JPH11228619A - エチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体の製造方法

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JPH11228619A
JPH11228619A JP2831498A JP2831498A JPH11228619A JP H11228619 A JPH11228619 A JP H11228619A JP 2831498 A JP2831498 A JP 2831498A JP 2831498 A JP2831498 A JP 2831498A JP H11228619 A JPH11228619 A JP H11228619A
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chromium
ethylene
compound
catalyst
carrier
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JP2831498A
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English (en)
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Hisashi Monoi
尚志 物井
Hidenobu Torigoe
秀信 鳥越
Kei Takahashi
圭 高橋
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐環境応力亀裂(ESCR)および耐ドロー
ダウン性に優れた大型ブロー用エチレン系重合体を効率
よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 スラリー重合法によるエチレン系重合体
の製造方法において、有機基を有するクロム化合物、担
体および活性化剤からなる触媒を用い、重合反応器内に
水素を下記の条件でエチレンと共存させ、HLMFR
(190℃,21.6kg荷重,JIS K-7210による)=0.1
〜20g/10min、密度=0.930〜0.980g/cm3の重
合体を得ることを特徴とするエチレン系重合体の製造方
法: 5.0×10-6≦液相中の水素濃度(重量%)/液相中の
エチレン濃度(重量%)≦5.0×10-3

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン系重合体の
製造方法に関する。さらに詳しくは、有機基を有するク
ロム化合物、担体および活性化剤からなる触媒を用い
て、水素をエチレンと共存させてスラリー重合を行な
い、耐環境応力亀裂(ESCR)および耐ドローダウン
性に優れた、特にブロー用に適し、なかんずく大型ブロ
ー用に適したエチレン系重合体を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エチレン系重合体は、各種の成形品の樹
脂材料として、一般に広く用いられているが、その成形
方法と用途によって要求される特性が異なっている。例
えば、射出成形法によって成形される製品には分子量が
比較的低く、狭い分子量分布を有する重合体が適してい
るが、インフレーション成形やブロー成形などによって
成形される製品には、分子量が比較的高く、分子量分布
の広い重合体が適している。
【0003】従来より、三酸化クロムをシリカなどの無
機酸化物に担持させた、いわゆるフィリップス系触媒を
用いることにより、ブロー成形等に適した分子量分布の
広いエチレン系重合体が得られることは公知である。ま
た、特開平2-123108号公報、特開平4-18407号公報、特
開平5-230136号公報などに開示されたチーグラー触媒に
よる一段または多段重合によっても、ブロー成形等に適
した分子量分布の広いエチレン系重合体が得られる。
【0004】近年、ガソリンタンク、大型ドラムのよう
な大型ブロー成形等に適したエチレン系重合体に関し
て、一層の高品質化が要望されているが、上記の触媒に
よって得られる分子量分布の広いエチレン系重合体を使
用してブロー成形法により製造した成形品は、(1)耐
環境応力亀裂(ESCR)が十分ではないこと、(2)
成形性に関しては、ブロー成形時のパリソンの耐ドロー
ダウン性が十分でないため、成形物の肉厚分布が不均一
になることなどのいずれかの点において必ずしも満足す
べきものではない。
【0005】特表平7-503739号公報に、クロム化合物お
よびアルモキサンからなる触媒によって分子量分布の広
いエチレン系重合体を得る方法が開示されている。しか
しながら、この方法により得られるエチレン系重合体
は、耐環境応力亀裂(ESCR)、耐ドローダウン性共
に十分なレベルにあるとは言い難い。特開平2-105806号
公報、特開平2-185506号公報には、三酸化クロムまたは
焼成によって少なくとも部分的に酸化クロムを形成する
クロム化合物を無機酸化物担体に担持させた固体触媒成
分、アルモキサン、有機アルミニウムアルコキシドまた
は有機アルミニウムシロキシドからなる触媒によって分
子量分布の広いエチレン系重合体を得る方法が開示され
ているが、この方法により得られるエチレン系重合体
も、耐環境応力亀裂(ESCR)、耐ドローダウン性共
に十分なレベルではない。
【0006】特公昭44-2996号公報、特公昭44-3827号公
報および特公昭47-1766号公報には、クロム酸エステル
をシリカなどの無機酸化物固体に担持させた触媒によっ
て分子量分布の広いエチレン系重合体を得る方法が開示
されている。しかしながら、この方法により得られるエ
チレン系重合体も、耐環境応力亀裂(ESCR)、耐ド
ローダウン性共に十分なレベルではない。特開昭54-120
290号公報には、クロム酸エステルをシリカに担持後有
機アルミニウムアルコキシドで処理した固体成分とアル
モキサンからなる触媒によって分子量分布の広いエチレ
ン系重合体を得る方法が開示されているが、この方法に
より得られるエチレン系重合体も、耐環境応力亀裂(E
SCR)、耐ドローダウン性共に十分なレベルではな
い。
【0007】米国特許5,104,841号、米国特許5,137,997
号には、クロムアミド化合物をシリカなどの無機酸化物
固体に担持させた触媒によって分子量分布の広いエチレ
ン系重合体を得る方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法により得られるエチレン系重合体も、耐環
