JPH11237593A - 光変調器 - Google Patents
光変調器Info
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- JPH11237593A JPH11237593A JP3914398A JP3914398A JPH11237593A JP H11237593 A JPH11237593 A JP H11237593A JP 3914398 A JP3914398 A JP 3914398A JP 3914398 A JP3914398 A JP 3914398A JP H11237593 A JPH11237593 A JP H11237593A
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- optical
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高周波アンプを用いなくても高速変調が可
能で、DCドリフトや温度特性が優れている光変調器を
提供することを課題とする。 【解決手段】 電気光学効果を有する基板と、この基
板に形成したマッハツェンダー型光導波路と、この光導
波路を伝搬する光波を変調するための少なくとも一組の
電極とを有し、この一組の電極が信号電極と接地電極と
からなる光変調器において、前記接地電極の幅Wgと前
記信号電極の幅Whとの比率Wg/Whを1以上7以下
とし、かつ前記一組の電極の有効電極長Lを5cm以上
9cm以下とするように構成する。
能で、DCドリフトや温度特性が優れている光変調器を
提供することを課題とする。 【解決手段】 電気光学効果を有する基板と、この基
板に形成したマッハツェンダー型光導波路と、この光導
波路を伝搬する光波を変調するための少なくとも一組の
電極とを有し、この一組の電極が信号電極と接地電極と
からなる光変調器において、前記接地電極の幅Wgと前
記信号電極の幅Whとの比率Wg/Whを1以上7以下
とし、かつ前記一組の電極の有効電極長Lを5cm以上
9cm以下とするように構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速大容量の光フ
ァイバー通信システム等に用いられる導波路型の光変調
器に関するものである。
ァイバー通信システム等に用いられる導波路型の光変調
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来利用されている高速大容量光ファイ
バー通信システムには、高速変調が可能で低損失や低チ
ャープ特性等が優れたLiNbO3 (以下LNと略す)
等を基板として光導波路を形成したLN変調器を用いた
ものが多くある。
バー通信システムには、高速変調が可能で低損失や低チ
ャープ特性等が優れたLiNbO3 (以下LNと略す)
等を基板として光導波路を形成したLN変調器を用いた
ものが多くある。
【0003】これらの光変調器を用いる際には、電気信
号を増幅するために高周波アンプを必ず用いている。こ
の場合には、高周波電気信号源回路(以下高周波ドライ
バという)の出力電圧(通常は2V)よりLN変調器の
実効的な駆動電圧(以下半波長電圧という)が高いた
め、十分な変調をするためには高周波電気信号を増幅し
てLN変調器に信号を印加する必要が生じる。
号を増幅するために高周波アンプを必ず用いている。こ
の場合には、高周波電気信号源回路(以下高周波ドライ
バという)の出力電圧(通常は2V)よりLN変調器の
実効的な駆動電圧(以下半波長電圧という)が高いた
め、十分な変調をするためには高周波電気信号を増幅し
てLN変調器に信号を印加する必要が生じる。
【0004】この場合に用いられる高周波アンプは一般
的に高価でありかつ静電気に弱く、取扱いに特段の注意
が必要であり、またアンプ駆動用の電源及び冷却用のフ
ァンなど付加的な部品も必要となり、高速通信システム
を構成する上でコスト、信頼性、作業性などの観点から
問題があった。
的に高価でありかつ静電気に弱く、取扱いに特段の注意
が必要であり、またアンプ駆動用の電源及び冷却用のフ
ァンなど付加的な部品も必要となり、高速通信システム
を構成する上でコスト、信頼性、作業性などの観点から
問題があった。
【0005】半波長電圧を低減させる方法としては、接
地電極幅を狭くする方法があるが、高周波特性を劣化さ
せ、特に高周波伝搬損失(マイクロ波伝搬損失)を増加
させるという問題点が生じる。また、有効電極長を長く
する事により半波長電圧を低減させる方法もあるが、光
変調帯域を低減させ、高速変調を困難にするという問題
点が生じる。
地電極幅を狭くする方法があるが、高周波特性を劣化さ
