JPH11236856A - リーンNOx触媒を有する内燃機関 - Google Patents

リーンNOx触媒を有する内燃機関

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JPH11236856A
JPH11236856A JP10257296A JP25729698A JPH11236856A JP H11236856 A JPH11236856 A JP H11236856A JP 10257296 A JP10257296 A JP 10257296A JP 25729698 A JP25729698 A JP 25729698A JP H11236856 A JPH11236856 A JP H11236856A
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combustion engine
nox catalyst
lean nox
combustion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーンNOx触媒を有する内燃機関におい
て、副噴射を不用にしても炭化水素等の還元剤の供給を
行えるようにすること。 【解決手段】 酸素過剰な排気ガス中の窒素酸化物を還
元剤を用いて浄化するリーンNOx触媒を排気系に有す
るエンジン1において、この内燃機関の吸気系を流通す
る吸気中の二酸化炭素の濃度を増大する燃焼式ヒータ1
7をエンジン本体3とは別に設ける。空燃比調整や燃料
噴射タイミングの変更によって炭化水素や一酸化炭素の
発生量をコントロールして、窒素酸化物の浄化を好適に
制御する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リーンNOx触媒
を有する内燃機関、詳しくは、内燃機関の排気系に設け
られる排気浄化手段である触媒コンバータに三元触媒と
して使用され、排気系が特に酸素過剰な雰囲気状態、す
なわちリーン状態にあるときに排気ガス中の窒素酸化物
を還元剤を用いて浄化するリーンNOx触媒を有する内
燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンリーンバーンエンジンやディー
ゼルエンジン等排気系における雰囲気が酸素過剰でかつ
炭化水素や一酸化炭素が少ない内燃機関において用いら
れる触媒であって、窒素酸化物を炭化水素や一酸化炭素
を還元剤として用いて浄化するいわゆるリーンNOx触
媒が、例えば、特開平6−117225号公報で示され
ている。
【0003】この公報記載の技術では、還元剤として炭
化水素を用いることでリーンNOx触媒が窒素酸化物を
浄化する技術を示す。炭化水素は、その一部が部分酸化
して活性種を生成し、この活性種が窒素酸化物と反応し
て窒素酸化物を還元し、人体に無害な窒素,水素,酸素
および二酸化炭素を生成する。炭化水素は、内燃機関の
燃料となるガソリンや軽油を構成する主成分である。よ
って、還元剤である炭化水素を供給するということは、
ガソリンや軽油その他の内燃機関用燃焼燃料を本来の使
途とは別に余分に供給することに他ならない。
【0004】そして、前記公報記載の技術では、リーン
NOx触媒への炭化水素の供給を、内燃機関で通常行わ
れる燃料噴射装置による吸入−圧縮行程時での噴射によ
る供給とは別に、同じ燃料噴射装置による燃料噴射を膨
張行程と排気行程とにおいて余分に行うことで為してい
る。そして、これらの噴射のうち、前者の通常行う噴射
を主噴射といい、後者の別途余分に行う噴射を副噴射と
いう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この公報記載
の技術では、主噴射と副噴射を行うのに同じ燃料噴射装
置を用いるので、燃料噴射装置の噴射回数は主噴射だけ
の場合と比して多い。このため、燃料噴射装置にかかる
負担が増えて、燃料噴射装置の故障原因ともなりかねな
い。
【0006】本発明は、上記実情を鑑みて発明したもの
であって、リーンNOx触媒を有する内燃機関におい
て、副噴射を不用にしてもリーンNOx触媒への炭化水
素等の還元剤の供給を行えるようにすることで、前記弊
害を解消することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のリーンNOx触媒を有する内燃機関は次の
手段を採用した。 (1)酸素過剰な排気ガス中の窒素酸化物を還元剤を用
いて浄化するリーンNOx触媒を排気系に有する内燃機
関において、この内燃機関の吸気系を流通する吸気中に
おける二酸化炭素の濃度を増大する濃度増大手段を備え
たことを特徴とする。
【0008】ここで、「濃度増大手段」とは、二酸化炭
素を含む吸気中の成分のうち、二酸化炭素と、それ以外
の成分との相対的比較において、二酸化炭素の濃度を増
大できる手段であればよい。よって、前記濃度増大手段
は、前記吸気系に二酸化炭素を加える手段であっても、
吸気ガス中の他の成分を削減することで二酸化炭素の濃
度を他の成分との比較で増大できる手段であってもいず
れでもよい。
【0009】但し、濃度増大手段には、内燃機関本体の
排気ポートから出た直後のガスである出ガスに含まれる
