JPH11233843A - 圧電バイモルフ積層型アクチュエータ - Google Patents

圧電バイモルフ積層型アクチュエータ

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JPH11233843A
JPH11233843A JP10029596A JP2959698A JPH11233843A JP H11233843 A JPH11233843 A JP H11233843A JP 10029596 A JP10029596 A JP 10029596A JP 2959698 A JP2959698 A JP 2959698A JP H11233843 A JPH11233843 A JP H11233843A
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JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric
outer peripheral
surface electrodes
bimorphs
piezoelectric bimorph
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Pending
Application number
JP10029596A
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English (en)
Inventor
Hideaki Nishikawa
英昭 西川
Nobuaki Kawahara
伸章 川原
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電板の再分極による圧電バイモルフの再生
が可能でありながら、各圧電バイモルフの変位量がさら
に拡大している圧電バイモルフ積層型アクチュエータを
提供すること。 【解決手段】 本発明の圧電バイモルフ積層型アクチュ
エータは、積層された圧電バイモルフ1A〜1Cと、同
圧電バイモルフを同軸に連結する中央連結部材2および
二本の外周連結部材31,32と、保持部材41A〜4
1C,42A〜42Cとからなる。同保持部材は、各圧
電バイモルフの外周部の一部だけを保持しているので、
各圧電バイモルフの変形を妨げず変位量が大きくなる。
また、外周連結部材31と上面側の各表面電極13とが
導通しており、外周連結部材32と下面側の表面電極1
3とが互いに導通しているので、一方の圧電板12と他
方の圧電板12とに個別に電界が印加でき、圧電板12
の再分極が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電アクチュエー
タの技術分野に属し、より詳しくは、圧電バイモルフが
複数枚積層されており伸縮動作を行う積層型アクチュエ
ータの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡の焦点調節機構やマイクロマシン
の移動機構などの応用において、小型でありながら変位
量(ストローク)および発生力が大きいアクチュエータ
が希求されている。この課題に対して、複数の圧電バイ
モルフが積層されている積層型圧電アクチュエータが何
種類か発明されており、これらの発明には本発明と同一
の出願人によって出願されたものもある。たとえば特開
平9−37571号公報には、複数の圧電バイモルフの
中央部と外周部とがそれぞれ中央連結部材および外周連
結部材によって連結されており、発生力が比較的大きい
積層型圧電アクチュエータが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の従来技術においては、両面の表面電極が互いに導通
しているので、各圧電バイモルフの導電性の弾性板の両
面に接合されている二枚の圧電板には、両表面電極を介
して同電圧しか印加されなかった。すなわち、両表面電
極は外周連結部材または中央連結部材を介して互いに導
通して常に同電位に保たれており、接地されている弾性