せ、特に高周波伝搬損失(マイクロ波伝搬損失)を増加
させるという問題点が生じる。また、有効電極長を長く
する事により半波長電圧を低減させる方法もあるが、光
変調帯域を低減させ、高速変調を困難にするという問題
点が生じる。
【0006】例えば、LNを用いたマッハツェンダー型
変調器の場合では、図5に示すように、LN変調器を用
いた高速光通信システムは、光源1から一定の出力光が
出され、光ファイバー6を通してLN変調器2に導入さ
れ、高周波アンプ4を通して高周波ドライバ3からLN
変調器に電気信号を印加すると、導波光は印加された電
気信号に応じて変調され、変調光は光ファイバー6を通
して受光器5に入力される。
変調器の場合では、図5に示すように、LN変調器を用
いた高速光通信システムは、光源1から一定の出力光が
出され、光ファイバー6を通してLN変調器2に導入さ
れ、高周波アンプ4を通して高周波ドライバ3からLN
変調器に電気信号を印加すると、導波光は印加された電
気信号に応じて変調され、変調光は光ファイバー6を通
して受光器5に入力される。
【0007】これは、LNなどの変調器を用いた高速光
通信システムを簡単に説明したものであるが、LN変調
器2を実システムに適用する場合、高周波アンプ4は必
須である。これは、高周波ドライバ3の出力電圧(通常
は2V)よりLN変調器2の実効的な半波長電圧が高い
ため、高周波電気信号を増幅してLN変調器2に信号を
印加する必要が生じる。
通信システムを簡単に説明したものであるが、LN変調
器2を実システムに適用する場合、高周波アンプ4は必
須である。これは、高周波ドライバ3の出力電圧(通常
は2V)よりLN変調器2の実効的な半波長電圧が高い
ため、高周波電気信号を増幅してLN変調器2に信号を
印加する必要が生じる。
【0008】このような高速光通信に用いられる高周波
アンプは一般的に高価であり、かつ静電気に弱く、取扱
いに特段の注意が必要であり、またアンプ駆動用の電源
及び冷却用のファンなど付加的な部品も必要となるた
め、高速通信システムを構成する上では、コスト、信頼
性、作業性などの観点からは問題があった。
アンプは一般的に高価であり、かつ静電気に弱く、取扱
いに特段の注意が必要であり、またアンプ駆動用の電源
及び冷却用のファンなど付加的な部品も必要となるた
め、高速通信システムを構成する上では、コスト、信頼
性、作業性などの観点からは問題があった。
【0009】このため、LN変調器を代表とする導波路
型光変調器の半波長電圧を低減する技術が幾つか開示さ
れている。例えば、特開平2−196212号公報記載
の技術では2本の導波路上にそれぞれ信号電極を設置
し、タイミングを調整した逆符号の電気信号を差動的に
印加する。特開平3−73913号公報記載の技術では
信号電極より狭いバッファー層を形成する。また、特開
平5−196902号公報記載の技術では接地電極幅を
信号電極幅の3倍以内にする等が行われている。
型光変調器の半波長電圧を低減する技術が幾つか開示さ
れている。例えば、特開平2−196212号公報記載
の技術では2本の導波路上にそれぞれ信号電極を設置
し、タイミングを調整した逆符号の電気信号を差動的に
印加する。特開平3−73913号公報記載の技術では
信号電極より狭いバッファー層を形成する。また、特開
平5−196902号公報記載の技術では接地電極幅を
信号電極幅の3倍以内にする等が行われている。
【0010】〔問題点〕しかし、特開平2−19621
2号公報記載の技術のように、高周波電気信号のタイミ
ングを調整して作動させるためには、タイミング調整の
ための新たな回路が必要となり、システム構成の部品が
増えコスト増やシステムが複雑になるなどの問題点があ
る。
2号公報記載の技術のように、高周波電気信号のタイミ
ングを調整して作動させるためには、タイミング調整の
ための新たな回路が必要となり、システム構成の部品が
増えコスト増やシステムが複雑になるなどの問題点があ
る。
【0011】また、特開平3−73913号公報記載の
技術のように、信号電極より狭いバッファー層を形成す
る構成では、バッファー層の加工工程が増え、また、加
工時の不純物や加工ひずみによるDCドリフトや温度特
性の劣化を生じるなどの問題点がある。
技術のように、信号電極より狭いバッファー層を形成す
る構成では、バッファー層の加工工程が増え、また、加
工時の不純物や加工ひずみによるDCドリフトや温度特
性の劣化を生じるなどの問題点がある。
【0012】また、特開平5−196902号公報記載
の技術のように、接地電極の幅を信号電極の3倍以内に
するだけでは足りず、半波長電圧の低減効果について一
部言及されてはいるものの、この技術の主目的が変調器
