JPH1122664A

JPH1122664A - スクロール圧縮機

Info

Publication number: JPH1122664A
Application number: JP17356297A
Authority: JP
Inventors: Sadayuki Yamada; 定幸山田; Takashi Morimoto; 敬森本; Shuichi Yamamoto; 修一山本; Shigeru Muramatsu; 繁村松; Masahiro Tsubokawa; 正浩坪川; Manabu Sakai; 学阪井
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1997-06-30
Filing date: 1997-06-30
Publication date: 1999-01-26

Abstract

(57)【要約】【課題】吐出弁と複数のバイパス弁とを固定スクロー
ルの吐出室側に固定する際の位置決め精度を改善して吐
出弁とバイパス弁の閉塞機能低下の防止を図り、性能を
安定化したものである。【解決手段】吐出弁と複数のバイパス弁とを一体型の
逆止弁とし、逆止弁押さえを平面部とワン曲面部より構
成し、逆止弁押さえ平面部には複数の位置決め突起を逆
止弁にはこれらの突起に対応する位置に貫通孔をそれぞ
れ設け、逆止弁および逆止弁押さえを位置ずれをおこす
ことなく固定スクロールの吐出室側にねじ止め固定した
ものである。この構成にすることにより、吐出弁とバイ
パス弁の閉塞機能低下の防止を図り、性能を安定化した
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は空気調和装置などの
スクロール圧縮機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】低振動，低騒音特性を備えたスクロール
気体圧縮機は、吸入室が圧縮空間を形成する渦巻きの外
周部に有り、吐出口が渦巻きの中心部に設けられ、吸入
完了時の容積と圧縮終了時の容積とで決まる圧縮比が一
定であるという特徴を有する。

【０００３】したがって、吸入圧力と吐出圧力がほぼ一
定の場合には、設定圧縮比を最適化することによって高
効率化が実現できる。

【０００４】このスクロール気体圧縮機を空調用冷媒圧
縮機として使用し、可変速運転を行った場合や空調負荷
変動が起こった場合には、冷媒の吸入圧力と吐出圧力が
変化する。そして、実際の圧縮比と設定圧縮比との間の
差によって、不足圧縮や過圧縮運転現象が発生する。

【０００５】不足圧縮時には、吐出室の高圧冷媒ガスが
吐出口から圧縮室に間欠的に逆流し入力の増加を招き、
過圧縮時には、必要動力以上の圧縮動力が発生し入力の
増加を招く結果となる。過圧縮を低減する手段としては
バイパス孔を設けることが知られており、このようなバ
イパス孔を設けたスクロール気体圧縮機は特公平８−３
０４７１号に開示されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、吐出孔と複数のバイパス孔とが接近する
ために、吐出弁と複数のバイパス弁とが干渉し合うとい
う課題がある。この課題を解決するために、吐出孔とバ
イパス孔に対する吐出弁およびバイパス弁の塞ぎ代を少
なくする必要がある。その結果、吐出弁と複数のバイパ
ス弁をそれぞれ固定スクロールの吐出室側に固定する際
の位置ずれによって、吐出孔とバイパス孔に対する吐出
弁およびバイパス弁の閉塞機能が低下し、性能が不安定
になるという課題もある。

【０００７】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、吐出弁と複数のバイパス弁とを固定スクロ
ールの吐出室側に固定する際の位置決め精度を改善して
吐出弁とバイパス弁の閉塞機能低下の防止を図り、性能
の安定化を目的とする。また、吐出弁およびバイパス弁
の一部に応力が集中することを回避し、信頼性の向上を
目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、吐出弁と複数のバイパス弁とを一体型の逆
止弁とし、逆止弁押さえを平面部とワン曲面部より構成
し、逆止弁押さえ平面部には複数の位置決め突起を逆止
弁にはこれらの突起に対応する位置に貫通孔をそれぞれ
設け、逆止弁および逆止弁押さえを位置ずれをおこすこ
となく固定スクロールの吐出室側にねじ止め固定する。

