JPH1123921A - 金属管外装型光ファイバの製造方法 - Google Patents
金属管外装型光ファイバの製造方法Info
- Publication number
- JPH1123921A JPH1123921A JP9182686A JP18268697A JPH1123921A JP H1123921 A JPH1123921 A JP H1123921A JP 9182686 A JP9182686 A JP 9182686A JP 18268697 A JP18268697 A JP 18268697A JP H1123921 A JPH1123921 A JP H1123921A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- metal tube
- optical fiber
- metal
- coating layer
- tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 内蔵された光ファイバに熱的損傷を与えるこ
となく、金属管に電食に耐え得る厚さのアルミニウムの
被覆層を形成する。 【解決手段】 成形工程1に金属テ−プとともに光ファ
イバを供給して光ファイバを内蔵した円管状の素管と
し、この円管状の素管の突き合わせ部を溶接して金属管
とした後、気相めっきによりこの金属管の外周面に金属
被覆層を形成する金属管外装型光ファイバの製造方法に
おいて、前記金属管に被覆層を形成する工程5に引き続
いて冷却工程6を設け、金属管の被覆と金属管の冷却と
を交互に複数回繰り返す金属管外装型光ファイバの製造
方法。
となく、金属管に電食に耐え得る厚さのアルミニウムの
被覆層を形成する。 【解決手段】 成形工程1に金属テ−プとともに光ファ
イバを供給して光ファイバを内蔵した円管状の素管と
し、この円管状の素管の突き合わせ部を溶接して金属管
とした後、気相めっきによりこの金属管の外周面に金属
被覆層を形成する金属管外装型光ファイバの製造方法に
おいて、前記金属管に被覆層を形成する工程5に引き続
いて冷却工程6を設け、金属管の被覆と金属管の冷却と
を交互に複数回繰り返す金属管外装型光ファイバの製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属管に光ファ
イバ、場合によっては光ファイバに加えて水封コンパウ
ンドのような充填物が収納された、金属管外装型光ファ
イバの製造方法、特に金属管の外周面に電食反応防止の
ための被覆層を形成する場合の製造方法に関する。
イバ、場合によっては光ファイバに加えて水封コンパウ
ンドのような充填物が収納された、金属管外装型光ファ
イバの製造方法、特に金属管の外周面に電食反応防止の
ための被覆層を形成する場合の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光通信、電気通信、電力供給な
どの各種ケ−ブルが混在する複合電力ケ−ブルにおいて
は、図2に示すように、光ファイバ41は金属管42で
外装された状態で、かつ他の複数のケ−ブル43の中心
に位置するように複合ケ−ブル44に組み込まれる。こ
れは、光ファイバ41に外部からの応力が作用したり、
複合ケ−ブル44が敷設された周辺の環境条件によって
光ファイバ41が損傷したりするのを防止するためであ
る。
どの各種ケ−ブルが混在する複合電力ケ−ブルにおいて
は、図2に示すように、光ファイバ41は金属管42で
外装された状態で、かつ他の複数のケ−ブル43の中心
に位置するように複合ケ−ブル44に組み込まれる。こ
れは、光ファイバ41に外部からの応力が作用したり、
複合ケ−ブル44が敷設された周辺の環境条件によって
光ファイバ41が損傷したりするのを防止するためであ
る。
【0003】したがって、金属管42の材料としては、
機械的強度に優れた銅、銅合金、ステンレス鋼等が用い
られる。
機械的強度に優れた銅、銅合金、ステンレス鋼等が用い
られる。
【0004】ところが、複合ケ−ブル44に組み込まれ
る他のケ−ブル43の主材料はアルミニウムであるた
め、金属管42がアルミニウム以外の材料でできている
場合には、金属管42と外側のケ−ブル43とのイオン
化傾向の差により、電食反応が発生してしまうという問
題がある。
る他のケ−ブル43の主材料はアルミニウムであるた
め、金属管42がアルミニウム以外の材料でできている