の広帯域化とインピーダンス整合を図ることであるた
め、接地電極の幅を狭くすることによるマイクロ波の伝
搬損失の増加に関する問題点、すなわち変調帯域と有効
電極長さとの関連および半波長電圧と接地電極、信号電
極の比との関連等が不明であり、高周波アンプを使用し
なくても高速変調が可能となる構成方法や設定パラメー
タについては明らかにされていないという問題点があ
る。
の技術のように、接地電極の幅を信号電極の3倍以内に
するだけでは足りず、半波長電圧の低減効果について一
部言及されてはいるものの、この技術の主目的が変調器
の広帯域化とインピーダンス整合を図ることであるた
め、接地電極の幅を狭くすることによるマイクロ波の伝
搬損失の増加に関する問題点、すなわち変調帯域と有効
電極長さとの関連および半波長電圧と接地電極、信号電
極の比との関連等が不明であり、高周波アンプを使用し
なくても高速変調が可能となる構成方法や設定パラメー
タについては明らかにされていないという問題点があ
る。
【0013】このように、半波長電圧を低くする構成に
関して幾つかの技術が開示されてはいるものの、高周波
特性が十分でなかったり、DCドリフトや温度特性の劣
化等の問題点があり、さらに、いずれの先行技術も高周
波アンプを使用することなく高速変調が可能な構成や設
定パラメータに関して明らかにされていないため実現で
きないという問題点がある。
関して幾つかの技術が開示されてはいるものの、高周波
特性が十分でなかったり、DCドリフトや温度特性の劣
化等の問題点があり、さらに、いずれの先行技術も高周
波アンプを使用することなく高速変調が可能な構成や設
定パラメータに関して明らかにされていないため実現で
きないという問題点がある。
【0014】したがって、高周波アンプを用いなくても
使用できる、より半波長電圧の低いLN変調器の開発が
望まれているが、なお、多くの改良すべき点が多くある
ため、現時点では、高周波アンプを使用することなく実
システムに適用できるような光変調器は得られていなか
った。
使用できる、より半波長電圧の低いLN変調器の開発が
望まれているが、なお、多くの改良すべき点が多くある
ため、現時点では、高周波アンプを使用することなく実
システムに適用できるような光変調器は得られていなか
った。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における前記問題点を解消するためのものであり、その
問題点解消のため具体的に設定した課題は、高周波アン
プを用いなくても高速変調が可能で、DCドリフトや温
度特性が優れ、低コストで信頼性が高く、作業性の良
い、光変調帯域が現在大部分の実システムで用いられて
いる 2.5GHz以上の高速光通信システム用の光変調器
を提供することにある。
における前記問題点を解消するためのものであり、その
問題点解消のため具体的に設定した課題は、高周波アン
プを用いなくても高速変調が可能で、DCドリフトや温
度特性が優れ、低コストで信頼性が高く、作業性の良
い、光変調帯域が現在大部分の実システムで用いられて
いる 2.5GHz以上の高速光通信システム用の光変調器
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
に係る光変調器は、電気光学効果を有する基板と、この
基板に形成したマッハツェンダー型光導波路と、この光
導波路を伝搬する光波を変調するための少なくとも一組
の電極とを有し、この一組の電極が信号電極と接地電極
とからなる光変調器において、前記接地電極の幅Wgと
前記信号電極の幅Whとの比率Wg/Whを1以上7以
下とし、かつ前記一組の電極の有効電極長Lを5cm以
上9cm以下とすることを特徴とするものである。
に係る光変調器は、電気光学効果を有する基板と、この
基板に形成したマッハツェンダー型光導波路と、この光
導波路を伝搬する光波を変調するための少なくとも一組
の電極とを有し、この一組の電極が信号電極と接地電極
とからなる光変調器において、前記接地電極の幅Wgと
前記信号電極の幅Whとの比率Wg/Whを1以上7以
下とし、かつ前記一組の電極の有効電極長Lを5cm以
上9cm以下とすることを特徴とするものである。
【0017】また、請求項2に係る光変調器は、前記基
板がLiNbO3 であることを特徴とする。
板がLiNbO3 であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。ただし、この実施の形態は、本発明の趣
旨をより良く理解させるため具体的に説明するもので、
特に指定のない限り、発明内容を限定するものではな
い。
的に説明する。ただし、この実施の形態は、本発明の趣
