JPH1123718A - 多検出器型シングルフォトンect装置 - Google Patents

多検出器型シングルフォトンect装置

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JPH1123718A
JPH1123718A JP17406297A JP17406297A JPH1123718A JP H1123718 A JPH1123718 A JP H1123718A JP 17406297 A JP17406297 A JP 17406297A JP 17406297 A JP17406297 A JP 17406297A JP H1123718 A JPH1123718 A JP H1123718A
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JP
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ray
energy
detector
detection signals
subject
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JP17406297A
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Yuichi Inaoka
祐一 稲岡
Haruo Kishi
治夫 貴志
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ線検出器同士の感度差に起因するγ線投影
データ情報の欠落を阻止し、正確なRI分布断層撮影像
を得る。 【解決手段】 この発明の多検出器型SPECT装置
は、複数個(例えば2個)のγ線検出器4,5のγ線検
出信号の選別をおこなうエネルギーウインド部16,1
7のうちγ線検出器5用のエネルギーウインド部17の
信号通過許容範囲である所定エネルギー幅を、γ線検出
器4,5同士の感度差に対応する分だけ予めコンピュー
タ19により拡大調整できる構成となっており、従来の
撮影では欠落していたγ線投影データ情報も漏れなく収
集されることから、微妙な変化も捉えられる正確なRI
分布断層撮影像が得られるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被検体に投与さ
れた放射性同位元素(RI=ラジオアイソトープ)から
放射されるγ線を複数個のγ線検出器で検出するととも
に、γ線検出信号に基づき被検体(患者)の内臓などに
ついてのRI分布断層撮影像を再構成する多検出器型シ
ングルフォトンECT装置(以下、適宜「多検出器型S
PECT装置」と略記)に係り、正確なRI分布断層撮
影像を得るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】SPECT装置は、γ線検出器を被検体
の体軸の回りに回転させながら、被検体に投与されたR
Iから放射されるγ線を検出して、γ線検出信号のうち
所定エネルギー幅の中にあるγ線検出信号を選別し、選
別したγ線検出信号について、被検体におけるγ線検出
対象領域を2次元的に区画することで設定した各区域ご
とのγ線検出信号発生数を、各区域と対応付けられた2
次元配列でもって設けられた各メモリピクセルにそれぞ
れ記憶するというγ線投影データ収集プロセスを繰り返
しおこなうとともに、収集されたγ線投影データに基づ
く逆投影処理をコンピュータを使っておこなうことによ
りRI分布断層撮影像を再構成するという装置である。
γ線検出器で得られるγ線検出信号のうち所定エネルギ
ー幅の中にあるγ線検出信号だけを選別してRI分布断
層撮影像を再構成するのは、ボケ等の原因となる散乱γ
線による検出信号を除去するためである。
【0003】さらに、SPECT装置の中には、γ線検
出器が複数個(通常、2〜3個)設けられている多検出
器型SPECT装置がある。γ線検出器が1個しかない
場合はγ線検出器を被検体の回りを1回転させなければ
ならないが、例えば2検出器型SPECT装置のように
γ線検出器が2個ある場合は各γ線検出器を被検体の回
りを半回転させれば済むので撮影時間の短縮が図れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多検出器型SPECT装置の場合、個々のγ線検出器の