場合には、金属管42と外側のケ−ブル43とのイオン
化傾向の差により、電食反応が発生してしまうという問
題がある。
【0005】このような問題を解決するために、金属管
42の表面にアルミニウムのテ−プを巻き付け、他のケ
−ブル43との電食反応を抑制する方法がある。
42の表面にアルミニウムのテ−プを巻き付け、他のケ
−ブル43との電食反応を抑制する方法がある。
【0006】しかしながら、この方法では電食の抑制効
果が不十分であるばかりか、アルミニウムのテ−プを巻
くと、金属管42の直径が大きくなるため、金属管42
を同じ大きさの複合ケ−ブル44に組み込むためには、
直径が大きくなった分金属管42自身の直径を小さくし
なければならず、金属管42に挿入できる光ファイバ4
1の本数が少なくなるという問題がある。
果が不十分であるばかりか、アルミニウムのテ−プを巻
くと、金属管42の直径が大きくなるため、金属管42
を同じ大きさの複合ケ−ブル44に組み込むためには、
直径が大きくなった分金属管42自身の直径を小さくし
なければならず、金属管42に挿入できる光ファイバ4
1の本数が少なくなるという問題がある。
【0007】さらには、アルミニウムのテ−プを巻くた
めに、コイル状に巻き取られた金属管を巻き戻す必要が
あるので、処理が煩雑となり、コスト高になるという問
題もある。
めに、コイル状に巻き取られた金属管を巻き戻す必要が
あるので、処理が煩雑となり、コスト高になるという問
題もある。
【0008】このような問題に対処するための従来の技
術としては、特開昭60−2902号公報に開示された
技術がある。この技術に基づく金属管外装型光ファイバ
の製造方法は、金属管外装型光ファイバの製造工程中に
おいて、光ファイバを内蔵した金属管の素管を溶融金属
浴に浸すことで、素管の継ぎ目を溶着するとともに、金
属管の外表面にアルミニウム等の金属被覆層を設けると
いうものである。
術としては、特開昭60−2902号公報に開示された
技術がある。この技術に基づく金属管外装型光ファイバ
の製造方法は、金属管外装型光ファイバの製造工程中に
おいて、光ファイバを内蔵した金属管の素管を溶融金属
浴に浸すことで、素管の継ぎ目を溶着するとともに、金
属管の外表面にアルミニウム等の金属被覆層を設けると
いうものである。
【0009】また、特公昭63−10805号公報に開
示された技術がある。この技術に基づく金属管外装型光
ファイバの製造方法は、金属管外装型光ファイバの製造
過程において、光ファイバを内蔵した金属管の外周面
に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレ−ティング
等の真空めっき法により、アルミニウムの被覆層を形成
するというものである。
示された技術がある。この技術に基づく金属管外装型光
ファイバの製造方法は、金属管外装型光ファイバの製造
過程において、光ファイバを内蔵した金属管の外周面
に、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレ−ティング
等の真空めっき法により、アルミニウムの被覆層を形成
するというものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
金属管に内蔵される光ファイバの耐熱温度は、100〜
120℃程度であり、特に樹脂で被覆された光ファイバ
の場合、樹脂の耐熱温度による制約があるため、光ファ
イバの実質的な耐熱温度はさらに低下するので、光ファ
イバを内蔵した金属管の外周面に金属被覆層を形成する
場合には、被覆処理によって金属管の温度が上昇したと
しても、100〜120℃程度の温度以下に抑える必要
があるので、上述した特開昭60−2902号公報に開
示された技術は、次のような問題点がある。
金属管に内蔵される光ファイバの耐熱温度は、100〜
120℃程度であり、特に樹脂で被覆された光ファイバ
の場合、樹脂の耐熱温度による制約があるため、光ファ
イバの実質的な耐熱温度はさらに低下するので、光ファ
イバを内蔵した金属管の外周面に金属被覆層を形成する
場合には、被覆処理によって金属管の温度が上昇したと
しても、100〜120℃程度の温度以下に抑える必要
があるので、上述した特開昭60−2902号公報に開
示された技術は、次のような問題点がある。
【0011】光ファイバや水封コンパウンドのような充
填物質が内蔵された金属管を溶融金属に浸漬すると、溶
