JPH11234062A - 高周波増幅器 - Google Patents

高周波増幅器

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JPH11234062A
JPH11234062A JP3123398A JP3123398A JPH11234062A JP H11234062 A JPH11234062 A JP H11234062A JP 3123398 A JP3123398 A JP 3123398A JP 3123398 A JP3123398 A JP 3123398A JP H11234062 A JPH11234062 A JP H11234062A
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JP
Japan
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fundamental wave
harmonic
circuit
transmission line
wave
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JP3123398A
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Inventor
Shinya Komai
真也 駒井
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基本波整合回路に影響しない2倍波短絡回路
と3倍波開放回路を同時に実現できるようにして、設計
の自由度の高い整合回路を提供するとともに理想的な実
装のされる増幅器を提供する。 【解決手段】 増幅素子に直列に接続された基本波整合
回路を介して負荷に電力を供給する高周波増幅器におい
て、該基本波整合回路に該増幅素子と直列に整合された
第3次高調波に共振する並列共振回路が設けられ、該増
幅素子の出力端に一端が接続され、他端を高周波的に接
地されることにより、該増幅素子の出力端に対し並列に
接続される基本波の1/4波長の電気長を有する伝送回
路が設けられ、該伝送回路を介して該増幅素子に電源を
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
ような増幅素子を使用し、マイクロ波帯のような高周波
を増幅して負荷に電力を供給する高周波増幅器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、増幅素子を効率的に動作させる
ための有効な方法として、増幅素子の出力に発生する高
調波に対する負荷を偶数次高調波に対しては短絡、奇数
次高調波に対しては開放とすることによって高調波によ
る電力の発生をなくし、基本波の電力効率を最大にする
F級増幅器が知られている。高調波の中では2倍波(第
2高調波)と3倍波(第3次高調波)が特に強いので、
通常は3倍波までの処理を考えれば十分である。
【0003】従来より、F級増幅器が提案されており、
例えば、特開平6−204764号に開示されている増
幅器を挙げることができる。これについて、図5を参照
し説明する。トランジスタ1の出力端(ノード点)5
(α点)には、基本波の1/8波長の先端を開放した伝
送線路31が接続されている。これは、偶数次高調波の
うち、2倍波(第2次高調波)、6倍波(第6次高調
波)、10倍波(第10次高調波)に対して、それぞれ
1/4波長、3/4波長、5/4波長…となり、α点を
短絡(Z=0)にする。また、この伝送線路31は奇数
次高調波すなわち3倍波)第3次高調波)、5倍波(第
5次高調波)、7倍波(第7次高調波)…に対して、そ
れぞれ3/8波長、5/8波長、7/8波長…となり、
α点から見るとそれぞれjZ0、−jZ0、jZ0…とイ
ンピーダンスを与えることになる。ここでZ0は伝送線
路31の特性インピーダンスである。さらに、出力端子
5には基本波の1/8波長の伝送線路32が接続されて
おり、もしその先端の点(ノード点)6(β点)が奇数
次高調波に対して短絡となっていれば、これは3倍波、
5倍波、7倍波…に対して、α点から見てそれぞれ−j
0、jZ0、−jZ0…のインピーダンスを与えること
