タンパク質1
25mg)を集めて、25%飽和から50%飽和までの
硫酸アンモニウムで分画し、1M−硫酸アンモニウムを
添加した緩衝液B(50mM−NaCl不含緩衝液A)
に溶解した。このサンプルをブチル−セファロース4F
Fカラム(容積18mL、ファルマシア社)に負荷し、
1M−硫酸アンモニウムを添加した緩衝液Bと平衡させ
た。このカラムを1.0から0Mまでの硫酸アンモニウ
ムを直線状濃度減少勾配で含む緩衝液B180mLで溶
出し、続いて緩衝液Bによって溶出した。活性画分を集
めて最終濃度0.8Mになるまで硫酸アンモニウムを加
えた。不溶性物質を除去後、サンプル(タンパク質4.
2mg)をフェニル−スーパロースHR5/5カラム
(ファルマシア社)に負荷し、10mLの緩衝液Bで溶
出した。活性画分(1.3mg)を集め、最終濃度0.
02%になるまでトゥイーン20を加えた。サンプルを
緩衝液C(0.02%トゥイーン20含有緩衝液A)と
平衡させたスーパデックス−200HR10/30ゲル
濾過カラムに負荷した。各活性画分を90℃で15分間
加熱し、100000×gで30分間遠心分離して沈降
物を除いた。ペプチド配列分析のためにはサンプルを1
0〜20%勾配ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、
ポリビニリジンジフルオリド膜(プロブロット、アプラ
イドバイオシステムズ社)にブロットした。ポンソーS
で染色後、固定化したICAD(約10pモル)を還元
し、S−カルボキシメチル化し、報告[38]通りに原
位置でアクロモバクタープロテアーゼIによって消化し
た。膜から溶出したペプチドをワコーシル(Wakos
il)−II、AR・C18・300Aカラム(和光純
薬)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーによって
分画し、タンパク質配列決定装置(島津、PPSQ−2
3型)を使用して配列決定した。
【0048】ゲルからのICADの回収 ICADは実質的にHagerら[36]に従ってポリ
アクリルアミドゲルから回収した。すなわち、ICAD
100ngをランメリ(Lammelli)のサンプル
緩衝液中で95℃に5分間加熱し、ポリアクリルアミド
ゲル(第一化学)で電気泳動した。ゲルを3〜5mm厚
の細片に切断し、H2Oで洗い、1mLの緩衝液(50
mM−トリスHCl、pH8.0、5mM−DTT、
0.1mM−EDTA、150mM−NaCl、0.1
%SDSおよびBSA0.1mg/mL)中で砕き、室
温で一夜撹拌した。ゲルから溶出したタンパク質を冷ア
セトンで沈降させ、6M−グアニジンHClを含む緩衝
液Cに溶解した。この溶液を室温で20分間インキュベ
ーションし、緩衝液Cに対して室温で透析した。
【0049】参考例2:ICADcDNAの分子クロー
ニング オリゴヌクレオチド2種(5’−GATTCCGATG
GAGGGAC−3’および5’−GATAAACTC
AGCTCTGG−3’)をESTクローン#6157
12から設計した。これは精製ICAD(図3)のペプ
チド配列の一つをコードしている。WR19LのcDN
AライブラリーからcDNA(476bp)をPCRに
よって増幅し、ランダムプライマー標識キット(ベーリ
ンガーマンハイム社)を用いて32Pで標識し、これをプ
ローブに用いてWR19LのcDNAライブラリーを検
索した。コロニーハイブリダイゼーションを報告[3
9]の通りに行って、2×105クローンの中から8個
の陽性クローンを得た。その中で2個のクローンがIC
AD−LのcDNAを、他の2個のクローンがICAD
−SのcDNAを有していた。各型のcDNAから1個
を取り、DNA配列決定装置(ファルマシアアルフレッ
ド社)を用いて両鎖について配列決定した(配列番号3
および5)。
【0050】参考例3: E.coliにおけるICA
Dの発現 D117EおよびD224Eの突然変異体を作製するた
め、ICAD−SおよびICAD−LのcDNAを突然
変異ヌクレオチドを有する20ヌクレオチドのプライマ
ーを用いて組換えPCR法[40]により突然変異させ
た。D117E/D224E二重突然変異体はD117
とD224の間にあるBglII部位を用いてD224
E突然変異体のN−末端側の半分をD117E突然変異
体のものに置換して作製した。野生型および突然変異型
のcDNAをpGEX−2T[128/129]のグル
タチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子に
融合させた。pGEX−2T[128/129]はpG
EX−2T(ファルマシア社)から読取り枠内にGST
遺伝子に続けてFLAGエピトープ標識(DYKDDD
DKA)および心筋キナーゼ認識部位(RRASV)を
挿入する[41]ことによって誘導した。この融合タン
パク質をE.coliAD202株で発現させ、本質的
に製造社の指示に従ってグルタチオン−セファロース4
B(ファルマシア社)によって精製した。グルタチオン
カラムから溶出した組換えICADを緩衝液C中のNa
Cl勾配によってモノQ・HR5/5カラムで精製し
た。
【0051】参考例4: ジャーカット細胞の形質転
換、細胞死検定およびウェスタンブロッティング 野生型のICAD−SおよびICAD−L、およびそれ
