上記のような偽像除去方法では、再構成画像から抽出した偽像成分に基づいてプロジェクションデータの補正値を間接的に求めるので、補正値は画像再構成に関係する各種の演算パラメータ(parameter)、例えば、フィルタ(filter)関数やマトリクスサイズ(matrix size)等の影響を受ける。このため、適正な補正値を得ることが困難であり、したがって偽像を適切に除去することが困難であった。
そこで、本発明の課題は、効果的に偽像を除去するためのプロジェクションデータ補正方法および装置、プロジェクションデータ補正機能をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体、並びに、プロジェクションデータ補正手段を備えた放射線断層撮像装置を実現することである。
(1)上記の課題を解決するための1つの観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに同一ビュー内の近傍のデータの平均値との差をそれぞれ求め、前記求めた差につき予め定めた複数のビューを通じての平均値をそれぞれ求め、前記求めた差の平均値で前記個々のデータをそれぞれ補正する、ことを特徴とするプロジェクションデータ補正方法である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに近傍データの平均値からの差を求め、これを予め定めた複数のビューを通じて平均してリングアーチファクトの原因となるデータ成分を求める。このデータ成分で補正を行って、リングアーチファクトの原因をプロジェクションの段階で取り除く。
(2)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、前記加算して得られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所の一致を検出し、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、ことを特徴とする(1)に記載のプロジェクションデータ補正方法である。
この観点での発明では、(1)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(3)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定し、前記補正済みの個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算し、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、ことを特徴とする(1)に記載のプロジェクションデータ補正方法である。
この観点での発明では、(1)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する。また、補正済みの個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出する。
そして、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(4)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、前記加算して得られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所の一致を検出し、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、ことを特徴とするプロジェクションデータ補正方法である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(5)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定し、前記複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算し、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、ことを特徴とするプロジェクションデータ補正方法である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する。また、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出する。
そして、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(6)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記放射線がX線であることを特徴とする(1)ないし(5)のうちのいずれか1つに記載のプロジェクションデータ補正方法である。
この観点での発明では、透過X線によるプロジェクションデータについて(1)ないし(5)のうちのいずれか1つに記載のデータ補正を行いリングアーチファクトの原因を取り除く。
(7)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに同一ビュー内の近傍のデータの平均値との差をそれぞれ求める差計算手段と、前記求めた差につき予め定めた複数のビューを通じての平均値をそれぞれ求める差平均値計算手段と、前記求めた差の平均値で前記個々のデータをそれぞれ補正するデータ補正手段と、を具備することを特徴とするプロジェクションデータ補正装置である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに近傍データの平均値からの差を求め、これを予め定めた複数のビューを通じて平均してリングアーチファクトの原因となるデータ成分を求める。このデータ成分で補正を行って、リングアーチファクトの原因をプロジェクションの段階で取り除く。
(8)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行う加算手段と、前記加算して得られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所の一致を検出する一致検出手段と、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える他のデータ補正手段と、を具備することを特徴とする(7)に記載のプロジェクションデータ補正装置である。
