JPH11235906A - タイヤ空気圧推定装置 - Google Patents

タイヤ空気圧推定装置

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JPH11235906A
JPH11235906A JP21121898A JP21121898A JPH11235906A JP H11235906 A JPH11235906 A JP H11235906A JP 21121898 A JP21121898 A JP 21121898A JP 21121898 A JP21121898 A JP 21121898A JP H11235906 A JPH11235906 A JP H11235906A
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健康 田口
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秀樹 株根
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Nobuyoshi Onoki
伸好 小野木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コスト的に有利なタイヤ空気圧推定装置を提供
する。 【解決手段】車両の走行時に各車輪の車輪速度信号を検
出する車輪速度検出手段と、車輪速度信号に基づいて、
タイヤ振動成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定数を
抽出する抽出手段と、空気圧推定手段と、空気圧が異常
であるか否かを判定する判定手段と、をカバー内に備え
る信号処理装置を備え、抽出される共振周波数またはバ
ネ定数に影響を及ぼす外部要因の中でタイヤ温度に関連
するタイヤ温度関連値を抽出して、判定手段における判
定値をタイヤ温度関連値に基づいて補正する補正手段を
有するとともに、この補正手段において用いられるタイ
ヤ温度関連値を抽出するために信号処理装置内の温度を
外気温度として検知する温度感知素子を信号処理装置内
に配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等のタイ
ヤ空気圧を推定するタイヤ空気圧推定装置に関し、特に
車両走行時におけるタイヤの振動成分から間接的にそれ
らタイヤ空気圧を推定するにあたって、その推定精度を
より高いものとすることのできる推定構造の具現に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のタイヤ空気圧推定装置と
しては例えば特開平5−133831号公報記載の装
置、或いは特開平6−328920号公報記載の装置が
知られている。これらの装置では何れも、車輪速度信号
からタイヤの振動に起因する車輪速度の振動成分を抽出
してタイヤの上下方向、前後方向またはタイヤ回転のね
じれ方向の共振周波数を求め、その求めた共振周波数に
基づいてそれらタイヤの空気圧を推定している。
【0003】かかるタイヤ空気圧推定装置によれば、例
えば圧力センサの如きタイヤの空気圧を直接検出する手
段を要することなく、それら空気圧を推定することがで
きるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】タイヤ空気圧を間接的
に検出する技術はタイヤ空気圧とタイヤ剛性との間にー
定の関係が成立することに着目するものであるが、タイ
ヤ剛性には、タイヤ内空間の空気圧に依拠する部分のみ
ならずタイヤのゴム硬度に依拠する部分も存在してお
り、両者は分離して検出することは困難である。また、
タイヤのゴム硬度は、そのゴム温度によって変化する。
【0005】しかしながら、タイヤ空気圧を間接に検出
する技術は従来、タイヤ温度の変化を考慮して検出を行
うようにはなっていない。そのため、この従来の間接検
出技術では、タイヤ内空間の空気圧が同じでもタイヤ温
度が異なれば、タイヤ全体の剛性が異なり、引いては、
タイヤ空気圧の検出値が実際値と異なってしまう。その
結果、例えば、その従来の間接検出技術を、タイヤ空気
圧が異常に低いことを検出して運転者に警告する技術と
共に実施する場合には、実際のタイヤ空気圧は正常であ
るにもかかわらず、タイヤ温度が上昇してゴム硬度が低
下したために、本来であれば検出されるべきでないタイ
ヤ空気圧の異常低下が検出されてしまうご検出という事
態や、実際のタイヤ空気圧は異常に低いにもかかわら
ず、タイヤ空気圧の異常低下が検出されない不検出とい
う事態が生じる恐れがあるという問題があった。
【0006】そこで、本発明はタイヤ温度を鑑みて、ー
層精度良くタイヤ空気圧の推定を行うことができるタイ
ヤ空気圧推定装置を提供することを目的とする。より好
ましくは、タイヤ温度に関連したタイヤ温度関連値を出
力する素子を、タイヤ空気圧推定の演算処理等を行う信
号処理装置内に配置し、タイヤ温度を信号処理装置内に
取り込むためのワイヤを不要とするとともに、タイヤ温
度の検知のためのセンサ等の配設部位を信号処理装置外
の車体に特別に設ける必要のない、コスト的に有利なタ
イヤ空気圧推定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】こうした目的を達成する
ため、この発明では、請求項1に記載のように、車両の
走行時にタイヤの振動成分を含む信号を出力する振動成
分出力手段と、この出力されるタイヤの振動成分を含む
信号から同振動成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定
数を抽出する抽出手段と、この抽出される共振周波数も
しくはタイヤバネ定数に基づいて前記タイヤの空気圧を
推定する空気圧推定手段と、前記抽出される共振周波数
またはバネ定数に影響を及ぼす外部要因の中でタイヤ温
度に関連するタイヤ温度関連値を抽出するタイヤ温度関
連値抽出手段と、この抽出されるタイヤ温度関連値に応
じて、共振周波数もしくはタイヤバネ定数に対する影響
を補正する補正手段と、をそれぞれ備えてタイヤ空気圧
推定装置を構成する。
【0008】このよな構成をとれば、タイヤ空気圧の推
定における外部要因として特にタイヤ温度による影響を
回避可能となり、タイヤ空気圧の推定精度を向上するこ
とができる。 なお、近年車両の車室内の空調関係を自
動的に制御したり(オートエアコン)車両走行中に路面
の凍結情報を運転者へ与える等の目的のため、外気温度
センサを車両に搭載することが行われている。このよう
な車両では、本願発明においてタイヤ温度関連値を検出
する際に、これら空調関係等の外気温度センサを用いれ
ば、部品点数が減り、コスト的に有利である。
【0009】また、請求項2に記載のように、タイヤ温
度関連値抽出手段として、前記タイヤの振動成分を含む
信号の信号処理装置内に設けられた素子を利用し、前記
タイヤ温度関連値として外気温度を抽出するようにして
もよい。ここでタイヤのゴム硬度に変化を生じさせる温
度(タイヤ温度関連値)として、タイヤのゴム自体の温
度を検出することが望ましいのは勿論であるが、タイヤ
は回転するものであるため、その検出は比較的困難であ
る。これに対し、車両の外気温度を検出するのは比較的
容易であり、車両の外気温度が高ければ、タイヤ自体の
温度も高くなると考えられる。このように外気温度とタ
イヤ自体の温度との間には所定の関係が成立する。
【0010】そこで、この関係に着目し、外気温度を用
いてタイヤ空気圧の推定精度の向上を図るようにしてい
る。なお、前述の如く空調関係に用いられる等の外気温
度センサをタイヤ空気圧推定のために併用する場合に