間に感度差があることから、正確なRI分布断層撮影像
が得られないという問題がある。勿論、γ線検出器同士
の間の感度差を補うために、被検体におけるγ線検出対
象領域に2次元的に区画された区域と対応する2次元配
列のメモリピクセルにそれぞれ記憶されたγ線投影デー
タに、感度差に比例した係数を掛け合わせる補正処理が
行われるのであるが、この処理では、以下のように感度
差を十分に補正することは困難である。
【0005】仮に、同じ撮影位置で2個のγ線検出器そ
れぞれによって得たγ線投影データ同士を比べると、図
11に示すように、一方のγ線検出器のγ線投影データ
60Aではγ線検出信号有り(0でない)となっている
が、図12に示すように、他方のγ線検出器のγ線投影
データ60Bではγ線検出信号無し(0である)となっ
ている多数のメモリピクセル61〜67があって、両γ
線投影データ60A,60Bは必ずしも同じにならな
い。恐らく、他方のγ線検出器では、同じ所から出たγ
線を旨く検出できず、検出信号が所定エネルギー幅から
外れて除かれてしまったのであろう。いわゆる統計誤差
である。
【0006】だから、本来、係数を掛け合わす補正処理
により、γ線投影データ60Bについての各メモリピク
セル61〜67がγ線検出信号有り(0でない)へ転じ
てくれる必要がある。しかし、実際には、係数を掛け合
わす補正処理をいくら行っても、例えば、図13に示す
ように、補正後のγ線投影データ60Cにおける各メモ
リピクセル61〜67は依然としてピクセル値が「0」
のままである。メモリピクセル61〜67のピクセル値
の「0」には、幾ら係数をかけたところで所詮0でしか
ないからである。したがって、補正後のγ線投影データ
60Cでもγ線カウント値の少ないところはγ線投影デ
ータの欠落が起こり、再構成されたRI分布断層撮影像
は、微妙な変化が捉え切れない等から不正確な像となり
がちである。
【0007】この発明は、上記問題点に鑑み、γ線検出
器同士の感度差に起因するγ線投影データの欠落を阻止
して、微妙な変化も捉えられる正確なRI分布断層撮影
像を得ることができる多検出器型シングルフォトンEC
T装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の多検出器型シングルフォトンECT装置
は、被検体を間にするように配設されているとともに、
被検体の体軸の回りを一斉に回転しながら、被検体に投
与された放射性同位元素(RI)から放射されるγ線を
検出する複数個のγ線検出器と、各γ線検出器から次々
出力されるγ線検出信号のうちエネルギーが所定エネル
ギー幅の中にあるγ線検出信号だけを通過させるよう各
γ線検出器ごとに設けられているエネルギーウインド手
段と、被検体におけるγ線検出対象領域を2次元的に区
画することで設定した各区域と対応付けられた2次元配
列でもってメモリピクセルが設けられているデータ記憶
手段と、エネルギーウインド手段を通過した全γ線検出
信号について被検体におけるγ線検出対象領域の各区域
ごとのγ線検出信号発生数を対応するメモリピクセルに
記憶することによりγ線投影データを収集するデータ収
集手段と、データ収集手段によってデータ記憶手段へ収
集記憶されたγ線投影データに基づく逆投影処理により
RI分布断層撮影像を再構成する画像再構成手段を備え
た多検出器型シングルフォトンECT装置において、エ
ネルギーウインド手段がその所定エネルギー幅を変化さ
せられるよう構成されているとともに、被検体としてセ
ットされた標準RI源からの放射γ線によるγ線検出信
号について信号エネルギーレベルと検出信号数の対応関
係(検出スペクトル)を各γ線検出器毎に求出するスペ
クトル求出手段と、スペクトル求出手段により求出され
た検出スペクトルに基づき、所定エネルギー幅の中の検
出信号の合計数が最大数(最大カウント数)であるγ線
検出器を特定するとともに他のγ線検出器のエネルギー
ウインド手段の所定エネルギー幅を、その中のγ線検出
信号の合計数が前記最大カウント数に一致するよう調節
するエネルギー幅調節手段とを備えている。
【0009】〔作用〕次に、この発明の多検出器型シン
グルフォトンECT装置において、γ線検出器同士の感
