JPH1122851A - 弁のシール構造 - Google Patents
弁のシール構造Info
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- JPH1122851A JPH1122851A JP9195086A JP19508697A JPH1122851A JP H1122851 A JPH1122851 A JP H1122851A JP 9195086 A JP9195086 A JP 9195086A JP 19508697 A JP19508697 A JP 19508697A JP H1122851 A JPH1122851 A JP H1122851A
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- water
- seal structure
- seating surface
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 氷点下に、弁の開閉作動が不安定になるのを
防止することである。 【解決手段】 弁体部4が弾性体で構成されたシール部
材42を有し、閉弁時にシール部材42が弁座部5の着
座面5bを密着するようにした弁のシール構造におい
て、シール部材42に吸水性の低い材料を用い、着座面
5bに撥水性の高い撥水膜52を形成することで、シー
ル部材42と着座面5b間における氷結を低減し、シー
ル部材42が着座面5bに固着しないようにすること
で、弁の開閉作動が不安定になるのを防止する。
防止することである。 【解決手段】 弁体部4が弾性体で構成されたシール部
材42を有し、閉弁時にシール部材42が弁座部5の着
座面5bを密着するようにした弁のシール構造におい
て、シール部材42に吸水性の低い材料を用い、着座面
5bに撥水性の高い撥水膜52を形成することで、シー
ル部材42と着座面5b間における氷結を低減し、シー
ル部材42が着座面5bに固着しないようにすること
で、弁の開閉作動が不安定になるのを防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弁のシール構造に
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される内燃機関等の燃料噴射
弁は、噴射ノズルの噴射口に通じる燃料流路に弁を備
え、燃料の流通と遮断とを切り換えている。弁は弁座部
と弁体部とで構成され、弁体部の着座と離間とを切り換
えることにより開閉作動している。燃料として天然ガス
等のガス燃料を用いるものでは、弁体部を、その先端面
に、弾性体であるゴムで構成したシール部材を有する構
成とし、閉弁時にはシール部材が弁座部の着座面に密着
して気密性を高めている。特開平7−229578号公
報には、シール部材の表面に自己潤滑性のある樹脂をコ
ーティングして、シール部材が着座面に粘着するのを防
止するようにしたガス噴射弁が開示されている。
弁は、噴射ノズルの噴射口に通じる燃料流路に弁を備
え、燃料の流通と遮断とを切り換えている。弁は弁座部
と弁体部とで構成され、弁体部の着座と離間とを切り換
えることにより開閉作動している。燃料として天然ガス
等のガス燃料を用いるものでは、弁体部を、その先端面
に、弾性体であるゴムで構成したシール部材を有する構
成とし、閉弁時にはシール部材が弁座部の着座面に密着
して気密性を高めている。特開平7−229578号公
報には、シール部材の表面に自己潤滑性のある樹脂をコ
ーティングして、シール部材が着座面に粘着するのを防
止するようにしたガス噴射弁が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで車両を寒冷地
において使う場合、雰囲気温度が氷点下になると弁体部
の離間応答性が悪化する等、開閉作動が不安定になると
いう問題があった。しかし上記特開平7−229578
号公報記載のガス噴射弁では、シール部材の着座面への
粘着を防止する効果は認められるものの、氷点下におけ
る開閉作動を安定化する効果はない。
において使う場合、雰囲気温度が氷点下になると弁体部
の離間応答性が悪化する等、開閉作動が不安定になると
いう問題があった。しかし上記特開平7−229578
号公報記載のガス噴射弁では、シール部材の着座面への
粘着を防止する効果は認められるものの、氷点下におけ
る開閉作動を安定化する効果はない。
【0004】そこで本発明は、氷点下においても安定し
て開閉作動することのできる弁のシール構造を提供する
ことを目的とする。
