JPH1127963A - 積層型アクチュエータ - Google Patents

積層型アクチュエータ

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Publication number
JPH1127963A
JPH1127963A JP9180921A JP18092197A JPH1127963A JP H1127963 A JPH1127963 A JP H1127963A JP 9180921 A JP9180921 A JP 9180921A JP 18092197 A JP18092197 A JP 18092197A JP H1127963 A JPH1127963 A JP H1127963A
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JP
Japan
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piezoelectric
bimorphs
outer peripheral
connecting member
actuator
Prior art date
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Pending
Application number
JP9180921A
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English (en)
Inventor
Emi Tanetani
恵美 種谷
Nobuyuki Oya
信之 大矢
Toshiki Isogai
俊樹 磯貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH1127963A publication Critical patent/JPH1127963A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変位量および発生力が向上しており、各圧電
バイモルフの圧電板に分極反転が生じた場合にも再分極
が可能な積層型アクチュエータを提供すること。 【解決手段】 本発明の積層型アクチュエータは、同軸
に積層された三枚の圧電バイモルフ1A〜1Cと、中央
連結部材2と、二本の外周連結部材31,32とを有す
る。中央連結部材2は、各バイモルフ1の中央部を軸長
方向に互いに連結しており、全バイモルフ1の弾性板1
1に導通している。外周連結部材31,32は、支持板
41A〜41C,42A〜42Cを介して各バイモルフ
1の外周部を軸長方向に互いに連結しており、それぞれ
上下面の表面電極13と導通している。それゆえ、各バ
イモルフ1の両側の圧電板12に個別に電界が印加さ
れ、分極劣化を起こすことなく電圧を印加できるので、
大きな変位量および発生力が得られる。また、同様の理
由で、圧電板12を個別に再分極することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電バイモルフが
複数枚積層されており伸縮動作を行う積層型アクチュエ
ータの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡の焦点調節機構やマイクロマシン
の移動機構などの応用において、小型でありながら変位
量(ストローク)および発生力が大きいアクチュエータ
が希求されている。この課題に対して、発明者らは複数
の圧電バイモルフが積層されている積層型圧電アクチュ
エータを何種類か発明し、同一出願人の下で出願してき
た。たとえば特開平9−37571号公報には、複数の
圧電バイモルフの中央部と外周部とがそれぞれ中央連結
部材および外周連結部材によって連結されており、発生
力が比較的大きい積層型圧電アクチュエータが開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の従来技術においては、両面の表面電極が互いに導通
しているので、各圧電バイモルフの導電性の弾性板の両
面に接合されている二枚の圧電板には、両表面電極を介
して同電圧しか印加されなかった。すなわち、両表面電
極は外周連結部材または中央連結部材を介して互いに導
通して常に同電位に保たれており、接地されている弾性