板と両表面電極との間に電位差が印加されて、両圧電板
に同程度の電場が印加される。その際、一方の圧電板が
伸張し他方の圧電板が収縮して各圧電バイモルフが有効
に変形するためには、上記他方の圧電板には分極方向と
逆に電圧が印加されている。
【0004】それゆえ、上記従来技術の積層型アクチュ
エータでは、各圧電バイモルフに印加できる電圧が、圧
電板の分極劣化や分極反転を起こさない範囲(絶縁限界
よりもずっと低い範囲)に制限されている必要があっ
た。この制限のゆえに、上記従来技術の積層型アクチュ
エータでは、発生力および変位量(ストローク)が制限
されていた。
【0005】また、印加電圧が高すぎて一方の圧電板に
分極劣化や分極反転が生じてしまった場合には、この一
方の圧電板を再分極させようとして高電圧をかけると、
他方の圧電板に分極反転が生じてしまう。それゆえ、一
方の圧電板に分極劣化や分極反転を生じてしまうと、こ
れを再分極により回復することができなかった。すなわ
ち、圧電バイモルフ単体では加熱しながら高電圧を印加
することにより再分極を行い再生することが可能である
が、積層型アクチュエータとして組み立ててしまってか
らは、再分極により再生することができなかった。
【0006】そこで、新たに再分極をも可能にする圧電
バイモルフ積層型アクチュエータが先行技術として発明
され、同一出願人からすでに出願済みである(特願平9
−180921号)。同出願の圧電バイモルフ積層型ア
クチュエータ(先行技術)は、複数枚が同軸に積層され
ている圧電バイモルフと、圧電バイモルフの弾性板に導
通している導電性の中央連結部材と、二本の導電性の外
周連結部材と、圧電バイモルフの全外周部を各外周連結
部材に接合する略リング状の複数の支持板とからなる。
支持板は、一枚の圧電バイモルフについて二枚一組あっ
てそれぞれ片側の表面電極に接合し、一方の表面電極を
一方の外周連結部材に導通するとともに、他方の表面電
極を他方の外周連結部材に導通している。
【0007】同出願の圧電バイモルフ積層型アクチュエ
ータでは、圧電バイモルフの一方の表面電極と弾性板と
の間にかける印加電圧と、他方の表面電極と弾性板との
間にかける印加電圧とが互いに独立に制御可能である。
それゆえ、圧電バイモルフの両面の圧電板のうちいずれ
かが分極反転した場合にも、その圧電板にだけ高電圧を
かけることによって再分極させ、アクチュエータとして
の機能を再生することが可能になっている。
【0008】そればかりではなく、先行技術では、圧電
バイモルフの一方の圧電板に分極劣化を起こさない程度
の低電圧を印加しておきながら、他方の圧電板には絶縁
限界に近い高電圧を印加することが可能になった。その
結果、前述の先行技術によれば、従来技術よりもより大
きな駆動力や変位量を発生させることが可能になってい
る。
【0009】ところが先行技術では、前述の支持板が圧
電バイモルフの全周を固定しているので、圧電バイモル
フが生じる変位量のうち少なからぬ部分が支持板を変形
させることに使用されてしまっている。それゆえ、各圧
電バイモルフの全周囲と接合している支持板が邪魔をし
て、先行技術の圧電バイモルフ積層型アクチュエータが
本来発揮できるはずの変位量が、少なからず低下してし
まうという不都合が生じている。
【0010】そこで本発明は、圧電板の再分極による圧
電バイモルフの再生が可能でありながら、各圧電バイモ
ルフの変位量が先行技術よりもさらに拡大している圧電
バイモルフ積層型アクチュエータを提供することを解決
すべき課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明
した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の圧電
バイモルフ積層型アクチュエータである。
【0012】本手段では、前述の先行技術とは異なって
外周連結部材が各圧電バイモルフの外縁部の全周で接合
されておらず、各圧電バイモルフの外周部の一部と接合
しているだけである。それゆえ、各圧電バイモルフが全
周囲で拘束されることはなく、部分的にしか拘束されて
いないので、各圧電バイモルフの変位量は先行技術より