融金属がアルミニウムの場合には、金属管の温度は66
0℃以上の高温となるため、金属管内の光ファイバが熱
的な損傷をうける。
填物質が内蔵された金属管を溶融金属に浸漬すると、溶
融金属がアルミニウムの場合には、金属管の温度は66
0℃以上の高温となるため、金属管内の光ファイバが熱
的な損傷をうける。
【0012】また、特公昭63−10805号公報に開
示された技術にも次のような問題点がある。
示された技術にも次のような問題点がある。
【0013】真空めっき法を適用すれば、金属被覆層を
形成することにより、金属管が高温になるということは
ないとされているが、実際には真空めっき法でも、金属
被覆層を形成するときには、金属管の温度は上昇する。
これは、蒸発した金属蒸気が金属管外周面上で凝縮して
被覆層が形成されるときに、凝縮にともなう凝縮熱が発
生するからであり、金属蒸気の蒸発源からの輻射熱と相
まって、金属管の温度を上昇させるのである。
形成することにより、金属管が高温になるということは
ないとされているが、実際には真空めっき法でも、金属
被覆層を形成するときには、金属管の温度は上昇する。
これは、蒸発した金属蒸気が金属管外周面上で凝縮して
被覆層が形成されるときに、凝縮にともなう凝縮熱が発
生するからであり、金属蒸気の蒸発源からの輻射熱と相
まって、金属管の温度を上昇させるのである。
【0014】金属被覆層が薄ければ、金属管の温度上昇
を抑えることはできる。しかしながら、薄い被覆層では
十分な耐食性が得られないので、被覆層を厚くして耐食
性を向上させようとすると、被覆層を形成する際の金属
管の温度上昇により、金属管に内蔵されている光ファイ
バが熱的な損傷を受ける。
を抑えることはできる。しかしながら、薄い被覆層では
十分な耐食性が得られないので、被覆層を厚くして耐食
性を向上させようとすると、被覆層を形成する際の金属
管の温度上昇により、金属管に内蔵されている光ファイ
バが熱的な損傷を受ける。
【0015】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、光ファイバに
熱的損傷を与えることなく、アルミニウムの厚い被覆層
を形成することのできる金属管外装型光ファイバの製造
方法を提供することを目的としている。
点を解消するためになされたものであり、光ファイバに
熱的損傷を与えることなく、アルミニウムの厚い被覆層
を形成することのできる金属管外装型光ファイバの製造
方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係る金属管外
装型光ファイバの製造方法は、成形工程に金属テ−プと
ともに光ファイバを供給して光ファイバを内蔵した円管
状の素管とし、この円管状の素管の突き合わせ部を溶接
して金属管とした後、気相めっきによりこの金属管の外
周面に金属被覆層を形成する金属管外装型光ファイバの
製造方法において、前記金属管に被覆層を形成する工程
に引き続いて冷却工程を設け、金属管の被覆と金属管の
冷却とを交互に複数回繰り返すものである。
装型光ファイバの製造方法は、成形工程に金属テ−プと
ともに光ファイバを供給して光ファイバを内蔵した円管
状の素管とし、この円管状の素管の突き合わせ部を溶接
して金属管とした後、気相めっきによりこの金属管の外
周面に金属被覆層を形成する金属管外装型光ファイバの
製造方法において、前記金属管に被覆層を形成する工程
に引き続いて冷却工程を設け、金属管の被覆と金属管の
冷却とを交互に複数回繰り返すものである。
【0017】電食に十分耐え得る厚さの金属被覆層を1
回で形成しようとすると、金属管の温度が上昇し、金属
管に内蔵されている光ファイバが熱的な損傷を受け、光
ファイバの光透過率が変化して、所望の金属管外装型光
ファイバを製造することができない。
回で形成しようとすると、金属管の温度が上昇し、金属
管に内蔵されている光ファイバが熱的な損傷を受け、光
ファイバの光透過率が変化して、所望の金属管外装型光
ファイバを製造することができない。
【0018】したがって、金属管の温度上昇によって光
ファイバが熱的な損傷を受けないように、1回当たりの
金属被覆層の厚さを限定し、複数回のめっきにより所望
の厚さの金属被覆層を得るようにする。
ファイバが熱的な損傷を受けないように、1回当たりの
金属被覆層の厚さを限定し、複数回のめっきにより所望
の厚さの金属被覆層を得るようにする。