境応力亀裂(ESCR)、耐ドローダウン性共に十分な
レベルではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解消して、耐環境応力亀裂(ESCR)および
耐ドローダウン性に優れた、特にブロー用に適し、なか
んずく大型ブロー用に適したエチレン系重合体を効率よ
く製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、有機基を有するクロム化合
物、担体および活性化剤からなる触媒を用いて、水素を
エチレンと共存させてスラリー重合を行なうことを特徴
とするエチレン系重合体の製造方法によって前記課題を
解決した。
【0010】すなわち本発明は、 1)スラリー重合法によるエチレン系重合体の製造方法
において、有機基を有するクロム化合物、担体および活
性化剤からなる触媒を用い、重合反応器内に水素を下記
の条件でエチレンと共存させ、HLMFR(190℃,
21.6kg荷重,JIS K-7210による)=0.1〜20g/1
0min、密度=0.930〜0.980g/cm3の重合体を得るこ
とを特徴とするエチレン系重合体の製造方法: 5.0×10-6≦液相中の水素濃度(重量%)/液相中の
エチレン濃度(重量%)≦5.0×10-3、 2)有機基を有するクロム化合物を担体に担持した後、
活性化剤による処理を行なった触媒を用いる前記1記載
のエチレン系重合体の製造方法、 3)有機基を有するクロム化合物がクロムカルボン酸
塩、クロム−1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル
またはクロムアミド化合物から選ばれる少なくとも1種
である前記1または2に記載のエチレン系重合体の製造
方法、 4)担体が無機金属酸化物および/または無機ハロゲン
化物である前記1ないし3のいずれかに記載のエチレン
系重合体の製造方法、 5)比表面積が50〜1000m2/g、細孔体積が 0.5〜
3.0cm3/g、平均粒径が10〜200μmの担体に有
機基を有するクロム化合物をクロム原子として担体重量
に対し0.05〜5.0重量%担持させた触媒を使用する前記
1ないし4のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造
方法、および 6)活性化剤が有機リチウム化合物、有機マグネシウム
化合物、有機アルミニウム化合物および有機ホウ素化合
物から選ばれる少なくとも1種である前記1ないし5の
いずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法を開発す
ることにより上記の課題を解決した。
【0011】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
に用いる有機基を有するクロム化合物は、クロムカルボ
ン酸塩、クロム−1,3−ジケト化合物、クロム酸エス
テル、クロムアミド化合物から選択される。クロムカル
ボン酸塩としては、一般式(1)または(2)で表わさ
れるクロム(II)またはクロム(III)の化合物が挙げ
られる。
【0012】
【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、各々水素原
子または炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一であ
っても異なっていてもよい。)
【0013】具体例としては、蟻酸クロム(II)、酢酸
クロム(II)、プロピオン酸クロム(II)、酪酸クロム
(II)、ペンタン酸クロム(II)、ヘキサン酸クロム
(II)、2−エチルヘキサン酸クロム(II)、安息香酸
クロム(II)、ナフテン酸クロム(II)、オレイン酸ク
ロム(II)、シュウ酸クロム(II)、蟻酸クロム(II
I)、酢酸クロム(III)、プロピオン酸クロム(II
I)、酪酸クロム(III)、ペンタン酸クロム(III)、
ヘキサン酸クロム(III)、2−エチルヘキサン酸クロ
ム(III)、安息香酸クロム(III)、ナフテン酸クロム
(III)、オレイン酸クロム(III)、シュウ酸クロム
(III)などが挙げられ、中でも酢酸クロム(II)、2
−エチルヘキサン酸クロム(II)、酢酸クロム(II
I)、2−エチルヘキサン酸クロム(III)が好ましい。
クロム−1,3−ジケト化合物は、一般式(3)で表わ
される1,3−ジケト化合物を1ないし3個有するクロ
ム(III)錯体である。
【0014】
【化2】 (式中、Xは1,3−ジケト型キレート配位子であり、
YおよびZはハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、
アルキル、アリール、アミドから選ばれ、同一であって
も異なっていてもよく、k+m+n=3、1≦k≦3で
ある。)
【0015】具体例としては、クロム−1,3−ブタン
ジオネート、クロムアセチルアセトネート、クロム−
2,4−ヘキサンジオネート、クロム−2,4−ヘプタ
ンジオネート、クロム−2,4−オクタンジオネート、
クロム−3,5−オクタンジオネート、クロムベンゾイ
ルアセトネート、クロム−1,3−ジフェニル−1,3
−プロパンジオネート、クロム−2−メチル−1,3−
ブタンジオネート、クロム−2−エチル−1,3−ブタ
ンジオネート、クロム−2−フェニル−1,3−ブタン
ジオネート、クロム−1,2,3−トリフェニル−1,
3−プロパンジオネートなどが挙げられ、中でもクロム
アセチルアセトネートが好ましい。クロム酸エステル
は、一般式(4)で表わされるクロム(VI)の化合物で
ある。
【0016】
【化3】 (式中、R6、R7、R8、R9、R10およびR11は、各々
炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一であっても異
なっていてもよく、M1およびM2は、各々炭素原子また
はケイ素原子を表わす。)
【0017】具体例としては、M1およびM2が炭素の場
合、ビス(tert−ブチル)クロメート、ビス(1,1−
ジメチルプロピル)クロメート、ビス(2−フェニル−
2−プロピル)クロメート、ビス(1,1−ジフェニル
エチル)クロメート、ビス(トリフェニルメチル)クロ
メート、ビス(1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ル)クロメート、ビス(1,1,2−トリメチルプロピ
ル)クロメートなどが挙げられ、中でもビス(tert−ブ
チル)クロメートが好ましい。
【0018】また、M1およびM2がケイ素の場合、ビス