は、この外気温度センサからタイヤ空気圧推定装置の信
号処理装置(CPU)まで信号を送る伝達経路(送信配
線)が必要となり、搭載上等に影響を与える。あるい
は、この伝達経路(送信配線用のワイヤ)が必要であ
り、伝達経路にて磁気ノイズ等を受ける影響も考えられ
る。しかしながら、上述の如く、信号処理装置内に設け
られる素子を用いて外気温度を検出すれば、信号処理装
置に外部から外気温度に関する信号を取り込む必要がな
く、搭載上、コスト面、磁気ノイズ等に対して有利であ
る。なお、空調関係等の外気温度センサを持たない車両
においても、信号処理装置の外側に外気温度を検出する
ためのセンサを配置するよりも、信号処理装置内に配置
した方が上述と同様に有利である。
【0011】なお、このような外気温度を検出するため
の素子としては、温度検知機能を有する温度検知センサ
あるいは温度特性を有する半導体素子を新たに信号処理
装置内に付加するようにしてもよい。もしくはタイヤの
振動成分を含む信号からタイヤの共振周波数あるいはバ
ネ定数を抽出する等のために信号処理回路として信号処
理装置内に設定されている素子の温度特性を利用するよ
うにしてもよい。
【0012】また、請求項3に記載のように、タイヤ温
度関連値抽出手段は、前記信号処理装置内の素子の温度
が、外気温度と所定の相関関係が成立する時期をとら
え、その時に検知された前記素子の温度に応じて前記タ
イヤ温度関連値を推定するようにしてもよい。信号処理
装置は、多くの場合、車両の車室内空間に属する位置に
搭載される場合が多い。このため、外気温度推定を行う
ための検知部である素子は、車室内空間の温度の影響を
受けることがある。
【0013】この車室内空間の温度は、走行中は車両の
空調装置の影響や、車両停止時は日射等の影響を多く受
けることになる。また、通電等による素子自体の発熱に
よる影響も受ける場合がある。しかし比較的長い時間に
おける車両の使われ方から、外気温度と素子の温度の関
係を推定すると、図6のように考えられ、車室内の雰囲
気温度および信号処理装置内の素子の温度が外気温度と
一致するに十分な車両停止時間の存在は、実使用条件下
においても十分考えられる。そのため、車両停止状態の
間に、信号処理装置内素子の温度が外気温度に収束する
機会をとらえてタイヤ温度関連値を推定すれば、より正
確な推定を実現できる。
【0014】また、請求項4に記載のように、タイヤ温
度関連値抽出手段は、車両のイグニッションスイッチが
ONとなったときに検知される複数個の検出値に基づい
て、外気温度関連値を推定するようにしてもよい。信号
処理装置内の素子が外気温度に収束する機会をとらえる
ためには、信号処理装置に電源が投入された後における
素子自身の発熱を考慮すれば、車両のイグニッションス
イッチがON状態に直後に検知される素子の温度を外気
温度推定に採用することが有効である。すなわち、この
ように、イグニッションスイッチのON直後に外気温度
検出を行えば、素子への通電による発熱の影響を回避
し、外気温度推定の精度を向上させることができる。な
お、この時検出した外気温度を次回のイグニッションス
イッチのON時の外気温度検出まで記憶しておいて、タ
イヤ空気圧の推定に採用するようにしてもよい。
【0015】また、信号処理装置内の素子が外気温度に
収束する機会をとらえるために、予め定められた所定回
数のイグニッションスイッチのON回数を設定する。こ
の設定回数を、通常一般的に1日に動作するイグニッシ
ョンスイッチのON回数よりも多く設定することで、そ
の複数回の設定回数の内で、少なくとも1回は、信号処
理装置内の素子が、外気温度に収束する機会が存在する
と仮定することができる。たとえば、夜間では車両が放
置される確率が高く、そのため、素子が外気温度に収束
する機会の確率も高くなるからである。このように、信
号処理装置内の素子が外気温度に収束する機会の確率を
挙げるようにすれば、タイヤ空気圧推定を正確に行える
回数が増加する。
【0016】また、請求項5に記載のように、タイヤ温
度関連値抽出手段は、車両のイグニッションスイッチが
ONとなった直後に検知される複数個の検出値のうちの
最小値に基づきタイヤ温度関連値を推定するようにして
もよい。これは、図6に示すように、イグニッションス
イッチON時の信号処理装置内の素子の温度は、素子自
身の発熱の影響、空調制御による車室内温度の影響およ
び日射等による影響のため、実際の外気温度と異なる場
合がある。しかし、信号処理装置内の素子の温度に与え
るそれぞれの影響の寄与度を考察すると、素子の温度を
低下させる要因は、車両の空調制御のみである。ところ
が、この空調制御による冷却効果と素子自身による発熱
効果の双方を考慮すると、車両走行中(イグニッション
スイッチON状態)は、素子の温度は、必ず外気温度よ
り高くなっていると考えられる。また、日射による影響
においても、車室内空間は外気温度より高くなるはずで
あり、その影響を受けた信号処理装置内の素子の温度も
外気温度より高い温度ということになる。
【0017】つまり、複数回のイグニッションスイッチ
ON時の信号処理装置内素子の各温度において、外気温
度に素子の温度が収束している時が、最低の温度を示す
ことになる。よって、たとえば、イグニッションスイッ
チのON時に素子において検出された外気温度値を予め
定められた複数個記憶しておき、そのうちの最小値を用
いて、タイヤ空気圧推定に対する影響を補正するように
してもよい。
【0018】また、請求項6に記載のように、補正手段
は、前記タイヤ温度関連値抽出手段により抽出される外
気温度により前記共振周波数もしくは前記タイヤバネ定
数に加えて、推定されるタイヤ空気圧のうちの少なくと
もーつを補正するようにしてもよい。すなわち補正手段
は、タイヤ温度関連値に応じてタイヤ空気圧の変化ある
いはタイヤ空気圧自体を間接的に示す共振周波数あるい
はタイヤバネ定数を補正してもよいし、共振周波数ある
いはタイヤバネ定数を補正するのではなく、補正されて
いない共振周波数あるいはタイヤバネ定数に基づいて推
定されたタイヤ空気圧に対して補正を行うようにしても
よい。
【0019】そして、前記抽出される共振周波数を補正
する場合を例にとると、前記補正手段は、補正対象とな
る共振周波数ω、検出される温度情報Temp、同温度
状態に基づく共振周波数ωの補正量をΔω(Temp)
とするとき、(2)式に基づいて、その補正共振周波数
ω’を算出する。前記空気圧推定手段は、算出された補
正共振周波数ω’に基づいて、前記タイヤの空気圧を推
定する。
【0020】
【数2】 ω'=ω- Δω(Temp) (2) このような構成を採用することで同外気温度による影響
を容易且つ的確に回避することができるようになる。な
お、この時、上記温度情報Tempに基づく共振周波数
ωの補正量Δω(Temp)は、「タイヤ空気圧が同一
でも外気温度が低くなるとタイヤのゴム部分が硬くな
り、共振周波数は高くなる。逆に、外気温度が高くなる
とタイヤのゴム部分が柔らかくなり、共振周波数は低く
なる」といった特性を考慮して、その影響を相殺するこ
とのできる値が選ばれることとなる。これには例えば、
上記温度情報Tempに対応して、その補正量が予め登
録されたマップ等を用いることができる。
【0021】また、請求項7に記載のように、車両の走
行時にタイヤの振動成分を含む信号を出力する振動成分
出力手段と、この出力されるタイヤの振動成分を含む信
号から同振動成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定数
を抽出する抽出手段と、この抽出される共振周波数もし
くはタイヤバネ定数に基づいて前記タイヤの空気圧を推
定する空気圧推定手段と、前記抽出される共振周波数ま
