JPH11235873A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH11235873A
JPH11235873A JP10057520A JP5752098A JPH11235873A JP H11235873 A JPH11235873 A JP H11235873A JP 10057520 A JP10057520 A JP 10057520A JP 5752098 A JP5752098 A JP 5752098A JP H11235873 A JPH11235873 A JP H11235873A
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recording medium
recording
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optical recording
optical
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Application number
JP10057520A
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English (en)
Inventor
Masato Harigai
眞人 針谷
Mikio Kinoshita
幹夫 木下
Koji Deguchi
浩司 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録感度が高く、更に繰り返し特性が良好
で、且つ初期結晶化の容易な、更には短波長域から長波
長域の光源に対応できる光記録媒体を提供すること。 【解決手段】 記録媒体の記録層を構成する記録材料が
Zn、Sn、Sb及びTeからなる合金で構成されたも
の、より好ましくは、Zn、Sn、Sb及びTeを主成
分とし、更にこれにAu、Ag、Cu、Mg、Ti、Z
r、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、Pd、
In、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClから選ば
れた少なくとも1種の元素を添加してなるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書換えが可能であ
る光記録媒体の分野に応用可能な相変化型光記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】レーザービームの照射による情報の記
録、再生及び消去可能な光記録媒体の一つとして、結晶
−非結晶相間、あるいは結晶−結晶相間の転移を利用す
る、いわゆる相変化形光記録媒体がよく知られている。
これは単一ビームによるオーバーライトが可能であり、
ドライブ側の光学系もより単純であることを特徴とし、
コンピュータ関連や映像音響に関する記録媒体として応
用されている。その記録材料としては、GeTe、Ge
TeSe、GeTeS、GeSeS、GeSeSb、G
eAsSe、InTe、SeTe、SeAs、Ge−T
e−(Sn,Au、Pd)、GeTeSeSb、GeT
eSb、Ag−In−Sb−Teなどがある。また、特
開昭57−208648号公報に開示されているよう
に、記録層をSiO2等の母材中に埋め込み、記録材料
の不可逆的変化を抑制する記録層も提案されている。ま
た、Ag−In−Sb−Teは、高感度でアモルファス
部分の輪郭が明確な特徴を有し、マークエッジ記録用の
記録層として開発されている。(特開平2−37466
号、特開平2−171325号、特開平2−41558
1号、特開平4−141485号各公報)。更に、高速
化に対応した(Sb−Ag−Te)(Ge−Te)系も
開発されている(特開平1−10438号公報)。
【0003】これらの記録層を用いる光記録媒体とし
て、反射層、第1保護層及び第2保護層を有する多層構
造のものがあるが、この光記録媒体では、繰返し記録特
性の改善及び繰返し記録特性とその他の特性、例えば変
調度、所定の反射率等、との両立が重要な課題となる。
この問題に関し、記録層に窒素等を添加することが記録
層の流動を抑制し繰返し記録特性の向上に寄与すること
が、特開平4−11336号、特開平4−10980
号、特開平4−16383号、特開平4−10979
号、特開平4−52188号、特開平4−52189号
各公報に開示されている。
【0004】しかしながら、低価格で比較的低い記録線
速を有する光記録システム、あるいはCDと再生互換性
のある光記録媒体(CD−RW)として使用される光記
録媒体においては、なお、記録層の流動、レーザー照射
時の熱衝撃による膜剥がれ、あるいは反射層に使用する
金属の劣化等の問題により、繰返し記録回数は数千回の
レベルに留まり、コンピューターの周辺機器等で頻繁に
書き替えを行う場合には問題点があった。また、更なる
ドライブの低価格化のためには記録感度の向上が要求さ
れている。更に、従来の記録媒体は初期結晶化の容易性
にあまり考慮しておらず、繰り返し特性、記録感度は良
好でも初期化がしにくいために、ジッター等の特性が低
下する問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
のような状況に鑑みてなされたものであって、本発明の
第一の目的は、記録感度の高い光記録媒体を提供するこ
とにある。また、本発明の第二の目的は、記録感度が高
く、繰り返し特性が良好で、且つ初期結晶化の容易な光
記録媒体を提供することにある。更なる本発明の目的
は、高感度で繰り返し特性が良好で且つ初期結晶化が容
易であり、しかも短波長域から長波長域の光源に対応で