板と両表面電極との間に電位差が印加されて、両圧電板
に同程度の電場が印加される。その際、一方の圧電板が
伸張し他方の圧電板が収縮して各圧電バイモルフが有効
に変形するためには、上記他方の圧電板には分極方向と
逆に電圧が印加されている。
【0004】それゆえ、上記従来技術の積層型アクチュ
エータでは、各圧電バイモルフに印加できる電圧が圧電
板の分極劣化や分極反転を起こさない範囲に制限されて
いる必要があるので、発生力および変位量(ストロー
ク)が制限されていた。また、印加電圧が高すぎて一方
の圧電板に分極劣化や分極反転が生じてしまった場合に
は、この一方の圧電板を再分極させようとして高電圧を
かけると、他方の圧電板に分極反転が生じてしまう。そ
れゆえ、一方の圧電板に分極劣化や分極反転を生じてし
まうと、これを再分極により回復することができなかっ
た。
【0005】そこで本発明は、各圧電バイモルフの変位
量および発生力が従来技術よりも向上しており、各圧電
バイモルフの圧電板に分極劣化や分極反転が生じた場合
にも再分極が可能な積層型アクチュエータを提供するこ
とを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、発明者らは以下の手段を発明
した。 (第1手段)本発明の第1手段は、請求項1記載の積層
型アクチュエータである。本手段では、圧電板が複数枚
同軸に積層されており、各圧電バイモルフの一方の圧電
板と他方の圧電板とに個別に電界が印加される。たとえ
ば、弾性板を接地しておき、一方の圧電板の表面を覆う
表面電極に導通する端子と他方の圧電板の表面を覆う表
面電極に導通する端子とに別個に電圧が印加されていれ
ば、一方の圧電板と他方の圧電板とに個別に電界が印加
される。
【0007】この際、材料の分極方向と印加電界の方向
とが逆である圧電板では、圧電板が分極劣化や分極反転
を起こさない程度に印加電圧は制限されて設定される。
逆に材料の分極方向と印加電界の方向とが同じ方向であ
る圧電板では、圧電板が分極劣化や分極反転を起こす恐
れがないので、材料の持つ圧電特性による面内方向の収
縮が十分に得られるように、印加電圧は先ほどよりも大
きく設定される。ただしこの場合にも、比較的大きい収
縮が得られながら絶縁破壊等の不都合が起きない範囲で
印加電圧は設定される。
【0008】すると、一方の圧電板が分極劣化や分極反
転を起こさない程度に制限された印加電圧が他方の圧電
板にも印加される従来技術と比べ、各圧電バイモルフが
発揮する変位量および発生力は増大する。その結果、複
数の圧電バイモルフの積層体である本手段の積層型アク
チュエータは、従来技術の積層型アクチュエータに比較
して発揮しうる変位量および発生力は増大する。
【0009】また、本手段の積層型圧電アクチュエータ
において、各圧電バイモルフのうち一方の圧電板に分極
劣化や分極反転が生じた場合には、他方の圧電板とは別
個にこれらの一方の圧電板に電界を印加することができ
る。それゆえ、他方の圧電板に分極劣化や分極反転を起
こすことなく、一方の圧電板にだけ強力な電界を印加し
て再分極させ、もとの分極特性を回復することが可能で
ある。
【0010】したがって本手段によれば、各圧電バイモ
ルフの変位量および発生力が従来技術よりも向上してお
り、当然積層型アクチュエータとしての変位量および発
生力も向上させることができるという効果がある。ま
た、本手段の積層型アクチュエータによれば、各圧電バ
イモルフの圧電板に分極劣化や分極反転が生じた場合に
も、容易に同圧電板の再分極が可能であるという効果が
ある。
【0011】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載の積層型アクチュエータである。本手段では、中
央連結部材は全ての圧電バイモルフの弾性板と導通して
おり、複数の外周連結部材のうち二本は全ての圧電バイ
モルフの両表面電極のうち一方と他方とにそれぞれ導通
している。それゆえ、たとえば中央連結部材を接地し、
上記二本の外周連結部材をそれぞれ別個の電源端子に接
続すれば、リード線等の複雑な配線は不要となり配線が
簡素化される。それでいて、両電源端子の印加電圧を別
個に制御することにより、前述の第1手段のように、全
ての圧電バイモルフの一方の圧電板と他方の圧電板とに
印加される電界を個別に制御することが可能になる。