【0019】しかしながら、めっきを複数回に分けて行
っても、めっきをする度に熱が金属管に蓄積され、金属
管の温度は光ファイバに熱的な損傷を与える程上昇す
る。
っても、めっきをする度に熱が金属管に蓄積され、金属
管の温度は光ファイバに熱的な損傷を与える程上昇す
る。
【0020】したがって、本発明においては、金属管の
被覆と金属管の冷却とを交互に複数回繰り返すようにし
た。
被覆と金属管の冷却とを交互に複数回繰り返すようにし
た。
【0021】また、前記金属テ−プは銅、銅合金または
ステンレス鋼であり、また金属被覆層はアルミニウムで
あるものである。
ステンレス鋼であり、また金属被覆層はアルミニウムで
あるものである。
【0022】金属テ−プを銅、銅合金またはステンレス
鋼としたのは、これらの金属が機械的強度に優れている
からである。
鋼としたのは、これらの金属が機械的強度に優れている
からである。
【0023】また、金属被覆層をアルミニウムとしたの
は、金属管外装型光ファイバが複合ケ−ブルに組み込ま
れるときに、他のケ−ブルの主材料がアルミニウムであ
るので、電食を防止するためである。
は、金属管外装型光ファイバが複合ケ−ブルに組み込ま
れるときに、他のケ−ブルの主材料がアルミニウムであ
るので、電食を防止するためである。
【0024】また、前記金属管の温度が常に200℃を
超えないようにして、金属管に金属被覆層を形成すると
ともに、金属被覆層を形成する度に金属管を80〜12
0℃の温度範囲となるように冷却し、かつ1回の金属被
覆層の形成とそれに続く金属管の冷却とを30秒以内で
行うものである。
超えないようにして、金属管に金属被覆層を形成すると
ともに、金属被覆層を形成する度に金属管を80〜12
0℃の温度範囲となるように冷却し、かつ1回の金属被
覆層の形成とそれに続く金属管の冷却とを30秒以内で
行うものである。
【0025】一般に、金属管に気相めっきを行う場合に
は、金属被覆層を形成する前に、前処理として真空中に
おいて金属管を100℃程度の温度に昇温する。これ
は、金属管の温度が低いと、金属管の表面に付着した水
分の除去が不十分となり、金属被覆層の密着性が低下す
るからである。
は、金属被覆層を形成する前に、前処理として真空中に
おいて金属管を100℃程度の温度に昇温する。これ
は、金属管の温度が低いと、金属管の表面に付着した水
分の除去が不十分となり、金属被覆層の密着性が低下す
るからである。
【0026】このように昇温した金属管に気相めっきを
施すと、金属管の温度は更に上昇する。
施すと、金属管の温度は更に上昇する。
【0027】図3は、気相めっき法の一つである真空蒸
着めっき法により、アルミニウムの被覆層を板厚0.2
mm、外径3.6mmのステンレス鋼(SUS304)
の金属管外周面に形成したときの、被覆層の厚さと金属
管の上昇温度との関係を示すグラフである。
着めっき法により、アルミニウムの被覆層を板厚0.2
mm、外径3.6mmのステンレス鋼(SUS304)
の金属管外周面に形成したときの、被覆層の厚さと金属
管の上昇温度との関係を示すグラフである。
【0028】図3から明らかなように、アルミニウムの
被覆層の厚さが厚くなるにしたがって金属管の上昇温度
は高くなり、10μm以上の厚さの被覆層を形成する
と、金属管の温度は300℃以上に上昇することが分か
る。
被覆層の厚さが厚くなるにしたがって金属管の上昇温度
は高くなり、10μm以上の厚さの被覆層を形成する
と、金属管の温度は300℃以上に上昇することが分か
る。
【0029】したがって、気相めっき法で光ファイバを
内蔵した金属管の外周面に、10μm以上の厚いアルミ
ニウムの被覆層を形成しようとすると、金属管の温度は
光ファイバの耐熱温度を超え、光ファイバが熱的損傷を
受けるので、耐食性に優れた厚い被覆層を形成すること
は困難である。
内蔵した金属管の外周面に、10μm以上の厚いアルミ
ニウムの被覆層を形成しようとすると、金属管の温度は
光ファイバの耐熱温度を超え、光ファイバが熱的損傷を
受けるので、耐食性に優れた厚い被覆層を形成すること
は困難である。
【0030】そこで、本発明者等は光ファイバを内蔵し
た金属管の80〜200℃の繰り返し熱サイクル特性
を、詳細に調査したところ、金属管が昇温されている時
間および昇温された金属管を冷却する時間を適正に設定
することにより、金属管が200℃に昇温されても、光
ファイバの特性には影響がないということを見いだした