二酸化炭素を利用して、吸気系の二酸化炭素の濃度を増
大する手段、例えば排気再循環装置である、いわゆるE
GRは含まない。言い換えれば、濃度増大手段は、EG
Rによって吸気系に循環される排気に含まれる二酸化炭
素の濃度よりも高い濃度の二酸化炭素を吸気系に加え得
る手段を対象とするということである。EGRは内燃機
関の燃焼ガスを再利用するものであるから、EGRによ
って吸気系に再循環される排気再循環ガスに含まれる二
酸化炭素の濃度は、内燃機関の燃焼状態によって可変で
ある。よって、EGRに代表される、出ガスに含まれる
二酸化炭素を利用して、吸気系の二酸化炭素濃度を増大
する手段は、二酸化炭素の濃度を制御する難かしさが伴
うので排除する。
【0010】濃度増大手段により吸気系で二酸化炭素の
濃度が増大すると、炭化水素から一酸化炭素へ、また一
酸化炭素から二酸化炭素への反応がしにくくなる。極論
すれば二酸化炭素が飽和状態にあれば、二酸化炭素を生
成する炭化水素と一酸化炭素の酸化反応が進行しにくく
なるので、炭化水素と一酸化炭素とが遊離状態で内燃機
関の排気ガス中に多量に含まれることになる。
【0011】つまり、本発明のリーンNOx触媒を有す
る内燃機関では、内燃機関の排気ガス中に炭化水素と一
酸化炭素とが単体で存在する割合が多くなる。よって、
これら炭化水素と一酸化炭素とが還元剤となって窒素酸
化物の浄化をリーンNOx触媒が極めて有効に行うこと
ができる。
【0012】そして、炭化水素や一酸化炭素は窒素酸化
物の還元剤として利用されるので、従来技術のように、
炭化水素の供給、すなわち内燃機関の燃焼用燃料の供給
を燃料噴射装置による副噴射で行う必要がない。すなわ
ち、本発明では副噴射の技術的概念がない。このため、
炭化水素や一酸化炭素の発生量をうまくコントロールで
きれば、副噴射に起因した弊害、すなわち、燃料噴射装
置にかかる負荷を軽減できるので、燃料噴射装置を故障
しにくくできる。 (2)前記(1)項において前記濃度増大手段は、前記
吸気系に二酸化炭素を加える添加装置であると好適であ
る。 (3)前記(2)項において前記添加装置は、前記内燃
機関の本体とは別に設けられる燃焼装置であって、この
燃焼装置の出す燃焼ガスを前記内燃機関の吸気系へ導入
するようになっているものが望ましい。
【0013】ここで、「燃焼装置」とは、具体的には、
前記内燃機関の燃焼用燃料を燃料として使用する燃焼式
ヒータ装置が好適である。この燃焼式ヒータ装置は、燃
焼室本体と、この燃焼室本体に燃焼用空気を前記内燃機
関の吸気管から供給する空気供給路と、この空気供給路
から前記燃焼室本体に供給され、そこで燃焼された燃焼
ガスを前記吸気管に排出する燃焼ガス排出路とを備えて
いるものとする。
【0014】また、燃焼装置が、「内燃機関の本体とは
別に設けられる」の意味は、内燃機関本体のシリンダ内
での燃焼に何等影響されることなく、前記燃焼装置は独
自の燃焼を行って、その排出ガスを前記燃焼ガス排出路
を通じて前記吸気管に排出できるように設定されるとい
う意味である。 (4)前記(3)項において前記燃焼装置は、前記内燃
機関の気筒内における燃焼時の圧力よりも低圧下で燃焼
が行われるものであることが望ましい。
【0015】ここでいう「低圧」とは、例えば大気圧の
ことである。内燃機関の高圧なシリンダ内よりも低圧な
大気圧下の方が燃料が気化し易く理論空燃比付近で燃焼
でき二酸化炭素の排出濃度を多くできるからである。つ
まり、理論通りにきれいに燃えるので燃焼ガス中の二酸
化炭素の割合いが多いのである。 (5)前記(4)項において前記燃焼装置は、前記リー
ンNOx触媒による窒素酸化物の浄化を要するときに作
動することを特徴とする。
【0016】ここで、「リーンNOx触媒による窒素酸
化物の浄化を要するとき」とは、窒素酸化物浄化のため
の特定の条件が揃ったときである。特定の条件とは、例
えば触媒が活性したときである。すなわち、連続方式の
選択還元によるときはエンジンを始動させても直後では
触媒が活性していないので触媒は機能していないが、し
ばらくすると触媒が活性して機能するようになる。よっ
て、リーンNOx触媒による窒素酸化物の浄化を要する
ときとは、選択還元の場合は、触媒が活性して機能する
ときである。また、間欠方式の吸蔵還元の場合は、触媒
が窒素酸化物を吸込み過ぎて、すなわち窒素酸化物が飽
和状態にあるときである。 (6)前記(3)項において前記燃焼装置は、内燃機関
が所定の運転状態にある時に作動して、燃料を燃焼し、
その燃焼時に出す燃焼ガスの熱で機関関連要素を暖めて
もよい。
【0017】ここで、「内燃機関が所定の運転状態にあ
る時」とは、寒冷時や極寒冷時における内燃機関の運転
中または内燃機関を始動させた後、ならびに例えば燃料
消費が少ないことに起因して、内燃機関自身の発熱量が
少ないときおよびそれにより冷却水の受熱量が少ないと
きのことである。そして、寒冷時とは、外気温が略−1
0℃〜略15℃位の時であり、極寒冷時とは、外気温が
略−10℃よりも低い時である。
【0018】「機関関連要素」とは、機関冷却水や、あ
るいは吸気に燃焼式ヒータの燃焼ガスが導入される内燃
機関自体のことである。 (7)前記(1)項において前記リーンNOx触媒が吸
蔵還元型NOx触媒であることを特徴としてもよい。
