JPH11230961A - 材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法と装置 - Google Patents

材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法と装置

Info

Publication number
JPH11230961A
JPH11230961A JP10036243A JP3624398A JPH11230961A JP H11230961 A JPH11230961 A JP H11230961A JP 10036243 A JP10036243 A JP 10036243A JP 3624398 A JP3624398 A JP 3624398A JP H11230961 A JPH11230961 A JP H11230961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
maximum
defect
inclusion
samples
size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10036243A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayoshi Murakami
敬宜 村上
Beretta Stefano
ベレッタ ステファノ
Masaaki Kobayashi
正明 小林
Misa Obana
美佐 尾花
Takayoshi Mizukami
貴義 水上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nireco Corp
Original Assignee
Nireco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nireco Corp filed Critical Nireco Corp
Priority to JP10036243A priority Critical patent/JPH11230961A/ja
Publication of JPH11230961A publication Critical patent/JPH11230961A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Complex Calculations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分布関数のパラメータλ,δを推定する方法
及び最大欠陥寸法を推定するのに必要な最小サンプル数
を得る方法を提供する。 【解決手段】 n個のサンプルから最大欠陥又は最大介
在物を極値統計法を用いて算出するに際し、再帰期間T
の関数で表した欠陥又は介在物の寸法x(T)をパラメ
ータ(λ,δ)を含む(1)式 x(T)=λ−δ・ln{−ln(1−1/T)}…
(1) で表し、このパラメータをn個のサンプルより最大尤度
法を用いて決定し、所定の再帰期間Tのx(T)を算出
する最大欠陥寸法算出手段と、n個のサンプルより材料
の疲労破壊の要因となる欠陥又は介在物の寸法の標準偏
差を求める標準偏差算出手段と、欠陥又は介在物の寸法
がx(T)の所定%に等しいとして、最大欠陥又は最大
介在物を算出するに必要なサンプル数nを算出する最小
サンプル数算出手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極値統計法を用い
て材料中の最大欠陥又は最大介在物の寸法や最大欠陥又
は最大介在物の寸法を推定するのに必要な最小サンプル
数を算出する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料中に含まれる欠陥の評価方法は
現在まで多数提案されている。しかし、欠陥の形状、大
きさ、材質、分布などが多様であるため欠陥と疲労強度
の関係を統一的、定量的に明らかにするのは困難であっ
た。しかし、微小欠陥の疲労強度や欠陥を起点とする疲
労破壊現象などの解析が進み、最大欠陥の寸法が疲労強
度に大きな影響を及ぼすことが解明された。欠陥の寸法
としては欠陥を最大主応力方向へ投影した面積の平方根
√areaが用いられる。この最大欠陥を推定する方法とし
て極値統計法が用いられる。
【0003】極値分布はある基本分布関数に従うデータ
から一定の数のデータ集合を取り出したとき、各集合の
最大値や最小値が従う分布である。基本分布が正規分布
や指数分布であってもその極値分布は基本分布とは異な
った分布となる。この分布の解析を極値統計という。極
値分布のなかで、正規分布や指数分布、対数分布のよう
に裾野が指数的に減少すると見なせる分布関数を基本分
布関数にもつものを二重指数分布と呼ぶ。自然界に存在
する多くの分布には指数分布に従うものも多く、二重指
数分布は広く利用されている。金属中に含まれる欠陥の