きる光記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、材料にレーザー等を照射させることによってその材
料の光学定数を変化させて情報の記録、再生、消去を行
う光記録材料において、該記録媒体の記録層を構成する
記録材料がZn、Sn、Sb及びTeからなる合金で構
成されることを特徴とする光記録媒体が提供される。第
二に、上記第一の光記録媒体において、その記録層を構
成する記録材料がZn、Sn、Sb及びTeを主成分と
し、更にこれにAu、Ag、Cu、Mg、Ti、Zr、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、Pd、I
n、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClから選ばれ
た少なくとも1種の元素を添加してなるものであること
を特徴とする光記録媒体が提供される。第三に、上記第
一又は第二の光記録媒体において、その記録層を構成す
る記録材料の組成が、一般式 (Zn Sn Sb2)α (SbX Te100-X)β Mγ (式中、MはAu、Ag、Cu、Mg、Ti、Zr、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、Pd、I
n、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClから選ばれ
た少なくとも1種の元素を示す。)において、α、β、
γ及びx(いずれも原子%)が 10≦α≦48 50≦β≦88 0.5≦γ≦2.0 50≦x≦70 但し、α+β+γ=100 なる範囲にあることを特徴とする光記録媒体が提供され
る。第四に、上記第三の光記録媒体の記録層を構成する
記録材料において、記録即ちアモルファス化が主として
ZnSnSb2により誘起されることを特徴とする光記
録媒体が提供される。第五に、上記第三の光記録媒体の
記録層を構成する記録媒体において、光の吸収がZnS
nSb2とSbXTe100-Xの両方で同等に行われること
を特徴とする光記録媒体が提供される。第六に、上記第
三の光記録媒体の記録層を構成する記録材料において、
添加される元素のうち、Au、Ag、Cu、Si、Ge
及びSnはアクセプターとして、O及びClはドナーと
して、またIn、N及びPは両性として働くことを特徴
とする光記録媒体が提供される。
【0007】即ち、本発明の第一の光記録媒体において
は、該記録媒体の記録層を構成する記録材料として、Z
n、Sn、Sb及びTeからなる合金を用いることによ
り、記録感度の高い記録媒体が実現される。
【0008】また、本発明の第二の光記録媒体において
は、その記録層を構成する記録材料として、Zn、S
n、Sb及びTeを主成分とし、更にこれにAu、A
g、Cu、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、Ni、Co、Pd、In、Si、Ge、Sn、
N、P、O及びClから選ばれた少なくとも1種の元素
を添加してなるものを用いることにより、記録感度が高
く、繰り返し特性が良好で、且つ初期結晶化が容易なも
のとなる。
【0009】また、本発明の第三の光記録媒体において
は、その記録層を構成する記録材料の組成が、一般式 (Zn Sn Sb2)α (SbX Te100-X)β Mγ (式中、MはAu、Ag、Cu、Mg、Ti、Zr、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、Pd、I
n、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClから選ばれ
た少なくとも1種の元素を示す。)において、組成比
α、β、γ及びx(いずれも原子%)が 10≦α≦48 50≦β≦88 0.5≦γ≦2.0 50≦x≦70 但し、α+β+γ=100 なる範囲にあるものを用いることにより、融点が低下
し、しかもガラス化を容易にし、粘性を増大させるため
に、更に高感度で且つ繰り返し特性が良好になり、しか
も初期結晶化が容易なものとなる。
【0010】詳しく述べると、ZnSnSb2はその融
点が約407℃と極めて低く、またSbXTe100-Xも5
0≦x≦70の範囲では550℃前後の融点となる。従
って、この両者が合金を形成したときも、その融点は低
いことが考えられ、これが記録感度の向上につながる。
また、添加成分のAu、Ag、Cu、Clは、結晶にお
けるターミネータとして働くために結晶化を促進し、初
期結晶化を容易にする。また、Si、Ge、Sn、N、
P、Oは結合配位数を調整するために、粘性をあげ、物
質移動を防止する機能があるため、繰り返し特性が向上
する。
【0011】また、本発明の第四の光記録媒体において
は、その記録層を構成する記録材料は、レーザーによる
記録状態としてのアモルファス化がZnSnSb2によ
り誘起される。これはZnSnSb2の融点がSbXTe
100-Xより低いために、急冷効果がより大きいことによ
ると考えられる。従って、これが記録感度の向上させる
ことになる。また、ZnSnSb2は4面体構造である
ために、溶融時の粘性は大きいと考えられ、多数回の記
録・消去においても材料の流動が起りにくくなる。従っ
て、繰り返し特性が向上する。
【0012】また、本発明の第五の光記録媒体において
は、その記録層を構成する記録材料の光の吸収がZnS
nSb2とSbXTe100-Xの両方で同等に行なわれる。
即ち、使用するレーザー光源の波長は、このZnSnS
2及びSbXTe100-Xのバンドギャップが0.3eV
前後と共に近い値にあるために、広い範囲の波長域に対
応でき、しかも高感度なものとなる。
【0013】また、本発明の第六の光記録媒体において
は、その記録層を構成する記録材料に種々の元素が添加