も拡大する。
【0013】また、外周連結部材のうち一方と表面電極
のうち一方とが互いに導通しており、外周連結部材のう
ち他方と表面電極のうち他方とが互いに導通しているの
で、圧電バイモルフの一方の圧電板と他方の圧電板とに
個別に電界が印加される。それゆえ、本手段の圧電バイ
モルフ積層型アクチュエータでは、圧電バイモルフの一
方の表面電極と弾性板との間にかける印加電圧と、他方
の表面電極と弾性板との間にかける印加電圧とが互いに
独立に制御可能である。すなわち、圧電バイモルフの両
面の圧電板のうちいずれかが分極反転した場合にも、そ
の圧電板にだけ高電圧をかけることによって再分極さ
せ、アクチュエータとしての機能を再生することが可能
である。
【0014】したがって本手段によれば、圧電板の再分
極による圧電バイモルフの再生が可能でありながら、各
圧電バイモルフの変位量が先行技術よりもさらに拡大し
ている圧電バイモルフ積層型アクチュエータを提供する
ことができるという効果がある。 (第2手段)本発明の第2手段は、請求項2記載の圧電
バイモルフ積層型アクチュエータである。
【0015】本手段では、導電性の保持部材が、それぞ
れの圧電バイモルフの外周部の一部を挟持して外周連結
部材のうち一方に接合しており、各圧電バイモルフの表
面電極のうち一方と外周連結部材のうち一方とを導通す
る。また、他の導電性の保持部材は、それぞれの圧電バ
イモルフの外周部の他の一部を挟持して外周連結部材の
うち他方に接合しており、各圧電バイモルフの表面電極
のうち他方と外周連結部材のうち他方とを導通する。
【0016】すなわち、各保持部材により、各圧電バイ
モルフの外周部のうち二ヶ所と各外周連結部材とがそれ
ぞれ力学的に接合されるだけではなく、一方の外周連結
部材と一方の表面電極とが導通すると共に、他方の外周
連結部材と他方の表面電極とが導通する。その結果、各
圧電バイモルフと二本の外周連結部材とが、力学的に接
合されるだけではなく、電気的にも適正な導通が得られ
るようになる。この際、各保持部材は、圧電バイモルフ
の全周と接合している必要はないので、先行技術で使用
された支持板よりもずっと小型軽量に構成することがで
きる。
【0017】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加え、前述の先行技術と比較して、本発明の
圧電バイモルフ積層型アクチュエータを小型軽量化する
ことができるという効果がある。 (第3手段)本発明の第3手段は、請求項3記載の圧電
バイモルフ積層型アクチュエータである。
【0018】本手段では、各圧電バイモルフの表面電極
のうち一方は、一方の外周連結部材に接合している保持
部材と当接または接合している反面、他方の外周連結部
材に接合している保持部材とは間隙を空けて形成されて
いる。逆に、表面電極のうち他方は、上記他方の外周連
結部材に接合している保持部材と当接または接合してい
る反面、上記一方の外周連結部材に接合している保持部
材とは間隙を空けて形成されている。
【0019】このように各圧電バイモルフの両面の表面
電極を形成することは、表面電極の形成時にマスキング
を施す方法や、表面電極の形成後に研削等で表面電極の
一部を切り欠く方法等により、容易に実施することがで
きる。したがって本手段によれば、前述の第2手段の効
果に加えて、製造がより容易であるという効果がある。
【0020】(第4手段)本発明の第4手段は、請求項
4記載の圧電バイモルフ積層型アクチュエータである。
本手段では、保持部材のうち一方は、各圧電バイモルフ
の表面電極のうち一方と当接または接合して導通してい
る反面、表面電極のうち他方とは絶縁材を介して絶縁さ
れている。逆に、保持部材のうち他方は、表面電極のう
ち他方と当接または接合して導通している反面、表面電
極のうち一方とは絶縁材を介して絶縁されている。
【0021】このように絶縁材を配設することは、各圧
電バイモルフと保持部材との間の一部に絶縁材としての
プラスチックシートを介在させたり、あるいは圧電バイ
モルフの表面電極の一部または保持部材の一部に絶縁塗