分布は指数分布に従うものが多いと予想され、その極値
分布が二重指数分布に従うので極値統計を用いて最大欠
陥寸法を推定することができる。
【0004】極値統計は、得られた試料に対して特定の
確率分布を当てはめ、その分布関数を使って長期間に1
回以上出現すると予想される事象の大きさやその推定値
の信頼区間等を推定する。この分布関数F(x)とは、
統計的に分布する量を大きさの順に並べてその累積度を
求め、全体個数に対する比率で表したものであり、その
統計量が特定の値を超えない確率を表す。従って分布関
数F(x)は統計量xが−∞から∞の間に0から1に向
って単調に増加する関数である。また分布関数をxにつ
いて微分したものは確率密度分布関数f(x)である。
統計量tがxからx+dxの間に分布する確率はf
(x)dxで表せる。与えられた統計試料についての分
布関数は累積度数分布に基づいて直ちに計算できるが、
知りたいのはサンプルとして入手した統計試料が所属す
る母集団の関数分布である。
【0005】この分布関数としてFT−1型分布(Fish
er-Tippett Type)がよく用いられる。これは二重型指数
分布であり、F(x)とf(x)は次のように表され
る。 F(x)=exp[−exp{−(x−λ)/δ}]…(2) f(x)=exp{−(x−λ)/δ}・exp[−exp{−(x−λ)/δ }]/δ …(3) ここにパラメータλは尺度母数(scale parameter)、パ
ラメータδは位置母数(location parameter) と呼ばれ
る。
【0006】このとき欠陥寸法x(T)は再帰期間Tと
して次式で表される。 x(T)=λ−δ・ln{−ln(1−1/T)} …(1) ここで再帰期間Tとは、対象とする事象のうちある特定
の値を超えるものが平均して1回起きる時間間隔を言
う。この(1)式は(2)式より導かれる。
【0007】極値統計のサンプル試料に対して分布関数
F(x)を当てはめることは、分布関数のパラメータ
λ,δを推定することを意味する。この推定法としては
次の3つの方法が用いられる。 最小2乗法(LQ法:Least Squares method) 母
関数から抽出されたデータが直線上にプロットされるよ
うに数値計算し、その直線からパラメータλ,δを推定
する。 積率法(Mom法:Moment method ) 分布関数の
平均と標準偏差をサンプリング試料の平均と標準偏差に
等しいと仮定し、これによりパラメータλ,δを推定す
る。 最大尤度法(ML法:Maximum Likelihood method)
与えられたn個のランダムなデータに対して定義され
る尤度関数L=Σln{f(xi ,λ,δ)}の値を最
大にするように、パラメータλ,δを推定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】分布関数のパラメータ
λ,δを推定する方法として最小2乗法が多く用いられ
ていたが、最大欠陥寸法を推定する場合最適な方法であ
るとの検討はなされておらず、どの方法がよいか不明で
あった。また所定の精度で最大欠陥を推定するのに必要
な最小サンプル数を得る方法も無かった。
【0009】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
もので、分布関数のパラメータλ,δを推定する方法を
提供することを目的とする。また所定の精度で最大欠陥
を推定するのに必要な最小サンプル数を得る方法及び装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明では、n個のサンプルから材料の疲労破
壊の要因となる最大欠陥又は最大介在物を極値統計法を
用いて算出するに際し、再帰期間Tの関数で表した欠陥
又は介在物の寸法x(T)をパラメータ(λ,δ)を含
む(1)式 x(T)=λ−δ・ln{−ln(1−1/T)}…(1) で表し、このパラメータをn個のサンプルより最大尤度
法を用いて決定するようにする。
【0011】実際の欠陥検査で得られたn個のサンプル
から、λ,δを上記3つの方法の内の何れかの方法で計
算し、式(1)に代入することにより、材料中に含まれ
る最大欠陥寸法を推定できる。しかし、この推定値は真
の母集団からn個取り出したサンプルによって行った推
定であり、別のn個を取り出せば、異なった推定値が得
られる。そこでZを母集団から得られたパラメータ
(λ,δ)とし、Ziを母集団からそれぞれ異なったn
個のサンプルを取り出し、m個のサンプル集団を作り、
1からmまでの中のi番目の集団より得られたパラメー
タ(λ,δ)とし、次の式を定義する。 bias=E(Zi)−Z …(4) std.error =σ(Zi) …(5) ここで、E(Zi),σ(Zi)はそれぞれ推定された
Ziの平均値と標準偏差である。
【0012】図1はT=109 、母集団のλ=1000
μm、δ=100μmで、サンプル数nを変えて、上記
3つの方法で得られたパラメータのbias値を示す。Mo
