JPH1123515A - 基質の定量法 - Google Patents
基質の定量法Info
- Publication number
- JPH1123515A JPH1123515A JP9176016A JP17601697A JPH1123515A JP H1123515 A JPH1123515 A JP H1123515A JP 9176016 A JP9176016 A JP 9176016A JP 17601697 A JP17601697 A JP 17601697A JP H1123515 A JPH1123515 A JP H1123515A
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- Japan
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- electron acceptor
- matrix
- oxidation
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- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 酵素反応により還元された電子受容体を電気
化学的に酸化し、その酸化電流値から基質を定量する方
法において、電子受容体の酸化時に同じく酸化される妨
害物質による影響を削減し、高精度に基質の定量を行う
方法を提供する。 【解決手段】 試料中の測定しようとする基質と、前記
基質に特異的に反応する第1の酸化還元酵素とを電子受
容体の存在下で反応させる工程の反応系に、電子受容体
とともに酸化されて酸化電流を生じる妨害物質を基質と
する第2の酸化還元酵素を添加する。
化学的に酸化し、その酸化電流値から基質を定量する方
法において、電子受容体の酸化時に同じく酸化される妨
害物質による影響を削減し、高精度に基質の定量を行う
方法を提供する。 【解決手段】 試料中の測定しようとする基質と、前記
基質に特異的に反応する第1の酸化還元酵素とを電子受
容体の存在下で反応させる工程の反応系に、電子受容体
とともに酸化されて酸化電流を生じる妨害物質を基質と
する第2の酸化還元酵素を添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、尿等の生体
試料、食品工業における原料や製品、さらに果汁等の試
料中に含まれる基質を高精度に定量する方法に関する。
試料、食品工業における原料や製品、さらに果汁等の試
料中に含まれる基質を高精度に定量する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料液中の特定成分について、試
料液の希釈や攪拌などを行うことなく簡易に定量する方
式として、様々なバイオセンサが提案されている。その
一例として、特開平3−202764号公報には、絶縁
性基板上にスクリーン印刷などの方法によって電極系を
形成し、この電極系上に親水性高分子、酸化還元酵素お
よび電子受容体を含有する反応試薬層を形成したバイオ
センサが開示されている。
料液の希釈や攪拌などを行うことなく簡易に定量する方
式として、様々なバイオセンサが提案されている。その
一例として、特開平3−202764号公報には、絶縁
性基板上にスクリーン印刷などの方法によって電極系を
形成し、この電極系上に親水性高分子、酸化還元酵素お
よび電子受容体を含有する反応試薬層を形成したバイオ
センサが開示されている。
【0003】このバイオセンサは、以下のようにして、
試料液中の基質濃度を定量する。まず、試料液をバイオ
センサの反応層上に滴下することにより、反応層が溶解
し、試料液中の基質と反応層の酸化還元酵素との間で酵
素反応が進行する。この酵素反応に伴い、電子受容体が
還元される。一定時間後、センサの電極間に電圧を印加
して、この還元された電子受容体を電気化学的に酸化
し、このとき得られる酸化電流値から試料液中の基質濃
度を定量することができる。このようなバイオセンサ
で、酸化還元酵素にグルコースオキシダーゼを用いれ
ば、グルコースセンサを構成することができる。このグ
ルコースセンサの場合は、電極系に過酸化水素電極また
は酸素電極を用いる方式が一般に知られている。
試料液中の基質濃度を定量する。まず、試料液をバイオ
センサの反応層上に滴下することにより、反応層が溶解
し、試料液中の基質と反応層の酸化還元酵素との間で酵
素反応が進行する。この酵素反応に伴い、電子受容体が
還元される。一定時間後、センサの電極間に電圧を印加
して、この還元された電子受容体を電気化学的に酸化
し、このとき得られる酸化電流値から試料液中の基質濃
度を定量することができる。このようなバイオセンサ
で、酸化還元酵素にグルコースオキシダーゼを用いれ
ば、グルコースセンサを構成することができる。このグ
ルコースセンサの場合は、電極系に過酸化水素電極また
は酸素電極を用いる方式が一般に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】グルコースオキシダー
ゼは、試料液中に溶存する酸素を電子受容体として、基
質であるβ−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラク
トンに選択的に酸化する。この反応にともない、酸素は
過酸化水素に還元される。この過酸化水素の生成量を過
酸化水素電極を用いて測定するか、酸素の消費量を酸素
電極を用いて測定することによってグルコースの定量を
行うことができる。例えば、過酸化水素の生成量は、一
定時間後、白金電極等を用いた過酸化水素電極間に電圧
を印加して、過酸化水素を酸化し、このとき得られる酸
化電流値から求めることができる。
ゼは、試料液中に溶存する酸素を電子受容体として、基
質であるβ−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラク
トンに選択的に酸化する。この反応にともない、酸素は
過酸化水素に還元される。この過酸化水素の生成量を過
酸化水素電極を用いて測定するか、酸素の消費量を酸素
電極を用いて測定することによってグルコースの定量を
行うことができる。例えば、過酸化水素の生成量は、一
定時間後、白金電極等を用いた過酸化水素電極間に電圧
を印加して、過酸化水素を酸化し、このとき得られる酸
化電流値から求めることができる。
【0005】しかし、血液等の試料中には様々な物質が
含まれているため、上記のように電極間に電圧を印加す
ると、過酸化水素が酸化される以外にも酸化反応を起こ
す物質が含まれる場合がある。そのため、得られる酸化
電流値を不正確なものにしている。本発明は、高精度に
基質の定量を行う方法を提供することを目的とする。
含まれているため、上記のように電極間に電圧を印加す
ると、過酸化水素が酸化される以外にも酸化反応を起こ
す物質が含まれる場合がある。そのため、得られる酸化
電流値を不正確なものにしている。本発明は、高精度に
基質の定量を行う方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
による基質の定量法は、試料中の測定しようとする基質
と、前記基質に特異的に反応する第1の酸化還元酵素と
を電子受容体の存在下で反応させる第1の工程と、前記
第1の工程で還元された電子受容体を電気化学的に酸化
して酸化電流値を得る第2の工程を有する基質の定量法
であって、前記第2の工程において、電子受容体ととも
に酸化されて酸化電流を生じる物質を基質とする第2の
酸化還元酵素を前記第1の工程の反応系に添加する。
による基質の定量法は、試料中の測定しようとする基質
と、前記基質に特異的に反応する第1の酸化還元酵素と
を電子受容体の存在下で反応させる第1の工程と、前記
第1の工程で還元された電子受容体を電気化学的に酸化
して酸化電流値を得る第2の工程を有する基質の定量法
であって、前記第2の工程において、電子受容体ととも
に酸化されて酸化電流を生じる物質を基質とする第2の
酸化還元酵素を前記第1の工程の反応系に添加する。
【0007】
【発明の実施の形態】上記のように、基質と酵素を電子
受容体の存在下で反応させる工程の反応系に、第2の酸
化還元酵素を添加することによって、電子受容体ととも
に酸化されて酸化電流を生じる物質を電気化学的な酸化
を受けない物質に酸化することができる。その結果、基
質の定量精度を向上させることができる。このような電
子受容体とともに酸化されて酸化電流を生じる物質に
は、アスコルビン酸またはビリルビンなどがあり、これ
らの物質は、血液中に含有されている場合がある。その
ため、グルコースセンサを用いて、血液中のグルコース
を定量しようとすると、得られる酸化電流値は、電子受
容体を酸化した電流値と、アスコルビン酸またはビリル
ビンを酸化した電流値の合計になり、求められるグルコ
ース濃度は、真の濃度よりも高くなる。
受容体の存在下で反応させる工程の反応系に、第2の酸
化還元酵素を添加することによって、電子受容体ととも
に酸化されて酸化電流を生じる物質を電気化学的な酸化
を受けない物質に酸化することができる。その結果、基
質の定量精度を向上させることができる。このような電
子受容体とともに酸化されて酸化電流を生じる物質に
は、アスコルビン酸またはビリルビンなどがあり、これ
らの物質は、血液中に含有されている場合がある。その
ため、グルコースセンサを用いて、血液中のグルコース
を定量しようとすると、得られる酸化電流値は、電子受
容体を酸化した電流値と、アスコルビン酸またはビリル
ビンを酸化した電流値の合計になり、求められるグルコ
ース濃度は、真の濃度よりも高くなる。
【0008】そこで、電子受容体の存在下で、グルコー
スと酵素を反応させる工程の反応系に、第2の酸化還元
酵素としてアスコルビン酸を基質とするアスコルビン酸
オキシダーゼおよびビリルビンを基質とするビリルビン
オキシダーゼの少なくとも1つを添加することが好まし
い。アスコルビン酸は、アスコルビン酸オキシダーゼに
よって、デヒドロアスコルビン酸に酸化される。このデ
ヒドロアスコルビン酸は、電気化学的な酸化は受けない
ので、基質を精度よく定量することができる。酸化電流
の測定方法としては、測定極と対極のみの二極電極系方
式と、参照極を加えた三電極方式があり、三電極方式の
方がより正確な測定が可能である。
スと酵素を反応させる工程の反応系に、第2の酸化還元
酵素としてアスコルビン酸を基質とするアスコルビン酸
オキシダーゼおよびビリルビンを基質とするビリルビン
オキシダーゼの少なくとも1つを添加することが好まし
い。アスコルビン酸は、アスコルビン酸オキシダーゼに
よって、デヒドロアスコルビン酸に酸化される。このデ
ヒドロアスコルビン酸は、電気化学的な酸化は受けない
ので、基質を精度よく定量することができる。酸化電流
の測定方法としては、測定極と対極のみの二極電極系方
式と、参照極を加えた三電極方式があり、三電極方式の
方がより正確な測定が可能である。
【0009】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明を
より詳細に説明する。図1は、本発明によるバイオセン
サの概略平面図である。ポリエチレンテレフタレートで
なる電気絶縁性の基板1上に、スクリーン印刷により白
金ペーストを印刷して貴金属電極2、3を形成し、さら
にこの2つの電極の両方にわたるように反応試薬層4を
形成している。そして、この反応試薬層4が露出するよ
うに窓部を設けたカバー5を基板1と接着して、バイオ
センサを作製している。
より詳細に説明する。図1は、本発明によるバイオセン
サの概略平面図である。ポリエチレンテレフタレートで
なる電気絶縁性の基板1上に、スクリーン印刷により白
金ペーストを印刷して貴金属電極2、3を形成し、さら
にこの2つの電極の両方にわたるように反応試薬層4を