らの二重突然変異体のN−末端をFLAGエピトープで
標識し、pEF−BOSベクターに連結した[42]。
ヒトジャーカット細胞にICAD発現プラスミドおよび
pBLIIhygを電気穿孔法により報告[10]通り
に共遺伝子移入した。ハイグロマイシンB(800μg
/mL)耐性の形質転換体を釣り上げて増殖させた。個
々のクローン中のICAD発現を抗−FLAGモノクロ
ーナル抗体(クローンM2、コダック社)を用いるウェ
スタンブロッティングによって分析した。アポトーシス
を起こさせるため、ジャーカット細胞(2.5×105
細胞/mL)を0.5μg/mLのマウス抗ヒトFas
モノクローナル抗体(クローンCH11、MBL社)ま
たは10μM−スタウロスポリンとともに37℃でイン
キュベーションした。細胞死はR&Dシステムズ社から
のキットを用いるアネキシンV法[31]によって検定
した。DNA断片化は報告の通りに検定した[10]。
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼの蛋白分解はヒ
トポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼに対するマウ
スモノクローナル抗体(G.G.Poirier博士提
供)を用いるウェスタンブロッティングによって測定し
た。細胞質中のカスパーゼ3活性を測定するにはカスパ
ーゼ3認識部位を有するペプチド(DEVDAPK)を
強螢光性の(7−メトキシクマリン−4−イル)アセチ
ル基(MCA)およびそれを消光するペプチド研究所の
2,4−ジニトロフェニル(Dnp)基と結合して得ら
れた生成物MCA−DEVDAPK(dnp)を基質と
して使用した。
【0052】
【発明の効果】本明細書に記載した発明の成果は、CA
Dが、長い間求められてきたアポトーシスの間に染色体
DNAを切断するDNアーゼであること、を確証したこ
とにある。CADはアポトーシスプロテアーゼ(カスパ
ーゼ)を染色体DNAの分解と結びつけるものであり、
そのCADの確認および分子クローニングは細胞死因子
受容体または抗癌剤の作用に端を発するアポトーシス過
程全体の理解に寄与するものである。また、CADまた
はそれをコードする遺伝子、CADcDNAは、望まし
くない細胞、例えば癌細胞の除去、消滅の促進に、直接
あるいは間接的に利用することができる。さらに、CA
Dはアポトーシスが関与する細胞死に関する研究用試薬
として用いることができる。
【0053】 参考文献 1. Jacobson, M.D., Weil, M. & Raff, M.C., Cell, 88, 347-354 (1997). 2. Nagata, S., Cell, 88, 355-365 (1997). 3. Wyllie, A.H., Kerr, J.F.R. & Currie, A.R., Int. Rev. Cytol., 68, 251-306 (1980). 4. Compton, M.M., Cancer Metastasis Rev., 11, 105-119 (1992). 5. Wyllie, A.H., Morris, R.G., Smith, A.L. & Dunlop, D., J. Pathol., 142, 66-77 (1984). 6. Wyllie, A.H., Nature, 284, 555-556 (1980). 7. Peitsch, M.C. et al., EMBO J., 12, 371-377 (1993). 8. Montague, J.W., Huges, F.J. & Cidlowski, J.A., J. Biol. Chem., 272, 6677-6684 (1997). 9. Barry, M. & Eastman, A., Arch. Biochem. Biophys., 300, 440-450 (1993). 10. Nagata, S. & Goldstein, P., Science, 267, 1449-1456 (1995). 11. Enari, M., Hug, H. & Nagata, S., Nature, 375, 78-81 (1995). 12. Enari, M., Talanian, R.V., Wong, W.W. & Nagata, S., Nature, 380, 723-726 (1996). 13. Longthorne, V.& Williams, G., EMBO J., 16, 3805-3812 (1997). 14. Armstrong, R.C., et al., J. Biol. Chem., 271, 16850-16855 (1996). 15. Henkart, P.A., Immunity, 4, 195-201 (1996). 16. Alnemri, E.S. et al., Cell, 87, 171 (1996). 17. Talanian, R.V. et al., J. Biol. Chem., 272, 9677-9682 (1997). 18. Thornberry, N.A. et al., J. Biol. Chem., 272, 17907-17911 (1997). 19. Martin, S. & Green, D., Cell, 82, 349-352 (1995).