たはバネ定数に影響を及ぼす外部要因の中でタイヤ温度
に関連するタイヤ温度関連値を抽出するタイヤ温度関連
値抽出手段と、この空気圧推定手段によって推定された
空気圧とあらかじめ定められた判定値との関係に基づい
て、前記空気圧が異常であるか否かを判定する判定手段
と、前記判定手段における判定値を、前記タイヤ温度関
連値抽出手段によって抽出されたタイヤ温度関連値に基
づいて補正する補正手段と、を備えるようにしてもよ
い。
【0022】このように、タイヤ空気圧を所定の判定値
との比較関係等に基づいて判定する場合においてもタイ
ヤ温度関連値に応じた補正を行えば、タイヤ空気圧の判
定精度を向上することができる。また、請求項8に記載
のように、抽出手段は、前記振動成分出力手段から出力
されるタイヤの振動成分を含む時系列信号に対して同振
動に関する線形予測モデルを導入し、該導入した線形予
測モデルのパラメータを同定して当該振動成分の共振周
波数を抽出する線形予測手段を具えて構成されるように
してもよい。
【0023】すなわち、タイヤの振動成分を含む時系列
信号の間の相間係数を求めることで当該線形予測モデル
のパラメータを推定することができるようになり、また
抗してパラメータを推定することができれば、それらパ
ラメータを用いて、前述したタイヤ上下方向、前後方
向、またはタイヤ回転捩れ方向の共振周波数を求めるこ
とができるようになる。
【0024】そしてこの場合には、特に請求項9に記載
のように、線形予測手段は、サンプリング回数をk、タ
イヤの振動成分を含む時系列信号をy(k)、外乱をm
(k)とするとき、前記振動に関する線形予測モデルと
して、前記(1)式のような2時の離散時間モデルを導
入してその各パラメータc1,c2を道程するパラメー
タ同定手段と、これら同定されるパラメータc1,c2
に基づいて前記共振周波数を演算する共振周波数演算手
段とを備えるようにしてもよい。
【0025】このような構成として、タイヤ空気圧判定
に必要とされる演算量並びにメモリ容量を採用小さくす
ることができる。ちなみに、タイヤ毎にその空気圧に依
存した共振点は1つであることに鑑みれば、上記線形予
測モデルの次数はこの「2次」で十分である。また、こ
の場合、上記パラメータ同定手段としては、請求項10
に記載のように、最小2乗法にて前記パラメータc1,
c2を同定するようにしてもよく、高能率に同定を行う
うえで有利である。
【0026】また、これら線形予測モデルを導入する場
合に比べて、その必要とされる演算量ならびにメモリ容
量の点では不利であるものの、上記請求項1ないし請求
項7に記載の各構成に対しては、請求項11き記載のよ
うに、振動成分出力手段から出力されるタイヤの振動成
分を含む信号に対し高速フーリエ変換(FFT)演算を
行うFFT演算手段を備え、前記空気圧推定手段は、前
記FFT演算によって得られる周波数スペクトルの共振
周波数からタイヤ空気圧を推定するようにしてもよい。
このよにしても、従来の装置に比べてタイヤ空気圧推定
精度の向上を図ることは可能である。
【0027】また、請求項12に記載のように、車両の
走行時に各車輪の車輪速度信号を検出する車輪速度検出
手段と、前記車輪速度検出手段によって検出される車輪
速度信号に基づいて、該車輪速度信号に含まれるタイヤ
の振動成分から、タイヤ振動成分の共振周波数もしくは
タイヤバネ定数を抽出する抽出手段と、この抽出される
共振周波数もしくはタイヤバネ定数に基づいて前記タイ
ヤの空気圧を推定する空気圧推定手段と、この空気圧推
定手段によって推定された空気圧とあらかじめ定められ
た判定値との関係に基づいて、前記空気圧が異常である
か否かを判定する判定手段と、をカバー内に備える信号
処理装置を備え、前記抽出される共振周波数またはバネ
定数に影響を及ぼす外部要因の中でタイヤ温度に関連す
るタイヤ温度関連値を抽出して、前記判定手段における
判定値を前記タイヤ温度関連値に基づいて補正する補正
手段を有するとともに、この補正手段において用いられ
るタイヤ温度関連値を抽出するために信号処理装置内の
温度を外気温度として検知する温度感知素子を前記信号
処理装置内に配置するようにしてもよい。
【0028】また、請求項13に記載のように、車両の
走行時に各車輪の車輪速度信号を検出する車輪速度検出
手段と、前記車輪速度検出手段によって検出される車輪
速度信号に基づいて、該車輪速度信号に含まれるタイヤ
の振動成分から、タイヤ振動成分の共振周波数もしくは
タイヤバネ定数を抽出する抽出手段と、この抽出される
共振周波数もしくはタイヤバネ定数に基づいて前記タイ
ヤの空気圧を推定する空気圧推定手段と、この空気圧推
定手段によって推定された空気圧とあらかじめ定められ
た判定値との関係に基づいて、前記空気圧が異常である
か否かを判定する判定手段と、前記車輪速度信号に基づ
いて算出される各車輪の車輪速度を用いて、該各車輪の
ロック傾向を緩和するように各車輪にかかる車輪制動力
を制御するアンチスキッド制御手段と、をカバー内に備
える信号処理装置を備え、前記抽出される共振周波数ま
たはバネ定数に影響を及ぼす外部要因の中でタイヤ温度
に関連するタイヤ温度関連値を抽出して、前記判定手段
における判定値を前記タイヤ温度関連値に基づいて補正
する補正手段を有するとともに、この補正手段において
用いられるタイヤ温度関連値を抽出するために信号処理
装置内の温度を外気温度として検知する温度感知素子を
前記信号処理装置内に配置するようにしてもよい。
【0029】このように1つの信号処理装置内に、タイ
ヤ空気圧の推定(判定)を行う部位とアンチスキッド制
御を行う部位とがー体配置されている際に、さらにタイ
ヤ温度に関連する温度を抽出するための温度感知素子も
該信号処理装置内に配置する。タイヤ空気圧推定および
アンチスキッド制御の双方とも、同一の車輪速度検出手
段からの信号に基づいて実行されているため、このよう
に、タイヤ空気圧推定(判定)のための信号処理装置と
アンチスキッド制御のための信号処理装置をー体化する
ことによって、信号処理を1ヵ所にて行え、部品点数の
削減を実現できるというメリットがある。さらにこのよ
うな場合においてもタイヤ温度関連値を抽出するための
温度感知素子を1つの信号処理装置内に配置すれば、上
述と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わるタイヤ空気
圧推定装置の実施例を図面に基づき説明する。この実施
形態の装置は、各車輪速度の共振周波数を検出し、その
共振周波数に基づき、実際のタイヤ空気圧が下限値より
も低いか否かを判定する装置として構成されている。
【0031】前述したように、タイヤ空気圧とタイヤの
共振周波数との間には、タイヤ空気圧が低いほど、共振
周波数が低いという関係が成立する。一方、タイヤ回転
方向のねじり振動は、車輪速度信号にも含まれ、車輪速
度信号に基づき、共振周波数もしくはタイヤのばね定数
として検知される。すなわち、タイヤ空気圧と車輪速度
信号に含まれる共振周波数との間にも、タイヤ空気圧が
低いほど共振周波数が低いといった関係が成立する。
【0032】そこで、実施形態の装置では、図3に示さ
れるように、タイヤ空気圧と、車輪速度信号から推定さ
れる共振周波数との関係マップに基づき、タイヤ空気圧
を推定し、その推定されるタイヤ空気圧が下限値、すな
わち当該車両の運転に影響を及ぼす限界値より、低いか
否かを判定するようにしている。図1は、本発明に関わ
るタイヤ空気圧推定装置全体の説明図である。
【0033】図1に示すように、車両の各タイヤ1a〜
1dに対応して、車輪速度センサ2〜5が儲けられてい
る。各車輪速度センサ2〜5は、それぞれロータ2a〜
5a及びピックアップコイル2b〜5bによって構成さ