形成している。そして、この反応試薬層4が露出するよ
うに窓部を設けたカバー5を基板1と接着して、バイオ
センサを作製している。
【0010】《実施例1》 図1の基板1の電極2、3の両方にかかるように、グル
コ−スデヒドロゲナーゼ(以下、GDHと略す。)とア
スコルビン酸オキシダーゼ(以下、AODと略す。)の
混合水溶液を滴下し、乾燥させて反応試薬層4を形成し
た。次に、反応試薬層4上に、グルコースとアスコルビ
ン酸を含有する標準試料液を滴下した。試料液内のグル
コ−スは、GDHによりグルコン酸に酸化され、同時に
試料液中の溶存酸素が還元されて過酸化水素が生成し
た。アスコルビン酸は、AODによってデヒドロアスコ
ルビン酸に酸化された。この反応をそれぞれ式(1)、
式(2)に示す。
コ−スデヒドロゲナーゼ(以下、GDHと略す。)とア
スコルビン酸オキシダーゼ(以下、AODと略す。)の
混合水溶液を滴下し、乾燥させて反応試薬層4を形成し
た。次に、反応試薬層4上に、グルコースとアスコルビ
ン酸を含有する標準試料液を滴下した。試料液内のグル
コ−スは、GDHによりグルコン酸に酸化され、同時に
試料液中の溶存酸素が還元されて過酸化水素が生成し
た。アスコルビン酸は、AODによってデヒドロアスコ
ルビン酸に酸化された。この反応をそれぞれ式(1)、
式(2)に示す。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】試料液を滴下した1分後に、電極2、3の
間に電圧を印加して過酸化水素を酸化した。そして、5
秒後の電流値を測定した。得られた酸化電流値から、試
料液中のグルコース濃度は、精度よく定量できた。
間に電圧を印加して過酸化水素を酸化した。そして、5
秒後の電流値を測定した。得られた酸化電流値から、試
料液中のグルコース濃度は、精度よく定量できた。
【0014】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、測定し
ようとする基質の定量精度を向上させることができる。
ようとする基質の定量精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるバイオセンサの概略
平面図である。
平面図である。
1 基板 2、3 貴金属電極 4 反応試薬層 5 カバー
Claims (2)
- 【請求項1】 試料中の測定しようとする基質と、前記
基質に特異的に反応する第1の酸化還元酵素とを電子受
容体の存在下で反応させる第1の工程と、前記第1の工
程で還元された電子受容体を電気化学的に酸化して酸化
電流値を得る第2の工程を有する基質の定量法におい
て、前記第2の工程で、電子受容体とともに酸化されて
酸化電流を生じる物質を基質とする第2の酸化還元酵素
を前記第1の工程の反応系に添加することを特徴とする
基質の定量法。 - 【請求項2】 前記第1の酸化還元酵素の基質が、グル
コースであり、前記第2の酸化還元酵素が、アスコルビ
ン酸オキシダーゼおよびビリルビンオキシダーゼの少な
くとも1つである請求項1記載の基質の定量法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9176016A JPH1123515A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 基質の定量法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9176016A JPH1123515A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 基質の定量法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1123515A true JPH1123515A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=16006255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9176016A Pending JPH1123515A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 基質の定量法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1123515A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003247975A (ja) * | 2001-11-28 | 2003-09-05 | Lifescan Inc | 溶液乾燥システム |
EP3415634A1 (en) | 2017-06-13 | 2018-12-19 | ARKRAY, Inc. | Biosensor and measuring method using the same |
-
1997
- 1997-07-01 JP JP9176016A patent/JPH1123515A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003247975A (ja) * | 2001-11-28 | 2003-09-05 | Lifescan Inc | 溶液乾燥システム |
JP4650870B2 (ja) * | 2001-11-28 | 2011-03-16 | ライフスキャン・インコーポレイテッド | 溶液乾燥システム |
EP3415634A1 (en) | 2017-06-13 | 2018-12-19 | ARKRAY, Inc. | Biosensor and measuring method using the same |
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