【0019】ここで、「吸蔵還元型」とは、窒素酸化物
を触媒に吸込んでそこに一旦留め、後で炭化水素または
/および一酸化炭素を適量に触媒に供給することによっ
て窒素酸化物を一気に浄化する間欠処理方式のことであ
る。 (8)前記(1)項において前記リーンNOx触媒が選
択還元式NOx触媒であることを特徴としてもよい。
【0020】ここで、「選択還元式」とは、窒素酸化
物,炭化水素および一酸化炭素を同時にかつ連続的に浄
化する連続処理方式のことである。 (9)前記(6)項において前記リーンNOx触媒によ
る窒素酸化物の浄化を要するとき、前記燃焼装置の空燃
比をリッチにすると好適である。
【0021】空燃比がリッチであれば、燃焼装置におけ
る混合気において燃料の量が多く、それだけ還元剤とし
ての炭化水素や一酸化炭素の割合いが増えるため、リー
ンNOx触媒が窒素酸化物を浄化し易くなる。 (10)前記(6)項において前記燃焼装置の作動時で
前記リーンNOx触媒による窒素酸化物の浄化を要する
ときは、燃料噴射装置による燃料噴射タイミングを遅角
するとよい。燃料噴射タイミングは、元来、燃費が最適
になるように設定する。ところがその燃料噴射タイミン
グを遅角するとなるとそれだけ燃焼が遅くなる。燃焼が
遅いと本来燃えるべき燃料が燃え残り、未燃ガスの発生
割合いが増えるため、炭化水素や一酸化炭素の割合いが
増えてリーンNOx触媒が窒素酸化物を浄化し易くな
る。 (11)前記(1)項において前記リーンNOx触媒は
吸蔵還元型NOx触媒であることが好ましい。
【0022】また、本発明のリーンNOx触媒を有する
内燃機関によれば、さらに次のような作用効果を奏す
る。 内燃機関が所定の運転状態にある時に作動する燃焼装
置から出る燃焼ガスを内燃機関の吸気管に混入すること
で、吸気管にそれまで流れていた新気は、燃焼ガスの燃
焼熱を含んだ燃焼ガス混入吸気となる。よって、燃焼装
置の燃焼熱の利用によって暖機促進や車室用ヒータの性
能向上を図れる。燃焼装置として燃焼式ヒータを用いれ
ば、これは内燃機関に通常備えられる暖機促進用の装置
であるから、燃焼式ヒータを二酸化炭素の濃度増大手段
として併用できる。
【0023】そして、燃焼式ヒータは、本来スモーク
のほとんどない、換言すればカーボンを含まない二酸化
炭素濃度の濃い燃焼ガスを出す。よって、そのような燃
焼式ヒータの出す燃焼ガスを内燃機関に吸入するように
すれば、従来知られているEGR装置に比して内燃機関
の摩耗と腐食発生の心配がなく、また耐久性向上も期待
でき、さらには低水温からの窒素酸化物の低減が可能と
なる。
【0024】加えて、二酸化炭素は、それ自体にもス
モーク抑制効果がある。これは、次の理由による。すな
わち、二酸化炭素の熱解離(すなわち、雰囲気温度が1
400℃において、CO2→2CO+O2)により生成さ
れた酸素がすすを再燃焼し、かつ二酸化炭素が生成され
た炭素を酸化する(すなわち、CO2+C→2CO)の
で、内燃機関が高負荷のときでもスモークの抑制効果を
期待できる。
【0025】そして、ディーゼルエンジンやガソリン
リーンバーンエンジン等の低燃費エンジンは、燃焼燃料
が少ないので、冷却水への熱損失が元来少ない。よっ
て、常温時でも内燃機関の暖機性が悪化傾向にあるが、
燃焼式ヒータを必要時作動させることで暖機性を大幅に
向上できる。この結果、暖機時のエミッションを大幅に
改善できる。しかも、燃焼式ヒータは、その燃焼ガスが
燃焼ガス排出路を経由して吸気系に導入され、やがて内
燃機関の気筒内に至るので、燃焼ガス熱は内燃機関で回
収されて内燃機関側冷却水受熱量を増やす。よって、ヒ
ータ性能が向上する。
【0026】また、燃焼式ヒータの始動時等における
燃焼ガス中の未燃成分は、内燃機関で再度燃焼し、そし
てこれが内燃機関の排気系に至ると、この排気系に設け
られるリーンNOx触媒によって浄化できる。
【0027】さらに、燃焼式ヒータが備える空気供給
路および燃焼ガス排出路は大気に直接開口していないの
で、騒音の低減効果も期待できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
した図面に基いて説明する。 〈装置の全体説明〉内燃機関としてのエンジン1は水冷
式であって、冷却水が循環する図示しないウォータジャ
ケットを備えたエンジン本体3と、エンジン本体3の図
示しない複数の気筒内に燃焼に必要な空気を送り込む吸
気装置5と、混合気が前記気筒内で燃焼した後の排気ガ
スを大気中に放出する排気装置7と、エンジン1が搭載
される車輌の室内を暖める車室用ヒータ9とを有する。
エンジン1には、ディーゼルエンジンまたは直噴ガソリ
ンリーンバーンエンジンが適用される。
【0029】吸気装置5は、気筒内に新鮮な空気を取り
入れるエアクリーナ13を吸気装置5の始端とする。そ
して、このエアクリーナ13から吸気装置5の終端であ
るエンジン本体3の図示しない吸気ポートまでの間に、
吸気系構造物であるターボチャージャ15のコンプレッ
サ15a,エンジン本体3の図示しない気筒内における
燃焼時の圧力よりも低圧である大気圧下で燃焼する燃焼
式ヒータ17,インタークーラ19およびインテークマ
ニホールド21を備えている。
【0030】これらの吸気系構造物は、複数の連結管を
備える吸気管23に属する。吸気管23は、コンプレッ