この観点での発明では、(7)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(9)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算する第1の加算手段と、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第1の異常箇所検出手段と、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定する判定手段と、前記補正済みの個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算する第2の加算手段と、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第2の異常箇所検出手段と、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える他のデータ補正手段と、を具備することを特徴とする(7)に記載のプロジェクションデータ補正装置である。
この観点での発明では、(7)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する。また、補正済みの個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出する。
そして、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(10)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行う加算手段と、前記加算して得
られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所の一致を検出する一致検出手段と、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換えるデータ補正手段と、を具備することを特徴とするプロジェクションデータ補正装置である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(11)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算する第1の加算手段と、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第1の異常箇所検出手段と、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定する判定手段と、前記複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算する第2の加算手段と、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第2の異常箇所検出手段と、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換えるデータ補正手段と、を具備することを特徴とするプロジェクションデータ補正装置である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する。また、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出する。
そして、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(12)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記放射線がX線であることを特徴とする(7)ないし(11)のうちのいずれか1つに記載のプロジェクションデータ補正装置である。
この観点での発明では、透過X線によるプロジェクションデータについて(7)ないし(11)のうちのいずれか1つに記載のデータ補正を行いリングアーチファクトの原因を取り除く。
(13)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに同一ビュー内の近傍のデータの平均値との差をそれぞれ求め、前記求めた差につき予め定めた複数のビューを通じての平均値をそれぞれ求め、前記求めた差の平均値で前記個々のデータをそれぞれ補正する、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータで読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに近傍データの平均値からの差を求め、これを予め定めた複数のビューを通じて平均してリングアーチファクトの原因となるデータ成分を求め、このデータ成分で補正を行ってリングアーチファクトの原因をプロジェクションの段階で取り除く、機能をコンピュータに実現させる。
(14)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、前記加算して得られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所の一致を検出し、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータで読み取り可能なように記録したことを特徴とする(13)に記載の記録媒体である。
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(13)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換え、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる、機能をコンピュータに実現させる。
(15)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定し、前記補正済みの個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算し、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータで読み取り可能なように記録したことを特徴とする(13)に記載の記録媒体である。
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、(13)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する、機能をコンピュータに実現させる。