m法とML法によるbias値はLQ法によるbias値よりも
常に小さい。また図2は同じ条件で上記3つの方法で得
られたパラメータのstd.error 値を示す。ML法が最も
低い値を示す。故にML法がパラメータを推定する上で
最も適した方法であることがわかる。
【0013】請求項2の発明では、n個のサンプルによ
る材料の疲労破壊の要因となる欠陥又は介在物の寸法の
標準偏差を求め、欠陥又は介在物の寸法が所定%の信頼
区間となるように標準偏差に係数を乗じ、この乗算値
が、最大欠陥又は最大介在物の寸法を極値統計法を用い
て算出する請求項1の(1)式より得られる最大欠陥又
は最大介在物寸法の所定%に等しいとして、最大欠陥又
は最大介在物を算出するに必要なサンプル数nを算出す
る。
【0014】パラメータ(λ,δ)を分布パラメータと
称すると、この分布パラメータを有する任意の関数Q
(Z)にも式(4),(5)が適用できる。ML法を用
いて得られたQ(Z)のstd.error は次の(6)式で示
すCramer-Rao Lower boundとして知られている理論的な
標準偏差より大きいか、少なくても等しいことを発明者
は見出した。再帰期間Tに対する欠陥寸法の標準偏差S
D[x(T)]は、 SD[x(T)]=δ√(0.60793y2 +0.51404y+1.10866)/√n…(6) ここで、yは基準化変数(reduced variate)で次式で表
される。 y=−ln{−ln(1−1/T)}…(7) 従って、再帰期間Tにおける欠陥寸法x(T)の、例え
ば、95%信頼区間は、 x(T)±1.96SD[x(T)]…(8) で与えられる。ここで1.96は上側確率の2.5%で
ある。なお、欠陥寸法としては、欠陥の最大径、平均
径、等価円半径、面積の平方根などを表すものとする。
【0015】この信頼区間を用いて、所定の信頼区間に
対応した欠陥寸法となるのに必要な最小のサンプル数を
求めることができる。例えば、95%信頼区間が(1)
式で与えられた再帰期間Tにおける欠陥寸法x(T)の
±10%誤差範囲内に入るようなサンプル数を計算する
ことであり、次式が成立する。 1.96SD[x(T)]=0.1x(T)…(9) この(9)式に(1)式と(6)式を代入すると、次式
が得られる。 n=(19.6δ)2(0.60793y2 +0.51404y+1.10866)/(λ+δy)…(10) このnが最小サンプル数である。
【0016】図3は誤差範囲が±10%以内となるのに
必要な最小サンプル数の曲線を示す。縦軸は必要最小サ
ンプル数を表し、横軸はδ/λratio を表す。δ/λra
tioはshape ratio と呼ばれ、パラメータδ,λを基準
化したもので、分布形状を表す。最小サンプル数nは5
0〜220の間にあり、δ/λratio とTが大きくなる
につれて増大する。
【0017】請求項3の発明では、母集団から異なるn
個のサンプルの群をm個作り、各群の材料の疲労破壊の
要因となる最大欠陥又は最大介在物寸法の平均値と母集
団の最大欠陥又は最大介在物寸法との差をバイアスと
し、サンプル数nの数をk個増加したとき、前記バイア
スの減少率がq%以下となったときのサンプル数nを最
大欠陥又は最大介在物寸法を算出するに必要なサンプル
数とする。
【0018】図4は(4)式で示すbiasがサンプル数n
の変化に応じて変わる様子を示す。縦軸がbiasの値をμ
mで示し、横軸がサンプル数を示す。biasはサンプル数
nが増加するとともに減少する。この減少率がサンプル
数を、例えば、20個増加させたとき、0.1%以下に
なった時にbiasの減少が安定したとし、その時のサンプ
ル数nを算出する。図4の2本の縦線はbiasの安定性を
示し、右側の縦線が20個増加させたとき、0.1%以
下になった時を示し、左側の縦線が20個増加させたと
き、0.2%以下になる時を示す。いずれを取るかは総
合的に考慮して決める。
【0019】図5はサンプル数10個(図5a)、20
個(図5b)の増加に対して、0.1%以下にbiasの減
少率が収束する場合のサンプル数nとshape ratio との
関係を、再帰期間T=103 〜109 について示したも
のである。このようにサンプル数の増加数とbiasの減少
率との関係から最小サンプル数を決めることができる。
なお、最終的にある再帰期間Tにおける最大欠陥寸法を
予測するための最小サンプル数は、請求項2と3による
発明から得られる数のうち大きい方を採用するのがよ
い。
【0020】請求項4の発明では、n個のサンプルから
最大欠陥又は最大介在物を極値統計法を用いて算出する
に際し、再帰期間Tの関数で表した欠陥又は介在物の寸
法x(T)をパラメータ(λ,δ)を含む(1)式 x(T)=λ−δ・ln{−ln(1−1/T)}…(1) で表し、このパラメータをn個のサンプルより最大尤度
法を用いて決定し、所定の再帰期間Tのx(T)を算出
する最大欠陥寸法算出手段と、n個のサンプルより材料
の疲労破壊の要因となる欠陥又は介在物の寸法の標準偏