のである。
た金属管の80〜200℃の繰り返し熱サイクル特性
を、詳細に調査したところ、金属管が昇温されている時
間および昇温された金属管を冷却する時間を適正に設定
することにより、金属管が200℃に昇温されても、光
ファイバの特性には影響がないということを見いだした
のである。
【0031】図4は、紫外線硬化型アクリレ−ト樹脂で
被覆された光ファイバを内蔵した金属管を対象として、
図5に示す熱サイクル、すなわち加熱前の温度(T0)
から一定の昇温速度で200℃迄金属管の温度を上昇さ
せ、かつ昇温に要した時間と同じ時間をかけて、200
℃に昇温した金属管を一定冷却速度で加熱前の温度(T
0)にまで冷却するサイクルを、30サイクル繰り返し
たときの、加熱前の温度(T0)と1サイクルの所要時
間(t0)とによって、光ファイバの光透過率に変化が
生じるのか否かを示したものである。
被覆された光ファイバを内蔵した金属管を対象として、
図5に示す熱サイクル、すなわち加熱前の温度(T0)
から一定の昇温速度で200℃迄金属管の温度を上昇さ
せ、かつ昇温に要した時間と同じ時間をかけて、200
℃に昇温した金属管を一定冷却速度で加熱前の温度(T
0)にまで冷却するサイクルを、30サイクル繰り返し
たときの、加熱前の温度(T0)と1サイクルの所要時
間(t0)とによって、光ファイバの光透過率に変化が
生じるのか否かを示したものである。
【0032】図4において、○印は光ファイバの光透過
率に変化なし、×印は光ファイバの光透過率に変化あり
を示すものであり、この結果から、気相めっきによる金
属管のめっき前の温度を80〜120℃の範囲内に保持
するとともに、めっきにより金属管が上昇する温度を2
00℃以下に抑え、かつ前記熱サイクル時間を30秒以
内に抑えれば、金属管内の光ファイバに熱的損傷を与え
ることなく、金属管の外周面に電食に十分耐えうる厚さ
の金属被覆層を形成することができるということが分か
った。
率に変化なし、×印は光ファイバの光透過率に変化あり
を示すものであり、この結果から、気相めっきによる金
属管のめっき前の温度を80〜120℃の範囲内に保持
するとともに、めっきにより金属管が上昇する温度を2
00℃以下に抑え、かつ前記熱サイクル時間を30秒以
内に抑えれば、金属管内の光ファイバに熱的損傷を与え
ることなく、金属管の外周面に電食に十分耐えうる厚さ
の金属被覆層を形成することができるということが分か
った。
【0033】なお、金属管のめっき前の温度を80℃未
満にしても、金属管内の光ファイバに熱的損傷を与える
ことがないのは当然のことであるが、80℃未満にする
と前述したように、金属管の表面に付着した水分の除去
が不十分となり、金属被覆層の密着性が低下するので、
金属管のめっき前の下限温度を80℃としたのである。
満にしても、金属管内の光ファイバに熱的損傷を与える
ことがないのは当然のことであるが、80℃未満にする
と前述したように、金属管の表面に付着した水分の除去
が不十分となり、金属被覆層の密着性が低下するので、
金属管のめっき前の下限温度を80℃としたのである。
【0034】また、気相めっき手段は特に限定するもの
ではなく、真空蒸着、イオンプレ−ティング、スパッタ
リング、CVD等から適宜選定すればよい。
ではなく、真空蒸着、イオンプレ−ティング、スパッタ
リング、CVD等から適宜選定すればよい。
【0035】前処理としての金属管の加熱は、通常の輻
射加熱の他に、Arイオンボンバ−ドのようなプラズマ
処理でもよく、特に限定するものではない。ただし、金
属管に付着した水分の除去に加えて、ゴミやダスト等の
除去も行うときには、プラズマ処理が適している。
射加熱の他に、Arイオンボンバ−ドのようなプラズマ
処理でもよく、特に限定するものではない。ただし、金
属管に付着した水分の除去に加えて、ゴミやダスト等の
除去も行うときには、プラズマ処理が適している。
【0036】また、冷却手段も特に限定するものではな
く、自然放冷、冷却ドラムへの巻き付けによる強制冷
却、冷媒の吹き付け等から適宜選択すればよい。
く、自然放冷、冷却ドラムへの巻き付けによる強制冷
却、冷媒の吹き付け等から適宜選択すればよい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。
の実施の形態について説明する。
【0038】図1は、この発明の実施の形態の金属管外