【０００９】また、吐出弁および複数のバイパス弁を同
一方向に整列しそれぞれを独立動作させる切り欠き部を
設けた一体型の逆止弁とし、逆止弁押さえを平面部とワ
ン曲面部より構成し、逆止弁と逆止弁押さえとを固定ス
クロールの吐出室側にねじ止め固定し、逆止弁切り欠き
部の一部が逆止弁押さえ平面部で固定スクロールの吐出
室側に密着固定される領域に含まれる設定とし、吐出弁
と複数のバイパス弁との連結部への応力集中を回避す
る。

【００１０】また、吐出弁と複数のバイパス弁とを一体
型の逆止弁とし、逆止弁押さえを平面部とワン曲面部よ
り構成し、逆止弁押さえ平面部にねじ止め孔を設け、逆
止弁には逆止弁押さえに設けたねじ止め孔に対応する位
置に貫通孔を設け、逆止弁と逆止弁押さえとを固定スク
ロールの吐出室側にねじ止め固定し、逆止弁押さえのね
じ止め孔からワン曲面部までの平面部長さを、ねじ止め
孔の半径値より大きく設定し、逆止弁の貫通孔近傍への
応力集中を回避する。

【００１１】

【発明の実施の形態】上記の課題を解決するための請求
項１記載の発明は、吐出弁と複数のバイパス弁とを一体
型の逆止弁とし、逆止弁押さえを平面部とワン曲面部よ
り構成し、逆止弁押さえ平面部には複数の位置決め突起
を逆止弁にはこれらの突起に対応する位置に貫通孔をそ
れぞれ設け、逆止弁および逆止弁押さえを位置ずれをお
こすことなく固定スクロールの吐出室側にねじ止め固定
する。

【００１２】請求項２記載の発明は、吐出弁と複数のバ
イパス弁とを同一方向に整列し、逆止弁押さえを一枚板
形状としワン曲面部を単一曲率半径で曲げたものであ
る。

【００１３】請求項３記載の発明は、逆止弁押さえに設
けた複数の位置決め突起とそれに対応する逆止弁の貫通
孔とのクリアランスを、逆止弁および逆止弁押さえを固
定スクロール鏡板の吐出室側に固定するねじとそれに対
応する逆止弁の貫通孔とのクリアランスより小さく設定
したものである。

【００１４】請求項４記載の発明は、吐出弁および複数
のバイパス弁を同一方向に整列しそれぞれを独立動作さ
せる切り欠き部を設けた一体型の逆止弁とし、逆止弁押
さえを平面部とワン曲面部より構成し、逆止弁と逆止弁
押さえとを固定スクロールの吐出室側にねじ止め固定
し、逆止弁切り欠き部の一部が逆止弁押さえ平面部で固
定スクロールの吐出室側に密着固定される領域に含まれ
る設定とし、吐出弁と複数のバイパス弁との連結部に応
力が集中することを回避するものである。

【００１５】請求項５記載の発明は、逆止弁押さえを一
枚板形状としワン曲面部を単一曲率半径で曲げたもので
ある。

【００１６】請求項６記載の発明は、吐出弁と複数のバ
イパス弁とを一体型の逆止弁とし、逆止弁押さえを平面
部とワン曲面部より構成し、逆止弁押さえ平面部にねじ
止め孔を設け、逆止弁には逆止弁押さえに設けたねじ止
め孔に対応する位置に貫通孔を設け、逆止弁と逆止弁押
さえとを固定スクロールの吐出室側にねじ止め固定し、
逆止弁押さえのねじ止め孔からワン曲面部までの平面部
長さを、ねじ止め孔の半径値より大きく設定し、逆止弁
の貫通孔近傍に応力が集中することを回避するものであ
る。

【００１７】請求項７記載の発明は、吐出弁と複数のバ
イパス弁とを同一方向に整列し、逆止弁押さえを一枚板
形状としワン曲面部を単一曲率半径で曲げたものであ
る。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１９】（実施例１）図１において、横置形スクロ
ール圧縮機の部分縦断面を示す鉄製の密閉容器１の内部
全体は吐出管（図示なし）に連通する高圧雰囲気とな
り、その中央部にモータ３、右部に圧縮部が配置され、
モータ３の回転子３ａに固定された駆動軸４の一端を支
承する圧縮部の本体フレーム５が密閉容器１に固定され
ており、その本体フレーム５に固定スクロール７が取り
付けられている。