サ15aを境に、吸気装置5に入って来る外気がコンプ
レッサ15aによって強制的に押し込まれて加圧状態と
なる下流側連結管27と、そうでない上流側連結管25
とに大別できる。
【0031】図1において、上流側連結管25は、エア
クリーナ13からコンプレッサ15aに向けてまっすぐ
延びる棒状の本流管29と、本流管29に対してバイパ
ス状に接続される支流管としてのヒータ用枝管31とか
らなる。
【0032】本流管29のうちエアクリーナ13の下流
側近傍箇所には外気温センサ32が取付けられている。
エアクリーナ13から本流管29に入って来る外気A
は、エンジン1および燃焼式ヒータ17に対する新気で
あって、その温度が外気温センサ32によって検出され
る。
【0033】ヒータ用枝管31は、その途中に燃焼式ヒ
ータ17を含み、また燃焼式ヒータ17の空気の流れ方
向における上流側部位と本流管29とを結ぶとともに本
流管29から燃焼式ヒータ17に新気すなわち空気を供
給する空気供給路33と、燃焼式ヒータ17の空気の流
れ方向における下流側部位と本流管29とを結びかつ燃
焼式ヒータ17から出る燃焼(排気)ガスを本流管29
に出す燃焼ガス排出路35とを有する。なお、ヒータ用
枝管31に係る空気とは、新気a1のことだけを意味す
るのではなく、燃焼式ヒータ17から出る燃焼ガスa2
も意味する。燃焼式ヒータ17の燃焼ガスは、スモーク
のほとんどない、換言すればカーボンを含まないガスで
ある。よって、内燃機関の吸気として使用するに支障な
い。
【0034】燃焼ガス排出路35のうち燃焼式ヒータ1
7寄り箇所には、燃焼ガス温度センサ36および燃焼ガ
スに含まれる二酸化炭素の濃度を検出するCO2センサ
37が取付けられている。燃焼ガス温度センサ36によ
って燃焼式ヒータ17から本流管29に入る前の燃焼式
ヒータ17の燃焼ガスの温度が、また、CO2センサ3
7によって燃焼ガス中の二酸化炭素の濃度が検出され
る。
【0035】また、空気供給路33および燃焼ガス排出
路35の本流管29とのそれぞれの接続箇所C1および
C2のうち、続箇所C1は接続箇所C2よりも本流管2
9の上流側に位置する。よって、エアクリーナ13から
の外気Aは、まず接続箇所C1でヒータ用枝管31に分
岐する空気a1と、分岐せずに本流管29を接続箇所C
2に向かう空気a1’とに分かれ、接続箇所C2では、
接続箇所C1で分岐して燃焼式ヒータ17の燃焼に供さ
れて燃焼ガスとなった空気a2とC1で分岐しなかった
新気a1’とが合流し、燃焼ガス混入空気a3となる。
【0036】接続箇所C1で分岐した空気a1は、空気
供給路33−燃焼式ヒータ17−燃焼ガス排出路35を
経由して接続箇所C2から本流管29に空気a2となっ
て戻る。この本流管29に戻る空気a2は、大気圧下で
燃焼する燃焼式ヒータ17の燃焼に供されて熱を持った
燃焼ガスであるから、二酸化炭素を多量に含む。このガ
スが本流管29に戻されて前記分岐しなかった空気a
1’と接続箇所C2で合流して燃焼ガス混入空気a3と
なると、その結果、この燃焼ガス混入空気a3が二酸化
炭素を多量に含んでエンジン本体3に入る吸気となる。
なお、燃焼式ヒータ17の燃焼状態が制御され、この制
御の仕方によって二酸化炭素の濃度を自在に調整でき
る。
【0037】また、図1において、下流側連結管27
は、コンプレッサ15aとインテークマニホールド21
とを結ぶ管であり、図1で示されるものはL字形をして
いる。また、インテークマニホールド21寄りの箇所に
はインタークーラ19が配置されている。
【0038】一方、排気装置7は、エンジン本体3の図
示しない排気ポートを排気装置7の始端とし、そこから
排気装置7の終端のマフラ41までの間に、エキゾース
トマニホールド38,ターボチャージャ15のタービン
15bおよび触媒コンバータ39を排気管42上に備え
ている。排気装置7を流れる空気はエンジン1の排気ガ
スとして符号a4で示す。
【0039】触媒コンバータ39は、その内部にリーン
NOx触媒を三元触媒として使用しており、排気系が特
に酸素過剰な雰囲気状態、すなわちリーン状態にあると
きに排気ガス中の窒素酸化物を還元剤を用いて浄化す
る。リーンNOx触媒は選択還元式と吸蔵還元型がある
が、どちらを用いてもよい。
【0040】次に燃焼式ヒータ17の構造を図2に概略
示す。燃焼式ヒータ17は、エンジン本体3の前記ウォ
ータジャケットとつながっており、燃焼式ヒータ17
は、その内部にウォータジャケットからの冷却水を通す
冷却水通路17aを有する。この冷却水通路17aを流
れる冷却水(図2に破線矢印で示す。)は、燃焼式ヒー
タ17の内部に形成された燃焼部である燃焼室17dの
周りを巡るようにして通過し、その間に燃焼室17dか
らの熱を受けて暖まる。これについては、順次詳しく述
べる。
【0041】燃焼室17dは、火炎を出す燃焼筒17b
と、燃焼筒17bを覆うことで火炎が外部に漏れないよ
うにする円筒状の隔壁17cとからなる。燃焼筒17b
を隔壁17cで覆うことで、燃焼室17dが隔壁17c
内に画成される。そして、この隔壁17cも燃焼式ヒー
タ17の外壁43aによって覆われており、両者間には
間隔があけられてある。この間隔をおくことによって、
外壁43aの内面と隔壁17cの外面との間に前記冷却