になる。従って、β点が特定の奇数次高調波に対して短
絡であれば、伝送線路31と同32は並列共振回路を形
成し、A点は開放(Z=∞)となる。点6(β点)を短
絡するには、例えば3倍波に対しては1/12波長の先
端開放伝送線路34、5倍波に対しては1/20波長の
先端開放伝送線路33を接続すれば良い。尚、ここでい
う波長とはすべて基本波に対するものである。点6(β
点)の先には基本波に対する整合回路30が接続され
る。伝送線路31、32、33、34等をトランジスタ
1との間に挿入したことことにより、当然ながら基本波
の整合に影響が及ぼされるので、整合回路30はそれを
含めた状態で負荷への整合調整が行われる。
【0004】もう1つの例として、特開平8−1489
49号に開示している増幅器をあげることができる。こ
れについて図6を参照し説明する。トランジスタ1に直
列に接続された基本波整合回路40を介して負荷に電力
を供給するようになっている。また、基本波整合回路4
0にはトランジスタ1と直列に接続された誘導素子40
Aが設けられている。尚、誘導素子40Bは基本波整合
回路のその他の部分である。41はトランジスタ1の出
力端5と接地電位との間に接続された直列共振回路であ
り、2倍波に対して共振し、2倍波に対する短絡条件を
実現する。また、42はトランジスタ1の出力端5と接
地電位との間に接続された並列共振回路であり、直列共
振回路41と合わせて基本波及び3倍波で共振し、3倍
波の開放条件を実現する。さらに、基本波整合回路40
に含まれる誘導素子40Aは3倍波に対して十分高いイ
ンピーダンスを示すので、3倍波の負荷条件はそれより
後の基本波整合回路の影響を殆ど受けない。このように
して、基本波に対するインピーダンスに影響を与えずに
2倍波の短絡条件と3倍波の開放条件を同時に実現でき
るので、自由度の高い基本波整合回路を独立して設計す
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の増幅器では、伝
送線路31、32、33、34等をトランジスタ1との
間に挿入したことにより、基本波の整合に影響が及ぼさ
れる。また、基本波整合回路を3倍波について分離する
手段を有していないので、基本波整合回路は基本波と3
倍波の両方を考慮して設計しなければならず、設計が煩
雑になり自由度が小さくなる。さらに、トランジスタ1
への電源の供給は、チョークコイル等の部品を用いた専
用のバイアス回路が必要となる。
【0006】また、後者の増幅器では、直列共振回路4
1と並列共振回路42を合わせたものが基本波と3倍波
の両方で同時に共振することを前提にしている。しか
し、実際の素子でこれを実現することは非常に困難であ
ると考えられる。直列共振回路41が2倍波で共振する
とき、基本波に対しては容量性、3倍波に対しては誘導
性のリアクタンスを示す。一方、並列共振回路42は低
い周波数では誘導性、高い周波数では容量性のリアクタ
ンスを示す。従って、直列共振回路41と並列共振回路
42をさらに並列に接続することにより、基本波または
3倍波に対して並列共振させることは原理的に可能であ
る。
【0007】図7は、図6の共振回路41、42の部分
を取り出したものであり、インダクタL1とキャパシタ
1で構成される直列共振回路とインダクタL2とキャパ
シタC2で構成される並列共振回路をさらに並列に接続
した共振回路を構成している。まず、2倍波に対してイ
ンピーダンスを0(ゼロ)にするという条件から、L1
1=1/(4ω0 2)を満たす必要がある。ここで、ω0
は基本波に対する角振動数である。このとき図7の共振
回路全体が基本波と3倍波の両方で共振するという条件
から、L2=5L1/3、C2=16C/15が導かれ
る。すなわち、L1、C1、L2、C2がこれら3つの関係
をともに満たせば基本波と3倍波に対して開放、2倍波
に対して短絡の負荷条件が満たされる。
【0008】しかし、これは素子のQ値が無限大と見な
せるような理想的な場合についてのみ成り立つ関係であ
り、実際の素子ではインダクタに対して並列の寄生容量
や直列の寄生抵抗が存在するために図7のような単純な
回路では表わせなくなる。当然、周波数依存性をもつの
で基本波、3倍波に対するインダクタンスは異なってく