膜を形成するなどの方法で、極めて容易に実施すること
ができる。したがって本手段によれば、前述の第2手段
の効果に加えて、製造がいっそう容易であるという効果
がある。
【0022】
【発明の実施の形態および実施例】本発明の圧電バイモ
ルフ積層型アクチュエータの実施の形態については、当
業者に実施可能な理解が得られるよう、以下の実施例で
明確かつ十分に説明する。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての圧電バイ
モルフ積層型アクチュエータは、図1に示すように、所
定の間隔を空けて三枚が同軸に積層された圧電バイモル
フ1A〜1Cと、一本の中央連結部材2と、二本の外周
連結部材31,32とからなる。
【0023】各圧電バイモルフ1A〜1Cは、導電性の
弾性板11と弾性板11の両面にそれぞれ接合されてい
る二枚の圧電板12と、各圧電板12の表面をそれぞれ
覆う二枚の表面電極13とからなる。各圧電バイモルフ
1A〜1Cの圧電板12は、積層方向の適正な向きに分
極されているので、両側の表面電極13と弾性板11と
の間にそれぞれ適正な電圧を印加することにより、中央
部と外周部との間に軸長方向の変位を生じる。
【0024】中央連結部材2は、各圧電バイモルフ1A
〜1Cの中央部を軸長方向に互いに連結しており、弾性
板11と導通している導電性の部材である。中央連結部
材2は、ステンレス鋼製の丸棒である一本の心棒21
と、心棒21が通されているステンレス鋼製の中空円筒
体である六個の直列に配設されたスペーサ22とから構
成されている。心棒21は、各圧電バイモルフ1A〜1
Cの弾性板11にレーザ溶接されて接合固定されてお
り、各圧電バイモルフ1A〜1Cの弾性板11に導通し
ているとともに、接地配線によりグラウンドに導通して
いる。それゆえ、中央連結部材2および各弾性板11
は、接地されている。
【0025】一方、スペーサ22の主な機能は、一対の
スペーサ22により各圧電バイモルフ1A〜1Cの弾性
板11を挟持して、弾性板11が心棒21に対して傾か
ないようにすることと、各圧電バイモルフ1A〜1Cの
間に所定の間隔を形成することである。スペーサ22は
また、弾性板11と心棒21とに接触するので、弾性板
11と心棒21との間の導通をより確実にする機能をも
併せて持っている。
【0026】ここで、図1(側断面図)、図2(平面
図)および図3(底面図)に示すように、表面電極13
の中央部には円形に表面電極13が形成されていない部
分があり、スペーサ22と表面電極13との間には間隙
13cが形成されている。それゆえ、スペーサ22を含
む中央連結部材2と、各圧電バイモルフ1A〜1Cの両
表面電極13とは導通しておらず、互いに絶縁されてい
る。
【0027】両外周連結部材31,32は、ステンレス
鋼からなる導電性の丸棒部材であって、中央連結部材2
を挟んで互いに対向する位置に中央連結部材2と並行に
配設されており、各圧電バイモルフ1A〜1Cの外周部
の一部を軸長方向に互いに連結している。両外周連結部
材31,32には、側断面がコの字型のステンレス鋼製
の導電性クリップである保持部材41A〜41C,42
A〜42Cが、再び図1に示すように、縦に三個ずつ所
定の間隔を空けてレーザ溶接で固定されている。そし
て、各保持部材41A〜41C,42A〜42Cは、そ
れぞれ各圧電バイモルフ1A〜1Cの左右の両端部に接
着されて同両端部を保持し、各圧電バイモルフ1A〜1
Cの外周部の一部を両外周連結部材31,32に固定し
ている。
【0028】なお、再び図1に示すように、一方の外周
連結部材31は端子Aに接続されており、他方の外周連
結部材32は端子Bに接続されている。ここで、各圧電
バイモルフ1A〜1Cの両表面電極13のうち一方(上
面側)は、図1および図2に示すように、保持部材のう
ち一方41A〜41Cと当接して導通しているので、一
方の外周連結部材31と導通している。しかし、保持部
材のうち他方42A〜42Cとは、間隙13aを空けて
形成されているので、他方の外周連結部材32とは導通
していない。
【0029】逆に、各圧電バイモルフ1A〜1Cの両表