(トリメチルシリル)クロメート、ビス(トリエチルシ
リル)クロメート、ビス(トリブチルシリル)クロメー
ト、ビス(トリイソペンチルシリル)クロメート、ビス
(トリ−2−エチルヘキシルシリル)クロメート、ビス
(トリデシルシリル)クロメート、ビス(トリ(テトラ
デシル)シリル)クロメート、ビス(トリベンジルシリ
ル)クロメート、ビス(トリフェネチルシリル)クロメ
ート、ビス(トリフェニルシリル)クロメート、ビス
(トリトリルシリル)クロメート、ビス(トリキシリル
シリル)クロメート、ビス(トリナフチルシリル)クロ
メート、ビス(ジメチルフェニルシリル)クロメート、
ビス(ジフェニルメチルシリル)クロメート、ビス(ジ
メチルテキシルシリル)クロメート、ビス(ジメチルイ
ソプロピルシリル)クロメート、ビス(tert−ブチルジ
メチルシリル)クロメート、ビス(トリ−tert−ブチル
シリル)クロメート、ビス(トリエチルフェニルシリ
ル)クロメート、ビス(トリメチルナフチルシリル)ク
ロメート、ポリジフェニルシリルクロメート、ポリジエ
チルシリルクロメートなどが挙げられ、中でもビス(ト
リフェニルシリル)クロメートが好ましい。
【0019】クロムアミド化合物としては、一般式
(5)または(6)で表わされるクロム(II)またはク
ロム(III)を挙げることができる。
【化4】 (式中、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18
19、R20、R21、R22およびR23は、各々水素原子又
は炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一であっても
異なっていてもよく、M3、M4、M5およびM6は、各々
炭素またはケイ素原子であり、L1はエーテルまたはニ
トリルなどの配位子を表わし、0≦p≦2である。)
【0020】
【化5】 (式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30
31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R
39、R40およびR41は、各々水素原子または炭素数1〜
18の炭化水素基であり、同一であっても異なっていて
もよく、M7、M8、M9、M10、M11およびM12は、各
々炭素またはケイ素原子である。)
【0021】具体例としては、ビス(ビストリメチルシ
リルアミド)クロム(II)−THF錯体、ビス(ビスト
リメチルシリルアミド)クロム(II)−ジエチルエーテ
ル錯体、ビス(メチルトリメチルシリルアミド)クロム
(II)−THF錯体、ビス(メチルトリメチルシリルア
ミド)クロム(II)−ジエチルエーテル錯体、ビス(te
rt−ブチルトリメチルシリルアミド)クロム(II)−T
HF錯体、ビス(tert−ブチルトリメチルシリルアミ
ド)クロム(II)−ジエチルエーテル錯体、ビス(フェ
ニルトリメチルシリルアミド)クロム(II)−THF錯
体、ビス(フェニルトリメチルシリルアミド)クロム
(II)−ジエチルエーテル錯体、トリス(ジメチルアミ
ド)クロム(III)、トリス(ジエチルアミド)クロム
(III)、トリス(ジイソプロピルアミド)クロム(II
I)、トリス(メチルフェニルアミド)クロム(III)、
トリス(ジフェニルアミド)クロム(III)、トリス
(ビストリメチルシリルアミド)クロム(III)、トリ
ス(ビストリエチルシリルアミド)クロム(III)、ト
リス(ビストリフェニルシリルアミド)クロム(III)な
どが挙げられる。
【0022】本発明で用いる担体は、微粒子状固体であ
り、重合媒体中でも固体であることが好ましく、多孔質
が特に好ましい。具体的には、無機酸化物、無機ハロゲ
ン化物、無機水酸化物、無機炭酸塩、無機リン酸塩、無
機硫酸塩などの無機化合物、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、またはエチレン、プロピレン、ス
チレンなどのオレフィン類とアクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニル
エーテル、アクリロニトリル、アリルアルコール、酢酸
ビニル、などの極性基含有モノマーとの共重合体の有機
化合物が用いられる。中でも無機酸化物担体および無機
ハロゲン化物が好ましい。
【0023】無機酸化物担体は、周期律表第2、4、1
3、14族の金属の酸化物が好ましく、具体的にはマグ
ネシア、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ、ト
リア、リン酸アルミニウム、シリカ−チタニア、シリカ
−ジルコニア、シリカ−アルミナまたはこれらの混合物
が挙げられる。ここでリン酸アルミニウムは形式上はリ
ン酸塩であるが、酸化物としての性質を有する。これら
無機酸化物担体の表面積は、50〜1000m2/g、好ま
しくは200〜800m2/g、細孔体積は0.5〜3.0c
3/g、好ましくは1.0〜2.5cm3/g、平均粒径は1
0〜200μm、好ましくは30〜150μmのものが
好ましく用いられる。
【0024】これらの無機酸化物は、モレキュラーシー
ブス流通下で乾燥した窒素ガス気流下で、温度100〜
900℃の範囲で10分〜24時間焼成したものが好ま
しく用いられる。充分な量の窒素ガスによる、固体の流
動状態下で焼成させることが好ましい。また、チタネー
ト類やフッ素含有塩類等を添加して焼成する公知の方法
を併用してもよい。
【0025】無機ハロゲン化物としては、周期律表第2
または13族の金属のハロゲン化物であり、塩化マグネ
シウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化
カルシウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウムまたはこ
れらの混合物等が挙げられる。
【0026】活性化剤としては有機金属化合物、特に周
期律表第1、2、または13族の金属の有機金属化合
物、具体的には、有機リチウム化合物、有機マグネシウ
ム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物
が好ましく用いられる。
【0027】有機リチウム化合物としては、アルキルリ
チウムまたはシクロアルカジエニルリチウム化合物、具
体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチル
リチウム、sec-ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、シクロペンタジエニルリチウム、インデニルリチウ
ム、フルオレニルリチウム等が挙げられ、中でもメチル
リチウム、n−ブチルリチウムが好ましい。
【0028】有機マグネシウム化合物としては、ジアル
キルマグネシウム、アルキルマグネシウムアルコキシド
またはアルキルマグネシウムハライド化合物等が挙げら
れ、具体例としては、ブチルエチルマグネシウム、ジブ
チルマグネシウム、エチルマグネシウムメトキシド、エ
チルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムイソ
プロポキシド、エチルマグネシウムn−ブトキシド、エ
チルマグネシウムイソブトキシド、エチルマグネシウム
フェノキシド、ブチルマグネシウムメトキシド、ブチル
マグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムイソプロ
ポキシド、ブチルマグネシウムn−ブトキシド、ブチル
マグネシウムイソブトキシド、ブチルマグネシウムフェ
ノキシド、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグ
ネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムクロライ
ド、フェニルマグネシウムクロライド、メチルマグネシ
ウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、n−
ブチルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウム
ブロマイドなどが挙げられ、中でもブチルエチルマグネ
シウム、エチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネ
シウムイソプロポキシド、エチルマグネシウムn−ブト
キシド、エチルマグネシウムイソブトキシドが好まし
い。
【0029】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、ジアルキルアルミニウムアルコキシド、アルキルア
ルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムジアルコ
キシド、ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルモ
キサン、シロキシアラン等が挙げられ、中でもアルモキ
サンが特に好ましい。
【0030】トリアルキルアルミニウムの具体例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルア
ルミニウム等が挙げられ、中でもトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムが好ましい。
【0031】ジアルキルアルミニウムハライドの具体例
としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチル
アルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムク
ロライド等が挙げられ、中でもジエチルアルミニウムク
ロライドが好ましい。ジアルキルアルミニウムアルコキ
シドの具体例としては、ジメチルアルミニウムメトキシ
ド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミ
ニウムイソプロポキシド、ジメチルアルミニウムn−ブ
トキシド、ジメチルアルミニウムイソブトキシド、ジエ
チルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムイ
ソプロポキシド、ジエチルアルミニウムn−ブトキシ
ド、ジエチルアルミニウムイソブトキシド、ジイソブチ
ルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウム
イソプロポキシド、ジイソブチルアルミニウムn−ブト
キシド、ジイソブチルアルミニウムイソブトキシド、ジ
n−ヘキシルアルミニウムエトキシド、ジn−ヘキシル
アルミニウムイソプロポキシド、ジn−ヘキシルアルミ
ニウムn−ブトキシド、ジn−ヘキシルアルミニウムイ
ソブトキシド等が挙げられ、中でもジエチルアルミニウ
ムエトキシドが好ましい。
【0032】アルキルアルミニウムジハライドの具体例
としては、メチルアルミニウムジクロライド、エチルア
ルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジク
ロライド等が挙げられ、中でもエチルアルミニウムジク
ロライドが好ましい。アルキルアルミニウムジアルコキ
シドの具体例としては、メチルアルミニウムジメトキシ
ド、メチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニ
ウムジイソプロポキシド、メチルアルミニウムジn−ブ
トキシド、メチルアルミニウムジイソブトキシド、エチ
ルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジイ
ソプロポキシド、エチルアルミニウムジn−ブトキシ
ド、エチルアルミニウムジイソブトキシド、イソブチル
アルミニウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジ
イソプロポキシド、イソブチルアルミニウムジn−ブト
キシド、イソブチルアルミニウムジイソブトキシド、n
−ヘキシルアルミニウムジエトキシド、n−ヘキシルア
ルミニウムジイソプロポキシド、n−ヘキシルアルミニ
ウムジn−ブトキシド、n−ヘキシルアルミニウムジイ
ソブトキシド等が挙げられ、中でもエチルアルミニウム
ジエトキシドが好ましい。
【0033】ジアルキルアルミニウムハイドライドの具
体例としては、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジn−ブチルアルミ
ニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイド
ライド、ジn−ヘキシルアルミニウムハイドライド等が
挙げられ、中でもジエチルアルミニウムハイドライドが
好ましい。
【0034】アルモキサンは当分野でよく知られている
化合物であるが、その製法および構造はPolyhedron, 9,
429〜453 (1990), Ziegler Catalysts, G.Fink et al.
