JPH11228394A - 口腔粘膜貼付剤 - Google Patents

口腔粘膜貼付剤

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JPH11228394A
JPH11228394A JP3735698A JP3735698A JPH11228394A JP H11228394 A JPH11228394 A JP H11228394A JP 3735698 A JP3735698 A JP 3735698A JP 3735698 A JP3735698 A JP 3735698A JP H11228394 A JPH11228394 A JP H11228394A
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JP
Japan
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polymer
group
oral cavity
patch
oral
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JP3735698A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Muroi
愛行 室井
Shigeto Kayane
滋人 茅根
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (i)シリコーン鎖を有するポリマー、
(ii)親水性基を有するポリマー及び(iii)薬効成分
を含有し、ポリマー(i)の表面張力γ1とポリマー(i
i)の表面張力γ2がγ1<γ2の関係にある口腔粘膜貼付
剤。 【効果】 積層工程を必要とせずに製造でき、また口腔
粘膜に貼付しやすく、しかも長時間口腔内に保持され、
薬効成分を徐放することができ、口腔内の局部又は全身
的な疾患の治療・予防等に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口腔粘膜に貼付し
やすく、しかも長時間口腔内に保持され、薬効成分の徐
放性を有し、口腔内の局部又は全身的な疾患の治療・予
防等に有用な口腔粘膜貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、口腔粘膜適用製剤には、軟膏や口
腔内粘膜付着性の製剤等が数多く提案されている。しか
し、軟膏を口腔内に適用すると、口腔内粘膜や舌の動き
により薬効成分が容易に嚥下され、薬効が十分発現でき
なかった。
【0003】また、口腔内粘膜付着性の製剤のうち、積
層構造のものは、粘膜付着性物質と薬効成分の混合物を
一体成形したものに比べ、口腔内粘膜への付着力が十分
でなく、患部からの脱落、剥離、ズレなどが生じ、長時
間口腔内に保持できないという問題があった。更に、積
層工程が、その製造工程を繁雑にするという問題もあっ
た。
【0004】一方、シリコーン鎖を有するポリマーとヒ
ドロキシル基を有するポリマーを含有し、皮膚塗布によ
り皮膚上に被膜を形成する皮膚化粧料(特開平9−29
1020号)が、肌荒れを改善することが知られてい
る。しかし、このようなポリマーを組合わせた口腔粘膜
貼付剤や、口腔内に長期間保持され、薬効成分の徐放性
を有する前記貼付剤はなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、口腔粘膜に貼付しやすく、かつ長時間口腔内に保持
され、薬効持続性の高い口腔粘膜貼付剤を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意研究を行った結果、特定の表面張力の関係を有する2
種のポリマーと薬効成分を含有する口腔粘膜貼付剤が、
製造時に積層工程を必要とせず、容易に製造でき、口腔
粘膜に貼付しやすく、しかも長時間口腔内に保持され、
薬効成分の徐放性に優れ、口腔内の局部又は全身的な疾
患の治療・予防に有用であることを見出し、本発明を完
成した。
【0007】すなわち、本発明は、(i)シリコーン鎖
を有するポリマー、(ii)親水性基を有するポリマー及
び(iii)薬効成分を含有し、ポリマー(i)の表面張
力γ1とポリマー(ii)の表面張力γ2がγ1<γ2の関係
にあることを特徴とする口腔粘膜貼付剤を提供するもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる(i)シリコ
ーン鎖を有するポリマーとしてはポリマーの主鎖又は側
鎖にSiを含有するものであって、被膜形成性のもので