【００２０】駆動軸４に設けられた主軸方向の油穴１２
は、その一端が給油ポンプ装置（図示なし）に通じ、他
端が最終的に主軸受８に通じている。固定スクロール７
と噛み合って圧縮室２を形成する旋回スクロール１３
は、渦巻き状の旋回スクロールラップ１３ａと旋回軸１
３ｃとを直立させたラップ支持円盤１３ｂとから成り、
固定スクロール７と本体フレーム５との間に配置されて
いる。

【００２１】固定スクロール７は、鏡板７ａと渦巻き状
の固定スクロールラップ７ｂとから成り、固定スクロー
ルラップ７ａの中央部に吐出孔３０、圧縮途中部に二対
のバイパス孔３１ａおよび３１ｂ、外周部に吸入室３２
が配置されている（図２参照）。吐出孔３０は、隣接す
る吐出室３３を介してモータ３が配置された高圧空間に
通じている。吸入室３２は、密閉容器１の端壁を貫通す
る吸入管３４に通じている。

【００２２】駆動軸４の主軸から偏芯して駆動軸４の右
端穴部に配置された旋回軸受１４は、旋回スクロール１
３の旋回軸１３ｃと係合摺動すべく構成されている。旋
回スクロール１３のラップ支持円板１３ｂと本体フレー
ム５に設けられたスラスト軸受１９との間は、油膜形成
可能な微小隙間が設けられている。ラップ支持円板１３
ｂには旋回軸１３ｃとほぼ同芯の環状シール部材１８が
遊合状態で装着されており、その環状シール部材１８は
その内側の背面室２０と外側とを仕切っている。背面室
２０は、隣接する主軸受８に通じる一方、旋回軸受１４
の摺動面を介して駆動軸４の油穴１２にも通じている。
旋回軸受１４の底部の油室１５と、ラップ支持円板１３
ｂの外周部空間の背面室１６との間は、ラップ支持円板
１３ｂに設けられた油通路２１を介して通じている。油
通路２１は、その他端に絞り部２２を有している。

【００２３】背面室１６と吸入室３２との間は、ラップ
支持円板１３ｂと摺接する鏡板７ａの表面に設けられた
油溝２３（図２参照）を介して連通している。吐出孔３
０の出口側を開閉する吐出弁３５と二対のバイパス孔３
１ａおよび３１ｂの出口側を開閉する２枚のバイパス弁
３６ａおよび３６ｂとを一体型の逆止弁３７とし、逆止
弁３７の開度を規制する逆止弁押さえ３８を平面部３８
ａとワン曲面部３８ｂより構成し、逆止弁押さえ平面部
３８ａにねじ止め孔３８ｃと２個の位置決め突起３８ｄ
を設け、逆止弁３７には逆止弁押さえ平面部３８ａに設
けたねじ止め孔３８ｃと２個の位置決め突起３８ｄに対
応する位置にそれぞれ貫通孔３７ｃおよび３７ｄを設
け、逆止弁３７と逆止弁押さえ３８を固定スクロール７
の鏡板７ａの吐出室側にねじ３９で固定されている（図
３および図４参照）。

【００２４】以上のスクロール圧縮機の構成において、
モータ３によって駆動軸４が回転駆動すると本体フレー
ム５のスラスト軸受１９に支持された旋回スクロール１
３が旋回運動をし、圧縮機に接続した冷凍サイクルから
潤滑油を含んだ吸入冷媒ガスが、吸入管３４を経由して
吸入室３２に流入し、旋回スクロール１３と固定スクロ
ール７との間に形成された圧縮室２へと圧縮移送され、
中央部の吐出孔３０および圧縮途中部のバイパス孔３
１、吐出室３３を経てモータ３を冷却しながら吐出管
（図示なし）から圧縮機外部に排出される。

【００２５】潤滑油を含んだ吐出冷媒ガスは、吐出室３
３から吐出管（図示なし）までの通路途中で分離され、
油溜１１に収集する。吐出圧力が作用する潤滑油は、駆
動軸４の一端に連結された給油ポンプ装置（図示なし）
により、駆動軸４の油穴１２を経由して油室１５に送ら
れ、その大部分が旋回軸受１４と主軸受８の摺動面を経
由して油溜１１に帰還する一方、残りの潤滑油が旋回ス
クロール１３に設けられた油通路２１を経由して最終的
に背面室１６に流入する。