面電極13のうち他方(下面側)は、図1および図3に
示すように、保持部材のうち上記他方42A〜42Cと
当接して導通しているので、上記他方の外周連結部材3
2と導通している。しかし、保持部材のうち上記一方4
1A〜41Cとは、間隙13bを空けて形成されている
ので、上記一方の外周連結部材31とは導通していな
い。
【0030】すなわち、外周連結部材のうち一方31と
各表面電極のうち一方(上面側)とが互いに導通してお
り、同様に、外周連結部材のうち他方32と各表面電極
のうち他方(下面側)とが互いに導通している。それゆ
え、各圧電バイモルフ1A〜1Cの一方の圧電板12と
他方の圧電板12とには、接地された弾性板11を挟ん
で、端子Aおよび端子Bから個別に電界が印加される。
【0031】(実施例1の作用効果)本実施例の圧電バ
イモルフ積層型アクチュエータは、以上のように構成さ
れているので、以下のような作用効果を発揮する。第1
に、本実施例の圧電バイモルフ積層型アクチュエータで
は、図2および図3に示すように、前述の先行技術とは
異なって外周連結部材31,32が各圧電バイモルフ1
A〜1Cの外縁部の全周で接合されていない。むしろ、
外周連結部材31,32は、保持部材41A〜41C,
42A〜42Cを介して、各圧電バイモルフ1A〜1C
の外周部の互いに対向する一部と接合しているだけであ
る。それゆえ、各圧電バイモルフ1A〜1Cが全周囲で
拘束されることはなく、部分的にしか拘束されていない
ので、各圧電バイモルフ1A〜1Cの変位量は先行技術
よりも拡大する。
【0032】第2に、各圧電バイモルフ1A〜1Cにお
いて、再び図1に示すように、外周連結部材のうち一方
31と両表面電極13のうち一方(上面側)とが互いに
導通しており、外周連結部材のうち他方32と両表面電
極13のうち他方(下面側)とが互いに導通している。
すなわち、上面側の各表面電極13には保持部材41A
〜41Cおよび外周連結部材31を介して端子Aから駆
動電圧が印加され、一方、下面側の各表面電極13には
保持部材42A〜42Cおよび外周連結部材32を介し
て端子Bから駆動電圧が印加される。さらに、各圧電バ
イモルフ1A〜1Cの弾性板11は、中央連結部材2を
介して接地されているので、圧電バイモルフ1A〜1C
の一方の圧電板12と他方の圧電板12とに個別に電界
が印加される。
【0033】それゆえ、図4に示すように、各圧電バイ
モルフ1A〜1Cの上方の表面電極13と弾性板11と
の間にかける印加電圧と、下方の表面電極13と弾性板
11との間にかける印加電圧とは、互いに独立に制御可
能である。すなわち、各圧電バイモルフ1A〜1Cの両
側の圧電板12のうちいずれかが分極反転した場合に
も、その側の圧電板12にだけ高電圧をかけることによ
って再分極させ、アクチュエータとしての機能を再生す
ることが可能である。
【0034】以上をまとめると、本実施例の圧電バイモ
ルフ積層型アクチュエータによれば、圧電板12の再分
極による各圧電バイモルフ1A〜1Cの再生が可能であ
りながら、前述の先行技術よりも変位量がより大きくな
るという効果がある。第3に、本実施例の圧電バイモル
フ積層型アクチュエータでは、導電性の各保持部材41
A〜41C,42A〜42Cにより、各圧電バイモルフ
1A〜1Cの外周部のうち二ヶ所と各外周連結部材とが
それぞれ力学的に接合される。そればかりではなく、保
持部材41A〜41Cを介して、一方の外周連結部材3
1と一方(上面側)の表面電極13とが導通すると共
に、他方の外周連結部材32と他方(下面側)の表面電
極13とが導通する。
【0035】その結果、各圧電バイモルフ1A〜1Cと
二本の外周連結部材31,32とが、力学的に接合され
るだけではなく、電気的にも適正な導通が得られるよう
になる。この際、各保持部材41A〜41C,42A〜
42Cは、各圧電バイモルフ1A〜1Cの互いに対向す
るごく一部と接合するだけの小さな部品なので、先行技
術で使用された支持板よりもずっと小型軽量である。ま
た、各保持部材41A〜41C,42A〜42Cは、各
圧電バイモルフ1A〜1Cの全周と接合されている必要