水通路17aが形成される。
【0042】また、燃焼室17dは、前記空気供給路3
3および燃焼ガス排出路35とそれぞれ直接つながる空
気供給口17d1および排気排出口17d2を有してい
る。空気供給路33から送られて来た空気a1は、空気
供給口17d1から燃焼室17dに入るとその中を伝っ
て排気排出口17d2に至り、その後、燃焼ガス排出路
35を経由して、既述のように本流管29に空気a2と
して流れ入る。よって、燃焼室17dは、燃焼式ヒータ
17内において空気a2に燃焼によって変化する空気a
1を通す空気通路の形態になっている。
【0043】そして、燃焼式ヒータ17が燃焼した後、
燃焼ガス排出路35を経由して本流管29に戻される空
気a2は、いわば燃焼式ヒータ17から排出される排気
ガスのことであるから熱を持つ。そして、この熱を持っ
た空気a2が燃焼式ヒータ17から排出されるまでの間
において、この空気a2の持つ熱が、隔壁17cを通し
て前記冷却水通路17aを流れる冷却水に伝わり、既述
のように冷却水を暖める。よって、燃焼室17dは熱交
換通路でもある。
【0044】なお、燃焼筒17bは、図示しない燃料ポ
ンプとつながっている燃料供給管17eを備え、そこか
ら前記燃料ポンプのポンプ圧を受けて燃焼用燃料を燃焼
筒17bに供給する。この供給された燃焼用燃料は、燃
焼式ヒータ17内で気化して気化燃料になり、この気化
燃料は、図示しない着火源によって着火される。
【0045】なお、空気供給路33と燃焼ガス排出路3
5とは、燃焼式ヒータ17のみに用いられるものである
から、これらは燃焼式ヒータ17に属する部材といえ
る。次に、冷却水通路17aに対する冷却水の循環につ
いて説明する。
【0046】冷却水通路17aは、エンジン本体3の前
記ウォータジャケットとつながっている冷却水導入口1
7a1と、車室用ヒータ9とつながっている冷却水排出
口17a2とを有している。
【0047】冷却水導入口17a1とエンジン本体3と
の間には水管路W1が介在され、冷却水排出口17a2
と車室用ヒータ9との間には水管路W2が連結されてい
る。これらの水管路W1および水管路W2を介して、燃
焼式ヒータ17はエンジン本体3の前記ウォータジャケ
ットおよび車室用ヒータ9とつながっている。また、車
室用ヒータ9とエンジン本体3も水管路W3を介してつ
ながっている。
【0048】したがって、エンジン本体3のウォータジ
ャケットの冷却水は、その流れの順序として、(1)水
管路W1を介して冷却水導入口17a1から燃焼式ヒー
タ17に至り、そこで暖められる。(2)この暖められ
た冷却水は、燃焼式ヒータ17の冷却水排出口17a2
から水管路W2を介して車室用ヒータ9に至る。(3)
そして、冷却水は、車室用ヒータ9で熱交換されて温度
が下がった後、水管路W3を介してウォータジャケット
に戻る。
【0049】このように、冷却水は、水管路W1と、水
管路W2と、水管路W3を介して、エンジン本体3と、
燃焼式ヒータ17と、車室用ヒータ9との間を循環す
る。また、燃焼室本体43の内部には、この他に送風フ
ァン45やエンジン電子制御装置(ECU)46とは分
離された燃焼式ヒータ17の制御用の中央処理制御装置
(CPU)47が備えられている。
【0050】ECU46は、外気温センサ32,燃焼ガ
ス温度センサ36、CO2センサ37および回転数セン
サ59とならびに送風ファン45および燃料ポンプと電
気的につながっている。そして、各センサ32,36,
37および59等の各パラメータに応じてCPU47
が、リーンNOx触媒39による窒素酸化物の浄化を要
すると判断すると、燃焼式ヒータ17の燃焼状態を適宜
制御して、燃焼式ヒータ17の火炎の勢いや大きさ,温
度等を最適状態に維持する。CPU47による燃焼式ヒ
ータ17の燃焼状態の制御によって、燃焼式ヒータ17
の排気(燃焼ガス)の温度や燃焼ガスに含まれる二酸化
炭素の量が調えられる。
【0051】なお、本流管29のうち、空気供給路33
および燃焼ガス排出路35の本流管29とのそれぞれの
接続箇所C1およびC2の間に、換言すれば本流管29
のうち、燃焼ガス排出路35と本流管29との接続箇所
C2よりも上流箇所には、エアフロメータ70を設けて
ある。この実施の形態で用いるエアフロメータ70は、
その入口側と出口側とで圧力差の少ない、例えばホット
ワイヤ式またはフィルム式のエアフロメータである。
【0052】以上述べたものが、本発明の実施形態に係
るリーンNOx触媒を有する内燃機関Iである。 〈実施形態の作用効果〉次にこのような構成のリーンN
Ox触媒を有する内燃機関Iの作用効果について説明す
る。
【0053】リーンNOx触媒39を有する内燃機関I
によれば、燃焼式ヒータ17の燃焼ガスa2が燃焼ガス
排出路35を通じて吸気管23に至ることにより、吸気
系での二酸化炭素の濃度が増大する。すると、エンジン
本体3の気筒内の燃焼では、炭化水素から一酸化炭素
へ、また一酸化炭素から二酸化炭素への反応がしにくく
なる。
【0054】すなわち、極論すれば気筒内で二酸化炭素
が飽和状態にあると考えれば、二酸化炭素を構成する炭
化水素と一酸化炭素の化学反応が進行しにくいので、N
Ox還元剤としての炭化水素と一酸化炭素とが遊離状態
でかつ適量にあることになる。よって、窒素酸化物の浄