旨をより良く理解させるため具体的に説明するもので、
特に指定のない限り、発明内容を限定するものではな
い。
【0019】この実施の形態における光変調器として、
Zカット板のLNにマッハツェンダー型の光導波路を形
成した高速光変調器を図1に示し、この例により説明す
る。先ず、LN基板7に光導波路8を形成するためTi
をLN基板7に成膜する。このとき事前にフォトリソグ
ラフィーによって、レジストのマッハツェンダー型導波
路パターンを転写しておく。Ti成膜後、この基板を有
機溶剤に浸し、不要な部分のTiをリフトオフして光導
波路8の原型を形成する。なお、この場合の光導波路8
の幅は7μm、Ti厚は900Åとする。
Zカット板のLNにマッハツェンダー型の光導波路を形
成した高速光変調器を図1に示し、この例により説明す
る。先ず、LN基板7に光導波路8を形成するためTi
をLN基板7に成膜する。このとき事前にフォトリソグ
ラフィーによって、レジストのマッハツェンダー型導波
路パターンを転写しておく。Ti成膜後、この基板を有
機溶剤に浸し、不要な部分のTiをリフトオフして光導
波路8の原型を形成する。なお、この場合の光導波路8
の幅は7μm、Ti厚は900Åとする。
【0020】次に、この基板を1000℃で10時間熱
拡散し、LN基板7に光導波路8を形成する。この光導
波路8のTi厚や幅や拡散条件は、例えば波長λ= 1.5
5 μmの光波でシングルモード導波路となるような条件
が選ばれる。このLN基板7の上に、図示していない
が、導波光の金属電極による吸収損失を抑えるため、S
iO2 などでバッファー層を形成する。ここではSiO
2 バッファー層を真空蒸着によって、膜厚が 0.5μmに
なるように形成する。
拡散し、LN基板7に光導波路8を形成する。この光導
波路8のTi厚や幅や拡散条件は、例えば波長λ= 1.5
5 μmの光波でシングルモード導波路となるような条件
が選ばれる。このLN基板7の上に、図示していない
が、導波光の金属電極による吸収損失を抑えるため、S
iO2 などでバッファー層を形成する。ここではSiO
2 バッファー層を真空蒸着によって、膜厚が 0.5μmに
なるように形成する。
【0021】次に、この光導波路8を伝搬する導波光を
変調するための電極を形成する。まず、基板全面にニク
ロムを蒸着し、その後、金を蒸着する。その後、導波路
形成時と同様に、レジストで電極パターンを転写し、電
気メッキによって接地電極9と信号電極10とを形成す
る。有機溶剤によってレジスト除去後、ケミカルエッチ
ングによって各電極9,10間の不要な金属を除去す
る。このときの信号電極10の幅Wh及び接地電極9の
幅Wgは、それぞれ7μmおよび18μmとし、有効電
極長Lを6cmとする。
変調するための電極を形成する。まず、基板全面にニク
ロムを蒸着し、その後、金を蒸着する。その後、導波路
形成時と同様に、レジストで電極パターンを転写し、電
気メッキによって接地電極9と信号電極10とを形成す
る。有機溶剤によってレジスト除去後、ケミカルエッチ
ングによって各電極9,10間の不要な金属を除去す
る。このときの信号電極10の幅Wh及び接地電極9の
幅Wgは、それぞれ7μmおよび18μmとし、有効電
極長Lを6cmとする。
【0022】電極形成が終わったLN基板7からチップ
を切り出し、チップの入出射端面を研磨した後、図示し
ないケースにこのチップを固定し、光導波路8を合わせ
て光ファイバー6を接続する。また、上記電極9,10
に電気コネクタも接続する。なお、信号電極10の片方
の電気コネクタには50Ωの終端抵抗11を接続する。
を切り出し、チップの入出射端面を研磨した後、図示し
ないケースにこのチップを固定し、光導波路8を合わせ
て光ファイバー6を接続する。また、上記電極9,10
に電気コネクタも接続する。なお、信号電極10の片方
の電気コネクタには50Ωの終端抵抗11を接続する。
【0023】このようにして製作したLN変調器の半波
長電圧及び光変調帯域を測定したところ、それぞれ約
1.7V及び約3GHzであった。このLN変調器の半波
長電圧は高周波ドライバの出力(通常2V)より低くな
っているため、高周波アンプを使用せずに、この変調器
を駆動してみた。
長電圧及び光変調帯域を測定したところ、それぞれ約
1.7V及び約3GHzであった。このLN変調器の半波
長電圧は高周波ドライバの出力(通常2V)より低くな
っているため、高周波アンプを使用せずに、この変調器
を駆動してみた。
【0024】図2は、この構成によるLN変調器を、高
周波アンプ無しで 2.5Gbit/sの高速デジタル変調
を行った実験結果である。この図2より、この光変調器