度差に起因するγ線投影データの欠落阻止機能が発揮さ
れる際の作用について説明する。先ず、被検体として点
状の標準RI源(例えば放射性テクネシウム)をセット
した後、各γ線検出器により標準RI源から放射される
γ線を検出するとともに、スペクトル求出手段により、
γ線検出信号について(所定エネルギー幅を外れるγ線
検出信号も含めた)信号エネルギーと検出信号数の対応
関係(検出スペクトル)を各γ線検出器ごとに求出す
る。続いて、エネルギー幅調節手段により、各検出スペ
クトルそれぞれについて、エネルギーウインド手段でγ
線検出信号の選別のために元々設定されている所定エネ
ルギー幅に対応するエネルギー区画の中の検出信号の合
計数を算出し、その中で合計数が最大数(最大カウント
数)であるγ線検出器を特定した後、他の特定されなか
ったγ線検出器用のエネルギーウインド手段における所
定エネルギー幅を、その中のγ線検出信号の合計数が、
特定されたγ線検出器の最大カウント数に一致するよう
に広げる調整をおこなう。
【0010】こうして、スペクトル求出手段によるエネ
ルギーウインド手段における所定エネルギー幅の調整が
済み、標準RI源が取り除かれた後は、実際の被検体に
対する撮影が、通常と同様にして実行される。この撮影
の場合、所定エネルギー幅の中の検出信号の合計数が最
大カウント数に比べて少ない(信号欠落の多かった)γ
線検出器に対応するエネルギーウインド手段は、所定エ
ネルギー幅が広げられてγ線検出信号の通過許容範囲が
予め拡大していることから、γ線検出器同士の感度差に
起因して個数カウントから欠落してしまっていたγ線検
出信号も、漏れずにカウントされてデータ記憶手段の該
当メモリピクセルに記憶される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を図面
を参照しながら説明する。図1はこの発明の2検出器型
SPECT装置の要部構成を示す全体的ブロック図、図
2は実施例の2検出器型SPECT装置におけるγ線検
出器の回転状況を示す説明図、図3は実施例装置のγ線
検出器の構造を示す模式図である。
【0012】実施例の2検出器型SPECT装置は、図
1に示すように、被検体Mを載せる天板1と、γ線検出
用の複数個のγ線検出器4,5が配設されたガントリ2
とを備えている。天板1は、通常構成の天板移動機構
(図示省略)により被検体Mを載せたまま前後(紙面に
垂直な方向)・左右および上下に移動可能に構成されて
いる。γ線検出器4,5は、被検体Mに投与された放射
性同位元素(RI)から放射されるγ線を検出するため
に、被検体Mを間にして対向したかたちで装備されてい
る。
【0013】γ線検出器4,5は、矢印A1,A2で示
すように検出器の間隔が調整できるようにして支持フレ
ーム6に配設されているとともに、矢印A3で示すよう
に、カメラ駆動機構7によって両γ線検出器4,5が支
持フレーム6ごと被検体Mの体軸の回りを一斉に回転さ
せられるよう構成されている。本実施例ではγ線検出器
が2個あるので1回の撮影で各検出器は半回転すれば事
足りる。勿論、両γ線検出器4,5は被検体Mの回転と
同期して、γ線検出動作を行いγ線検出信号を出力する
ことになる。γ線検出器4,5の回転形態は、ステップ
回転と連続回転のいずれでもよく、通常、3°〜6°程
度の回転角度間隔でγ線投影データの取り込みのための
γ線検出動作が繰り返し行われる。γ線検出動作中、γ
線検出器4,5はなるべく被検体Mに接近していること
が望ましいことから、図2(a)に示すように、γ線検
出器4,5が被検体Mの上下にある時は互いに近づき合
い、図2(b)に示すように、γ線検出器4,5が被検
体Mの左右にある時は互いに遠ざかるよう検出器の間隔
が変化する構成となっている。
【0014】両γ線検出器4,5は、いずれも、通常構
造の検出器であって、図3に示すように、入射したγ線
を光に変換するシンチレータ11を備えており、シンチ
レータ11の前面側に散乱γ線をカットするためのコリ
メータ10が配設されているとともに、シンチレータ1
1の後面側にシンチレータ11で発生した光を検出する
複数の光電子増倍管(フォトマルチプライア)12が2
次元配列でもって配設されている。そして、これら光電
子増倍管12の後段に増幅処理回路3及びAD変換部
8,9が設けられていて、各光電子増倍管12のアナロ