装型光ファイバの製造方法の工程図である。この金属管
外装型光ファイバの製造方法においては、コイルに巻か
れた金属テ−プを巻き戻しながら供給して成形工程1で
円管状の金属管の素管を連続的に成形するとともに、こ
の金属管の素管に光ファイバ挿入工程2において光ファ
イバを連続的に挿入し、光ファイバが挿入された金属管
の素管の突き合わせ部を、溶接工程3において溶接して
金属管とし、真空チャンバ−4のめっき工程5に導入す
る。そして、前処理として金属管を100℃程度に加熱
した後、このめっき工程5において、金属管内の光ファ
イバが熱的損傷を受けない程度の厚さのアルミニウムの
被覆層を金属管の外周面に形成(被覆処理によって上昇
する金属管の温度を200℃以内に抑える)した後、真
空チャンバ−4内の冷却工程6に送り、金属管を被覆層
を形成する前の温度にまで冷却する。そして、再度金属
管をめっき工程5にに送り、前回と同様な条件により、
前回形成した被覆層の上に新しい被覆層を形成し、新し
い被覆層を形成した金属管を再び冷却工程6に送り、前
回と同じように冷却する。
装型光ファイバの製造方法の工程図である。この金属管
外装型光ファイバの製造方法においては、コイルに巻か
れた金属テ−プを巻き戻しながら供給して成形工程1で
円管状の金属管の素管を連続的に成形するとともに、こ
の金属管の素管に光ファイバ挿入工程2において光ファ
イバを連続的に挿入し、光ファイバが挿入された金属管
の素管の突き合わせ部を、溶接工程3において溶接して
金属管とし、真空チャンバ−4のめっき工程5に導入す
る。そして、前処理として金属管を100℃程度に加熱
した後、このめっき工程5において、金属管内の光ファ
イバが熱的損傷を受けない程度の厚さのアルミニウムの
被覆層を金属管の外周面に形成(被覆処理によって上昇
する金属管の温度を200℃以内に抑える)した後、真
空チャンバ−4内の冷却工程6に送り、金属管を被覆層
を形成する前の温度にまで冷却する。そして、再度金属
管をめっき工程5にに送り、前回と同様な条件により、
前回形成した被覆層の上に新しい被覆層を形成し、新し
い被覆層を形成した金属管を再び冷却工程6に送り、前
回と同じように冷却する。
【0039】このように被覆と冷却とを複数回繰り返し
て、アルミニウムの被覆層が電食に十分耐え得る厚さに
なったとき、金属管を真空チャンバ−4から取り出し、
検査工程7において検査をした後、巻き取り工程8にお
いて巻き取る。
て、アルミニウムの被覆層が電食に十分耐え得る厚さに
なったとき、金属管を真空チャンバ−4から取り出し、
検査工程7において検査をした後、巻き取り工程8にお
いて巻き取る。
【0040】なお、1回当たりの被覆開始から冷却終了
までの所要時間は30秒に抑える。この発明の実施の形
態の金属管外装型光ファイバの製造方法においては、金
属管の外周面にアルミニウムの被覆層を上述のようにし
て形成するので、金属管内の光ファイバに熱的損傷を与
えることなく、電食に十分耐えうる厚さのアルミニウム
の被覆層を有する金属管外装型光ファイバを製造するこ
とができ、金属管外装型光ファイバの寿命を延ばすこと
ができる。
までの所要時間は30秒に抑える。この発明の実施の形
態の金属管外装型光ファイバの製造方法においては、金
属管の外周面にアルミニウムの被覆層を上述のようにし
て形成するので、金属管内の光ファイバに熱的損傷を与
えることなく、電食に十分耐えうる厚さのアルミニウム
の被覆層を有する金属管外装型光ファイバを製造するこ
とができ、金属管外装型光ファイバの寿命を延ばすこと
ができる。
【0041】
【実施例】本発明の金属管外装型光ファイバの製造方法
の効果を確認するために、外径3.6mm、肉厚0.2
mmのSUS304製金属管に、紫外線硬化型アクリレ
−ト樹脂で被覆した直径250μmの光ファイバを挿入
し、充填物質として合成油を充填した金属管外装型光フ
ァイバの金属管に、めっき方法、めっき前の金属管の温
度、1回当たりの被覆開始から冷却終了までの所要時
間、1回当たり被覆層の厚さ、被覆層形成後の金属管の
温度等を種々変化させてめっきを施し、そのときの光フ
ァイバの熱的損傷の有無、被覆層の密着性および金属管
の耐食性について調査した。その結果を表1に示す。
の効果を確認するために、外径3.6mm、肉厚0.2
mmのSUS304製金属管に、紫外線硬化型アクリレ
−ト樹脂で被覆した直径250μmの光ファイバを挿入
し、充填物質として合成油を充填した金属管外装型光フ