は、高周波アンプ無しであっても、 2.5Gbit/sの
アイが十分開いており、高速光通信に使用できることが
分かった。
周波アンプ無しで 2.5Gbit/sの高速デジタル変調
を行った実験結果である。この図2より、この光変調器
は、高周波アンプ無しであっても、 2.5Gbit/sの
アイが十分開いており、高速光通信に使用できることが
分かった。
【0025】さらに、上記光変調器を拡張するならば、
電気光学効果をもった基板7と、この基板7に形成した
マッハツェンダー型の光導波路8と、この光導波路8を
伝搬する光波を変調するための少なくとも一組の電極
9,10とを有し、この一組の電極9,10が信号電極
10と接地電極9とからなり、接地電極9の幅Wgと信
号電極10の幅Whとの比率Wg/Whを1以上7以下
とし、かつ前記一組の電極9,10の有効電極長Lを5
cm以上9cm以下とする。
電気光学効果をもった基板7と、この基板7に形成した
マッハツェンダー型の光導波路8と、この光導波路8を
伝搬する光波を変調するための少なくとも一組の電極
9,10とを有し、この一組の電極9,10が信号電極
10と接地電極9とからなり、接地電極9の幅Wgと信
号電極10の幅Whとの比率Wg/Whを1以上7以下
とし、かつ前記一組の電極9,10の有効電極長Lを5
cm以上9cm以下とする。
【0026】このように接地電極9,10を狭くするこ
とで、劣化する高周波特性と、増大する高周波伝搬損失
を最小限に抑圧し、かつ接地電極9と信号電極10の幅
の比率Wg/Wh及びそれらの有効電極長Lを特定の範
囲に設定することで、従来必須であった高周波アンプを
使用しなくても、高速伝送が可能で、DCドリフトや温
度特性を劣化させず、安定させることができるようにな
る。
とで、劣化する高周波特性と、増大する高周波伝搬損失
を最小限に抑圧し、かつ接地電極9と信号電極10の幅
の比率Wg/Wh及びそれらの有効電極長Lを特定の範
囲に設定することで、従来必須であった高周波アンプを
使用しなくても、高速伝送が可能で、DCドリフトや温
度特性を劣化させず、安定させることができるようにな
る。
【0027】接地電極9の幅を信号電極10の幅と同程
度に狭くすることは、広く分布していた電界が狭くした
接地電極9に集中し、光導波路8を伝搬する導波光との
相互作用が強くなり、光変調器の半波長電圧を下げる効
果がある。一方、接地電極9の幅を狭くすると、電極の
断面積が減少し、電気抵抗が増加する。この結果、マイ
クロ波の伝搬損失が増加し、光変調器の変調帯域が狭く
なる。
度に狭くすることは、広く分布していた電界が狭くした
接地電極9に集中し、光導波路8を伝搬する導波光との
相互作用が強くなり、光変調器の半波長電圧を下げる効
果がある。一方、接地電極9の幅を狭くすると、電極の
断面積が減少し、電気抵抗が増加する。この結果、マイ
クロ波の伝搬損失が増加し、光変調器の変調帯域が狭く
なる。
【0028】図3には、信号電極10の幅Whを7μm
とした場合における光変調器の半波長電圧と電極長の積
Vπ・L(V・cm)とマイクロ波減衰定数α(dB/
(GHz)0.5 ・cm)との関係を示す。
とした場合における光変調器の半波長電圧と電極長の積
Vπ・L(V・cm)とマイクロ波減衰定数α(dB/
(GHz)0.5 ・cm)との関係を示す。
【0029】この図3から分かるように、接地電極9の
幅Wgを次第に狭くしてゆくと、光変調器の半波長電圧
が減少してゆくが、信号電極10の幅より細くなると、
急激に半波長電圧が上昇する。さらに、マイクロ波減衰
定数αも増加し、変調器の光変調帯域を狭くする。ま
た、接地電極9の幅Wgと信号電極10の幅Whの比率
Wg/Whが7より大きい場合は、マイクロ波の減衰が
減るものの、半波長電圧が上昇してしまう。このため、
比率Wg/Whは、1以上7以下が望ましく、より低半
波長電圧低減化を図るためには、図3の特性を踏まえて
3以上5以下が更に望ましい。
幅Wgを次第に狭くしてゆくと、光変調器の半波長電圧
が減少してゆくが、信号電極10の幅より細くなると、
急激に半波長電圧が上昇する。さらに、マイクロ波減衰
定数αも増加し、変調器の光変調帯域を狭くする。ま
た、接地電極9の幅Wgと信号電極10の幅Whの比率
Wg/Whが7より大きい場合は、マイクロ波の減衰が
減るものの、半波長電圧が上昇してしまう。このため、
比率Wg/Whは、1以上7以下が望ましく、より低半
波長電圧低減化を図るためには、図3の特性を踏まえて
3以上5以下が更に望ましい。
【0030】図4は、前記電極9,10の有効電極長L
に対する半波長電圧(半波長電圧)Vπ及び光変調器の
光変調帯域B.W.の関係を示す。この図4より、通常