また、補正済みの個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出し、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える、機能をコンピュータに実現させる。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(16)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、前記加算して得られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所の一致を検出し、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータで読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える、機能をコンピュータに実現させる。これによって、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(17)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定し、前記複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算し、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出し、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える、機能をコンピュータに実現させるプログラムをコンピュータで読み取り可能なように記録したことを特徴とする記録媒体である。
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する、機能をコンピュータに実現させる。
また、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出し、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える、機能をコンピュータに実現させる。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。
(18)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記放射線がX線であることを特徴とする(13)ないし(17)のうちのいずれか1つに記載の記録媒体である。
この観点での発明では、記録媒体に記録されたプログラムが、透過X線によるプロジェクションデータについて、(13)ないし(17)のうちのいずれか1つに記載のデータ補正を行ってリングアーチファクトの原因を取り除く、機能をコンピュータに実現させる。
(19)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、撮像
対象に複数のビュー方向でそれぞれ放射線を照射して透過放射線を検出する放射線照射・検出手段と、前記放射線照射・検出手段が検出した信号に基づくプロジェクションを用いて画像を生成する画像生成手段とを有する放射線断層撮像装置であって、前記画像生成手段は、前記透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに同一ビュー内の近傍のデータの平均値との差をそれぞれ求める差計算手段と、前記求めた差につき予め定めた複数のビューを通じての平均値をそれぞれ求める差平均値計算手段と、前記求めた差の平均値で前記個々のデータをそれぞれ補正するデータ補正手段と、前記補正したデータで構成されるプロジェクションを用いて画像を再構成する画像再構成手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮像装置である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに近傍データの平均値からの差を求め、これを予め定めた複数のビューを通じて平均してリングアーチファクトの原因となるデータ成分を求める。このデータ成分で補正を行って、リングアーチファクトの原因をプロジェクションの段階で取り除く。このようなプロジェクションに基づいて、リングアーチファクトのない画像を再構成する。
(20)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、撮像対象に複数のビュー方向でそれぞれ放射線を照射して透過放射線を検出する放射線照射・検出手段と、前記放射線照射・検出手段が検出した信号に基づくプロジェクションを用いて画像を生成する画像生成手段とを有する放射線断層撮像装置であって、前記画像生成手段は、前記透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに同一ビュー内の近傍のデータの平均値との差をそれぞれ求める差計算手段と、前記求めた差につき予め定めた複数のビューを通じての平均値をそれぞれ求める差平均値計算手段と、前記求めた差の平均値で前記個々のデータをそれぞれ補正する第1のデータ補正手段と、前記第1のデータ補正手段により補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行う加算手段と、前記加算して得られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所一致を検出する一致検出手段と、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換えることにより補正する第2のデータ補正手段と、前記第2のデータ補正手段で補正したデータで構成されるプロジェクションを用いて画像を再構成する画像再構成手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮像装置である。
この観点での発明では、(19)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。このようなプロジェクションに基づいて、リングアーチファクトのない画像を再構成する。
(21)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、撮像対象に複数のビュー方向でそれぞれ放射線を照射して透過放射線を検出する放射線照射・検出手段と、前記放射線照射・検出手段が検出した信号に基づくプロジェクションを用いて画像を生成する画像生成手段とを有する放射線断層撮像装置であって、前記画像生成手段は、前記透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータごとに同一ビュー内の近傍のデータの平均値との差をそれぞれ求める差計算手段と、前記求めた差につき予め定めた複数のビューを通じての平均値をそれぞれ求める差平均値計算手段と、前記求めた差の平均値で前記個々のデータをそれぞれ補正する第1のデータ補正手段と、前記第1のデータ補正手段により補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算する第1の加算手段と、