差を求める標準偏差算出手段と、欠陥又は介在物の寸法
が所定%の信頼区間となるように前記標準偏差に係数を
乗じ、この乗算値が、前記最大欠陥寸法算出手段で算出
したx(T)の所定%に等しいとして、最大欠陥又は最
大介在物を算出するに必要なサンプル数nを算出する最
小サンプル数算出手段と、を備える。
【0021】本発明の最大欠陥の算出と、その算出に必
要な最小サンプル数の算出はコンピュータにより行われ
る。コンピュータでは、最大欠陥寸法算出手段で(1)
式のパラメータλ,δを最大尤度法を用いて決定し、標
準偏差算出手段でn個のサンプルより欠陥または介在物
の標準偏差を算出し、最小サンプル数算出手段でパラメ
ータλ,δの決まった(1)式と、標準偏差と再帰期間
Tとを用いて最大欠陥又は最大介在物を算出するに必要
なサンプル数nを算出する。
【0022】請求項5の発明では、母集団から異なるn
個のサンプルの群をm個作り、各群の材料の疲労破壊の
要因となる最大欠陥又は最大介在物寸法の平均値と母集
団の最大欠陥又は最大介在物寸法との差をバイアスとし
て算出するバイアス算出手段と、サンプル数nの数をk
個増加したとき、前記バイアスの減少率がq%以下とな
ったときのサンプル数nを最大欠陥又は最大介在物寸法
を算出するに必要なサンプル数とする最小サンプル数算
出手段と、を備える。
【0023】本発明の最大欠陥の算出に必要な最小サン
プル数の算出はコンピュータにより行われる。コンピュ
ータでは、バイアス算出手段でm個のサンプル群の最大
欠陥または介在物の寸法の平均値と母集団の最大欠陥又
は最大介在物寸法とからバイアスを算出し、最小サンプ
ル数算出手段で例えば、サンプル数を20個増加したと
きバイアスの減少率が0.1%以下となるサンプル数n
を算出する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本発明は光学系(X線、γ線などの放射線を
含む)、電子ビーム系、CTスキャナー、超音波系、ト
ンネル顕微鏡、原子間力顕微鏡及び磁気センサー等今後
予想される、材料中の欠陥及び介在物検出装置と組み合
わせて装置化される装置である。具体的な例として、図
6に本発明を実現する装置の構成を示す。顕微鏡1には
接眼鏡筒部に撮像用レンズを取り付け、この撮像レンズ
を通して撮像するカラー撮像装置15が取り付けられて
いる。測定用試料19を載せるステージ16はオートス
テージドライバ10からの信号によりスタンドに設けた
パルスモータで前後左右に移動させる平面移動機構17
により平面位置調整が行われ、オートフォーカスドライ
バ11により垂直移動機構18を作動させてステージ1
6の上下方向の移動を行う。
【0025】A/D変換器2は撮像装置15からの入力
データをアナログからディジタルに変換し、入力バッフ
ァ3はこのディジタルデータを一時的に格納する。バス
4は信号の伝達を行い、プログラムメモリ5は本装置の
動作を規定するプログラムを格納し、CPU6はこのプ
ログラムに従い装置全体の制御を行う。
【0026】画像プロセッサ7は入力した画像データの
濃淡処理、2値化処理、画像解析等を行い、濃淡画像メ
モリ8は濃淡画像データを格納し、2値画像メモリ9は
2値画像データを格納する。オートステージドライバ1
0はCPU6からの指示により測定用試料19を載せる
ステージ16を平面移動機構17を制御してX,Y方向
に移動させ、測定用試料19の測定位置、領域の設定を
行う。オートフォーカスドライバ11はCPU6から垂
直移動機構18への制御命令を受け、垂直移動機構18
を制御する。出力バッファ12は出力するデータを一旦
格納し、D/A変換器13はこの出力データをディジタ
ルよりアナログに変換し、CRT14はこの出力データ
を画面に表示する。
【0027】図7はCPU6内に構成される処理手段を
示す図で、n個のサンプルから最大欠陥又は最大介在物
を極値統計法を用いて算出するに際し、再帰期間Tの関
数で表した欠陥又は介在物の寸法x(T)をパラメータ
(λ,δ)を含む(1)式 x(T)=λ−δ・ln{−ln(1−1/T)}…(1) で表し、このパラメータをn個のサンプルより最大尤度
法を用いて決定し、所定の再帰期間Tのx(T)を算出
する最大欠陥寸法算出手段21と、n個のサンプルより
材料の疲労破壊の要因となる欠陥又は介在物の寸法の標
準偏差を求める標準偏差算出手段22と、欠陥又は介在
物の寸法が所定%の信頼区間となるように前記標準偏差
に係数を乗じ、この乗算値が、最大欠陥寸法算出手段で
算出したx(T)の所定%に等しいとして、最大欠陥又
は最大介在物を算出するに必要なサンプル数nを算出す
る最小サンプル数算出手段23とから構成される。
【0028】図8もCPU6内に構成される別の処理手
段を示す図で、母集団から異なるn個のサンプルの群を
m個作り、各群の材料の疲労破壊の要因となる最大欠陥
又は最大介在物寸法の平均値と母集団の最大欠陥又は最
大介在物寸法との差をバイアスとして算出するバイアス
算出手段31と、サンプル数nの数をk個増加したと