あればよい。このようなポリマーには、例えばオキサゾ
リン変性オルガノポリシロキサン、ポリシロキサンマク
ロマーを含む共重合体、糖残基オルガノポリシロキサン
誘導体、アルキル変性シリコーン、高重合ポリメチルシ
ロキサン、ポリエーテル変性ポリメチルシロキサンなど
が挙げられる。
【0009】本発明においては、ポリマー(i)とし
て、下記の(a)〜(c)が好ましい。 (a)分子内のオルガノポリシロキサンのセグメントの
末端又は側鎖において、ヘテロ原子を含むアルキレン基
を介して下記一般式(1);
【0010】
【化1】
【0011】(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜22
のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はア
リール基を示し、kは2又は3の数を示す)で表される
繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミ
ン)のセグメントと結合した重量平均分子量50,00
0〜500,000のオルガノポリシロキサンであっ
て、オルガノポリシロキサンのセグメントと該ポリ(N
−アシルアルキレンイミン)のセグメントとの重量比が
98/2〜40/60であるオルガノポリシロキサン
(以下、オキサゾリン変性オルガノポリシロキサンとい
う)
【0012】上記式(1)中の繰り返し単位において、
基R1 としては、炭素数1〜3のアルキル基が好まし
く、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基が好ましい。
【0013】オルガノポリシロキサンのセグメントとポ
リ(N−アシルアルキレンイミン)との結合において介
在するヘテロ原子を含むアルキレン基の具体例として
は、次式;
【0014】
【化2】
【0015】(式中、X-は四級アンモニウム塩の対イ
オンを示す)で示す基などが挙げられる。
【0016】(a)のオキサゾリン変性オルガノポリシ
ロキサンの重量平均分子量は、10,000〜1,00
0,000のものが使用可能であり、また製造面から5
0,000〜500,000であり、好ましくは10
0,000〜500,000である。
【0017】また、(a)のオキサゾリン変性オルガノ
ポリシロキサンは、水又は低級アルコールに対する溶解
性又は分散性の点から、オルガノポリシロキサンのセグ
メントとポリ(N−アシルアルキルイミン)のセグメン
トとの重量比は98/2〜40/60であり、好ましく
は92/8〜45/55である。このようなオキサゾリ
ン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、特開平5−
25025号公報記載の方法により製造できる。
【0018】(b)〔A〕a〔B〕b〔C〕c(aは10
0〜3,000の整数、bは2〜50の整数、cは1〜
25の整数)で表されるA単位、B単位及びC単位から
なるランダム共重合体で、A単位は骨格を形成し、B単
位及びC単位の共重合しうる少なくとも1種のモノマー
であって、全重合体量の20〜89.9%であり、B単
位はA単位及びC単位の共重合しうる少なくとも1種の
親水性のマクロモノマーであって、全共重合体量の10
〜60%であり、C単位はA単位及びB単位の共重合し
うる少なくとも1種のポリシロキサンマクロマーであっ
て、全共重合体量の0.1〜20%であり、重量平均分
子量が10,000以上であり、少なくとも2つ以上の
ガラス転移温度(Tg)を有し、主鎖に対応する第1T
gは0℃以下であり、親水性高分子側鎖に対応する第2
Tgは25℃以上であるランダム共重合体
【0019】A単位のモノマーとしては、例えば下記一
般式(2)で表されるものが挙げられる。
【0020】
【化3】
【0021】〔式中、Xは-OH、-OM、-OR、-NH2、-NHR
及び-N(R)2から選ばれる基を示す(Mはカチオンであ
り、具体的にはNa+、K+、Mg2+、Ca2+、Zn2+、NH4 +、ア
ルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリア
ルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム基が
挙げられる。Rは水素原子、C1〜C8の直鎖又は分岐鎖
アルキル、N,N−ジメチルアミノエチル、メチル四級
化N,N−ジメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチ
ル、2−メトキシエチル及び2−エトキシエチル基から