グ光電変換信号が増幅処理回路3を経由してAD変換部
8,9のAD変換ユニット13でディジタル信号に変換
されて以後、ディジタル化されたγ線検出信号に基づい
て各種の処理が行われることになる。
【0015】AD変換部8,9の後段には、γ線検出信
号に対して各種の補正を行う補正処理部14,15と、
次々送出されるγ線検出信号のうちエネルギーが所定エ
ネルギー幅の中にあるγ線検出信号だけを通過させるエ
ネルギーウインド部16,17が順に設けられている。
補正処理部14,15で行われる補正としては、いわゆ
る格子歪み補正、γ線検出器全面の感度均一化のための
補正(感度ムラ補正)、エネルギーレベルのズレ補正な
どが挙げられる。γ線検出信号の信号強度がエネルギー
レベルと対応しているので、γ線検出信号の信号強度が
所定エネルギー幅に対応する一定範囲の信号だけを通過
させる構成なのである。また、各エネルギーウインド部
16,17は、その所定エネルギー幅をコンピュータ1
9によって変化させられるよう構成されている。エネル
ギーウインド部16,17における所定エネルギー幅
は、被検体Mに投与されるRIの種類によって異なる。
例えばテクネシウムの場合は中心エネルギーレベル14
0keVを真ん中にして上下10%(約15keV)の
範囲(つまり125keV〜155keV)が所定エネ
ルギー幅となる。
【0016】エネルギーウインド部16,17の後段に
はγ線投影データを記憶するデータ記憶部18や、デー
タ収集を始めとする各種の処理を実行するコンピュータ
19が設けられている。データ記憶部18は、被検体M
におけるγ線検出対象領域を2次元的に区画することで
設定した各区域と対応付けられた2次元配列でもってメ
モリピクセルが設けられているフレームメモリ形式のデ
ータ格納ファイル18a,18b,18c,…を、取り
込まれるγ線投影データの枚数分持っている。各データ
格納ファイルのピクセル数は縦64〜128,横64〜
128という程度である。コンピュータ19は、1回の
γ線投影データの収集動作が1回おこなわれる度に、エ
ネルギーウインド部16,17を通過して送り込まれて
くる全γ線検出信号について被検体Mにおけるγ線検出
対象領域の各区域ごとのγ線検出信号発生数をカウント
し対応するデータ格納ファイルの各メモリピクセルにカ
ウント数をそれぞれ格納記憶する構成になっている。
【0017】コンピュータ19はデータ記憶部18へ収
集記憶されたγ線投影データに基づく逆投影処理により
RI分布断層撮影像を再構成する画像再構成手段も担っ
ている。TVモニタ20やプリンタ21は、コンピュー
タ19で再構成されたRI分布断層撮影像などを出力表
示するためのものである。また、操作卓22は、実施例
装置の稼働に必要な指令やデータの入力操作をおこなう
ためのものである。
【0018】さらに、実施例の2検出器型SPECT装
置は、この発明の特徴的構成として、やはりコンピュー
タ19を主構成要素とするスペクトル求出手段およびエ
ネルギー幅調節手段を備えている。スペクトル求出手段
は、被検体Mとしてセットされた標準RI源からの放射
γ線によるγ線検出信号について信号エネルギーレベル
と検出信号数の対応関係(検出スペクトル)を各γ線検
出器毎に求出する構成となっている。エネルギー幅調節
手段は、スペクトル求出手段で求出された検出スペクト
ルに基づき、所定エネルギー幅の中の検出信号の合計数
が最大数(最大カウント数)であるγ線検出器を特定す
るとともに他のγ線検出器のエネルギーウインド部の所
定エネルギー幅を、その中のγ線検出信号の合計数が特
定されたγ線検出器の最大カウント数に一致するよう調
節する構成となっている。これらのスペクトル求出やエ
ネルギー幅調節は、実際の被検体Mの撮影を実行する前
に標準RI源を用いて予めおこなわれるものであるが、
以下、より具体的に説明する。
【0019】まず標準RI源を被検体としてセットす
る。標準RI源は例えばテクネシウムが極小さな円筒に
封入された点状のRI源(ポイントRI源)である。な
お、スペクトル求出が行われる場合、γ線検出信号はエ
ネルギーウインド部16,17をフリーパスさせて(エ
ネルギーレベルによる選別は行わずに)全てのγ線検出
信号がコンピュータ19に送り込まれるようにするか、
少なくとも所定エネルギー幅を広くし必要なγ線検出信