化が極めて有効になし得る。
【0055】図3,図4および図5は、リーンNOx触
媒を有する内燃機関Iと、これまでの技術との違いを、
窒素酸化物,炭化水素および一酸化炭素の発生量の差で
比較したものである。
【0056】図3,図4および図5は、それぞれ窒素酸
化物,炭化水素および一酸化炭素の出ガスに占める割合
を示している。各図における実線は従来技術によるもの
であり、破線がリーンNOx触媒を有する内燃機関Iに
よるものである。また、各図の縦軸は、各有害物質の発
生量を示しており、横軸は燃料の噴射タイミングの時期
をクランク角で示している。横軸上に示される数値がク
ランク角であり、数値0が上死点を意味する。よって、
0よりも図面に向かって右側に進む程、いわゆる進角で
あり、同じく左側に進む程、いわゆる遅角である。
【0057】これらの図3から、窒素酸化物の浄化が極
めて有効になされていることが、グラフの傾き角が極め
て小さいことからわかる。また、図4および図5から、
それぞれ炭化水素および一酸化炭素が、どのクランク角
であってもこれまでよりも多量に発生していることがわ
かる。
【0058】また、リーンNOx触媒を有する内燃機関
Iによれば、炭化水素と一酸化炭素とが単体で存在する
割合が多くなる。そして、炭化水素や一酸化炭素は還元
剤として利用されるので、従来技術のように、炭化水素
の供給を副噴射で行う必要がない。
【0059】このため、炭化水素や一酸化炭素の発生量
をうまくコントロールできれば、副噴射に起因した弊
害、すなわち、燃料噴射装置にかかる負荷を軽減できる
ので、燃料噴射装置が故障しにくい。また、窒素酸化物
の浄化を好適に制御できる。
【0060】炭化水素や一酸化炭素の発生量のコントロ
ールの仕方については、後述する応用例の項で説明す
る。また、リーンNOx触媒を有する内燃機関Iでは、
燃焼式ヒータ17から出る燃焼ガスを吸気管23に混入
することで、吸気系にそれまで流れていた新気は、燃焼
ガスの燃焼熱を含んだ燃焼ガス混入吸気a3となる。よ
って、燃焼式ヒータ17の燃焼熱の利用によって暖機促
進や車室用ヒータの性能向上を図ることができる。燃焼
式ヒータは、内燃機関に通常備えられるものであるか
ら、燃焼式ヒータ17を二酸化炭素の濃度増大手段とし
て併用できる。
【0061】さらに、燃焼式ヒータ17は、本来スモー
クのほとんどない、換言すれば、カーボンを含まない、
また、二酸化炭素の濃度の濃い燃焼ガスを出すので、そ
れをエンジン1の気筒に吸入させれば、従来より知られ
ているNOx低減装置といえるEGR装置に比して、内
燃機関の摩耗と腐食発生の心配がなく耐久性向上も期待
でき、低水温からの窒素酸化物の低減が可能となる。
【0062】加えて、二酸化炭素の熱解離(すなわち、
雰囲気温度が1400℃において、CO2→2CO+
2)により生成された酸素がすすを再燃焼し、かつ二
酸化炭素が生成された炭素を酸化する(すなわち、CO
2+C→2CO)ので、二酸化炭素自体にもスモーク抑
制効果があるため、内燃機関が高負荷のときでもスモー
クの抑制効果を期待できる。
【0063】そして、ディーゼルエンジンやガソリンリ
ーンバーンエンジン等の低燃費エンジンは、燃焼燃料が
少ないので冷却水への熱損失が元来少ないものである。
よって、これらのエンジンでは、常温時でも暖機性が悪
化傾向にあるが、燃焼式ヒータ17を必要時作動させる
ことで暖機性を大幅に向上できる。この結果、暖機時の
エミッションを大幅に改善できる。しかも、燃焼式ヒー
タ17の排気熱は、エンジン本体3で回収するので、内
燃機関側冷却水受熱量Qwが増えるので、ヒータ性能が
向上する。
【0064】また、燃焼式ヒータ17の燃焼ガス排出路
35は吸気管23に通じているので、燃焼式ヒータ17
の始動時等の燃焼ガス中の未燃成分は、エンジン本体3
の気筒内で再度燃焼し、そしてこれが内燃機関の排気系
に至ると、この排気系に設けられているリーンNOx触
媒39によって浄化できる。
【0065】さらに、燃焼式ヒータ17の空気供給路3
3および燃焼ガス排出路35は大気に直接開口していな
いので、騒音の低減効果も期待できる。 〈応用例〉炭化水素や一酸化炭素の発生量をコントロー
ルして、窒素酸化物の浄化を好適に制御する方法として
次の(1)および(2)で述べる。 (1)燃焼式ヒータ17の空燃比調整によって窒素酸化
物の浄化を行う場合 リーンNOx触媒による窒素酸化物の浄化を要すると
き、燃焼式ヒータ17の空燃比をリッチにする。
【0066】空燃比がリッチであれば、燃焼式ヒータ1
7の混合気において燃料の量が多く、それだけ還元剤と
しての炭化水素や一酸化炭素の割合いが増えるため、リ
ーンNOx触媒39が窒素酸化物を浄化し易くなる。よ
って副噴射を不用にできる。 (2)燃料噴射タイミングの変更によって窒素酸化物の
浄化を行う場合 燃焼式ヒータ17の作動時でリーンNOx触媒39によ
る窒素酸化物の浄化を要するときは、燃料噴射装置によ
る燃料噴射タイミングを還元処理が未だ実施されていな
い時(還元処理未実施時)よりも遅角するとよい。これ
は燃料噴射タイミングは、通常、燃費が最適になるよう
に設定されている。ところがその燃料噴射タイミングを
遅角するとそれだけ燃焼が遅くなる。燃焼が遅いと本来
燃えるべき燃料が燃え残り、未燃ガスの割合いが増える