れている。ロータ2a〜5aは、各タイヤ1a〜1dの
回転軸(図示せず)と同軸的に取り付けられており、円
盤状の磁性体からなっている。ピックアップコイル2b
〜5bは、それぞれロータ2a〜5a、すなわち、タイ
ヤ1a〜1dの回転速度に応じた周期を有する交流信号
を出力する。
【0034】ピックアップコイル2b〜5bから出力さ
れる交流信号は、CPU、ROM、RAMなどより構成
されるマイクロコンピュータ、波形整形回路を備えた公
知の電子制御装置(以下ECUという)6に入力され、
ピックアップコイル2b〜5b〜出力される交流信号の
波形整形を含む所定の信号処理が行われる。なお、この
電子制御装置6は信号処理装置に相当する。
【0035】この信号処理結果は、表示部7に出力さ
れ、運転者にたいし、各タイヤ1a〜1dの空気圧の状
態を報知する。この表示部7は、各タイヤ1a〜1dの
空気圧の状態を独立に表示しても良いし、一つの警告ラ
ンプを設けて、いずれか1つのタイヤの空気圧が基準の
空気圧よりも低下したことを運転者に報知するようにし
ても良い。
【0036】次に、図2に基づいて、ECU6の動作に
ついて説明する。ECU6は、前記車輪速度センサ2〜
5の出力(車輪速度信号)や温度感知素子6iの出力
(タイヤ温度関連値に対応する信号)に基づき、各車輪
のタイヤ空気圧が異常であるか否かの判定を行う。ま
た、ECU6は、表示部7に対し、表示のための駆動信
号を出力する。
【0037】ECU6内には、車輪速度センサ2〜5か
らの各車輪速度信号および温度感知素子6i〜の外気温
度信号から、前記共振周波数を検出する共振点検出部6
a〜6d、およびそれら検出された共振周波数に基づ
き、タイヤ空気圧の異常の有無をタイヤ毎に判定する判
定部6e〜6h、温度感知素子6iを備えている。な
お、ECU6は図4に示されるように、マイクロコンピ
ュータ600を有しており、該マイクロコンピュータの
演算機能を利用して、上記共振点検出部6a〜6dおよ
び判定部6e〜6hとしての機能が実現される。このマ
イクロコンピュータ600が、その演算処理部であるC
PU601をはじめ、主にプログラムメモリとして利用
されるROM602、およびデータメモリとして利用さ
れるRAM603等を備えて構成されることは、既に周
知の事実である。
【0038】これら、マイクロコンピュータ600およ
び温度感知素子6iは、ECU6の外郭を構成するカバ
ー6jにて、一体に覆われている。次に、上記ECU6
において実行される信号処理の詳細について説明する。
まず、図2のECUの共振周波数演算部6a〜6dにお
いて、行われる車輪速度信号に基づく共振周波数推定の
基本原理について説明する。
【0039】タイヤ空気圧推定における物理モデルは、
図5のように表すことができる。すなわち、白色ノイズ
である路面外乱m(k)がタイヤ・サスペンション系に
入力として加わり、その結果として、上記車輪速度信号
y(k)が出力される。そしてこのとき、車輪速度信号
y(k)には、タイヤ空気圧に依存した共振成分が含ま
れるようになる。なお、路面外乱m(k)の代わりに、
車両のブレーキ系からソレノイド弁のON−OFFデュ
ーティによるブレーキ液圧振動をホイールシリンダを介
して車輪のタイヤに伝達し、タイヤの共振を形成する外
部振動入力としてもよい。
【0040】同実施形態にかかるタイヤ空気圧推定装置
では、上記タイヤ・サスペンション系を線形予測モデル
にて近似し、そのモデルのパラメータを最小2乗法を用
いて同定する。なお、タイヤ毎にその空気圧に依存した
共振点は1つであるとすれば、この線形予測モデルの次
数は「2次」で十分である。また、該モデルの次数を2
次とすることで、ECU6に必要とされる演算量並びに
データメモリ(RAM603)容量を最小とすることが
できるようにもなる。
【0041】さて、サンプリング回数をkとし、それぞ
れ上述のように路面外乱をm(k)、車輪速度信号をy
(k)とおくと、2次の離散時間モデルは、次の(3)
式のように表すことができる。
【0042】
【数3】 y(k)=-c1y(k-1)-c2y(k-2)+m(k) (3) ここで、パラメータ同定の目的は、有限個の観測データ
y(k)を用いて未知パラメータc1,c2を推定する
ことである。ここでは、最小2乗法を用いてこれら未知
パラメータc1,c2の同定を行う。
【0043】すなわちいまθをパラメータベクトル、ま
たzを測定値ベクトルとして、次の(4)式および
(5)式の2次元ベクトルを定義する。
【0044】
【数4】
【0045】(4)
【0046】
【数5】
【0047】(5) これにより上記(3)式は、
【0048】
【数6】
【0049】(6) といったかたちで表すことができるようになる。この
(6)式においてm(k)は上述のように、路面外乱で
あり、白色ノイズとみなすことができるから、最小2乗
法による未知のパラメータの推定は、評価関数
【0050】
【数7】
【0051】(7) を最小にする上記(4)式の値をもとめるとである。こ
の(7)式を最小にする(4)式の推定値は、ー括型最
小2乗法によると次式(8)式のように表すことができ
る(たとえば「ロバスト適応制御入門」、金井喜美雄
著、オーム社、またはシステム制御情報ライブラリー9
「システム同定入門」、片山徹著、朝倉書店、参照)。
【0052】
【数8】
【0053】(8) 次に、こうして同定されるc1,c2から共振周波数ω
を求める。2次の離散時間モデルのパラメータc1,c
2と共振周波数ωおよび減衰係数ζとの関係は、サンプ
リング周期をTとして、それぞれ次式(9)式、(1
0)式となる。
【0054】
【数9】
【0055】(9)
【0056】
【数10】
【0057】(10) よって、共振周波数ωおよび減衰係数ζは、それぞれ次
式(11)式および(12)式のように計算することが
できる。
【0058】
【数11】
【0059】(11)
【0060】
【数12】
【0061】(12) 前述のように、(11)式から求められた共振周波数ω
は、タイヤ温度関連値、例えば外気温度に影響を受ける
ため、その影響を補正する必要のあることは、既に述べ
た。本発明の主旨であるタイヤ温度関連値(例えば外気
温度)の推定手段として、ECU6内に設定された温度
感知素子6iにより、外気温度を推定可能とする原理に
ついて、以下図6に基づき、説明する。
【0062】図6に一日の車両の典型的な走行パターン
から、外気温度とECU6内に設定された温度感知素子
との関係を模式的に表す。この場合、最もー般的である
状態を考えて、最初のイグニッションスイッチ(IG)
のONの以前では、車両は充分な時間停止状態で放置さ
れ、E/Gが始動したものとして考えている。このよう
な状況では、ECU6内に設定された温度感知素子の温
度は、通電による自己発熱がないばかりか、過去の温度
履歴の影響もないので、車両の室内温度と同一温度と考
えることが出来る。
【0063】一方、この車両の室内温度と外気温度の関
係を考えてみると日射の影響が少ないときは、車両の室
内温度と外気温度がほぼ等しくなると考えることが出来
る。そこで、温度感知素子と車室内温度が等しい状況に
あり、さらに車室内温度と外気温度が等しくなるため、
a点では、温度感知素子と外気温度が等しくなるので、
温度感知素子により、外気温度が推定可能となる。以
後、イグニッションスイッチのONされる前の車両放置
時間が長くこのように温度感知素子の温度と外気温度が
一致している状態からイグニッションスイッチがONさ
れ、車両がスタートすることをコールドスタート言う。
【0064】図6に示すようにIGスイッチが入れら
れ、車両がスタートすると、ECU6内に設けられた温
度感知素子の温度は、通電による自己発熱とその周囲の