て開閉作動することのできる弁のシール構造を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者等は弁体部が弁座部との対向面にシール部材
を有する燃料噴射弁等の弁について、氷点下における開
閉作動を鋭意研究した結果、氷点下における作動の不安
定さは、シール部材と着座面間が氷結しシール部材が着
座面に固着することに起因し、氷の固着力はシール部材
が吸水性の低い材料であるほど、また着座面の撥水性が
高いほど低下することが分かった。
め、発明者等は弁体部が弁座部との対向面にシール部材
を有する燃料噴射弁等の弁について、氷点下における開
閉作動を鋭意研究した結果、氷点下における作動の不安
定さは、シール部材と着座面間が氷結しシール部材が着
座面に固着することに起因し、氷の固着力はシール部材
が吸水性の低い材料であるほど、また着座面の撥水性が
高いほど低下することが分かった。
【0006】かかる知見に基づき請求項1記載の発明で
は、上記シール部材を、100°Cの水に70時間浸漬
した後の体積増加率が2.5%以下であるゴム材料で構
成する。
は、上記シール部材を、100°Cの水に70時間浸漬
した後の体積増加率が2.5%以下であるゴム材料で構
成する。
【0007】上記シール部材の吸水性を低くすることに
よりシール部材と着座面間の氷結が低減し氷の固着力が
弱まる。しかして弁の開閉作動が安定する。
よりシール部材と着座面間の氷結が低減し氷の固着力が
弱まる。しかして弁の開閉作動が安定する。
【0008】シール部材は、より望ましくは100°C
の水に70時間浸漬した後の体積増加率が2%以下であ
るゴム材料で構成する(請求項2)。かかるゴム材料と
しては例えばビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプ
ロペン−テトラフルオロエチレン三元共重合体とする
(請求項3)。
の水に70時間浸漬した後の体積増加率が2%以下であ
るゴム材料で構成する(請求項2)。かかるゴム材料と
しては例えばビニリデンフルオリド−ヘキサフルオロプ
ロペン−テトラフルオロエチレン三元共重合体とする
(請求項3)。
【0009】請求項4記載の発明では、弁のシール構造
において、着座面に撥水性の高い材料でなる撥水膜を形
成する。
において、着座面に撥水性の高い材料でなる撥水膜を形
成する。
【0010】撥水膜を形成することにより、撥水性が高
められてシール部材と着座面間の氷結が低減し氷の固着
力が弱まる。しかして弁の開閉作動が安定する。
められてシール部材と着座面間の氷結が低減し氷の固着
力が弱まる。しかして弁の開閉作動が安定する。
【0011】上記撥水膜は、望ましくは撥水膜に付着す
る水滴の表面と撥水膜表面のなす角度で90°以上であ
る材料で構成する(請求項5)。かかる材料としては例
えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンもしくは低密
度ポリエチレンのいずれかとする(請求項6)。
る水滴の表面と撥水膜表面のなす角度で90°以上であ
る材料で構成する(請求項5)。かかる材料としては例
えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンもしくは低密
度ポリエチレンのいずれかとする(請求項6)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の燃料噴射弁の説明に先立
ち、発明者等の得た知見について説明する。発明者等
は、弁体がシール部材を有する燃料噴射弁等の、氷点下
における開閉弁作動について鋭意実験研究を重ねた結
果、次の知見を得た。
ち、発明者等の得た知見について説明する。発明者等
は、弁体がシール部材を有する燃料噴射弁等の、氷点下
における開閉弁作動について鋭意実験研究を重ねた結
果、次の知見を得た。
【0013】氷点下における作動の不安定さは、雰囲気
中の水蒸気等が凝縮した水分等により、氷点下において
シール部材と着座面間で氷結が起こり、シール部材が着
座面に固着することで生じる。その固着力とゴム材料の
吸水性の関係について調査した結果、吸水性が低い材料
ほど氷の固着力が低下し、シール部材に吸水性が低い材
料を用いると弁の開閉作動の不安定さが減った。これは
吸水性の低いものでは、シール部材と着座面間に存在す
る水分の量が少なく、氷点下における氷結が低減するた
めと認められる。
中の水蒸気等が凝縮した水分等により、氷点下において
シール部材と着座面間で氷結が起こり、シール部材が着
座面に固着することで生じる。その固着力とゴム材料の
吸水性の関係について調査した結果、吸水性が低い材料
ほど氷の固着力が低下し、シール部材に吸水性が低い材
料を用いると弁の開閉作動の不安定さが減った。これは