ため、炭化水素や一酸化炭素の割合いが増えてリーンN
Ox触媒が窒素酸化物を浄化し易くなる。よって副噴射
を不用にできる。
【0067】また、燃焼式ヒータ17の作動時でリーン
NOx触媒39による窒素酸化物の浄化を要しないとき
は、燃料噴射装置による燃料噴射タイミングを還元処理
を実施している時(還元処理実施時)よりも進角する。
燃料噴射タイミングを進角するとそれだけ燃焼ガスが燃
焼室から排出されるに要する時間が長くなるため、アフ
ターバーンの発生を期待でき、アフターバーンの発生に
よって排気系の温度が上昇する。よって、リーンNOx
触媒39の活性化が進むため、窒素酸化物の触媒39へ
の吸蔵が促進される。そして、リーンNOx触媒39に
よる窒素酸化物の吸込みが過度になりリーンNOx触媒
39が窒素酸化物で飽和状態になると、前記のように燃
料噴射タイミングを遅角して窒素酸化物をリーンNOx
触媒39から浄化する。
【0068】このように噴射タイミングを変更すること
によって窒素酸化物の浄化を行う場合の燃焼式ヒータ1
7の作動制御ルーチンを図6のフローチャートに基づい
て説明する。なお、この場合、リーンNOx触媒17は
吸蔵還元型とする。
【0069】このルーチンは、エンジン1を駆動する図
示しない通常のフローチャートの一部であり、以下に述
べるステップ101〜ステップ106からなる。また、
以下の手順における動作はすべてECU46のCPUに
よるものである。そして、ステップを意味する記号とし
て符号Sを用い、例えばステップ101であればS10
1と省略して示す。
【0070】エンジン1のスタート後、処理がこのルー
チンに移行すると、S101では燃焼式ヒータ17が作
動しているかどうか、換言すれば燃焼式ヒータ作動実行
中かどうかを判定する。S101で肯定判定すればS1
02に進み、否定判定すればS104に進む。
【0071】S102では吸蔵還元型NOx触媒の還元
処理に必要な条件が成立しているかどうか、すなわち吸
蔵還元型NOx触媒が窒素酸化物を吸込みが過度になり
窒素酸化物が飽和状態にあるかどうかを判定する。
【0072】S102で肯定判定すればS103に進
み、否定判定すればS106に進む。S103では、還
元処理未実施時に比べて遅らす、すなわち燃料噴射タイ
ミングを遅角し、その後このルーチンを終了する。
【0073】話をS101に戻す。S101で否定判定
してS104に進むと、S104では燃焼式ヒータ17
が作動していない状態で吸蔵還元型NOx触媒の還元処
理に必要な条件が成立しているかどうか、すなわちS1
02と同じに吸蔵還元型NOx触媒が窒素酸化物を吸い
過ぎて飽和状態にあるかどうかを判定する。S104で
肯定判定すればS105に進み、否定判定すればこのル
ーチンを終了する。
【0074】S105では燃焼式ヒータ17を作動させ
る。話をS102に戻す。S102で否定判定してS1
06に進むと、S106では、燃料噴射タイミングを還
元処理実施時に比べて進め、その後このルーチンを終了
する。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、酸
素過剰な排気ガス中の窒素酸化物を還元剤を用いて浄化
するリーンNOx触媒を排気系に有する内燃機関におい
て、この内燃機関の吸気系を流通する吸気中の二酸化炭
素の濃度を増大する濃度増大手段を備えたことを特徴と
するので、吸気系で二酸化炭素の濃度が増大すると、炭
化水素から一酸化炭素へ、また一酸化炭素から二酸化炭
素への反応がしにくくなる。極論すれば二酸化炭素が飽
和状態にあれば、二酸化炭素を構成する炭化水素と一酸
化炭素の化学反応が進行しないので、炭化水素と一酸化
炭素とが遊離状態に多量にあることになる。よって、本
発明のリーンNOx触媒を有する内燃機関では、炭化水
素と一酸化炭素とが単体で存在する割合が多くなる。こ
のため、窒素酸化物の浄化を極めて有効に行える。そし
て、炭化水素や一酸化炭素は還元剤として利用されるの
で、炭化水素の供給をこれまでの技術で用いていた副噴
射による積極的な燃料の供給によって行う必要がない。
よって、炭化水素や一酸化炭素の発生量をうまくコント
ロールし、例えば、リーンNOx触媒による窒素酸化物
の浄化を要するときに燃焼式ヒータの空燃比をリッチに
したり、燃焼式ヒータの作動時でリーンNOx触媒によ
る窒素酸化物の浄化を要するときに燃料噴射装置による
燃料噴射タイミングを遅角したりすることで、これまで
副噴射に起因して生じた弊害、すなわち、燃料噴射装置
にかかる負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリーンNOx触媒を有する内燃機
関の実施の形態の概略構成図
【図2】燃焼式ヒータの概略断面図
【図3】窒素酸化物の発生量をこれまでの技術と比較し
て示す図
【図4】炭化水素の発生量をこれまでの技術と比較して
示す図
【図5】一酸化炭素の発生量をこれまでの技術と比較し
て示す図
【図6】噴射タイミングを遅角することで窒素酸化物の
浄化を行う場合の燃焼式ヒータの作動制御ルーチンを示
すフローチャート