【0012】したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、配線が簡素化されるので、工数の低
減およびコストダウンと信頼性の向上とが同時に達成さ
れるという効果がある。 (第3手段)本発明の第3手段は、請求項3記載の積層
型アクチュエータである。
【0013】本手段では、互いに隣り合う各圧電バイモ
ルフは、中央連結部材と外周連結部材とによりそれぞれ
外周部と中央部とが交互に連結されているので、各圧電
バイモルフの変位量の総和が積層型アクチュエータの変
位量となる。したがって本手段によれば、前述の第1手
段の効果に加えて、極めて大きな変位量(ストローク)
が発揮されるようになるという効果がある。なお、本手
段の積層型アクチュエータによれば、前述のように各圧
電バイモルフの変位量が従来よりも大きいので、従来技
術により同様な構成で積層された積層型アクチュエータ
に比べても、より大きな変位量とより大きな発生力とが
発揮される。
【0014】(第4手段)本発明の第4手段は、請求項
4記載の積層型アクチュエータである。本手段では、各
圧電バイモルフの両表面電極は、中央部を中心に複数の
扇状の区画に分割されており、別個に電圧が印加されう
る。それゆえ、本手段の積層型アクチュエータでは、単
に変位量が大きな伸縮動作が可能であるだけではなく、
屈曲動作を行うことも可能である。
【0015】したがって本手段によれば、前述の第3手
段の効果に加えて、屈曲動作を行うことも可能になると
いう効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態および実施例】本発明の積層型アク
チュエータの実施の形態については、当業者に実施可能
な理解が得られるよう、以下の実施例で明確かつ十分に
説明する。 [実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としての積層型ア
クチュエータは、図1および図2に示すように、三枚の
円盤状の圧電バイモルフ1A〜1Cと、一本の中央連結
部材2と、左右両側に各一本の外周連結部材31,32
と、支持板41A〜41C,42A〜42Cと、二つの
絶縁リング5とからなる。
【0017】圧電バイモルフ1A〜1C(圧電バイモル
フ1と総称)は、それぞれステンレス鋼製で導電性のあ
る弾性板11と、弾性板11の両面にそれぞれ接合され
ている二枚のPZT製の圧電板12と、各圧電板12の
表面をそれぞれ覆う二枚の銀製の表面電極13とを持
つ。圧電バイモルフ1は、両圧電板12に電界が印加さ
れると中央部と外周部との間に軸長方向の変位を生じる
平面変形素子であって、軸長方向に三枚が所定間隔を空
けて重ねられ同軸に配置されている。なお、各圧電板1
2のPZTは、予め同一方向(図3参照)に分極されて
いる。
【0018】中央連結部材2は、各圧電バイモルフ1の
弾性板11の中央部の貫通孔に挿置されている中心軸2
1と、各弾性板11の中央部を挟持する四つのスペーサ
22とからなり、各圧電バイモルフ1の中央部を軸長方
向に互いに連結している。中心軸21は、ステンレス鋼
製の丸棒部材であって、各弾性板11にレーザ溶接で固
定されている。各スペーサ22は、ステンレス鋼製のパ
イプ材であって、各スペーサ22内に挿置されている中
央連結部材2にレーザ溶接によって固定されている。
【0019】外周連結部材31,32(外周連結部材3
と総称)は、支持板41A〜41C,42A〜42Cを
介して、それぞれ各圧電バイモルフ1の外周部を軸長方
向に互いに連結している。外周連結部材3は、中央連結
部材2と同様にステンレス鋼製の丸棒状の部材であっ
て、外周連結部材31は支持板41A〜41Cの左端部
の切り欠きにレーザ溶接で固定されており、外周連結部
材32は支持板42A〜42Cの右端部の切り欠きにレ
ーザ溶接で固定されている。
【0020】支持板41A〜41C,42A〜42C
(支持板4と総称)は、ステンレス鋼製の長円形の略円
盤状ないし略リング状の部材であり、上記切り欠きと反
対側には円弧状の外周縁に同心円的に貫通孔が形成され
ている。この貫通孔の周縁部は、導電性の接着剤で各圧
電バイモルフ1の一方の表面電極13の外周部に接合さ
れている。
【0021】すなわち、支持板41A,42Aは、圧電
バイモルフ1Aの外周部を上下から挟持して、それぞれ