吸水性の低いものでは、シール部材と着座面間に存在す
る水分の量が少なく、氷点下における氷結が低減するた
めと認められる。
【0014】また上記固着力と弁座部の着座面の撥水性
の関係について調査した結果、撥水性が高いほど氷の固
着力が低下した。これは撥水性が高いと、シール部材と
着座面間に存在する水分の量が少なく、氷点下における
氷結が低減するためと認められる。
の関係について調査した結果、撥水性が高いほど氷の固
着力が低下した。これは撥水性が高いと、シール部材と
着座面間に存在する水分の量が少なく、氷点下における
氷結が低減するためと認められる。
【0015】本発明はかかる知見に基づきなされたもの
である。
である。
【0016】図1に本発明の弁のシール構造を適用した
ガス燃料用の燃料噴射弁を示す。燃料噴射弁は略円筒状
のハウジング11と、その一端にかしめ固定される細筒
状のノズル部12と、他端にかしめ固定される蓋部材1
3とを有している。蓋部材13は上部にL字の管部13
1が突出し、その水平部分は、燃料ホース(図略)が接
続されるホースジョイント1311としてある。燃料ガ
スがホースジョイント1311からハウジング11を経
てノズル部12に到る流路たる燃料流路2が形成され
る。
ガス燃料用の燃料噴射弁を示す。燃料噴射弁は略円筒状
のハウジング11と、その一端にかしめ固定される細筒
状のノズル部12と、他端にかしめ固定される蓋部材1
3とを有している。蓋部材13は上部にL字の管部13
1が突出し、その水平部分は、燃料ホース(図略)が接
続されるホースジョイント1311としてある。燃料ガ
スがホースジョイント1311からハウジング11を経
てノズル部12に到る流路たる燃料流路2が形成され
る。
【0017】ハウジング11内には、燃料流路2におけ
る流体たる燃料ガスの流通と遮断とを切り換える弁部3
が設けてある。弁部3は弁体部たる作動弁4と弁座部5
とからなる。
る流体たる燃料ガスの流通と遮断とを切り換える弁部3
が設けてある。弁部3は弁体部たる作動弁4と弁座部5
とからなる。
【0018】弁座部5は円形の部材で、ハウジング11
に嵌入され蓋部材13と一体化している。弁座部5には
縦に貫通穴5aが形成され燃料流路1aの一部を構成し
ている。弁座部5の作動弁4に対向する面5bが、閉弁
時にこれを受ける着座面5bとなる。
に嵌入され蓋部材13と一体化している。弁座部5には
縦に貫通穴5aが形成され燃料流路1aの一部を構成し
ている。弁座部5の作動弁4に対向する面5bが、閉弁
時にこれを受ける着座面5bとなる。
【0019】作動弁4は短寸の棒状部材で、ノズル部1
2側に開口する縦穴41aが形成してある。縦穴41a
には圧縮したスプリング14が収容してあり、作動弁4
を閉方向に付勢するようになっている。
2側に開口する縦穴41aが形成してある。縦穴41a
には圧縮したスプリング14が収容してあり、作動弁4
を閉方向に付勢するようになっている。
【0020】ハウジング11内部には、作動弁4を囲む
位置にソレノイドコイル15が設けてある。ソレノイド
コイル15は外部からリード線16を介して通電するこ
とで励磁し、作動弁4を、スプリング14の圧縮力に抗
して開方向に作動せしめるようになっている。すなわち
ソレノイドコイル15に通電すると作動弁4が着座面5
bからリフトして燃料ガスが燃料流路2を流れノズル部
12の先端より噴出し、一方、ソレノイドコイル15へ
の通電を停止すると作動弁4が着座面5bに着座して燃
料ガスの流通が遮断される。
位置にソレノイドコイル15が設けてある。ソレノイド
コイル15は外部からリード線16を介して通電するこ
とで励磁し、作動弁4を、スプリング14の圧縮力に抗
して開方向に作動せしめるようになっている。すなわち
ソレノイドコイル15に通電すると作動弁4が着座面5
bからリフトして燃料ガスが燃料流路2を流れノズル部
12の先端より噴出し、一方、ソレノイドコイル15へ
の通電を停止すると作動弁4が着座面5bに着座して燃
料ガスの流通が遮断される。
【0021】弁部3におけるシール構造について説明す
る。弁体部4はステンレススティール等の金属を短寸の
棒状に成形したコア41と、その弁座部5側の端面に焼
き付け成形されたシール部材42とで構成してある。シ
ール部材42は薄い円形部材で、その表面には弁座部5
の貫通穴5aに同軸位置に環状の凸部421が形成して
ある。閉弁時には凸部421が弁座部5の着座面5bと
密着し気密性を高めている。
る。弁体部4はステンレススティール等の金属を短寸の
棒状に成形したコア41と、その弁座部5側の端面に焼
き付け成形されたシール部材42とで構成してある。シ
ール部材42は薄い円形部材で、その表面には弁座部5