(Eds.)57-82, Springer-Verlag (1995)などに詳しく記
載されている。本発明に用いられるアルモキサンとして
は、下記一般式(7)または(8)で表わされる化合物
が挙げられる。
【0035】
【化6】 式中、R42は、メチル基、エチル基、プロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基であり、好ま
しくは、メチル基、イソブチル基である。qは1から1
00の整数であり、好ましくは4以上特に好ましくは8
以上である。
【0036】この種の化合物の製法は公知であり、例え
ば、結晶水を有する塩類(硫酸銅水和物,硫酸アルミニ
ウム水和物等)のペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエンなどの不活性
炭化水素溶媒の懸濁液にトリアルキルアルミニウムを添
加して製造する方法や、炭化水素溶媒中でトリアルキル
アルミニウムに、固体、液体あるいは気体状の水を作用
させる方法がある。また、一般式(9)または(10)
で示されるアルモキサンを用いてもよい。
【0037】
【化7】 式中、R43は、メチル基、エチル基、プロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基であり、好ま
しくは、メチル基、イソブチル基である。また、R44
メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基などの炭化水素基、あるいは塩素、臭素などの
ハロゲンまたは水素原子、水酸基から選ばれ、R43とは
異なった基を示す。また、同一分子中に複数存在するR
43およびR44は各々同一でも異なっていてもよい。rは
通常1から100の整数であり、好ましくは3以上であ
り、r+sは2から101、好ましくは6以上である。
【0038】一般式(9)あるいは(10)の化合物に
おいて、(O−Al(R43))rユニットと(O−Al
(R44))sユニットは、ブロック的に結合したもので
あっても、規則的あるいは不規則的にランダムに結合し
たものであっても良い。このようなアルモキサンの製法
は、前述した一般式のアルモキサンと同様であり、1種
類のトリアルキルアルミニウムの代わりに、2種類以上
のトリアルキルアルミニウムを用いるか、1種類以上の
ジアルキルアルミニウムモノハライドあるいはジアルキ
ルアルミニウムモノハイドライドなどを用いれば良い。
【0039】シロキシアランは一般式(11)で表わさ
れる化合物である。
【化8】 (式中、R45、R46、R47、R48およびR49は炭素数1
〜18の炭化水素基であり、同一であっても異なってい
てもよい。)
【0040】具体例としては、トリメチルジメチルシロ
キシアラン、トリメチルジエチルシロキシアラン、トリ
メチルジイソブチルシロキシアラン、トリメチルジn−
ヘキシルシロキシアラン、トリエチルジメチルシロキシ
アラン、トリエチルジエチルシロキシアラン、トリエチ
ルジイソブチルシロキシアラン、トリエチルジn−ヘキ
シルシロキシアラン、トリフェニルジメチルシロキシア
ラン、トリフェニルジエチルシロキシアラン、トリフェ
ニルジイソブチルシロキシアラン、トリフェニルジn−
ヘキシルシロキシアランなどが挙げられ、中でもトリメ
チルジメチルシロキシアラン、トリメチルジエチルシロ
キシアラン、トリメチルジイソブチルシロキシアラン、
トリメチルジn−ヘキシルシロキシアラン、トリエチル
ジメチルシロキシアラン、トリエチルジエチルシロキシ
アラン、トリエチルジイソブチルシロキシアラン、トリ
エチルジn−ヘキシルシロキシアランが好ましい。
【0041】上記のようなシロキシアランは、例えば 1)一般式R454647Si−OHで表わされるシラノ
ール化合物と一般式R4849RAlで表わされる有機ア
ルミニウム化合物との反応、 2)環状シロキサンと一般式R4849RAlで表わされ
る有機アルミニウム化合物との反応、 3)ポリシロキサンと一般式R4849RAlで表わされ
る有機アルミニウム化合物との反応によって公知の方法
で合成することができる。
【0042】1)〜3)において、R45〜R49は一般式
454647Si−O−AlR4849におけるR45〜R
49と同じ意味を表わし、Rは一般式R454647Si−
O−AlR4849におけるR45〜R49と同等のものであ
り、反応において置換される基を表わしている。
【0043】有機ホウ素化合物としては、トリアルキル
ボラン、ジアルキルアルコキシボラン、アルキルジアル
コキシボラン等が挙げられ、具体例としては、トリメチ
ルボラン、トリエチルボラン、トリプロピルボラン、ト
リブチルボラン、トリヘキシルボラン、トリオクチルボ
ラン、ジメチルメトキシボラン、ジメチルエトキシボラ
ン、ジメチルプロポキシボラン、ジメチルブトキシボラ
ン、ジエチルメトキシボラン、ジエチルエトキシボラ
ン、ジエチルプロポキシボラン、ジエチルブトキシボラ
ン、メチルジメトキシボラン、メチルジエトキシボラ
ン、メチルジプロポキシボラン、メチルジブトキシボラ
ン、エチルジメトキシボラン、エチルジエトキシボラ
ン、エチルジプロポキシボラン、エチルジブトキシボラ
ン、フェニルジメトキシボラン、フェニルジエトキシボ
ラン、フェニルジプロポキシボラン、フェニルジブトキ
シボラン、ジフェニルメトキシボラン、ジフェニルエト
キシボラン、ジフェニルプロポキシボラン、ジフェニル
ブトキシボラン等が挙げられ、なかでもトリエチルボラ
ン、トリブチルボラン、ジメチルメトキシボラン、ジメ
チルエトキシボラン、ジメチルプロポキシボラン、ジメ
チルブトキシボラン、ジエチルメトキシボラン、ジエチ
ルエトキシボラン、ジエチルプロポキシボラン、ジエチ
ルブトキシボランが好ましい。
【0044】上記構成成分を用いて触媒を得る方法とし
ては、有機基を有するクロム化合物を担体に担持した
後、活性化剤による処理を行なう方法が好ましい。具体
的には、 イ)有機基を有するクロム化合物を担体に担持した後、
活性化剤を担持する方法、 ロ)有機基を有するクロム化合物を担体に担持した後、
重合時に重合反応器内で活性化剤と接触させる方法、 ハ)有機基を有するクロム化合物を担体に担持した後、
活性化剤を担持し、さらに重合時に重合反応器内で活性
化剤と接触させる方法、があり、いずれの方法でもよ
い。
【0045】ハ)の方法の場合、担持する活性化剤と重
合時に接触させる活性化剤とは同一のものでも、異なっ
たものでもよい。さらに、担持または重合時に接触させ
る活性化剤は2種類以上を別々にフィードする、または
混合してフィードする、あるいは逐次的にフィードする
などのいずれの方法によって処理してもよい。
【0046】各構成成分の担持反応はプロパン、ブタ
ン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの不活性炭化水素溶媒中で行なうのが好ましい。担体
1gあたりの溶媒量は任意の量を用いることができる。
また、担持反応後、溶媒を真空下で除去またはろ過によ
って分離するなどの方法によって、担持された触媒を溶
媒と分離することもできる。担体に担持する有機基を有
するクロム化合物の量は、クロム原子が担体に対して0.