表面電極13に接続している。同様に、支持板41B,
42Bは、圧電バイモルフ1Bの外周部を上下から挟持
してそれぞれ表面電極13に接続しており、支持板41
C,42Cは、圧電バイモルフ1Cの外周部を上下から
挟持してそれぞれ表面電極13に接続している。
【0022】二つの絶縁リング5は、それぞれ硬質ゴム
製または樹脂製のリング状の部材である。絶縁リング5
のうち一方は、支持板42Aと41Bとの間に介在して
両者42A,41Bに接着されており、両者を互いに絶
縁するとともに両者を上記貫通孔の周縁部で互いに連結
している。同様に、絶縁リング5のうち他方は、支持板
42Bと41Cとの間に介在して両者42B,41Cに
接着されており、両者を互いに絶縁するとともに上記貫
通孔の周縁部で互いに連結している。
【0023】それゆえ、各圧電バイモルフ1A〜1Cの
上面の表面電極13は、それぞれ支持板41A〜41C
を介して外周連結部材31に電気的に接続されている。
同様に、各圧電バイモルフ1A〜1Cの下面の表面電極
13は、それぞれ支持板42A〜42Cを介して外周連
結部材31に電気的に接続されている。また、各圧電バ
イモルフ1A〜1Cの弾性板11は、中央連結部材2に
電気的に接続されている。
【0024】したがって、図2に示すように、外周連結
部材31が電源端子Aに接続されれば、各圧電バイモル
フ1A〜1Cの上面の表面電極13は、電気的に電源端
子Aに接続される。同様に、外周連結部材32が電源端
子Bに接続されれれば、各圧電バイモルフ1A〜1Cの
下面の表面電極13は、電気的に電源端子Bに接続され
る。さらに、中央連結部材2がアース端子Eに接続され
れば各弾性板11がアース端子Eと導通するので、電源
端子A,Bにそれぞれ電圧が印加されると、各圧電バイ
モルフ1A〜1Cの上側の圧電板12と下側の圧電板1
2とにそれぞれ電界が印加される。
【0025】すなわち、図3に示すように、各圧電バイ
モルフ1の弾性板11がアース端子Eと導通しているの
で、電源端子A,Bにそれぞれ電圧が印加されると、各
圧電バイモルフ1A〜1Cの上側の圧電板121と下側
の圧電板122とにそれぞれ電界が印加される。したが
って、各圧電バイモルフ1A〜1Cの一方の圧電板12
1と他方の前記圧電板122とに個別に電界が印加され
る。
【0026】たとえば、両電源端子A,Bにそれぞれ正
電圧が印加されると、上側の圧電板121には分極方向
と同方向に電界が発生するので面内方向の収縮を生じ、
下側の圧電板122には分極方向と逆方向に電界が発生
するので面内方向の伸張を生じる。その結果、各圧電バ
イモルフ1は下方に凸に曲率を生じて変形し、外周部に
対して中央部が下方へ同軸的に変位する。逆に、両電源
端子A,Bにそれぞれ負電圧が印加されると、各圧電バ
イモルフ1は上方に凸に曲率を生じて変形し、外周部に
対して中央部が上方へ同軸的に変位する。
【0027】(実施例1の作用効果)本実施例の積層型
圧電アクチュエータは、以上のように構成されているの
で、以下のような二つの作用効果を発揮する。本実施例
の積層型圧電アクチュエータが発揮する第1の効果は、
発生力および変位量の増大であり、第2の効果は、分極
劣化や分極反転が生じた場合にも再分極可能であること
である。
【0028】第1の効果である発生力および変位量の増
大については、以下のように説明することができる。先
ず、本実施例との比較例として、図4に示すように、従
来技術のように両表面電極13が互いに導通しており、
両表面電極13と弾性板11との間に同電圧が印加され
る場合を想定してみる。この場合には、一方の圧電板1
2には分極方向と逆方向に印加電圧が加わる(図6
(a)参照)ので、印加電圧を与える端子電圧は分極劣
化や分極反転を起こさない程度の電圧±V1に制限され
る。それゆえ、両方の圧電板121,122(図6
(a)参照)において、制限された印加電圧±V1のも
とではそれに対応するだけの積層型アクチュエータの伸
縮量±a1および発生力±p1しか発揮されない。
【0029】次に、図5に示すように、本実施例の積層
型圧電アクチュエータにおいて、電源端子A,Bに正の
電圧を印加する場合には、一方の圧電板12では分極方
向と逆電界になるので、一方の電源端子にかけうる印加
電圧は前述のようにV1に制限される。しかし、他方の
圧電板12では電界が分極方向と同じ方向になるので、