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第1の異常箇所検出手段と、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定する判定手段と、前記第1のデータ補正手段により補正済みの個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算する第2の加算手段と、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第2の異常箇所検出手段と、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換える第2のデータ補正手段と、前記第2のデータ補正手段で補正したデータで構成されるプロジェクションを用いて画像を再構成する画像再構成手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮像装置である。
この観点での発明では、(19)に加えて、補正済みの個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する。また、補正済みの個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出する。
そして、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。このようなプロジェクションに基づいて、リングアーチファクトのない画像を再構成する。
(22)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、撮像対象に複数のビュー方向でそれぞれ放射線を照射して透過放射線を検出する放射線照射・検出手段と、前記放射線照射・検出手段が検出した信号に基づくプロジェクションを用いて画像を生成する画像生成手段とを有する放射線断層撮像装置であって、 前記画像生成手段は、前記透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行う加算手段と、前記加算して得られる少なくとも2群のデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所の一致を検出する一致検出手段と、前記個々のデータのうち前記一致を検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換えることにより補正するデータ補正手段と、前記補正したデータで構成されるプロジェクションを用いて画像を再構成する画像再構成手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮像装置である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算することを、採取時期を異にする少なくとも2群のデータについてそれぞれ行い、加算して得られる少なくとも2つのデータプロファイルについてデータ異常箇所の一致を検出し、一致したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。このようなプロジェクションに基づいて、リングアーチファクトのない画像を再構成する。
(23)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、撮像対象に複数のビュー方向でそれぞれ放射線を照射して透過放射線を検出する放射線照射・検出手段と、前記放射線照射・検出手段が検出した信号に基づくプロジェクションを用いて画像を生成する画像生成手段とを有する放射線断層撮像装置であって、前記画像生成手段は、前記透過放射線による撮像対象の複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算する第1の加算手段と、前記加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第1の異常箇所検出手段と、前記データプロファイルを構成するデータ列の中央に関して前記検出したデータ異常箇所と対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常の有無を判定する判定手段と、前記複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき前記予め定めた複数のビューとは逆方向となる複数のビューにわたって加算する第2の加算手段と、前記逆方向の複数のビューにわたって加算して得られるデータについてデータプロファイルのデータ異常箇所を検出する第2の異常箇所検出手段と、前記対称的な箇所での前記データプロファイルのデータ異常がなくかつ前記それぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、前記個々のデータのうち前記検出したデータ異常箇所に相当する位置に存在するデータを同一ビュー内の近傍のデータに基づく補間データで置き換えるデータ補正手段と、前記補正したデータで構成されるプロジェクションを用いて画像を再構成する画像再構成手段と、を具備することを特徴とする放射線断層撮像装置である。
この観点での発明では、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータにつき予め定めた複数のビューにわたって加算し、加算して得られるデータプロファイルについてデータ異常箇所を検出するとともに、データ列の中央に関して対称的な箇所でのデータ異常の有無を判定する。また、複数ビューのプロジェクションを構成する個々のデータについて上記とは逆方向の複数のビューにわたって加算して同様にデータ異常箇所を検出する。
そして、対称的な箇所でのデータ異常がなくかつそれぞれ検出したデータ異常箇所が一致することを条件に、データ異常箇所に相当する位置に存在するデータを補間データで置き換える。これによって、補正の行き過ぎを回避しつつ、リングアーチファクトの原因となるデータ異常をプロジェクションの段階で消滅させる。このようなプロジェクションに基づいて、リングアーチファクトのない画像を再構成する。
(24)上記の課題を解決するための他の観点での発明は、前記放射線がX線であることを特徴とする(19)ないし(23)のうちのいずれか1つに記載の放射線断層撮像装置である。
この観点での発明では、プロジェクションデータ補正によりリングアーチファクトの原因を取り除き、リングアーチファクトのないX線断層撮影を行う。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、効果的に偽像を除去するためのプロジェクションデータ補正方法および装置、プロジェクションデータ補正機能をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体、並びに、プロジェクションデータ補正手段を備えた放射線断層撮像装置を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1にX線CT装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