の高周波ドライバの出力電圧は約2Vであるため、この
半波長電圧以下で十分な変調を行うために必要な有効電
極長Lは約5cm以上必要となる。一方、有効電極長を
長くしていくとマイクロ波の伝搬損失の増加や、光波と
マイクロ波の速度整合のずれから、光変調帯域が狭くな
ってゆく。
に対する半波長電圧(半波長電圧)Vπ及び光変調器の
光変調帯域B.W.の関係を示す。この図4より、通常
の高周波ドライバの出力電圧は約2Vであるため、この
半波長電圧以下で十分な変調を行うために必要な有効電
極長Lは約5cm以上必要となる。一方、有効電極長を
長くしていくとマイクロ波の伝搬損失の増加や、光波と
マイクロ波の速度整合のずれから、光変調帯域が狭くな
ってゆく。
【0031】LN変調器を用いた多くの高速光通信シス
テムは 2.5Gbit/s以上の伝送速度を使用してお
り、これに必要な変調器の光変調帯域がおよそ 2.5GH
z程度であるため、有効電極長Lの長さは9cm以下と
なる。なお、この実施の形態によれば、電気信号のタイ
ミング調整のための新たな回路は不必要であり、バッフ
ァー層の加工も不必要である。従って、システム構成の
部品が増えたりコスト増やシステムが複雑になることも
なく、またバッファー層の加工時の不純物や、加工ひず
みによるDCドリフトや、温度特性の劣化などもない。
テムは 2.5Gbit/s以上の伝送速度を使用してお
り、これに必要な変調器の光変調帯域がおよそ 2.5GH
z程度であるため、有効電極長Lの長さは9cm以下と
なる。なお、この実施の形態によれば、電気信号のタイ
ミング調整のための新たな回路は不必要であり、バッフ
ァー層の加工も不必要である。従って、システム構成の
部品が増えたりコスト増やシステムが複雑になることも
なく、またバッファー層の加工時の不純物や、加工ひず
みによるDCドリフトや、温度特性の劣化などもない。
【0032】以上の特性は理想的な状態における計算例
を示したものであるが、現実の変調器においては、プロ
セス誤差や電極の形状、材質などのバラツキがあるた
め、上記計算例と比べ、ズレが生じる。しかし、接地電
極9の幅Wgと信号電極10の幅Whの比率Wg/Wh
の値が1以上7以下であり、かつ電極の有効電極長Lが
5cm以上9cm以下のような構成とすることによっ
て、従来必須であった高周波アンプを使用することな
く、高速変調が可能となり、低コストで、信頼性が高
く、作業性の良い、高速光通信システム用の変調器が実
現できる。
を示したものであるが、現実の変調器においては、プロ
セス誤差や電極の形状、材質などのバラツキがあるた
め、上記計算例と比べ、ズレが生じる。しかし、接地電
極9の幅Wgと信号電極10の幅Whの比率Wg/Wh
の値が1以上7以下であり、かつ電極の有効電極長Lが
5cm以上9cm以下のような構成とすることによっ
て、従来必須であった高周波アンプを使用することな
く、高速変調が可能となり、低コストで、信頼性が高
く、作業性の良い、高速光通信システム用の変調器が実
現できる。
【0033】〔別態様〕以上述べた実施の形態は、具体
例としてZカット板のLNにマッハツェンダー型の光導
波路8を形成した高速光変調器を例にしているが、Xカ
ット板のLNや、電気光学効果をもつものであれば、他
の基板であっても良いことは明らかである。また、この
実施の形態では、信号電極10の幅Wh及び接地電極9
の幅Wgは、それぞれ7μmおよび18μmとし(Wg
/Wh=約 2.6)、有効電極長Lを6cmとしたが、上
述したとおり、接地電極9の幅Wgと信号電極10の幅
Whとの比率Wg/Whが1以上7以下であり、かつ電
極9,10の有効電極長Lが5cm以上9cm以下であ
れば、従来必須であった高価な高周波アンプを使用する
ことなく、高速変調が可能となり、低コストで、信頼性
が高く、作業性の良い、高速光通信システム用の光変調
器が実現できる。
例としてZカット板のLNにマッハツェンダー型の光導
波路8を形成した高速光変調器を例にしているが、Xカ
ット板のLNや、電気光学効果をもつものであれば、他
の基板であっても良いことは明らかである。また、この
実施の形態では、信号電極10の幅Wh及び接地電極9
の幅Wgは、それぞれ7μmおよび18μmとし(Wg
/Wh=約 2.6)、有効電極長Lを6cmとしたが、上
述したとおり、接地電極9の幅Wgと信号電極10の幅
Whとの比率Wg/Whが1以上7以下であり、かつ電
極9,10の有効電極長Lが5cm以上9cm以下であ
れば、従来必須であった高価な高周波アンプを使用する
ことなく、高速変調が可能となり、低コストで、信頼性
が高く、作業性の良い、高速光通信システム用の光変調