選ばれる基を示す)。R11及びR12は水素原子、C1
8の直鎖又は分岐鎖アルキル、メトキシ、エトキシ、
2−ヒドロキシエトキシ、2−メトキシエチル及び2−
エトキシエチルから選ばれる基を示す〕 A単位のモノマーとしては、n−ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、N−オクチルアクリ
ルアミド、2−メトキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノア
クリレート等が好ましい。
【0022】B単位の親水性マクロモノマーとしては、
例えば下記式(3)、(3′)で表されるものが挙げら
れる。
【0023】
【化4】
【0024】〔式中、R13は水素原子、C1〜C6の直鎖
又は分岐鎖アルキルベンジルから選ばれるものを示し、
Xは2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、4−
ジメチルアミノエチルベンゼン、4−アミノエチルベン
ゼン、4−ジメチルアミノエチルベンゼン、4−アミノ
エチルベンゼン及び薬学的に許容できるこれらの塩、C
1〜C4アルキル四級化合物から選ばれるものを示し、E
はA単位又はC単位と共重合しうるエチレン性不飽和基
又はエチレン性不飽和基の末端が封鎖されたものであ
り、具体的にはビニル、アリル、アクロイル、メタクロ
イル、エタクロイルスチリル、2−ビニルベンジル、3
−ビニルベンジル、4−ビニルベンジル、2−ビニルベ
ンゾイル、3−ビニルベンゾイル、4−ビニルベンゾイ
ル、1−ブテニル、イソブテニル、イソプレニル、シク
ロペンチル、シクロヘキセニル基が挙げられる。mは1
0〜2,000の整数を示す〕 B単位のモノマーとしては、R12が1,1−ジフェニル
−4−メチルペンチルであり、Xが2−ピリジル、3−
ピリジル、4−ピリジル、ヒドロクロライド塩、ヒドロ
ブロマイド塩、メチル又はエチル四級化合物、特にメチ
ル四級化2−ピリジンが好ましい。
【0025】
【化5】
【0026】〔式中、Wはオキサゾリン、N−アルキル
オキサゾリン、アルキレングリコール、N−ビニルカプ
ロラクタム、アリルカプロラクタム、ビニルイミダゾ
ル、ビニルフラン、アリルフラン、ビニルテトラヒドロ
フラン及びアリルテトラヒドロフランから選ばれるもの
を示し、Iはカチオン性、アニオン性及びフリーラジカ
ルの各開始剤より選ばれる開始剤から誘導される化学種
を示し、Eは前記と同じであり、Mは10〜2,000
の整数であり、Nは0又は1である。〕
【0027】B単位のモノマーとしては、Iが水素原
子、水酸基、メチル基、エチル基、メトキシ基であるも
のが好ましい。
【0028】C単位のポリシロキサンマクロマーとして
は、例えば下記式(4)で表されるものが挙げられる。
【0029】
【化6】
【0030】(式中、R14は水素原子、低級アルキル
基、アリール基、アルコキシ基又はアルキルアミノ基を
示し、E′はA単位及びB単位に共重合しうるエチレン
性不飽和部を示し、Yは2価の結合基を示し、Zは数平
均分子量が500〜50,000の1価のシロキサン高
分子部を示し、nは0又は1を示し、tは1〜3の整数
を示す)
【0031】R14で示されるもののうち、低級アルキル
基としては、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
【0032】E′はA単位とB単位に共重合しうるエチ
レン性不飽和部であり、例えば下記式(5);
【0033】
【化7】
【0034】(式中、R15は水素原子又は-COOHであ
り、R16は水素原子、メチル基又は-CH2COOHである)で
表されるものが挙げられる。式(5)において、Zは共
重合条件下で本質的に未反応の、数平均分子量が500
〜50,000、好ましくは500〜25,000の1
価のシロキサン高分子部であり、例えば下記式(6);
【0035】
【化8】
【0036】(式中、R17はアルキル基、アルコキシ
基、アルキルアミノ基、アリル基又は水素原子を示し、
rは5〜700の整数である)で表されるものが挙げら
れる。R17のアルキル基としては、R1 において例示し
たものと同様のものが挙げられ、アルコキシ基、アルキ
ルアミノ基としてはR14において例示したものと同様の
ものが挙げられる。
【0037】また、式(4)において、Yは2価の結合
基であり、本発明においては下記式;
【0038】
【化9】
【0039】で表されるものが好ましい。式中、R18
アルキル基又は水素原子であり、アルキル基としては、
1 において例示したものと同様のものが挙げられる。