図1に示すように、本装置は、走査ガントリ(gantry)2、撮像テーブル(table)4および操作コンソール(console)6を備えている。走査ガントリ2は、本発明における放射線照射・検出手段の実施の形態の一例である。走査ガントリ2はX線管20を有する。X線管20から放射された図示しないX線は、コリメータ22により例えば扇状のX線ビームすなわちファンビーム(fan beam)となるように成形され、検出器アレイ24に照射される。検出器アレイ24は、扇状のX線ビームの幅の方向にアレイ状に配列された複数のX線検出素子を有する。検出器アレイ24の構成については後にあらためて説明する。
X線管20、コリメータ22および検出器アレイ24は、X線照射・検出装置を構成する。X線照射・検出装置については、後にあらためて説明する。検出器アレイ24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は検出器アレイ24の個々のX線検出素子の検出データを収集する。
X線管20からのX線の照射は、X線コントローラ(controller)28によって制御される。なお、X線管20とX線コントローラ28との接続関係については図示を省略する。コリメータ22は、コリメータコントローラ30によって制御される。なお、コリメータ22とコリメータコントローラ30との接続関係については図示を省略する。
以上のX線管20からコリメータコントローラ30までのものが、走査ガントリ2の回転部34に搭載されている。回転部34の回転は、回転コントローラ36によって制御される。なお、回転部34と回転コントローラ36との接続関係については図示を省略する。
撮像テーブル4は、図示しない撮像対象を走査ガントリ2のX線照射空間に搬入および搬出するようになっている。撮像対象とX線照射空間との関係については後にあらためて説明する。
操作コンソール6は、中央処理装置60を有している。中央処理装置60は、例えばコンピュータ等によって構成される。中央処理装置60には、制御インタフェース(interface)62が接続されている。制御インタフェース62には、走査ガントリ2と撮像テーブル4が接続されている。中央処理装置60は制御インタフェース62を通じて走査ガントリ2および撮像テーブル4を制御する。
走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ36が制御インタフェース62を通じて制御される。なお、それら各部と制御インタフェース62との個別の接続については図示を省略する。
中央処理装置60には、また、データ収集バッファ64が接続されている。データ収集バッファ64には、走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータがデータ収集バッファ64に入力される。データ収集バッファ64は入力データを一時的に記憶する。
中央処理装置60は、データ収集バッファ64を通じて収集した複数ビューのプロジェクションについてそれぞれ後述するようなデータ補正を行い、補正後のプロジェクションデータを用いて画像再構成を行う。中央処理装置60は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。また、本発明における画像再構成手段の実施の形態の一例である。画像再構成には、例えばフィルタード・バックプロジェクション(filtered back projection)法等が用いられる。
中央処理装置60には、また、記憶装置66が接続されている。記憶装置66は、各種のデータや再構成画像およびプログラム(program)等を記憶する。本装置の機能は、中央処理装置60が記憶装置66に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
中央処理装置60には、また、表示装置68と操作装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、中央処理装置60から出力される再構成画像やその他の情報を表示する。操作装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等を中央処理装置60に入力する。
図2に、検出器アレイ24の模式的構成を示す。検出器アレイ24は、多数のX線検出素子24(i)を配列した多チャンネルのX線検出器となっている。多数のX線検出素子24(i)は、全体として、円筒凹面状に湾曲したX線入射面を形成する。iはチャンネル番号であり例えばi=1〜1000である。
X線検出素子24(i)は、例えばシンチレータ(scintillator)とフォトダイオード(photo diode)の組み合わせによって構成される。なお、これに限るものではなく、例えばカドミウム・テルル(CdTe)等を利用した半導体X線検出素子、あるいは、キセノン(Xe)ガスを利用した電離箱型のX線検出素子であって良い。
図3に、X線照射・検出装置におけるX線管20とコリメータ22と検出器アレイ24の相互関係を示す。なお、図3の(a)は走査ガントリ2の正面から見た状態を示す図、(b)は側面から見た状態を示す図である。同図に示すように、X線管20から放射されたX線は、コリメータ22により扇状のX線ビーム400となるように成形され、検出器アレイ24に照射されるようになっている。
図3の(a)では、扇状のX線ビーム400の広がりすなわちX線ビーム400の幅を示す。X線ビーム400の幅方向は、検出器アレイ24におけるチャンネルの配列方向に一致する。(b)ではX線ビーム400の厚みを示す。
このようなX線ビーム400の扇面に体軸を交差させて、例えば図4に示すように、撮像テーブル4に載置された撮像対象8がX線照射空間に搬入される。走査ガントリ2は、内部にX線照射・検出装置を包含する筒状の構造になっている。
X線照射空間は、走査ガントリ2の筒状構造の内側空間に形成される。X線ビーム400によってスライスされた撮像対象8の像が検出器アレイ24に投影される。検出器アレイ24によって、撮像対象8を透過したX線が検出される。撮像対象8に照射するX線ビーム400の厚みthは、コリメータ22のアパーチャの開度により調節される。X線照射・検出装置を図4の紙面に垂直な面内で回転(スキャン)させることにより、複数ビューの透過X線を検出する。