号が全て入力されるようにする。
【0020】γ線検出器4を一定位置に止めた状態で標
準RI源から放出されるγ線をγ線検出器4で検出す
る。γ線検出器4のγ線検出信号の信号強度(大きさ)
はエネルギーレベルを示している。コンピュータ19で
γ線検出信号の信号強度を逐一調べるとともに、同一エ
ネルギーレベル毎のγ線検出信号の入力個数をカウント
する処理をコンピュータ19で行う。そうすると、図4
に示すように、横軸を信号エネルギーレベルとし、縦軸
を検出信号数とするγ線検出器4についての検出スペク
トルSP1が得られる。γ線検出器5の検出スペクトル
SP2も同様にして得られる。
【0021】両検出スペクトルSP1,SP2が得られ
ると、次に各検出スペクトルSP1,SP2のエネルギ
ー区域EW(=エネルギーレベルE1とエネルギーレベ
ルE2の範囲)の中の信号の合計数(合計個数)をコン
ピュータ19で求める。エネルギー区域EWはエネルギ
ーウインド部16,17の所定エネルギー幅にあたる。
つまり、図5に示すように、検出スペクトルSP1の右
下がり斜線部分領域AR1の面積をγ線検出器4の検出
スペクトルSP1におけるエネルギー区域WEの中の検
出信号の合計数CT1として算出し、図6に示すよう
に、検出スペクトルSP2の右下がり斜線部分領域AR
2の面積をγ線検出器5の検出スペクトルSP2におけ
るエネルギー区域WEの中の検出信号の合計数CT2と
して算出するのである。
【0022】こうして得られた合計数CT1,CT2の
大小比較を行う。図4に示されるように、合計数CT1
の方が大きいという結果が出て、エネルギー区域EWの
中の信号の合計数が最大のγ線検出器としてγ線検出器
4が特定される。したがって、γ線検出器5が特定され
なかった他のγ線検出器ということになる。
【0023】次に、コンピュータ19は検出スペクトル
SP2のエネルギー区域EWを少量の一定幅だけ外側に
広げた拡大エネルギー区域ewの中の検出信号の合計数
CTXを算出する。検出スペクトルSP2の右下がり斜
線部分領域AR2の面積と左下がり斜線部分領域AR
3,AR4の面積の合計面積を合計数CTXとして求め
るのである。合計数CTXを算出した後、この合計数C
TXが合計数しCT1と一致するか否かを判定する。合
計数CTXと合計数CT1が一致するまで、エネルギー
区域EWを一定幅づつ外側に拡大してゆきながら合計数
CTXを算出し合計数CT1と一致するか否かを判定す
る演算プロセスを繰り返しおこなう。
【0024】そして、コンピュータ19は合計数CTX
と合計数CT1が一致した時の拡大エネルギー区域ew
をγ線検出器5のエネルギーウインド部17の所定エネ
ルギー幅と決定し、制御信号をエネルギーウインド部1
7へ送り、エネルギーウインド部17の所定エネルギー
幅を拡大エネルギー区域ewにセットする。なお、γ線
検出器4のエネルギーウインド部16の所定エネルギー
幅は元のままである。このようにして、γ線検出器4,
5同士の感度差に応じてエネルギーウインド部17にお
ける所定エネルギー幅を予め調節しγ線検出信号の通過
許容範囲を広げておくのである。以上の所定エネルギー
幅調節動作の流れを図7のフロー図に纏めて示す。
【0025】エネルギーウインド部17の所定エネルギ
ー幅の予備調節が終了すると、標準RI源を取り除いた
後、従来と同様に、天板1の上に被検体Mを載せ、γ線
検出器4,5を回転させて撮影を実行することになる。
γ線検出器4からのγ線検出信号は増幅処理回路3を経
由してAD変換部8でディジタル化された後、補正処理
部14で必要な各種の処理がおこなわれるとともに、エ
ネルギーウインド部16でエネルギー区域EWの中にあ
るγ線検出信号だけが抽出されてコンピュータ19に送
られる。コンピュータ19はγ線検出対象領域の各区域
ごとのγ線検出信号発生数をカウントしデータ格納ファ
イル18aの各メモリピクセルにそれぞれ格納記憶し1
枚のγ線投影データの収集を完了する。
【0026】γ線検出器5からのγ線検出信号もAD変
換部9でディジタル化された後、補正処理部15で必要
な各種の処理がおこなわれるとともに、エネルギーウイ
ンド部17で拡大エネルギー区域ewの中にあるγ線検
出信号だけが抽出されてコンピュータ19に送られる。
コンピュータ19はγ線検出対象領域の各区域ごとのγ