pは0又は1であり、qは2〜6の整数であり、sは
0、1又は2である。
【0040】(b)のランダム共重合体は、全共重合体
のうち、A単位は20〜89.9%、好ましくは35〜
85%、B単位は10〜60%、好ましくは20〜55
%、C単位は0.1〜20%、好ましくは1〜15%で
構成される。また、A単位はB単位及びC単位のエチレ
ン性不飽和部と結合し、骨格を形成し、B単位の高分子
部は親水性側鎖を形成し、C単位の高分子部はポリシロ
キサン鎖を形成する。この共重合体は重量平均分子量が
10,000以上、好ましくは15,000〜1,00
0,000であり、共重合体は少なくとも2つの異なっ
たガラス転移温度(Tg)を示し、約0℃以下、好まし
くは−45〜−120℃の骨格に対応する第1Tgと約
25℃以上、好ましくは35〜150℃の親水性高分子
鎖に対応する第2Tgを示す。このようなランダム共重
合体は、例えばWO95−06078記載の方法により
製造できる。
【0041】(c)下記一般式(7);
【0042】
【化10】
【0043】(式中、R21 及びR22 は同一又は異なっ
て、炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R23 〜R28
同一又は異なって、少なくとも一つが-R29-O-G(R29
炭素数2〜20の2価の有機基、Gはオリゴ糖、単糖又
は多糖から誘導されるグリコシル基で表される基を示
し、残りは炭素数1〜8の炭化水素基又はヒドロキシ基
を示し、x及びyは同一又は異なって0又は正数を示
し、かつ1,000<x+y<10,000である)で
表される糖残基を有するオルガノポリシロキサン誘導体
【0044】式中、R21 及びR22 で示される炭素数1
〜8の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基やフェニル基が好まし
い。尚、y個のR21 及びR22 は同一でも異なっていて
もよい。R23 〜R28 は同一又は異なって、少なくとも
一つが-R29-O-Gである。R29で示される炭素数2〜20
の2価の有機基としては、例えば-(CH2)2-、-(CH2)3-、
-CH2CH(CH3)CH2-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-、-(C
H2)7-、-(CH2)8-、-CH2CH(CH2CH3)-、-(CH2)3-O-(CH2)2
-、-(CH2)3-O-(CH2)2-O-(CH2)2-、-(CH2)3-O-CH2CH(C
H3)-、-CH2CH(CH3)COO(CH2)2-等が挙げられ、特に炭素
数2〜10のアルキレン基が好ましい。
【0045】R23 〜R28 で示される炭化水素基のう
ち、炭素数1〜8の炭化水素基としては、上記R2 及び
3 で示される基と同様のものが挙げられ、同様のもの
が好ましい。また、x及びyは平均値を示し、0又は正
数を示すが、xは500〜3,000、特に1,000
〜3,000が好ましく、yは100〜1,000、特
に200〜500が好ましい。更にx+yは1,000
〜10,000であり、特に1,000〜3,000が
好ましい。
【0046】このような糖残基を有するオルガノポリシ
ロキサン誘導体は、例えば特開平6−145023号公
報記載の方法により製造できる。
【0047】本発明において、ポリマー(i)は常温、
常圧で固体で、水又は低級アルコールに溶解又は完全に
分散可能のものが好ましく、特に(a)成分のオキサゾ
リン変性オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0048】本発明で用いられる(ii)親水性基を有す
るポリマーとしては、ヒドロキシル基、カルボキシル基
等の親水性基を有し、被膜形成性の天然又は合成ポリマ
ーのいずれでもよい。このようなポリマーのうち、ヒド
ロキシル基を有するポリマーとしては、例えばラテック
ス類、酸性ヘテロ多糖類、ムコ多糖類、セルロース誘導
体等の多糖類、ビニルポリマー類、ポリペプタイド等が
挙げられる。より具体的には、ポリアンテス属(Polian
thes L.)に属する植物のカルス由来の酸性ヘテロ多糖
類、ヒアルロン酸、カチオン化セルロース、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ア
ラビアガム、グァーガム、ペクチン、ローカストビーン
ガム、ポリビニルアルコール、カラギーナン、マルトト
リオース、ポリエチレングリコール、コラーゲン及びそ
の誘導体、プルラン、キチン及びその誘導体、キトサン
及びその誘導体などが挙げられる。