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【0056】
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【0057】 <210> 2 <211> 344 <212> PRT <213> human <400> 2 Met Cys Ala Val Leu Arg Gln Pro Lys Cys Val Lys Leu Arg Ala 1 5 10 15 Leu His Ser Ala Cys Lys Phe Gly Val Ala Ala Arg Ser Cys Gln 20 25 30 Glu Leu Leu Arg Lys Gly Cys Val Arg Phe Gln Leu Pro Met Pro 35 40 45 Gly Ser Arg Leu Cys Leu Tyr Glu Asp Gly Thr Glu Val Thr Asp 50 55 60 Asp Cys Phe Pro Gly Leu Pro Asn Asp Ala Glu Leu Leu Leu Leu 65 70 75 Thr Ala Gly Glu Thr Trp His Gly Tyr Val Ser Asp Ile Thr Arg 80 85 90 Phe Leu Ser Val Phe Asn Glu Pro His Ala Gly Val Ile Gln Ala 95 100 105 Ala Arg Gln Leu Leu Ser Asp Glu Gln Ala Pro Leu Arg Gln Lys 110 115 120 Leu Leu Ala Asp Leu Leu His His Val Ser Gln Asn Ile Thr Ala 125 130 135 Glu Thr Arg Glu Gln Asp Pro Ser Trp Phe Glu Gly Leu Glu Ser 140 145 150 Arg Phe Arg Asn Lys Ser Gly Tyr Leu Arg Tyr Ser Cys Glu Ser 155 160 165 Arg Ile Arg Gly Tyr Leu Arg Glu Val Ser Ala Tyr Thr Ser Met 170 175 180 Val Asp Glu Ala Ala Gln Glu Glu Tyr Leu Arg Val Leu Gly Ser 185 190 195 Met Cys Gln Lys Leu Lys Ser Val Gln Tyr Asn Gly Ser Tyr Phe 200 205 210 Asp Arg Gly Ala Glu Ala Ser Ser Arg Leu Cys Thr Pro Glu Gly 215 220 225 Trp Phe Ser Cys Gln Gly Pro Phe Asp Leu Glu Ser Cys Leu Ser 230 235 240 Lys His Ser Ile Asn Pro Tyr Gly Asn Arg Glu Ser Arg Ile Leu 245 250 255 Phe Ser Thr Trp Asn Leu Asp His Ile Ile Glu Lys Lys Arg Thr 260 265 270 Val Val Pro Thr Leu Ala Glu Ala Ile Gln Asp Gly Arg Glu Val 275 280 285 Asn Trp Glu Tyr Phe Tyr Ser Leu Leu Phe Thr Ala Glu Asn Leu 290 295 300 Lys Leu Val His Ile Ala Cys His Lys Lys Thr Thr His Lys Leu 305 310 315 Glu Cys Asp Arg Ser Arg Ile Tyr Arg Pro Gln Thr Gly Ser Arg 320 325 330 Arg Lys Gln Pro Ala Arg Lys Lys Arg Pro Ala Arg Lys Arg 335 340 344
【0058】 <210> 3 <211> 996 <212> DNA <213> human <400> 3 atggagctgt cgcggggagc cagcgcccca gacccggacg atgtccggcc tctcaaaccg 60 tgtctgctac gccgcaacca cagccgcgat cagcacggcg tggcagcctc cagtctcgag 120 gagctgagga gcaaagcctg tgaactcctg gccattgata agtccctgac gccgatcacc 180 ctggtcctgg ctgaggacgg gaccatagtg gatgacgatg actacttcct ctgccttcct 240 tccaatacga agtttgtggc gttggcctgc aatgagaagt ggacttataa tgattccgat 300 ggagggacgg cttgggtttc ccaagagtcc tttgaggcag atgagccgga cagcagggca 360 ggggtgaagt ggaagaatgt ggccaggcag ctgaaagaag atctgtccag catcatcctg 420 ctgtcagaag aggacctcca agcgctcatc gacatcccat gtgcagagct ggctcaggaa 480 ctctgccaaa gctgtgccac tgtccagggg ctgcagagca cactccagca ggtgcttgac 540 cagagagagg aagcccgcca gtccaagcag ctcctggaac tttacctcca ggccttggag 600 aaagagggca acatcttgtc caaccagaaa gagtccaaag ctgccctcag tgaagagctg 660 gatgcagttg acacaggcgt cggcagagag atggcttcgg aagtgctgct cagaagccag 720 atccttacca cactgaagga gaagcctgcc ccagagctga gtttatctag tcaggatttg 780 gagtctgtct ccaaggagga tcccaaagcc ctggctgtcg ctctgagctg ggacataagg 840 aaggcagaga cagtccagca ggcctgcacc acggagctcg ccctgcggct gcagcaagtg 900 cagagcttgc attcactcag gaatctatca gcaaggagga gcccactgcc tggggaacca 960 cagcgaccca aacgagccaa acgagactcc tcgtag 996