る。さらには配線長の影響もあって、それらをすべて含
めると設計は非常に複雑となり、基本波と3倍波の両方
で正確に共振させることは殆ど不可能に近い。基本波整
合回路の設計を容易にするという発明の目的とは裏腹
に、この共振回路の設計が極めて困難であり、実現の可
能性の乏しい回路であると言える。
【0009】さらに、図6に示す基本波整合回路40に
はトランジスタ1の出力端と直列に誘導素子40Aが挿
入されているが、例えば0.9GHz帯のような比較的
低い周波数帯で3倍波を効果的に減衰させるにはかなり
大きなインダクタが必要となる。図4は、ポート1、2
の間に直列に接続された誘導素子に対する進行波成分|
21|に周波数特性である。この図から0.9GHzの
3倍波(すなわち2.7GHz)を効果的に減衰させる
には、少なくとも数10nH以上のかなり大きなインダ
クタが必要になることがわかる。また、その場合は基本
波の損失も非常に大きくなってしまうという問題があ
る。もちろん、トランジスタへの電源の供給を専用のバ
イアス回路を用いて行うことは前者の例と同じである。
【0010】さらに、上記2つの例だけでなく、高調波
の負荷を制御して増幅器を高効動作させるという目的の
従来の回路例では、いずれも回路図上の理論だけに止ま
っていて、実装時に生じる問題にまで触れた例はみられ
なかった。上記2つのの例では、トランジスタのコレク
タ(またはドレイン)から高調波を制御するための線路
と基本波を制御するための線路の分岐点5(すなわちα
点)までの距離は0(ゼロ)であることを仮定している
が、実際のデバイスではそのようなことはありえない。
何故ならば、単体のトランジスタでも、モノリシックI
C(MMIC)でもパッケージの出力端子と半導体チッ
プの出力端子の間には必ずボンディングワイヤ等の伝送
線路が存在するからである。マイクロ波帯のような高周
波では、たとえわずかの線路であっても位相の回転に大
きく影響し、周波数に比例した位相の回転を与える。例
えば、厚さ0.6mm、比誘電率10の誘電体基板上の
50Ωマイクロストリップ線路で計算してみると、0.
9GHz帯の場合、仮に3mmの伝送線路があったとす
れば基本波に対して約17°、2倍波に対して約34
°、3倍波に対しては約51°もの位相回転を生じる。
従って、たとえα点において2倍波に対して短絡、3倍
波に対して開放の負荷条件が成立したとしても、トラン
ジスタの出力端との間に伝送線路が存在すれば周波数に
比例した位相回転が起こり、トランジスタの出力端から
見れば負荷条件は大きくずれてしまう。これを見込んで
整合回路を設計することは非常に煩雑であり、周波数に
よって位相の回転角が異なるため、すべての周波数で同
時に負荷条件を満足させることは事実上不可能であると
言える。
【0011】そこで、本発明はこのような問題を解決す
るために発明されたものであって、基本波整合回路に影
響しない2倍波短絡回路と3倍波開放回路を同時に実現
できるようにして、設計の自由度の高い整合回路を提供
するとともに理想的な実装のされる増幅器を提供するこ
とにより、ひいては効率的な高周波増幅器の設計を容易
にすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の高周波増幅器
は、増幅素子に直列に接続された基本波整合回路を介し
て負荷に電力を供給する高周波増幅器において、該基本
波整合回路に該増幅素子と直列に整合された第3次高調
波に共振する並列共振回路を設けるとともに、該増幅素
子の出力端に一端が接続され、他端を高周波的に接地さ
れることにより、該増幅素子の出力端に対し並列に接続
される基本波の1/4波長の電気長を有する伝送線路を
配設し、該伝送線路介して該増幅素子に電源を供給する
ことを特徴とする。
【0013】また、本発明の高周波増幅器は、増幅素子
の出力端から基本波を制御する伝送路と高調波を制御す
る伝送線路を分岐させることによって偶数次高調波の短
絡条件と奇数次高調波の開放条件を実現する高周波増幅
器において、基本波を制御する伝送線路と高調波を制御
する少なくとも1つ以上の伝送線路をボンデングパッド
の近傍で分岐させるパターンを有する誘電体基板に、前
記増幅素子を有する半導体チップを直接フリップチップ