車室内温度とのバランス点bの温度となる。このバラン
ス点bは、エアコンにより周囲が冷却されているような
場合は、点b′のように点bに比べて低めになる。次
に、イグニッションスイッチがOFFされ、車両が停止
状態になると温度感知素子への通電も止まるため、温度
感知素子の温度は低下を始めて点cまで下がる。
【0065】しかし、車両の一般的な使われ方から考え
ると、温度感知素子の温度履歴がなくなるまで、充分な
車両停止時間があるとは限らず、点cの時点で示される
ように、冷却の途中から再び、イグニッションスイッチ
がONされ、走行が開始される場合もある。なお、点a
は図6における初回のイグニッションスイッチのON
で、この点cは図6における2回目のイグニッションス
イッチのONである。
【0066】このように、ECU6内に設定された温度
感知素子の温度は、イグニッションスイッチのOFFの
継続時間、輻射熱およびエアコンの影響などを受けなが
ら、再び外気温度に収束して、点dに到達する。以上の
ように、車両の使われ方から考えると、図6で例示した
ように、ECU6内に設定された温度感知素子の温度
は、点aに示されるように、外気温度と一致する時が必
ず存在するものと考えられる。
【0067】また、温度感知素子の温度が外気温度に収
束するポイントは点aであるが、イグニッションスイッ
チがONとなった後に通電による発熱が発生し、これは
外気温度推定にはノイズになるため、点aより後で外気
温度を推定することは、好ましくない。そこで、イグニ
ッションスイッチ−ONした瞬間の温度感知素子の温度
を読みとる必要がある。
【0068】IG−ON時の温度感知素子の温度は、必
ずしもa点のように、外気温度に収束している訳ではな
く、点cのように、過去の温度履歴を引きずっている場
合もある。しかし、外気温度を推定できるのは、点aで
あるわけだから、温度感知素子の温度が外気温度に収束
する点aを確実に捉えるためには、予め所定回数のIG
−ONを設定する必要がある。この所定回数を適切に選
定することにより、点aすなわち外気温度が温度感知素
子の温度と一致する機会を所定回数の中に少なくとも一
回は保証することが可能になる。
【0069】なお、ここで設定する所定回数とは、季節
による変化で外気温度変化が発生してしまうような長期
なスパンでは意味がない。そこで、数日単位のイグニッ
ションスイッチ−ONの回数に設定すれば、季節変化に
よる外気温度の変動は避けることが出来るし、コールド
スタートの最低1回保証も可能になる。次に温度感知素
子の温度が外気温度に収束する点aとそれ以外の時の温
度感知素子の温度について考察してみる。温度感知素子
の温度基本特性は、通電による自己発熱があるため、基
本的に周囲温度(車室内温度)より高めになる。温度感
知素子の温度が、冷却されるのは、エアコンが作動して
いる時であるが、前記したように、温度感知素子の温度
を検知するのは、イグニッションスイッチ−ONの瞬間
のみであるから、エアコンの冷却効果はほとんど影響な
いものと考えられる。
【0070】これらのことから、複数回のイグニッショ
ンスイッチ−ON時に検知される温度感知素子の温度の
内、過去の温度履歴を引きずる場合は、必ず車室内温度
より高くなる特性を有していると考えられる。逆に、温
度感知素子の温度が外気温度に収束している場合は、複
数回のイグニッションスイッチ−ON時に観測される温
度感知素子の温度の内、最低の温度になるはずである。
【0071】以上から、複数回のイグニッションスイッ
チ−ON時に観測される温度感知素子の温度の内、mi
n値(最小値)を外気温度とすることにより、ECU6
に設定された温度感知素子の温度により、外気温度が推
定できることになる。図7は、図6を半年単位で想定し
たものである。タイヤ空気圧推定に最も影響が大きいの
は、季節による外気温度の変動である。温度感知素子の
温度が外気温度に収束する点aで外気温度が推定可能に
なると、この季節による外気温度の変動が推定可能にな
り、タイヤ空気圧推定精度が向上することになる。
【0072】図8は、ECU6内に設定される温度感知
素子の一例として、一般的に知られる半導体素子(ダイ
オード)の出力特性を表している。図8のように、半導
体素子を利用すると優れた直線性が得られることと、こ
れが比較的安価で実現できることである。以下、本発明
に関わるタイヤ空気圧推定装置の空気圧判定処理の具体
的な例をECU6の処理内容を示すフローチャートに基
づいて示す。なお、ECU6は各タイヤ1a〜1dに対
して同様な処理を行うため、以下説明するフローチャー
トは、タイヤ1aに関する処理のみを示している。
【0073】図9は共振周波数もしくはタイヤのばね定
数をタイヤ温度関連値(例えば外気温度推定値)によ
り、補正する例を示すフローチャートである。まず、車
両のイグニッションスイッチがONされると、ステップ
10に進み、イグニッションスイッチ−ONの回数判定
を行う。ステップ10で、イグニッションスイッチ−O
N回数が1回目との判定であったならば、ステップ70
に進み、外気温度推定値Tempとして、イグニッショ
ンスイッチ−ON1回目に観測される、ECU6内に設
定された温度感知素子の温度(タイヤ温度関連値:外気
温度推定値)を読み込む。
【0074】次に、ステップ10でイグニッションスイ
ッチ−ON回数が2回目以降ならば、ステップ80へ進
み、その時のイグニッションスイッチ−ONで観測され
た外気温度観測値Tiが過去の外気温度推定値Temp
より、低い場合には、ステップ90で外気温度推定値T
empとして、今回の外気温度観測値Tiを読み込む。
【0075】ステップ80で、その時のイグニッション
スイッチのONで観測された外気温度観測値Tiが過去
の(前回の)外気温度推定値Tempより、低くない場
合には、外気温度推定値Tempの更新は行わなず、次
のステップ100へ進む。これにより、イグニッション
ONの1〜n回の回数中最も低い推定外気温度が求めら
れる。なお、n回にはたとえば5〜10回程度を基準と
して採用すればよく、この基準回数は車両のイグニッシ
ョンスイッチOFF状態での長時間の放置から買い物、
ドライブ等により乗り出して次に長時間の放置に至るま
での推定平均回数を車種毎に設定すればよい。
【0076】まず、ステップ100では、ピックアップ
コイル2bから出力された交流信号を波形整形したパル
ス信号を読み込んで、そのパルス長をパルス時間で除算
し、各輪独立に車輪速度Vxを演算する。フローチャー
トに示すように、以下線形予測法(前述の3式〜12
式)に基づきタイヤの共振周波数もしくはタイヤのばね
定数を求める演算に入る。
【0077】ステップ110のフィルタ部では、ステッ
プ100で演算されたタイヤの振動周波数成分を含む車
輪速度信号から、タイヤ空気圧推定に使用する振動周波
数成分を抽出するために、予め定められた周波数範囲
(約30Hz〜50Hzもしくは約60〜90Hz)に
設定された狭帯域フィルタ(以下バンドパスフィルタと
いう)により、前記の振動周波数成分の信号強度を相対
的に強める処理を行う。
【0078】前記バンドパスフィルタを通過した、車輪
速度信号は、前記原理の記載で定義した車輪速度信号y
(k)すなわち(3)式となる。また、パラメータ同定
部120は、該バンドパスフィルタ110により抽出さ
れた車輪速度信号y(k)から、前記(8)式に基づい
て、前記離散時間モデルのパラメータc1、c2を同定
する部分である。
【0079】次に、ステップ130の共振周波数変換部
では、前記ステップ120で出力されるパラメータc
1、c2に基づき、前記原理の記載で定義した(11)
式により、共振周波数ω1を求める。次にステップ14
0は、ステップ130で演算された共振周波数ω1を前