図5に、プロジェクションデータ補正に関わる中央処理装置60のブロック図を示す。同図における各ブロックの機能は、例えばコンピュータプログラム等により実現される。同図に示す中央処理装置60は、本発明のプロジェクションデータ補正装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
同図に示すように、中央処理装置60はリング値計算ユニット(unit)602を有する。リング値計算ユニット602は、本発明における差計算手段の実施の形態の一例である。リング値計算ユニット602は、例えば図6に示すような撮像対象8のプロジェクションについて、それを構成する個々のプロジェクションデータProjij(i:チャンネル番号、j:ビュー番号)ごとにリング値を求める。リング値は次式により求められる。
ここで、SC:チャンネルi−1,i+1のデータの和SO:チャンネルi−3,i−2,i+2,i+3のデータの和 すなわち、(1)式は、図7に示すように、jビューのプロジェクションにおけるチャンネルiのデータについて、その両側のそれぞれ3チャンネルずつのデータの平均値との差を求めることを意味する。なお、平均値を求めるチャンネル数は6に限らず適宜で良い。リング値は全てのプロジェクションデータについてそれぞれ求める。
リング値計算ユニット602は、また、リング値へのフラグ(flag)付けを行う。フラグ付けは次式により行う。
ここで、EDGE_MASK:予め定めた閾値VALUE_LIMIT:予め定めた閾値 (2)式の意味は次の通りである。すなわち、チャンネルi−3,i−2,i+2,i+3のデータの和と、チャンネルi−1,i+1のデータの和を2倍したものの差の絶対値が所定の閾値を上回り、かつ、リング値の絶対値が所定の閾値を上回るときそのリング値のフラグを0とし、そうでない場合は1とする。
このようなフラグ付けにより、画像を再構成したときに偽像ではなく画像のエッジ(edge)となるはずのリング値にフラグ0を付与し、それ以外のリング値にフラグ1を付与する。フラグ付けは全てのリング値についてそれぞれ行う。
補正値計算ユニット604はリング値およびフラグを入力データとし、それらに基づいて補正値を計算する。補正値計算ユニット604は、本発明における差平均値計算手段の実施の形態の一例である。補正値を計算するに当たり、先ず、ブロックリング値を計算する。ブロックリング値は次式で与えられる。
(3)式は、リング値にフラグを乗じたものをブロック内でチャンネルごとにビュー方向に積算することを意味する。積算開始時のブロックリング値の初期値は0とする。ブロックは、図8に示すように、ビュー・チャンネル平面をビュー方向に複数に分割(ここでは6分割)して形成される。なお、分割数は6に限るものではなく適宜で良い。あるいは、ビュー・チャンネル平面全体を1ブロックとしても良い。(3)式により、フラグが1のリング値だけが積算される。このため、再構成画像において画像のエッジとなるはずのリング値は積算されない。
次に、ブロック内でブロックリング値の有効データ数をチャンネルごとに求める。ブロック内のブロックリング値の有効データ数は次式で与えられる。
(4)式は、フラグをブロック内でチャンネルごとにビュー方向に積算することを意味する。積算開始時のデータ数の初期値は0とする。これによって、ブロック内でフラグ1を持つリング値の個数、すなわち、ブロックリング値の有効データ数がチャンネルごとに求まる。
次に、ブロック内の全データ数をチャンネルごとに求める。ブロック内のチャンネルごとの全データ数は次式で与えられる。
(5)式は、ブロック内で1をチャンネルごとにビュー方向に積算することを意味する。積算開始時の全データ数の初期値は0とする。これによって、ブロック内のチャンネルごとの全データ数が求まる。
次に、全データ数に対するブロックリング値の有効データ数の比率をチャンネルごとに判定し、その比率が所定の比率を下回るときは、そのチャンネルについての(3)で求めたブロックリング値を0とする。すなわち、
(6)式の処理によって、有効データ数が全データ数の1/4に満たないブロックリング値が0とされる。これにより実質的にリングアーチファクトの生成に関わらないリング値が補正値の計算から除去される。
次に、以上のように処理されたブロックリング値
を用いて、次式によりプロジェクションデータの補正値を求める。
(7)式は、ブロックリング値をリング値の有効データ数で割り算し、1データ当たりの平均リング値をチャンネルごとに求めることを意味する。この1データ当たりの平均リング値をプロジェクションデータの補正値とする。以上の処理を全ブロックについて行う。
このようして求められた補正値がデータ補正ユニット606に入力される。データ補正ユニット606は、記憶装置66から読み出した個々のプロジェクションデータに、対応する補正値をそれぞれ加算する。すなわち、
によって補正済みのプロジェクションデータを求める。このような補正により、プロジェクションデータに含まれるリングアーチファクトの原因となる信号成分が除去される。データ補正ユニット606は、本発明におけるデータ補正手段の実施の形態の一例である。また、本発明における第1のデータ補正手段の実施の形態の一例である。
補正データはプロジェクションデータから直に検出した偽像成分に基づいて形成するので、画像再構成条件に左右されることなく精密な偽像成分除去を行うことができる。補正済みのプロジェクションデータは記憶装置66に記憶される。
図9に、プロジェクションデータ補正に関わる中央処理装置60の他のブロック図を示す。同図における各ブロックの機能は、例えばコンピュータプログラム等により実現される。同図に示す中央処理装置60は、本発明のプロジェクションデータ補正装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
同図に示すように、中央処理装置60はプロジェクション加算ユニット612,612’を有する。プロジェクション加算ユニット612,612’は、本発明における加算手段の実施の形態の一例である。プロジェクション加算ユニット612,612’は、図8に示したビュー・チャンネル平面のデータにつき、ブロックごとにチャンネルデータをビュー方向に加算する。
その際、プロジェクション加算ユニット612,612’は採取時期の異なるスキャンデータについてそれぞれ加算を行う。すなわち、プロジェクション加算ユニット612が最新のスキャンによって得たデータについて加算を行うものとすると、プロジェクション加算ユニット612’はそれ以前のスキャンによって得たデータについて加算を行う。以前のスキャンによって得たデータは、撮像対象8の同一部位に関するものでもなくとも良い。また、撮像対象が異なっていても良い。
プロジェクション加算ユニット612,612’による加算によって、例えば図10に示すようなプロファイル(profile)を持つ2群のデータがブロックごとに得られる。同図の(a)および(b)はそれぞれプロジェクション加算ユニット612および612’の出力データのプロファイルである。