ボンディングしてなることを特徴とする。
【0014】本発明の作用を以下に説明する。本発明の
高周波増幅器では、先端を高周波的に短絡された1/4
波長の伝送線路は、2倍波(第2次高調波)に対しては
1/2波長、3倍波(第3次高調波)に対しては3/4
波長に相当するため、増幅素子すなわちトランジスタの
出力端から見ると基本波に対しては開放、2倍波に対し
ては短絡、3倍波に対しては開放の負荷条件が実現され
る。また、3倍波で共振する並列共振回路によって、そ
れよりも先の基本波整合回路の部分へ3倍波の影響が及
ばないので、基本波整合回路を独立に設計することがで
きる。さらに、先端を高周波的に短絡された1/4波長
の伝送線路はトランジスタの出力端から見ると開放であ
るので基本波の整合に影響を与えない。この伝送線路を
介してトランジスタに電源を供給することにより、チョ
ークコイル等を用いた専用のバイアス回路が不要とな
り、回路をより簡略化できる。
【0015】また、本発明の高周波増幅器では、増幅素
子を有する半導体チップを誘電体基板に直接フリップチ
ップボンディングするものであるから、高調波を制御す
るための線路と基本波を制御するための線路を増幅素
子、例えばトランジスタの出力端の直近から分岐させる
ことができるので、回路図に極めて近い理想的な実装状
態を実現することができるため、ボンディングワイヤ等
の伝送線路の影響による位相回転がなくなり、高効率な
高周波増幅器を実現する整合回路の設計が容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の高周波
増幅器の実施の形態1について、その回路を示す図1を
参照し、説明する。1は高周波増幅器の出力用(最終
段)の増幅素子であるトランジスタであり、そのエミッ
タが接地され、そのベースに入力が供給されるようにさ
れており、そのコレクタである出力端5(α点)にはキ
ャパシタ4によって一端を高周波的に接地された基本波
の1/4波長の伝送線路3が接続されている。また、伝
送線路3の他端であるキャパシタ4の側には電源を接続
し、トランジスタ1に電源を供給するようにしている。
さらに、トランジスタ1の出力端5には3倍波(第3高
調波)で共振する並列共振回路2Aの一端が接続され、
該並列共振回路2Aの他端には基本波の負荷を調整する
ための回路2Bが接続される。並列共振回路2Aは基本
波の負荷を調整するための回路2Bとともに基本波整合
回路2を構成する。この基本波整合回路2の出力側、す
なわち回路2Bの出力側より出力される。なお、並列共
振回路2Aは、位相の回転をなくすためにトランジスタ
1の出力端5のできるだけ直近に配置することが望まし
い。
【0017】先端を高周波的に接地された1/4波長の
伝送線路3は、トランジスタ1の出力端5から見れば開
放であるから基本波の整合に影響を与えない。従って、
伝送線路3を介してトランジスタ1に電源を供給するこ
とができ、チョークコイル等を用いたバイアス回路を別
に必要としない。また、伝送線路3は、2倍波(第2次
高調波)に対しては1/2波長、3倍波に対しては3/
4波長であるから、2倍波に対しては短絡、3倍波に対
しては開放の負荷条件が自動的に満たされる。
【0018】図3は、ポート1、2の間に直列に接続さ
れた並列共振回路2Aに対する進行波成分|S21|の周
波数特性を示す図である。ここでは、0.9GHzの3
倍波、すなわち2.7GHzで共振するように設計され
ている。この図から、3倍波は十分に阻止され、しかも
基本波には殆ど影響を与えないことがわかる。この場
合、インダクタの値は1nH、キャパシタの値は3.5
pFであったので、比較的小さな素子値で実現できるこ
とも利点である。。この並列共振回路2Aによって高調
波の負荷を調整する部分と基本波の負荷を調整する部分
が3倍波に対して完全に分離され、基本波の負荷を調整
するための回路2Bは3倍波への影響を考慮することな
く独立して設計することができる。もちろん、並列共振
回路2Aは基本波に対しては十分低いインピーダンスを
示すので、基本波の損失を大きくすることもない。
【0019】その結果、トランジスタ1のベースに入力
された信号は、トランジスタ1で増幅され、そのコレク
タの出力端5から基本波整合回路2の出力側を通じて基