の貫通穴5aに同軸位置に環状の凸部421が形成して
ある。閉弁時には凸部421が弁座部5の着座面5bと
密着し気密性を高めている。
【0022】弁座部5はその本体部分である金属ボディ
51のノズル部12側の端面に撥水膜52が形成してあ
る。
51のノズル部12側の端面に撥水膜52が形成してあ
る。
【0023】シール部材42に用いる材料について説明
する。作動弁4のシール部材42は、本発明の効果を得
るには材料として例えばアクリロニトリル−ブタジエン
共重合体(実施例1)やビニリデンフルオリド−ヘキサ
フルオロプロペン−テトラフルオロエチレン三元共重合
体(実施例2)を用いる。
する。作動弁4のシール部材42は、本発明の効果を得
るには材料として例えばアクリロニトリル−ブタジエン
共重合体(実施例1)やビニリデンフルオリド−ヘキサ
フルオロプロペン−テトラフルオロエチレン三元共重合
体(実施例2)を用いる。
【0024】これらの材料の特性について説明する。図
2は氷の固着力と材料の吸水性の関係を示すもので、縦
軸は−20°Cにおける単位面積当たりの氷の固着力で
あり、横軸は、シール部材に用いる供試材料を100°
Cの水に70時間浸漬したときの体積増加率であり、大
きいほど吸水性が高いことを示している。
2は氷の固着力と材料の吸水性の関係を示すもので、縦
軸は−20°Cにおける単位面積当たりの氷の固着力で
あり、横軸は、シール部材に用いる供試材料を100°
Cの水に70時間浸漬したときの体積増加率であり、大
きいほど吸水性が高いことを示している。
【0025】図2において、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体(実施例1)は体積増加率が2.4%であ
り、この時、固着力は6N/cm2 と小さい。またビニ
リデンフルオリド−ヘキサフルオロプロペン−テトラフ
ルオロエチレン三元共重合体(実施例2)は体積増加率
が2%弱であり、この時、固着力は2.5N/cm2と
ごく小さい。いずれも氷点下におけるシール部材42の
着座面5bへの固着を防止する効果を奏する。特にごく
僅かな固着力しか発生しない実施例2では効果が顕著で
ある。
エン共重合体(実施例1)は体積増加率が2.4%であ
り、この時、固着力は6N/cm2 と小さい。またビニ
リデンフルオリド−ヘキサフルオロプロペン−テトラフ
ルオロエチレン三元共重合体(実施例2)は体積増加率
が2%弱であり、この時、固着力は2.5N/cm2と
ごく小さい。いずれも氷点下におけるシール部材42の
着座面5bへの固着を防止する効果を奏する。特にごく
僅かな固着力しか発生しない実施例2では効果が顕著で
ある。
【0026】上記各実施例を、従来シール部材42の材
料として広く用いられているビニリデンフルオリド−ヘ
キサフルオロプロペン共重合体(従来例)と比較する。
図から知られるように従来例は体積増加率が3.5%と
大きく、この時、固着力は19N/cm2 と実施例1お
よび実施例2に比べると固着力が著しく高い。従来例の
材料に係る従来の燃料噴射弁では開閉弁作動の不安定は
免れない。
料として広く用いられているビニリデンフルオリド−ヘ
キサフルオロプロペン共重合体(従来例)と比較する。
図から知られるように従来例は体積増加率が3.5%と
大きく、この時、固着力は19N/cm2 と実施例1お
よび実施例2に比べると固着力が著しく高い。従来例の
材料に係る従来の燃料噴射弁では開閉弁作動の不安定は
免れない。
【0027】また氷の固着力は吸水性の低い材料ほど低
下するから、実施例1の材料とほぼ同等の体積増加率で
ある2.5%以下の体積増加率となる材料であれば良好
な開閉弁作動が得られる。さらに実施例2の材料とほぼ
同等の体積増加率である2%以下の体積増加率となる材
料であれば極めて良好な開閉弁作動が得られる。
下するから、実施例1の材料とほぼ同等の体積増加率で
ある2.5%以下の体積増加率となる材料であれば良好
な開閉弁作動が得られる。さらに実施例2の材料とほぼ
同等の体積増加率である2%以下の体積増加率となる材
料であれば極めて良好な開閉弁作動が得られる。
【0028】弁座部5の撥水膜52は材料として例えば
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(実施例1)、低密度ポリエチレン(実施例
2)、ポリテトラフルオロエチレン(実施例3)を用い
る。
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(実施例1)、低密度ポリエチレン(実施例
2)、ポリテトラフルオロエチレン(実施例3)を用い
る。
【0029】これらの材料の特性について説明する。図