される。このとき、母材料(Zn Sn Sb2)α (Sb
X Te100-X)βに対して、Au、Ag、Cu、Si、G
e及びSnはアクセプターとして、O及びClはドナー
として、またIn、N及びPは両性として働くことか
ら、この準位を通しての光吸収が可能となるために、光
吸収の効率が向上し、高感度なものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の記録媒体の構成を図面を
参照して説明する。図1は、本発明の記録媒体の構成例
を示すもので、基板1上に下部耐熱保護層2、記録層
3、上部耐熱保護層4、反射放熱層5が設けられてい
る。耐熱保護層は必ずしも記録層の両側に設ける必要は
ないが、基板1がポリカーボネート樹脂のように耐熱性
が低い材料の場合には、下部耐熱層を設けることが望ま
しい。
【0015】基板1の材料は、通常、ガラス、セラミッ
クス或いは樹脂であり、樹脂基板が成形性、コストの点
で好適である。樹脂の代表例としては、ポリカーボネー
ト樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ
素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられるが、
加工性、光学特性等の点でポリカーボネート樹脂が好ま
しい。また、基板の形状はディスク状、カード状或いは
シート状であってもよい。
【0016】耐熱保護層、即ち誘電体層はZnS・Si
2を用いてスパッタ法により膜形成を行なう。本誘電
体層は、耐熱保護層としての機能と光千渉層としての機
能も有することから、これらの機能を最大限に活かする
ことが必要であり、そのためには、膜厚を200〜30
00Å、好ましくは350〜2000Åとする。200
Å以下の場合は耐熱保護層としての機能が失われ、ま
た、3000Å以上になると界面剥離が生じやすくな
る。
【0017】また、本発明の記録層は、一般的にはスパ
ッタ法により膜形成が行なわれ、その膜厚は100Å〜
1000Å、好ましくは200Å〜350Åがよい。1
00Åより薄いと、光吸収能が低下し記録層としての機
能を失う。一方、1000Åより厚いと、透過光が少な
くなるため干渉効果を期待できなくなる。反射放熱層は
Al合金を用いている。膜形成は、スパッタ法により行
なう。膜厚は500Å〜2000Å、好ましくは700
Å〜1500Åである。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0019】実施例1 トラックピッチ1.0μm、深さ500Åの溝付き厚さ
1.2mm、直径120μmのポリカーボネート基板上
に、表1に示す構成の下部耐熱保護層、記録層、上部耐
熱保護層及び反射放熱層を順次スパッタ法により積層
し、相変化型記録媒体を作成した。この時の耐熱保護層
は(ZnS)80(SiO2)20を、そして反射放熱層はA
l合金を、また記録層は本発明による(ZnSnSb2)
30(Sb60Te40)70を用いた。ここではCD−RWと
しての特性を評価するが、もちろんDVD−RAMとし
ても使用可能である。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)691を用
いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体を作成
した。
【0022】実施例3 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)68Ag1
1を用いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体
を作成した。
【0023】実施例4 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)68Ag1.5
Ge0.5を用いた以外は、実施例1と全く同様にして記
録媒体を作成した。
【0024】実施例5 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)69Ag1.0
を用いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体を
作成した。
【0025】実施例6 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)691を用
いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体を作成
した。
【0026】実施例7 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)68Ag1
1を用いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体
を作成した。
【0027】実施例8 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)68Pd1
1を用いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒
体を作成した。
【0028】実施例9 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)681Cl
1を用いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体
を作成した。
【0029】実施例10 記録層に(ZnSnSb2)30(Sb60Te40)681Ag
1を用いた以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体
を作成した。
【0030】比較例1 記録層にZnSnSb2を用いた以外は、実施例1と全