【0049】また、カルボキシル基を有するポリマーと
しては、例えば微生物産生の多糖類、セルロース誘導体
等の多糖類、ポリペプタイド等が挙げられる。より具体
的には、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガ
ム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、アルギン
酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。
【0050】本発明において、ポリマー(ii)としては
ヒドロキシル基を有するポリマーが好ましく、特にポリ
ビニルアルコール、ポリオキシエチレングリコール、コ
ラーゲン及びその誘導体、プルラン、キチン及びその誘
導体、キトサン及びその誘導体、更にポリビニルアルコ
ールが好ましい。
【0051】本発明においては、ポリマー(i)の表面
張力γ1とポリマー(ii)の表面張力γ2がγ1<γ2の関
係にあることが必要である。これ以外では、ポリマー
(i)とポリマー(ii)とを、貼付剤の片面づつに偏析
できない。また、これらのポリマーの表面張力は、ポリ
マー(i)が15〜35dyn/cm、特に15〜30dyn/
cm、ポリマー(ii)が40〜75dyn/cm、特に55〜
75dyn/cmが好ましい。表面張力は汎用の表面張力計
で測定できる。
【0052】ポリマー(i)及びポリマー(ii)は、そ
れぞれ1種又は2種以上を併用でき、それぞれ全組成中
に0.001〜30重量%、特に0.005〜20重量
%、更に0.005〜10重量%配合するのが好まし
い。また、ポリマー(i)とポリマー(ii)との重量比
は、(i)/(ii)=5/95〜95/5、特に15/
85〜85/15が好ましい。
【0053】本発明で用いられる(iii)薬効成分とし
ては、粘膜吸収により局部又は全身的な疾患の治療・予
防等に適したものであれば特に制限されず、例えばプレ
ドニゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、ヒド
ロコルチゾン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベ
タメタゾン等の消炎ステロイド;アスピリン、アミノピ
リン、アセトアミノフェン、アラントインクロロヒドロ
キシアルミニウム、イブフェナック、イブプロフェン、
インドメタシン、コルヒチン、スルピリン、メフェナム
酸、塩酸ベンジダミン、フェナセチン、フェニルブタゾ
ン、フルフェナム酸、プロペシド等の鎮痛消炎薬;α−
キモトリプシン等の消炎酵素;塩酸ジフェンヒドラミ
ン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン
薬;塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、
ヘキシルレゾルシン、ニトロフラゾン等の口腔内殺菌
薬;ペニシリン及びその誘導体、セファロスポリン誘導
体、エリスロマイシン、塩酸テトラサイクリン、フラジ
オマイシン、ロイコマイシン等の抗生物質;スルファメ
チゾール、ナリジスク酸等の化学療法薬;ジギタリス、
ジゴキシン等の強心薬;ニトログリセリン、塩酸パパペ
リン等の血管拡張薬;リドカイン、塩酸プロカイン等の
局所麻酔薬;リン酸コデイン、ビソルボン等の鎮咳去痰
薬;アズレン、フェノバリン、ペプシン、ビタミンU等
の消化器官用薬;塩化リゾチーム、トリプシン等の酵
素;インシュリン等の血圧降下薬;その他の血圧降下
薬;鎮静薬、止血薬、性ホルモン類、抗悪性腫瘍薬等が
挙げられる。
【0054】これらのうち、徐放化により治療効果の増
大が期待される成分が、特に好適に使用される。
【0055】これらの(iii)薬効成分は、1種又は2
種以上を併用でき、その配合量は種類等により異なり、
有効量であれば特に制限されないが、全組成中に0.0
1〜10重量%、特に0.1〜1重量%配合するのが好
ましい。
【0056】本発明の口腔粘膜貼付剤には、前記成分の
ほか、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲に
おいて、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品等に用いら
れる各種任意成分を添加することができる。
【0057】ここで用いられる各種任意成分としては、
特に制限されないが、例えば油分、脂肪酸、ステロール
類、界面活性剤、水溶性多価アルコール、粉体、シリコ
ーン類、無機塩、粘度調整剤、防腐剤、pH調整剤、湿潤