き、前記バイアスの減少率がq%以下となったときのサ
ンプル数nを最大欠陥又は最大介在物寸法を算出するに
必要なサンプル数とする最小サンプル数算出手段32と
から構成される。
【0029】図6に示す装置により適切な最大欠陥寸法
を得るに必要な最小サンプル数を求める実施例について
説明する。サンプルとなる鋼を鏡面研磨し、図6に示す
装置により鋼の研磨面の欠陥の面積を求め、この面積の
平方根(√area) を欠陥寸法とし、極値統計データとす
る。図9はサンプル数n=40の√area(μm)のデー
タを示す。このデータ群に対して上記装置により次の結
果を得た。再帰期間T=50000時間とすると、
(1)式のパラメータλ,δは最大尤度法により以下の
値となる。 λ=17.01709μm δ=2.38939μm このデータを基に、請求項2と3の2方法から以下の結
果を得た。請求項2の発明の±10%誤差範囲に入るサ
ンプル数n=84請求項3の発明のサンプル数20個増
加に対するbiasの減少率0.1%以下となるサンプル数
n=58〜77以上から最大欠陥寸法を得るに必要な最
小サンプル数n=84となる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、最大欠陥寸法を表す(1)式のパラメータλ,δを
求める方法は最大尤度法が最適であることを(4)式と
(5)式に示すbiasとstd.error を用いて実証した。ま
た信頼区間と最大欠陥寸法との関係から適切な最大欠陥
寸法を得るに必要な最小サンプル数を推定することがで
きた。さらにサンプル数の増加とbiasの減少率からも適
切な最大欠陥寸法を得るに必要な最小サンプル数を推定
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンプル数とbiasとの関係を3つの方法で算出
した結果を示す図である。
【図2】サンプル数とstd.error との関係を3つの方法
で算出した結果を示す図である。
【図3】適切な最大欠陥寸法を得るに必要な最小サンプ
ル数とshape ratio λ/ δとの関係を再帰期間Tをパラ
メータにして示した図である。
【図4】biasとサンプル数との関係を示し、サンプル数
の増加とbiasの減少率から適切な最大欠陥寸法を得るに
必要な最小サンプル数を得る説明図である。
【図5】a)はサンプル数10個、b)はサンプル数2
0個の増加に対し、再帰期間Tをパラメータとして、
0.1%以下にbiasの減少率が収束するサンプル数を示
す図である。
【図6】本発明を実現する装置の構成を示す図である。
【図7】請求項4の発明のコンピュータ内の構成を示す
図である。
【図8】請求項5の発明のコンピュータ内の構成を示す
図である。
【図9】実施例の各サンプルの欠陥計測データを示す図
である。
【符号の説明】
1 顕微鏡 2 A/D変換器 3 入力バッファ 4 バス 5 プログラムメモリ 6 CPU 7 画像プロセッサ 8 濃淡画像メモリ 9 2値画像メモリ 10 オートステージドライバ 11 オートフォーカスドライバ 12 出力バッファ 13 D/A変換器 14 CRT 15 撮像装置 16 ステージ 17 平面移動機構 18 垂直移動機構 19 測定試料 21 最大欠陥寸法算出手段 22 標準偏差算出手段 23 最小サンプル数算出手段 31 バイアス算出手段 32 最小サンプル数算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾花 美佐 東京都八王子市石川町2951番地4 株式会 社ニレコ内 (72)発明者 水上 貴義 東京都八王子市石川町2951番地4 株式会 社ニレコ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n個のサンプルから材料の疲労破壊の要
    因となる最大欠陥又は最大介在物を極値統計法を用いて
    算出するに際し、再帰期間Tの関数で表した欠陥又は介
    在物の寸法x(T)をパラメータ(λ,δ)を含む
    (1)式 x(T)=λ−δ・ln{−ln(1−1/T)}…(1) で表し、このパラメータをn個のサンプルより最大尤度
    法を用いて決定するようにしたことを特徴とする材料中
    の最大欠陥又は最大介在物予測方法。
  2. 【請求項2】 n個のサンプルによる材料の疲労破壊の
    要因となる欠陥又は介在物の寸法の標準偏差を求め、欠
    陥又は介在物の寸法が所定%の信頼区間となるように標
    準偏差に係数を乗じ、この乗算値が、最大欠陥又は最大
    介在物の寸法を極値統計法を用いて算出する請求項1の
    (1)式より得られる最大欠陥又は最大介在物寸法の所
    定%に等しいとして、最大欠陥又は最大介在物を算出す
    るに必要なサンプル数nを算出することを特徴とする材
    料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法。