05〜5.0重量%、好ましくは0.05〜2.0重量%の担持量と
なるような量が好ましい。担持または重合時に接触させ
る活性化剤の量は、活性化剤中の金属原子とクロム原子
のモル比が0.5〜100となるような量が好ましい。
【0047】有機基を有するクロム化合物または活性化
剤の担持反応温度は0℃〜溶媒の沸点、担持反応時間は
5分〜24時間が好ましい。上記の触媒を用いる本発明
のエチレン系重合体の製造方法は、スラリー重合法によ
り行なわれる。スラリー重合法は通常炭化水素溶媒中で
実施されるが、炭化水素溶媒としてはプロパン、ブタ
ン、イソブタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水
素の単独または混合物が用いられる。
【0048】スラリー重合法における重合温度は、一般
的には0〜300℃であり、実用的には20〜200℃
である。反応器中の触媒濃度およびエチレン圧は重合を
進行させるのに十分なものであれば任意の濃度および圧
力でよい。
【0049】本発明においてはエチレンのほかに、必要
に応じてプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフ
ィンを単独または2種類以上反応器に導入して共重合さ
せることもできる。得られる共重合体中のα−オレフィ
ン含量は15mol%以下、好ましくは10mol%以
下が望ましい。
【0050】本発明においては、重合反応器内に水素を
エチレンと共存させる。水素を共存させることにより、
耐環境応力亀裂(ESCR)および耐ドローダウン性に
優れたエチレン系重合体を得ることができる。重合反応
器内にエチレンと共存させる水素は、その液相中の濃度
(重量%)(Hcと略記する。)が液相中のエチレン濃
度(重量%)(ETcと略記する。)と、下記の関係:
5.0×10-6≦Hc/ETc≦5.0×10-3、より好ましく
は8.0×10-6≦Hc/ETc≦2.0×10-3、特に好まし
くは、1.0×10-5≦Hc/ETc≦1.0×10-3の範囲が
好ましい。
【0051】エチレンと共存させる水素とエチレンの液
中における濃度比は、水素とエチレンの分圧比を変える
ことによって容易に調整することができる。エチレンと
共存させる水素が上記の範囲以下の場合、得られるエチ
レン系重合体の耐環境応力亀裂(ESCR)が劣り、ま
た上記の範囲以上の場合、エチレン系重合体の耐ドロー
ダウン性が劣る。
【0052】上記の触媒および重合方法によって耐環境
応力(ESCR)および耐ドローダウン性に優れたエチ
レン系重合体を得ることができる。ブロー成形、特にガ
ソリンタンク、ドラム、パレット等の大型ブロー成形に
おいて適切なメルトフローレート(後述の実施例に記載
した方法で測定されるHLMFR)は、HLMFR=0.