く同様にして記録媒体を作成した。
【0031】比較例2 記録層にSb2Te3を用いた以外は、実施例1と全く同
様にして記録媒体を作成した。
【0032】〈評価〉以上のようにして得られた記録媒
体のディスク特性を評価した。記録媒体を初期化後、線
速1.4m/sでEFMランダムパターンでオーバーラ
イトの繰り返し記録を行ない、その時の3T信号のジッ
ターの記録パワー依存性で評価した。なお、再生時の線
速は2.8m/sである。その結果を表2〜表13に示
す。ここで記録媒体の初期結晶化は高出力半導体レーザ
ーを利用した。初期化の容易性をA、B、Cの3段階で
表示した。Aは極めて初期化しやすいもの、Cは初期化
しにくいもの、BはAとCとの中間の程度とした。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】
【表8】
【0040】
【表9】
【0041】
【表10】
【0042】
【表11】
【0043】
【表12】
【0044】
【表13】
【0045】表2〜表13から、以下のことが判明す
る。 (1)表2は実施例1の記録媒体を用いた結果を示す
が、表12及び13に示されている比較例の結果と比
べ、総合的に特性が向上していることが分かる。即ち、
ZnSnSb2とSb2Te3の持つ特性が重合された形
となっている。
【0046】(2)表3は実施例2の記録媒体を用いた
結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層にNを
添加したものである。実施例1(表2)と比較し、繰り
返し特性が向上している。但し、初期結晶化の容易性は
悪くなっている。これはNの添加により、共有結合性が
強くなったためと考えられる。
【0047】(3)表4は実施例3の記録媒体を用いた
結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層にAg
とNを添加したものである。実施例2(表3)と同じよ
うに、記録感度、繰り返し特性は実施例1と同等である
が、初期結晶化が容易になっている。即ちAgの効果と
思われる。
【0048】(4)表5は実施例4の記録媒体を用いた
結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層にAg
とGeを添加したものであり、実施例3(表4)と同等
の特性を有することが分かる。
【0049】(5)表6は実施例5の記録媒体を用いた
結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層にAg
を添加したものであり、実施例1〜3(表2〜4)と比
較して記録感度が向上している。但し、繰り返し特性は
劣下していることが分かる。記録感度の向上は添加され
ているAgがドナーとして作用し、光吸収能をあげてい
るためと考えられる。また、繰り返し特性は、比較例と
同程度であり、初期結晶化は容易になっている。
【0050】(6)表7は実施例6の記録媒体を用いた
結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層にVを
添加したものである。これは比較例(表12及び13)
及び実施例1(表2)に比べて記録感度が低下し、初期
化がしにくくなっている。一方、繰り返し特性は良好で
ある。但し、添加したVの効果がどのような機能による
ものかは今のところ不明である。
【0051】(7)表8は実施例7の記録媒体を用いた
結果を示し、これは実施例6の記録媒体の記録層に更に
Agを添加したものである。このAgの添加により、初
期結晶化が容易になっている。
【0052】(8)表9は実施例8の記録媒体を用いた
結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層にP
d、Clを添加したものである。記録感度が向上してお
り、繰り返し特性も良好である。また、初期結晶化も容
易である。これは、Clがドナーとして働くと同時にタ
ーミネータとして作用するために記録感度が向上し、初
期結晶化も容易になったものと思われる。また、繰り返
し特性の向上は、Pdの効果と思われるが、その機能は
今のところ不明である。
【0053】(9)表10は実施例9の記録媒体を用い
た結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層にN
とClを添加したものである。これをみると、実施例2
(表3)のNのみの添加の場合と比較して、記録感度が
向上し、初期結晶化も容易となっている。これは、Cl
の効果と考えられる。また、繰り返し特性は、Nの効果
が保持されており良好である。
【0054】(10)表11は実施例10の記録媒体を
用いた結果を示し、これは実施例1の記録媒体の記録層
にAgとPを添加したものである。これは実施例3のA
gとN(NとPとは共にVb族に属する)を添加した場
合と類似している系であり、感度及び初期結晶化の容易
性もほぼ同等の良好な特性を示している。但し、繰り返
し特性は、本実施例の方が良くないようである。
【0055】以上の実施例から本発明の相変化記録材料
が、良好な特性を有することが分かる。また、本実施例
では、請求項に記載された組成の範囲での限界値の結果
については記していないが、これを越えるとディスク特
性は急激に悪化する。また、本記録材料は現在、活発に
開発が進められているDVD−RAMに対しても十分に
使用できる。
【0056】
【発明の効果】請求項1の光記録媒体は、その記録層を
構成する記録材料がZn、Sn、Sb及びTeからなる
合金で構成されたことから、記録感度が優れたものとな
る。
【0057】請求項2の光記録媒体は、その記録層を構
成する記録材料がZn、Sn、Sb及びTeを主成分と