  3. 【請求項3】 母集団から異なるn個のサンプルの群を
    m個作り、各群の材料の疲労破壊の要因となる最大欠陥
    又は最大介在物寸法の平均値と母集団の最大欠陥又は最
    大介在物寸法との差をバイアスとし、サンプル数nの数
    をk個増加したとき、前記バイアスの減少率がq%以下
    となったときのサンプル数nを最大欠陥又は最大介在物
    寸法を算出するに必要なサンプル数とすることを特徴と
    する材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法。
  4. 【請求項4】 n個のサンプルから最大欠陥又は最大介
    在物を極値統計法を用いて算出するに際し、再帰期間T
    の関数で表した欠陥又は介在物の寸法x(T)をパラメ
    ータ(λ,δ)を含む(1)式 x(T)=λ−δ・ln{−ln(1−1/T)}…(1) で表し、このパラメータをn個のサンプルより最大尤度
    法を用いて決定し、所定の再帰期間Tのx(T)を算出
    する最大欠陥寸法算出手段と、n個のサンプルより材料
    の疲労破壊の要因となる欠陥又は介在物の寸法の標準偏
    差を求める標準偏差算出手段と、欠陥又は介在物の寸法
    が所定%の信頼区間となるように前記標準偏差に係数を
    乗じ、この乗算値が、前記最大欠陥寸法算出手段で算出
    したx(T)の所定%に等しいとして、最大欠陥又は最
    大介在物を算出するに必要なサンプル数nを算出する最
    小サンプル数算出手段と、を備えたことを特徴とする材
    料中の最大欠陥又は最大介在物予測装置。
  5. 【請求項5】 母集団から異なるn個のサンプルの群を
    m個作り、各群の材料の疲労破壊の要因となる最大欠陥
    又は最大介在物寸法の平均値と母集団の最大欠陥又は最
    大介在物寸法との差をバイアスとして算出するバイアス
    算出手段と、サンプル数nの数をk個増加したとき、前
    記バイアスの減少率がq%以下となったときのサンプル
    数nを最大欠陥又は最大介在物寸法を算出するに必要な
    サンプル数とする最小サンプル数算出手段と、を備えた
    ことを特徴とする材料中の最大欠陥又は最大介在物予測
    装置。
JP10036243A 1998-02-18 1998-02-18 材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法と装置 Pending JPH11230961A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10036243A JPH11230961A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法と装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10036243A JPH11230961A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法と装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11230961A true JPH11230961A (ja) 1999-08-27

Family

ID=12464342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10036243A Pending JPH11230961A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法と装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11230961A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286607A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Sangaku Renkei Kiko Kyushu:Kk 金属材料の長寿命疲労強度設計法
JP2010217076A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Nsk Ltd 介在物評価方法
JP2011221044A (ja) * 2011-08-10 2011-11-04 Sangaku Renkei Kiko Kyushu:Kk 金属材料の長寿命疲労強度設計法
US8393226B2 (en) 2010-07-29 2013-03-12 Nsk Ltd. Inclusion rating method