線検出信号発生数をカウントしデータ格納ファイル18
bの各メモリピクセルにそれぞれ格納記憶し1枚のγ線
投影データの収集を完了する。以下、各撮影位置で、γ
線検出器4,5から送出されるγ線検出信号を同様に繰
り返し処理して、収集を情報の欠落なくγ線投影データ
の収集をおこなう。
【0027】実施例装置で情報の欠落のないことを確か
めるため、試しに同じ撮影位置でγ線検出器4,5それ
ぞれで得たγ線投影データ同士(の一部)を比べてみた
ところ、図8に示すγ線検出器4のγ線投影データ40
Aと、図9に示すγ線検出器5のγ線投影データ40B
の間には、4つのピクセル41〜44のデータが異なる
だけという僅かな違いで両投影データ40A,40Bは
殆ど同一であることが確認された。γ線検出器同士の感
度差が実質的に解消されているのである。
【0028】なお、 さらに、エネルギーウインドウ部
17の所定エネルギー幅を元のエネルギー区域EWとし
てγ線検出器5のγ線投影データを得てみたところ、図
10に示すように、γ線検出器5のγ線投影データ40
Cは、8つのピクセル45〜52で情報の欠落があっ
た。すなわち、エネルギーウインドウ部17の所定エネ
ルギー幅を元のエネルギー区域EWとから拡大エネルギ
ー区域ewへ予め広げたことで情報の欠落が防止できて
いることが確認できたのである。
【0029】全γ線投影データの収集完了に引き続き、
データ記憶部18に収集記憶されたγ線投影データに基
づく逆投影処理をコンピュータ19でおこなうことによ
りRI分布断層撮影像を再構成する。最後に、コンピュ
ータ19により再構成されたRI分布断層撮影像を、T
Vモニタ20の画面に映し出たり、あるいは、プリンタ
21で印刷したりして表示する。実施例の多検出器型S
PECT装置の場合、γ線投影データでは殆ど情報の欠
落がないことから、表示されたRI分布断層撮影像は、
いずれも微妙な変化も十分に捉えられている正確な像と
なっている。
【0030】この発明は上記の実施例に限られるもので
はなく、以下のように変形実施することもできる。 (1)上記の実施例では、2個のγ線検出器を備えた装
置を例に挙げたが、γ線検出器の数が3つあるいは4つ
の構成のものが、変形例として挙げられる。
【0031】(2)上記の実施例では、拡大エネルギー
区域ewがエネルギー区域EWの両側に拡大したもので
あったが、拡大エネルギー区域ewがエネルギー区域E
Wの上下いずれか一方の片側だけに拡大したものである
構成が、変形例として挙げられる。
【0032】(3)上記の実施例では、RIとして放射
性テクネシウムが例示されていたが、この発明の多検出
器型SPECT装置で使われるRIは放射性テクネシウ
ムに限られない。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の多検出器型シングルフォトンECT装置によれば、
γ線検出器同士の感度差に応じてエネルギーウインド手
段における所定エネルギー幅を予め調節しγ線検出信号
の通過許容範囲を広げておいて、実際の撮影動作中、γ
線検出器同士の感度差に起因するγ線投影データの欠落
が阻止されるよう構成されているので、微妙な変化も捉
えられる正確なRI分布断層撮影像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のSPECT装置の要部構成を示す全体
的ブロック図である。
【図2】実施例装置におけるγ線検出器の回転状況を示
す説明図である。
【図3】実施例装置のγ線検出器の構造を示す模式図で
ある。
【図4】γ線検出器4,5による検出スペクトルを示す
グラフである。
【図5】γ線検出器4の検出スペクトルの所定エネルギ
ー幅範囲を示すグラフである。
【図6】γ線検出器5の検出スペクトルの所定エネルギ
ー幅範囲を示すグラフである。
【図7】エネルギーウインド部の所定エネルギー幅の調
整動作を示すフロー図である。
【図8】γ線検出器4から収集したγ線投影データの一
例を示す模式図である。
【図9】γ線検出器5から収集したγ線投影データの一
例を示す模式図である。
【図10】γ線検出器5から収集したγ線投影データの
参考例を示す模式図である。
【図11】従来のγ線検出器から収集したγ線投影デー
タ例を示す模式図である。
【図12】従来の他のγ線検出器から収集したγ線投影
