JPH11228586A - ビスホスフィンオキシドの製造方法 - Google Patents
ビスホスフィンオキシドの製造方法Info
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- JPH11228586A JPH11228586A JP10029802A JP2980298A JPH11228586A JP H11228586 A JPH11228586 A JP H11228586A JP 10029802 A JP10029802 A JP 10029802A JP 2980298 A JP2980298 A JP 2980298A JP H11228586 A JPH11228586 A JP H11228586A
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- C25—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
- C25B—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
- C25B3/00—Electrolytic production of organic compounds
- C25B3/20—Processes
- C25B3/29—Coupling reactions
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Abstract
ビスホスフィンの前駆体として有用なビスホスフィンオ
キシドを収率良く製造する。 【解決手段】 一般式(1): 【化1】 で表されるホスフィンオキシドカルボン酸を、コルベ電
解カップリング反応させて、下記一般式(2): 【化2】 で表されるビスホスフィンオキシドの製造方法。
Description
つホスフィンオキシドから、コルベ電解カップリング反
応によりビスホスフィンオキシドを製造する方法に関す
るものである。
性な医薬品の割合は年々増加する傾向にあり、最近5年
間では、光学活性な医薬品は、実に39%にのぼる。ま
た、光学活性の求められるものは、医薬品に限らず、農
薬、香料、さらに強誘電性液晶、高速液体クロマトグラ
フィーの充填剤などの機能性材料の分野にまで展開され
ている。これらの光学活性な化合物を合成する方法のひ
とつに、触媒的不斉合成法がある。係る触媒的不斉合成
法は、純粋な光学活性化合物をプロキラルな化合物から
多量かつ経済的に得る方法として優れた方法と考えら
れ、この20年間に数多くの不斉触媒の開発が行われて
きている。とくに、光学活性なホスフィンを配位子とす
るロジウムやルテニウム錯体が研究されている。
もののなかでも、反応温度の適応範囲が広く、特に高
温、高圧下での不斉認識能の高いビスホスフィン化合物
が最適である。かかる光学活性なビスホスフィン化合物
は、ヘキサクロロジシランを用いて、不斉を維持しなが
らビスホスフィンオキシドを還元することにより得るこ
とができる。(K. Naumann, G. Zon, and K. Mislow, J.
Am.Chem.Soc., 91, 7012(1969))。
ドを製造する方法として、最も一般的な方法は、下記反
応式に示すように、メチル基を有する光学活性なホスフ
ィンオキシドをLDA(リチウムジイソプロピルアミ
ド)のような有機リチウム化合物、および塩化銅などの
銅化合物により、酸化カップリングされる方法が知られ
ている。(B. D. Vineyard, W. S. Knowles, M. J. Saba
cky, G. L. Backman andO. J. W.einkauff, J.Am.Chem.
Soc., 99, 5946 (1977))。
チウム化合物は、空気、水などに非常に活性で取扱が難
しく、工業的に実施するのは非常に困難であるばかりで
なく、銅塩等の副生する金属不純物との分離も係わって
くるので、経済的に実施するには問題点が多い。
題に艦み、ビスホスフィンオキシドの新規な製造方法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、カルボン酸基を有するホ
スフィンオキシドを原料にし、コルベ電解カップリング
反応により、ビスホスフィンオキシドを製造する方法を
見出し、本発明を完成した。本発明の製造方法は、新規
な製造方法であり、また原料であるカルボン酸基を有す
るホスフィンオキシドのリン原子上に不斉中心がある化
合物の場合、中間的に生成するラジカルにおいても不斉
を維持しており、生成するビスホスフィンオキシドもま
た不斉が維持されている。
一般式(1):
または分岐状のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ア
ミノアルキル基または、置換もしくは無置換のフェニル
基を示し、R1、R2は同一でも異なっていてもよく、A
は直鎖または分岐のアルキレン基を示す。)で表される
ホスフィンオキシドカルボン酸を、コルベ電解カップリ
ング反応させることを特徴とする、下記一般式(2):
す。)で表されるビスホスフィンオキシドの製造方法を
提供するものである。かかるビスホスフィンオキシド
は、不斉合成触媒の配位子として有用な光学活性ビスホ
スフィン化合物の前駆体として有用な化合物である。
本発明の製造方法は、ホスフィンオキシドカルボン酸
を、コルベ電解カップリング反応させてなるものである
が、その出発原料となるホスフィンオキシドカルボン酸