検出器アレイ24の特定チャンネルが不良であるとき、プロファイルにおいてはそのチャンネルに相当する箇所でデータが異常になる。異常箇所はデータ採取時期や撮像対象の如何に関わらず一定であるから、両プロジェクションにおいて同一のチャンネルidのデータが異常になる。
異常箇所一致検出ユニット614は、両プロファイルを入力データとし、両者の異常箇所の一致を検出する。異常箇所一致検出ユニット614は、本発明における一致検出手段の実施の形態の一例である。なお、異常の有無はプロファイルのチャンネル方向の微分値または差分値が所定の閾値を超えるか否かで判定する。
一致が検出された異常箇所のチャンネル番号はデータ補正ユニット616に入力される。データ補正ユニット616は、記憶装置66から各ビューのプロジェクションデータを読み出し、異常が検出されたチャンネルのデータを近傍のチャンネルのデータから補間したデータで置換する。
データ補正ユニット616は、本発明におけるデータ補正手段の実施の形態の一例である。また、本発明における他のデータ補正手段の実施の形態の一例である。また、本発明における第2のデータ補正手段の実施の形態の一例である。
このように、2群のデータのプロファイルの異常箇所の一致に基づいてデータ補正を行うので、例えば図10の(a)に示すように、プロジェクション加算ユニット612の出力データのプロファイルにおいて、チャンネルieに異常と思われるデータが得られたとしても、(b)に示すようにプロジェクション加算ユニット612’の出力データのプロファイルではチャンネルieに異常がないときは、チャンネルieのデータを補正しない。
これにより、たまたまチャンネルieに円形の画像のエッジがかかったこと等によるデータの急変について、それをチャンネル不良と見なす誤りを防ぐことができ、これを補正することによりかえって円形画像の輪郭を不鮮明にするような不都合を防止することができる。
このような補正により、プロジェクションデータに含まれるリングアーチファクトの原因となる信号成分が除去される。データ補正をプロジェクションデータから直に検出した偽像成分に基づいて行うので、画像再構成条件に左右されることなく適切な偽像成分除去を行うことができる。補正済みのプロジェクションデータは記憶装置66に記憶される。
このようなデータ補正は、図5に示した装置によって補正済みのデータにつき行うようにしても良い。そのようにすることにより、(2)式によってフラグ0を付与したリング値がたまたまチャンネル不良に由来するものである場合でも、それによるリングアーチファクトを除去することができる。
図11に、別な手法によりプロジェクションデータ補正を行う中央処理装置60の動作のフロー(flow)図を示す。同図における各動作は、例えばコンピュータプログラム等により実現される。同図に示す動作を行う中央処理装置60は、本発明のプロジェクションデータ補正装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
中央処理装置60は、ステップ(step)702でブロック選択を行う。これによって、ビュー・チャンネル平面における1つのブロックが選択される。ビュー・チャンネル平面が、例えば図12に示すように、ビュー方向に360°、チャンネル方向にnの大きさを持つものであって、これがA〜Fの6ブロックに等分割されているとすると、先ず、先頭のブロックAが選択される。各部ロックはビュー方向の60°ずつの大きさを持つ。
図13に、スライス面内における各ブロックのビュー方向を示す。同図に示すように、ブロックAとブロックDはビュー方向が互いに逆方向となる。同様に、ブロックBとE、ブロックCとFが、それぞれビュー方向が互いに逆方向なもの同士となる。
ブロックを選択した後に、ステップ704で、プロジェクション加算を行う。プロジェクション加算は、図9に示したプロジェクション加算ユニット612(612’)の動作と同様にして行われる。これによって、ブロックAのデータのプロファイルが得られる。ステップ704でプロジェクション加算を行う中央処理装置60は、本発明における第1の加算手段の実施の形態の一例である。
次に、ステップ706で、このプロファイルについて、データ異常が生じている箇所があるかどうかを検査する。データ異常の有無の検査は、例えば、判定式
または、
を用いて行われる。ここで、p(i):チャンネルiのプロファイルデータTh1,Th2:閾値 (9)式は、チャンネルiのデータが両隣のデータからかけ離れている程度に基づいて、異常の有無を判定することを表す。(10)式は、チャンネルiのデータが隣のデータからかけ離れている程度に基づいて異常の有無を判定することを表す。ステップ706でデータ異常箇所を検出する中央処理装置60は、本発明における第1の異常箇所検出手段の実施の形態の一例である。
異常箇所が検出されないときは、ステップ716にスキップ(skip)して、全てのブロックの処理が済みであるか否かを判定し、未済の場合はステップ718でブロック選択を更新し、新たなブロックについて、ステップ704以降の処理を行う。
異常箇所を検出したときは、ステップ708で、異常箇所と対称的な箇所においても異常が生じているかどうかを検査する。異常の有無は(9)式または(10)式を使用して検査する。ステップ708で対称箇所の異常の有無を検査する行う中央処理装置60は、本発明における判定手段の実施の形態の一例である。
対称的な箇所とは、プロファイルを構成するデータ列の中央に関して異常箇所と対称的な箇所である。すなわち、例えば、図14に示すように、異常箇所が中心チャンネル(チャンネル番号n/2)の図における右側のチャンネル番号idの位置であったとすると、対称的な箇所は、中心チャンネルから反対側に等距離のチャンネル番号id’の位置である。
チャンネル番号id’の位置に、(9)式または(10)式の条件に合致する「異常」が検出されたときは、ステップ706で検出した「異常」は実際は異常でない可能性もあり得る。
なぜなら、撮像対象8の体内にスキャンのアイソセンタ(isocenter)と同心の円形構造があり、そのエッジ(edge)の投影がチャンネルid上にあるときは、反対側のエッジの投影が対称チャンネルid’上に存在する。すなわち、円形構造のエッジの投影位置は、ビュー・チャンネル平面では、例えば図15に示すように、中心チャンネルに関して対称的になり、閾値Th1またはTh2の値の設定によっては、このようなエッジの投影がチャンネルid,id’におけるデータ異常と判定されることがあり得るからである。
検出器アレイ24において、対称的な2つのチャンネルが同時に故障する確率は極めて低いので、上記のような場合はチャンネルの異常ではなくむしろ円形構造のエッジに由来する可能性が高い。
そこで、その場合には、ステップ716にスキップして、全てのブロックの処理が済みであるか否かを判定し、未済の場合はステップ718でブロック選択を更新し、新たなブロックについて、ステップ704以降の処理を行う。