ァイバの金属管に、めっき方法、めっき前の金属管の温
度、1回当たりの被覆開始から冷却終了までの所要時
間、1回当たり被覆層の厚さ、被覆層形成後の金属管の
温度等を種々変化させてめっきを施し、そのときの光フ
ァイバの熱的損傷の有無、被覆層の密着性および金属管
の耐食性について調査した。その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、本発明の範囲の
条件でめっきしたものは、いずれも光ファイバに熱的損
傷が無く、被覆層の密着性および金属管の耐食性も良好
であるが、本発明の範囲の条件から外れた条件でめっき
したものは、上記いずれかの評価項目のうちの少なくと
も一つは不良となっており、本発明の効果が優れたもの
であることが分かる。
条件でめっきしたものは、いずれも光ファイバに熱的損
傷が無く、被覆層の密着性および金属管の耐食性も良好
であるが、本発明の範囲の条件から外れた条件でめっき
したものは、上記いずれかの評価項目のうちの少なくと
も一つは不良となっており、本発明の効果が優れたもの
であることが分かる。
【0044】
【発明の効果】この発明により、光ファイバを内蔵した
金属管に、所望の厚さのアルミニウム等の被覆層を、光
ファイバに熱的損傷を与えることなく形成できるので、
電食が防止できて耐食性に優れた金属管外装型光ファイ
バを安価に製造することができる。
金属管に、所望の厚さのアルミニウム等の被覆層を、光
ファイバに熱的損傷を与えることなく形成できるので、
電食が防止できて耐食性に優れた金属管外装型光ファイ
バを安価に製造することができる。
【図1】本発明の実施の形態の金属管外装型光ファイバ
の製造方法を説明する工程図である。
の製造方法を説明する工程図である。
【図2】複合電力ケ−ブルの断面図である。
【図3】金属管にアルミニウムの被覆層を形成したとき
の被覆層の厚さと金属管の温度との関係を示すグラフで
ある。
の被覆層の厚さと金属管の温度との関係を示すグラフで
ある。
【図4】めっき前の金属管の温度と1回当たりの被覆と
冷却に要する時間との関係で光ファイバの光透過率が変
化しない条件があることを示すグラフである。
冷却に要する時間との関係で光ファイバの光透過率が変
化しない条件があることを示すグラフである。
【図5】金属管に被覆と冷却を繰り返すときの熱サイク
ルを示すグラフである。
ルを示すグラフである。
1 成形工程 2 光ファイバ挿入工程 3 溶接工程 4 真空チャンバ− 5 めっき工程 6 冷却工程 7 検査工程 8 巻き取り工程
フロントページの続き (72)発明者 松崎 晃 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 成形工程に金属テ−プとともに光ファイ
バを供給して光ファイバを内蔵した円管状の素管とし、
この円管状の素管の突き合わせ部を溶接して金属管とし
た後、気相めっきによりこの金属管の外周面に金属被覆
層を形成する金属管外装型光ファイバの製造方法におい
て、前記金属管に被覆層を形成する工程に引き続いて冷
却工程を設け、金属管の被覆と金属管の冷却とを交互に
複数回繰り返すことを特徴とする金属管外装型光ファイ
バの製造方法。 - 【請求項2】 前記金属テ−プは銅、銅合金またはステ
ンレス鋼であり、また金属被覆層はアルミニウムである
ことを特徴とする請求項1に記載の金属管外装型光ファ
イバの製造方法。 - 【請求項3】 前記金属管の温度が常に200℃を超え
ないようにして、金属管に金属被覆層を形成するととも
に、金属被覆層を形成する度に金属管を80〜120℃
の温度範囲となるように冷却し、かつ1回の金属被覆層
の形成とそれに続く金属管の冷却とを30秒以内で行う
ことを特徴とする請求項2に記載の金属管外装型光ファ