JP2015145814A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 株式会社ビスキャス 電線又はケーブルの絶縁材料に含まれる異物の最大サイズの推定方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286607A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Sangaku Renkei Kiko Kyushu:Kk 金属材料の長寿命疲労強度設計法
WO2002082054A1 (fr) * 2001-03-23 2002-10-17 Kyushu Tlo Company, Limited Procede de conception de materiau metallique presentant une resistance de longue duree a la fatigue
US6912913B2 (en) 2001-03-23 2005-07-05 Kyushu Tlo Company Limited Long life fatigue strength design method for metallic material
JP2010217076A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Nsk Ltd 介在物評価方法
US8393226B2 (en) 2010-07-29 2013-03-12 Nsk Ltd. Inclusion rating method
JP2011221044A (ja) * 2011-08-10 2011-11-04 Sangaku Renkei Kiko Kyushu:Kk 金属材料の長寿命疲労強度設計法
JP2015145814A (ja) * 2014-02-03 2015-08-13 株式会社ビスキャス 電線又はケーブルの絶縁材料に含まれる異物の最大サイズの推定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009186338A (ja) 欠陥検出装置、欠陥検出方法及びコンピュータプログラム
US8502145B2 (en) Electron microscope system and method for evaluating film thickness reduction of resist patterns
CN113239912B (zh) Bsd图像有效区域的确定方法、设备和存储介质
CN112017205A (zh) 一种激光雷达和相机传感器空间位置自动标定方法及系统
JPH11230961A (ja) 材料中の最大欠陥又は最大介在物予測方法と装置
JP2002039976A (ja) 電子線マイクロアナライザーの測定データ補正方法
CN113780270A (zh) 目标检测方法和装置
JPH07146113A (ja) レーザ変位計
CN115656989A (zh) 外参标定方法、装置、电子设备及存储介质
CN110728675A (zh) 肺结节分析装置、模型训练方法、装置及分析设备
US20220113171A1 (en) Sensor diagnosis device and computer readable medium
JP2006275756A (ja) 電子励起によるx線分析装置
JP2006343244A (ja) デコンボリューション解析装置、デコンボリューション解析プログラム及びデコンボリューション解析方法
CN100573583C (zh) 用于比较具有不同对比度级别的图像的系统和方法
JPH08212341A (ja) 放射線透過写真の画像処理方法及びその装置
CN113028997A (zh) 镜片组的行程余量测量方法、装置、设备和存储介质
DE10133846A1 (de) Messtechnik für optische Proximity-Korrekturserife
JPH10123163A (ja) 流速分布測定方法
JPH10206442A (ja) 時系列画像動き信頼度計測方法および装置
DE112020006961B4 (de) Prädiktive verfolgungsvorrichtung, prädiktives verfolgungsverfahren und prädiktives verfolgungsprogramm
JP6561869B2 (ja) 車両形状推定装置
CN117523568B (zh) 一种基于无人船的桥高检测方法、装置、设备及介质
JP2910577B2 (ja) 画像による平均粒径計測方法
US20230421720A1 (en) Validation of infrared (ir) camera distortion accuracy
CN117576139B (zh) 一种基于双边滤波的边缘及角点检测方法及系统

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040415

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040518