がないので、レーザ溶接等の接合工数が低減される。
【0036】したがって、本実施例の圧電バイモルフ積
層型アクチュエータによればさらに、前述の先行技術と
比較して、小型軽量化および工数低減の効果が得られ
る。第4に、一方の外周連結部材31にレーザ溶接され
た保持部材41A〜41Cは、各圧電バイモルフ1A〜
1Cの表面電極13のうち一方(上面側)と接続してい
る反面、表面電極13のうち他方(下面側)とは間隙1
3bを空けて形成されている。逆に、他方の外周連結部
材32にレーザ溶接された保持部材42A〜42Cは、
表面電極13のうち上記他方(下面側)と接続している
反面、表面電極13のうち上記一方(上面側)とは間隙
13aを空けて形成されている。また、各圧電バイモル
フ1A〜1Cの両表面電極13の中央には、スペーサ2
2との間の間隙13cが形成されている。
【0037】このように、各圧電バイモルフ1A〜1C
の両面の表面電極13を形成することは、表面電極13
のスクリーン印刷時にマスキングを施す方法により、容
易に実施することができる。したがって、本実施例の圧
電バイモルフ積層型アクチュエータによればまた、表面
電極13の形成に要する工数が比較的少なく、製造が容
易であるという効果がある。
【0038】(実施例1の各種変形態様)各圧電バイモ
ルフ1A〜1Cの間に配設され、端部を互いに接する二
組四つのスペーサ22は、本実施例のスペーサ22の倍
の長さをもつスペーサの二組二つに統合されている変形
態様の実施も可能である。本変形態様によれば、部品点
数および組立工数をいくらか低減することができなが
ら、前述の実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0039】また、スペーサ22が合成樹脂からなる不
導体で形成されている変形態様の実施も可能である。本
変形態様では、各圧電バイモルフ1A〜1Cの両表面電
極13と各スペーサ22との間隙13cが不要であるの
で、表面電極13のスクリーン印刷時に中央部のマスキ
ングが不要になり、工数低減になる。また、保持部材4
1A〜41C,42A〜42Cと表面電極13との間の
間隙13a,13bを形成するにあたり、スクリーン印
刷に代えて切削等の機械加工によっても間隙13a,1
3bを形成する変形態様も実施可能である。本変形態様
によれば、マスキングの工程を省くことができ、工数低
減ができる可能性がある。
【0040】なお、必要に応じて、積層する圧電バイモ
ルフ1A〜1Cの枚数を増減させた変形態様を実施する
ことも容易である。本変形態様により、リニア・アクチ
ュエータとして必要なだけの発生力を得ることができ
る。 [実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としての圧電バイ
モルフ積層型アクチュエータは、図5に側断面図を示す
ように、各圧電バイモルフ1A〜1Cを挟持している保
持部材41A〜41C,42A〜42Cが、それぞれ絶
縁材14a,14bを有する点が実施例1と異なってい
る。
【0041】すなわち、外周連結部材31に接合してい
る一方の保持部材41A〜41Cは、各圧電バイモルフ
1A〜41Cの各表面電極13のうち一方(上面側)と
当接して導通しているが、各表面電極13のうち他方
(下面側)とはそれぞれ絶縁材14bを介して絶縁され
ている。逆に、外周連結部材32に接合している他方の
保持部材42A〜42Cは、各表面電極13のうち上記
他方(下面側)と当接して導通しているが、各表面電極
13のうち上記一方(上面側)とは絶縁材14bを介し
て絶縁されている。
【0042】絶縁材14a,14bは、保持部材41A
〜41C,42A〜42Cのクリップ状の挟持部の一方
または他方の内側に形成された樹脂製の強固な塗膜であ
る。それゆえ、図6に示すように、本実施例の圧電バイ
モルフ積層型アクチュエータの平面図においても、底面
図においても、絶縁材14a,14bは保持部材41A
〜41C,42A〜42Cからはみ出していない。ま
た、各圧電バイモルフ1A〜1Cの両表面電極13に
は、図3および図4に示すような間隙13a,13bは