3は氷の固着力と撥水性の関係を示すもので、縦軸は−
20°Cにおける単位面積当たりの氷の固着力であり、
横軸は、撥水性を表す接触角θである。接触角θは図4
に示すように、供試部材6の表面に水滴7をつくったと
きの、部材表面A−Aと、部材表面A−Aにおける水滴
7の接線B−Bとのなす角度である。接触角θが大きい
ほど撥水性が高いことを示している。
3は氷の固着力と撥水性の関係を示すもので、縦軸は−
20°Cにおける単位面積当たりの氷の固着力であり、
横軸は、撥水性を表す接触角θである。接触角θは図4
に示すように、供試部材6の表面に水滴7をつくったと
きの、部材表面A−Aと、部材表面A−Aにおける水滴
7の接線B−Bとのなす角度である。接触角θが大きい
ほど撥水性が高いことを示している。
【0030】図3において、上記各実施例は撥水性が特
に高く(接触角θで90°以上)、氷の固着力が5N/
cm2 以下と小さいものである。いずれも氷点下におけ
るシール部材42の着座面5bへの固着を防止する特に
顕著な効果を奏する。
に高く(接触角θで90°以上)、氷の固着力が5N/
cm2 以下と小さいものである。いずれも氷点下におけ
るシール部材42の着座面5bへの固着を防止する特に
顕著な効果を奏する。
【0031】このようにシール部材42を吸水性の低い
もので構成し、弁座部5に撥水膜52を形成して着座面
5bの撥水性を高くすることで、シール部材42と着座
面5b間における氷結が低減し、氷の固着力が弱まる。
これにより安定した開閉弁作動が得られる。
もので構成し、弁座部5に撥水膜52を形成して着座面
5bの撥水性を高くすることで、シール部材42と着座
面5b間における氷結が低減し、氷の固着力が弱まる。
これにより安定した開閉弁作動が得られる。
【0032】なお氷結による作動の不安定の程度によっ
てはシール部材を従来の材料で構成するか、若しくは撥
水膜の形成を省略し、構成を簡単にすることもできる。
てはシール部材を従来の材料で構成するか、若しくは撥
水膜の形成を省略し、構成を簡単にすることもできる。
【0033】また本発明は、弁体部がコアの端面にシー
ル部材を焼き付けた構造の弁だけではなく、コアの端面
に形成された環状の凹部にシール部材であるOリングが
嵌設された構造のものにも適用できる。また用途も燃料
噴射弁だけに限定されるものではない。
ル部材を焼き付けた構造の弁だけではなく、コアの端面
に形成された環状の凹部にシール部材であるOリングが
嵌設された構造のものにも適用できる。また用途も燃料
噴射弁だけに限定されるものではない。
【図1】本発明の弁のシール構造を適用した燃料噴射弁
の縦断面図である。
の縦断面図である。
【図2】本発明の弁のシール構造に用いられる材料の特
性を説明するグラフである。
性を説明するグラフである。
【図3】本発明の弁のシール構造に用いられる材料の特
性を説明する別のグラフである。
性を説明する別のグラフである。
【図4】本発明の弁のシール構造に用いられる材料の特
性を説明する模式図である。
性を説明する模式図である。
2 燃料流路(流路) 3 弁部 4 作動弁(弁体部) 41 コア 42 シール部材 5 弁座部 51 金属ボディ 52 撥水膜 5b 着座面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小浜 時男 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 安田 彰男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 流体が流れる流路の途中に設けられて流
体の流通と遮断とを切り換える弁の、弁体部が弁座部と
の対向面にシール部材を有し、弁体部と弁座部との密着
を高めるようにした弁のシール構造において、上記シー
ル部材を、100°Cの水に70時間浸漬した後の体積
増加率が2.5%以下であるゴム材料で構成したことを
特徴とする弁のシール構造。 - 【請求項2】 請求項1記載の弁のシール構造におい
て、上記シール部材を、100°Cの水に70時間浸漬
した後の体積増加率が2%以下であるゴム材料で構成し
た弁のシール構造。 - 【請求項3】 請求項2記載の弁のシール構造におい
て、上記ゴム材料を、ビニリデンフルオリド−ヘキサフ
ルオロプロペン−テトラフルオロエチレン三元共重合体
とした弁のシール構造。 - 【請求項4】 流体が流れる流路の途中に設けられて流
体の流通と遮断とを切り換える弁の、弁体部が弁座部と
の対向面にシール部材を有し、弁体部と弁座部との密着
を高めるようにした弁のシール構造において、上記弁座
部を、上記弁体部が着座する着座面に撥水性の材料で構
成した撥水膜を形成したことを特徴とする弁のシール構