記の外気温度推定値Tempで補正する部分である。こ
こでの補正の基準となる外気温度推定値Tempは、1
〜n回中のイグニッションスイッチのON直後に計測さ
れる推定外気温度の最小値となる。前述のように、上記
演算される共振周波数ω1は、外気温度の影響をうけ、
タイヤ空気圧が同一でも、それらの外気温度により、図
10に示すように影響を受ける。
【0080】すなわち、図10に示されるように、同一
の空気圧であっても、外気温度Tが低くなるに連れ、共
振周波数ωは高くなる。これは、外気温度Tが低くなる
に連れ、タイヤゴム部(特に、タイヤサイドウオール
部)のゴム部が硬くなり、ばね定数が大きくなるためと
考えられる。したがって、こうした外気温度Tによる共
振周波数ωの検出精度の悪化を防ぐためには、この共振
周波数ωについての上記外気温度Tに基づく補正(図1
1)が必要になる。
【0081】そして、このためには図12に示す如くの
補正マップを共振周波数補正部(ステップ140)に持
ち、この補正マップをもとに、上記演算される共振周波
数ω1を補正すれば良いことになる。ここで、ステップ
90で推定される推定外気温度Tempに基づく、上記
共振周波数ωの補正量Δωとするなら、この時の補正共
振周波数ω′は、以下の式で表せる。
【0082】
【数13】 ω′=ω−Δω (13) 次に、ステップ150では、空気圧低下を判定するため
の閾値として、予め設定される判定値と、前記で演算さ
れる補正共振周波数ω′との比較に基づいて、該当する
タイヤの空気圧の異常の有無を判定する。
【0083】そして、ステップ150の空気圧低下判定
部では、各車輪に対応するタイヤの空気圧異常を各輪独
立に判定する。空気圧低下と判断されるならば、ステッ
プ160に進み、図1の表示器7の警告ランプを駆動す
ることになり、運転者へ報知することが可能になる。な
お、ランプの実施形態は、4輪のタイヤ空気圧異常をそ
れぞれ独立に4灯表示することも可能であるし、どれか
のタイヤが異常であることを知らしめるだけの1灯表示
も可能である。
【0084】尚参考までに、本実施形態によるタイヤ空
気圧推定装置によりタイヤの共振周波数を演算した結果
を図13に示す。これによれば、推定されたタイヤの共
振周波数がそのタイヤ空気圧に対し、ほぼ直線的に変化
していることを読みとることが可能になる。上述までの
実施例では、車輪速度信号から振動周波数成分を抽出
し、タイヤ空気圧推定に使用する共振周波数もしくはタ
イヤばね定数をタイヤ温度関連値(例えば、外気温度)
に基づき補正する事例であったが、以下に示す例では、
前記の演算されたタイヤ共振周波数もしくはタイヤばね
定数に基づき、タイヤ空気圧が異常であるか否かの判定
値を、タイヤ温度関連値(例えば、外気温度)に基づき
補正する例である。
【0085】図14にそのフローチャートを示す。ステ
ップ10から共振周波数ω1を演算するまでのステップ
230までの各ステップ内容は、前記の第1実施例の処
理内容と同一のため、ここでは省略する。ステップ24
0では、ステップ90で求められた推定外気温度Tem
pに基づき、タイヤ空気圧低下判定値ωkを補正する部
分である。空気圧低下判定値の補正量をΔωkとする
と、補正後の空気圧判定値ωk′は、22式のようにな
る。その補正のために、図15に示す補正マップを用い
る。
【0086】
【数14】 ωk′=ωk−Δωk (14) 次に、ステップ250では、先に演算された共振周波数
ω1と上記空気圧低下判定値ωkの大小が比較され、共
振周波数ω1が判定値ωkをしたまわった場合、タイヤ
空気圧低下異常として、ステップ260に進み、図1の
表示器7を駆動し、運転者に空気圧低下を報知する事に
なる。
【0087】以上説明したように、同実施形態にかかる
タイヤ空気圧推定装置によれば、 (イ)信号処理装置内に温度感知素子を設け、その検出
される外気温度情報であるタイヤ温度関連値に応じて上
記共振周波数を補正することとしたため、同共振周波数
に基づき推定されるタイヤ空気圧の推定精度も自ずと高
いものとなる。 (ロ)また、当該車両のタイヤ・サスペンション系を上
記(3)式の如き線形予測モデルによって近似し、その
モデルのパラメータを最小2乗法によって同定して車輪
速度信号y(k)のタイヤ空気圧に依存した共振周波数
を推定するようにしているため、例えば高速フーリエ変
換(FFT)を用いる場合などに比べてその必要とされ
る演算量並びにメモリ容量を大幅に低減することができ
るようにもなる。 等々、優れた効果が奏せられるようになる。
【0088】また、上記各実施形態にあっては、導入し
た線形予測モデルのパラメータc1,c2の同定に一括
型最小2乗法を用いることとしたが、他に逐次型最小2
乗法なども同様に用いることができることは云うまでも
ない。また、こうして逐次型最小2乗法を採用する場合
も含め、上記線形予測モデルとしては、3次以上のモデ
ルを導入することもできる。ただし、次数が上がるにつ
れて、その必要とされる演算量やメモリ容量も増加す
る。タイヤ毎にその空気圧に依存した共振点は1つであ
ることに鑑みれば、この線形予測モデルの次数は2次で
十分である。
【0089】また、これら線形予測モデルを導入する場
合に比べ、その必要とされる演算量並びにメモリ容量の
点では不利であるものの、上記共振周波数抽出部213
としては他に、振動成分出力手段である車輪速度センサ
10及び車輪速度演算部211から出力されるタイヤの
振動成分を含む信号に対し高速フーリエ変換(FFT)
演算を行い、このFFT演算によって得られる周波数ス
ペクトルから共振周波数を演算するといった構成も、前
記従来の装置によるタイヤ空気圧推定精度の低下を抑制
する上では有効である。
【0090】また、共振周波数の抽出にこうしたFFT
演算を採用する場合も含め、上記各実施形態の装置にあ
っては、この抽出した共振周波数を上記タイヤ温度関連
値によって補正し、その補正した共振周波数に基づいて
タイヤ空気圧を推定することとしたが、共振周波数につ
いては同抽出される値をそのまま用いてタイヤ空気圧の
推定を行い、該推定したタイヤ空気圧を上記タイヤ温度
関連値の影響量に応じて補正する構成とすることもでき
る。
【0091】また、上記実施形態では何れも、タイヤの
空気圧を推定し、その空気圧が低下した場合に警告を発
する装置について説明した。しかし、先の図4の電子制
御装置6を例にとると、それら推定される空気圧をタイ
ヤ空気圧信号として例えばブレーキ制御用コンピュータ
やトラクション制御用コンピュータに送り、それら制御
における補正装置として同装置を利用することもでき
る。
【0092】また、タイヤ温度関連値として、外気温度
だけでなく以下の条件等も併用することができる。たと
えば、車体速度がある程度高速(たとえば60km/s
以上)状態を保ち、且つ車両の連続走行時間(もしくは
距離)が所定時間(たとえば90分以上)である場合に
は、車両の走行によりタイヤが発熱しているため、外気
温度に対して、さらに温度が高くなるということも考え
られる。よって、車体速度が所定以上で且つ連続走行時
間が所定時間以上であれば、温度感知素子40によって
検知された外気温度に対して、プラス側に補正を加えて
タイヤ温度を推定するようにしてもよい。また、このよ
うな条件をもとに補正を加える際には、たとえば外気温
度が所定以上高い温度(たとえば25℃)場合のみ実行
するようにしてもよい。これは、外気温度が低い場合に
は、いくら高速で連続時間走行しても、それほどタイヤ
発熱はないとも考えられるからである。
【0093】また、例えばこれらブレーキ制御やトラク
ション制御にあっては、前記各車輪の車輪速度の最大値
をもって当該車両の車速とすることがある。一方それら