剤、紫外線吸収剤、色素、香料等が挙げられる。本発明
の口腔粘膜貼付剤のpHは2〜11であるのが好ましく、
特に4〜8であると、口腔内の正常な生理機能を保持で
きるので好ましい。
【0058】本発明の口腔粘膜貼付剤は、例えばポリマ
ー(i)とポリマー(ii)が共に溶解する揮発性溶媒を
用い、ポリマー(i)、ポリマー(ii)及び薬効成分を
含有する粘膜貼付用溶液を調製する。ここで用いる揮発
性溶剤としては、例えばエタノール、ヘキサン、環状ジ
メチルポリシロキサン等が挙げられる。次に水平に設置
したテフロンシャーレ等に前記溶液をキャストし、室温
下に保持して風乾した後、形成したフィルムを、シャー
レから剥離することにより製造できる。
【0059】このようにして得られる本発明の口腔粘膜
貼付剤は、ポリマー(i)とポリマー(ii)とが、フィ
ルム状の貼付剤の片面づつに偏析する表面偏析を生じ、
フィルムの粘膜貼付側が薬効成分を含有するポリマー
(ii)であり、表面側がポリマー(i)となる。ここ
で、表面偏析とは、表面近傍に成分の一部が偏って析出
している現象をいい、その現象はFT−IR−ATR
(フーリエ変換赤外分光計−減衰全反射)法、XPS
(X線光電子分光)、EDX(エネルギー分散型X線分
析)、TEM(透過型電子顕微鏡)等の表面解析装置や
電子顕微鏡等で観察できる。
【0060】また、本発明の口腔粘膜貼付剤は、前記の
とおりフィルム状に製造され、その厚さは特に制限され
ないが、口腔内に貼付しやすく、かつ貼付中にじゃまに
ならないためには、0.01〜5mm、特に0.1〜1mm
が好ましい。
【0061】
【発明の効果】本発明の口腔粘膜貼付剤は、製造時に積
層工程を必要とせず、容易に製造でき、また口腔粘膜に
貼付しやすく、しかも長時間口腔内に保持され、薬効成
分の徐放性を有し、口腔内の局部又は全身的な疾患の治
療・予防等に有用である。
【0062】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において示した表面張力は汎用の表面張力
計により測定した値である。
【0063】実施例1 表1に示す組成の口腔粘膜貼付剤を製造し、口腔内での
残留時間及び歯肉炎改善度を評価した。結果を表1に併
せて示す。
【0064】(製法) <貼付用溶液の製造>エタノール50重量%にオキサゾ
リン変性オルガノポリシロキサンA又はエチルセルロー
スを溶解する。一方、エタノール46重量%に塩化セチ
ルピリジニウム及びアラントインクロロヒドロキシアル
ミニウムを溶解し、更にヒドロキシプロピルセルロース
を加えて溶解する。これを先に溶解しておいたエタノー
ル溶液に徐々に加え、均一にする。更に精製水を加え貼
付用溶液を得た。 <フィルムの製造>上記で得られた貼付用溶液を、水平
に設置したテフロンシャーレにキャストし、室温下に一
夜保持して風乾した。形成したフィルムを剥離して、口
腔粘膜貼付剤を得た。
【0065】(評価方法) (1)口腔内残留時間:直径1.5cm、面積1.77cm
2 、厚さ0.1mmのフィルム状貼付剤を口腔内に貼付し
たとき、当該フィルムが4分の1以下の面積になるまで
の時間を測定した。
【0066】(2)歯肉炎改善度:直径1.5cm、厚さ
0.1mmのフィルム状貼付剤を歯肉炎患者8人に貼付
し、歯肉炎の改善程度をBOP(blood of probing)で
評価し、改善されるまでに要した日数を求めた。
【0067】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)シリコーン鎖を有するポリマー、
    (ii)親水性基を有するポリマー及び(iii)薬効成分
    を含有し、ポリマー(i)の表面張力γ1とポリマー(i
    i)の表面張力γ2がγ1<γ2の関係にあることを特徴と
    する口腔粘膜貼付剤。
  2. 【請求項2】 ポリマー(i)とポリマー(ii)とが、
    貼付剤の片面づつに偏析している請求項1記載の口腔粘
    膜貼付剤。
JP3735698A 1998-02-19 1998-02-19 口腔粘膜貼付剤 Pending JPH11228394A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019131479A (ja) * 2018-01-29 2019-08-08 株式会社リタファーマ 舌苔除去材及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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