は、一般式(1)で表されるものである。
ボン酸基を有するホスフィンオキシドにおいて、式中の
Aはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基、などの直鎖または分岐のアルキレン基であ
るが、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基で
ある。また、R1、R2は、特に限定はされないが、炭素
数1〜18の直鎖または分岐状のアルキル基、ヒドロキ
シアルキル基、アミノアルキル基または、置換、無置換
のフェニル基を示し、R1、R2は同一でも異なっていて
もかまわないが、リン原子上に光学活性中心のある光学
活性体の場合は、R1、R2が異なり、旋光度を有してい
る。
するホスフィンオキシドは、(1)ラセミ体の光学分割
法、(2)生物化学的な手法を用いる方法、(3)不斉
合成する方法、(4)天然に存在する光学活性体を化学
変換する方法などが知られているが、工業的に入手可能
なものであれば、特に限定されるものではない。
ルベ電解カップリング反応させてなるものであるが、電
解において溶媒を使用する。電解に用いる溶媒は、メタ
ノール、含水メタノールが用いられ、反応生成物の収率
が低下するので、含水量は4%以下が好ましい。また、
水溶液中やアセトニトリルのような非プロトン性極性溶
媒では、出発原料がオレフィンやアルコール(Hofer-Moe
st Reaction)のような異常コルベ反応生成物が副生して
しまい、あまり好ましくない。
い。また、通電を安定化するために、必要に応じて支持
塩を添加する。支持塩として、過塩素酸ナトリウム、ソ
ジウムメチラートなどのナトリウム塩や過塩素酸リチウ
ムなどのリチウム塩が好ましいが、支持塩の量が多くな
ると、目的とするビスホスフィンオキシドの収率が低下
するので、なるべく用いない方がよいが、用いる場合に
は原料1重量当たり5wt%以下が好ましい。
ジカル発生濃度を高めるために、白金電極を用いて高電
流密度(高電位)で電解するのが好ましく、工業的にはチ
タン板上に白金メッキした電極も使用できる。白金電極
の代わりに、イリジウム、金、パラジウム、二酸化鉛な
どの電極も用いることができる。電解容量が大きくなる
と、電解溶液の温度が上昇するので、水浴に浸して温度
を一定に保つことが好ましい。電解温度は、比較的低温
が好ましく、特に0〜20℃が望ましい。また、温度を
均一に保つために、電解液は撹拌するのが望ましい。
は、0.1〜3A、好ましくは0.5〜2Aである。電極
間距離は、通常1〜5mm程度で、10〜100mA/
cm2の電流密度がとれるようにする。通電時間は、出
発原料や電解条件により異なるが、通常0.5〜36時
間、好ましくは、1〜10時間程度である。
ンオキシドは、ラセミ体と光学活性体とが得られるが、
例えば(+)-(S,S)-1,2-エタンジイルビス((1,1,3,3-テ
トラメチルブチル)メチルホスフィンオキシド)、(-)-
(R,R)-1,2-エタンジイルビス((1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)メチルホスフィンオキシド)、(+)-(S,S)-1,4-
ブタンジイルビス((1,1,3,3-テトラメチルブチル)メ
チルホスフィンオキシド)、(-)-(R,R)-1,4-ブタンジイ
ルビス((1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチルホスフ
ィンオキシド)、(+)-(S,S)-1,2-エタンジイルビス
((1,1,3,3-テトラメチルブチル)エチルホスフィンオ
キシド)、(-)-(R,R)-1,2-エタンジイルビス((1,1,3,
3-テトラメチルブチル)エチルホスフィンオキシド)、
(+)-(S,S)-1,2-エタンジイルビス((1,1,3,3-テトラメ
チルブチル)tert-ブチルホスフィンオキシド)、(-)-
(R,R)-1,2-エタンジイルビス((1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)tert-ブチルホスフィンオキシド)、(+)-(S,S)
-1,2-エタンジイルビス((o-メトキシフェニル)フェ
ニルホスフィンオキシド)、(-)-(R,R)-1,2-エタンジイ
ルビス((o-メトキシフェニル)フェニルホスフィンオ
キシド)、(+)-(S,S)-1,2-エタンジイルビス((o-エチ
ルフェニル)フェニルホスフィンオキシド)、(-)-(R,
R)-1,2-エタンジイルビス((o-エチルフェニル)フェ
ニルホスフィンオキシド)、1,2-エタンジイルビス
((1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチルホスフィンオ
キシド)、1,4-ブタンジイルビス((1,1,3,3-テトラメ
チルブチル)メチルホスフィンオキシド)、1,2-エタン
ジイルビス((1,1,3,3-テトラメチルブチル)エチルホ
スフィンオキシド)、1,2-エタンジイルビス((1,1,3,
3-テトラメチルブチル)tert-ブチルホスフィンオキシ
ド)、1,2-エタンジイルビス((o-メトキシフェニル)
フェニルホスフィンオキシド)、1,2-エタンジイルビス
((o-エチルフェニル)フェニルホスフィンオキシド)
等が挙げられる。
ガラス容器に(カルボキシメチル)(1,1,3,3-テトラメ
チルブチル)メチルホスフィンオキシド4.68g(0.