器が実現できる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明では、請求項1に係
る光変調器では、電気光学効果を有する基板と、この基
板に形成したマッハツェンダー型光導波路と、この光導
波路を伝搬する光波を変調するための少なくとも一組の
電極とを有し、この一組の電極が信号電極と接地電極と
からなる光変調器において、前記接地電極の幅Wgと前
記信号電極の幅Whとの比率Wg/Whが1以上7以下
とし、かつ前記一組の電極の有効電極長Lが5cm以上
9cm以下としたことにより、高周波アンプを用いなく
ても高速変調が可能であり、DCドリフトや温度特性の
優れた変調器が実現でき、低コストで信頼性が高く作業
性の良い高速光通信システム用の光変調器を実現するこ
とができる。
る光変調器では、電気光学効果を有する基板と、この基
板に形成したマッハツェンダー型光導波路と、この光導
波路を伝搬する光波を変調するための少なくとも一組の
電極とを有し、この一組の電極が信号電極と接地電極と
からなる光変調器において、前記接地電極の幅Wgと前
記信号電極の幅Whとの比率Wg/Whが1以上7以下
とし、かつ前記一組の電極の有効電極長Lが5cm以上
9cm以下としたことにより、高周波アンプを用いなく
ても高速変調が可能であり、DCドリフトや温度特性の
優れた変調器が実現でき、低コストで信頼性が高く作業
性の良い高速光通信システム用の光変調器を実現するこ
とができる。
【0035】また、請求項2に係る光変調器では、前記
基板がLiNbO3 であることにより、低損失で低チャ
ープ特性に優れた光変調器ができる。
基板がLiNbO3 であることにより、低損失で低チャ
ープ特性に優れた光変調器ができる。
【図1】本発明の実施の形態における光変調器を示す平
面説明図である。
面説明図である。
【図2】実施の形態におけるLN変調器について、高周
波アンプなしで 2.5Gbit/sの高速デジタル変調を
行った実験結果(アイパターン)を示すグラフである。
波アンプなしで 2.5Gbit/sの高速デジタル変調を
行った実験結果(アイパターン)を示すグラフである。
【図3】実施の形態における接地電極の幅と信号電極の
幅との比率Wg/Whに対するLN変調器の半波長電圧
と電極長との積及びマイクロ波減衰定数との計算例を示
すグラフである。
幅との比率Wg/Whに対するLN変調器の半波長電圧
と電極長との積及びマイクロ波減衰定数との計算例を示
すグラフである。
【図4】実施の形態におけるLN変調器の電極の有効電
極長さに対する半波長電圧及び光変調帯域の計算例を示
すグラフである。
極長さに対する半波長電圧及び光変調帯域の計算例を示
すグラフである。
【図5】従来のLN変調器を用いた高速光通信システム
の概略図を示すブロック図である。
の概略図を示すブロック図である。
1 光源 3 高周波ドライバ 4 高周波アンプ 5 受光器 6 光ファイバ 7 LN基板 8 光導波路 9 接地電極 10 信号電極 11 終端抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木内 和昌 千葉県船橋市豊富町585番地 住友大阪セ メント株式会社新規技術研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】電気光学効果を有する基板と、この基板に
形成したマッハツェンダー型光導波路と、この光導波路
を伝搬する光波を変調するための少なくとも一組の電極
とを有し、この一組の電極が信号電極と接地電極とから
なる光変調器において、 前記接地電極の幅Wgと前記信号電極の幅Whとの比率
Wg/Whを1以上7以下とし、かつ前記一組の電極の
有効電極長Lを5cm以上9cm以下とすることを特徴
とする光変調器。 - 【請求項2】前記基板がLiNbO3 であることを特徴
とする請求項1記載の光変調器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3914398A JPH11237593A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 光変調器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3914398A JPH11237593A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 光変調器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11237593A true