【００２６】油通路２１を流れる潤滑油は、その入口部
の絞り部２２で一次減圧され、吸入室３２に通じている
背面室１６に流入する。圧縮室２の冷媒ガス圧力は、駆
動軸４の主軸方向に旋回スクロール１３を固定スクロー
ル７から離反させようと作用する。一方、旋回スクロー
ル１３のラップ支持円板１３ｂが吐出圧力の作用する背
面室２０（環状シール部材１８で囲まれた内側部分）か
らの背圧を受けている。

【００２７】したがって、旋回スクロール１３を固定ス
クロール７から離反させようとする力と背圧力とが相殺
される。その結果、旋回スクロール１３の離反力よりも
背圧力が大きい場合には、ラップ支持円板１３ｂは固定
スクロール７の鏡板７ａに支持され、反対の場合にはス
ラスト軸受１９に支持される。

【００２８】上述のいずれの場合にもラップ支持円板１
３ｂとその摺動面の間は微小隙間が保持されて、その摺
動面に供給された潤滑油によって油膜形成されており、
その摺動抵抗が軽減されている。旋回スクロール１３の
ラップ支持円板１３ｂが固定スクロール７の鏡板７ａま
たはスラスト軸受１９のいずれに支持される場合でも、
圧縮室２の隙間は微小で、背面室１６、吸入室３２を順
次経て圧縮室２に流入した潤滑油の油膜で密封されてい
る。

【００２９】一方、スクロール圧縮機は圧縮比が一定な
ことから、圧縮機冷時始動初期には多量の冷媒液が吸入
管３４を介して冷凍サイクルから帰還し、圧縮室２に流
入して液圧縮が生じることが有り、圧縮室２が異常圧力
上昇して吐出室３３の圧力より高くなる。吐出孔３０と
間欠的に連通する第２圧縮室２ｂで液圧縮が生じた場合
には、鏡板７ａに設けた二対のバイパス孔３１ａおよび
３１ｂの出口側を閉塞する２枚のバイパス弁３６ａおよ
び３６ｂが開き冷媒を吐出室３３に流出させ、圧縮室圧
力を降下させる。バイパス弁３６が開通作動するのは、
圧縮室２で液圧縮が生じる場合に限らない。

【００３０】この様な構成により、逆止弁３７および逆
止弁押さえ３８を固定スクロール鏡板７ａの吐出室側に
ねじ３９で固定する際の位置決め精度を改善して吐出弁
３５と２枚のバイパス弁３６ａおよび３６ｂの閉塞機能
低下の防止を図り、性能の安定化が可能となる。

【００３１】また、図５および図６は、吐出弁３５と２
枚のバイパス弁３６ａおよび３６ｂとを同一方向に整列
した一体型の逆止弁３７とし、逆止弁押さえ３８を一枚
板形状でワン曲面部３８ｂを単一曲率半径で曲げたもの
である。これにより、逆止弁押さえ３８の加工性が向上
する。

【００３２】また、図３および図４、または図５および
図６で、逆止弁押さえ３８に設けた２個の位置決め突起
３８ｄの直径φｄ₃₈と逆止弁３７に設けた貫通孔３７ｄ
の直径φｄ₃₇との差Ｄを、逆止弁３７および逆止弁押さ
え３８を固定スクロール鏡板７ａの吐出室側に固定する
ねじ３９の直径φｃ₃₉とそれに対応する逆止弁３７の貫
通孔３７ｃの直径φｃ₃₇との差Ｃより、小さく設定す
る。すなわち、Ｄ＝φｄ₃₇−φｄ₃₈ Ｃ＝φｃ₃₇−φｃ₃₉ Ｄ＜Ｃである。これにより、逆止弁３７および逆止弁押さえ３
８を固定スクロール鏡板７ａの吐出室側にねじ３９で固
定する際の位置決め精度をさらに改善して吐出弁とバイ
パス弁の閉塞機能低下の防止を図り、性能の安定化が可
能となる。