し、更にこれにAu、Ag、Cu、Mg、Ti、Zr、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、Pd、I
n、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClから選ばれ
た少なくとも1種の元素を添加してなるものとしたこと
から、記録感度が高く、繰り返し特性が良好で、且つ初
期結晶化が容易なものとなる。
【0058】請求項3の光記録媒体は、その記録層を構
成する記録材料の組成が、一般式 (Zn Sn Sb2)α (SbX Te100-X)β Mγ (式中、MはAu、Ag、Cu、Mg、Ti、Zr、
V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、Pd、I
n、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClから選ばれ
た少なくとも1種の元素を示す。)において、α、β、
γ及びx(いずれも原子%)が 10≦α≦48 50≦β≦88 0.5≦γ≦2.0 50≦x≦70 但し、α+β+γ=100 なる範囲にあることから、融点が低下し、しかもガラス
化を容易にし、粘性を増大させるために、更に高感度で
且つ繰り返し特性が良好になり、しかも初期結晶化が容
易なものとなる。
【0059】請求項4の光記録媒体は、その記録層を構
成する記録材料において、記録即ちアモルファス化が主
としてZnSnSb2により誘起されることから、記録
感度が向上し、且つ繰り返し特性が向上したものとな
る。
【0060】請求項5の光記録材料は、その記録層を構
成する記録材料において、光の吸収がZnSnSb2
SbXTe100-Xの両方で同等に行われることから、均一
にしかも効率よく広い波長範囲で光を吸収でき、記録感
度が向上したものとなる。
【0061】請求項6の光記録材料は、その記録層を構
成する記録材料において、添加される元素のうち、A
u、Ag、Cu、Si、Ge及びSnはアクセプターと
して、O及びClはドナーとして、またIn、N及びP
は両性として働くことから、光吸収能が向上し、記録感
度が向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の一実施例を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部耐熱保護層 3 記録層 4 上部耐熱保護層 5 反射放熱層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料にレーザー等を照射させることによ
    ってその材料の光学定数を変化させて情報の記録、再
    生、消去を行う光記録媒体において、該記録媒体の記録
    層を構成する記録材料がZn、Sn、Sb及びTeから
    なる合金で構成されることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1の光記録媒体において、その記
    録層を構成する記録材料がZn、Sn、Sb及びTeを
    主成分とし、更にこれにAu、Ag、Cu、Mg、T
    i、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、
    Pd、In、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClか
    ら選ばれた少なくとも1種の元素を添加してなるもので
    あることを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の光記録媒体において、
    その記録層を構成する記録材料の組成が、一般式 (Zn Sn Sb2)α (SbX Te100-X)β Mγ (式中、MはAu、Ag、Cu、Mg、Ti、Zr、
    V、Nb、Ta、Cr、Mo、Ni、Co、Pd、I
    n、Si、Ge、Sn、N、P、O及びClから選ばれ
    た少なくとも1種の元素を示す。)において、α、β、
    γ及びx(いずれも原子%)が 10≦α≦48 50≦β≦88 0.5≦γ≦2.0 50≦x≦70 α+β+γ=100 なる範囲にあることを特徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3の光記録媒体の記録層を構成す
    る記録材料において、記録即ちアモルファス化が主とし
    てZnSnSb2により誘起されることを特徴とする光
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項3の光記録媒体の記録層を構成す
    る記録材料において、光の吸収がZnSnSb2とSbX
    Te100-Xの両方で同等に行われることを特徴とする光
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項3の光記録媒体の記録層を構成す
    る記録材料において、添加される元素のうち、Au、A
    g、Cu、Si、Ge及びSnはアクセプターとして、
    O及びClはドナーとして、またIn、N及びPは両性
    として働くことを特徴とする光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008129895A1 (ja) 2007-04-16 2008-10-30 Sony Corporation 光情報記録媒体ならびにその記録および/または再生方法
JP2014033216A (ja) * 2013-09-19 2014-02-20 Sony Corp メモリの製造方法

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