イバの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9182686A JPH1123921A (ja) | 1997-07-08 | 1997-07-08 | 金属管外装型光ファイバの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9182686A JPH1123921A (ja) | 1997-07-08 | 1997-07-08 | 金属管外装型光ファイバの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1123921A true JPH1123921A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=16122670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9182686A Withdrawn JPH1123921A (ja) | 1997-07-08 | 1997-07-08 | 金属管外装型光ファイバの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1123921A (ja) |
-
1997
- 1997-07-08 JP JP9182686A patent/JPH1123921A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5093880A (en) | Optical fiber cable coated with conductive metal coating and process therefor | |
JPH0875084A (ja) | 金属管における耐食性樹脂被覆構造 | |
JPH09298382A (ja) | シールドメッキコルゲートチューブ | |
JP3071441B2 (ja) | 多重巻鋼管とその製造方法及びそれに用いる帯材 | |
US4784877A (en) | Two layer coating of an optical waveguide | |
US4040173A (en) | Formers for coils | |
JPH1123921A (ja) | 金属管外装型光ファイバの製造方法 | |
EP0188369B1 (en) | Refractory coated article | |
KR910004611B1 (ko) | 주석 또는 주석기지 합금으로 피복된 금속파이프의 제조방법 | |
US6047660A (en) | Apparatus and method to form coated shielding layer for coaxial signal transmission cables | |
JPH1123920A (ja) | 金属管外装型光ファイバの製造装置 | |
HU214381B (hu) | Belső felületén oxidréteggel ellátott pontkorróziónak ellenálló réz vagy rézötvözetből készült cső és eljárás a cső előállítására | |
US6849295B2 (en) | Method for producing a winding protection for tape-wound cores | |
JP6755909B2 (ja) | 亜鉛めっき異形棒鋼材の製造方法および製造システム | |
JP3977267B2 (ja) | 光ユニット、前記光ユニットを用いた光ファイバ複合架空地線および前記光ユニットの製造方法 | |
JPS5848627B2 (ja) | 線状体の金属メツキ方法 | |
EP0170440B1 (en) | Temperature resistant coated wire | |
JP2003322773A (ja) | 耐熱、高強度の光ファイバの構造とその製造方法 | |
JP2709483B2 (ja) | 被覆金属管材における被覆形成方法 | |
JPH06230254A (ja) | 耐熱性ガラスファイバ | |
JP2001322839A (ja) | 合金コーティング光ファイバ及び製造方法 | |
JPH1121694A (ja) | 金属管外装型線状体、線状体を外装する金属管、金属管外装型線状体の製造方法及び装置 | |
JP2804163B2 (ja) | 光ファイバ素材の製造方法 | |
US20240117483A1 (en) | Copper-Coated Aluminum Wire Material and Production Method Therefor | |
JP3073573B2 (ja) | カーボンコート光ファイバの接続方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041005 |