車輪において、タイヤ空気圧が減るとその車輪半径は小
さくなり、ひいてはその車輪速度が見かけ上速くなる。
したがって、上記タイヤ空気圧信号に基づいて、この見
かけ上速くなった車輪速度を補正することとすれば、誤
った車速に基づいてブレーキ制御やトラクション制御が
行われることもなくなる。
【0094】その他、タイヤ空気圧は路面の摩擦係数等
とも深い係わりがある。したがって上記タイヤ空気圧信
号は、この摩擦係数等を補正するための信号として利用
することもできる。なお、上述の如く本願発明における
タイヤ空気圧推定(判定)は、アンチスキッド制御EC
Uあるいはトラクション制御ECU等の内部に温度感知
素子6iをー体に配置するがこの際、金属性あるいは樹
脂性のECUカバー内に配置すれば埃等の抑制を簡潔に
防止できる。なお、アンチスキッド制御用の信号処理装
置8電子制御装置)であるアンチスキッド制御ECU内
にタイヤ空気圧推定用のマイクロコンピュータおよび温
度感知素子6iをアンチスキッド制御用の電子制御装置
のカバー内にー体に組付けてもよい。
【0095】また、図9に示した実施例では、イグニッ
ションスイッチONの2回目以後に検出された温度Ti
が推定外気温度Tempよりも小さかった場合には更新
された温度により全てステップ140において共振周波
数の推定外気温度Tempによる補正が行われている。
なお、前述の実施例において、ステップ10における何
回目のイグニッションスイッチのONか否かの判定は、
イグニッションOFF時にも駆動されているタイムカウ
ンタを備えて、イグニッションスイッチのOFFから次
回のイグニッションスイッチのONまでの経過時間が基
準時間(たとえば24時間すなわち運転者の車両使用状
況においてイグニッションスイッチのON−OFFが繰
り返されて運転と停車が最大継続する時間を考慮した時
間を基準としてもよい)経過したか否かによりイグニッ
ションスイッチONの回数=iをクリアするようにして
もよい。
【0096】また、このような推定外気温度の推定に関
わらず、以下のように行うようにしてもよい。たとえば
図9において、ステップ10を、イグニッションOFF
時にも駆動されているタイムカウンタのカウンタ値が基
準時間(たとえば5時間すなわち図6の点aを検出可能
なイグニッションOFFの継続経過時間を基準時間とす
る)を満足しているか否かを判定し、肯定判断された場
合において検出された推定外気温度のみを用いるように
して以下ステップ100以下に進むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のタイヤ空気圧推定装置に関わる構成
を示すブロック図である。
【図2】本願発明のタイヤ空気圧推定装置に関わる構成
を示すブロック図である。ダイオードの物性変化特性を
示す特性図。
【図3】タイヤ空気圧と共振周波数との関係を示す特性
マップである。
【図4】タイヤ空気圧推定装置の信号処理装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図5】タイヤ・サスペンション系の振動に関する物理
モデルである。
【図6】外気温度と車室内あるいは信号処理装置内素子
の温度がー致する機会を示す特性図である。
【図7】外気温度と車室内あるいは信号処理装置内素子
の温度がー致する機会を長期スパンで見た際の特性を示
す特性図である。
【図8】ダイオードの物性変化を示す特性図である。
【図9】本発明の実施形態を示すフローチャートであ
る。
【図10】共振周波数の外気温度特性を示す特性図であ
る。
【図11】外気温度による共振周波数の補正態様を示す
グラフである。
【図12】外気温度による共振周波数の補正量を示すグ
ラフである。
【図13】共振周波数とタイヤ空気圧との関係を示す特
性図である。
【図14】本発明の実施形態を示すフォローチャートで
ある。
【図15】タイヤ空気圧判定値と外気温度との関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
1…車輪、2〜4…車輪速度センサ、11…ロータ、1
2…歯(被検出体)、6…信号処理装置、6j…カバ
ー、600…マイクロコンピュータ、601…CPU、
602…ROM、603…RAM、6a〜d…共振点検
出部、211…車輪速度演算部、6i…温度感知素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 小野木 伸好 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の走行時にタイヤの振動成分を含む信
    号を出力する振動成分出力手段と、 この出力されるタイヤの振動成分を含む信号から同振動
    成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定数を抽出する抽
    出手段と、 この抽出される共振周波数もしくはタイヤバネ定数に基
    づいて前記タイヤの空気圧を推定する空気圧推定手段
    と、 前記抽出される共振周波数またはバネ定数に影響を及ぼ
    す外部要因の中でタイヤ温度に関連するタイヤ温度関連
    値を抽出するタイヤ温度関連値抽出手段と、 この抽出されるタイヤ温度関連値に応じて、共振周波数
    もしくはタイヤバネ定数に対する影響を補正する補正手
    段と、 を具えることを特徴とするタイヤ空気圧推定装置。
  2. 【請求項2】 前記タイヤ温度関連値抽出手段は、前記
    タイヤの振動成分を含む信号を演算処理するための信号
    処理装置内に設けられた素子を利用して前記タイヤ温度
    関連値として外気温度を抽出することを特徴とする請求
    項1記載のタイヤ空気圧推定装置。
  3. 【請求項3】 前記タイヤ温度関連値抽出手段は、前記
    信号処理装置内の素子の温度が、外気温度と所定の相関
    関係が成立する時期をとらえ、その時に検知された前記
    素子の温度に応じて前記タイヤ温度関連値を推定するこ
    とを特徴とする請求項2記載のタイヤ空気圧推定装置。
  4. 【請求項4】 前記タイヤ温度関連値抽出手段は、車両
    のイグニッションスイッチがONとなった直後以降に検
    知される複数個の検出値に基づいて、タイヤ温度関連値
    を推定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載のタイヤ空気圧推定装置。
  5. 【請求項5】 前記タイヤ温度関連値抽出手段は、車両
    のイグニッションスイッチがONとなった直後に検知さ
    れる複数個の検出値のうちの最小値に基づきタイヤ温度
    関連値を推定することを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれかに記載のタイヤ空気圧推定装置。
  6. 【請求項6】 前記補正手段は、前記タイヤ温度関連値
    抽出手段により抽出される外気温度により前記共振周波
    数、前記タイヤバネ定数もしくは推定されるタイヤ空気
    圧の少なくともーつを補正することを特徴とする請求項
    1乃至請求項5のいずれかに記載のタイヤ空気圧推定装
    置。
  7. 【請求項7】 車両の走行時にタイヤの振動成分を含む
    信号を出力する振動成分出力手段と、 この出力されるタイヤの振動成分を含む信号から同振動
    成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定数を抽出する抽
    出手段と、 この抽出される共振周波数もしくはタイヤバネ定数に基
    づいて前記タイヤの空気圧を推定する空気圧推定手段