1〜20g/10min、好ましくは0.5〜15g/10mi
n、さらに好ましくは1.0〜10g/10minである。密
度(後述の実施例に記載した方法で測定される密度)
は、0.930〜0.980g/cm3、好ましくは0.935〜0.975
g/cm3、さらに好ましくは0.940〜0.970g/cm3
ある。
【0053】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。なお、実施例および比較例に
おいて使用した測定方法を以下の通りである。
【0054】a)物性測定のためのポリマー前処理:東
洋精機製作所(株)製プラストグラフ(ラボプラストミ
ルME25;ローラー形状はR608型)を用い、添加
剤(溶剤および酸化剤)としてチバガイギー社製イルガ
ノックスB225 0.2重量%添加し、窒素下、190
℃、7分間混練した。
【0055】b)メルトフローレート:JIS K−7
210(1996年版)の表1、条件7に従い、温度190
℃、荷重21.6kgfにおける測定値をHLMFRとして
示した。 c)密度:JIS K−7112(1996年版)に従い測
定した。 d)ESCR:JIS K−6760(1996年版)に従
って測定したBTL法によるF50値をESCRの値と
した。
【0056】e)耐ドローダウン性:東洋精機製作所
(株)製キャピログラフ1Cを用い、内径2.095mm、
長さ8.01mm、流入角180°のオリフィスを用い、温
度230℃、押出しスピード100mm/分で樹脂を押
出し、ストランドの長さが60cmに達する時間T60
(秒)を耐ドローダウン性の指標とした。この値が大き
いほど樹脂が垂れ下がりにくく、耐ドローダウン性が良
い。
【0057】実施例1 (1)触媒調製 予め窒素で置換した500mlのフラスコに、600℃
で6時間焼成したデヴィソン社製952グレードシリカ
(比表面積300m2/g,細孔体積1.6cm3/g,平
均粒径80μm)(20.0g)と、さらにn−ヘキサン
(200ml)を加えスラリーとした。このスラリーに
STREM社製2−エチルヘキサン酸クロム(III)の
0.1mol/リットル−ヘキサン溶液(7.7ml)(クロム原
子担持量0.20重量%)を加え、30℃で2時間撹拌し
た。この時間の終わりに東ソー・アクゾ社製トリエチル
アルミニウムの1.0mol/リットル−ヘキサン溶液(7.7m
l)を加え、30℃で2時間撹拌した。この時間の終わ
りに、真空下で溶媒を除去し、自由流動性の担持された
粉末状触媒を得た。
【0058】(2)重合 予め充分に窒素で置換した撹拌機付き3.0リットルのオート
クレーブ中にイソブタン(1.5リットル)と上記(1)で調
製した触媒(100mg)を仕込んだ。オートクレーブ
を85℃まで昇温してから水素を分圧で0.5kg/cm2
(液相中の水素濃度0.0028重量%)導入し、さらに14
kg/cm2のエチレン(液相中のエチレン濃度8.4重量
%)で加圧して重合を開始した(液相中の水素濃度(重
量%)/液相中のエチレン濃度(重量%)(Hc/ET
c)=3.3×10-4)。このエチレン分圧を維持するため
に必要に応じてエチレンを送給した。外部から冷却する
ことによって重合温度を85℃に1時間維持した。この
時間の終わりにエチレン、水素、イソブタンを系外に放
出することにより重合を終結した。白色粒子状ポリエチ
レンが150g得られ、活性は1500gポリマー/g触媒
/時間であった。物性測定結果を表1に示す。
【0059】実施例2 実施例1(1)において、2−エチルヘキサン酸クロム
(III)の代わりに、和光純薬製クロムアセチルアセト
ネートの0.1mol/リットル−トルエン溶液(7.7ml)
(クロム原子担持量0.20重量%)を加えた以外は全て実
施例1と同様に触媒の調製を行ない、重合を行なった。
その結果、160gのポリエチレンを得た。活性は1600
gポリマー/g触媒/時間であった。物性測定結果を表
1に示す。
【0060】実施例3 (1)ビス(tert−ブチル)クロメートの合成 Synth. Commun., 10, 905 (1980)に記載された方法に従
って、三酸化クロムとtert−ブタノールとの反応によ
り、ビス(tert−ブチル)クロメートを合成した。
【0061】(2)触媒調製、重合 実施例1(1)において、2−エチルヘキサン酸クロム
(III)の代わりに、上記(1)で合成したビス(tert
−ブチル)クロメートの0.1mol/リットル−ヘキサン溶
液(7.7ml)(クロム原子担持量0.20重量%)を加え
た以外は全て実施例1と同様に触媒の調製を行ない、重
合を行なった。その結果、180gのポリエチレンを得
た。活性は1800gポリマー/g触媒/時間であった。物
性測定結果を表1に示す。
【0062】実施例4 実施例1(1)において、2−エチルヘキサン酸クロム
(III)の代わりに、和光純薬製クロムアセチルアセト
ネートの0.1mol/リットル−トルエン溶液(7.7ml)
(クロム原子担持量0.20重量%)を加え、さらにトリエ
チルアルミニウムの代わりに東ソー・アクゾ社製メチル
アルモキサンの1.0mol/リットル−トルエン溶液(7.7m
l)を加えた以外は全て実施例1と同様に触媒の調製を
行ない、重合を行なった。その結果、230gのポリエ
チレンを得た。活性は2300gポリマー/g触媒/時間で
あった。物性測定結果は表1に示した。
【0063】実施例5 (1)ビス(トリフェニルシリル)クロメートの合成 米国特許2,863,891号に記載された方法に従って、三酸
化クロムとトリフェニルシラノールとの反応により、ビ
ス(トリフェニルシリル)クロメートを合成した。
【0064】(2)触媒調製、重合 実施例1(1)において、2−エチルヘキサン酸クロム
(III)の代わりに、上記(1)で合成したビス(トリ
フェニルシリル)クロメート488mg(クロム原子担
持量0.20重量%)を加え、トリエチルアルミニウムの代
わりに、東ソー・アクゾ社製メチルアルモキサンの1.0
mol/リットル−トルエン溶液4.0mlを加え、実施例1
と同様に触媒の調製を行ない、重合を行なった。その結
果、250gのポリエチレンを得た。活性は2500gポリ
マー/g触媒/時間であった。物性測定結果を表1に示
した。
【0065】実施例6 実施例1(1)において、2−エチルヘキサン酸クロム
(III)の代わりに、実施例5(1)で合成したビス
(トリフェニルシリル)クロメート(488mg)(ク
ロム原子担持量0.20重量%)を加え、トリエチルアルミ
ニウムの代わりに、東ソー・アクゾ社製メチルアルモキ