対称的な箇所に異常がないときは、円形構造のエッジによるものでないとして、ステップ710で、対称ブロックについてプロジェクション加算を行う。対称ブロックとはビュー方向が反対になるブロックであり、ブロックAと対称的なブロックはブロックDである。そこで、ブロックDについてプロジェクション加算を行う。ステップ710でプロジェクション加算を行う中央処理装置60は、本発明における第2の加算手段の実施の形態の一例である。
加算によって得たブロックDのプロファイルについて、ステップ712で、ブロックAのプロファイルと同一箇所idに異常があるかどうかを検査する。異常の有無の検査は(9)式または(10)式を用いて行う。ステップ712で異常箇所の検査を行う中央処理装置60は、本発明における第2の異常箇所検出手段の実施の形態の一例である。
ブロックDのプロファイルにおいて、ブロックAのプロファイルと同一箇所に異常がないときは、ステップ706で検出したチャンネ
ルidの「異常」は実際は異常でない可能性もあり得る。
なぜなら、撮像対象8の体内にアイソセンタと同心の円弧構造があり、例えば図16に示すように、そのエッジがブロックAのチャンネルid上に投影されると場合には、ブロックDではその円弧構造のエッジの投影がチャンネルid’上にあり、チャンネルid上にはないからである。
そこで、そのような場合には、ステップ716にスキップして、全てのブロックの処理が済みであるか否かを判定し、未済の場合はステップ718でブロック選択を更新し、新たなブロックについて、ステップ704以降の処理を行う。
ブロックDのプロファイルにおいても同一箇所idに異常がある場合は、ステップ714でデータ補正を行う。対称的な2つのブロックの同一箇所において異常が検出されたということは、例えば図17に示すように、同じチャンネルのデータが全ブロックにおいて異常になっている可能性が極めて高い。そこで、ステップ714では、全ブロックの全ビューデータについて、チャンネル番号idのデータを補正する。
ステップ714でデータ補正を行う中央処理装置60は、本発明におけるデータ補正手段の実施の形態の一例である。また、本発明における他のデータ補正手段の実施の形態の一例である。また、本発明における第2のデータ補正手段の実施の形態の一例である。
データ補正は、例えば両隣りのチャンネルのデータからの補間によって行う。補間演算には例えば次式が用いられる。
なお、補間演算は両側におけるより多くのチャンネルのデータを使用した、高次の補間演算であって良い。 次に、ステップ716で、全てのブロックの処理が済みであるか否かを判定し、未済の場合はステップ718でブロック選択を更新し、新たなブロックについて、ステップ704以降の処理を行う。
全てのブロックについて以上の処理を済ませたとき、ビュー・チャンネル平面において、チャンネルの不良に由来する全ての異常データについての補正が完了する。その場合、アイソセンタと同心の円形構造および円弧構造に由来する見かけ上の異常は補正の対称外となるので、円形構造や円弧構造のエッジを消し去るという不都合が生じない。
このように、補正データはプロジェクションデータから直に検出した偽像成分に基づいて形成するので、画像再構成条件に左右されることなく精密な偽像成分除去を行うことができる。補正済みのプロジェクションデータは記憶装置66に記憶される。
以上のデータ補正は、図5に示した装置によって補正済みのデータについて行うようにしても良い。そのようにすることにより、(2)式によってフラグ0を付与したリング値がたまたまチャンネル不良に由来するものである場合でも、それによるリングアーチファクトを除去することができる。
本装置の動作を説明する。図18に、本装置の動作のフロー図を示す。同図に示すように、ステップ912で、操作者が操作装置70を通じてスキャン計画を入力する。スキャン計画には、X線照射条件、スライス厚、スライス位置等が含まれる。以下、本装置は、入力されたスキャン計画に従い、操作者の操作および中央処理装置60による制御の下で動作する。
ステップ914ではスキャン位置決めを行う。すなわち、操作者が操作装置70を操作して撮像テーブル4を移動させ、撮像対象8の撮像部位の中心をX線照射・検出装置の回転の中心(アイソセンタ)に一致させる。
このようなスキャン位置決めを行った後にステップ916でスキャンを行う。すなわち、X線照射・検出装置を撮像対象8の周囲で回転させて、1回転当たり例えば1000ビューのプロジェクションをデータ収集バッファ64に収集する。スキャン後あるいはスキャンに並行して、ステップ918およびステップ920で、データ補正および画像再構成をそれぞれ行う。
ステップ918におけるデータ補正の詳細なフロー図を図19に示す。同図に示すように、ステップ932でスキャンデータについてオフセット(offset)補正を行う。オフセット補正は、透過X線のカウント(count)数に付加されたオフセットを補正する処理である。
次に、ステップ934でリファレンス(reference)補正を行う。リファレンス補正は、透過X線のカウント数をリファレンスチャンネルで測定したX線のカウント数で除算しX線強度補正を行う処理である。
次に、ステップ936で対数変換し、ステップ938で感度補正し、ステップ940でビームハードニング(beam hardening)補正して、プロジェクションデータを得る。ここまでの処理がプロジェクションデータのいわば前処理である。前処理済みのプロジェクションデータにつき、ステップ942で、前述のプロジェクションデータ補正を行う。
ステップ920での画像再構成は、このような補正済みのデータからなる複数ビューのプロジェクション用いて、例えばフィルタード・バックプロジェクション法等により行われる。
ステップ942におけるプロジェクションデータ補正により、リングアーチファクトの原因になる信号成分が除去されているので、再構成画像リングアーチファクトを含まないものとなる。再構成した断層像はステップ922で表示装置68に表示する。表示画像はリングアーチファクトを含まない品質の良い断層像となる。
以上、放射線としてX線を用いた例で説明したが、放射線はX線に限るものではなく、例えばγ線等の他の種類の放射線であっても良い。ただし、現時点では、X線がその発生、検出および制御等に関し実用的な手段が最も充実している点で好ましい。
上記のようなプロジェクションデータ補正機能をコンピュータに実現させるプログラムが、記録媒体に、コンピュータで読み取り可能なように記録される。記録媒体としては、例えば、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体およびその他の方式の適宜の記録媒体が用いられる。記録媒体は半導体記憶媒体であっても良い。本書では記憶媒体は記録媒体と同義である。