本波が効率的に出力される。
【0020】(実施の形態2)本発明の高周波増幅器の
実施の形態2について、それを示す図2を参照し説明す
る。図2(a)はこの実施の形態2の平面図を、図2
(b)は図2(a)のI−I線に沿った断面図を示し、
図2(c)は部分拡大断面図を示す。ここでは、上記実
施の形態1の高周波増幅器を適用した例について以下に
説明するが、高調波の負荷を制御することにより高効率
な高周波増幅器を実現するすべての回路に対して適用で
きることは言うまでもない。図2(a)において、10
は、セラミック等の誘電体基板、11は半導体チップが
ボンディングされる部分、12はボンディングパッドで
ある。半導体チップ上のトランジスタ1の出力端(バン
プパッド)はバンプを介してボンディングパッド12と
接続される。15は基本波の1/4波長のマイクロスト
リップ伝送線路であり、その一端はチップコンデンサ1
4及びスルーホール16を介して高周波的に接地され、
さらに電源端子21と接続されている。また、マイクロ
ストリップ伝送線路15の他端は、ボンディングパッド
12の直近に接続されている。
【0021】一方、チップインダクタ13とチップコン
デンサ14で構成される並列共振回路2Aは、その一端
がボンディングパッド12の直近に接続され、その他端
がチップコンデンサ14とスルーホール16、及びマイ
クロストリップ伝送線路で構成される基本波の負荷を調
整するための回路2Bに接続されている。このとき並列
共振回路2A内の伝送線路はできるだけ短くすることが
望ましい。
【0022】ここで、誘電体基板10においてボンディ
ングパッド12からのびる伝送線路は分岐点γにおいて
分岐し、マイクロストリップ線路15の一端、チップコ
ンデンサ14及びチップインダクタ13に接続する伝送
線路の一端にそれぞれ連続しているパターンを形成して
いる。
【0023】17は出力端子、18は入力端子、19は
出力を制御するための電圧を与える端子、20は最終段
以外の電源を供給する端子である。また、21は、最終
段トランジスタに電源を供給する端子、22はスルーホ
ール16を介して半導体チップに接地電位を与えるため
のパッドである。このようにして誘電体基板10には、
ボンディングパッド12、それから伸びる伝送線路、マ
イクロストリップ線路15、チップコンデンサ14、チ
ップインダクタ13、入出力端子等を相互に接続する伝
送線路等をマイクロストリップ線路としてパターン作成
されている。
【0024】この誘電体基板10に、半導体チップ等を
直接フリップチップボンディングしている。なお、半導
体チップのバンプパッドがバンプを介して誘電体基板1
0の対応するボンディングパッドに接続している。この
フリップチップボンディングの状態の断面を図2(b)
及びその半導体チップ周辺の拡大断面図を図2(c)に
示す。ここで、1GHz程度の高周波では伝送線路の長
さが例えば1mm違っても負荷インピーダンスに数度の
位相回転を生ずる。位相回転を1度以内に押さえるため
には、トランジスタ1の出力端のバンプパッドに接続さ
れたバンプからマイクロストリップ伝送線路の分岐点γ
までの距離は0.2mm以下にする必要がある。半導体
チップの周辺の拡大断面図を示す図2(c)において、
トランジスタ1の出力端のバンプパッドに接続されたバ
ンプからマイクロストリップ線路の分岐点γまでの距離
をDとすると、バンプパッドの大きさが100μm角程
度であることから距離Dがそれに比べて大きくない程度
であれば実用上問題は起こらないと考えられる。なお、
この距離Dは、取り扱う周波数に応じ設定することがで
きるのはもちろんのことであり、実用上から設定するこ
とができる。こうして、マイクロストリップ線路15、
チップコンデンサ14、チップインダクタ13がボンデ
ィングパッドの直近に接続される。
【0025】このフリップチッップボンディングによ
り、1/4波長の伝送線路15と並列共振回路2Aはボ
ンディングパッド12、すなわちトランジスタ1の出力
端の近傍で分岐することになるので、回路図に極めて近
い理想的な実装状態を実現することができている。従っ
て 、高調波を制御する線路と基本波を制御する線路の
分岐点からトランジスタの出力端の間に存在する伝送線