他方の電源端子にかけうる印加電圧としては、V1より
もずっと大きいV2をかけることができる(図7(a)
参照)。逆に、電源端子A,Bに負の電圧を印加する場
合には、同様の理由で、一方の圧電板12には他方の印
加電圧−V1よりもずっと強大な−V2の印加電圧をか
けることが可能である。
【0030】それゆえ、一方の圧電板12での面内伸縮
量は先ほどの比較例と同等であるが、他方の圧電板12
での面内伸縮量は先ほどの比較例よりもずっと増大して
いる。その結果、圧電バイモルフ1A〜1Cひいては積
層型アクチュエータの発揮することができる変位量およ
び発生力は、従来技術に比べて増大する。どの程度増大
するかというと、通常の圧電バイモルフを使用した場合
には、おおよそ2倍〜3倍程度である。
【0031】第2の効果である分極劣化や分極反転が起
こった場合に再分極が可能である点については、以下の
ように説明することができる。先ず、本実施例に対する
比較例として、図6(a)に示すように同一の電源端子
A’に上下二つの表面電極131,132が接続され
て、同一レベルの電界が上下の圧電板121,122に
印加されるものとする。ここで仮に、図6(b)に示す
ように、共通の電源端子A’に過大な正電圧が印加され
て上側の圧電板121に分極反転が生じてしまったとす
る。このままでは圧電バイモルフとして用をなさないの
で、共通の電源端子A’に強大な負電圧をかけて上側の
圧電板121を再分極させるものとする。すると、図6
(c)に示すように、上側の圧電板121は再分極して
分極方向が回復するものの、今度は下側の圧電板122
が分極反転を起こしてしまい、圧電バイモルフとしての
機能を回復することができないという不都合が生じる。
【0032】次に、本実施例の積層型圧電アクチュエー
タにおいては、図7(b)に示すように、各圧電バイモ
ルフ1のうち上側の圧電板121に分極反転が生じた場
合には、下側の圧電板122とは別個に、電源端子Bか
ら圧電板121だけに電界を印加することができる。そ
れゆえ、図7(c)に示すように、下側の圧電板122
に分極劣化や分極反転を起こすことなく、上側の圧電板
121にだけ強力な電界を印加して再分極させ、もとの
分極特性を回復することが可能である。
【0033】以上の効果をまとめると、本実施例の積層
型圧電アクチュエータによれば、各圧電バイモルフ1A
〜1Cの変位量および発生力が従来技術よりも向上して
いるので、積層型アクチュエータとしての変位量および
発生力が向上するという効果がある。また、各圧電バイ
モルフ1A〜1Cの圧電板121,122に分極劣化や
分極反転が生じた場合にも、圧電板121,122に容
易に別個に電界をかけることができるので、圧電板12
1,122をそれぞれ再分極することが可能であるとい
う効果がある。
【0034】なお、本実施例の積層型圧電アクチュエー
タには、付随的な効果として、配線が簡素であるという
効果がある。すなわち本実施例の積層型圧電アクチュエ
ータでは、再び図2に示すように、中央連結部材2は全
ての圧電バイモルフ1A〜1Cの弾性板11と導通して
いる。また、二本の外周連結部材31,32は、圧電バ
イモルフ1A〜1Cの上下両表面電極13のうち一方と
他方とにそれぞれ導通している。それゆえ、中央連結部
材2はアース端子Eに接地されており、二本の外周連結
部材31,32は別個の電源端子A,Bに接続されてい
るので、リード線等の複雑な配線は不要となり配線が簡
素化されている。
【0035】したがって、本実施例の積層型圧電アクチ
ュエータによれば、配線が簡素化されるので、工数の低
減およびコストダウンと信頼性の向上とが同時に達成さ
れるという効果もある。 [実施例2] (実施例2の構成)本発明の実施例2としての積層型ア
クチュエータは、図8に示すように、同軸に積層されて
いる六枚の圧電バイモルフ1A〜1Fと、各圧電バイモ
ルフ1の中央部を軸長方向に互いに連結している二つの
中央連結部材2’と、各圧電バイモルフ1の外周部を軸
長方向に互いに連結している三つの外周連結部材3’と
からなる。本実施例の積層型圧電アクチュエータが実施
例1と異なる点は、互いに隣り合う各圧電バイモルフ1
は、中央連結部材2’と外周連結部材3’とによりそれ
ぞれ外周部と中央部とが交互に連結されている点であ
る。
【0036】中央連結部材2’は、所定の高さの円筒体
状のステンレス鋼の部材であり、一個は圧電バイモルフ