形成されていない。なお、この図6において、括弧付き
の符号等は、底面図に関するものである。
【0043】その他の点では、実施例2の圧電バイモル
フ積層型アクチュエータは、実施例1のそれと変わると
ころはない。 (実施例2の作用効果)本実施例の圧電バイモルフ積層
型アクチュエータでは、前述の実施例1と同様に、各圧
電バイモルフ1A〜1Cの各表面電極13と、各保持部
材41A〜41C,42A〜42Cとの接続が取られて
いる。すなわち、外周連結部材31に接合している保持
部材41A〜41Cは、各圧電バイモルフ1A〜1Cの
両表面電極13のうち一方(上面側)と当接して導通し
ている反面、両表面電極13のうち他方(下面側)とは
絶縁材14Bを介して絶縁されている。逆に、外周連結
部材32に接合している保持部材42A〜42Cは、両
表面電極13のうち他方(下面側)と当接して導通して
いる反面、表面電極13のうち一方(上面側)とは絶縁
材14aを介して絶縁されている。
【0044】このように絶縁材14a,14bを配設す
ることは、前述のように各保持部材41A〜41C,4
2A〜42Cの一部に絶縁塗膜を形成することにより、
極めて容易に実施することができる。また、実施例1と
異なり、各圧電バイモルフ1A〜1Cの両圧電板12の
周縁部の一部にマスキングを施して両表面電極13を形
成する必要がなくなるので、その分の製造工数が低減さ
れる。
【0045】したがって本実施例の圧電バイモルフ積層
型アクチュエータによれば、前述の実施例1のもつ効果
に加えて、製造がさらに容易になるという効果がある。 (実施例2の変形態様1)本実施例の変形態様1とし
て、絶縁材14a,14bを保持部材41A〜41C,
42A〜42Cに塗布する代わりに、図7に示すよう
に、表面電極13の周縁部の一部に絶縁材としての絶縁
塗膜15a,15bを、スクリーン印刷等の手段により
形成しても良い。
【0046】本変形態様では、上面側の表面電極13
は、絶縁塗膜15aによって、外周連結部材32に接合
している保持部材42A〜42Cと絶縁されている。ま
た逆に、下面側の表面電極13は、絶縁塗膜15bによ
って、外周連結部材31,32に接合している保持部材
41A〜41Cと絶縁されている。それゆえ、本変形態
様によっても実施例2と同様の作用効果が得られるばか
りではなく、絶縁塗膜15a,15bの形成はきわめて
容易であるから、製造がよりいっそう容易になるという
効果がある。
【0047】(実施例2の変形態様2)本実施例の変形
態様2として、スペーサ22(図5参照)を、合成樹脂
やセラミックス等の絶縁性の材料で形成した圧電バイモ
ルフ積層型アクチュエータの実施が可能である。本変形
態様では、表面電極13とスペーサ22との間の間隙1
3cも不要になるので、圧電板12の中央部にもマスキ
ングを施すことなく表面電極13を形成することが可能
である。すなわち、圧電板12に全くマスキングを施す
ことなく表面電極13を形成することが可能になるの
で、マスキングの工程が省略される。その結果、マスキ
ングなしに前面に表面電極13が形成された圧電板の板
材から、中央に心棒21を通す貫通孔が開いた円盤をレ
ーザカッタで切り出すことにより圧電板12が切り出さ
れる。しかる後、円盤状の弾性板11に圧電板12が接
着されて、圧電バイモルフ1A〜1Cが製作される。あ
るいは、面積の大きな弾性板の両面に圧電板のPZT板
および表面電極の導電性塗膜が形成された後、中央に心
棒21を通す貫通孔が開いた円盤をレーザカッタで切り
出すことにより、一気に圧電バイモルフ1A〜1Cを製
作することが可能になる。
【0048】したがって、本変形態様によれば、実施例
2と同様の機能を有する圧電バイモルフ積層型アクチュ
エータを、さらにいっそう安価に製造することが可能に
なるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての圧電バイモルフ積層型アク
チュエータの構成を示す側断面図
【図2】 同平面図
【図3】 同底面図
【図4】 実施例1の作用を示す模式図
【図5】 実施例2としての圧電バイモルフ積層型アク