造。 - 【請求項5】 請求項4記載の弁のシール構造におい
て、上記撥水膜を、撥水膜に付着する水滴の表面と撥水
膜表面のなす角度が90°以上である材料で構成した弁
のシール構造。 - 【請求項6】 請求項5記載の弁のシール構造におい
て、上記撥水膜の材料を、テトラフルオロエチレン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロ
エチレンもしくは低密度ポリエチレンのいずれかとした
弁のシール構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9195086A JPH1122851A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 弁のシール構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9195086A JPH1122851A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 弁のシール構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1122851A true JPH1122851A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16335319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9195086A Pending JPH1122851A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 弁のシール構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1122851A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001129440A (ja) * | 1999-11-05 | 2001-05-15 | Marktec Corp | マーキング装置用の弁体およびマーキング装置 |
JP2004183713A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Keihin Corp | 燃料電池用開閉弁 |
JP2005331111A (ja) * | 2005-08-04 | 2005-12-02 | Aisan Ind Co Ltd | 電磁弁 |
JP2006107822A (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-20 | Toyota Motor Corp | 電気的駆動弁の制御装置 |
JP2008075755A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Nok Corp | 管 |
JP2017020533A (ja) * | 2015-07-08 | 2017-01-26 | タカノ株式会社 | 電磁開閉弁 |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP9195086A patent/JPH1122851A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001129440A (ja) * | 1999-11-05 | 2001-05-15 | Marktec Corp | マーキング装置用の弁体およびマーキング装置 |
JP2004183713A (ja) * | 2002-11-29 | 2004-07-02 | Keihin Corp | 燃料電池用開閉弁 |
JP2006107822A (ja) * | 2004-10-01 | 2006-04-20 | Toyota Motor Corp | 電気的駆動弁の制御装置 |
JP2005331111A (ja) * | 2005-08-04 | 2005-12-02 | Aisan Ind Co Ltd | 電磁弁 |
JP2008075755A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Nok Corp | 管 |
JP2017020533A (ja) * | 2015-07-08 | 2017-01-26 | タカノ株式会社 | 電磁開閉弁 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20030422 |