1Bの中央部と圧電バイモルフ1Cの中央部との間に介
在しており、両者にレーザ溶接されて両者を連結してい
る。中央連結部材2’の他の一個は、圧電バイモルフ1
Dの中央部と圧電バイモルフ1Eの中央部とにレーザ溶
接されて両者を連結している。
【0037】一方、外周連結部材3’は、所定の高さの
薄肉の中空円筒状のステンレス鋼製の部材であり、その
うち一つは圧電バイモルフ1Aの外周部と圧電バイモル
フ1Bの外周部との間に介在しており、両者にレーザ溶
接されて両者を連結している。他の一つは、圧電バイモ
ルフ1Cの外周部と圧電バイモルフ1Dの外周部との間
に介在しており、両者にレーザ溶接されて両者を連結し
ている。同様に、さらに他の一つは、圧電バイモルフ1
Eの外周部と圧電バイモルフ1Fの外周部との間に介在
しており、両者にレーザ溶接されて両者を連結してい
る。
【0038】各圧電バイモルフ1A〜1Fの一方の表面
電極13と他方の表面電極13とには、電源端子Aから
のリード線と電源端子Bからのリード線とが交互に接続
されている。 (実施例2の作用効果)本実施例の積層型圧電アクチュ
エータは、以上のように構成されているので、以下のよ
うな作用効果を発揮する。
【0039】前述のように、電源端子Aからのリード線
と電源端子Bからのリード線とが上下各面の表面電極1
3に交互に接続されている。ここで、各圧電バイモルフ
1A〜1Fの一方の圧電板12と他方の圧電板12とに
個別に電界が印加されると、一方の圧電板12が面内方
向に収縮すると他方の圧電板12は面内方向に伸張す
る。そして、圧電バイモルフ1A〜1Fの中央部と外周
部との間に互いに対向および背向する変位が交互に生じ
るので、各圧電バイモルフ1A〜1Fの変位量の総和が
本実施例の積層型アクチュエータの変位量になる。ただ
し、最大発生力は圧電バイモルフ1の一枚分と等価であ
る。
【0040】したがって、本実施例の積層型圧電アクチ
ュエータによれば、極めて大きな変位量(ストローク)
が発揮されるようになるという効果がある。さらに、実
施例1で述べたように各圧電バイモルフ1A〜1Fの変
位量が従来よりも大きいので、従来技術により同様な手
段で積層された積層型アクチュエータに比べても、より
大きな変位量とより大きな発生力とが発揮される。ま
た、実施例1と同様に、分極劣化や分極反転を生じた場
合にも、再分極により容易に初期の分極状態を回復する
ことができる。
【0041】[実施例3] (実施例3の構成)本発明の実施例3としての積層型ア
クチュエータは、図9に示すように、同軸に積層されて
いる圧電バイモルフ1A’〜1F’と、各圧電バイモル
フ1の中央部を軸長方向に互いに連結している中央連結
部材2’と、各圧電バイモルフ1の外周部を軸長方向に
互いに連結している外周連結部材3’とからなる。二つ
の中央連結部材2’および三つの外周連結部材3’の構
成は、前述の実施例2と同様である。
【0042】本実施例の積層型圧電アクチュエータが実
施例2と異なる点は、図10(a)〜(b)に一ユニッ
トを示すように、各圧電バイモルフ1A’〜1F’の両
面の表面電極13’は、中央部を中心に複数の扇状の区
画131’〜133’に分割されている点である。そし
て、両表面電極13’の各区画131’〜133’に
は、再び図9に示すように、別個の電源端子A〜F
(E,Fは図略)により個別の印加電圧が加えられるよ
うになっている。なお、各圧電バイモルフ1A〜1F毎
に、上側の表面電極13と下側の表面電極13とに交互
に印加電圧が加えられる点は、実施例2と同様である。
【0043】(実施例3の作用効果)本実施例の積層型
圧電アクチュエータは、以上のように構成されているの
で、表面電極13’の各区画131’〜133’に均等
に印加電圧をかけることにより、実施例2と同様に大き
な変位量で伸縮動作を行うことができる。そればかりで
はなく、表面電極13’の各区画131’〜133’に
異なる印加電圧をかけることにより、圧電バイモルフ1
A〜1Fに周方向に不均一な曲げ変形を生じ、屈曲動作
を行うことも可能になっている。
【0044】したがって、本実施例の積層型圧電アクチ
ュエータによれば、実施例2と同様の作用効果を生じる
ばかりではなく、屈曲動作を行うことも可能になるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としての積層型アクチュエータの構