    と、 前記抽出される共振周波数またはバネ定数に影響を及ぼ
    す外部要因の中でタイヤ温度に関連するタイヤ温度関連
    値を抽出するタイヤ温度関連値抽出手段と、 この空気圧推定手段によって推定された空気圧とあらか
    じめ定められた判定値との関係に基づいて、前記空気圧
    が異常であるか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段における判定値を、前記タイヤ温度関連値
    抽出手段によって抽出されたタイヤ温度関連値に基づい
    て補正する補正手段と、 を備えることを特徴とするタイヤ空気圧推定装置。
  8. 【請求項8】 前記抽出手段は、前記振動成分出力手段
    から出力されるタイヤの振動成分を含む時系列信号に対
    して同振動に関する線形予測モデルを導入し、該導入し
    た線形予測モデルのパラメータを同定して当該振動成分
    の共振周波数を抽出する線形予測手段を具えて構成され
    る請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ空気圧推定装
    置。
  9. 【請求項9】 前記線形予測手段は、 サンプリング回数をk、タイヤの振動成分を含む時系列
    信号をy(k)、外乱をm(k)とするとき、前記振動
    に関する線形予測モデルとして、 【数1】 y(k)=-c1y(k-1)-c2y(k-2)+m(k) (1) を導入してその各パラメータc1,c2を同定するパラ
    メータ同定手段と、 これら同定されるパラメータc1,c2に基づいて前記
    共振周波数を演算する共振周波数演算手段と、 を具えて構成される請求項8記載のタイヤ空気圧推定装
    置。
  10. 【請求項10】 前記パラメータ同定手段は、最小2乗
    法にて前記パラメータc1,c2を同定する請求項9記
    載のタイヤ空気圧推定装置。
  11. 【請求項11】 前記抽出手段は、 前記振動成分出力手段から出力されるタイヤの振動成分
    を含む信号に対し高速フーリエ変換(FFT)演算を行
    うFFT演算手段を備え、 前記空気圧推定手段は、前記FFT演算によって得られ
    る周波数スペクトルの共振周波数からタイヤ空気圧を推
    定することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいず
    れかに記載のタイヤ空気圧推定装置。
  12. 【請求項12】 車両の走行時に各車輪の車輪速度信号
    を検出する車輪速度検出手段と、 前記車輪速度検出手段によって検出される車輪速度信号
    に基づいて、 該車輪速度信号に含まれるタイヤの振動成分から、タイ
    ヤ振動成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定数を抽出
    する抽出手段と、 この抽出される共振周波数もしくはタイヤバネ定数に基
    づいて前記タイヤの空気圧を推定する空気圧推定手段
    と、 この空気圧推定手段によって推定された空気圧とあらか
    じめ定められた判定値との関係に基づいて、前記空気圧
    が異常であるか否かを判定する判定手段と、 をカバー内に備える信号処理装置を備え、 前記抽出される共振周波数またはバネ定数に影響を及ぼ
    す外部要因の中でタイヤ温度に関連するタイヤ温度関連
    値を抽出して、前記判定手段における共振周波数もしく
    はタイヤバネ定数を前記タイヤ温度関連値に基づいて補
    正する補正手段を有するとともに、この補正手段におい
    て用いられるタイヤ温度関連値を抽出するために信号処
    理装置内の温度を外気温度として検知する温度感知素子
    を前記信号処理装置内に配置したことを特徴とするタイ
    ヤ空気圧推定装置。
  13. 【請求項13】 車両の走行時に各車輪の車輪速度信号
    を検出する車輪速度検出手段と、 前記車輪速度検出手段によって検出される車輪速度信号
    に基づいて、 該車輪速度信号に含まれるタイヤの振動成分から、タイ
    ヤ振動成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定数を抽出
    する抽出手段と、 この抽出される共振周波数もしくはタイヤバネ定数に基
    づいて前記タイヤの空気圧を推定する空気圧推定手段
    と、 この空気圧推定手段によって推定された空気圧とあらか
    じめ定められた判定値との関係に基づいて、前記空気圧
    が異常であるか否かを判定する判定手段と、 前記車輪速度信号に基づいて算出される各車輪の車輪速
    度を用いて、該各車輪のロック傾向を緩和するように各
    車輪にかかる車輪制動力を制御するアンチスキッド制御
    手段と、 をカバー内に備える信号処理装置を備え、 前記抽出される共振周波数またはバネ定数に影響を及ぼ
    す外部要因の中でタイヤ温度に関連するタイヤ温度関連
    値を抽出して、前記判定手段における判定値を前記タイ
    ヤ温度関連値に基づいて補正する補正手段を有するとと
    もに、この補正手段において用いられるタイヤ温度関連
    値を抽出するために信号処理装置内の温度を外気温度と
    して検知する温度感知素子を前記信号処理装置内に配置
    したことを特徴とするタイヤ空気圧推定装置。
  14. 【請求項14】 車両の走行時に各車輪の車輪速度信号
    を検出する車輪速度検出手段と、 前記車輪速度検出手段によって検出される車輪速度信号
    に基づいて、 該車輪速度信号に含まれるタイヤの振動成分から、タイ
    ヤ振動成分の共振周波数もしくはタイヤバネ定数を抽出
    する抽出手段と、 この抽出される共振周波数もしくはタイヤバネ定数に基
    づいて前記タイヤの空気圧を推定する空気圧推定手段
    と、 この空気圧推定手段によって推定された空気圧とあらか
    じめ定められた判定値との関係に基づいて、前記空気圧
    が異常であるか否かを判定する判定手段と、 前記車輪速度信号に基づいて算出される各車輪の車輪速
    度を用いて、該各車輪のロック傾向を緩和するように各
    車輪にかかる車輪制動力を制御するアンチスキッド制御
    手段と、 をー体に備える信号処理装置を備え、 前記抽出される共振周波数またはバネ定数に影響を及ぼ
    す外部要因の中で、タイヤ温度に関連するタイヤ温度関
    連値を抽出するために、信号処理装置内の温度を外気温
    度として検知する温度感知素子を前記信号処理装置内に
    配置するとともに、 前記判定手段における判定値あるいは前記抽出手段によ
    って抽出される共振周波数あるいはバネ定数を前記タイ
    ヤ温度関連値に基づいて補正する補正手段を備え、 さらに、前記温度感知素子による温度検出は、前記車両
    のイグニッションスイッチのON直後に予め定められた
    複数回行い、前記外気温度として用いる温度感知素子に
    よる検出値を前記複数回の検出により求められた検出値
    のうちの最小値として、この最小値に基づき前記補正手
    段が補正を行うことを特徴とするタイヤ空気圧推定装
    置。
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KR20030041264A (ko) * 2001-11-19 2003-05-27 기아자동차주식회사 자동차용 타이어의 펑크/밸런스 불량 감지 및 경고장치
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