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関) 3…エンジン本体(内燃機関の本体) 5…吸気装置 7…排気装置 9…車室用ヒータ 13…エアクリーナ 15…ターボチャージャ 15a…コンプレッサ 15b…ターボチャージャのタービン 17…燃焼式ヒータ(濃度増大手段,添加装置,燃焼装
置) 17a…燃焼式ヒータの冷却水通路 17a1…冷却水導入口 17a2…冷却水排出口 17b…燃焼筒 17c…円筒状隔壁 17d…燃焼室 17d1…空気供給口 17d2…排気排出口 17e…燃料供給管 19…インタークーラ 21…インテークマニホールド 23…吸気管 25…上流側連結管 27…下流側連結管 29…本流管 31…ヒータ用枝管 32…外気温センサ 33…空気供給路 35…燃焼ガス排出路 36…燃焼ガス温度センサ 37…CO2センサ 38…エキゾーストマニホールド 39…リーンNOx触媒 41…マフラ 42…排気管 43…外壁 45…送風ファン 46…ECU 47…CPU 49…バイパス通路 55…外気温センサ 59…回転数センサ 60…混入吸気温検出センサ 70…エアフロメータ 80…吸気圧センサ I…実施の形態に係る燃焼式ヒータを有する内燃機関 C1…空気供給路33と本流管29との接続箇所 C2…燃焼ガス排出路35と本流管29との接続箇所 C3…バイパス通路49と燃焼ガス排出路35との接続
部 W1…水管路 W2…水管路 W3…水管路 A…エアクリーナ13から本流管29に入って来る外気 a1…接続箇所C1で外気Aから分岐して空気供給路3
3を流れる空気 a1’…本流管29を接続箇所C2に向かう空気 a2…燃焼式ヒータ17の燃焼に供されて燃焼ガスとな
った空気 a3…燃焼ガス混入空気 a4…排気装置7を流れる空気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F01N 3/28 ZAB F01N 3/28 301C 301 B01D 53/36 101B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素過剰な排気ガス中の窒素酸化物を還
    元剤を用いて浄化するリーンNOx触媒を排気系に有す
    る内燃機関において、 この内燃機関の吸気系を流通する吸気中における二酸化
    炭素の濃度を増大する濃度増大手段を備えたことを特徴
    とするリーンNOx触媒を有する内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記濃度増大手段は、前記吸気系に二酸
    化炭素を加える添加装置であることを特徴とする請求項
    1に記載のリーンNOx触媒を有する内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記添加装置は、前記内燃機関の本体と
    は別に設けられる燃焼装置であって、この燃焼装置の出
    す燃焼ガスを前記内燃機関の吸気系へ導入することを特
    徴とする請求項2に記載のリーンNOx触媒を有する内
    燃機関。
  4. 【請求項4】 前記燃焼装置は、前記内燃機関の気筒内
    における燃焼時の圧力よりも低圧下で燃焼が行われるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のリーンNOx触媒を有
    する内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記燃焼装置は、前記リーンNOx触媒
    による窒素酸化物の浄化を要するときに作動することを
    特徴とする請求項4に記載のリーンNOx触媒を有する
    内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記燃焼装置は、内燃機関が所定の運転
    状態にある時に作動して、燃料を燃焼し、その燃焼時に
    出す燃焼ガスの熱で機関関連要素を暖めることを特徴と
    する請求項3〜請求項5のいずれかに記載のリーンNO
    x触媒を有する内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記リーンNOx触媒が吸蔵還元型NO
    x触媒であることを特徴とする請求項1に記載のリーン
    NOx触媒を有する内燃機関。
  8. 【請求項8】 前記リーンNOx触媒が選択還元式NO
    x触媒であることを特徴とする請求項1に記載のリーン
    NOx触媒を有する内燃機関。
  9. 【請求項9】 前記リーンNOx触媒による窒素酸化物
    の浄化を要するとき、前記燃焼装置の空燃比をリッチに
    することを特徴とする請求項6に記載のリーンNOx触
    媒を有する内燃機関。
  10. 【請求項10】 前記燃焼装置の作動時で前記リーンN
    Ox触媒による窒素酸化物の浄化を要するときは、燃料
    噴射装置による燃料噴射タイミングを遅角することを特
    徴とする請求項6に記載のリーンNOx触媒を有する内
    燃機関。
  11. 【請求項11】 前記リーンNOx触媒は吸蔵還元型N
    Ox触媒であることを特徴とする請求項10に記載のリ
    ーンNOx触媒を有する内燃機関。
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