成を示す平面図
【図2】 実施例1としての積層型アクチュエータの構
成を示す側断面図
【図3】 実施例1の圧電バイモルフの構成を模式的に
示す側断面図
【図4】 実施例1との比較例としての通常の印加電圧
と作用を示すグラフ
【図5】 実施例1の積層型アクチュエータの印加電圧
と作用を示すグラフ
【図6】 実施例1との比較例の圧電バイモルフの分極
作用を示す組図 (a)初期状態を模式的に示す側断面図 (b)分極反転を模式的に示す側断面図 (c)再分極を模式的に示す側断面図
【図7】 実施例1の圧電バイモルフの分極作用を示す
組図 (a)初期状態を模式的に示す側断面図 (b)分極反転を模式的に示す側断面図 (c)再分極を模式的に示す側断面図
【図8】 実施例2としての積層型アクチュエータの構
成を示す側端面図
【図9】 実施例3としての積層型アクチュエータの構
成を示す側端面図
【図10】実施例3としての積層型アクチュエータの構
成を示す組図 (a)圧電バイモルフ等の構成を示す平面図 (b)圧電バイモルフ等の構成を示す側端面図
【符号の説明】
1,1A〜1F,1A’〜1F’:圧電バイモルフ 11:弾性板(ステンレス鋼製) 12,121,122:圧電板(PZT製) 13,131,132,13’,131’〜133’:
表面電極(銀膜製) 2,2’:中央連結部材 21:中心軸(ステンレス鋼製) 22:スペーサ
(ステンレス鋼製) 3,31,32,3’:外周連結部材(ステンレス鋼
製) 4,41,41A〜41C,42,42A〜42C:支
持板(ステンレス鋼製) 5:絶縁リング(硬質ゴム製または合成樹脂製) E:アース LA,LB:リード線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性の弾性板と該弾性板の両面にそれぞ
    れ接合されている二枚の圧電板と各該圧電板の表面をそ
    れぞれ覆う二枚の表面電極とを持ち、複数枚が重ねられ
    同軸に配置されていて、中央部と外周部との間に軸長方
    向の変位を生じる圧電バイモルフと、 各該圧電バイモルフの該中央部を軸長方向に互いに連結
    している中央連結部材と、 各該圧電バイモルフの該外周部を軸長方向に互いに連結
    している外周連結部材と、を有し、 各前記圧電バイモルフの一方の前記圧電板と他方の前記
    圧電板とに個別に電界が印加されることを特徴とする、 積層型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】前記中央連結部材は、導電性であって全て
    の前記圧電バイモルフの前記弾性板と導通しており、 前記外周連結部材は導電性であって複数本あり、該外周
    連結部材のうち二本は全ての前記圧電バイモルフの両前
    記表面電極のうち一方と他方とにそれぞれ導通してい
    る、 請求項1記載の積層型アクチュエータ。
  3. 【請求項3】互いに隣り合う各前記圧電バイモルフは、
    前記中央連結部材と前記外周連結部材とによりそれぞれ
    前記外周部と前記中央部とが交互に連結されている、 請求項1記載の積層型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】両前記表面電極は、前記中央部を中心に複
    数の扇状の区画に分割されている、請求項3記載の積層
    型アクチュエータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101047843B1 (ko) 2009-03-16 2011-07-11 에스에이이 마그네틱스 (에이치.케이) 리미티드 헤드 짐벌 어셈블리의 제조 방법, 하드 디스크 장치의 제조 방법, 헤드 짐벌 어셈블리, 및 하드 디스크 장치

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101047843B1 (ko) 2009-03-16 2011-07-11 에스에이이 마그네틱스 (에이치.케이) 리미티드 헤드 짐벌 어셈블리의 제조 방법, 하드 디스크 장치의 제조 방법, 헤드 짐벌 어셈블리, 및 하드 디스크 장치

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