【００３３】（実施例２）図７および図８は、図１のス
クロール圧縮機における逆止弁部の詳細図である。吐出
孔３０の出口側を開閉する吐出弁４０と二対のバイパス
孔３１ａおよび３１ｂの出口側を開閉する２枚のバイパ
ス弁４１ａおよび４１ｂとを同一方向に整列し、この吐
出弁４０と２枚のバイパス弁４１ａおよび４１ｂとを独
立動作させる切り欠き部４２を設けた一体型の逆止弁４
３とし、逆止弁４３の開度を規制する逆止弁押さえ４４
を平面部４４ａとワン曲面部４４ｂより構成し、逆止弁
押さえ平面部４４ａにねじ止め孔４４ｃを設け、逆止弁
４３には逆止弁押さえ平面部４４ａに設けたねじ止め孔
４４ｃに対応する位置に貫通孔４３ｃを設け、逆止弁４
３と逆止弁押さえ４４を固定スクロール７の鏡板７ａの
吐出室側にねじ３９で固定し、逆止弁切り欠き部４２の
一部が逆止弁押さえ平面部４４ａで固定スクロール鏡板
７ａに密着固定される領域に含まれる設定としたもので
ある。これにより、吐出弁４０と２枚のバイパス弁４１
ａおよび４１ｂとの連結部４５への応力集中を回避する
ことができ、逆止弁４３の信頼性が向上する。

【００３４】また、図９は、逆止弁押さえ４４を一枚板
形状でワン曲面部４４ｂを単一曲率半径で曲げたもので
ある。これにより、逆止弁押さえ４４の加工性が向上す
る。

【００３５】（実施例３）図１０および図１１は、図１
のスクロール圧縮機における逆止弁部の詳細図である。
吐出孔３０の出口側を開閉する吐出弁４６と二対のバイ
パス孔３１ａおよび３１ｂの出口側を開閉する２枚のバ
イパス弁４７ａおよび４７ｂとを一体型の逆止弁４８と
し、逆止弁４８の開度を規制する逆止弁押さえ４９を平
面部４９ａとワン曲面部４９ｂより構成し、逆止弁押さ
え平面部４９ａにねじ止め孔４９ｃを設け、逆止弁４８
には逆止弁押さえ平面部４９ａに設けたねじ止め孔４９
ｃに対応する位置に貫通孔４８ｃを設け、逆止弁４８と
逆止弁押さえ４９を固定スクロール７の鏡板７ａの吐出
室側にねじ３９で固定し、逆止弁押さえ４９のねじ止め
孔４９ｃからワン曲面部４９ｂまでの平面部５０長さ
を、逆止弁押さえ４９に設けたねじ止め孔４９ｃの半径
値より大きく設定したものである。これにより、逆止弁
４８に設けた貫通孔４８ｃ近傍への応力集中を回避する
ことができ、逆止弁４８の信頼性が向上する。

【００３６】また、図１２および図１３は、吐出弁４６
と２枚のバイパス弁４７ａおよび４７ｂとを同一方向に
整列した一体型の逆止弁４８とし、逆止弁押さえ４９を
一枚板形状でワン曲面部４９ｂを単一曲率半径で曲げた
ものである。これにより、逆止弁押さえ４９の加工性が
向上する。

【００３７】

【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項
１に記載の発明は、吐出弁と複数のバイパス弁とを一体
型の逆止弁とし、逆止弁押さえに複数の位置決め突起を
設け、逆止弁と逆止弁押さえを固定スクロール鏡板の吐
出室側にねじで固定する際の位置決め精度を改善するも
ので、この構成によれば吐出弁とバイパス弁の閉塞機能
低下を防止し、性能が安定するという効果を奏する。

【００３８】請求項２に記載の発明は、吐出弁と複数の
バイパス弁とを同一方向に整列し、この吐出弁とバイパ
ス弁を独立動作させる切り欠き部を設けた一体型の逆止
弁とし、逆止弁押さえを平面部とワン曲面部より構成
し、逆止弁と逆止弁押さえを固定スクロール鏡板の吐出
室側にねじで固定し、逆止弁切り欠き部の一部が逆止弁
押さえ平面部で固定スクロール鏡板に密着固定される領
域に含まれる設定とするもので、この構成によれば吐出
弁とバイパス弁との連結部への応力集中を回避すること
ができ、逆止弁の信頼性が向上するという効果を奏す
る。