【0059】 <210> 4 <211> 331 <212> PRT <213> human <400> 4 Met Glu Leu Ser Arg Gly Ala Ser Ala Pro Asp Pro Asp Asp Val 1 5 10 15 Arg Pro Leu Lys Pro Cys Leu Leu Arg Arg Asn His Ser Arg Asp 20 25 30 Gln His Gly Val Ala Ala Ser Ser Leu Glu Glu Leu Arg Ser Lys 35 40 45 Ala Cys Glu Leu Leu Ala Ile Asp Lys Ser Leu Thr Pro Ile Thr 50 55 60 Leu Val Leu Ala Glu Asp Gly Thr Ile Val Asp Asp Asp Asp Tyr 65 70 75 Phe Leu Cys Leu Pro Ser Asn Thr Lys Phe Val Ala Leu Ala Cys 80 85 90 Asn Glu Lys Trp Thr Tyr Asn Asp Ser Asp Gly Gly Thr Ala Trp 95 100 105 Val Ser Gln Glu Ser Phe Glu Ala Asp Glu Pro Asp Ser Arg Ala 110 115 120 Gly Val Lys Trp Lys Asn Val Ala Arg Gln Leu Lys Glu Asp Leu 125 130 135 Ser Ser Ile Ile Leu Leu Ser Glu Glu Asp Leu Gln Ala Leu Ile 140 145 150 Asp Ile Pro Cys Ala Glu Leu Ala Gln Glu Leu Cys Gln Ser Cys 155 160 165 Ala Thr Val Gln Gly Leu Gln Ser Thr Leu Gln Gln Val Leu Asp 170 175 180 Gln Arg Glu Glu Ala Arg Gln Ser Lys Gln Leu Leu Glu Leu Tyr 185 190 195 Leu Gln Ala Leu Glu Lys Glu Gly Asn Ile Leu Ser Asn Gln Lys 200 205 210 Glu Ser Lys Ala Ala Leu Ser Glu Glu Leu Asp Ala Val Asp Thr 215 220 225 Gly Val Gly Arg Glu Met Ala Ser Glu Val Leu Leu Arg Ser Gln 230 235 240 Ile Leu Thr Thr Leu Lys Glu Lys Pro Ala Pro Glu Leu Ser Leu 245 250 255 Ser Ser Gln Asp Leu Glu Ser Val Ser Lys Glu Asp Pro Lys Ala 260 265 270 Leu Ala Val Ala Leu Ser Trp Asp Ile Arg Lys Ala Glu Thr Val 275 280 285 Gln Gln Ala Cys Thr Thr Glu Leu Ala Leu Arg Leu Gln Gln Val 290 295 300 Gln Ser Leu His Ser Leu Arg Asn Leu Ser Ala Arg Arg Ser Pro 305 310 315 Leu Pro Gly Glu Pro Gln Arg Pro Lys Arg Ala Lys Arg Asp Ser 320 325 330 Ser
【0060】 <210> 5 <211> 798 <212> DNA <213> human <400> 5 atggagctgt cgcggggagc cagcgcccca gacccggacg atgtccggcc tctcaaaccg 60 tgtctgctac gccgcaacca cagccgcgat cagcacggcg tggcagcctc cagtctcgag 120 gagctgagga gcaaagcctg tgaactcctg gccattgata agtccctgac gccgatcacc 180 ctggtcctgg ctgaggacgg gaccatagtg gatgacgatg actacttcct ctgccttcct 240 tccaatacga agtttgtggc gttggcctgc aatgagaagt ggacttataa tgattccgat 300 ggagggacgg cttgggtttc ccaagagtcc tttgaggcag atgagccgga cagcagggca 360 ggggtgaagt ggaagaatgt ggccaggcag ctgaaagaag atctgtccag catcatcctg 420 ctgtcagaag aggacctcca agcgctcatc gacatcccat gtgcagagct ggctcaggaa 480 ctctgccaaa gctgtgccac tgtccagggg ctgcagagca cactccagca ggtgcttgac 540 cagagagagg aagcccgcca gtccaagcag ctcctggaac tttacctcca ggccttggag 600 aaagagggca acatcttgtc caaccagaaa gagtccaaag ctgccctcag tgaagagctg 660 gatgcagttg acacaggcgt cggcagagag atggcttcgg aagtgctgct cagaagccag 720 atccttacca cactgaagga gaagcctgcc ccagagctga gtttatctag tcaggatttg 780 gaggtgggca agaactag 798