チュエータの構成を示す側断面図
【図6】 同平面図
【図7】 実施例2の変形態様1の構成を示す平面図
【符号の説明】
1A〜1C:圧電バイモルフ 11:弾性板(ステンレス鋼製の薄板からなる円盤) 12:圧電板(PZT製の円盤) 13:表面電極(スクリーン印刷による導電性塗膜) 13a,13b,13c:間隙(表面電極のない部分) 15a,15b:絶縁塗膜 2:中央連結部材 21:心棒(ステンレス鋼製の丸棒) 22:スペーサ(ステンレス鋼製の中空円筒体) 31,32:外周連結部材(ステンレス鋼製の丸棒) 41A〜41C,42A〜42C:保持部材 14a,14b:絶縁材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性の弾性板と該弾性板の両面にそれぞ
    れ接合されている二枚の圧電板と、各該圧電板の表面を
    それぞれ覆う二枚の表面電極とを持ち、複数枚が重ねら
    れて同軸に配置されており、中央部と外周部との間に軸
    長方向の変位を生じる圧電バイモルフと、 各該圧電バイモルフの該中央部を軸長方向に互いに連結
    しており、該弾性板と導通している導電性の中央連結部
    材と、 各該圧電バイモルフの該外周部の一部を軸長方向に互い
    に連結している二本の導電性の外周連結部材とを有し、 前記外周連結部材のうち一方と前記表面電極のうち一方
    とが互いに導通しており、該外周連結部材のうち他方と
    該表面電極のうち他方とが互いに導通していて、各前記
    圧電バイモルフの一方の前記圧電板と他方の前記圧電板
    とに個別に電界が印加されることを特徴とする、 圧電バイモルフ積層型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】それぞれの前記圧電バイモルフの外周部の
    一部を挟持して前記外周連結部材のうち一方に接合して
    おり、各該圧電バイモルフの前記表面電極のうち一方と
    該外周連結部材のうち一方とを導通する導電性の保持部
    材と、 それぞれの該圧電バイモルフの該外周部の他の一部を挟
    持して該外周連結部材のうち他方に接合しており、各該
    圧電バイモルフの該表面電極のうち他方と該外周連結部
    材のうち他方とを導通する導電性の他の保持部材とを有
    する、 請求項1記載の圧電バイモルフ積層型アクチュエータ。
  3. 【請求項3】各前記圧電バイモルフの前記表面電極のう
    ち前記一方は、前記保持部材のうち一方と当接または接
    合し他方とは間隙を空けて形成されており、 該表面電極のうち前記他方は、前記保持部材のうち該他
    方と当接または接合し該一方とは間隙を空けて形成され
    ている、 請求項2記載の圧電バイモルフ積層型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】前記保持部材のうち一方は、各前記圧電バ
    イモルフの前記表面電極のうち一方と当接または接合し
    て導通しているが、該表面電極のうち他方とは絶縁材を
    介して絶縁されており、 該保持部材のうち他方は、該表面電極のうち該他方と当
    接または接合して導通しているが、該表面電極のうち該
    一方とは絶縁材を介して絶縁されている、 請求項2記載の圧電バイモルフ積層型アクチュエータ。
JP10029596A 1998-02-12 1998-02-12 圧電バイモルフ積層型アクチュエータ Pending JPH11233843A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7635941B2 (en) * 2002-05-20 2009-12-22 New Transducers Limited Transducer
JP2011135693A (ja) * 2009-12-24 2011-07-07 Taiheiyo Cement Corp 圧電バイモルフ素子

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