路の影響によって位相回転を考慮する必要がなく、出力
整合回路の設計を容易に、しかも正確に行うことが可能
となる。
【0026】
【発明の効果】本発明の高周波増幅器は、先端が高周波
的に接地された基本波の1/4波長の伝送線路を介して
増幅素子に電源を供給し、さらにこの伝送線路と並列に
3倍波で共振する並列共振回路を設けることにより、基
本波整合回路に影響を与えない2倍波短絡回路と3倍波
開放回路を同時に実現することがことができ、簡略でし
かも設計の自由度が高い高効率な増幅器をうることがで
きる。
【0027】また、本発明の高周波増幅器は、増幅素子
を有する半導体チップが誘電体基板に直接フリップチッ
プボンディングより配設されていることにより、高周波
を制御する線路と基本波を制御する線路の分岐点から増
幅素子すなわちトランジスタの出力端の間に存在する伝
送線路の影響がなくなるので、特性のよい理想的と言い
得るようなF級高周波増幅器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波増幅器の実施形態1の回路図で
ある。
【図2】本発明の高周波増幅器の実施の形態2の構成を
説明する平面図及び断面図である。
【図3】本発明の高周波増幅器に実施の形態1の並列共
振回路の特性を示す図である。
【図4】従来の増幅器の誘導素子の周波数特性を説明す
る図である。
【図5】従来の増幅器を説明する回路図である。
【図6】従来の増幅器を説明する回路図である。
【図7】従来の増幅器の並列共振回路の特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 出力のトランジスタ 2 基本波整合回路 2A 並列共振回路 2B その他の基本波整合回路部分 3 1/4波長の伝送線路 4 キャパシタ 5、6 ノード点 10 誘電体基板 12 ボンディングパッド 13 チップインダクタ 14 チップキャパシタ 15 1/4波長のマイクロストリ
ップ線路 16 スルーホール 17 出力端子 18 入力端子 19 出力を制御するための電圧を
与える端子 20 最終段以外の電源を供給する
端子 21 出力用のトランジスタに電源
を供給する端子 22 半導体チップに接地電位を供
給するためのパッド 30 基本波整合回路 31、32 1/8波長伝送線路 33 1/20波長伝送線路 34 1/12波長伝送線路 35 高周波阻止用チョークコイル 40A 誘導素子 40B その他の基本波整合回路部分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増幅素子に直列に接続された基本波整合
    回路を介して負荷に電力を供給する高周波増幅器におい
    て、 該基本波整合回路に該増幅素子と直列に整合された第3
    次高調波に共振する並列共振回路を設けるとともに、 該増幅素子の出力端に一端が接続され、他端を高周波的
    に接地されることにより、該増幅素子の出力端に対し並
    列に接続される基本波の1/4波長の電気長を有する伝
    送回路を配設し、 該伝送路を介して該増幅素子に電源を供給することを特
    徴とする高周波増幅器。
  2. 【請求項2】 増幅素子の出力端から基本波を制御する
    伝送路と高調波を制御する伝送線路を分岐させることに
    よって偶数次高調波の短絡条件と奇数次高調波の開放条
    件を実現する高周波増幅器において、 基本波を制御する伝送線路と高調波を制御する少なくと
    も1つ以上の伝送線路をボンデングパッドの近傍で分岐
    させるパターンを有する誘電体基板に、前記増幅素子を
    有する半導体チップを直接フリップチップボンディング
    してなることを特徴とする高周波増幅器。
JP3123398A 1998-02-13 1998-02-13 高周波増幅器 Pending JPH11234062A (ja)

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JP3123398A JPH11234062A (ja) 1998-02-13 1998-02-13 高周波増幅器

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