【0061】 <210> 6 <211> 265 <212> PRT <213> human <400> 6 Met Glu Leu Ser Arg Gly Ala Ser Ala Pro Asp Pro Asp Asp Val 1 5 10 15 Arg Pro Leu Lys Pro Cys Leu Leu Arg Arg Asn His Ser Arg Asp 20 25 30 Gln His Gly Val Ala Ala Ser Ser Leu Glu Glu Leu Arg Ser Lys 35 40 45 Ala Cys Glu Leu Leu Ala Ile Asp Lys Ser Leu Thr Pro Ile Thr 50 55 60 Leu Val Leu Ala Glu Asp Gly Thr Ile Val Asp Asp Asp Asp Tyr 65 70 75 Phe Leu Cys Leu Pro Ser Asn Thr Lys Phe Val Ala Leu Ala Cys 80 85 90 Asn Glu Lys Trp Thr Tyr Asn Asp Ser Asp Gly Gly Thr Ala Trp 95 100 105 Val Ser Gln Glu Ser Phe Glu Ala Asp Glu Pro Asp Ser Arg Ala 110 115 120 Gly Val Lys Trp Lys Asn Val Ala Arg Gln Leu Lys Glu Asp Leu 125 130 135 Ser Ser Ile Ile Leu Leu Ser Glu Glu Asp Leu Gln Ala Leu Ile 140 145 150 Asp Ile Pro Cys Ala Glu Leu Ala Gln Glu Leu Cys Gln Ser Cys 155 160 165 Ala Thr Val Gln Gly Leu Gln Ser Thr Leu Gln Gln Val Leu Asp 170 175 180 Gln Arg Glu Glu Ala Arg Gln Ser Lys Gln Leu Leu Glu Leu Tyr 185 190 195 Leu Gln Ala Leu Glu Lys Glu Gly Asn Ile Leu Ser Asn Gln Lys 200 205 210 Glu Ser Lys Ala Ala Leu Ser Glu Glu Leu Asp Ala Val Asp Thr 215 220 225 Gly Val Gly Arg Glu Met Ala Ser Glu Val Leu Leu Arg Ser Gln 230 235 240 Ile Leu Thr Thr Leu Lys Glu Lys Pro Ala Pro Glu Leu Ser Leu 245 250 255 Ser Ser Gln Asp Leu Glu Val Gly Lys Asn 260 265
【図面の簡単な説明】
【図1】 40kDaタンパク質としてCADを確認し
た電気泳動写真の模写図である。
【図2】 cDNA配列から予測したマウスCADの1
文字表示によるアミノ酸配列である。
【図3】 CADmRNAの組織分布を示す。
【図4】 COS細胞中でのマウスCADの発現を示す
電気泳動写真の模写図である。
【図5】 無細胞系でのマウスCADの発現を示す電気
泳動写真の模写図である。
【図6】 CADのICAD−Lへの結合を示す電気泳
動写真の模写図である。
【図7】 アポトーシスにおけるCADおよびICAD
の機能を示す模式図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)または(b)から選択され
    るDNアーゼ: (a)配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するタン
    パク質、(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列にお
    いて1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換および/ま
    たは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ該タンパク
    質と同等のDNアーゼ活性を有するタンパク質。
  2. 【請求項2】 そのDNアーゼ活性がカスパーゼを介し
    て活性化される請求項1記載のDNアーゼ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のDNアーゼをコ
    ードしている遺伝子。
  4. 【請求項4】 配列番号1に示されるDNA配列を有す
    る請求項3記載の遺伝子。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の遺伝子を含有するベクタ
    ー。
  6. 【請求項6】 発現ベクターである請求項5記載のベク
    ター。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の発現ベクターにより形質
    転換された宿主細胞。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の遺伝子と相補的な配列を
    有する、8塩基以上からなるDNAもしくはRNAまた
    はそれらの化学的修飾体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のDNAもしくはRNAま
    たはそれらの化学的修飾体を含有するベクター。
  10. 【請求項10】 請求項1または2記載のDNアーゼに
    対する抗体。
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