02モル)を50mlのメタノールに溶解させ、電解質
としてナトリウムメトキシド0.02g添加した。プラ
チナ電極(2cm×4cm×1mm)を電極間距離1m
mに設置し、0.7アンペアで直流定電流電解した。電
解と同時に、負極板より多量の気泡が発生し、液温が上
昇した。ほぼ一定温度に保つように氷水で冷却し、均一
にするために撹拌させた。7時間通電させた後に、反応
液を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、原
料は92.7%減少していた。エバポレーターで溶媒を
留去させ、100mlのジクロロメタンに溶解させ、1
N水酸化ナトリウム水溶液で、未反応の原料を抽出し、
有機層を純水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで一昼夜
脱水させ、溶媒をエバポレーターで除去することによ
り、白色結晶2.50gを得た。さらに、アセトンで再
結精製することにより、融点199〜200℃の白色結
晶0.83gを得た。
物は、1,2-エタンジイルビス((1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)メチルホスフィンオキシド)であった。 FAB-MS(Pos.);379[M+H]+1 H-NMR(ppm,CDCl3);1.06(s,18H,CH3),1.32-1.41(m,18
H,CH3,P-CH3),1.47-1.61(m,4H,CH2),1.83-2.02(m,4H,-C
H2-CH2-)
じ容量50mlの円筒形ガラス容器に、旋光度[α]25D=
-15.8(c 1.04,CHCl3),光学純度o.p.(HPLC)=98.6%e.e.、
融点99〜100℃である(-)-(S)-[(カルボキシメチ
ル)(1,1,3,3-テトラメチルブチル)]メチルホスフィ
ンオキシド0.95g(0.004モル)を30mlのメ
タノールに溶解させ、電解質としてナトリウムメトキシ
ド0.02g添加した。プラチナ電極(2cm×4cm
×1mm)を電極間距離1mmに設置し、0.7アンペ
アで直流定電流電解した。ほぼ一定温度に保つように氷
水で冷却し、均一にするために撹拌させた。3時間通電
させた後に、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、原料は98.7%減少していた。エバポ
レーターで溶媒を留去させ、100mlのジクロロメタ
ンに溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液で、未反応
の原料を抽出し、有機層を純水で洗浄した。無水硫酸ナ
トリウムで一昼夜脱水させ、溶媒をエバポレーターで除
去することにより、白色結晶0.54gを得た。さら
に、アセトンで再結精製することにより、融点118〜
119℃の白色結晶0.27gを得た。
ス((1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチルホスフィン
オキシド) で、旋光度[α]25D=+13.4(c 1.04,CHCl3)で
あった。NMRによる分析結果は以下のとおりである。 FAB-MS(Pos.);379[M+H]+1 H-NMR(ppm,CDCl3);1.06(s,18H,CH3),1.31-1.41(m,18
H,CH3,P-CH3),1.49-1.62(m,4H,CH2),1.70-1.81(m,2H,-C
H-CH-),2.17-2.29(m,2H,-CH-CH-)
斉合成触媒の配位子として有用な光学活性ビスホスフィ
ンの前駆体として有用なビスホスフィンオキシドを、ホ
スフィンオキシドから、コルベ電解カップリング反応に
より収率良く製造することができる。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数1〜18の直鎖または分岐状
のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル
基または、置換もしくは無置換のフェニル基を示し、R
1、R2は同一でも異なっていてもよく、Aは直鎖または
分岐のアルキレン基を示す。)で表されるホスフィンオ
キシドカルボン酸を、コルベ電解カップリング反応させ
ることを特徴とする、下記一般式(2): 【化2】 (式中、R1、R2、Aは前記と同義を表す。)で表され
るビスホスフィンオキシドの製造方法。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP02980298A JP4164141B2 (ja) | 1998-02-12 | 1998-02-12 | ビスホスフィンオキシドの製造方法 |
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---|---|---|---|
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JPH11228586A true JPH11228586A (ja) | 1999-08-24 |
JP4164141B2 JP4164141B2 (ja) | 2008-10-08 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|
US (1) | US6214196B1 (ja) |
JP (1) | JP4164141B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109136972A (zh) * | 2017-06-28 | 2019-01-04 | 中国科学技术大学 | 一种取代的磷酰胺类化合物的制备方法 |
JP2021513504A (ja) * | 2017-12-21 | 2021-05-27 | パフォーマンス・ポリアミデス,エスアエス | コルベ電解カップリング反応によって第一級ジアミンを調製するための方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69913003T2 (de) * | 1999-12-20 | 2004-08-12 | Nippon Chemical Industrial Co., Ltd | 1,2-bis(methyl(1,1,3,3-tetramethylbutyl)-phosphino)ethan, verfahren zur herstellung davon, übergangsmetall-komplexe, die dieses als liganden enthalten und ihre verwendung |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SU447409A1 (ru) * | 1973-03-05 | 1974-10-25 | Предприятие П/Я А-7411 | Способ получени диокиси тетраметилэтилендифосфина |
-
1998
- 1998-02-12 JP JP02980298A patent/JP4164141B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-08-09 US US09/370,167 patent/US6214196B1/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109136972A (zh) * | 2017-06-28 | 2019-01-04 | 中国科学技术大学 | 一种取代的磷酰胺类化合物的制备方法 |
JP2021513504A (ja) * | 2017-12-21 | 2021-05-27 | パフォーマンス・ポリアミデス,エスアエス | コルベ電解カップリング反応によって第一級ジアミンを調製するための方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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US6214196B1 (en) | 2001-04-10 |
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