【００３９】請求項３に記載の発明は、吐出弁と複数の
バイパス弁とを一体型の逆止弁とし、逆止弁押さえを平
面部とワン曲面部より構成し、逆止弁押さえ平面部にね
じ止め孔を設け、逆止弁には逆止弁押さえに設けたねじ
止め孔に対応する位置に貫通孔を設け、逆止弁と前記逆
止弁押さえとを固定スクロール鏡板の吐出室側にねじで
固定し、逆止弁押さえのねじ止め孔からワン曲面部まで
の平面部長さを、逆止弁押さえに設けたねじ止め孔の半
径値より大きく設定したもので、この構成によれば逆止
弁に設けた貫通孔近傍への応力集中を回避することがで
き、逆止弁の信頼性が向上するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１におけるスクロール圧縮機の
断面図

【図２】図１におけるＡ−Ａ線による断面図

【図３】本発明の実施例１における逆止弁を示す平面図

【図４】（ａ）本発明の実施例１における逆止弁押さえ
を示す平面図（ｂ）同側面図

【図５】本発明の実施例１における逆止弁を示す平面図

【図６】（ａ）本発明の実施例１における逆止弁押さえ
を示す平面図（ｂ）同側面図

【図７】本発明の実施例２における逆止弁を示す平面図

【図８】（ａ）本発明の実施例２における逆止弁押さえ
を示す平面図（ｂ）同側面図

【図９】（ａ）本発明の実施例２における逆止弁押さえ
を示す平面図（ｂ）同側面図

【図１０】本発明の実施例３における逆止弁を示す平面
図

【図１１】（ａ）本発明の実施例３における逆止弁押さ
えを示す平面図（ｂ）同側面図

【図１２】本発明の実施例３における逆止弁を示す平面
図

【図１３】（ａ）本発明の実施例３における逆止弁押さ
えを示す平面図（ｂ）同側面図

【符号の説明】

３０吐出孔３１ａ，３１ｂバイパス孔３５，４０，４６吐出弁３６ａ，３６ｂ，４１ａ，４１ｂ，４７ａ，４７ｂバ
イパス弁３７，４３，４８逆止弁３７ｃ，４３ｃ，４８ｃねじ止め用貫通孔３７ｄ位置決め突起用貫通孔３８，４４，４９逆止弁押さえ３８ａ，４４ａ，４９ａ平面部３８ｂ，４４ｂ，４９ｂワン曲面部３８ｃ，４４ｃ，４９ｃねじ止め孔３８ｄ位置決め突起３９ねじ４２切り欠き部４５連結部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者村松繁大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (72)発明者坪川正浩大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内 (72)発明者阪井学大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面
に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップ
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円盤
上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した形
状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両ス
クロール間に渦巻き形で対称形の一対の圧縮空間を形成
し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じ
る吐出孔を設け、前記固定スクロールラップの外側には
吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロー
ルが前記固定スクロールに対し公転運動を行うことによ
って、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続
移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく
容積変化するスクロール圧縮機構を形成し、圧縮途中の
圧縮室に開口し且つ他端が前記吐出室に通じる一対以上
のバイパス孔を前記鏡板に配置し、前記吐出孔から吐出
室へのみの流体流れを許容し且つ前記吐出孔の出口側を
開閉するリード弁形の吐出弁と前記バイパス孔を介して
前記圧縮室から前記吐出室へのみの流体流れを許容し且
つ前記バイパス孔の出口側を開閉するリード弁形の複数
のバイパス弁とを一体型の逆止弁とし、前記逆止弁の開
度を規制する逆止弁押さえを平面部とワン曲面部より構
成し、前記逆止弁押さえ平面部にねじ止め孔と複数の位
置決め突起を設け、前記逆止弁には前記逆止弁押さえに
設けたねじ止め孔と複数の位置決め突起に対応する位置
に貫通孔を設け、前記逆止弁および前記逆止弁押さえを