サンの1.0mol/リットル−トルエン溶液4.0mlを加え
た。実施例1(1)の通り、30℃で2時間撹拌後、さ
らに東ソー・アクゾ社製ジエチルアルミニウムエトキシ
ドの1.0mol/リットル−ヘキサン溶液(4.0ml)を加
え、30℃で2時間撹拌後、実施例1と同様に触媒の乾
燥を行ない、重合を行なった。その結果、280gのポ
リエチレンを得た。活性は2800gポリマー/g触媒/時
間であった。物性測定結果は表1に示した。
【0066】実施例7 実施例6で調製した触媒を用い、水素分圧を1.0kg/
cm2とし、重合温度を80℃とした(液相中の水素濃
度0.0055重量%、Hc/ETc=6.5×10-4)以外は、
全て実施例1と同様に重合を行なった。その結果、26
0gのポリエチレンを得た。活性は2600gポリマー/g
触媒/時間であった。物性測定結果を表1に示す。
【0067】比較例1 実施例6の触媒を用い、水素を導入せず、重合温度を9
0℃とした(Hc/ETc=0)以外は、全て実施例1と
同様に重合を行なった。その結果、290gのポリエチ
レンを得た。活性は2900gポリマー/g触媒/時間であ
った。物性測定結果を表1に示す。実施例6の場合より
もESCRの値が悪くなった。
【0068】比較例2 実施例6の触媒を用い、水素を分圧で10.0kg/cm2
導入し、重合温度を65℃とした(液相中の水素濃度
(重量%)=4.6×10-2;Hc/ETc=5.3×10-3
以外は、全て実施例1と同様に重合を行なった。その結
果、250gのポリエチレンを得た。活性は2500gポリ
マー/g触媒/時間であった。物性測定結果は表1に示
した。実施例6の場合よりも耐ドローダウン性が悪くな
った。
【0069】比較例3 本発明における有機基を有するクロム化合物、担体およ
び活性化剤からなる触媒を用いる代わりに、三酸化クロ
ムをシリカに担持したフィリップス触媒(W.R.Grace Co
rporationから購入した969ID触媒(クロム原子担
持量1.0重量%))を空気中で600℃、30時間焼成
した。この触媒を用い、重合温度を102℃とした以外
は全て実施例1と同様に重合を行なった。その結果、1
50gのポリエチレンを得た。活性は1500gポリマー/
g触媒/時間であった。物性測定結果は表1に示した。
実施例1〜7の場合よりもESCRの値および耐ドロー
ダウン性ともに悪くなった。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明を実施することにより、耐環境応
力亀裂(ESCR)および耐ドローダウン性に優れた大
型ブロー用エチレン系重合体を効率よく製造することが
でき、工業的に価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用する触媒調製のフローチャート
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲沢 伸太郎 大分県大分市大字中ノ洲2番地 日本ポリ オレフィン株式会社大分研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラリー重合法によるエチレン系重合体
    の製造方法において、有機基を有するクロム化合物、担
    体および活性化剤からなる触媒を用い、重合反応器内に
    水素を下記の条件でエチレンと共存させ、HLMFR
    (190℃,21.6kg荷重,JIS K-7210による)=0.1
    〜20g/10min、密度=0.930〜0.980g/cm3の重
    合体を得ることを特徴とするエチレン系重合体の製造方
    法: 5.0×10-6≦液相中の水素濃度(重量%)/液相中の
    エチレン濃度(重量%)≦5.0×10-3
  2. 【請求項2】 有機基を有するクロム化合物を担体に担
    持した後、活性化剤による処理を行なった触媒を用いる
    請求項1記載のエチレン系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機基を有するクロム化合物がクロムカ
    ルボン酸塩、クロム−1,3−ジケト化合物、クロム酸
    エステルまたはクロムアミド化合物から選ばれる少なく
    とも1種である請求項1または2に記載のエチレン系重
    合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 担体が無機金属酸化物および/または無
    機ハロゲン化物である請求項1ないし3のいずれかに記
    載のエチレン系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 比表面積が50〜1000m2/g、細孔体
    積が0.5〜3.0cm3/g、平均粒径が10〜200μm
    の担体に有機基を有するクロム化合物をクロム原子とし
    て担体重量に対し0.05〜5.0重量%担持させた触媒を使
    用する請求項1ないし4のいずれかに記載のエチレン系
    重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 活性化剤が有機リチウム化合物、有機マ
    グネシウム化合物、有機アルミニウム化合物および有機
    ホウ素化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1ないし5のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007533822A (ja) * 2004-04-22 2007-11-22 シェブロン フィリップス ケミカル カンパニー エルピー 広い分子量分布を有する重合体を生成する触媒系およびそれらと同じものを作成する方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533822A (ja) * 2004-04-22 2007-11-22 シェブロン フィリップス ケミカル カンパニー エルピー 広い分子量分布を有する重合体を生成する触媒系およびそれらと同じものを作成する方法
KR101205605B1 (ko) * 2004-04-22 2012-11-27 셰브론 필립스 케미컬 컴퍼니 엘피 크롬 기초 중합 촉매, 그 제조 방법 및 그것을 사용하여제조된 폴리머

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