JPH11237593A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=12544895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3914398A Pending JPH11237593A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 光変調器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11237593A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1132764A1 (en) * | 2000-03-08 | 2001-09-12 | JDS Uniphase Corporation | Electro-optic modulator with enhanced temperature stability |
WO2001067168A1 (fr) * | 2000-03-09 | 2001-09-13 | Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd | Guide d'ondes optique |
JP2009086065A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 光導波路型変調器 |
JP2011081195A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Fujitsu Optical Components Ltd | 光変調器および光送信器 |
CN108780234A (zh) * | 2016-07-21 | 2018-11-09 | 华为技术有限公司 | 一种电光调制器 |
-
1998
- 1998-02-20 JP JP3914398A patent/JPH11237593A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1132764A1 (en) * | 2000-03-08 | 2001-09-12 | JDS Uniphase Corporation | Electro-optic modulator with enhanced temperature stability |
US6449080B1 (en) | 2000-03-08 | 2002-09-10 | Jds Uniphase Corporation | Electro-optic modulator with enhanced bias stability |
WO2001067168A1 (fr) * | 2000-03-09 | 2001-09-13 | Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd | Guide d'ondes optique |
US7035488B2 (en) | 2000-03-09 | 2006-04-25 | Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. | Optical waveguide element |
JP2009086065A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 光導波路型変調器 |
JP4544479B2 (ja) * | 2007-09-28 | 2010-09-15 | 住友大阪セメント株式会社 | 光導波路型変調器 |
JP2011081195A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Fujitsu Optical Components Ltd | 光変調器および光送信器 |
US8406576B2 (en) | 2009-10-07 | 2013-03-26 | Fujitsu Optical Components Limited | Optical modulator and optical transmitter |
CN108780234A (zh) * | 2016-07-21 | 2018-11-09 | 华为技术有限公司 | 一种电光调制器 |
US10684497B2 (en) | 2016-07-21 | 2020-06-16 | Huawei Technologies Co., Ltd. | Electro-optic modulator |
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