前記鏡板の吐出室側にねじ止め固定したスクロール圧縮
機。
【請求項２】吐出弁と複数のバイパス弁とを同一方向
に整列し、逆止弁押さえを一枚板形状としワン曲面部を
単一曲率半径で曲げた請求項１記載のスクロール圧縮
機。
【請求項３】逆止弁押さえに設けた複数の位置決め突
起とそれに対応する逆止弁の貫通孔とのクリアランス
を、前記逆止弁および前記逆止弁押さえを固定スクロー
ル鏡板の吐出室側に固定するねじとそれに対応する逆止
弁の貫通孔とのクリアランスより小さく設定した請求項
１または２記載のスクロール圧縮機。
【請求項４】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面
に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップ
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円盤
上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した形
状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両ス
クロール間に渦巻き形で対称形の一対の圧縮空間を形成
し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じ
る吐出孔を設け、前記固定スクロールラップの外側には
吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロー
ルが前記固定スクロールに対し公転運動を行うことによ
って、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続
移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく
容積変化するスクロール圧縮機構を形成し、圧縮途中の
圧縮室に開口し且つ他端が前記吐出室に通じる一対以上
のバイパス孔を前記鏡板に配置し、前記吐出孔から吐出
室へのみの流体流れを許容し且つ前記吐出孔の出口側を
開閉するリード弁形の吐出弁と前記バイパス孔を介して
前記圧縮室から前記吐出室へのみの流体流れを許容し且
つ前記バイパス孔の出口側を開閉するリード弁形の複数
のバイパス弁とを同一方向に整列し、前記吐出弁および
前記バイパス弁を独立動作させる切り欠き部を設けた一
体型の逆止弁とし、前記逆止弁の開度を規制する逆止弁
押さえを平面部とワン曲面部より構成し、前記逆止弁と
前記逆止弁押さえとを前記鏡板の吐出室側にねじ止め固
定し、前記逆止弁切り欠き部の一部が前記逆止弁押さえ
平面部で前記鏡板に密着固定される領域に含まれる設定
としたスクロール圧縮機。
【請求項５】逆止弁押さえを一枚板形状としワン曲面
部を単一曲率半径で曲げた請求項４記載のスクロール圧
縮機。
【請求項６】固定スクロールの一部をなす鏡板の一面
に直立して形成された渦巻き状の固定スクロールラップ
に対して、旋回スクロールの一部をなすラップ支持円盤
上に直立し且つ前記固定スクロールラップに類似した形
状の旋回スクロールラップを互いに噛み合わせて、両ス
クロール間に渦巻き形で対称形の一対の圧縮空間を形成
し、前記固定スクロールラップの中心部に吐出室に通じ
る吐出孔を設け、前記固定スクロールラップの外側には
吸入室を設け、自転阻止部材を介して前記旋回スクロー
ルが前記固定スクロールに対し公転運動を行うことによ
って、前記各圧縮空間が吸入側より吐出側に向けて連続
移行する複数個の圧縮室に区画されて流体を圧縮すべく
容積変化するスクロール圧縮機構を形成し、圧縮途中の
圧縮室に開口し且つ他端が前記吐出室に通じる一対以上
のバイパス孔を前記鏡板に配置し、前記吐出孔から吐出
室へのみの流体流れを許容し且つ前記吐出孔の出口側を
開閉するリード弁形の吐出弁と前記バイパス孔を介して
前記圧縮室から前記吐出室へのみの流体流れを許容し且
つ前記バイパス孔の出口側を開閉するリード弁形の複数
のバイパス弁とを一体型の逆止弁とし、前記逆止弁の開
度を規制する逆止弁押さえを平面部とワン曲面部より構
成し、前記逆止弁押さえ平面部にねじ止め孔を設け、前
記逆止弁には前記逆止弁押さえに設けたねじ止め孔に対
応する位置に貫通孔を設け、前記逆止弁と前記逆止弁押
さえとを前記鏡板の吐出室側にねじ止め固定し、前記逆
止弁押さえのねじ止め孔から前記ワン曲面部までの平面
部長さを、前記ねじ止め孔の半径値より大きく設定した
スクロール圧縮機。
【請求項７】吐出弁と複数のバイパス弁とを同一方向
に整列し、逆止弁押さえを一枚板形状としワン曲面部を
単一曲率半径で曲げた請求項６記載のスクロール圧縮
機。