データ例を示す模式図である。
【図13】従来のγ線投影データの補正状況を示す模式
図である。
【符号の説明】
4,5…γ線検出器 16,17…エネルギーウインド部 18…データ記憶部 19…コンピュータ M…被検体 EW…エネルギー区画 ew…拡大エネルギー区画 SP1,SP2…検出スペクトル 40A,40B…γ線投影データ 41〜52…メモリピクセル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体を間にするように配設されている
    とともに、被検体の体軸の回りを一斉に回転しながら、
    被検体に投与された放射性同位元素(RI)から放射さ
    れるγ線を検出する複数個のγ線検出器と、各γ線検出
    器から次々出力されるγ線検出信号のうちエネルギーが
    所定エネルギー幅の中にあるγ線検出信号だけを通過さ
    せるよう各γ線検出器ごとに設けられているエネルギー
    ウインド手段と、被検体におけるγ線検出対象領域を2
    次元的に区画することで設定した各区域と対応付けられ
    た2次元配列でもってメモリピクセルが設けられている
    データ記憶手段と、エネルギーウインド手段を通過した
    全γ線検出信号について被検体におけるγ線検出対象領
    域の各区域ごとのγ線検出信号発生数を対応するメモリ
    ピクセルに記憶することによりγ線投影データを収集す
    るデータ収集手段と、データ収集手段によってデータ記
    憶手段へ収集記憶されたγ線投影データに基づく逆投影
    処理によりRI分布断層撮影像を再構成する画像再構成
    手段を備えた多検出器型シングルフォトンECT装置に
    おいて、エネルギーウインド手段がその所定エネルギー
    幅を変化させられるよう構成されているとともに、被検
    体としてセットされた標準RI源からの放射γ線による
    γ線検出信号について信号エネルギーレベルと検出信号
    数の対応関係(検出スペクトル)を各γ線検出器毎に求
    出するスペクトル求出手段と、スペクトル求出手段によ
    り求出された検出スペクトルに基づき、所定エネルギー
    幅の中の検出信号の合計数が最大数(最大カウント数)
    であるγ線検出器を特定するとともに他のγ線検出器の
    エネルギーウインド手段の所定エネルギー幅を、その中
    のγ線検出信号の合計数が前記最大カウント数に一致す
    るよう調節するエネルギー幅調節手段とを備えているこ
    とを特徴とする多検出器型シングルフォトンECT装
    置。
JP17406297A 1997-06-30 1997-06-30 多検出器型シングルフォトンect装置 Pending JPH1123718A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011027601A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Dainippon Printing Co Ltd 放射線画像処理装置、放射線画像処理方法及び放射線画像処理プログラム
JP2012225929A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Toshiba Corp PET(PositronEmissionTomography)スキャナ
JP2012225927A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Toshiba Corp 医用画像診断装置及び制御方法
JP2012225928A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Toshiba Corp PET(PositronEmissionTomography)スキャナ
JP2013007585A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Toshiba Corp 陽電子放出コンピュータ断層撮影装置及びX線CT(ComputedTomography)装置

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